JP6276612B2 - 電気化学セル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学セル及びその製造方法に関する。
色素増感太陽電池の様な電解液が封止された電気化学セルにおいて、電解液を封止する封止材料としてホットメルトタイプのヒートシール材が、従来から使用されている。ホットメルトタイプのヒートシール材は、固形材料のため基板表面の微細な段差が埋められない場合があること、また耐熱性や耐湿性が必ずしも充分ではなく、電解液の漏洩等のため長期間にわたって十分な電解液封止性能を発揮することができない場合があった。更に、電解液注入口が必要なため、電解液注入口の封止も必要となる。
一方、電気化学セルの電解液の封止に液状封止剤を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、減圧下貼り合せ方法により、電解液注入口を設けることなく電気化学セルを製造する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−180258号公報 特開2007−220608号公報
従来の液状封止剤を用いて、減圧下貼り合せ方法により電気化学セルを製造する場合、未硬化状態の液状封止剤と電解液が接触することにより、封止部に不具合が発生する場合があった。また、封止部の基材に対する接着性が充分に得られない場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電解液が封止されてなる電気化学セルであって、電解液封止性能に優れる電気化学セル及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 電解液注入口を有さない2枚の基材と、2枚の基材の間に配置される電解液層と、2枚の基材の間に配置され、電解液層を包囲して封止する第一の封止部と、を有し、第一の封止部が、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物の硬化物である電気化学セルである。
<2> 第一の封止部を包囲して配置され、第二の硬化性樹脂組成物の硬化物である第二の封止部を更に有する<1>に記載の電気化学セルである。
<3> 第二の硬化性樹脂組成物が、芳香環基を有するエポキシ化合物を含むカチオン硬化性エポキシ樹脂組成物である<1>又は<2>に記載の電気化学セルである。
<4> 第一の硬化性樹脂組成物が、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の電気化学セルである。
<5> 色素増感太陽電池、防眩ミラー又は表示体である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の電気化学セルである。
<6> 第一の基材と第二の基材の間に封止された電解液層を有する電気化学セルの製造方法であり、第一の基材上に、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物を、枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、第一の基材上に形成された枠内に電解液を付与して電解液層を形成し、電解液層、第一の硬化性樹脂組成物層上に第二の基材を積層して積層体を得る工程と、第一の硬化性樹脂組成物層を光硬化して第一の封止部を形成する工程と、第二の硬化性樹脂組成物を、第一の封止部を包囲するように付与して第二の硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、第二の硬化性樹脂組成物層を硬化して第二の封止部を形成する工程と、を含む電気化学セルの製造方法である。
<7> 第一の基材と第二の基材の間に封止された電解液層を有する電気化学セルの製造方法であり、第一の基材上に、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物を、枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、第一の硬化性樹脂組成物と溶解度パラメータが2以上異なる第二の硬化性樹脂組成物を、枠状の第一の硬化性樹脂組成物層に接して包囲するように第一の基材上に付与して第二の硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、第一の基材上に形成された枠内に電解液を付与して電解液層を形成し、電解液層並びに第一及び第二の硬化性樹脂組成物層上に第二の基材を積層して積層体を得る工程と、第一の硬化性樹脂組成物層及び第二の硬化性樹脂組成物層を硬化して第一の封止部及び第二の封止部を形成する工程と、を含む電気化学セルの製造方法である。
<8> ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む第一の硬化性樹脂組成物と、芳香環基を有するエポキシ化合物を含むカチオン硬化性エポキシ樹脂組成物である第二の硬化性樹脂組成物と、を含む電気化学セル用の電解液封止剤セットである。
本発明によれば、電解液が封止されてなる電気化学セルであって、電解液封止性能に優れる電気化学セル及びその製造方法を提供することができる。
(A)〜(C)は電気化学セルの製造方法の一実施形態を示す概略工程図であり、(D)は電気化学セルの概略断面図である。 (A)及び(B)は電気化学セルの製造方法の他の実施形態を示す概略工程図であり、(C)は電気化学セルの概略断面図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
また、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレート化合物とはアクリレート化合物及びメタクリレート化合物の少なくとも一方を意味する。
<電気化学セル>
本発明の電気化学セルは、電解液注入口を有さない2枚の基材と、2枚の基材の間に配置される電解液層と、2枚の基材の間に配置され、電解液層を包囲して封止する第一の封止部と、を有し、第一の封止部が、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物の硬化物である。
第一の封止部を形成する第一の硬化性樹脂組成物の溶解度パラメータが、電気化学セルに封止される電解液の溶解度パラメータと比べて4以上異なることで、電解液封止性能に優れ、例えば、長期に渡って電解液を充分に封止することができ、電解液の漏洩等が抑制される。第一の硬化性樹脂組成物と電解液の溶解度パラメータの差が4未満であると、第一の硬化性樹脂組成物と電解液とが相溶してしまい、充分な電解液封止性能を達成することが困難になる。
第一の硬化性樹脂組成物と電解液の溶解度パラメータの差は4以上であるが、4〜7であることが好ましく、4〜5であることが好ましい。また第一の硬化性樹脂組成物の溶解度パラメータが電解液の溶解度パラメータよりも小さいこともまた好ましい。
ここで溶解度パラメータ(以下、「SP値」ともいう)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値であって、化合物の極性を表す尺度として一般に用いられているものである。本発明における第一の硬化性樹脂組成物及び電解液等の溶解度パラメータはそれぞれ、Polym.Eng.Sci.,14[2],147−154(1974)に記載されたFedors法に基づいて算出される。
また電気化学セルは、第一の硬化性樹脂組成物とは異なる構成(好ましくは、SP値が異なる構成)を有する第二の硬化性樹脂組成物の硬化物である第二の封止部が、第一の封止部を包囲して封止していることが好ましい。すなわち、電気化学セルは、2枚の基材の間に配置される電解液層が、第一の硬化性樹脂組成物の硬化物である第一の封止部と、第一の封止部を包囲して封止する第二の硬化性樹脂組成物の硬化物である第二の封止部とで2重に封止されていることが好ましい。電気化学セルが電解液を2重に封止して構成されていることにより、電解液封止性能が更に向上する。
[第一の硬化性樹脂組成物]
電気化学セルの電解液層は、2枚の基材と、第一の硬化性樹脂組成物の硬化物である第一の封止部とによって封止されている。
第一の硬化性樹脂組成物は、光硬化性を有し、電解液とのSP値の差が4以上であれば、その構成は特に制限されない。第一の硬化性樹脂組成物は例えば、(メタ)アクリレート化合物と、光開始剤とを含み、必要に応じてその他の添加剤を含むことができる。
第一の硬化性樹脂組成物のSP値は、6〜9であることが好ましく、8〜9であることがより好ましい。第一の硬化性樹脂組成物が(メタ)アクリレート化合物を含む場合、第一の硬化性樹脂組成物のSP値は、(メタ)アクリレート化合物のSP値として算出することができる。
(メタ)アクリレート化合物
(メタ)アクリレート化合物は、少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有し、第一の硬化性樹脂組成物のSP値を所望の値とすることができる重合性化合物であれば特に制限されない。中でも(メタ)アクリレート化合物は、Fedors法で算出されるSP値の観点から、凝集エネルギー密度とモル分子容とがそれぞれ小さい、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有することが好ましく、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有することがより好ましい。
(メタ)アクリレート化合物が、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する場合、ポリブタジエンとしては、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンと1,2−ポリブタジエンとの共重合体等が挙げられる。ポリイソプレンとしては、1,4−ポリイソプレン、1,2−ポリイソプレン、1,4−ポリイソプレンと1,2−ポリイソプレンとの共重合体等が挙げられる。また、これらの水添体である水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンとは、重合体に含まれる不飽和結合の少なくとも一部に水素を付加して飽和結合に還元した重合体をそれぞれ意味する。
ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンの数平均分子量はそれぞれ、1000〜10000の範囲内であることが好ましく、2000〜4000の範囲内であることがより好ましい。
(メタ)アクリレート化合物は、Fedors法で算出されるSP値の観点から、凝集エネルギー密度とモル分子容とがそれぞれ小さい、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有するウレタン変性(メタ)アクリレート化合物であることもまた好ましく、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有し、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン変性(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましく、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有し、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン変性(メタ)アクリレート化合物であることが更に好ましい。
ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(以下、「特定樹脂」ともいう)に由来する骨格を有するウレタン変性(メタ)アクリレート化合物は、例えば、分子内に少なくとも1つ(好ましくは2以上)のヒドロキシ基を有する特定樹脂と、分子内に2以上のイソシアナト基を有するポリイソシアネート化合物と、分子内にイソシアナト基と反応し得る官能基及び(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル化合物とから製造することができる。具体的には、ヒドロキシ基を有する特定樹脂とポリイソシネート化合物とを反応させた後、残留するイソシアナト基と(メタ)アクリル化合物とを反応させることで製造することができる。
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物、1−メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート化合物などが例示されるが、これらに限定されるものではない。また、これらは1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ウレタン変性(メタ)アクリレート化合物以外の(メタ)アクリレート化合物を含んでいてもよい。具体例としては、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレンアクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
ウレタン変性(メタ)アクリレート化合物は、市販品を用いてもよい。市販品としてはUA−1(水添ポリイソプレンウレタンアクリレート、ライトケミカル社製)、TE−2000(ポリブタジエンウレタンメタアクリレート、日本曹達社製)等を挙げることができる。
第一の硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリレート化合物を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組合せて含んでいてもよい。組合せて含む場合、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(好ましくは、ウレタン変性(メタ)アクリレート化合物)の比率は全体の(メタ)アクリレート化合物の比率の50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。
光開始剤
第一の硬化性樹脂組成物は、光開始剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。光開始剤としては、可視光線、紫外線、X線、電子線等のエネルギー線によりラジカル種を発生するラジカル系光開始剤、ブレンステッド酸やルイス酸などのカチオン種を発生するカチオン系光開始剤等が知られている。発生したラジカル種により(メタ)アクリレート化合物が重合して硬化性樹脂組成物が硬化する。また発生したカチオン種によりエポキシ化合物を含むカチオン硬化性エポキシ樹脂組成物が硬化する。
ラジカル系光開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系光開始剤;2,2−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン系光開始剤;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン系光開始剤;ベンジルジメチルケタールなどのアルキルフェノン系光開始剤;チオキサントンなどのチオキサントン系光開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1―プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{−4(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]などのヒドロキシアルキルフェノン系光開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド系光開始剤;カンファーキノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン−1等のケトン系光開始剤等が挙げられ、これらの中でもオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]が好ましいが、これに限定されるものではない。
カチオン系光開始剤の具体例としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。ジアゾニウム塩としては、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボーレート等が挙げられる。スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。ヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。ただし、カチオン系光開始剤はこれらに限定されるものではない。
第一の硬化性樹脂組成物における光開始剤の含有量は特に制限されず、光開始剤の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば光開始剤の含有量は、(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることができ、0.5〜6質量部であることが好ましい。
第一の硬化性樹脂組成物は、光開始剤を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
その他の添加剤
第一の硬化性樹脂組成物は、本発明の特性を損なわない範囲において、カップリング剤;重合禁止剤;顔料、染料などの着色剤;金属粉、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アモルファスシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機充填剤;難燃剤;有機充填剤;可塑剤;酸化防止剤;消泡剤;レベリング剤;レオロジーコントロール剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤により硬化樹脂強度・接着強さ・作業性・保存性等に優れた硬化性樹脂組成物及びその硬化物が得られる。
カップリング剤
カップリング剤としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のエチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノ基を有するシランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらの中でも、接着性の観点から、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等のエチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤が好ましい。
第一の硬化性樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、その含有量は(メタ)アクリレート化合物の100質量部に対して0.1〜10質量部とすることができ、0.5〜5質量部であることが好ましい。
カップリング剤は1種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。第一の硬化性樹脂組成物がカップリング剤を2種以上含む場合、それらの含有比率は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択される。第一の硬化性樹脂組成物がカップリング剤を2種含む場合、その含有比は4:1〜1:4とすることができ、2:1〜1:2であることが好ましい。
[第二の硬化性樹脂組成物]
電気化学セルにおいては、電解液層に接してこれを封止する第一の封止部が第二の硬化性樹脂組成物の硬化物である第二の封止部によって更に封止されていることが好ましい。第二の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を少なくとも含み、第一の硬化性樹脂組成物と異なる構成を有するものであれば特に制限されず、目的等に応じてその構成を適宜選択することができる。
第二の硬化性樹脂組成物は、例えば、第一の硬化性樹脂組成物とSP値が異なる構成とすることができ、SP値が1以上異なる構成であることがより好ましく、2以上異なる構成であることが更に好ましい。また第二の硬化性樹脂組成物のSP値は第一の硬化性樹脂組成物のSP値よりも大きいことが好ましい。第二の硬化性樹脂組成物のSP値が第一の硬化性樹脂組成物のSP値よりも大きいことで基材への接着性がより向上し、電解液封止性能がより向上する傾向がある。
第二の硬化性樹脂組成物のSP値は、例えば10以上とすることができ、11以上であることが好ましい。上限値は特に制限されないが、例えば15である。
なお、第二の硬化性樹脂組成物のSP値は、主成分である硬化性樹脂(好ましくはエポキシ化合物)のSP値として算出することができる。
第二の硬化性樹脂組成物は、熱硬化性であっても、光硬化性であってもよい。
また第二の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂としてエポキシ化合物又はオキセタン化合物の少なくとも1種を含むことが好ましく、エポキシ化合物を含むことがより好ましく、芳香環を有するエポキシ化合物を含むことが更に好ましく、芳香環を有するエポキシ化合物を含むカチオン硬化性エポキシ樹脂組成物であることが特に好ましい。
芳香環を有するエポキシ化合物を含むカチオン硬化性エポキシ樹脂組成物は、例えば、芳香環を有するエポキシ化合物と、酸発生剤とを含み、必要に応じて、無機充填剤、カップリング剤等のその他の添加剤とを含んで構成される。
硬化性樹脂
第二の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂としてエポキシ化合物又はオキセタン化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。エポキシ化合物としては、例えば重量平均分子量400万以下のビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、多環芳香族エポキシ化合物、それらの変性エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物等の1種で液状の化合物を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらのエポキシ化合物に常温で固体又は高粘性のエポキシ化合物を溶解させて使用してもよい。固体のエポキシ化合物としては、例えば、N655、HP−4700、EXA−4710、HP−4770、HP−7200〔DIC社製〕、EHPE3150[ダイセル社製]等が挙げられる。高粘性のエポキシ化合物としては、例えば、粘度が10,000mPa・s以上のエポキシ化合物が挙げられる。高粘性のエポキシ化合物としては、例えばHP−4032D、N740〔DIC社製〕、jER152[三菱化学社製]等が挙げられる。
オキセタン化合物としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXA)、1,4−ビス〔{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル〕ベンゼン(XDO)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(OXT−211(POX))、2−エチルヘキシルオキセタン(OXT−212(EHOX))、キシリレンビスオキセタン(OXT−121(XDO))、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(OXT−221(DOX))、3−エチル−〔(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル〕オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタンなどが挙げられる。なお、カッコ内は東亞合成社の品番を示す。
エポキシ化合物及びオキセタン化合物は、1種を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
第二の硬化性樹脂組成物における硬化性樹脂の含有量は、目的等に応じて適宜選択することができる。例えば硬化性樹脂の含有量は、第二の硬化性樹脂組成物の総質量中に、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
酸発生剤
酸発生剤としては、光酸発生剤であっても、熱酸発生剤であってもよい。光酸発生剤としては、既述の光開始剤におけるカチオン系光開始剤を挙げることができる。また熱酸発生剤としては、スルホニウム塩若しくはヨードニウム塩、4級アンモニウム塩等のオニウム塩系の熱酸発生剤が挙げられる。
第二の硬化性樹脂組成物における酸発生剤の含有量は特に制限されず、酸発生剤の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば酸発生剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることができ、1〜5質量部であることが好ましい。
第二の硬化性樹脂組成物は、酸発生剤を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
その他の添加剤
第二の硬化性樹脂組成物は、本発明の特性を損なわない範囲において、カップリング剤;顔料、染料などの着色剤;無機充填剤;難燃剤;有機充填剤;重合禁止剤;可塑剤;酸化防止剤;消泡剤;レベリング剤;レオロジーコントロール剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤により樹脂強度・接着強さ・作業性・保存性等に優れた第二の硬化性樹脂組成物及びその硬化物が得られる。
充填剤
第二の硬化性樹脂組成物は、電解液封止性能の観点から、無機充填剤又は有機充填剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
無機充填剤としては、金属粉、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アモルファスシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、コージェライト、メタケイ酸マグネシウム、オルトケイ酸マグネシウム等を挙げることができる。これらの中でも、タルク、シリカ等を好ましく用いることができる。有機充填剤としては、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン類、脂環族飽和炭化水素樹脂、ポリスチレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレートポリマー、塩化ポリビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル、ポリエポキシド、ポリアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)若しくはそれらのコポリマー、ポリフェニレンオキサイド、ポリ塩化ビニリデン又はこれらのポリマーの混合物等を挙げることができる。無機充填剤又は有機充填剤は1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
第二の硬化性樹脂組成物が無機充填剤又は有機充填剤を含む場合、その含有量は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。例えば無機充填剤又は有機充填剤の含有量は、エポキシ化合物100質量部に対して、1〜100質量部とすることができ、30〜50質量部であることが好ましい。
カップリング剤
第二の硬化性樹脂組成物は、カップリング剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。第二の硬化性樹脂組成物におけるカップリング剤としては、既述のカップリング剤と同様のものを挙げることができ、中でも、エポキシ基を有するカップリング剤であることが好ましい。
第二の硬化性樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、その含有量は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。例えばカップリング剤の含有量は、エポキシ化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることができ、0.5〜5質量部であることが好ましい。
[電解液]
電気化学セルにおける電解液層は電解液を含み、第一の封止部によって封止されている。電解液の構成は特に制限されず、電気化学セルの目的等に応じてその構成を適宜選択することができる。例えば、電気化学セルが色素増感太陽電池、防眩ミラー、表示体である場合、電解液は例えば、有機溶剤と、酸化還元剤と、必要に応じて含まれる添加剤とを含んで構成される。
電解液のSP値は、第一の封止部を形成する第一の硬化性樹脂組成物のSP値と4以上異なるが、4〜7異なっていることが好ましい。また電解液のSP値は第一の硬化性樹脂組成物のSP値よりも大きいことが好ましい。電解液のSP値は、例えば、12以上とすることが好ましく、12〜15であることがより好ましい。
なお、電解液のSP値は、主成分である有機溶剤のSP値として算出することができる。
有機溶剤
電解液に含まれる有機溶剤は、高極性有機溶剤であることが好ましく、電気化学反応における反応媒体として公知の高極性有機溶剤から適宜選択して用いることができる。有機溶剤として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の非環状カーボネート類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル類;アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類;メタノール、エタノール等のアルコール類;アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;3−メチル−2−オキサゾリノン等の複素環類等を挙げることができる。
有機溶剤は、1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
酸化還元剤
電気化学セルに用いる酸化還元剤としては、ヨウ素と金属ヨウ素化合物が好ましい。金属ヨウ素化合物の例としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム等が挙げられる。またヨウ素と組み合わせる酸化還元剤は金属ヨウ素化合物だけでなく、四級ピリジニウム塩や四級イミダゾリウム塩のヨウ化物塩も挙げられる。さらにアミン類やチオール類などのヘテロ化合物も酸化還元助剤として使用することができ、フェロシアン酸塩、フェリシアン酸塩、フェロセン、フェロシアニウムイオン塩等のレドックス系触媒の添加も可能である。
これらの酸化還元剤及び酸化還元助剤の組合せとして、特に好ましくはヨウ素とヨウ化物塩系である。
酸化還元剤の電解液における濃度は例えば、0.01〜2mol/Lであり、0.01〜0.05mol/Lの範囲が好ましい。
添加剤
添加剤の種類及び含有量は電気化学セルの目的等に応じて、公知の添加剤から適宜選択される。添加剤として具体的には、逆電流を防ぎ、開放起電圧を高める4−tert−ブチルピリジン等を挙げることができる。
[基材]
電気化学セルは、電解液注入口を有さない2枚の基材を有する。ここで「電解液注入口を有さない」とは、基材に開口している電解液注入口である貫通孔が形成されていないことのみを意味するのではなく、一旦形成された貫通孔が閉塞され、閉口している貫通孔が形成されていないことも意味する。
基材の材質及び大きさ等は、電気化学セルの目的等に応じて適宜選択される。
基材の材質として具体的には、ガラス等の無機材質の基材や、ポリカーボネート(PC)樹脂やポリエチレンナフタレン(PEN)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PET)樹脂等の有機材質の基材を挙げることができる。基材の電解液層と接する面(以下、「基材面」ともいう)は、必要に応じて、光透過性の導電層等が設けられていてもよい。導電層としては、酸化インジウムと酸化錫からなる化合物(ITO)、更に酸化錫にフッ素をドープした(FTO)等が挙げられる。基材の電解液層と接する面と反対側の面には、例えば電気化学セルが色素増感太陽電池であれば、必要に応じて色素を吸着させたチタニア層等の半導体層等が設けられていてもよい。
基材の厚みは特に制限されず目的等に応じて適宜選択することができる。基材の厚みは例えば、0.5〜2.0mmとすることができる。
本発明の電気化学セルにおいては、2枚の基材の間に電解液層が配置される。電解液層の厚みは特に制限されず、電気化学セルの目的等に応じて適宜選択することができる。電解液層の厚みは例えば30〜100μmとすることができる。
電解液層は、2枚の基材の間に配置され、電解液層を包囲する第一の封止部によって封止されている。すなわち、電解液層は枠状に形成された第一の封止部の枠内に封止されている。枠状に形成された第一の封止部の枠の幅の大きさは特に制限されない。第一の封止部の幅は例えば、0.3〜2.0mmとすることができ、0.5〜1.0mmであることが好ましい。
第一の封止部は、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物の硬化物である。第一の硬化性樹脂組成物の硬化条件は硬化物が得られる限り特に制限されない。第一の硬化性樹脂組成物の硬化は例えば、2000〜12000mJ/cmの光エネルギーを付与する硬化条件で行うことができ、3000〜6000mJ/cmの光エネルギーを付与する硬化条件であることが好ましい。
電気化学セルの好ましい態様においては、第一の封止部は、第二の硬化性樹脂組成物の硬化物である第二の封止部で包囲されて封止されている。すなわち、2枚の基材の間に配置された電解液層が、第一の封止部及び第二の封止部で2重に封止されている。これにより、より優れた電解液封止性能を達成することが可能となる。
第二の封止部は第一の封止部を包囲して配置されていればよく、第一の封止部の外周と接して2枚の基材の間に配置されていてもよく、第一の封止部及び基材の基材面と直行する面(以下、「基材端部面」ともいう)と接して配置されていてもよく、第一の封止部の外周と接して2枚の基材の間と基材端部面の両方に配置されていてもよい。
第二の封止部が2枚の基材の間に配置される場合、第一の封止部を包囲する第二の封止部の基材面に平行な方向の厚み、すなわち、第二の封止部の幅は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。第二の封止部の幅は例えば、0.3〜2.0mmとすることができ、0.5〜1.0mmであることが好ましい。
また、第二の封止部が基材端部面に接して配置される場合、第二の封止部の基材面方向の厚みは特に制限されず、目的及び基材厚み等に応じて適宜選択することができる。第二の封止部の厚みは例えば、基材厚みが1.0mmの場合、0.5〜2.0mmとすることができ、1.0〜2.0mmであることが好ましい。
本発明の電気化学セルの用途は特に限定されるものではなく、例えば、色素増感太陽電池、防眩ミラー、表示体、キャパシタ、バッテリ等を挙げることができる。中でも色素増感太陽電池、防眩ミラー又は表示体であることが好ましい。
<電気化学セルの製造方法>
本発明の電気化学セルの製造方法の第一の態様は、第一の基材と第二の基材の間に封止された電解液層を有する電気化学セルの製造方法であり、第一の基材上に、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物を、枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層を形成する工程(以下、「工程A」ともいう)と、第一の基材上に形成された枠内に電解液を付与して電解液層を形成し、電解液層及び第一の硬化性樹脂組成物層上に第二の基材を積層して積層体を得る工程(以下、「工程B」ともいう)と、第一の硬化性樹脂組成物層を光硬化して第一の封止部を形成する工程(以下、「工程C」ともいう)と、第二の硬化性樹脂組成物を、第一の封止部を包囲するように付与して第二の硬化性樹脂組成物層を形成する工程(以下、「工程D」ともいう)と、第二の硬化性樹脂組成物層を硬化して第二の封止部を形成する工程(以下、「工程E」ともいう)と、を含む。電気化学セルの製造方法は必要に応じてその他の工程を含んでいてもよい。
[工程A]
工程Aでは、第一の基材上に、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物を、枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層を形成する。第一の基材及び第一の硬化性樹脂組成物の詳細は既述の通りである。
第一の硬化性樹脂組成物を枠状に付与する方法は特に制限されず、通常用いられる方法から適宜選択することができる。付与方法としては例えば、ディスペンス法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
第一の硬化性樹脂組成物層の付与量は特に制限されず目的等に応じて適宜選択することができる。第一の硬化性樹脂組成物層の基板面に垂直な方向の厚みは例えば、30〜100μmとすることができ、40〜60μmであることが好ましい。また第一の硬化性樹脂組成物層の基板面に平行な方向の厚みは例えば、0.3〜2.0mmとすることができ、0.5〜1.0mmであることが好ましい。
[工程B]
工程Bでは、第一の基材上に形成された枠内に電解液を付与して電解液層を形成し、電解液層及び第一の硬化性樹脂組成物層上に第二の基材を積層して積層体を得る。電解液の付与方法としては、ディスペンス法等を挙げることができる。また、電解液の付与量は特に制限されず第一の硬化性樹脂組成物層によって形成された枠の大きさに応じて適宜選択することができる。なお、工程Bに用いられる電解液の詳細は既述の通りである。
電解液層及び第一の硬化性樹脂組成物層上に第二の基材を積層する方法は特に制限されない。常圧下で積層する方法であっても、減圧下で積層する方法であってもよい。積層する方法は、減圧下で積層する方法であることが好ましい。減圧下で積層する場合、その圧力は例えば200hPa以下とすることができ、150hPa以下であることが好ましく、80〜120hPaであることがより好ましい。
[工程C]
工程Cでは、第一の硬化性樹脂組成物層を光硬化して第一の封止部を形成する。第一の硬化性樹脂組成物層の光硬化は、工程Bで得られた積層体に光照射することで行うことができる。光照射のエネルギー量は特に制限されず、第一の硬化性樹脂組成物層に応じて適宜選択すればよい。光照射のエネルギー量は例えば、2000〜12000mJ/cmとすることができ、3000〜6000mJ/cmであることが好ましい。
[工程D]
工程Dでは、第二の硬化性樹脂組成物を、第一の封止部を包囲するように付与して第二の硬化性樹脂組成物層を形成する。工程Dに用いられる第二の硬化性樹脂組成物の詳細は既述の通りである。
第二の硬化性樹脂組成物を第一の封止部を包囲するように付与する方法は特に制限されず、通常用いられる方法から適宜選択することができる。付与方法としては例えば、ディスペンス法等を挙げることができる。第二の硬化性樹脂組成物は第一の封止部と接して包囲するように付与されることが好ましい。
第二の硬化性樹脂組成物は、第一の封止部を包囲して付与されればよく、第一の封止部と接するように2枚の基材の間に付与されてもよく、第一の封止部及び基材端部面と接するように付与されてもよく、第一の封止部と接するように2枚の基材の間と基材端部面の両方に付与されてもよい。
第二の硬化性樹脂組成物層の付与量は特に制限されず目的等に応じて適宜選択することができる。第二の硬化性樹脂組成物が2枚の基材の間に付与される場合、第一の封止部を包囲する第二の硬化性樹脂組成物層の基材面に平行な方向の厚み、すなわち、第二の硬化性樹脂組成物層の幅は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。第二の硬化性樹脂組成物層の幅は例えば、0.3〜2.0mmとすることができ、0.5〜1.0mmであることが好ましい。
また、第二の硬化性樹脂組成物が基材端部面に接するように付与される場合、第二の硬化性樹脂組成物層の基材面方向の厚みは特に制限されず、目的及び基材厚み等に応じて適宜選択することができる。第二の硬化性樹脂組成物層の厚みは例えば、基材厚みが1.0mmの場合、0.5〜2.0mmとすることができ、1.0〜2.0mmであることが好ましい。
[工程E]
工程Eでは、第二の硬化性樹脂組成物層を硬化して第二の封止部を形成する。第二の硬化性樹脂組成物層を硬化する方法は、第二の硬化性樹脂組成物の構成に応じて適宜選択される。第二の硬化性樹脂組成物が光硬化性の場合、第二の硬化性樹脂組成物層に光照射することで第二の封止部を形成することができる。光照射のエネルギー量は特に制限されず、第二の硬化性樹脂組成物層に応じて適宜選択すればよい。光照射のエネルギー量は例えば、4000〜18000mJ/cmとすることができ、5000〜8000mJ/cmであることが好ましい。更に、熱の付与をすることが好ましく、60〜80℃であれば60〜90分間、120℃であれば5〜10分間であることが好ましい。
また、第二の硬化性樹脂組成物が熱硬化性の場合、第二の硬化性樹脂組成物層に熱を付与することで第二の封止部を形成することができる。熱のエネルギー量は特に制限されず、第二の硬化性樹脂組成物層に応じて適宜選択すればよい。熱の付与は例えば、60〜120℃で5〜180分間とすることができ、80〜100℃で60〜120分間であることが好ましい。
本発明の電気化学セルの製造方法の第二の態様は、第一の基材と第二の基材の間に封止された電解液層を有する電気化学セルの製造方法であり、第一の基材上に、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物を、枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層を形成する工程(以下、「工程a」ともいう)と、第一の硬化性樹脂組成物と溶解度パラメータが2以上異なる第二の硬化性樹脂組成物を、枠状の第一の硬化性樹脂組成物層の外周に接して包囲するように第一の基材上に付与して第二の硬化性樹脂組成物層を形成する工程(以下、「工程b」ともいう)、第一の基材上に形成された枠内に電解液を付与して電解液層を形成し、電解液層、第一及び第二の硬化性樹脂組成物層上に第二の基材を積層して積層体を得る工程(以下、「工程c」ともいう)と、第一の硬化性樹脂組成物層及び第二の硬化性樹脂組成物層を硬化して第一の封止部及び第二の封止部を形成する工程(以下、「工程d」ともいう)と、を含む。電気化学セルの製造方法は必要に応じてその他の工程を含んでいてもよい。
[工程a]
工程aでは、第一の基材上に、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物を、枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層を形成する。工程aの詳細は、製造方法の第一の態様における工程Aと同様である。
[工程b]
工程bでは、第一の硬化性樹脂組成物と溶解度パラメータが2以上異なる第二の硬化性樹脂組成物を、枠状に形成された第一の硬化性樹脂組成物層の外周に接して包囲するように付与して第二の硬化性樹脂組成物層を形成する。工程bの詳細は、製造方法の第一の態様における工程Dの第二の硬化性樹脂組成物を2枚の基材の間に付与する場合と同様である。
[工程c]
工程cでは、第一の基材上に形成された枠内に電解液を付与して電解液層を形成し、電解液層及び第一の硬化性樹脂組成物層上に第二の基材を積層して積層体を得る。工程cの詳細は、製造方法の第一の態様における工程Bと同様である。
工程dでは、第一の硬化性樹脂組成物層及び第二の硬化性樹脂組成物層を硬化して第一の封止部及び第二の封止部を形成する。工程dの詳細は、製造方法の第一の態様における工程C及び工程Eと同様である。
電気化学セルの製造方法の一例について図1を参照しながら説明する。図1(A)では、基材1上に、第一の硬化性樹脂組成物を枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層2を形成し、形成された枠内に電解液を付与して電解液層3を形成する。図1(B)では、第一の硬化性樹脂組成物層2及び電解液層3上に、基材1’を積層して積層体を得る。次いで光硬化処理により第一の封止部を形成する。図1(C)では第二の硬化性樹脂組成物を第一の封止部と基材端面部に接するように付与して第二の硬化性樹脂組成物層4を形成する。次いで第二の硬化性樹脂組成物層4を硬化処理して第二の封止部を形成して、電気化学セルを得る。図1(D)に、電気化学セルのa−b間の断面図を記載する。図1(D)では、2枚の基材1及び1’の間に電解液層3が配置され、電解液層3を包囲して封止する第一の封止部2が基材1及び1’の間に配置され、第一の封止部2及び基材端部面に接してこれらを包囲して第二の封止部4が配置されている。
また、電気化学セルの製造方法の他の例について図2を参照しながら説明する。図2(A)では、基材1上に、第一の硬化性樹脂組成物を枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層2を形成し、次いで第二の硬化性樹脂組成物を第一の硬化性樹脂組成物層2の外周に接するように付与して第二の硬化性樹脂組成物層4を形成した後、形成された枠内に電解液を付与して電解液層3を形成する。図2(B)では、第一の硬化性樹脂組成物層2、第二の硬化性樹脂組成物層4及び電解液層3上に、基材1’を積層して積層体を得る。次いで光硬化処理により第一及び第二の封止部を形成して、電気化学セルを得る。図2(C)に、電気化学セルのc−d間の断面図を記載する。図2(C)では、2枚の基材1及び1’の間に電解液層3が配置され、電解液層3を包囲して封止する第一の封止部2が基材1及び1’の間に配置され、第一の封止部2に接してこれを包囲して第二の封止部4が配置されている。
本発明の電気化学セルの製造方法は、電解液の注入口を必要としない貼り合せ方法に適しているため、製造工程の簡略化を可能とする。また、本発明の電気化学セルの製造方法で製造される電気化学セルは、長期間に渡り十分な電解液封止性能を維持することができる。
<電解液封止剤セット>
本発明の電解液封止剤セットは、電気化学セル形成用であって、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブテン、水添ポリブタジエン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む第一の硬化性樹脂組成物と、芳香環基を有するエポキシ化合物を含むカチオン硬化性エポキシ樹脂組成物である第二の硬化性樹脂組成物と、を含む。
電解液封止剤セットを用いて、電気化学セルの電解液を封止することで長期間に渡り十分な電解液封止性能を維持することができる。
電解液封止剤セットにおける第一の硬化性樹脂組成物及び第二の硬化性樹脂組成物の詳細は既述の通りであり、好ましい態様も同様である。電解液封止剤セットは必要に応じてその他の構成要素を更に含んでいてもよい。その他の構成要素としては例えば、電解液封止剤セットを用いて、電気化学セルの電解液を封止する方法、好ましくは電気化学セルの製造方法が記載された取扱説明書等を挙げることができる。
本発明の電解液封止剤セットは、例えば本発明の電気化学セルの製造方法に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(調製例1)
第一の硬化性樹脂組成物の調製
水添ポリイソプレンウレタンアクリレート(UA−1、LAカット品、ライトケミカル社製)100質量部と、光開始剤(KIP150、Lamberti社製)3質量部と、カップリング剤(アクリル基含有シランカップリング剤、KBM503、信越化学工業社製)1質量部と、カップリング剤(ビニルシランカップリング剤、KBM1003、信越化学工業社製)1質量部とを混合して第一の硬化性樹脂組成物を調製した。
第一の硬化性樹脂組成物の溶解度パラメータは8.7であった。
(調製例2)
第二の硬化性樹脂組成物の調製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(850S、DIC社製)100質量部と、タルク(P―2、日本タルク社製)50質量部と、光酸発生剤(SP−172、ADEKA社製)1.5質量部と、カップリング剤(エポキシシランカップリング剤、KBM403、信越化学工業社製)1.5質量部とを混合して、カチオン硬化性エポキシ樹脂組成物である第二の硬化性樹脂組成物を調製した。
第二の硬化性樹脂組成物の溶解度パラメータは10.9であった。
(調製例3)
電解液の調製
プロピレンカーボネート(PC、溶解度パラメータ13)に、ヨウ化カリウムの濃度が0.5mol/L、ヨウ素の濃度が0.05mol/L、4−tert−ブチルピリジンの濃度が0.5mol/Lとなるように各成分を溶解して電解液を調製した。
(実施例1)
基材として、FTO(Fluorine-doped tin oxide)透明導電性膜がコートされたガラス板(20mm×24mm、厚み1.0mm)を2枚用意した。用意したガラス板のFTO膜上に第一の硬化性樹脂組成物を、2枚の基材を貼り合わせたときに幅1mmの枠状になるように3.5±0.5mg塗布した。枠内に電解液を8〜9mg注入した後、もう一枚のガラス板をFTO膜が互いに対向するように重ね、減圧度100hPaの条件で貼り合わせて電解液を仮封止した。
光源としてスポット型UV照射機(浜松ホトニクス社製)を用いて、6000mJ/cmの光エネルギー量となるように光照射して第一の硬化性樹脂組成物を硬化することで、2枚のガラス基材の間に電解液を封止して評価用電気化学セルを得た。
[評価]
(外観観察)
得られた評価用電気化学セルの電解液と封止部との界面(シール際)を金属顕微鏡にて観察したところ、シール際は相溶しておらず、良好なシール状態であった。
(電解液維持率)
得られた評価用電気化学セルを85℃の恒温槽に放置して、72時間後お240時間後における質量を測定し、恒温槽に入れる前を100%とした電解液維持率(%)を算出した。また、電解液維持率について下記評価基準に従って評価した。結果を表1に示した。
評価基準
A:優良。
B:実用上の許容範囲内。
C:実用上の許容範囲外。
D:測定不可。
(実施例2)
基材として、FTO(Fluorine-doped tin oxide)透明導電性膜がコートされたガラス板(20mm×24mm、厚み1.0mm)を2枚用意した。用意したガラス板のFTO膜上に第一の硬化性樹脂組成物を、2枚の基材を貼り合わせたときに幅0.5mmの枠状になるように1.7±0.2mg塗布した。次に、第一の硬化性樹脂組成物を包囲するように、第二の硬化性樹脂組成物を、2枚の基材を貼り合わせたときに幅0.5mmの枠状になるように2.0±0.2mgと付した。枠内に電解液を8〜9mg注入した後、もう一枚のガラス板をFTO膜が互いに対向するように重ね、減圧度100hPaの条件で貼り合わせて電解液を仮封止した。
光源としてスポット型UV照射機(浜松ホトニクス社製)を用いて、6000mJ/cmの光エネルギー量となるように光照射して第一の硬化性樹脂組成物を硬化することで、2枚のガラス基材の間に電解液を封止して評価用電気化学セルを得た。
外観観察の結果、得られた評価用電気化学セルのシール際は相溶しておらず、良好なシール状態であった。また、電解液維持率(%)を表1に示した。
(実施例3)
実施例2において、硬化性樹脂組成物の光硬化後に、更に80℃、60分間の熱処理を行ったこと以外は同様にして評価用電気化学セルを得て、同様にして評価した。
外観観察の結果、得られた評価用電気化学セルのシール際は相溶しておらず、良好なシール状態であった。また、電解液維持率(%)を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、第一の硬化性樹脂組成物の代わりに、第二の硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は同様にして評価用電気化学セルを得て、同様にして評価した。
外観観察の結果、得られた評価用電気化学セルのシール際は相溶しており、シール状態が不良であった。また、シール状態が不良のため電解液維持率を測定することができなかった。
(比較例2)
比較例1において、第二の硬化性樹脂組成物の光硬化後に、更に80℃、1時間の熱処理を行ったこと以外は同様にして評価用電気化学セルを得て、同様にして評価した。
外観観察の結果、得られた評価用電気化学セルのシール際は相溶しており、シール状態が不良であった。また、シール状態が不良のため電解液維持率を測定することができなかった。
表1から、本発明の電気化学セルは封止状態が良好な外観を示し、優れた電解液維持率を示すことが分かる。
1,1’:基材、2:第一の封止部、3:電解液層、4:第二の封止部

Claims (8)

  1. 電解液注入口を有さない2枚の基材と、
    2枚の基材の間に配置される電解液層と、
    2枚の基材の間に配置され、電解液層を包囲して封止する第一の封止部と、を有し、
    第一の封止部が、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物の硬化物である電気化学セルであって、
    第一の硬化性樹脂組成物が、ポリブテン、ポリイソプレン、水添ポリブテン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む、電気化学セル
  2. 第一の封止部を包囲して配置され、第二の硬化性樹脂組成物の硬化物である第二の封止部を更に有する請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 第二の硬化性樹脂組成物が、芳香環基を有するエポキシ化合物を含むカチオン硬化性エポキシ樹脂組成物である請求項2に記載の電気化学セル。
  4. 第一の硬化性樹脂組成物の溶解度パラメータが、電解液の溶解度パラメータよりも小さい請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  5. 色素増感太陽電池、防眩ミラー又は表示体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  6. 第一の基材と第二の基材の間に封止された電解液層を有する電気化学セルの製造方法であり、
    第一の基材上に、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物を、枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、
    第一の基材上に形成された枠内に電解液を付与して電解液層を形成し、電解液層及び第一の硬化性樹脂組成物層上に第二の基材を積層して積層体を得る工程と、
    第一の硬化性樹脂組成物層を光硬化して第一の封止部を形成する工程と、
    第二の硬化性樹脂組成物を、第一の封止部を包囲するように付与して第二の硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、
    第二の硬化性樹脂組成物層を硬化して第二の封止部を形成する工程と、
    を含む電気化学セルの製造方法であって、
    第一の硬化性樹脂組成物が、ポリブテン、ポリイソプレン、水添ポリブテン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む、電気化学セルの製造方法
  7. 第一の基材と第二の基材の間に封止された電解液層を有する電気化学セルの製造方法であり、
    第一の基材上に、電解液と溶解度パラメータが4以上異なり、光硬化性を有する第一の硬化性樹脂組成物を、枠状に付与して第一の硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、
    第一の硬化性樹脂組成物と溶解度パラメータが2以上異なる第二の硬化性樹脂組成物を、枠状の第一の硬化性樹脂組成物層に接して包囲するように第一の基材上に付与して第二の硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、
    第一の基材上に形成された枠内に電解液を付与して電解液層を形成し、電解液層、第一及び第二の硬化性樹脂組成物層上に第二の基材を積層して積層体を得る工程と、
    第一の硬化性樹脂組成物層及び第二の硬化性樹脂組成物層を硬化して第一の封止部及び第二の封止部を形成する工程と、
    を含む電気化学セルの製造方法であって、
    第一の硬化性樹脂組成物が、ポリブテン、ポリイソプレン、水添ポリブテン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む、電気化学セルの製造方法
  8. ポリブテン、ポリイソプレン、水添ポリブテン及び水添ポリイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む第一の硬化性樹脂組成物と、
    芳香環基を有するエポキシ化合物を含むカチオン硬化性エポキシ樹脂組成物である第二の硬化性樹脂組成物と、を含む電気化学セル用の電解液封止剤セット。
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