JP2812147B2 - 炭素繊維束およびプリプレグ - Google Patents

炭素繊維束およびプリプレグ

Info

Publication number
JP2812147B2
JP2812147B2 JP15668793A JP15668793A JP2812147B2 JP 2812147 B2 JP2812147 B2 JP 2812147B2 JP 15668793 A JP15668793 A JP 15668793A JP 15668793 A JP15668793 A JP 15668793A JP 2812147 B2 JP2812147 B2 JP 2812147B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
fiber bundle
prepreg
sizing agent
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15668793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH079444A (ja
Inventor
徹 花野
大策 赤瀬
保夫 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=15633137&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2812147(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP15668793A priority Critical patent/JP2812147B2/ja
Publication of JPH079444A publication Critical patent/JPH079444A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2812147B2 publication Critical patent/JP2812147B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高次加工性のすぐれた
炭素繊維束に関する。さらに詳しくは、実質的によりが
なく開繊性にすぐれながら、加工上に必要な収束性を有
する炭素繊維束、およびこの炭素繊維束を用いて製造し
たプリプレグに関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、そのすぐれた特性により、
航空・宇宙産業、工業、スポーツなどの広い分野におい
て、プラスチック補強用に広く用いられている。炭素繊
維をプラスチック補強用に使用するには、通常、炭素繊
維の束にマトリックスを形成するエポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸した後、成
形加工している。ところで、炭素繊維が、補強されるプ
ラスチックの力学的特性を所望の条件で効率よく向上さ
せるには、プラスチック中で炭素繊維束が均一に開繊さ
れていることが必要である。一方、炭素繊維は収束性に
乏しいので、何らかの処理を施さない限り、その製造工
程や加工工程における作業性が極めて悪く、また、多数
の毛羽が発生して損傷を受けるという問題がある。作業
性を改善するには炭素繊維束によりをかければよい。し
かし、よりは、プラスチック中の炭素繊維の開繊を阻害
し、炭素繊維の補強効果を妨げるので、炭素繊維束は、
実質的に無よりまたはそれに近い状態であることが望ま
しい。そこで、炭素繊維束には、通常、サイジング処理
を施し収束性を付与して使用していた。炭素繊維束をサ
イジング処理するために、例えば、特公昭57−496
75号公報、特公平1−272867公報や特公平4−
70424号公報には、水分散型エマルジョンのエポキ
シ系サイジング剤や水溶液型サイジング剤が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、サイジング処
理は、当然のことながら、炭素繊維束の開繊を妨げる。
そこで、サイジング処理した炭素繊維束の開繊性を改善
するため、例えば、特開平1−292038号公報に記
載されているような幅の広い炭素繊維束の提案などがな
されている。しかし、たとえば、幅の広い炭素繊維束の
形態を保持するには、多量のサイジング剤を付着させる
必要がある。サイジング剤を多量に付着させると、炭素
繊維が相互に接着され、炭素繊維束に補強すべきマトリ
ックス樹脂を含浸しても、マトリックス樹脂が炭素繊維
束の中まで浸透しにくくなってしまう。このような炭素
繊維束の外周に樹脂が多いプリプレグを用いて成形して
も、成形体からの樹脂のフロー量が多くなったり、積層
したプリプレグ同士が成形中にずれたりするために、目
的の品質の成形物を製造することができない。本発明
は、実質的に無より、またはそれに近い炭素繊維束であ
りながら、収束性を有して毛羽の発生が少なく、マトリ
ックス樹脂が内部まで浸透して樹脂フローが少なく、か
つ成形時にずれを生じない、炭素繊維束およびプリプレ
グの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を解決するために、各種のサイジング剤と炭素繊維束の
形態について、その効果を確かめながら試行錯誤した結
果、少量の使用で大きな効果を有するサイジング剤を見
出だし、かつ、そのサイジング剤を使用する際の好まし
い炭素繊維束の断面寸法を確かめ、本発明を完成するこ
とができた。
【0005】本発明においては、次の一般式(1)、
(2)または(3)で示される化合物のうち、少なくと
も1種の化合物を、炭素繊維束重量に対し、0.1〜
0.5重量%付着させ、かつ、炭素繊維束の厚みに対す
る幅が、15〜250であることを特徴とする炭素繊維
束を提供する。
【0006】
【化4】
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】 (ただし、前記の各一般式中、R1 はHまたはOH、m
+nは8〜50である。)そして、エポキシ樹脂と硬化
剤とからなるエポキシ樹脂組成物に、前記の炭素繊維束
に含浸せしめて構成されているプリプレグを提供する。
【0009】
【作用と実施態様例】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明が対象にする炭素繊維の種類に格別
の制限はなく、黒鉛繊維と称される繊維をも含まれる。
【0010】まず、本発明の炭素繊維束に付着させる一
般式(1)〜(3)で示される化合物、すなわち、サイ
ジング剤(以下、本サイジング剤という)について説明
する。ただし、以下に説明する作用は、それぞれが単独
ではなく、相互に影響し合いながら奏されるものであ
る。本発明が目的としている効果は、まず、一般式
(1)〜(3)で示されるビスフェノールAのポリエチ
レンオキシドまたは/およびポリプロピレンオキシド付
加物の適量を炭素繊維に付着させることによって、得ら
れることが見出だされたのである。この付加されている
ポリエチレンオキシドまたは/およびポリプロピレンオ
キシドが、炭素繊維に平滑性を与え、摩擦係数を低下さ
せる作用があり、炭素繊維の毛羽立ちを押さえているも
のと考えられる。一方、ビスフェノールA部はマトリッ
クス樹脂との相溶性を向上させる作用があると考えられ
る。また、上記の各成分が、共重合された状態にあるの
で、各々単一成分を混合して用いる場合に比べてサイジ
ング剤の粘性特性が調整可能となり、繊維の収束性を自
由に変えることができる。
【0011】本サイジング剤において、一般式(1)〜
(3)中、m+nが8未満では、水と混ざりにくくなる
ので好ましくない。また、m+nが50を越えるとマト
リックス樹脂との相溶性が低下してマトリックス樹脂と
炭素繊維との接着性が低下し、炭素繊維の補強効果を低
下させる。そして、一般式(1)〜(3)式中のR1
を、HまたはOHにすると、R1 が下式で示される末端
基をもつポリグリシジルエーテル類に比べて、サイジン
グ剤の付着量が低い場合でも摩擦係数を低下させる効果
が高く、ガイドロール等の糸のしごきに対して、毛羽の
発生を押さえる作用が大きい。
【0012】
【化7】 次に、炭素繊維束に付与する本サイジング剤量を説明す
る。本サイジング剤の炭素繊維束に対する付着量は、炭
素繊維束の重量に対し、0.1〜0.5重量%、好まし
くは、0.2〜0.4重量%である。付着量が0.5重
量%を越えると炭素繊維束内の単繊維同士の接着が強
く、プリプレグに加工する際、マトリックス樹脂の含浸
が不十分となり、成形時の樹脂フロー量が増大する。さ
らに、積層したプリプレグが所定の位置からずれ易く、
設計通りの成形品が得られないおそれがある。本サイジ
ング剤の付着量が0.1重量%に達しないと、ガイドバ
ーやロールなどの炭素繊維束と装置との接触部で摩擦係
数が大きくなり、毛羽や糸切れの発生が多くなるので好
ましくない。
【0013】炭素繊維束の形態について説明する。本発
明が対象にする炭素繊維束は、本発明の目的からして、
実質的に無より、または無よりに近いものである。本サ
イジング剤を付着させた本発明の炭素繊維束の断面形状
は、炭素繊維束の使用目的、加工工程、フィラメント数
や繊度にもとづいて決めることができるが、一般的に
は、炭素繊維束の厚みに対する幅は、15〜250、好
ましくは20〜200、さらに好ましくは、25〜15
0の範囲にする。炭素繊維束断面の幅(D:mm)は実
測値であり、厚み(t:mm)は、次式で決められる値
である。
【0014】 厚み(t)=(炭素繊維束のフィラメント数×単繊維径)/(D/単繊維径) 炭素繊維束の厚みに対する幅が、15未満では炭素繊維
束が厚いため、プリプレグを製造する際に炭素繊維束が
広がりにくく、目付の低い薄物プリプレグを作ることが
むつかしい。また、その値が250以上では、炭素繊維
束の幅が広すぎてボビン上に巻き上げることがむずかし
くなるので、好ましくない。
【0015】炭素繊維束に本サイジング剤を付着させる
方法に制限はなく、たとえば、ローラコート法、スプレ
ーコート法などを用いることができる。所定量の本サイ
ジング剤が、炭素繊維束に均一に付着するように、サイ
ジング液の濃度、温度、炭素繊維束の張力などを制御す
る。本サイジング剤を付与した後の炭素繊維束は、乾燥
されるが、通常、100〜250℃、20〜900秒の
範囲で乾燥するのがよい。乾燥時間にもよるが、乾燥温
度が250℃を越えるとサイジング剤に熱劣化を生じ易
くなる。また、温度にもよるが、乾燥処理時間が900
秒を越えると熱劣化が生じ易くなる。
【0016】本発明のプリプレグは、前記した炭素繊維
束を一方向に引き揃えたものを、または当該炭素繊維束
からなるクロスにマトリックス樹脂として、通常用いら
れるエポキシ樹脂組成物に必要に応じて硬化促進剤を添
加したものを、定法により含浸して得ることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例中の炭素繊維束の評価方法は、次の
通りである。
【0018】(1)擦過毛羽数 直径10mmのステンレス棒(クロムめっき、表面粗さ
1〜1.5S)5本を50mm間隔で各々平行、かつ、
これらの棒の表面を炭素繊維束が120度の接触角で接
触しながら通過するように、棒をジグザクに配置した擦
過装置を用いた。入口側の炭素繊維束に1デニール当り
0.09gの張力を与え、3m/分の速度で、この装置
を通過させた。側面から炭素繊維束に対し直角にレーザ
ー光線を照射し、毛羽数をカウントする毛羽検出装置を
用いた。
【0019】(2)摩擦係数 擦過毛羽数測定の際の炭素繊維束入口側と出口側の張力
を測定し、次式によって求めた。
【0020】 摩擦係数=(3/8π)ln(T2 /T1 ) ただし、T1 :糸条入側張力 T2 :糸条出側張力 (3) プリプレグ下限目付 プリプレグ下限目付(以下、PP下限目付という)は、
図1に模式的に示したドラムワインド装置を用い、一方
向プリプレグを製造し、プリプレグの外観を良好に製造
できる下限の目付で表示した。なお、図中、1は炭素繊
維ボビン、2は炭素繊維ボビンから引き出された炭素繊
維束、3は樹脂含浸槽、4はシゴキバー、5は巻取りを
示す。
【0021】(4) 樹脂フロー量 エピコート828(ビスフェノールAグリシジルエーテ
ル(エポキシ当量189):油化シェル・エポキシ
(株)製)100重量部とジシアンジアミド10重量部
および3(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメ
チル尿素5重量部とを均一に混合し、一液硬化性エポキ
シ樹脂を得た。これを炭素繊維束に含浸させ、Bステー
ジ化してプリプレグを製造した。プリプレグを100m
m×100mmに切り出し、繊維軸方向に対して0度、
90度、0度、90度に配向して積層し、重量(W1
を測定した。積層したプリプレグの両面に多孔性離型フ
ィルム(ポリ四ふっ化エチレンフィルム)1枚、ガラス
クロス(#181)3枚の順に合わせた。温度130
℃、圧力7kgf/cm2 、加圧時間30分の硬化条件
で成形し、プリプレグの重量(W2 )を測定した。硬化
前の重量W1 と硬化後の重量W2 とから次式より、樹脂
フローを求めた。
【0022】樹脂フロー量(%)={(W1 −W2 )/
1 }×100 (5) プリプレグのずれ量 上記(4)と同様にしてプリプレグを製造した。このプ
リプレグをテーパー角度が0.205度の金型棒(長さ
1120mm)に積層した。積層構成は、金型の長さ方
向に対し、プリプレグの繊維軸が40度、−40度、4
0度になるように積層し(以下、バイアス層という)、
さらに、0度のプリプレグを3回積層(以下、ストレー
ト層という)した。その後、テープ強力3.8kgf/テー
プ幅の条件でテープを巻き、130℃、30分で硬化さ
せた。硬化後、先端が細い方のバイヤス層とストレート
層のずれを測定し、プリプレグのずれ量を求めた。
【0023】(6)層間せん断強度(ILSS) マトリックスとしてエピコート828(既出)を用い、
ASTM D−2344に準じて測定した。
【0024】実施例 1 前記の一般式(1)において、R1 をOH、m=5、n
=5としたビスフェノールAエチレンオキシド10モル
付加物を本サイジング剤として用い、炭素繊維束を製造
した。炭素繊維束への本サイジング剤の付着量が0.4
重量%になるように、水分散エマルジョンを調合した。
調合したエマルジョンに、単繊維の繊度が0.6デニー
ル、フィラメント数が12000本からなる炭素繊維束
を、ディップローラを介して浸漬した後、熱風循環型乾
燥機を用い150℃、1分間、乾燥し、本発明の炭素繊
維束を得た。この炭素繊維束の幅と厚みの比(D/
t)、擦過毛羽数、摩擦係数、PP下限目付、樹脂フロ
ー量、プリプレグのずれ量およびILSSを測定した。
その結果を表1に示す。
【0025】実施例 2 本サイジング剤に、一般式(1)のR1 をH、m=5、
n=5とした、ビスフェノールAエチレンオキシド10
モル付加物を用いた以外は、実施例1と同様にして本発
明の炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束について、
実施例1と同じ評価を行った。その結果を表1に示す。
【0026】実施例 3 本サイジング剤に、一般式(2)のR1 をOH、m=1
2、n=12とした、ビスフェノールAプロピレンオキ
シド24モル付加物の水分散エマルジョンを用いた以外
は、実施例1と同様にして本発明の炭素繊維束を得た。
得られた炭素繊維束について、実施例1と同じ評価を行
った。その結果を表1に示す。
【0027】実施例 4 本サイジング剤に、一般式(3)式のR1 をOH、m=
15、n=15としたビスフェノールAエチレンオキシ
ド15モルプロピレンオキシド15モル付加物の水分散
エマルジョンを用いた以外は、実施例1と同様にして本
発明の炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束につい
て、実施例1と同じ評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0028】比較例 1 次の(a)、(b)、(c)を高粘度乳化装置に仕込
み、50〜60℃で均一にした。これに次の(d)のう
ち10%を加え、40℃以下で充分撹拌し、乳化転相さ
せた。転相後、残りの(d)を徐々に添加し、均一なエ
マルジョンを得た。 (a)30重量部のエピコート8
28 (b)20重量部の、ビスフェノールAエチレンオキシ
ド2モル付加物(2モル)とマレイン酸(1.5モル)
とセバチン酸(0.5モル)との縮合物(酸価55) (c)5重量部のポリオキシエチレン(70モル)スチ
レン化(5モル)クミルフェノール (d)45重量部の水 得られたエマルジョンをサイジングに用いた以外は、実
施例1と同様にして炭素繊維束を得た。得られた炭素繊
維束について実施例1と同じ評価を行った。評価結果を
表1に示した。
【0029】比較例 2 サイジング剤に、一般式(1)のR1 が
【0030】
【化8】 m=5、n=5であるビスフェノールAエチレンオキシ
ド10モル付加物を用いた以外は、実施例1と同様にし
て炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束について実施
例1と同じ評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0031】比較例 3 実施例1に用いたのと同じサイジング剤を用い、サイジ
ング剤の付着量を炭素繊維束に対し、0.05重量%に
した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を得た。
得られた炭素繊維束について実施例1と同じ評価を行っ
た。評価結果を表1に示した。
【0032】比較例 4 実施例1に用いたのと同じサイジング剤を用い、サイジ
ング剤の付着量を炭素繊維束に対し、0.6重量%にし
た以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束を得た。得
られた炭素繊維束について実施例1と同じ評価を行っ
た。評価結果を表1に示した。
【0033】比較例 5 実施例1に用いたのと同じサイジング剤を用い、D/t
を10にした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束
を得た。得られた炭素繊維束について実施例1と同じ評
価を行った。評価結果を表1に示した。
【0034】比較例 6 実施例1に用いたのと同じサイジング剤を用い、D/t
が300になるようにして炭素繊維束を製造したが、ボ
ビンに巻き取ることができなかった。
【0035】比較例 7 サイジング剤に、一般式(1)のR1 をOH、m=3
0、n=30にしたビスフェノールAエチレンオキシド
60モル付加物の水分散エマルジョンを用いた以外は、
実施例1と同様にして炭素繊維束を得た。得られた炭素
繊維束について実施例1と同じ評価を行った。評価結果
を表1に示した。
【0036】比較例 8 サイジング剤に、一般式(1)のR1 をOH、n+mを
4にしたビスフェノールAエチレンオキシド4モル付加
物を用いようとしたが、このものは、相分離して水に不
溶であり、サイジング剤として使用することができなか
った。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の炭素繊維束は、少ない使用量で
大きな効果を奏するサイジング剤を使用しているので、
サイジング付着量およびD/tを好ましい範囲に保つこ
とにより、実質的に無より、またはそれに近い炭素繊維
束でありながら、収束性を有して耐擦過性にすぐれ、毛
羽の発生が少なくい。また、炭素繊維束中の単繊維同士
の接着が少なく、マトリックス樹脂との相溶性がよく、
広がり性にすぐれているので、マトリックス樹脂が内部
まで浸透して樹脂フローが少なくなり、かつプリプレグ
のずれがない。従って、プリプレグに加工して使用すれ
ば、設計どうりに正確な成形体が得られる。また薄物プ
リプレグへの加工が容易で、高次加工性に優れた複合材
料用炭素繊維束が提供できるという、顕著な効果を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プリプレグ下限目付の測定に使用した装置の
模式図。
【符号の説明】
1:炭素繊維ボビン 2:炭素繊維束 3:樹脂含
浸槽 4:シゴキバー 5:巻取り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 105:06 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 15/55 B29B 11/16 B29B 15/08 D01F 11/10 D04H 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(1)、(2)または(3)で
    示される化合物のうち、少なくとも1種の化合物を、炭
    素繊維束重量に対し、0.1〜0.5重量%付着させ、
    かつ、炭素繊維束の厚みに対する炭素繊維束の幅が、
    〜250であることを特徴とする炭素繊維束。 【化1】 【化2】 【化3】 (ただし、前記の各一般式中、R1 はHまたはOH、m
    +nは8〜50である。)
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂と硬化剤とからなるエポキシ
    樹脂組成物に、請求項1に記載の炭素繊維束に含浸せし
    めてなることを特徴とするプリプレグ。
JP15668793A 1993-06-28 1993-06-28 炭素繊維束およびプリプレグ Expired - Lifetime JP2812147B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15668793A JP2812147B2 (ja) 1993-06-28 1993-06-28 炭素繊維束およびプリプレグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15668793A JP2812147B2 (ja) 1993-06-28 1993-06-28 炭素繊維束およびプリプレグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH079444A JPH079444A (ja) 1995-01-13
JP2812147B2 true JP2812147B2 (ja) 1998-10-22

Family

ID=15633137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15668793A Expired - Lifetime JP2812147B2 (ja) 1993-06-28 1993-06-28 炭素繊維束およびプリプレグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2812147B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69723965T2 (de) * 1996-12-18 2004-02-12 Toray Industries, Inc. Kohlefaserprepregs und verfahren zu seiner herstellung
JP4094546B2 (ja) 2001-07-31 2008-06-04 三菱レイヨン株式会社 炭素繊維用サイジング剤、該サイジング剤による炭素繊維のサイジング方法、サイジング処理された炭素繊維及び該炭素繊維を使用した編織物
HUE046253T2 (hu) 2010-06-30 2020-02-28 Toray Industries Eljárás írezõszerrel bevont karbonszálak elõállítására és írezõszerrel bevont karbonszálak
HUE039223T2 (hu) 2011-10-04 2018-12-28 Toray Industries Szénszál-erõsítésû termoplasztikus gyanta formázóanyag és eljárások elõállítására
MX369404B (es) 2011-12-05 2019-11-07 Toray Industries Materia prima formadora de fibra de carbono, material formado y material compuesto reforzado con fibra de carbono.
JP5929158B2 (ja) * 2011-12-19 2016-06-01 東レ株式会社 サイジング剤塗布炭素繊維
KR101863990B1 (ko) 2011-12-27 2018-07-04 도레이 카부시키가이샤 사이징제 도포 탄소 섬유, 사이징제 도포 탄소 섬유의 제조 방법, 프리프레그 및 탄소 섬유 강화 복합 재료
US9388294B2 (en) 2012-05-16 2016-07-12 Daicel Corporation Epoxy-amine adduct, resin composition, sizing agent, carbon fiber coated with sizing agent, and fiber-reinforced composite material
EP2910676B1 (en) 2012-10-18 2017-10-04 Toray Industries, Inc. Carbon fiber-reinforced resin composition, method for manufacturing carbon fiber-reinforced resin composition, molding material, method for manufacturing molding material, and carbon-fiber reinforced resin molded article
KR101596207B1 (ko) 2012-11-27 2016-02-19 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 섬유 강화 열가소성 수지 프리프레그 및 그 성형체, 및 섬유 강화 열가소성 수지 프리프레그의 제조 방법
EP2980309A4 (en) 2013-03-26 2016-10-19 Toray Industries NON-WOVEN CARBON FIBERS
KR102381897B1 (ko) * 2014-08-12 2022-03-31 마쓰모토유시세이야쿠 가부시키가이샤 아크릴 섬유 처리제 및 그 용도
KR101683345B1 (ko) 2014-11-08 2016-12-07 주식회사 효성 탄소섬유용 사이징제, 및 이를 이용하여 제조된 탄소섬유
JP5967334B1 (ja) * 2015-01-21 2016-08-10 東レ株式会社 サイジング剤塗布炭素繊維束およびその製造方法、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
JPH079444A (ja) 1995-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2812147B2 (ja) 炭素繊維束およびプリプレグ
EP1403420B1 (en) Sizing agent for carbon fiber, aqeous dispersion thereof; carbon fiber treated by sizing; sheet;form object comprising the carbon fiber; and carbon fiber;reinforced composite material
US6228474B1 (en) Epoxy resin composition for a fiber-reinforced composite material, yarn prepreg, and process and apparatus for preparing the same
JP3681127B2 (ja) 成形材料及びその製造方法
US4487797A (en) Glass fibers to reinforce polymeric materials
US7867612B2 (en) Composite material, method for the production and use thereof
US20090162653A1 (en) Carbon fiber bundle, prepreg, and carbon fiber reinforced composite
JP2016160549A (ja) 炭素繊維用サイジング剤、炭素繊維束、シート状基材及び炭素繊維強化複合材
JP2957467B2 (ja) 炭素繊維ストランド用サイジング剤、サイズ処理された炭素繊維ストランド、及びその炭素繊維ストランドを強化繊維としたプリプレグ
JPH03193436A (ja) 複合圧力容器への繊維強度移行の改良方法
JP4558149B2 (ja) 炭素繊維用サイズ剤、炭素繊維のサイジング方法、サイジング処理された炭素繊維並びにそれを含むシート状物及び繊維強化複合材料
JP4305081B2 (ja) 炭素繊維製造用油剤及び炭素繊維の製造方法
JP3752353B2 (ja) サイズ処理された炭素繊維ストランド、及びその炭素繊維ストランドを強化繊維としたプリプレグ、及びその成形物
EP3974142A1 (en) Method for producing fiber-reinforced resin substrate, fiber-reinforced resin substrate, and molded article integrated therewith
EP0879803B1 (en) Method for forming a coated fiber strand and a coated fiber strand package
JP2005264383A (ja) 炭素繊維束およびその開繊方法
JPS6256267B2 (ja)
JPH10131052A (ja) サイズ処理された炭素繊維ストランド、及びその炭素繊維ストランドを強化繊維としたプリプレグ
US5262469A (en) Oxynitride glass fiber for composite products, and glass fiber-reinforced products
JPH05163672A (ja) 複合材料用オキシナイトライドガラス繊維および繊維強化プラスチック
JP6708311B1 (ja) 塗液含有強化繊維テープおよび塗液含有強化繊維テープパッケージの製造方法
JP2006188782A (ja) 炭素繊維束およびその製造方法
JP2004149721A (ja) 炭素繊維ストランド
JP2004076246A (ja) 炭素繊維束
JP2020192808A (ja) 繊維強化樹脂基材の製造方法および繊維強化樹脂基材