JP4692198B2 - 炭素繊維束およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、航空機用構造材料をはじめとして、ゴルフシャフトや釣り竿等のスポーツ用途、およびその他一般産業用途に好適に適用しうる繊維強化複合材料を得るための炭素繊維束、およびその製造方法に関するものである。
炭素繊維強化複合材料は、軽量で比強度および比弾性率等の機械的強度に優れているため、ゴルフシャフトや釣り竿等のスポーツ用途や航空機用構造材料等に広く用いられている。
このような炭素繊維強化複合材料を得るために炭素繊維束が用いられるが、この炭素繊維束は、例えば、熱硬化性樹脂を含むサイジング剤が付着されてなるものである。このような炭素繊維束に付与される熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびエポキシ樹脂などが使用され、中でも、エポキシ樹脂は、耐熱性、成形性および炭素繊維との接着性に優れ、高度の機械的強度を有する繊維強化複合材料を与える熱硬化性樹脂である。
かかる炭素繊維強化複合材料を、航空機、車両および船舶などの構造材料として適用する場合は、炭素繊維強化複合材料中の繊維長さ方向の引張強度、繊維長さ方向に垂直な方向の引張強度および剪断強度に加えて、繊維長さ方向の圧縮強度を高いレベルで実現させることが要求されている。
そこで炭素繊維強化複合材料の引張強度を向上させるため、可撓性付与剤として知られているダイマー酸エポキシ樹脂をサイジング剤として使用する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この提案では、炭素繊維強化複合材料中の繊維長さ方向の引張強度および剪断強度は優れるものの、繊維長さ方向の圧縮強度および繊維長さ方向に垂直な方向の引張強度等の機械強度を所望のものとすることが困難であるという問題があった。
また、炭素繊維強化複合材料を構成するマトリックス樹脂との接着性を高めるため、反応性希釈剤として知られている多官能エポキシ樹脂をサイジング剤として使用する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この提案では、炭素繊維強化複合材料の繊維長さ方向に垂直な方向の引張強度と剪断強度は優れているものの、繊維長さ方向の引張強度および圧縮強度等の機械的強度を所望のものとすることが困難であるという問題があった。
また、サイジング剤として、各種のエポキシ樹脂を使用する方法が提案されている(特許文献3および特許文献4参照)ものの、これらの提案では、いずれも繊維強化複合材料特性を満足する炭素繊維束は得られていないのが現状であり、更にエポキシマトリックス樹脂との親和性が高いエポキシ樹脂サイジング剤の開発が望まれている。
特開2004−149721号公報 特開平7−279040号公報 特開2004−149980号公報 特開2004−169260号公報
本発明の目的は、繊維長さ方向の引張強度と圧縮強度に優れ、かつ繊維長さ方向に垂直な方向の引張強度および層間剪断強度に優れた炭素繊維強化複合材料を与える炭素繊維束を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の炭素繊維束は、次の一般式(1)
Figure 0004692198
(式中、R1〜R4は、水素、水酸基、アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、またはアルキル基もしくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表す。)
で示される、テトラアルキルビフェニルもしくはビフェニルジメチレン−ヒドロキシフェニレン由来のビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂をサイジング剤成分中20〜80重量%含み、かつ界面活性剤を含むサイジング剤が付着されてなる炭素繊維束である。
上記一般式(1)において、アルキル基の炭素数は1〜4の範囲であることが好ましく、アルコキシル基の炭素数は1〜4の範囲であることが好ましい。
また、本発明の炭素繊維束の製造方法は、上記一般式(1)で示される、テトラアルキルビフェニルもしくはビフェニルジメチレン−ヒドロキシフェニレン由来のビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂をサイジング剤成分中20〜80重量%の割合となるよう、界面活性剤で乳化した水分散液を付与する工程を含む、炭素繊維束の製造方法である。
また、本発明の炭素繊維束の好ましい態様によれば、前記のサイジング剤の付着量は、炭素繊維束の単位重量当たり0.2〜10重量%である。
本発明によれば、繊維長さ方向の引張強度、圧縮強度に優れ、かつ繊維長さ方向に垂直な方向の引張強度および層間剪断強度に優れた複合材料物性を有する炭素繊維束が得られる。また、炭素繊維束を構成する単繊維がバラケ易く、樹脂の含浸性が良好である。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記の一般式(1)で示される骨格を有するエポキシ樹脂を含むサイジング剤を付着してなる炭素繊維束によって、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
サイジング剤に上記の一般式(1)で示されるビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂を含むことによる作用は明確ではないが、以下のように考えられる。すなわち、炭素繊維表面に付着したサイジング剤として、前記エポキシ樹脂が炭素繊維表面近傍に留まってマトリックス樹脂と相溶し樹脂硬化層を形成する。この炭素繊維束を構成する単繊維を把持する樹脂硬化層は、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂が剛直で直線上であるため、樹脂伸度を高めて繊維長さ方向に垂直な方向の張力に対しての応力緩和する効果と、樹脂靭性を高めたために炭素繊維束を構成する単繊維の破断に硬化樹脂の破壊進展を抑える効果が相まって、複合材料の引張強度を向上させるものと考えられる。同時に、この樹脂硬化層は、高い靭性とエポキシ基を含有することで、繊維長さ方向に垂直な方向の引張強度、層間剪断強度とコンポジット圧縮強度が同時に高い複合材料を得られたものと考えられる。
記の一般式(1)で示されるビフェニル骨格としては、本発明では、テトラアルキルビフェニル骨格もしくはビフェニルジメチレン−ヒドロキシフェニレン由来のビフェニル骨格を備えることを必須とするが、代表的なものとして、次式の(2)〜(7)で示される化合物が挙げられる。中でも、次式の(2)と(7)で示される化合物が好ましく、樹脂靱性を高めることができる。
Figure 0004692198
Figure 0004692198
Figure 0004692198
Figure 0004692198
Figure 0004692198
Figure 0004692198
(式中、nは1〜4の整数である。)
また、市販されているビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂としては、具体的には、ジャパンエポキシレジン(株)製YX4000および日本化薬(株)製NC3000等を挙げることができる。
本発明においては、前記ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂を、サイジング剤の重量あたり2080重量%を配合する。ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の配合量が少なすぎると、複合材料において炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度および靭性向上程度が低くなり、コンポジット引張強度および圧縮強度が低下する場合がある。
サイジング剤を構成することができる他の成分としては、炭素繊維束の耐擦過性や集束性をより向上させるため、他のエポキシ樹脂を複数混合して使用することできる。他のエポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラグリシジルアミン、トリグリシジルアミン等の多官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型、1,6−ヘキサンジオール型およびグリセリン型などのエポキシ樹脂多官能型反応性希釈剤を挙げることができる。前記の他のエポキシ樹脂は、サイジング剤成分中0〜50重量%配合することができ、より好ましくは10〜40重量%配合することができる。
さらに、本発明で用いられるサイジング剤には、炭素繊維の取扱い性、耐擦過性および耐毛羽性を高め、マトリックス樹脂の含浸性を向上させるため、更に必要に応じ、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミド樹脂等のエポキシ樹脂以外の樹脂や、分散剤および界面活性剤等の補助成分を添加しても良い。
本発明において、サイジング剤は、炭素繊維束の単位重量当たり好ましくは0.2〜10重量%、より好ましくは0.4〜3重量%の範囲で炭素繊維束に付着させる。炭素繊維束の単位重量当たりのサイジング剤の付着量が少なすぎると、複合材料において炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度および靭性向上程度が低く、コンポジット引張強度および圧縮強度が低下する場合や、炭素繊維束をプリプレグ化および製織する際に、通過する金属ガイドなどによる摩擦に耐えられず毛羽発生し易い傾向にあり、作成したプリプレグの平滑性などの品位が低下してしまう場合がある。一方、サイジング剤の付着量が多すぎると、炭素繊維束周囲のサイジング剤膜に阻害されてエポキシ樹脂などのマトリックス樹脂が炭素繊維束内部に含浸せず、得られる複合材料においてボイド生成し易い傾向にあり、複合材料の品位低下と同時に機械物性が低くなる場合がある。
本発明において、サイジング剤が付与される炭素繊維束は、炭素繊維束として提供される。本発明で好適に用いられる炭素繊維束としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系あるいはピッチ系などの公知の炭素繊維フィラメントが数千から数万本束になったもので、特に、補強効果を得る上で、高強度の炭素繊維束が得られやすいPAN系炭素繊維束を使用することが好ましい。
また、炭素繊維束としては、総繊度は好ましくは400〜3000テックスであり、フィラメント数は好ましくは1000〜100000本であり、さらに好ましくは3000〜50000本である。また、炭素繊維束としての強度は、好ましくは1〜10GPaであり、さらに好ましくは5〜8GPaであり、弾性率は好ましくは100〜1000GPaであり、さらに好ましく200〜600GPaである 。
以下に、PAN系炭素繊維束を用いる場合を例にとって、本発明の炭素繊維束を製造する方法を詳細に説明する。
炭素繊維の前駆体繊維を得るための紡糸方法としては、湿式、乾式あるいは乾湿式などの紡糸方法を採用することができるが、高強度の繊維が得られやすい湿式あるいは乾湿式紡糸が好ましく、特に乾湿式紡糸が好ましい。紡糸原液には、ポリアクリロニトリルのホモポリマーあるいは共重合体の溶液あるいは懸濁液などを用いることができる。
この紡糸原液を口金に通して紡糸し、凝固、水洗および延伸して前駆体繊維とし、この前駆体繊維を耐炎化処理、炭化処理、必要によっては更に黒鉛化処理をすることによって炭素繊維束とする。得られた炭素繊維束は、複合材料化される際に組み合わされるマトリックス樹脂との接着性を良好なものとするため、必要に応じて電解表面処理などの表面酸化処理がなされる。
このような実質的に撚りのない炭素繊維束に、サイジング剤を付着させる。炭素繊維束にサイジング剤を付着させるためには、サイジング剤が溶媒分散したサイジング液を用い、炭素繊維束、そのサイジング液を付与した後、溶媒を乾燥、除去する方法が簡便である。
サイジング液に用いる溶媒としては、取り扱い性および安全性の面から、界面活性剤で乳化させた水分散液とすると良い
サイジング液におけるサイジング剤の濃度は、サイジング液の付与方法および付与した後に余剰のサイジング液を絞り取る絞り量の調整等によって適宜調節する必要があるが、通常は0.2重量%〜20重量%の範囲とする。
本発明において、サイジング液を炭素繊維束に付与する手段としては、ローラーサイジング法、ローラー浸漬法およびスプレー法などを用いることができる。中でも、一束あたりの単繊維数が多い炭素繊維束についても、サイジング剤を均一に付与しうるため、ローラー浸漬法が好ましく用いられる。
サイジング液の液温は、溶媒蒸発によるサイジング剤の濃度変動を抑えるため10〜50℃の範囲が好ましい。また、サイジング液を付与した後に余剰のサイジング液を絞り取る絞り量を調整することにより、サイジング剤の付着量および炭素繊維束内への均一付与ができる。溶媒を乾燥除去する際の条件は、120〜300℃の温度で、10秒〜10分間の範囲が好適であり、より好適には150〜250℃の温度で、30秒〜4分間の範囲とする。
本発明の炭素繊維束は、航空機用構造材料、ゴルフシャフトや釣り竿等のスポーツ用途、およびその他一般産業用途に好適に適用しうる。
以下、本発明の炭素繊維束について、実施例を用いて更に具体的に説明する。実施例中における各種特性の測定法は、次のとおりである。
<サイジング剤付着量>
約2gの炭素繊維束を秤量(W1)した後、50リットル/分の窒素気流中、温度450℃に設定した電気炉(容量120cm)に15分間放置し、サイジング剤を完全に熱分解させる。そして、20リットル/分の乾燥窒素気流中の容器に移し、15分間冷却した後の炭素繊維束を秤量(W2)して、次式よりサイジング剤付着量を求める。
サイジング付着量(%)=[W1(g)−W2(g)]/[W1(g)]×100。
<コンポジット物性>
[コンポジット試験片の作製]
先ず、円周約2.7mの鋼製ドラムに、炭素繊維束と組み合わせる後述組成のエポキシ樹脂を、シリコーン塗布ペーパー上にコーティングした樹脂フィルムを巻き、次にクリールから引き出した炭素繊維束をトラバースを介して前記樹脂フィルム上に巻き取り、配列して、更にその炭素繊維束の上から前記樹脂フィルムを再度かぶせて後、加圧ロールで回転加圧して樹脂を炭素繊維束内に含浸せしめ、幅300mm、長さ2.7mの一方向プリプレグを作製する。
このとき、炭素繊維束間への樹脂含浸を良くするために、ドラムは50〜60℃の温度に加熱する。ドラムの回転数とトラバースの送り速度とを調整することによって、繊維目付200±5g/m2 、樹脂量約35重量%のプリプレグを作製する。
このようにして作製したプリプレグを裁断し、積層し、オートクレーブを用いて加熱硬化(温度200℃、圧力0.6MPa、2時間)させ、硬化板を作製する。
[エポキシ樹脂組成]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート(登録商標)825):50重量部、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(住友化学(株)製ELM434):50重量部、ポリエーテルスルホン樹脂15重量部、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン:46重量部
[0゜引張強度の測定]
上記プリプレグを一方向積層して、1mm厚の硬化板を作成した。0°引張強度は、JIS−K−7073(1988)に従い測定した。硬化板から、長さ230±0.4mm、幅12.5±0.2mm、厚さ1±0.2mmの一方向0゜引張試験片(I形)を作成した。ゲージ長は125±0.2mmとし、試験片引張試験機のクロスヘッドスピードは15mm/分とし、n=5で行った。
[90゜引張強度の測定]
上記プリプレグを一方向積層して、2mm厚の硬化板を作成した。90°引張強度は、JIS−K−7073(1988)に従い測定した。硬化板から、長さ150±0.4mm、幅20±0.2mm、厚さ2±0.2mmの一方向90゜引張試験片(IV形)を作成した。試験片引張試験機のクロスヘッドスピードは1mm/分とし、n=5で行った。
[層間剪断強度の測定]
上記プリプレグを一方向積層して、2mm厚の硬化板を作成した。層間剪断強度は、JIS−K−7078(1991)に従い3点曲げ試験で測定した。硬化板から、長さ14±0.4mm、幅10±0.2mm、厚さ2±0.4mmの90゜方向材試験片を作成し、スパン(l)と試験片厚み(d)の比はl/d=5±0.2とし、曲げ試験機のクロスヘッドスピードは1mm/分とし、n=5で行った。
[衝撃後圧縮強度の測定]
上記プリプレグを24枚疑似等方構成((+45°/0°/−45°/90°)3S)で積層して疑似等方硬化板を作成した。衝撃後圧縮強度は、SACMA SRM 2R−94に従い測定した。硬化板から縦152.4mm(6インチ)、横101.6mm(4インチ)の矩形試験片を切り出し、試験片の中心に640kJ/mの落錘衝撃を与えた後、衝撃後圧縮強度を測定した。試験片圧縮試験機のクロスヘッドスピードは1mm/分とし、n=3で行った。
(実施例1〜4、比較例1、2)
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸し、焼成し、電解表面処理を行い、総フィラメント数24、000本でサイジング剤付与していない炭素繊維束を得た。この炭素繊維束の特性は、総繊度800テックス、比重 1.8、ストランド引張強度 6.2GPa、ストランド引張弾性率 297GPaであった。サイジング剤は、表1に示す配合比のもので、全てノニオン系界面活性剤で乳化した水エマルジョン(サイジング剤濃度3重量%)を用いた。
ディップ法により前記炭素繊維束にサイジング液を含浸させた後、熱風乾燥機で200℃の温度で、2分間乾燥することで、サイジング剤付着量0.8±0.2重量%の炭素繊維束を得た。この炭素繊維束を用いて、各種評価試験を行った結果を、表1に示す。
なお、YX4000(ジャパンエポキシレジン社製)、NC3000(日本化薬社製)EP828(ジャパンエポキシレジン社製)、EP871(同社製)は、それぞれ下記の式(2)、(6)、(8)および(9)に示すエポキシ樹脂を主成分とする。これらの結果を、表1に示す。
Figure 0004692198
Figure 0004692198
Figure 0004692198
Figure 0004692198
表1に示すように、実施例1〜4は、何れもコンポジット0°引張強度、90°引張強度、層間剪断強度、衝撃後圧縮強度が高いものであった。また、炭素繊維束を構成する単繊維がバラケ易く、樹脂の含浸が良好であった。しかしながら、比較例1は、0°引張強度と衝撃後圧縮強度が低いものであった。また、比較例2は、コンポジット引張強度が高かったものの、90°引張強度と衝撃後圧縮強度が低い結果であった。更には、炭素繊維束に集束性があり、構成する単繊維のバラケが実施例対比で低いものであった。
Figure 0004692198
本発明の炭素繊維束は、繊維長さ方向の引張強度、圧縮強度に優れ、かつ繊維長さ方向に垂直な方向の引張強度および層間剪断強度に優れた複合材料物性を与え、航空機用構造材料、ゴルフシャフトや釣り竿等のスポーツ用途、およびその他一般産業用途に好適である。

Claims (3)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 0004692198
    (式中、R1〜R4は、水素、水酸基、アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、またはアルキル基もしくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表す。)
    で示される、テトラアルキルビフェニルもしくはビフェニルジメチレン−ヒドロキシフェニレン由来のビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂をサイジング剤成分中20〜80重量%含み、かつ界面活性剤を含むサイジング剤が付着されてなる炭素繊維束。
  2. サイジング剤の付着量が、炭素繊維束の単位重量当たり0.2〜10重量%である、請求項1に記載の炭素繊維束。
  3. 次の一般式(1)
    Figure 0004692198
    (式中、R1〜R4は、水素、水酸基、アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、またはアルキル基もしくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表す。)
    で示される、テトラアルキルビフェニルもしくはビフェニルジメチレン−ヒドロキシフェニレン由来のビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂をサイジング剤成分中20〜80重量%の割合となるよう、界面活性剤で乳化した水分散液を付与する工程を含む、炭素繊維束の製造方法。
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