JP5835664B2 - 光硬化型樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子や発光素子などを外部環境から保護し、その性能を長期間にわたって保持することができる、透湿バリア性及び高温高湿環境下における接着力に優れる光硬化型樹脂組成物に関するものであり、耐久性に優れ、しかも製造が容易であるなどの特徴を有するものである。
シリコン系太陽電池、化合物系太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜系太陽電池などの光電変換素子や有機EL、発光ダイオード(LED)などの発光素子は、グリーンエネルギーや省エネルギーデバイスとして注目されている。
これら光電変換素子や発光素子は、特に湿度に対して敏感であり、高温高湿などの環境下で長期にわたって使用されると、外部から侵入した湿度によって変質や劣化が起こり、素子の性能が低下してしまうため、透湿バリア性に優れるシール剤が求められている。
色素増感太陽電池におけるシール剤としては、例えば特許文献1にはイオン性高分子等の熱可塑性樹脂をシール剤として使用した例が示されているが、この樹脂材料は耐熱性や耐湿性が悪く、長期間にわたってのシール性能を発揮することができない。特許文献2にはポリイソブチレン系樹脂をシール剤として使用する技術が開示され、特許文献3にはエチレン・αーオレフィン・非共役ポリエン共重合体をシール剤として使用する技術が開示されている。これらの特許文献1、2に開示されたシール剤は加熱硬化型樹脂であることから、硬化にまで時間を要し、生産性において問題がある。
生産性を向上させる目的で光硬化性樹脂をシール剤として適用する検討も種々行われている。具体的にはラジカル重合を用いた引用文献4、カチオン重合を用いた引用文献5、6などが挙げられる。特許文献4には液状飽和エラストマーと炭素数10〜22の(メタ)アクリレートからなるシール剤が提案されている。また、特許文献5にはカチオン重合性化合物及びカチオン開始剤からなる光電変換素子用光硬化性シール剤が開示されている。さらに特許文献6にはビスフェノール型エポキシ樹脂を水素化して得られたエポキシ樹脂及びカチオン開始剤からなる色素増感太陽電池用光硬化性シール剤が開示されている。しかしながらこれらの特許文献4〜6に開示されたシール剤は、透湿バリア性が不十分であることから光電変換素子や発光素子に適用した場合、長期寿命は期待できない。
このような経緯より硬化物の透湿バリア性に優れるシール剤組成物について種々検討したところ、硬化物の透湿バリア性を向上させると高温高湿環境下での接着力が低下し、逆に高温高湿環境下での接着力を向上させると、硬化物の透湿バリア性が低下してしまう。つまり、硬化物の透湿バリア性能と高温高湿環境下での接着力ともに満足させることはできなかった。
特開2002−343454号公報 特開2002−313443号公報 特開2009−301781号公報 特開2010−138290号公報 WO2004/075333号公報 特開2007−087684号公報
本発明の目的は、光により硬化する特徴を有し、高いレベルでの透湿バリア性と高温高湿環境下での接着力を両立した光硬化型樹脂組成物、光電変換素子を提供することにある。
すなわち、本発明は、目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、特定の光硬化型組成物により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨を次に説明する。
[1]下記(A)〜(D)成分を含有し、(B)成分は(A)成分100質量部に対して0.1〜20.0質量部であり、(D)成分は(A)成分100質量部に対して0.5〜20.0質量部であることを特徴とする光硬化型樹脂組成物。
(A)グリシジル基を2以上有するエポキシ樹脂
(B)一般式(1)で表される化合物
(C)光カチオン重合開始剤
(D)シランカップリング剤
[2]前記(D)成分がグリシジル基含有シランカップリング剤であることを特徴とする[1]に記載の光硬化型樹脂組成物。
[3]更に(E)成分として平均粒子径50μm以下の充填剤を(A)成分が100質量部に対して5〜200質量部含有することを特徴とする[1]又は[2]のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
[4]前記(C)成分が芳香族スルホニウム塩であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
[5][1]〜[4]のいすれか1項に記載の組成物からなることを特徴とする色素増感太陽電池用シール剤。
[6][1]〜[5]のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物でシールされた光電変換素子。
本発明は短時間で硬化する特徴を有し、光電変換素子や発光素子の封止において、高いレベルでの透湿バリア性と高温高湿環境下での接着力を両立した光硬化型樹脂組成物及び、光電変換素子用シール剤及び、色素増感太陽電池を得ることができる。
以下に本発明の詳細を説明する。
〈(A)成分〉
(A)成分であるエポキシ樹脂としては、グリシジル基を2以上有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。例えばビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル、エポキシ化ジエン重合体、脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。これらは1種類あるいは2種類以上を併用しても良い。これらうち、シール剤の透湿バリア性を保持できるという観点でビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
本発明に使用する(A)成分のエポキシ当量は好ましくは100〜300であり、更に好ましくは、120〜250である。エポキシ当量が100より少ないと、樹脂硬化物に靱性がなく脆くなってしまう。エポキシ当量が300より大きいと硬化物の架橋密度が低下するので透湿バリア性が低下してしまうことから好ましくない。尚エポキシ当量は、JIS K−7236の方法で測定される。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、芳香族ビスフェノールA型エポキシ樹脂、芳香族ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、芳香族ビスフェノールF型エポキシ樹脂、芳香族ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも透湿バリア性に優れるという観点で芳香族ビスフェノールA型エポキシ樹脂、芳香族ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
芳香族ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばエピコート827、エピコート828、エピコート834(三菱化学社製)、EPICLON840、EPICLON850(DIC社製)等が挙げられる。水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばYX−8000、YX−8034(三菱化学社製)、EXA−7015(DIC社製)等が挙げられる。芳香族ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピコート806、エピコート807(三菱化学社製)、EPICLON830、EPICLON830−S、EPICLON835(DIC社製)等が挙げられる。蒸留された芳香族ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は芳香族ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばEXA−850CRP、EPICLON EXA−83CRP、EPICLON EXA−830LVP、EPICLON EXA−835LV(DIC社製)、YDF−8170C、YD−8125(新日鐵化学製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂の市販品は、例えばYX−4000、YX−4000H、YL−6121H、YL−6121H、YL−6640、YL−6677、YL−7399(三菱化学(株)社製)等が挙げられる。上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、HP7200、HP7200L、HP7200H、HP7200HH(DIC社製)等が挙げられる。上記ナフタレン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばEPICLON HP−4032、HP−4032D、HP−4700、HP−4770(DIC社製)等が挙げられる。
上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、芳香族フェノールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族ジフェニロールプロパンノボラック型エポキシ樹脂、水添フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらノボラック型エポキシ樹脂の中でも透湿バリア性に優れることから水添フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
芳香族フェノールノボラックエポキシ化合物の市販品としては、エピコート152、エピコート154(三菱化学(株)社製)、YDCN−701、YDCN−702、YDCN−703、YDCN−704、YDCN−500等(東都化成社製)が挙げられる。芳香族クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、N−660、N−665、N−670、N−670、N673、N−665−EXP、N−672−EXP(DIC社製)等が挙げられる。
上記脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘプタグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル等が挙げられる。
エポキシ化ジエン重合体としては例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレン等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、リモネンジエポキシド等が挙げられる。これら脂環エポキシ化合物の市販品としては、例えば、セロキサイド2021、2081、2083、2085、3000(以上、いずれもダイセル化学工業社製)、サイラキュア6105、6110、6128(以上、いずれもユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
〈(B)成分〉
本発明の(B)成分に用いられる一般式(1)で示される化合物は、本発明の(D)成分と併用することよって、硬化物の透湿バリア性能と高温高湿環境下での接着力の両方の性能を満足した光硬化型樹脂組成物を提供させることができる主要成分である。
(上記一般式(1)において、R、R、Rは水素、水酸基又は水酸基以外の置換基を示す。水酸基以外の置換基とは、次に挙げる官能基を単独または複数を任意で組み合わせた基を示す。官能基とは、直鎖状または分枝状の炭素数1〜20のアルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲン、エステル、カルボキシ、アルデヒド、アミノ、イミノ、イミド、ニトリル、アミド、イミド、シアノ、スルホン、ニトロ、スルフィド、チオール、イソシアネートおよびニトロなど挙げられるが、この限りではない。)
上記、一般式(1)で示される化合物の具体例として、例えば、ピロガロール、2,3,4−トリヒドロキシジフェニルメタン、3,4,5−トリヒドロキシトルエン、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸イソブチル、没食子酸ブチル、没食子酸n−オクチル、没食子酸ドデシル、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸ステアリル、5‐tert‐ブチルピロガロール、2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド、3,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド、ヘキサヒドロキシベンゼン等が挙げられる。これらの中でも透湿バリア性が特に優れることからピロガロール、2,3,4−トリヒドロキシジフェニルメタン、没食子酸イソブチル、5‐tert‐ブチルピロガロールが好ましく、さらに好ましくは、ピロガロールである。
(B)成分は(A)成分100質量部に対して好ましくは0.1〜20.0質量部、特に好ましくは0.3質量部から10.0質量部である。(A)成分100質量部に対して(B)成分の配合割合が0.1〜20質量部の範囲を外れると、光硬化型樹脂組成物の硬化物の透湿バリア性が低下してしまうおそれがある。
〈(C)成分〉
本発明に用いられる(C)成分である光カチオン重合開始剤は、紫外線を照射することにより発生するカチオン種が前記(A)成分のグリシジル基を反応させる働きを有するものである。例えば、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩を挙げることができる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。芳香族ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
芳香族スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド−ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−ter−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド−ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−ter−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。これらに限定されるものではない。これらの光カチオン重合開始剤は単独あるいは混合して使用してもよい。光カチオン重合開始剤を使用することで、紫外線照射により常温硬化が可能となることが出来る。
特に(C)成分の光カチオン重合開始剤の中でも芳香族スルホニウム塩は300nm以上の長波長域にも紫外線吸収特性を有し、紫外線による硬化性に優れ、透湿バリア性に優れる光硬化型樹脂組成物を与えることが出来ることから好ましく、さらに好ましくは、芳香族スルホニウム/アンチモン塩である。このような芳香族スルホニウム/アンチモン塩の市販品としてはSP−150、SP−170(旭電化社製)などが挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.5質量部〜10質量部がより好ましい。0.1質量部未満であると硬化が不十分となり、透湿バリア性やを有さない硬化物になってしまうおそれがある。また、20質量部以上であると硬化物中のイオン性物質が多くなり、光電変換素子や発光素子等の構成部材を腐食する可能性が高く、好ましくない。
〈(D)成分〉
(D)成分のシランカップリング剤は、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のグリシジル基含有シランカップリング剤、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、その他γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも色素増感太陽電池の封止において高温高湿環境化で高信頼性を保持できるという観点よりグリシジル基含有シランカップリング剤が好ましく用いられ、グリシジル基含有シランカップリング剤の中でも、高温高湿環境下での接着力に優れることから3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(D)成分の配合量は、本発明の(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。0.1質量部よりも少ないと高温高湿環境下における接着力が低下してしまうおそれがあり、20質量部を上回ると、硬化物の透湿バリア性が低下するとともに、光硬化型樹脂組成物の貯蔵安定性が低下してしまうおそれがある。
〈(E)成分〉
本発明に用いられる(E)成分の無機充填材の平均粒子径は50μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以下、特に好ましくは10μm以下である。無機充填材の平均粒子径が50μmよりも大きいと、透湿バリア性が低下してしまうので、シール剤としての特性を満たさない。尚発明において平均粒径とはD50の平均粒径を示す。
さらに本発明に用いる(E)無機充填材の配合量は、(A)成分100質量部に対して5〜100質量部であることが好ましく、更に好ましくは7〜80質量部、特に好ましくは10〜70質量部である。(A)成分100質量部に対して5質量部を下回る場合は透湿バリア性が低下してしまうので、シール剤としての特性を有さない。100質量部を上回る場合は、粘度が増大するために、本発明の組成物をシール剤として適用する場合に塗布作業性が著しく損なわれる傾向にある。
また、(E)成分の無機充填材の形状は、板状又は鱗片状、球状、不定形、針状、繊維等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。無機充填材の形状のうち透湿バリア性に優れることから板状又は鱗片状無機充填材が好ましく用いられる。板状又は鱗片状無機充填材としては、例えばモンモリロナイト、ヘクトライト、ノントロナイト、ソーコナイト、サポナイト、バイデライト、スチブンサイト等のスメクタイト、タルク、アルミナ、ベーマイト、炭酸カルシウム、シリカ、モンモリロナイト、マイカ及びバーミキュライトが好ましく、より好ましくはタルク、マイカが用いられる。その他板状、鱗片状粒子であれば使用可能である。
無定形や球状の無機充填剤としては、微粉末シリカ、シリカ、アルミナ、ベーマイト、炭酸カルシウム、ガラス、酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック等の無機充填材などが挙げられる。
その他の任意成分としては、エポキシ樹脂硬化剤、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ゴム状ポリマー微粒子、熱可塑性エラストマー、可塑剤、チオキサントン等の光増感剤、保存安定剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合物、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、レベリング剤、有機溶剤、乾燥剤、消泡剤、ギャップ材、顔料、染料などの着色剤が挙げられる。
エポキシ樹脂硬化剤は前記(A)成分のエポキシ基を反応させる硬化剤であり、具体例としてイミダゾール類、有機酸ヒドラジド類、酸無水物類、アミン類、ルイス酸類、ジシアンジアミドなどが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。イミダゾール類としては、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウム−トリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2−メチルイミダゾール−(1)〕−エチル−S−トリアジン等が挙げられる。有機酸ヒドラジド類としては、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、サリチル酸ジヒドラジド、オレイン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、(C)成分の光カチオン開始剤と併用することにより硬化性を向上させることができる。具体例としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド化合物等などが挙げられる。これらのうち、アセトフェノン類、アシルホスフィンオキサイド化合物が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ラジカル重合性化合物は本発明の組成物の硬化性や物性の調整という目的で任意に用いられる。ラジカル重合性化合物はとしてはアクリロイル基含有化合物が例示される。アクリロイル基含有化合物としては例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2,−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H,−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3―プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエンルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。これらのうち、(A)成分との相溶という観点よりプロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートエチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。配合量は、本発明の(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
熱可塑性エラストマーは、本発明のシール剤の内部応力緩和又は接着力向上させる目的で便宜用いられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリスチレンブロックとポリブタジエンブロックやポリイソプレンブロック、ポリイソブチレン等からなるブロック共重合体であるスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でもスチレン系熱可塑性エラストマー又はウレタン系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。これらは、単独で、又は二以上組み合わせて使用してもよい。配合量は、(A)成分100質量部に対して20質量部以下であることが望ましい。20質量部を上回ると硬化物の透湿バリア性が低下してしまうおそれがある。
ゴム状ポリマー微粒子はシール剤の内部応力緩和又は接着力向上を目的として便宜添加されてもよい。これらのゴム状ポリマー微粒子は、例えばアクリルゴム系のゴム状ポリマー、シリコンゴム系のゴム状ポリマー、オレフィンゴム系ゴム状ポリマー、ポリエステルゴム系ゴム状ポリマー、ウレタンゴム系ゴム状ポリマーが挙げられ、中でもシリコンゴム系のゴム状ポリマー、オレフィンゴム系ゴム状ポリマーであること好ましい。単独でも複数を併用してもよい。これらゴム状ポリマー微粒子の配合量は、本発明の(A)成分100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましい。
本発明の光硬化型樹脂組成物は更に、水酸基を有する脂肪族炭化水素またはポリエーテル化合物を添加しても良い。水酸基を有する脂肪族炭化水素やポリエーテル化合物は、光硬化型樹脂組成物の光カチオン重合反応を阻害することから、適当量を配合することで光照射後の硬化時間を制御する役割を果たすので、作業性を調整可能である。配合量は、(A)成分100質量部に対して20質量部以下であることが望ましい。20質量部を上回ると硬化物の透湿バリア性が低下してしまうおそれがある。
本発明の光硬化型樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、ミキサー、ロール、押出機等の各種混練機が用いられる。また必要に応じて配合される添加剤を、常温下又は加熱下で、常圧下、減圧下、加圧下又は不活性ガス気流下等の条件下で均一に混練する方法等が挙げられる。
本発明の光硬化型樹脂組成物の硬化方法は、加熱により硬化させる方法、光照射により硬化させる方法、光照射後に更に加熱し硬化させる方法、光照射後と同時に加熱し硬化させる方法が挙げられる。上記加熱硬化をする場合の加熱温度としては特に限定されないが、40〜100℃程度であることが好ましい。
光照射することにより硬化させるに際しての光源は特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。
本発明の光硬化型樹脂組成物の用途としては特に限定されず、例えば、接着剤、シール剤、封止フィルム、コーティング剤、ライニング剤、ポッティング剤等の種々の用途に好適に用いることができる。なかでも、シール剤として用いることが好ましい。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、シリコン系太陽電池、化合物系太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜系太陽電池などの光電変換素子や有機EL、発光ダイオード(LED)などの発光素子、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等の表示素子等のシール等に好適に用いることができる。これらのうち、光電変換素子用途、発光素子用途に好ましく用いられ、特に好ましくは、光電変換素子用途に用いられる。尚本発明のシール剤を用いてなる電子部品もまた、本発明の1つである。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
〈実施例1〜8及び比較例1〜10〉
組成物を調製するために下記成分を準備した。
〈A成分〉
(a−1)芳香族ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量160〜170、外観は25℃で液状、三菱化学社製エピコート807)
(a−2)芳香族フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量178、外観は25℃で固体、三菱化学社製jER154)
(aー3)水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量205、外観は25℃で液状、粘度1,900mPa・s、三菱化学社製YX−8000)
(a−4)芳香族ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び芳香族ビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合物(エポキシ当量160〜170、外観は25℃で液状、DIC社製EXA−835LV)
〈B成分〉
(b−1)ピロガロール
(b−2)2,3,4−トリヒドロキシジフェニルメタン
(b−3)没食子酸イソブチル
(b−4)5‐tert‐ブチルピロガロール
〈B成分の比較成分〉
(b’−1)1,2,4−トリヒドロキシベンゼン
(b’−2)カテコール
(b’−3)1,3,5−トリヒドロキシベンゼン
〈C成分〉
(c−1)芳香族スルホニウム/アンチモン塩・カチオン開始剤(旭電化社製SP−170)
〈D成分〉
(d−1)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−403)
〈E成分〉
(e−1)平均粒子径2μm 鱗片状タルク
(A)〜(D)成分を撹拌機にて30分間撹拌した。その後、(E)成分を添加してさらに30分間撹拌した後、配合物を3本ロール機に通して、(E)成分を均一に分散させた。その後さらにプラネタリーミキサーで減圧下30分撹拌した。詳細な調製量は表1、表2に従い、数値は全て質量部で表記する。
実施例1〜8および比較例1〜10の組成物について透湿度試験(カップ法)と耐湿接着試験を実施した。その結果を表1,2に示す。
[透湿バリア性試験(カップ法)]
200mm×200mm×0.2mmの枠にシール剤組成物を泡が混入しないように流し込んだ。その後、紫外線照射機により積算光量60kJ/cmを照射後、80℃雰囲気下で60分加熱し、厚さ0.2mmのシート状の硬化物を作成した。塩化カルシウム(無水)5〜6gを直径30mmの開口部を有するアルミニウム製カップに入れて、前記硬化物をカップにセットした。「初期の全重量」(g)を測定した後、雰囲気温度85℃で相対湿度85%に保たれた恒温恒湿槽に放置し、24時間毎に「放置後の全重量」(g)を測定して、「透湿度」(g/m2・24h)を計算した。詳細な試験方法はJIS Z 0208に準拠する。
[耐湿接着試験]
実施例および比較例で得られたシール剤に、30μmのシリカスペーサーを1重量%配合し、2枚のFTO付きガラス試験片(50×25mm)の一方に微少滴下し、これにもう一方のガラス試験片を十字状に貼り合わせた。高圧水銀灯UV照射器で3000mJ/cmの紫外線を照射後、80℃で30分加熱することによって接着試験片を得た。これを上下に配したチャックにて引張り試験(50mm/min)を行った。初期の接着強度を「耐久試験前の接着強度」とした。一方で、同様の試験片を雰囲気温度85℃で相対湿度85%に保たれた恒温恒湿槽に放置し、168時間経過後取り出し、前記と同様にして求めた接着強さを「耐久試験前の接着強度」とした。下記式に基づき「耐久試験前の接着強度」と「耐久試験前の接着強度」より評価した。
・高温高湿耐久試験 変化率=耐久試験後の接着強度[MPa]/耐久試験前の接着強度[MPa]
〈評価基準〉
○:0.7以上、×:0.7未満
〈実施例9、10及び比較例11〜12〉
〈色素増感太陽電池の作製〉
〈実施例9〉
色素増感太陽電池は以下のように作製した。フッ素がドープされた酸化スズ膜の付いた、表面抵抗率が10Ω/□の透明導電ガラス(15mm×25mm×1.1mm)を用い、導電面に酸化チタンペーストをスクリーン印刷し、450℃で焼成することにより4mm×4mmの酸化チタン層を積層した。この基板をルテニウム錯体であるN719色素のアセトニトリル溶液に24時間浸漬することにより、N719色素が吸着された酸化チタン層が積層された作用極を作製した。次に作用極に用いたのと同じ透明導電ガラスの導電面に厚さ100nmで白金を蒸着し、対極を作製した。対極には電解液を注入するため、ドリル加工により直径約0.8mmの注入孔を作製した。対極の15mm×15mmの範囲にディスペンサーで実施例1で作製した光硬化型組成物をシール剤として用いて□形に塗布し、作用極を貼り合わせた。シール剤には30μmのスペーサーが添加されており、作用極貼り合わせ後のシール幅が2mmになるように調整した。その後、紫外線照射機により積算光量30kJ/mを照射後、80℃雰囲気下で30分加熱しシール剤を硬化させた。次に対極に形成した注入孔に電解液を滴下し、電解液が沸騰しない程度に真空引きを行うことで、作用極と対極の間の空隙内部の脱気を行い、その後大気圧に戻すことにより、電解液を作用極と対極の間の空隙に注入した。使用した電解液は、3−メトキシプロピオニトリルにMPII(1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド)0.6mol/l、ヨウ素0.1mol/l、NMBI(N−メチルベンゾイミダゾール)0.5mol/lを溶解したものを用いた。上述のように電解液を注入した後、余分な電解液を拭き取り、光硬化型色素増感太陽電池用シール剤のアクリル系樹脂30Y−727(スリーボンド社製)を注入孔に塗布し、カバーガラスを貼り合わせた。これに紫外線照射機により積算光量30kJ/mを照射して光硬化型シール剤を硬化させ、電解液を封止し、本発明の色素増感太陽電池(セルA)を得た。
〈実施例10〉
実施例9において、シール剤を実施例2を用いた以外は、実施例9と同様にして色素増感太陽電池(セルB)を得た。
〈比較例11〉
実施例9において、シール剤を比較例1を用いた以外は、実施例9と同様にして色素増感太陽電池(セルC)を得た。
〈比較例12〉
実施例9において、シール剤を比較例5を用いた以外は、実施例9と同様にして色素増感太陽電池(セルD)を得た。
[耐久性試験]
各セルA〜Dについて高温高湿試験(85℃,85%RH×100h)を実施し、耐久試験後の各セルA〜Dについて変換効率について評価し、その結果を表3に示す。
[光電変換効率測定]
各セルA〜DをI−Vテスターに接続し、ソーラーシミュレータ(山下電装社製)を用い、AMフィルター(AM−1.5)を通したキセノンランプから100mW/cmの疑似太陽光を照射して、電流−電圧特性から短絡電流密度、解放電圧および形状因子を求め、これから光電変換効率を算出し、初期と耐久性試験後の光電変換効率から変換効率保持率(%)を求めた。
・変換効率保持率(%)=耐久試験後の変換効率/耐久試験前の変換効率×100
本発明の光硬化型樹脂組成物は、高いレベルでの透湿バリア性と高温高湿環境下における接着力を両立したシール剤が得られるため、電子材料分野をはじめとする各種用途に利用が可能である。

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(D)成分を含有し、(B)成分は(A)成分100質量部に対して、0.1〜20.0質量部であり、(D)成分は(A)成分100質量部に対して0.5〜20.0質量部であるすることを特徴とする光硬化型樹脂組成物。
    (A)グリシジル基を2以上有するエポキシ樹脂
    (B)下記一般式(1)で表される化合物
    (上記一般式(1)において、R1、R2、R3は水素、水酸基又は水酸基以外の置換基を示す。)
    (C)光カチオン重合開始剤
    (D)シランカップリング剤
  2. 前記(D)成分がグリシジル基含有シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化型樹脂組成物。
  3. 更に(E)成分として平均粒子径50μm以下の充填材を(A)成分100質量部に対して5〜200質量部含有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分が芳香族スルホニウム塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4に記載のいずれか1項に記載の組成物からなることを特徴とする光電変換素子用シール剤。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物でシールされた光電変換素子。
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