JP2020056041A - エポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物及び繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物及び繊維強化複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】速硬化性であり、得られる硬化物において高い機械特性を有する室温で液状の硬化性樹脂組成物とその硬化物、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供すること。【解決手段】芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールと、エピハロヒドリンと、の反応物であるエポキシ樹脂(A)であって、芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールに由来する2つの隣接酸素原子を構成原子として含む環状構造を有する環状化合物(a1)を含有し、前記環状化合物(a1)の含有量が、前記エポキシ樹脂(A)100gに対して、0.040〜0.115molの範囲であるエポキシ樹脂(A)と、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)と、を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物を用いる。【選択図】 図1

Description

本発明は、速硬化性であり、得られる硬化物において高い機械特性を有する室温で液状の硬化性樹脂組成物とその硬化物、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法に関する。
強化繊維で強化した繊維強化樹脂成形品は、軽量でありながら機械強度に優れるといった特徴が注目され、自動車や航空機、船舶等の筐体或いは各種部材をはじめ、様々な構造体用途での利用が拡大している。繊維強化樹脂成形品は、フィラメントワインディング法、プレス成形法、ハンドレイアップ法、プルトルージョン法、RTM法などの成形方法にて繊維強化複合材料を成形し、製造することができる。
前記繊維強化複合材料は強化繊維に樹脂を含浸させたものである。繊維強化複合材料に用いられる樹脂には、常温での安定性、硬化物の耐久性や強度等が求められることから、一般的には熱硬化性樹脂が多用されている。また、前記の通り樹脂を強化繊維に含浸させて用いることから低粘度であるほど好ましい。さらに金型等を使用する成形法を用いる場合には、加熱開始から脱型可能な状態になるまでの時間短縮が、生産性向上のためには必要であり、速硬化性の組成物であることが求められている。
さらに、繊維強化樹脂成形品の用途によっても樹脂又は樹脂組成物に対する要求特性は異なり、例えば、エンジン周りの構造部品や電線コア材に用いられる場合には、繊維強化樹脂成形品が過酷な使用環境に長期間耐えうるよう、硬化物における耐熱性や機械強度に優れる樹脂が求められる。
繊維強化複合材料用の樹脂組成物としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、酸無水物、及びイミダゾール化合物を含有するエポキシ樹脂組成物が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。さらには、2価フェノールのグリシジルエーテルと、グリシジルアミン型エポキシ樹脂を併用して硬化剤と組み合わせてなるエポキシ樹脂組成物も提供されている(例えば、特許文献2参照)。
前記特許文献1、2で提供されているエポキシ樹脂組成物は強化繊維への含浸性が高く、硬化物における耐熱性や機械強度にも一定の性能を発現するものの、速硬化性と硬化物の機械強度の両立への要求が高くなる現状、さらに優れる樹脂、又は樹脂組成物が求められている。
特開2010−163573号公報 国際公開第2016/148175号
従って、本発明が解決しようとする課題は、速硬化性であり、得られる硬化物において高い機械特性を有する室温で液状の硬化性樹脂組成物とその硬化物、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、カテコールとエピハロヒドリンとの反応物であるエポキシ樹脂と、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂とを併用し、これと硬化剤とを用いることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールと、エピハロヒドリンと、の反応物であるエポキシ樹脂(A)と、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)と、を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物、これに硬化剤を組み合わせてなる硬化性樹脂組成物、更に、前記硬化性樹脂組成物の硬化物、前記硬化性樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、室温で液状であり、速硬化性に優れ、得られる硬化物において高い機械特性を有する硬化性樹脂組成物とその硬化物、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
合成例1で製造したエポキシ樹脂の13C NMRチャートである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールと、エピハロヒドリンと、の反応物であるエポキシ樹脂(A)と、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)と、を含有することを特徴とする。
前記カテコールは、1位と2位とに水酸基を有するジヒドロキシベンゼンであり、本発明においては、それぞれのベンゼン環上に、メチル基を置換基として有していてもよい。置換基としてメチル基を有する場合、その位置及び置換基の数としては特に限定されるものではないが、得られる硬化物の機械特性により優れる観点からは、カテコールの場合には、4位に1つのメチル基を有することが好ましいが、いずれの場合も、置換基を有していないものであることが最も好ましい。また、メチル基の位置が異なる複数の化合物を併用してもよい。
芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールと、エピハロヒドリンと、を反応させると、前述の水酸基がそれぞれグリシジルエーテル基となる反応が進行するものであるが、その反応と同時にグリシジルエーテル基と未反応の水酸基との反応によってオリゴマー化が進行する、あるいは、エピハロヒドリンが付加反応する際、更にはそれの閉環工程等の種々の反応条件によって、様々な反応物が得られ、これらが副生成物として含まれることになる。これらの副生成物は反応系、反応生成物から除去することも可能であるが、単一成分(例えば、カテコールの場合のジグリシジルエーテル)のみを取り出す工程は、工業的には煩雑な工程であり、製品コストにも直結することから、得られる硬化物に悪影響を与えない範囲で副生成物を含んだ状態でエポキシ樹脂として使用されることが多い。
また、前記の単一成分(例えば、カテコールの場合のジグリシジルエーテルは結晶性が高く、エポキシ樹脂組成物、あるいは硬化性樹脂組成物としたときの取扱上の問題も生じることがある。これらの観点から、前述のような副生成物を一定量含むエポキシ樹脂とすることが、取扱上の観点、あるいは、得られる硬化物の機械強度等の観点から好ましい。
このような観点から、本願で用いるエポキシ樹脂(A)としては、芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールに由来する2つの隣接酸素原子を構成原子として含む環状構造を有する環状化合物(a1)を含むものであることが好ましく、特にこの環状化合物(a1)がエポキシ樹脂(A)100gに対して0.040〜0.115molの範囲であることがより好ましい。
前記環状化合物(a1)は、特に限定されるものではないが、例えば、下記構造式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2020056041
式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、mは1〜4の整数である。
上述の環状化合物は単独で含まれていても、2種以上を組み合わせて含まれていてもよい。
前記環状化合物(a1)の含有量は、エポキシ樹脂(A)100gに対して、好ましくは0.040〜0.115molであり、特に好ましくは0.050〜0.115molであり、0.070〜0.115molが最も好ましい。環状化合物の含有量がこの範囲で含まれることにより、得られる硬化物における好適な耐熱性を発現しやすくなり、また前述のように、エポキシ樹脂の結晶化を抑制する効果が高くなる。なお、本明細書において、「環状化合物の含有量」は、実施例に記載の方法で測定された値である。また、環状化合物を2種以上含む場合には、「環状化合物の含有量」は、これらの総含有量である。
前記環状化合物(a1)の含有量は、後述するエピハロヒドリンとの反応あるいは閉環工程における原料の仕込み比率、触媒、溶剤種並びに反応条件を適宜調整することにより制御することができる。
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、原料に芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールと、エピハロヒドリンを用いる以外に何ら限定されるものではないが、組成物としたときの流動性が良好で、室温でも液状とすることが容易である点、並びに得られる硬化物の機械特性により優れる観点より、下記構造式(1
Figure 2020056041
〔式(1中、Gはグリシジル基であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、mは1〜4の整数である。〕
で表されるグリシジルエーテル化物(a2)の含有量が、得られる硬化物の耐熱性、機械特性の観点から、GPC測定における面積比率で55%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、78%以上であることが特に好ましく、80〜95%であることが最も好ましい。なお、本明細書において、「GPC測定における面積比率」とは、反応生成物をGPC測定して得られるGPCチャートのうち、対象とする化合物が占める面積の比率である。具体的な測定方法については、実施例に記載の方法である。
また、本発明で用いるエポキシ樹脂(A)にはオリゴマーを含んでいてもよい。オリゴマーは粘度を上昇させる要因になりやすい観点より、その含有量は前述と同様のGPC測定における面積比率で12%以下であることが好ましく、特に10%以下であることが好ましい。尚、オリゴマーは、1分子中に原料として用いたカテコールに由来するベンゼン環が2個以上含まれている多核体を総称するものであって、前記オリゴマーの含有量は、それらの多核体の総量を示す。
本発明のエポキシ樹脂(A)には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の副生成物を含んでいてもよい。その他の副生成物としては、例えば、原料とするカテコールの一部の水酸基のみがグリシジルエーテル化された化合物、エピハロヒドリンの閉環が一部のみで進行しなかった化合物等が挙げられ、複数が含まれていてもよい。具体的には下記構造式で表されるものを挙げることができる。
Figure 2020056041
式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、mは1〜4の整数である。
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)のエポキシ当量としては、組成物としたときの取扱性が良好な粘度になることや、速硬化性の観点より、カテコールを原料とした場合には、130〜190g/eqの範囲であることが好ましい。また、エポキシ樹脂(A)の粘度としては、カテコールを原料とした場合には、100mPa.s〜800mPa.sの範囲であることが好ましい
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)の製造方法としては特に限定されるものではなく、エピハロヒドリンを用いてグリシジルエーテル化する公知の方法を採用することができる。
前記エピハロヒドリンとしては、特に制限されるものではなく、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン等が挙げられ、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。水酸基に対する反応性が良好である観点から、エピクロルヒドリンを用いることが好ましい。
エピハロヒドリンの使用量は、特に制限されないが、副生成物の含有量をコントロールしやすい観点と収率とのバランスから、原料として用いる芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールのヒドロキシ基1モルに対して、1.2〜20モルであることが好ましく、1.5〜10モルであることがより好ましい。
原料として用いる芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールとエピハロヒドリンとの反応としては、目的とするエポキシ樹脂(A)の収率の観点より、第4級オニウム塩および/または塩基性化合物の存在下で反応させる工程(1)と、前記工程(1)で得られる反応物を、塩基性化合物の存在下で閉環させる工程(2)とを有することが好ましい。
前記工程(1)における反応溶媒として、特に制限されないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;ジオキサン等のエーテル;ジメチルスルホン;ジメチルスルホキシド等が挙げられ、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応溶媒を用いる場合、その使用量は、エピハロヒドリン100質量部に対して、5〜150質量部の範囲であることが好ましく、7.5〜100質量部の範囲であることがより好ましく、10〜50質量部の範囲であることがさらに好ましい。
前記第4級オニウム塩としては、特に制限されないが、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩等が挙げられ、単独でも、2種以上を併用してもよい。
前記第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、メチルトリエチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、トリブチルメチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、フェニルトリメチルアンモニウムカチオン、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオン、フェニルトリエチルアンモニウムカチオン、ベンジルトリエチルアンモニウムカチオン、ベンジルトリブチルアンモニウムカチオンの塩化物塩、テトラメチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオンの臭化物塩等が挙げられる。
前記第4級ホスホニウム塩としては、例えば、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、メチルトリフェニルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、エチルトリフェニルホスホニウムカチオン、ブチルトリフェニルホスホニウムカチオン、ベンジルトリフェニルホスホニウムカチオンの臭素化物塩が挙げられる。
これらのうち、第4級オニウム塩としてはテトラメチルアンモニウムカチオン、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオン、ベンジルトリエチルアンモニウムカチオンの塩化物塩、テトラブチルアンモニウムカチオンの臭化物塩を用いることが好ましい。
第4級オニウム塩の使用量としては、反応が良好に進行し、また生成物中への残留を低減できる観点から、原料として用いる芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールとエピハロヒドリンとの合計質量に対して0.15〜5質量%であることが好ましく、0.18〜3質量%であることがより好ましい。
前記塩基性化合物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、単独でも、2種以上を併用してもよい。これらのうち、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
前記塩基性化合物の添加量は、特に制限されないが、反応が良好に進行し、また生成物中への残留を低減できる観点から、原料として用いる芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールのフェノール性水酸基のモル数に対して、0.01〜0.3モルであることが好ましく、0.02〜0.2モルであることがより好ましい。
前記第4級オニウム、前記塩基性化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、併用してもよい。
前記工程(1)の反応は、主にフェノール性水酸基に対してエピハロヒドリンが付加する反応である。工程(1)の反応温度としては、20〜80℃であることが好ましく、40〜75℃であることがより好ましい。工程(1)の反応時間としては、0.5時間以上であることが好ましく、1〜50時間であることがより好ましい。
前記工程(2)は、工程(1)で得られる反応物を、塩基性化合物の存在下で閉環させる工程であり、工程(1)で得られる反応物をそのまま、あるいは、系中に存在する未反応のエピハロヒドリンや反応溶媒の一部又は全部を除去してから、工程(2)を行ってもよい。
前記工程(2)で用いる塩基性化合物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、単独でも2種以上を併用してもよい。これらのうち、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
前記塩基性化合物の使用量は、特に制限されないが、原料のフェノール性水酸基のモル数に対して、0.8〜1.5モルであることが好ましく、0.9〜1.3モルであることがより好ましい。塩基性化合物の添加量が0.8モル以上であると、工程(2)の閉環反応が好適に進行しうることから好ましい。一方、塩基性化合物の添加量が1.5モル以下であると、副反応を防止または抑制できることから好ましい。なお、工程(1)で塩基性化合物を用いる場合は、工程(1)で用いる量も含めて上述の添加量とすることが好ましい。
工程(2)の反応温度としては、特に制限されないが、30〜120℃であることが好ましく、25〜80℃であることがより好ましい。反応時間としては、特に制限されないが、0.5〜4時間であることが好ましく、1〜3時間であることがより好ましい。
工程(2)を行った後、必要に応じて得られる反応生成物の精製等を行うことができる。
前記工程(1)、(2)を経て得られる反応生成物中には、前述のように原料のカテコールに由来する2つの隣接酸素原子を構成原子として含む環状構造を有する環状化合物(a1)を含む。さらに、前述のオリゴマーやその他の副生成物も含まれている。これらの環状化合物、オリゴマー等はエポキシ樹脂(A)の物性やその硬化物の物性に影響を与えるものである。
副生成物の含有量を制御する方法としては、例えば、工程(1)は、上述の通り、フェノール性水酸基に対してエピハロヒドリンが付加する工程であるが、反応条件によっては、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルエーテル基が一部閉環する副反応が生じ、グリシジル基およびヒドロキシ基を有する中間体が生成する。この場合、前記反応により得られた中間体が分子内で反応すると環状化合物が生成することになり、分子間で反応するとオリゴマーが生成することとなる。このため、工程(1)において、グリシジル基およびヒドロキシ基を有する中間体を生成する副反応を制御すると、環状化合物やオリゴマーの量を制御しやすい。例えば、工程(1)を高温条件下で行うと、グリシジル基を生成する副反応が促進され、得られる反応生成物中の環状化合物やオリゴマーの含有量が高くなる。一方、工程(1)を低温条件下で行うと、グリシジル基を生成する反応は相対的に抑制され、得られる反応生成物中の環状化合物やオリゴマーの含有量は低くなる。また、工程(1)を短時間で行うと、未反応のヒドロキシ基が多く存在し、工程(2)において生成したグリシジル基と反応することにより反応生成物中の環状化合物やオリゴマーの含有量は高くなる傾向がある。
なお、反応生成物中の各成分の含有量の制御は、種々の方法により行うことができる。例えば、上述の工程(1)における原料の使用割合、エピハロヒドリンの種類および添加方法(時間)、第4級オニウム塩、塩基性化合物の種類および使用量、反応温度、反応時間等の調整により反応を制御することができる。また、工程(1)の原料、生成物等の添加または除去等により反応を制御することもできる。さらに、上述の工程(2)における塩基性化合物の種類および使用量、反応温度、反応時間、反応速度等の調整により反応を制御することができる。また、工程(2)の生成物等の添加または除去等により反応を制御することができる。その結果、反応生成物中の各成分の含有量を制御することができる。
エポキシ樹脂中の成分、物性の調整は、反応の制御により行ってもよいし、精製工程の制御により行ってもよいし、別途成分を添加することにより行ってもよい。この際、エポキシ樹脂を効率的に調製できる観点から、反応を制御してエポキシ樹脂の成分の含有量の調整を行うことが好ましい。
本発明で用いる、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)は、得られる硬化物の耐熱性や機械物性に優れることが知られているが、通常他のエポキシ樹脂と併用することで、その効果が損なわれやすいこともよく知られている。しかしながら、前記エポキシ樹脂(A)と併用することにより、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)を単独で使用した時に得られる硬化物よりもその機械物性が向上し、且つ速硬化性とのバランスにも優れることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明で用いる芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)は、窒素原子に結合したグリシジル基を有するエポキシ樹脂であり、さらに、分子内に少なくとも一つ以上の芳香族環を有するものであり、合成したものであっても、市販されているものをそのまま用いてもよい。
前記芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)としては、例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−2−メチルベンゼンアミン、N,N−ジグリシジル−4−(グリシジルオキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−3−(グリシジルオキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−3−(グリシジルオキシ)−5−メチルアニリン、N,N−ジグリシジル−4−(グリシジルオキシ)−2−メチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,4−ベンゼンジ(メタンアミン)、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジル−2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジル−3−メチルアニリン)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(ジメチルメチレン)]ビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(ジメチルメチレン)]ビス(N,N−ビスグリシジル−2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−[(1,4−フェニレン)ビスオキシ]ビス(N,N−ジグリシジルアニリン)等が挙げられ、単独でも、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、得られる硬化物の耐熱性がより優れる観点から、N,N−ジグリシジル−4−(グリシジルオキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−3−(グリシジルオキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(グリシジルオキシ)−2−メチルアニリン、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジル−2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジル−3−メチルアニリン)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(ジメチルメチレン)]ビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(ジメチルメチレン)]ビス(N,N−ビスグリシジル−2,6−ジメチルアニリン)から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)を用いることが特に好ましい。高弾性率という点を重視する場合には、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジル−2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジル−3−メチルアニリン)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(ジメチルメチレン)]ビス(N,N−ビスグリシジル−2,6−ジメチルアニリン)から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
本発明において、前述の芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールとエピハロヒドリンとの反応物であるエポキシ樹脂(A)と、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)との配合比としては、得られる硬化物の機械特性と、速硬化性とにより優れる観点より、(A)/(B)で表される質量比として5/95〜95/5の範囲であることが好ましく、特に、10/90〜90/10の範囲であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記エポキシ樹脂(A)、前記エポキシ樹脂(B)以外のその他のエポキシ樹脂を含有していても良い。その他のエポキシ樹脂としては、例えば、その他のジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルオキシナフタレン、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、テトラフェノールエタン型エポキシ樹脂、フェノール又はナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン又はナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応物型エポキシ樹脂、フェノール性水酸基含有化合物−アルコキシ基含有芳香族化合物共縮合型エポキシ樹脂、これら以外のナフタレン骨格含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記ビフェノール型エポキシ樹脂は、例えば、ビフェノールやテトラメチルビフェノール等のビフェノール化合物をエピハロヒドリンでポリグリシジルエーテル化したものが挙げられる。中でも、エポキシ当量が150〜200g/eqの範囲であるものが好ましい。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物をエピハロヒドリンでポリグリシジルエーテル化したものが挙げられる。中でも、エポキシ当量が158〜200g/eqの範囲であるものが好ましい。
前記ノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール、ビスフェノール、ビフェノール等、各種フェノール化合物の一種乃至複数種からなるノボラック樹脂をエピハロヒドリンでポリグリシジルエーテル化したものが挙げられる。
前記トリフェノールメタン型エポキシ樹脂は、例えば、下記構造式(3)で表される構造部位を繰り返し構造単位として有するものが挙げられる。
Figure 2020056041
[式中R、Rはそれぞれ独立に水素原子又は構造式(3)で表される構造部位と*印が付されたメチン基を介して連結する結合点の何れかである。nは1以上の整数である。]
前記フェノール又はナフトールアラルキル型エポキシ樹脂は、例えば、グリシジルオキシベンゼン又はグリシジルオキシナフタレン構造が、下記構造式(4−1)〜(4−3)の何れかで表される構造部位にて結節された分子構造を有するものが挙げられる。
Figure 2020056041
(式中Xは炭素原子数2〜6のアルキレン基、エーテル結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、スルフィド基、スルホン基の何れかである。]
前記ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂は、例えば、下記構造式(5−1)〜(5−3)の何れかで表されるエポキシ化合物等が挙げられる。
Figure 2020056041
前記その他のエポキシ樹脂の中でも、組成物の粘度と硬化物における耐熱性や機械強度、低吸水性とのバランスに優れることから、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂の何れかが好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂が特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物中、前記その他のエポキシ樹脂の含有量としては、前記エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、その他のエポキシ樹脂の合計質量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前述のエポキシ樹脂組成物と硬化剤(C)とを含有するものである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、室温で液状であり、且つ速硬化性を発現しやすい観点から、アミン化合物(C1)を硬化剤(C)として用いることが好ましい。
前記アミン化合物(C1)は、前記エポキシ樹脂組成物の硬化剤或いは硬化促進剤として作用する。アミン化合物(C1)は一種類を単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。アミン化合物(C1)の具体例としては、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、トリエタノールアミン、ジメチルアミノヘキサノール、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト等の脂肪族アミン化合物;
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、p−メンタン−1,8−ジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等のシクロ環含有アミン化合物;
ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン等、分子構造中にポリオキシアルキレン構造を有するアミン化合物;
ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン、モルホリン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、キヌクリジン(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン)、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、ピロール、ピラゾール、ピリジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)−1,3,5−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン等の複素環式アミン化合物;
フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、N−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルトルエンジアミン、キシリレンジアミン、α−メチルベンジルメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の芳香環含有アミン化合物;
イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、3−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、5−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、3−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、5−エチルイミダゾール、1−n−プロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−n−ブチルイミダゾール、2−n−ブチルイミダゾール、1−イソブチルイミダゾール、2−イソブチルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,3−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩等のイミダゾール化合物;
2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾリン化合物等が挙げられる。これらの中でも、得られる硬化物の耐熱性と機械特性により優れる観点から、芳香環含有アミン化合物を用いることが好ましく、ジアミノジフェニルスルホンを用いることが特に好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び必要によって併用されるその他のエポキシ樹脂とアミン化合物(C1)との配合割合は特に限定されるものではなく、所望の硬化物性能や、用途に応じて適宜調整することができる。配合の一例として、例えば、前記アミン化合物(C1)として3級アミン、前記イミダゾール化合物或いはイミダゾリン化合物以外のアミン化合物を用いる場合、前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基1モルに対し、アミン化合物(C1)中の活性水素の合計モル数が0.5〜1.05モルの範囲であることが好ましい。
また、前記アミン化合物(C1)として3級アミン、前記イミダゾール化合物或いはイミダゾリン化合物を用いる場合には、硬化性樹脂組成物中の前記アミン化合物(C1)の割合が、0.1〜10質量%の割合で含まれることが好ましい。
本発明では、前記アミン化合物(C1)と合せて、その他の硬化剤或いは硬化促進剤(C’)を用いても良い。その他の硬化剤或いは硬化促進剤(C’)は、エポキシ樹脂の硬化剤或いは硬化促進剤として一般的に用いられている様々な化合物の何れを用いても良い。具体的には、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドエチレンテトラヒドロフタル酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸、無水メチルナジック酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸等の酸無水物;
ジシアンジアミド、或いは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、脂肪酸、ダイマー酸等のカルボン酸化合物と前記アミン化合物(C1)とを反応させて得られるアミド化合物;
ポリヒドロキシベンゼン、ポリヒドロキシナフタレン、ビフェノール化合物、ビスフェノール化合物、フェノール、クレゾール、ナフトール、ビスフェノール、ビフェノール等、各種フェノール化合物の一種乃至複数種からなるノボラック型フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、テトラフェノールエタン型フェノール樹脂、フェノール又はナフトールアラルキル型フェノール樹脂、フェニレン又はナフチレンエーテル型フェノール樹脂樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応物型フェノール樹脂、フェノール性水酸基含有化合物−アルコキシ基含有芳香族化合物共縮合型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;
p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチル尿素、N−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−N’,N’−ジメチル尿素等の尿素化合物;
リン系化合物;有機酸金属塩;ルイス酸;アミン錯塩等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、その他のエポキシ樹脂と、アミン化合物(C1)、及びその他の硬化剤或いは硬化促進剤(C’)の配合割合は特に限定されるものではなく、所望の硬化物性能や、用途に応じて適宜調整することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、前記エポキシ樹脂組成物、アミン化合物(C1)、及びその他の硬化剤或いは硬化促進剤(C’)以外のその他の樹脂成分を含有することもできる。その他の樹脂成分としては、例えば、酸変性ポリブタジエン、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などを挙げることができる。
前記酸変性ポリブタジエンは、エポキシ樹脂成分との反応性を有する成分であり、酸変性ポリブタジエンを併用することにより、得られる硬化物において優れた機械強度、耐熱性、および耐湿熱性を発現させることができる。
前記酸変性ポリブタジエンとしては、ブタジエン骨格に、1,3−ブタジエンや、2−メチル−1,3−ブタジエン由来の骨格を有するものが挙げられる。1,3−ブタジエン由来のものとしては、1,2−ビニル型、1,4−トランス型、1,4−シス型のいずれかの構造を有するものやこれらの構造を2種以上有するものが挙げられる。2−メチル−1,3−ブタジエン由来のものとしては、1,2−ビニル型、3,4−ビニル型、1,4−シス型、1,4−トランス型のいずれかの構造を有するものや、これらの構造を2種以上有するものが挙げられる。
前記酸変性ポリブタジエンの酸変性成分としては、特に限定されないが、不飽和カルボン酸を挙げることができる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸が好ましく、反応性の点から無水イタコン酸、無水マレイン酸が好ましく、無水マレイン酸がさらに好ましい。
前記酸変性ポリブタジエン中の不飽和カルボン酸の含有量は、エポキシ樹脂との反応性の観点から、酸変性ポリブタジエンが1,3−ブタジエン由来のものから構成される場合には、その酸価は5mgKOH/g〜400mgKOH/gであることが好ましく、20mgKOH/g〜300mgKOH/gであることがより好ましく、50mgKOH/g〜200mgKOH/gであることがさらに好ましい。
また、不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリブタジエン中に共重合されていればよく、その形態は限定されない。例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられる。
酸変性ポリブタジエンの平均モル質量は、酸変性ポリブタジエンが1,3−ブタジエン由来のものから構成される場合、1,000〜8,000であることが好ましく、2,000〜7,000であることがより好ましい。酸変性ポリブタジエンが、2−メチル−1,3−ブタジエン由来のものから構成される場合は、1,000〜60,000であることが好ましく、15,000〜40,000であることがより好ましい。平均モル質量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
酸変性ポリブタジエンは、ポリブタジエンを不飽和カルボン酸変性して得られるが、市販のものをそのまま用いてもよい。市販のものとしては、例えば、エボニック・デグサ社製無水マレイン酸変性液状ポリブタジエン(polyvest MA75、Polyvest EP MA120等)、クラレ社製無水マレイン酸変性ポリイソプレン(LIR−403、LIR−410)などを使用することができる。
硬化性樹脂組成物中の前記酸変性ポリブタジエンの含有量は、得られる硬化物の伸び、耐熱性、耐湿熱性が良好となる点から、硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計質量を100質量部としたとき、1質量部〜40質量部の割合で含まれていることが好ましく、3質量部〜30質量部の割合で含まれていることがさらに好ましい。なお、前記硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計とは、前記エポキシ樹脂、アミン化合物(C1)、その他の硬化剤或いは硬化促進剤(C’)、及びその他の樹脂成分の合計のことである。
前記ポリエーテルスルホン樹脂は、熱可塑性樹脂であり、硬化性樹脂組成物の硬化反応において、架橋ネットワークには含まれないが、高Tgを有する優れた改質剤効果により、得られる硬化物において、さらに優れた機械強度と耐熱性を発現させることができる。
硬化性樹脂組成物中の前記ポリエーテルスルホン樹脂の含有量は、得られる硬化物の機械強度と、耐熱性が良好となる点から、硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計質量を100質量部としたとき、1質量部〜30質量部の割合で含まれていることが好ましく、3質量部〜20質量部の割合で含まれていることがさらに好ましい。
前記ポリカーボネート樹脂は、例えば、2価又は2官能型のフェノールとハロゲン化カルボニルとの重縮合物、或いは、2価又は2官能型のフェノールと炭酸ジエステルとをエステル交換法により重合させたものが挙げられる。
前記2価又は2官能型のフェノールは、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これら2価のフェノールの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、さらに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料としたものが特に好ましい。
他方、2価又は2官能型のフェノールと反応させるハロゲン化カルボニル又は炭酸ジエステルは、例えば、ホスゲン;二価フェノールのジハロホルメート、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート等のジアリールカーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジアミルカーボネート、ジオクチルカーボネート等の脂肪族カーボネート化合物などが挙げられる。
また、前記ポリカーボネート樹脂は、そのポリマー鎖の分子構造が直鎖構造であるもののほか、これに分岐構造を有していてもよい。斯かる分岐構造は、原料成分として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)等を用いることにより導入することができる。
前記ポリフェニレンエーテル樹脂は、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−14−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
この中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含むポリフェニレンエーテルであってもよい。
前記ポリフェニレンエーテル樹脂は、その樹脂構造にカルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、シリル基、水酸基、無水ジカルボキル基等の反応性官能基を、グラフト反応や、共重合等何らかの方法で導入した変性ポリフェニレンエーテル樹脂も本発明の目的を損なわない範囲で使用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記ポリカーボネート樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂を含有することで、得られる硬化物においてより優れた機械強度を発現できるようになる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、難燃剤/難燃助剤、充填材、添加剤、有機溶剤等を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。硬化性樹脂組成物を製造する際の配合順序は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に限定されない。すなわち、すべての成分を予め混合して用いてもよいし、適宜順番に混合して用いてもよい。また、配合方法は、例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、ローラミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することができる。以下で、本発明の硬化性樹脂組成物に含有可能な各種部材について説明する。
・難燃剤/難燃助剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、難燃性を発揮させるために、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を含有していてもよい。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物が挙げられる。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、前記アミノトリアジン変性フェノール樹脂、及び該アミノトリアジン変性フェノール樹脂を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計100質量部に対し、0.05質量部〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1質量部〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計100質量部に対し、0.05質量部〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計100質量部に対し、0.05質量部〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5質量部〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計100質量部に対し、0.005質量部〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
・充填材
本発明の硬化性樹脂組成物は、充填材を含有していてもよい。本発明の硬化性樹脂組成物が充填材を含有すると、得られる硬化物において優れた機械特性を発現させることができるようになる。
充填材としては、例えば、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、硼酸アルミニウム、硼酸マグネシウム、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミや、ケナフ繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、石英繊維等の繊維状補強剤や、非繊維状補強剤等が挙げられる。これらは一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。また、これらは、有機物や無機物等で被覆されていてもよい。
また、充填材としてガラス繊維を用いる場合、長繊維タイプのロービング、短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバー等から選択して用いることが出来る。ガラス繊維は使用する樹脂用に表面処理した物を用いるのが好ましい。充填材は配合されることによって、燃焼時に生成する不燃層(又は炭化層)の強度を一層向上させることができる。燃焼時に一度生成した不燃層(又は炭化層)が破損しにくくなり、安定した断熱能力を発揮できるようになり、より大きな難燃効果が得られる。さらに、材料に高い剛性も付与することができる。
・添加剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、添加剤を含有していてもよい。本発明の硬化性樹脂組成物が添加剤を含有すると、得られる硬化物において剛性や寸法安定性等、他の特性が向上する。添加剤としては、例えば可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、応力緩和剤、離型剤、結晶化促進剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、衝撃付与剤、摺動性改良剤、相溶化剤、核剤、強化剤、補強剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、消泡剤、カップリング剤、防錆剤、抗菌・防カビ剤、防汚剤、導電性高分子等を添加することも可能である。
・有機溶剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、フィラメントワインディング法にて繊維強化樹脂成形品を製造する場合などには、有機溶剤を含有していてもよい。ここで使用し得る有機溶剤としては、メチルエチルケトンアセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得る。
本発明の硬化性樹脂組成物は、低粘度でかつ硬化性に優れ、得られる硬化物において高い機械強度と耐熱性とを有することから、塗料や電気・電子材料、接着剤、成型品等、様々な用途に用いることができる。本発明の硬化性樹脂組成物はそれ自体を硬化させて用いる用途の他、繊維強化複合材料や繊維強化樹脂成形品等にも好適に用いることができる。以下にこれらについて説明する。
・硬化性樹脂組成物の硬化物
本発明の硬化性樹脂組成物から硬化物を得る方法としては、一般的なエポキシ樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよく、例えば加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよい。例えば、硬化性樹脂組成物を、室温〜250℃程度の温度範囲で加熱する方法が挙げられる。成形方法なども硬化性樹脂組成物の一般的な方法が用いること可能であり、特に本発明の硬化性樹脂組成物に特有の条件は不要である。
・繊維強化複合材料
本発明の繊維強化複合材料とは、硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸させた後の硬化前の状態の材料のことである。ここで、強化繊維は、有撚糸、解撚糸、又は無撚糸などいずれでも良いが、解撚糸や無撚糸が、繊維強化複合材料において優れた成形性を有することから、好ましい。さらに、強化繊維の形態は、繊維方向が一方向に引き揃えたものや、織物が使用できる。織物では、平織り、朱子織りなどから、使用する部位や用途に応じて自由に選択することができる。具体的には、機械的強度や耐久性に優れることから、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられ、これらの2種以上を併用することもできる。これらの中でもとりわけ成形品の強度が良好なものとなる点から炭素繊維が好ましく、かかる、炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系などの各種のものが使用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物から繊維強化複合材料を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、硬化性樹脂組成物を構成する各成分を均一に混合してワニスを製造し、次いで、前記で得られたワニスに強化繊維を一方向に引き揃えた一方向強化繊維を浸漬させる方法(プルトルージョン法やフィラメントワインディング法での硬化前の状態)や、強化繊維の織物を重ねて凹型にセットし、その後、凸型で密閉してから樹脂を注入し圧力含浸させる方法(RTM法での硬化前の状態)等が挙げられる。
本発明の繊維強化複合材料は、前記硬化性樹脂組成物が必ずしも繊維束の内部まで含浸されている必要はなく、繊維の表面付近に該硬化性樹脂組成物が局在化している態様であっても良い。
さらに、本発明の繊維強化複合材料は、繊維強化複合材料の全体積に対する強化繊維の体積含有率が40%〜85%であることが好ましく、強度の点から50%〜70%の範囲であることがさらに好ましい。体積含有率が40%未満の場合、前記硬化性樹脂組成物の含有量が多すぎて得られる硬化物の難燃性が不足したり、比弾性率と比強度に優れる繊維強化複合材料に要求される諸特性を満たすことができなかったりする場合がある。また、体積含有率が85%を超えると、強化繊維と硬化性樹脂組成物の接着性が低下してしまう場合がある。
・繊維強化樹脂成形品
本発明の繊維強化樹脂成形品とは、強化繊維と硬化性樹脂組成物の硬化物とを有する成形品であり、繊維強化複合材料を熱硬化させて得られるものである。本発明の繊維強化樹脂成形品として、具体的には、繊維強化成形品における強化繊維の体積含有率が40%〜85%の範囲であることが好ましく、強度の観点から50%〜70%の範囲であることが特に好ましい。そのような繊維強化樹脂成形品としては、例えば、フロントサブフレーム、リアサブフレーム、フロントピラー、センターピラー、サイドメンバー、クロスメンバー、サイドシル、ルーフレール、プロペラシャフトなどの自動車部品、電線ケーブルのコア部材、海底油田用のパイプ材、印刷機用ロール・パイプ材、ロボットフォーク材、航空機の一次構造材、二次構造材などを挙げることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物から繊維強化成形品を得る方法としては、特に限定されないが、引き抜き成形法(プルトルージョン法)、フィラメントワインディング法、RTM法などを用いることが好ましい。引き抜き成形法(プルトルージョン法)とは、繊維強化複合材料を金型内へ導入して、加熱硬化したのち、引き抜き装置で引き抜くことにより繊維強化樹脂成形品を成形する方法であり、フィラメントワインディング法とは、繊維強化複合材料(一方向繊維を含む)を、アルミライナーやプラスチックライナー等に回転させながら巻きつけたのち、加熱硬化させて繊維強化樹脂成形品を成形する方法であり、RTM法とは、凹型と凸型の2種類の金型を使用する方法であって、前記金型内で繊維強化複合材料を加熱硬化させて繊維強化樹脂成形品を成形する方法である。なお、大型製品や複雑な形状の繊維強化樹脂成形品を成形する場合には、RTM法を用いることが好ましい。
繊維強化樹脂成形品の成形条件としては、繊維強化複合材料を50℃〜250℃の温度範囲で熱硬化させて成形することが好ましく、70℃〜220℃の温度範囲で成形することがより好ましい。かかる成形温度が低すぎると、十分な速硬化性が得られない場合があり、逆に高すぎると、熱歪みによる反りが発生しやすくなったりする場合があるためである。他の成形条件としては、繊維強化複合材料を50℃〜100℃で予備硬化させ、タックフリー状の硬化物にした後、更に、120℃〜200℃の温度条件で処理するなど、2段階で硬化させる方法などを挙げることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物から繊維強化成形品を得る他の方法としては、金型に繊維骨材を敷き、前記ワニスや繊維骨材を多重積層してゆくハンドレイアップ法やスプレーアップ法、オス型・メス型のいずれかを使用し、強化繊維からなる基材にワニスを含浸させながら積み重ねて成形、圧力を成形物に作用させることのできるフレキシブルな型をかぶせ、気密シールしたものを真空(減圧)成型する真空バッグ法、あらかじめ強化繊維を含有するワニスをシート状にしたものを金型で圧縮成型するSMCプレス法などが挙げられる。
次に、本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。
なお、GPC、13CNMRは以下の条件にて測定した。
<GPC測定条件>
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
13C−NMRの測定条件>
装置:日本電子株式会社製 JNM−ECA500
測定モード:逆ゲート付きデカップリング
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
パルス角度:30°パルス
試料濃度 :30wt%
積算回数 :4000回
ケミカルシフトの基準:ジメチルスルホキシドのピーク:39.5ppm
<粘度の測定>
粘度計(TOKI SANGYO CO.LTD.VISCOMETER TV−22)を用い、得られた硬化性樹脂組成物の粘度を25℃で測定した。
<耐熱性の評価>
得られた硬化性樹脂組成物、幅90mm、長さ110mm、厚さ2mmの型枠内に流し込み、150℃で1時間硬化後、180℃で3時間硬化させた。得られた硬化物をダイヤモンドカッターで幅5mm、長さ55mmに切り出し、これを試験片とした。次に、粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置RSAII、レクタンギュラーテンション法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min、最高測定温度350℃)を用い、硬化物について貯蔵弾性率と損失弾性率の比である損失正接が最大となる(tanδ値が最も大きい)温度を測定し、これをガラス転移温度(Tg)とした。
なお、動的粘弾性測定の測定条件は、温度条件 室温〜300℃、昇温速度3℃/分、周波数1Hz、歪振幅10μmとした。
<曲げ強度及び曲げ弾性率の測定>
得られた硬化性樹脂組成物をJIS K7171に従って、硬化物の曲げ強度、曲げ弾性率、曲げひずみを測定した。また、曲げ試験で得られたS−Sカーブの積分をとることによりエネルギーを算出し、試験片の単位面積当たりのエネルギーを曲げ靭性とした。
<硬化性の評価>
硬化性はゲルタイムにより評価した。得られた硬化性樹脂組成物を180℃のホットプレートの上に1cm流し入れ、攪拌棒でかき混ぜながら、エポキシ樹脂組成物の流動性が無くなるまでの時間を測定した。
合成例1
工程(1)
温度計、滴下ロート、冷却管、窒素導入管、撹拌機を取り付けたフラスコに、カテコール165g(1.50mol)、エピクロルヒドリン1388g(15mol)を添加し、50℃まで昇温した。次いで、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム11.2g(0.06mol)を添加し、50℃で15時間撹拌した。
工程(2)
前記工程(1)で得られた反応液に蒸留水1000mLを注いで撹拌し、静置後に上層を除去した。48%水酸化ナトリウム水溶液318gを2.5時間かけて滴下し、1時間撹拌を行った。
得られた溶液に蒸留水400mLを注いで静置した。下層の食塩水を除去し、120℃でエピクロロヒドリンの蒸留回収を行った。次いで、メチルイソブチルケトン(MIBK)566g、水167gを順次添加し、80℃で水洗を行った。下層の水洗水を除去した後、脱水、ろ過を行い、150℃でMIBKを脱溶媒することで、エポキシ樹脂を製造した。なお、得られたエポキシ樹脂を目視で観察したところ、液状であった。
得られたエポキシ樹脂について、エポキシ樹脂100gあたりの環状化合物の含有量X(mol)を測定した。具体的には下記の式を用いて算出した。
Figure 2020056041
上記式において、Xはエポキシ樹脂100gあたりの環状化合物含有量(mol)であり、(A)は芳香環1molあたりの環状化合物(mol)であり、(B)は芳香環1molあたりのエポキシ基(mol)であり、(C)はエポキシ当量(g/当量)である。
この際、(A)は13C NMR測定において、130〜150ppm付近のカテコールのipso(イプソ)位にあたる芳香環に由来するピークと、60ppm付近の環状化合物に由来するピークの積分比により算出した。また、(B)は130〜150ppm付近のカテコールのipso(イプソ)位にあたる芳香環に由来するピークと、50ppm付近のエポキシ基に由来するピークの積分比により算出した。その結果、環状化合物の含有量は、0.071mol/100gであった。尚、13C NMR測定の結果〔チャート〕を図1とした。
また、得られたエポキシ樹脂について、1,2−ジグリシジルオキシベンゼン(カテコールのジグリシジル体)のGPC測定における面積比率を測定した。その結果、カテコールのジグリシジル体の含有量は、GPC測定における面積比率で88%であった。
さらに、オリゴマーのGPC測定における面積比率を測定した。その結果、オリゴマーの含有量は、GPC測定における面積比率で1.3%であった。
また、得られたエポキシ樹脂について、エポキシ当量を測定した。具体的には、JIS K 7236:2009の方法により、エポキシ樹脂のエポキシ当量を測定した。その結果、エポキシ樹脂のエポキシ当量は138g/当量であった。
さらに、得られたエポキシ樹脂の粘度を測定した。具体的にはE型粘度計(東機産業株式会社製 TV−22)を用いて、25℃におけるエポキシ樹脂の粘度を測定した。その結果、エポキシ樹脂の粘度は190mPa・sであった。
実施例1〜3及び比較例1〜4
下記表1に示す配合(質量基準)に従って各成分を配合し、均一に撹拌混合して、硬化性樹脂組成物を得た。該組成物について、前記の要領で各種評価試験を行った。結果を表1〜2に示す。
尚、実施例および比較例で用いた各成分の詳細は以下の通りである。
・エポキシ樹脂A−1:合成例1で得たカテコール型エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂A’:DIC株式会社製「HP−820」エポキシ当量210g/当量
・エポキシ樹脂B:SYNASIA社製「S−720」(4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン))エポキシ当量111g/当量
・硬化剤:和歌山精化工業株式会社製「SEIKACURE−S」(ジアミノジフェニルスルホン)
Figure 2020056041
Figure 2020056041

Claims (13)

  1. 芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールと、エピハロヒドリンと、の反応物であるエポキシ樹脂(A)であって、
    芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールに由来する2つの隣接酸素原子を構成原子として含む環状構造を有する環状化合物(a1)を含有し、
    前記環状化合物(a1)の含有量が、前記エポキシ樹脂(A)100gに対して、0.040〜0.115molの範囲であるエポキシ樹脂(A)と、
    芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)と、を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂(A)中の、下記構造式(1
    Figure 2020056041
    〔式(1)中、Gはグルシジル基であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、mは1〜4の整数であ。〕
    で表されるグルシジルエーテル化物(a2)の含有量が、GPC測定における面積比率で55%以上である、請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂(A)が、更にオリゴマー(a3)を含むものであって、前記オリゴマー(a3)の含有量が、GPC測定における面積比率で12%以下である請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)が4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)である請求項1〜の何れか1項記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記芳香環上の置換基としてメチル基を有していてもよいカテコールと、エピハロヒドリンと、の反応物であるエポキシ樹脂(A)と、前記芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)と、の配合比が(A)/(B)で表される質量比として10/90〜90/10の範囲である請求項1〜の何れか1項記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜の何れか1項記載のエポキシ樹脂組成物と硬化剤(C)とを含有する硬化性樹脂組成物。
  7. 前記硬化剤(C)がジアミノジフェニルスルホンである請求項記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項6又は7記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
  9. 請求項6又は7記載の硬化性樹脂組成物と、強化繊維とを必須成分とする繊維強化複合材料。
  10. 強化繊維の体積含有率が40%〜85%の範囲内である請求項記載の繊維強化複合材料。
  11. 請求項記載の硬化物と強化繊維とを必須成分とする繊維強化樹脂成形品。
  12. 前記強化繊維の体積含有率が40%〜85%の範囲内である請求項11記載の繊維強化樹脂成形品。
  13. 請求項9又は10記載の繊維強化複合材料を熱硬化させる繊維強化樹脂成形品の製造方法。
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