JPS6256267B2 - - Google Patents

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JPS6256267B2
JPS6256267B2 JP58208115A JP20811583A JPS6256267B2 JP S6256267 B2 JPS6256267 B2 JP S6256267B2 JP 58208115 A JP58208115 A JP 58208115A JP 20811583 A JP20811583 A JP 20811583A JP S6256267 B2 JPS6256267 B2 JP S6256267B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
mol
polyoxyethylene
carbon fibers
sizing agent
Prior art date
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Expired
Application number
JP58208115A
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English (en)
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JPS60104578A (ja
Inventor
Hiroshi Minami
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
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Publication date
Application filed by Takemoto Oil and Fat Co Ltd filed Critical Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority to JP58208115A priority Critical patent/JPS60104578A/ja
Publication of JPS60104578A publication Critical patent/JPS60104578A/ja
Publication of JPS6256267B2 publication Critical patent/JPS6256267B2/ja
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は炭素繊維用サイジング剤に関し、更に
詳しくはエマルジヨンの安定性に優れ、炭素繊維
に対する濡れが良く、炭素繊維に集束性と平滑性
を両立させて付与し、巻き取りや製織工程におけ
るハンドリングを向上させ、複合材にした場合に
炭素繊維とマトリツクス樹脂との接着性を阻害し
ない炭素繊維用の水系エマルジヨン型サイジング
剤に関する。 近年、その優れた強度、弾性及び耐熱性によ
り、炭素繊維が注目されている。該炭素繊維は一
般に、フイラメント状で用いられるが、高弾性が
ゆえに伸度が低く、耐屈曲摩耗性に劣るため、単
位長当りの撚り数を多くすることができない。も
し多くすれば、成形体の表面に繊維束による凹凸
を生じ、複合材として好ましくなくなる。したが
つて、炭素繊維の製造乃至加工においては、それ
が撚り数が少ない状態で取り扱われるため、後工
程で、ガイドやローラーとの摩擦及び度重なる屈
曲により単糸切れ、糸損傷、毛羽立ちが発生し、
糸の品質が低下したり、毛羽により炭素繊維とマ
トリツクス樹脂が充分濡れず、成形体に空孔を生
じ、複合材の機械特性を低下させたり、該毛羽立
ちにより作業環境を悪化させる等、種々問題とな
つている。 従来、このような問題を解決するため、サイジ
ング剤で炭素繊維を処理し、集束性を向上させる
とともに、炭素繊維の表面を被覆保護することに
よつて、毛羽立ちや糸切れを少なくし、取り扱い
性を向上させることが行なわれている。かかるサ
イジング剤は、マトリツクス樹脂により各々適す
る化合物が選択されるが、一般には、エポキシ樹
脂、フエノール樹脂、ポリイミド、ポリスルホン
等をアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチ
ル、ジクロルメタン等の有機溶剤に溶解し、溶液
として均一付着させることが行なわれている。し
かし、炭素繊維の生産性向上を目的とし、後加工
工程における高速化と省力化を計るには、引火性
の強い有機溶剤を使用すると、工業的にみて、安
全及び衛生対策上非常に不利である。 このため最近、水系エマルジヨン型サイジング
剤を付与することが行われるようになつている。
ところがこの場合、マトリツクス樹脂がエポキシ
樹脂であると、サイジング剤としては通常ビスフ
エノールAジグリシジルエーテル系又は芳香族含
窒素系のものが使用されるのであるが、エポキシ
樹脂はもともと疎水性で、粘度が高く、容易に安
定したエマルジヨンにすることができない。しか
も、乳化剤として使用できる界面活性剤として
は、ソジウムスルホネート基を有するアニオン系
界面活性剤が乳化力において適当であるが、炭素
繊維複合材としての耐熱性を考慮すると、アルカ
リ金属の含有は不適当である。そこで、該乳化剤
に非イオン系界面活性剤を用いることとなるが、
一般的な非イオン系界面活性剤だけでエポキシ樹
脂を乳化すると、エマルジヨンの長期安定性が概
して悪い。そして、従来提案されているエポキシ
樹脂と界面活性剤とからなる水系エポキシ樹脂エ
マルジヨンで処理した炭素繊維は、その効果とし
て、集束性及びマトリツクス樹脂との接着性はか
なり改善されるが、表面の摩擦係数が高く、平滑
性が極端に劣るため、プリプレグシート製造に先
立つ製織工程での繊維―繊維間や繊維―金属間等
各種の接触摩擦によつて、糸切れや毛羽が発生す
る。これは、エポキシ樹脂は平滑性が悪く、特に
芳香族エポキシ化合物は良好な接着剤として使用
されるほどであつて摩擦係数が非常に大きく、ま
たこれらを乳化するために多用される芳香族系の
界面活性剤が平滑効果を減少するからである。 そこで最近新たに、サイジング処理された炭素
繊維の平滑性を向上させる試みとして、エポキシ
樹脂の乳化分散に長鎖脂肪族基を有するポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル型やポリオキシア
ルキレン脂肪酸エステル型の界面活性剤を用いる
例、また積極的にステアリン酸エステル類やシリ
コン樹脂等の滑剤をサイジング剤に併用する例
(特公昭58―43513号)等が報告されている。しか
し、前者の例ではエポキシ樹脂の乳化分散に難点
があり、後者の例では、平滑性はかなり改善され
るが、滑剤を単に併用するのみではマトリツクス
樹脂との接着性が例外なく阻害される。 要するに、炭素繊維用のサイジング剤として、
接着性、乳化分散性、平滑性等の点で実用上満足
できるもののないのが現状なのである。 本発明者は、叙上の現状に鑑み、従来欠点等を
解消して、炭素繊維製造乃至加工における後工程
でのハンドリングを向上させる水系エマルジヨン
型サイジング剤を得るべく鋭意研究した結果、炭
素繊維とマトリツクス樹脂との接着性を阻害せず
且つ炭素繊維への親和性の大きな乳化剤として特
定のポリオキシアルキレンポリベンジル化フエニ
ルエーテル類を、また浸透剤として特定のポリオ
キシエチレンアルキルフエニルエーテルを、更に
平滑剤としてオレイン酸の脂肪族1価アルコール
エステル及び/又はオレイルアルコールの1価脂
肪酸エステルを、フエノール系又は芳香族含窒素
系エポキシ樹脂に対しそれぞれ所定の配合率で使
用することにより、該エポキシ樹脂及び前記平滑
剤を同時に安定乳化することができ、得られるサ
イジング剤で処理した炭素繊維は集束性、平滑
性、マトリツクス樹脂との接着性等、全ての要求
を満足できることを見出し、本発明を完成するに
至つた。 すなわち本発明は、次のA成分、B成分、C成
分及びD成分を有効成分とし、A成分/B成分+
C成分=60/40〜90/10、B成分/C成分=2/
1〜7/1、A成分+B成分+C成分/D成分=
85/15〜97/3の配合割合(重量比)で混合して
得た水分散液から成る炭素繊維用サイジング剤に
係る。 A成分:フエノール系又は芳香族含窒素系エポキ
シ樹脂 B成分:次の一般式()で表わされるポリオキ
シアルキレンポリベンジル化フエニルエ
ーテル類 (但し、Xはフエノール残基又はフエニルフエ
ノール残基。nは1〜5の整数。Yは であつて、ここにqは4〜50の整数、Pは0又は
1〜5の整数、l及びmは1/2≦m/l≦1/4。) C成分:次の一般式()で表わされるポリオキ
シエチレンアルキルフエニルエーテル (但し、Rは炭素数8〜9のアルキル基。aは
4〜8の整数。) D成分:オレイン酸の脂肪族1価アルコールエス
テル及び/又はオレイルアルコールの1
価脂肪酸エステル 本発明に係るサイジング剤を構成する必須成分
である前記A成分には、芳香族のジグリシジルエ
ーテル、トリグリシジルエーテル、ポリグリシジ
ルエーテル、更にはポリグリシジルアミン等があ
り、これらは混合物であつてもよい。例示する
と、ジグリシジルエーテルとしては、2,2―ビ
ス〔P―(2,3―エポキシ―プロポキシ)フエ
ニル〕プロパン、2,2―ビス(2,3―エポキ
シプロポキシフエニル)メタン等があり、トリグ
リシジルエーテルとしては、m―N,N―ジグリ
シジルアミノフエニルグリシジルエーテル、P―
N,N―ジグリシジルアミノフエニルグリシジル
エーテル等があり、ポリグリシジルエーテルやポ
リグリシジルアミンとしては、ノボラツク型エポ
キシ化合物、テトラグリシジル(メチレンジアニ
リン)等がある。 また、前記A成分及び前記D成分を乳化させる
非イオン系乳化剤の前記B成分は、一般式()
で表わされるポリオキシアルキレンポリベンジル
化フエニルエーテル類であり、該一般式()に
おいて、ポリオキシアルキレン部分(pでくくら
れている部分、以下同じ)はPO(プロピレンオ
キサイド、以下同じ)/EO(エチレンオキサイ
ド、以下同じ)のモル比が1/2〜1/4のラン
ダム共重合体であり、このポリオキシアルキレン
部分とポリオキシエチレン部分(qでくくられて
いる部分、以下同じ)とはブロツク共重合体であ
る。ベンジル化数nは、1〜5の範囲で、nを大
きくするにつれて炭素繊維と濡れよくなり、乳化
力を増大する傾向になるが、3〜5の範囲が好ま
しい。エポキシ樹脂の分子量の大きいものに対し
てはnの大きい乳化剤がよい。nを大きくすれ
ば、親水性のバランスを保つためにポリオキシエ
チレン部分のqを大きくする。そして、qを大き
くした場合、サイジング剤の粘度を低くし、且つ
水への自己分散性をよくするため、PO/EOのモ
ル比m/lを大きくする。このように、n,m,
l,p,qは、使用するエポキシ樹脂に応じ、エ
マルジヨンの安定性や粘度の調整のため、一般式
()の範囲内で適宜変更するのがよい。 更に、浸透剤の前記C成分は、一般式()で
表わされるポリオキシエチレンアルキルフエニル
エーテルであり、前記A成分の乳化調節剤ともな
つて、該エポキシエマルジヨンの炭素繊維への浸
透力を強化せしめるものである。一般式()に
おいて、アルキル基Rの炭素数が8未満の場合や
9より大きい場合、またEO付加モル数aが4≦
a≦8を外れる場合、いずれも所期効果が得られ
ない。一般式()の具体例を挙げると、ポリオ
キシエチレン(5モル)オクチルフエニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(6モル)ノニルフエニ
ルエーテル等がある。 そして、本発明に係るサイジング剤を構成する
第4の必須成分である前記D成分は、オレイン酸
の脂肪族1価アルコールエステル及び/又はオレ
イルアルコールの1価脂肪酸エステルである。一
般に、平滑性の点では常温で液状を呈する炭素鎖
長の大きいエステルが好ましく、接着性の点では
常温で液状の炭素鎖長の小さいエステルが好まし
い。かかるエステルを例示すると、オレイルオレ
ート、ステアリルオレート、ラウリルオレート、
オクチルオレート、2―エチルエキシルオレー
ト、イソトリデシルオレート等のオレイン酸エス
テル類、オレイルステアレート、オレイルパルミ
テート、オレイルラウレート、オレイルイソステ
アレート、オレイルオクタノエート等のオレイル
アルコールのエステル類があるが、特にオレイル
オレートが好ましい。 本発明においては、A成分のエポキシ樹脂に対
し、一般式()のB成分及び一般式()のC
成分並びに前記エステル化合物のD成分を併用す
ることが必須不可欠である。いずれが欠けても、
またいずれを他のもので代用しても、本発明の所
期効果は得られない。B成分を欠いた場合、エポ
キシ樹脂の乳化安定性を達成することができず、
C成分を欠いた場合、サイジング剤エマルジヨン
の炭素繊維束への浸透性が悪く、D成分を欠いた
場合、サイジング剤で処理された炭素繊維の後加
工工程においてガイドやローラーとの摩擦による
炭素繊維の糸切れ、毛羽立ちが発生するのであ
る。 本発明では、以上説明した四つの必須成分の配
合割合がまた重要である。該配合割合(重量)
は、A成分/B成分+C成分=60/40〜90/10、
好ましくは70/30〜80/20であり、B成分/C成
分=2/1〜7/1、好ましくは4/1〜5/1
であり、A成分+B成分+C成分/D成分=85/
15〜97/3、好ましくは90/10〜95/5である。
この配合割合から外れると、本発明の所期効果は
得られない。具体的に、A成分/B成分+C成分
が60/40より小さいと、サイジング処理された炭
素繊維とマトリツクス樹脂の接着性が劣り、90/
10より大きいと、エマルジヨンの長期安定性に欠
ける。また、B成分/C成分が3/1より小さい
と、エポキシ樹脂の乳化粒子が粗くなり、7/1
より大きいと、乳化粒子は細かくなるが、エマル
ジヨンの炭素繊維束への浸透性が不足する。更
に、A成分+B成分+C成分/D成分が85/15よ
り小さいと、エマルジヨンの乳化安定性に欠け、
処理された炭素繊維とマトリツクス樹脂の接着性
が低下し、97/3より大きいと、処理された炭素
繊維の平滑性が不足し、後加工工程においてガイ
ドやローラーとの摩擦、度重なる屈曲によつて単
糸切れ、毛羽立ちが発生し、糸品質が低下する。 本発明におけるB成分、C成分及びD成分の製
造について、一般式()のB成分は、常法にし
たがつて、フエノールに、ルイス酸触媒下、ベン
ジルクロライドを反応させた後、水酸化カリウム
触媒にてアルキレンオキサイドを付加させ、触媒
処理後に過して目的物を得る。また一般式
()のC成分は、アルキルフエノールに、水酸
化カリウム触媒の存在下、エチレンオキサイドを
付加させて得る。更にD成分は、これもまた常法
にしたがつて、オレイン酸と脂肪族1価アルコー
ル、又はオレイルアルコールと1価脂肪酸を減圧
下に加熱脱水し、エステル化して得る。 炭素繊維への本発明に係るサイジング剤の付着
量は対炭素繊維0.1〜3.0重量%であり、好ましく
は0.5〜1.5重量%である。この際のサイジング処
理液の濃度は0.1〜5重量%の範囲が好ましく、
炭素繊維への付着量は含浸後の絞りローラーの絞
り率又はオイリングローラーの回転速度と処理液
濃度によつて調整し、付着後はヒーターにより所
定時間乾燥してサイジング処理を終了する。 本発明に係るサイジング剤は、ピツチ系或いは
PAN系の炭素繊維に極めて有効であり、前述し
たような従来欠点等を解消して、炭素繊維の後加
工工程におけるその取扱い性を著るしく向上す
る。すなわち、炭素繊維フイラメント又はトウの
捲取りや製織工程において、ガイドやローラーと
の度重なる屈曲接によつても糸切れ、毛羽が少な
く、集束性と平滑性を備え、マトリツクス樹脂の
接着性を向上させることができる。そして、炭素
繊維糸条の高速捲取りや製織の高速化、これによ
る生産性向上、及び有機溶剤を使用しないことに
よる安全衛生対策の省力化等、これらを容易なら
しめる。 以下、実施例等により本発明の内容を更に詳細
に説明する。尚、配合割合等は、特にことわりの
ない限り、全て重量表示である。また、試験乃至
評価方法は次のように行なつた。 (1) 摩擦係数 繊維―繊維間の摩擦係数は、直径5.1cm×長
さ7.6cmの円筒に炭素繊維を巻き、その上に炭
素繊維を前記の巻き付け方向と平行に掛けて、
該円筒に荷重(T1)を加えて回転させつつ、こ
の際の張力(T2)を測定した。また繊維―金属
間の摩擦係数は、金属製円筒をそのまま使用し
たこと以外、同様にして、張力(T2)を測定し
た。いずれも、摩擦係数(μ)は1/π・ln
(T2/T1)で計算した。 (2) 浸透性 固形分2.0%のサイジング剤エマルジヨンを
調整し、20℃にて、この液面に未サイジング処
理の炭素繊維10mm角片を広げて静置し、これが
沈降するまでの時間を測定した。 (3) 毛羽、糸切れ 繊維―繊維間の擦過試験は、東洋精機社製の
ラビングテスターを用い、荷重100g/3000フ
イラメント、内角35゜、1回撚り、擦過長20
mm、100回/分の速さで500回往復運動させた。
また繊維―金属間の擦過試験は、大栄化学精機
社のTM式抱合力テスターを用い、荷重100
g/3000フイラメント、θ=150゜、擦過長30
mm、クロムメツキ金属櫛を150回/分の速さで
500回往復運動させた。いずれも、次の基準で
5点法により評価した。 5…毛羽なし、糸切れなし 4…毛羽ややあり 3…毛羽あり 2…毛羽多く、糸切れあり 1…切断 (4) コンポジツトCFRP(後述する)の強度得ら
れたCFRPのILSSをASTMのD―2344に準じ
て測定した。 (5) 乳化安定性 固形分20%のサイジング剤エマルジヨンを調
整し、20℃×7日間放置した後、分離状態を次
の基準で評価した。 〇…分離なし △…クリーム状分離物が浮いた ×…沈澱が生じた ××…クリーム状分離物が浮き、沈澱が生じ
た ・ 実施例1 エポキシ樹脂70g(エピコート828、油化シエ
ル社製)に、ポリオキシアルキレン(PO/EOモ
ル比1/3、3モル)ポリオキシエチレン(25モ
ル)ペンタベンジル化フエニルフエニルエーテル
18g、ポリオキシエチレン(5モル)オクチルフ
エニルエーテル4g、及びオレイルオレート8g
を混合し、80℃にて加熱溶解した。これに、50〜
60℃の温水20gを徐々に加えつつ撹拌を続け、転
相後さらに同じ温水80gを加えながらエマルジヨ
ンとした後、直ちに20℃に冷却した(このエマル
ジヨンは20℃及び40℃に7日間放置しても安定で
あつた。また、このエマルジヨンを20℃の水で希
釈し、固形分1.0%のエマルジヨンとした後、20
℃及び40℃に7日間放置しても分離は認められな
かつた)。得られたサイジング剤の固形分10%エ
マルジヨン中に炭素繊維を浸漬し、この炭素繊維
に同重量のエマルジヨンが付着するように絞り条
件を調整して、サイジング処理を施し、これを90
℃×20分間、次いで160℃×10分間熱処理して、
サイジング処理された炭素繊維を得た。 かくしてサイジング処理された炭素繊維に、前
記エピコート828を100g、ボロントリフルオライ
ドモノメチルアミンを5g、及びメチルエチルケ
トンを25gからなる樹脂液を含浸させ、120℃で
半硬化させて一方向プリプレグを作成した。この
プリプレグを金型中に積層して、170℃×1時間
加圧成形した後、常法にしたがつて硬化成形し、
Vf=60%の一方向炭素繊維強化プラスチツク
(以下CFRPと略記する)を得た。 サイジング処理された炭素繊維の物性及び得ら
れたCFRPのILSSを第1表に示した。 ・ 比較例1 平滑剤としてのオレイルオレートを含まないこ
と以外は実施例1と同じサイジング剤処方で炭素
繊維を処理し、そしてCFRPを得た。この場合の
結果を第1表に示した。 ・ 比較例2 平滑剤として、オレイルオレートの代わりにス
テアリン酸ラウリルエステルを用いたこと以外は
実施例1と同じサイジング剤処方で炭素繊維を処
理し、そしてCFRPを得た。この場合の結果を第
1表に示した。 ・ 比較例3 前記のエピコート828を76.4gに、ポリオキシ
アルキレン(PO/EOモル比1/3、4モル)ポ
リオキシエチレン(25モル)トリベンジル化フエ
ニルフエニルエーテル18g、ポリオキシエチレン
(5モル)オクチルフエニルエーテル4g、及び
シリコン樹脂(FZ―119、日本ユニカー社製)純
分1.6gを混合して、以下実施例1と同様に炭素
繊維を処理し、そしてCFRPを得た。この場合の
結果を第1表に示した。
【表】 第1表の結果を含めて明らかなように、本発明
に係るサイジング剤は、エマルジヨン安定性、平
滑性(摩擦係数、毛羽、糸切れ)及びCFRPの強
度全般にわたつて良好な結果を示すことが判る。 ・ 実施例2〜8、比較例4〜12 次の組成のサイジング剤を使用すること以外は
実施例1と同様に炭素繊維を処理し、そして
CFRPを得た。結果は第2表の通りであつた。 ・・ 実施例2→エピコート828/エピコート
1001=3/1を70+ポリオキシアルキレン
(PO/EOモル比1/4、3モル)ポリオキシ
エチレン(30モル)ペンタベンジル化フエニル
エーテルを15+ポリオキシエチレン(6モル)
ノニルフエニルエーテルを5+オレイルパルミ
テートを10。 注 エピコート1001は油化シエル社製のエポキシ
樹脂。 ・・ 実施例3→エピコート828/エピコート
1001=3/1を70+ポリオキシアルキルン
(PO/EOモル比1/3、3モル)ポリオキシ
エチレン(45モル)テナラベンジル化フエニル
フエニルエーテルを15+ポリオキシエチレン
(5モル)オクチルフエニルエーテルを5+オ
レイルオレートを10。 ・・ 実施例4→エピコート828/スミエポキシ
ELM―434=1/1を85+ポリオキシアルキレ
ン(PO/EOモル比1/3、2モル)ポリオキ
シエチレン(14モル)トリベンジル化フエニル
エーテルを9+ポリオキシエチレン(5モル)
オクチルフエニルエーテルを3+ミリスチルオ
レートを3。 注 スミエポキシELM―434は住友化学社製のエ
ポキシ樹脂で、テトラグリシジルメチレンジア
ニリン。 ・・ 実施例5→エピコート828を55+ポリオキ
シアルキレン(PO/EOモル比1/2、4モ
ル)ポリオキシエチレン(20モル)トリベンジ
ル化フエニルエーテルを27+ポリオキシエチレ
ン(4.5モル)オクチルフエニルエーテルを8
+オレイルオレートを10。 ・・ 実施例6→エピコート828を55+ポリオキ
シアルキレン(PO/EOモル比1/4、2モ
ル)ポリオキシエチレン(11モル)トリベンジ
ル化フエニルエーテルを27+ポリオキシエチレ
ン(6.5モル)ノニルフエニルエーテルを8+
オレイルパルミテートを10。 ・・ 実施例7→スミエポキシELM―434を65+
ポリオキシエチレン(30モル)ペンタベンジル
化フエニルエーテルを17+ポリオキシエチレン
(6モル)ノニルフエニルエーテルを5+オレ
イルオレートを13。 ・・ 実施例8→エピコート828/エピコート
1001=3/1を70+ポリオキシアルキレン
(PO/EOモル比1/3、3モル)ポリオキシ
エチレン(45モル)テトラベンジル化フエニル
フエニルエーテルを15+ポリオキシエチレン
(5モル)オクチルフエニルエーテルを5+ラ
ウリルオレートを10。 ・・ 比較例4→エピコート828を60+エピコー
ト1001を15+ポリオキシエチレン(70モル)ス
チレン化(5モル)クミルフエニルエーテルを
15+オレイルオレートを10。 ・・ 比較例5→エピコート828を70+ポリオキ
シアルキレン(PO/EOモル比1/3、2モ
ル)ポリオキシエチレン(15モル)トリベンジ
ル化フエニルエーテルを23+ポリオキシエチレ
ン(6モル)ノニルフエニルエーテルを5+オ
レイルオレートを2。 ・・ 比較例6→エピコート828を83+ポリオキ
シアルキレン(PO/EOモル比1/2、3モ
ル)ポリオキシエチレン(20モル)トリベンジ
ル化フエニルエーテルを4+ポリオキシエチレ
ン(6.3モル)ノニルフエニルエーテルを3+
オレイルパルミテートを10。 ・・ 比較例7→エピコート828を50+ポリオキ
シアルキレン(PO/EOモル比1/3、3モ
ル)ポリオキシエチレン(25モル)トリベンジ
ル化フエニルエーテルを30+ポリオキシエチレ
ン(5モル)オクチルフエニルエーテルを10+
オレイルオレートを10。 ・・ 比較例8→エピコート828/スミエポキシ
ELM―434=3/1を83+ポリオキシアルキレ
ン(PO/EOモル比1/3、2モル)ポリオキ
シエチレン(14モル)トリベンジル化フエニル
エーテルを5+ポリオキシエチレン(5モル)
オクチルフエニルエーテルを2+オレイルオレ
ートを10。 ・・ 比較例9→エピコート828を66+ポリオキ
シアルキレン(PO/EOモル比1/2、4モ
ル)ポリオキシエチレン(20モル)トリベンジ
ル化フエニルエーテルを18+ポリオキシエチレ
ン(4.5モル)オクチルフエニルエーテルを10
+ラウリルオレートを4。 ・・ 比較例10→エピコート828/エピコート
1001=4/1を66+ポリオキシアルキレン
(PO/EOモル比1/3、3モル)ポリオキシ
エチレン(40)テトラベンジル化フエニルフエ
ニルエーテルを10+ポリオキシエチレン(5モ
ル)オクチルフエニルエーテルを4+オレイル
ラウレートを20。 ・・ 比較例11→エピコート828を50+ポリオキ
シアルキレン(PO/EOモル比=1/4、2モ
ル)ポリオキシエチレン(11モル)トリベンジ
ル化フエニルエーテルを43+ポリオキシエチレ
ン(6モル)ノニルフエニルエーテルを5+オ
レイルオレートを2。 ・・ 比較例12→エピコート828/エピコート
1001=4/1を60+ポリオキシエチレン(6モ
ル)ノニルフエニルエーテルを30+オレイルオ
レートを10。
【表】
【表】 第2表の結果からも明らかなように、本発明に
係るサイジング剤は、乳化安定性、浸透性、平滑
性(摩擦係数、毛羽、糸切れ)及びCFRPの強度
の全てにおいて優れた性能を有することが判る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 次のA成分、B成分、C成分及びD成分を有
    効成分とし、A成分/B成分+C成分=60/40〜
    90/10、B成分/C成分=2/1〜7/1、A成
    分+B成分+C成分/D成分=85/15〜97/3の
    配合割合(重量比)で混合して得た水分散液から
    成る炭素繊維用サイジング剤。 A成分:フエノール系又は芳香族含窒素系エポキ
    シ樹脂 B成分:次の一般式()で表わされるポリオキ
    シアルキレンポリベンジル化フエニルエ
    ーテル類 (但し、Xはフエノール残基又はフエニルフエ
    ノール残基。nは1〜5の整数。Yは であつて、ここにqは4〜50の整数、pは0又は
    1〜5の整数、l及びmは1/2≦m/l≦1/4。) C成分:次の一般式()で表わされるポリオキ
    シエチレンアルキルフエニルエーテル (但し、Rは炭素数8〜9のアルキル基。aは
    4〜8の整数。) D成分:オレイン酸の脂肪族1価アルコールエス
    テル及び/又はオレイルアルコールの1
    価脂肪酸エステル 2 D成分がオレイルオレートである特許請求の
    範囲第1項記載の炭素繊維用サイジング剤。
JP58208115A 1983-11-05 1983-11-05 炭素繊維用サイジング剤 Granted JPS60104578A (ja)

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