JP6374950B2 - 光電変換用正極、正極形成用スラリー及びこれらの製造方法 - Google Patents

光電変換用正極、正極形成用スラリー及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンブラックを含有する、色素増感太陽電池用対向電極やペロブスカイト太陽電池用正極等の光電変換素子用の正極、及びこのような正極を形成するためのスラリーに関するものである。
太陽光発電に代表される再生可能エネルギーの導入拡大は、地球温暖化や化石資源枯渇問題に対処する目的で全世界で進められている。太陽光発電に必要な太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換デバイスであり、発電時に有限な化石資源を使用する必要がなく、二酸化炭素発生も抑制され地球環境に与える影響が極めて小さい。太陽電池の原理や構成材料として、様々なものが考案されてきたが、現在、シリコン半導体材料を用いた太陽電池(シリコン型太陽電池)が最も普及している。しかし、シリコン型太陽電池の製造には、高純度の半導体材料が必要であり、製造工程数が多く大がかりな装置が必要で、製造工程におけるエネルギー消費も大きく、製造コストが高くなる結果環境負荷も大きいという問題がある。
一方、次世代太陽電池として検討されてきた、色素増感型太陽電池([非特許文献1][特許1]参照)はグレッツェルらにより提案されて以来、使用する材料が安価であること、比較的シンプルなプロセスで製造できること等の利点から、発電時も製造時も環境負荷の少ない太陽電池としてその実用化が期待されている。
B.O'Regan and M.Graetzel,Nature,353,p.737-740(1991) T. N. Murakami, S. Ito, Q. Wang, M. K. Nazeeruddin, T. Bessho, I. Cesar, P. Liska, R. H. Bak7, P. Comte, P. Pechy, M. Graetzel, J Electrochem. Soc., 153 (12), (2006) A2255. Ramasamy, W. J. Lee, D. Y. Lee, J. S. Song., APPLI. PHYS. LET., 90 (2007) 173103. 電気化学会第80大会講演要旨集3B19 J. Burschka, M.Grätzel and et. al., J. Am. Chem. Soc., 133, 18042 (2011) M. Lee, J. Teuscher, T. Miyasaka, T. Murakami, H. Snaith, Science, 338, 643(2012) N. Jeon, S. Seok and et. al., Nature, 517, 466(2015) A. Mei, M. Grätzel, H. Han and et. al. Science 345, 295 (2014)
特許第2664194号公報 特開2012-59599号公報 特開2005-116302号公報 特開2010-251310号公報 特開2012−169095号公報 特開2013-140701号公報 特開2012-59599号公報
例えば、[特許文献1]及び[特許文献2]に示されるように、従来の、一般的な色素増感型太陽電池は、主として、ガラスなどの透明基板、透明導電層(負極集電体)、光増感色素を保持した多孔質半導体電極層(負極)、電解質層、対向電極(正極)、対向基板、および封止材などで構成されている。
透明基板上に設けられた透明導電層は、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム・スズ複合酸化物)やFTO(フッ素がドープされた酸化スズ)などからなり、負極集電体として機能する。負極である半導体電極層は、酸化チタンなどの金属酸化物半導体の微粒子が焼結された多孔質層が用いられることが多く、透明導電層に接して設けられている。光増感色素は、透明導電層に接した多孔質半導体電極層を構成する金属酸化物の表面に吸着されている。電解質層としては、酸化還元種(レドックス対)を含む電解液などが用いられる。対向電極は白金層などで構成され、対向基板上に設けられている。
色素増感型太陽電池は、光が透明基板(負極集電体)側から入射するように構成されている。入射した光の一部は光増感色素によって吸収され、この光吸収によって励起された電子の一部が半導体電極層に取り出される。一方、電子を失った光増感色素は、電解質層中の還元種(還元剤)によって還元される。この反応によって電解質層中に生じた酸化種(酸化剤)は、対向電極から電子を受け取り、還元種にもどる。この結果、色素増感型太陽電池は、透明導電層および半導体電極層を負極、対向電極を正極とする光電池として動作する。
色素増感型太陽電池は、製造に真空処理工程などの大がかりな装置を必要とせず、また、酸化チタンなどの安価な酸化物半導体を塗布プロセスによって用いることで、生産性よく製造できる長所がある。また、可視光領域を中心として広い波長領域に、各波長領域の光を吸収できる光増感色素が種々存在するので、用いる色素種を変えることによって、吸収する光の波長を選択し、あるいは複数の色素を組み合わせることによって、広い波長領域の光を利用し低光量での高変換効率が可能であるなどの長所がある。加えて、プラスチックなどの、軽量でフレキシブルな基材を用いることで、ロール・ツー・ロール・プロセスによって、さらに生産性よく安価に製造できる可能性がある。このため、新世代の太陽電池として、近年非常に注目されている。
さて、従来、色素増感型太陽電池の対向電極(正極)としては、優れた触媒作用と耐腐食性とをあわせもつことなどから、主として白金が用いられている。白金層の形成には、スパッタリング法や、塩化白金酸溶液を塗布後、塩化白金酸を加熱分解して白金を遊離させる湿式法などがある。白金層は触媒活性や耐腐食性や導電性に優れているが、白金が資源的に希少であり、高価であることや、作製に高真空工程もしくは高温工程を要することなどの問題点もある。そこで、対向電極の電極材料としてカーボンブラックを用いる構成が報告されている。
カーボンブラックの活性点は結晶端に位置しており、カーボンナノチューブやグラファイトと比較して、より多くの結晶端を持っていることから、電解質に生じた酸化種に電子を供与する能力(還元能)が白金に劣らない材料と考えられている。カーボンブラックを液媒体と混合してペースト状にして電極材料として用いる研究として、村上氏らの研究では水溶媒を用いたカーボンペーストを精製し、これを対極として使用する事で、Pt対極に近い性能を実現したとされ[非特許文献2]、Easwawamoorthi Ramasamy氏らはビスコース法を用いてカーボンペーストを精製し、これに関してもPt対極に近い性能を実現したとされている([非特許文献3])。
また[特許文献2]には、対向電極基板の一面に抵抗率が0.001〜0.1Ω・cmであるカーボン含有導電層が設けられ、さらにその表面に比表面積が500〜3000m2/gであるカーボン含有触媒層が設けられた対向電極を有する色素増感型太陽電池が提案されている。
[特許文献3]には、カーボン材料として、針状炭素、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ( カーボンナノホーンを含む) 等が挙げられ、ポリマー化あるいは官能基の導入により、さらに良好な効果を発現する可能性が示唆され、比表面積は、対向電極上での電荷移動速度を向上させるために大きいことが望ましく、一般的には少なくとも100m2/g以上、好適には300m2/g以上とされ、このカーボンを用いて作製される対極の表面積は、投影面積の100倍以上であり、カーボンの粒径は一般に100nm以下であるが、対極の成形性向上を目的として粒径がより大きいカーボンを混合することも可能であるが、対極の厚さが最大で20〜30μmである場合を考えると、最大で1〜数μm 程度である、と記載されている。
[特許文献4]には、カーボンブラック粒子を有機溶媒に分散させて、特に常用されているスクリーン用ペーストを作製する手法、より具体的には炭素粉末と金属半導体とを用い、これに高沸点溶媒及び低沸点溶媒を加えて分散液を得、当該分散液を蒸留して低沸点溶媒を除去することにより、カーボンペーストを得るようにしたことを特徴とする色素増感太陽電池対極のスクリーン印刷用カーボンペースト作製方法が提案されている。
さらに最近、固体型色素増感太陽電池([非特許文献5])から発展考案された「ペロブスカイト型太陽電池」([非特許文献6])が、その高い変換効率から注目されている([非特許文献7])。
例えば、[非特許文献6]や[非特許文献7]に示されているような一般的なペロブルカイト太陽電池は、主としてガラスなどの透明基板、透明導電層(負極集電体)、光増感ペロブスカイト化合物結晶体を保持した多孔質半導体電極層(負極)、正孔輸送材(spiro-MeoTAD(2,2’,7,7’-tetrakis(N,N-p-dimethoxy-phenylamino)-9,9’-spirobi-fluorene))、金電極(正極)、を図−1の手順により構築し、ペロブスカイト太陽電池を作製する。
このペロブスカイト太陽電池においても、カーボン電極の利用が提案されており、例えば、[非特許文献8]では、図−2のような手順で作製されるセルにおいて、正孔輸送材(spiro-MeoTAD)をカーボン材料(グラファイト)に置き換え、さらに金電極(正極)を使用しない構成になっている。有機成分であるspiro-MeoTADからカーボン材料に置き換えることでセル耐久性が向上すると報告されている。
[非特許文献8]によれば、このタイプのペロブスカイト太陽電池ではカーボン電極として10μm以上の膜厚を有するグラファイト電極膜が必要であり、その形成方法としては塗布方法としてスクリーン印刷が提示されている。
なお図中、1はガラス基板、2はFTO透明導電性膜、3はTiO2バッファー層、4はTiO2多孔質膜、5はペロブスカイト化合物、6は正孔輸送材、7は金電極、8は絶縁層、9はカーボン電極膜を示す。
以上のように、色素増感太陽電池の対向電極(正極)において、白金に替わる材料としてカーボンブラックが検討され、[特許文献3]のように、カーボンブラック電極の電荷移動速度を大きくするためにカーボンブラック粒子の比表面積を大きく(粒子径を小さく)することが提案されている。
また、カーボンブラックは、塗膜化の際の高温(400℃以上)では酸化されて導電性が低下したり、はなはだしい場合には焼失に至ることもあり得ると考えられ、この点からは、導電性の高い、いわゆる「導電性カーボン」を選択することが考えられ、実際、[特許文献3]では導電性カーボンが用いられている。
しかしながら、色素増感太陽電池正極に求められる性能は、導電性だけでなく「レドックス種の還元」も重要であり、[特許文献4]に記されているように導電性カーボンは還元能が低いことから、導電性カーボンを使用したときにはより粒子数を増やす、つまりカーボン電極膜厚を大きくする必要が生じる。電極膜厚が大きくなるにしたがい、対極基板との密着性が損なわれる可能性が高くなり、その解決方法としてポリマーの併用が考えられる([特許文献3])。ところが通常絶縁物であるポリマーが含まれることにより、今度は導電性が損なわれる、という弊害が生じる。このため、例えば[特許文献3]のように、あらかじめ付着層を形成する構成も提案されているが、構造、製作工程が複雑になり、安価で環境負荷が少ないことを特長としている色素増感太陽電池においては、より複雑でコスト高につながるような対向電極組成は好ましくない。
また、カーボン電極を用いるタイプのペロブスカイト太陽電池でも、色素増感太陽電池の場合と同様、工程のコスト面の課題、セルの耐久性向上のためのカーボン電極膜と基板との密着性、堅牢性は重要な要求事項と考えられる。
本発明は、工程が簡易で製造コストが抑えられ、かつ変換効率、耐久性などの性能にも優れた太陽電池用の正極の提供を課題とする。なお、正極とは酸化反応が行われる部位を指し、色素増感型の太陽電池の場合一般に対向電極と呼ばれているが、正極の概念に含まれ、本発明でも、「正極」には「対向電極」と呼ばれるものとそれ以外のものとの両方を含む。対極、カソードと呼ばれるものも本発明における「正極」に該当する。またペロブスカイト型の場合、図−2の9.で示されるカーボン電極膜も正極に該当する。
発明が解決しようとする手段
本発明者は、導電性カーボンとは対象的なストラクチャーが小さく、かつ比表面積の大きな一般的カーボンブラックを用いても、電荷移動抵抗の低いカーボンブラック多孔質電極を得ることのできる組成および正極の成形プロセスを発明し、さらにそれらの性能を損なうことなく正極基板との密着性をさらに向上するための素材種、配合量について検討し、特定の材料を含有させることによりこれらの性能を向上させることができることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、
(1)層状酸化物を含有する炭素材料系触媒電極層を有することを特徴とする光電変換素子用正極、
(2)層状酸化物と炭素材料の含有量の重量比が、30:0.05〜3:16であることを特徴とする上記(1)記載の光電変換素子用正極、
(3)膜厚が10μm以下、有機ポリマー成分含有量が20%以下である上記(1)又は(2)記載の光電変換素子用正極、
(4)層状酸化物を含有することを特徴とする光電変換素子用正極形成用スラリー、
(5)少なくとも(a)成分として層状酸化物、(b)成分としてカーボンブラック、(c)成分としてカーボンブラック以外の導電性材料、(d) 成分として(b)成分及び(c)成分以外の無機微粒子材料、並びに(e)成分として溶剤、を含むことを特徴とする光電変換素子用正極形成用スラリー、
(6)層状酸化物を0.05〜16重量%含有することを特徴とする上記(4)又は(5)記載の光電変換素子用正極形成用スラリー、
(7) (a)成分の含有量が0.05〜16重量%、(b)成分の含有量が2〜50重量%、(c)成分の含有量が0.025〜14重量%、(d) 成分の含有量が0.5〜40重量%であることを特徴とする上記(5)記載の光電変換素子用正極形成用スラリー、
(8)上記(4)〜(7)のいずれかに記載のスラリーを基板上に塗布し、固化及び/又は乾燥することを特徴とする光電変換素子用正極の製造方法、
に存する。
発明の効果
本発明の色素増感太陽電池用対向電極やペロブスカイト太陽電池用正極をはじめとする太陽電池用正極により、変換効率、耐久性などの性能が高く、かつ低コスト、簡便な製造プロセスによる良好な太陽電池特性が実現できる。
図−1はペロブスカイト太陽電池の作製方法を示す説明図である。 図−2はペロブスカイト太陽電池の作製方法を示す説明図である。 図−3は本発明の電池の構造の一例を示す説明図である。 図−4は実施例の工程の概略を示す概略図である。 図−5は実施例5-1〜5-7の対向電極のTG-DTAチャートを示した説明図である。 図−6は実施例5-1〜5-7の対向電極の有機ポリマー残存率の算出結果をプロットした説明図である。 図−7は実施例2-1の断面観察写真を示した組織図である。 図−8は比較例2-1の断面観察写真を示した組織図である。 図−9は実施例6の断面観察写真を示した組織図である。 図−10は実施例7の断面観察写真を示した組織図である。
本発明は、基板上にカーボンブラックを含有する層を設けた正極を形成する太陽電池用正極に関するものであり、特定の成分を含有スラリーを用い、これにより正極を形成することにより、優れた性能の太陽電池を得ることができるものである。
〔スラリーの成分〕
本発明のスラリーは、通常、固体成分としてカーボンブラック、導電性材料、無機微粒子を含有し、分散媒として溶剤を用いる。また本発明ではさらに、層状酸化物を含有させることを特徴とする。以下各成分について説明する。
〔カーボンブラック〕
本発明で用いることのできるカーボンブラックは、特に限定されない。
カーボンブラックの比表面積も制限されないが、好ましくは50m2/g以上、1000m2/g以下であることが好適であり、80m2/g以上、800m2/g以下であることがより好適であり、15m2/g0以上、600m2/g以下であることが最も好適である。比表面積は、JIS K 6217に準じて測定した値である。カーボン表面に吸着した窒素量から算出し求めることができる。
また、カーボンブラックの一次粒子径は3nm以上100nm以下であることが好適であり、5nm以上70nm以下であることがより好適であって、8nm以上60nm以下であることが最も好適である。粒子径の測定は、カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径である。カーボンブラックは具体的に、ファーネスブラック、ランプブラック、チャネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
〔導電性材料〕
導電性材料としては、導電性を有しスラリーを形成するために液媒体に分散しうる限り基本的にはどのようなものであってもよく、従来よりカーボンブラックを含有する正極において用いられてきた各種のものが使用できる。またカーボンブラック自体も導電性を有しているが、通常、導電性を向上させて電池の変換効率を充分なものとするために、カーボンブラック以外の導電性の材料を含有させるのが好適である。カーボンブラック以外の粉末や粒状の炭素材料として、グラファイト、グラフェン、黒鉛、活性炭、フラーレン、単層または多重層のカーボンナノチューブなどが挙げられるが、これらに限定させるものではない。正極に用いるために従来より知られている各種材料を適宜使用する事ができ、またこれらの1種もしくは、複数種を混合して用いることができる。
〔溶剤〕
使用する溶剤は特に限定されず、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、テルピネオール等のアルコール系溶剤グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系溶剤、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ミネラルスピリッツ、トルエン、キシレン等の炭化水素系、ジメチルホルムアミド、nメチルピロリドン等のアミン類等が挙げられるが、これに限らない。2種以上の溶剤を混合して用いても良い。微粒子等の成分の分散に適していること、塗膜の焼成時に蒸発等により容易に除去できること、基板への塗布性に優れたスラリーを形成できること等の観点から選択すればよく、塗布方法にも応じて選択すればよい。これらの観点からは、ガラス基板に印刷法で塗布する場合は、テルピネオール、nメチルピロリドン、ブチルカルビトールアセテートが特に好適に用いられる。
〔無機微粒子〕
基板に塗布し焼成した後に一体の膜として維持することができるための成膜性を具備するために、通常、無機微粒子を含有させる。無機微粒子を含有させることにより、カーボンブラック粒子どうしの接触(ネッキング) が上がり膜自体の堅牢性も向上する。
無機微粒子としては金属酸化物、金属半導体などが挙げられる。金属酸化物としては、好適には酸化チタン、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化タングステン等が挙げられる。金属酸化物に限定させるものではなく、チッ化チタン、チッ化ニオブ等の窒化物等も挙げられる。
無機微粒子の粒子径や形状は特に制限されないが、カーボンブラック等他の成分との混合の容易性の面からは、通常、粒子径は200nm以下、特に好ましくは100nm以下がよい。
〔有機バインダー樹脂〕
本発明のスラリー中に、有機バインダー樹脂を含んでいてもよい。有機バインダー樹脂とは、高分子バインダー、すなわち有機高分子化合物であって成膜性を有する材料をいう。
例えば、[特許文献3]や特開2004-152747号公報記載のスラリー中には、エチルセルロースが含まれている。このような成分を含有させることによって、スラリーのチクソ性を持たせたり、膜の付着力を保っているものと考えられる。しかし、このような成分がスラリー又はこれを用いて形成された正極に含まれていると、対極層内の細孔が充分に存在しなくなり、その結果、正極である触媒層と電解液の間で電子のやりとりが充分に行われなくなったり電極自体の電気伝導性も低下するおそれがある。したがって、電池の電気特性の観点からは、このような成分は、塗膜中においては、できるだけ低減させることが望ましい。後述するように、本発明では、特定の成分を配合することにより、電気特性に悪影響を及ぼすことなく、膜の付着力を大きく向上させることができるので、バインダー樹脂を低く抑えることができ、例えば、塗膜中に5重量%以下、さらには全く含まないものであっても十分な電気特性を得ることができ、優れた光電変換素子用正極を形成できる。
このように塗膜中の有機バインダーを低減させるためには、スラリー中の含有量を低減させておくことによることもできるが、スラリーのチクソ性の面、すなわちスラリーの扱いやすさを保つ面からは、焼成過程で焼失させて低減させることも好適な選択肢である。
有機バインダー樹脂としては、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース等の樹脂セルロースが好ましいが、高分子バインダーを構成する材料は、これに限定されるものではなく、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、およびこれらの混合物も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、メタクリル樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフロロエチレン等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。またこれらの混合物等であっても良く、また非結晶或いは結晶樹脂であっても良い。
このような有機バインダーは、他の成分との均一な混合のために、溶液状として用いるのが好適である。有機バインダー樹脂粉末と、高沸点溶剤或いは低沸点溶剤を混合、攪拌、溶解し、有機バインダー樹脂溶液とする。溶剤は、用いる樹脂を溶解できるものであれば特に限定されず、前述した溶剤から適宜選択できるが、後述するようにカーボンブラック等の固体成分を分散する際の溶剤と同じものを用いることによって、これら他の成分との混合時のショックを避けることができる。
〔層状酸化物〕
本発明は、スラリー又はこれを用いて形成された正極に、層状酸化物を含有させたことを特徴とする。層状酸化物を添加する事により、全く予想外にも、膜の付着力が強く膜の堅牢性が著しく上がることを本発明者らは見出し本発明に到達したのである。
層状酸化物を色素増感太陽電池の電解質に添加することで、安価で、環境負荷が小さく、かつ従来より光電変換効率が向上するという提案は、例えば特許文献5や非特許文献4にあるように、従来よりなされている。
しかし、これらの従来技術で提案されているものは、電解液に添加する事で光電変換効率が向上するという知見にとどまり、本発明者らが見出したような、正極での効果を示唆するものは何もない。
層状酸化物とは、層状粘土鉱物とも呼ばれ、層状の結晶構造を有する鉱物の集合体であり、その組成は、Al-O、Mg-O、Si-O等からなる酸化物を主体とする。元来天然の粘度鉱物であるが、化学的に合成された物も存在する。
層状酸化物の例としては、鉱物ベントナイトの主成分であるモンモリロナイト、雲母、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、イライト、セリサイト等の層状粘土鉱物であるスメクタイト等が挙げられる。天然物、合成物、及びこれらの混合物を用いることもできる。層状酸化物は従来より、吸着剤、触媒、フィラー、電極材料、レオロジー制御剤など、多岐にわたって使用されているが、これらの用途に使用されているものから選択して用いることもできる。市販品としては例えばコープケミカル(株)製の合成スメクタイトである「ルーセンタイト」(商品名)、クニミネ工業(株)開発のリチウム型ベントナイトである「クレースト−SN20」(登録商標)などが挙げられ、これらを選択することができるが、特に「ルーセンタイト」は本発明に用いることにより優れた性能を発揮することができる。
〔スラリーの調製方法〕
以上の各成分を、スラリー状に分散又は溶解して本発明のスラリーを得ることができる。さらに、このような本発明のスラリーを公知の方法により基板上に塗布し、固化して正極を得ることができる。
スラリーの調製方法は、従来知られた方法を適宜選択することができるが、好ましくは、各固体成分を予め溶剤に分散させて、得られた各分散液を、他の成分の溶液と混合することにより、電極膜の粒子が均一となり、対極の膜厚依存性が小さくなるという利点があり望ましい。すなわち、カーボンブラック分散液、導電剤分散液、無機微粒子分散液、の各分散液を予め調製して、層状酸化物溶液、有機バインダー樹脂溶液と混合し、スラリーを得ることができる。しかし、この方法に限定されるものではなく、カーボンブラックと他の微粒子を同時に分散したり溶解したりすることもできる。
微粒子成分を分散する際には、各種の分散剤を用いることができる。例えば、高分子分散剤として、アクリル系共重合体、ブチラール樹脂、酢酸ビニル共重合体、水酸基含有カルボン酸エステル、高分子量ポリカルボン酸の塩、アルキルポリアミン系、多価アルコールエステル系等公知の各種分散剤を挙げる事ができるがこれに限らない。
〔カーボンブラック分散液の調製〕
カーボンブラックの分散には、高沸点溶剤と低沸点溶剤を加えて分散するのが望ましい。これらの溶剤にカーボンブラックと分散剤とを加えて分散する。高沸点溶剤とは室温では揮発せず、高温にしたり、減圧などをしないと乾かない溶剤をいい、低沸点溶剤とはそれ以外の溶剤をさす。これらの溶剤を併用するのが望ましいのは、スラリーの形成、維持には溶剤が必要であるが、高沸点溶剤でなければスクリーン印刷の前後で揮発によりスラリーの状態が変化し、均質な印刷が難しい。他方、高沸点溶剤だけではカーボンブラックを十分に均一に分散することが難しい。そこで、例えば前述の[特許文献3]にも記載されているように、いったんカーボンブラックを低沸点溶剤と高沸点溶剤を併用して分散し、他の成分と混合した後に低沸点溶剤を蒸留除去してスラリーを得る方法が好適である。
高沸点溶剤としては、ベンジルアルコール、テルピネオール等のアルコール系溶剤、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系溶剤、nメチルピロリドン等のアミン類等が挙げられるが、これに限られず、これらのうち1種又は2種以上の溶剤を混合して用いても良い。低沸点溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、ベンゼン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤等が挙げられるが、これに限られず、これらのうち1種又は2種以上の溶剤を混合して用いても良い。以上の溶剤を、前述した、スラリーにおいて好適使用できる溶剤から選択することが望ましく、高沸点溶剤としてテルピネオール、nメチルピロリドン、ブチルカルビトールアセテート、低沸点溶剤としてエタノール、イソプロピルアルコール、が特に好ましい。
分散方法としては、たとえばメディア媒体型分散機や衝突型分散機が挙げられる。
メディア媒体型分散機とはベッセル内において、ガラス、アルミナ、ジルコニア、スチール、タングステン等の小径のメディアを高速で運動させ、その間を通過するスラリーをメディア間のせん断力で摩砕させる構造の分散機をいう。斯かるメディア媒体型分散機の具体例としては、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、パールミル、アジテータミル、コボールミル、ウルトラビスコミル、ウルトラビスコミル、ウルトラファインミル等が挙げられる。衝突型分散機とは、1つの壁面に流体を高速で衝突させるか、または、流体同士を高速で衝突させて流体中の顔料などを粉砕させる構造の分散機をいう。斯かる衝突型分散機の具体例としては、スターバース、ナノマイザー、ホモゲナイザー、マイクロフルイダイザー等が挙げられる。
〔導電性材料の分散液及び無機微粒子の分散液の調製〕
導電性材料及び無機微粒子の分散の方法は限定されず、前述したスラリーにおいて好適に用いることのできる各種の溶剤から選択できる。特に、カーボンブラック分散液と配合した際のソルベントショックにより凝集・沈降が生じるのを防ぐためには、カーボンブラックの分散液と同様の溶剤を用いるのが望ましい。
[層状酸化物溶液の調製〕
層状酸化物は通常、常温で固体の粉末で存在するため、均一なスラリーを得るために、あらかじめ溶剤に溶解又は分散して他の成分と混合するのが望ましい。層状酸化物が溶解する液体であれば特に限定されず、前述した、スラリーに用いることのできる溶剤から選択すればよいが、他の固体成分と同様、カーボンブラック分散液との混合時のソルベントショックを避けるためには、カーボンブラック分散液と同じ溶剤を選択するのが望ましい。
上記で得られたカーボンブラック分散液、導電性材料分散液、無機微粒子分散液、層状酸化物溶液、有機バインダー樹脂溶液を混合してスラリーを得る。低沸点溶剤を使用して分散した場合には、混合後の液体からエバポレーター等により低沸点溶剤を除去して、スクリーン印刷に適した性状のスラリーを得ればよい。
スラリーの組成(重量%)は、カーボンブラックの量は、2〜50%、好ましくは3〜30%、より好ましくは5〜20%、導電剤性材料の量は、0.025〜14%、好ましくは0.05〜10%、より好ましくは0.1〜6%、無機微粒子の量は、0.5〜40%、好ましくは1〜30%、より好ましくは2.5〜20%となるように調製する。
層状酸化物の量は、0.05〜16%、好ましくは0.1〜12%、より好ましくは0.25〜8%となるように調製する。有機バインダー樹脂剤の量は、5〜40%、好ましくは7〜30%、より好ましくは10〜25%となるように調製する。有機バインダー樹脂剤量が5%以下ではスクリーン印刷用スラリーにチキソ性が発現しない。また40%以上では粘張になりすぎ、スクリーン印刷時の版離れが悪くなる。
また、スラリー中の溶剤量は、5〜90%、好ましくは10〜85%、より好ましくは20〜80%となるように調製する。以上で説明した本発明のスラリーは、チキソ性が良好で、スクリーン印刷時の版離れも良好なスラリーとする事ができる。
〔正極の作製〕
上記で作製したスラリーを導電性基板に塗付し、電気炉で焼成する事により、多孔質炭素電極を得ることができ、これを光電変換素子用正極として用いることができる。この際の導電性基板として、FTOコートガラス、ITOコートガラス等、金属基板、透明基板上に金属膜が形成された基板等、各種の公知の基板材料を用いることができる。
スラリーの塗付方法としては、ディップコート、スプレーコート、ワイヤーバーコート、スピンコート、ローラーコート、ブレードコート、グラビアコート、オフセット印刷、スクリーン印刷等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
本発明のスラリーを用いて作製した正極は、有機ポリマーの含有量が5重量%以下の電極とすることもできる。膜は均一で平滑な膜を得ることができる。さらに後述する実施例で示すように、スラリー中に適量の有機バインダー樹脂を含有することで特に電気伝導性が向上するとともに、強靭で堅牢な膜を得ることができる。おそらく、スラリー中に適量の有機バインダー樹脂を含有させて塗布し加熱することにより、有機バインダーやカーボンブラック等の分散液中に存在していた有機高分子分散剤が焼失することによって膜中には細孔が充分に存在する事ができ、これを光電変換素子用正極として用いれば、電子を有効的に取り出す事ができるという優れた効果が得られているものと推測される。
〔太陽電池の作製〕
以上説明した正極を用い、公知の技術を用いて太陽電池を作製することができる。電池の構成は特に限定されず、例えば、[特許文献6]や[特許文献7]に示される電池の構成を採用することもできる。
(1)光電変換素子の構成
図−1に、本発明の正極を用いた光電変換素子の構造の一例を示す。
光電変換素子(太陽電池)10は、作用電極11、対向電極12、これらの電極同士を接続し封止する封止層13、及びこれら電極及び封止層の内壁面が形成する密封空間14、及び密封空間14を満たす電解質層15、により構成されている。
作用電極11は、ガラスやセラミックス等の光透過性部材からなる板状の光透過性基板16と、ITO(酸化インジウム錫)やFTO(フッ素ドープ酸化錫)等からなる透明電極部材17から構成されている。透明電極部材17には、色素増感半導体層18が一面側に固着され、この色素増感半導体層18を密封空間14内に配置させるようにして封止層13が固着されている。
色素増感半導体層18は、例えば酸化チタン(TiO2)や酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物半導体に、アゾ系色素やルテニウムビピリジン系金属錯体色素等の増感色素を吸着させた構成を有し、太陽光等の光が増感色素に吸収されることで、増感色素が励起状態となり電子を放出し、この電子が酸化物半導体に注入され得る。
一方、対向電極12は、ガラス、金属、セラミックス等の硬質部材からなる対向基板19と、その一面に被膜状に形成された導電性の触媒電極層20とから構成されている。本発明では、この触媒電極層として、カーボンブラック等の炭素材料を含有する層を形成する。
触媒電極層20には、封止層13が固着され、密封空間14を介して色素増感半導体層18と対向するように配置されている。
これら対向基板17、19及び触媒電極層20は、所定位置に貫通孔21を有し、当該貫通孔21から、電解質組成物を注入できるようになっている。電極作製にあたっては、まず作用電極11と対向電極12を封止材で固着した後、貫通孔21から密封空間14を形成する空間に電解質組成物を注入して満たした後、当該貫通孔21を封止材22で塞いで当該空間を密封し、当該密封空間14に電解質組成物からなる電解質層15を形成することができる。
以上のように、本発明の正極を用いて形成した色素増感太陽電池などの光電変換素子は、白金触媒を使用せず、さらに付着層などの別材料も不要であることから、低コストでの製造が可能である。
本発明のスラリーを用いれば、得られる正極は、付着性等の膜物性に優れ、しかも高い変換効率を発現できる。したがって、塗膜は比較的薄く、かつ十分な変換効率を発現できる。具体的には10ミクロンメーター以下、7ミクロンメーター以下のものも得ることができ、光電変換効率がPtに対し95%を超えるものも、得ることができるという極めて優れた実用性を有する。
このように薄い膜でも高い光電変換効率を得ることができるため、電極に含浸させる電解液の量が少なくて済み、さらに経済性に優れており、小型化の可能性も高まる。
本発明の正極は、本発明のスラリーを基板上に塗布し、加熱し硬化させることによって容易に得ることができる。このようにして得られる本発明の正極は、層状酸化物を含有する炭素材料系触媒電極層を有するものである。ここで炭素材料系触媒電極層とは、カーボンブラック等の炭素材料を主成分として含有する触媒電極層をいう。層状酸化物の含有量は、所望とする性能を発揮しうる量であれば限定されず、目的に応じて選択すればよいが、通常、カーボンブラック等の炭素材料に対し、炭素材料:層状酸化物が重量比で30:0.05〜3:16、より好ましくは20:0.1〜1:12、さらに好ましくは20:8〜5:0.25である。この範囲で特に、変換効率及び塗膜性に優れている。さらに、前述のように塗膜中の有機ポリマー成分を低減させても塗膜性を損なうことがなく、有機ポリマー成分を低減させることにより高い変換効率を確保できる。すなわち、有機ポリマー成分を20%以下、特に15%以下とすることにより、本発明の正極は十分な塗膜性を得ることができ、しかもこれを用いて得られた光電変換素子は高い変換効率を達成することができる。
また本発明のスラリーを用いてペロブスカイト太陽電池用の正極を形成すれば、薄膜(1μm以下)でも強靭で高効率の正極を形成することができ、優れた性能のペロブスカイト太陽電池を得ることができる。特に、膜厚を調整することにより、高い変換効率を得ることができる。具体的には300nm以下で、4.5%を超える高効率を得ることもできる。
図−4に以下の各実施例の工程の概略を示すように、スラリー調製、対向電極の作成と試験、電池の作成と試験を行った。以下、各項目について説明する。
〔スラリーの調製〕
まず、表−1に示す材料を、表−2(表−2(1)及び表−2(2))に示す組成で配合し、以下の方法で各分散液及び溶液を調製した。
カーボンブラック分散液1〜8及び導電性材料分散液1〜3は、各材料をペイントシェーカー(浅田鉄工所製)を用い、直径0.5mmアルミナビーズを用いて5時間分散した。無機微粒子分散液は、直径0.1mmアルミナビーズを用いて、ペイントシェーカーで7時間攪拌、分散した。
層状酸化物は、15重量%となるようにエタノール中で攪拌し溶解して層状酸化物溶液とした。有機バインダーは固形分換算で10重量%となるように、エタノール中で攪拌し溶解して有機バインダー溶液とした。
次に、これらの各分散液及び溶液を、表−3に示す配合比で混合し、エバポレーターで低沸溶剤を除去し、スラリー1〜26を得た。
〔対向電極の作製と評価〕
対向基板19として旭ガラス製FTO透明導電性ガラス基板(シート抵抗:13Ω/□(15mm×25mm×t1.8mm)サイズに加工してUV照射により洗浄したFTO基板を用い、この基板上に、上記で作製した表−3記載のスラリーを、スクリーン印刷により300メッシュ版を用い、5mm角正方形(25mm2)になるよう塗布し120℃×3分間乾燥させた。スラリーは、6層に積層し、450℃で30分間電気炉(フルテック製FT-101FM)で焼成後、放冷し、対向電極12とした。
スラリー10及び14について焼成温度を表−4に示すように変化させて対向電極を得た(実施例5-1〜5-7及び比較例5-1〜5-7)。
対向基板として白金を用いたものを、比較例5-8とした。
得られた対向電極を、以下の方法で、膜厚測定、密着性評価、及び表面抵抗の測定を行った。
膜厚、密着性は、スラリー8〜11、13〜16について行った(実施例2-1〜2-3、比較例2-1〜2-3)。表面抵抗は、スラリー8〜20について行った(実施例2-1〜2-4、3-1〜3-3、比較例2-1〜2-4、3-1〜3-3)。
実施例2-1及び比較例2-1の対向電極について、断面観察写真を撮影した。
<膜厚測定>
(株)東京製密製小型表面粗さ形状測定機 「サームコム130A」で測定した。
<密着性>
ニチバンセロテープ(No.405,18mm巾)を塗膜面に約30mm貼り、塗膜が透けて見えるようにしっかり指でテープを擦る。テープを付着して直ぐにテープの端を持って塗膜面に直角に保ち、瞬間的に引き剥がす。この操作を全く同じ部位において5回繰り返し実施し、塗膜面のハガレの程度により以下のように5段階で評価した。
・全くはがれない 5点
・塗膜全体の1〜10%のハガレ 4点
・塗膜全体の11〜50%のハガレ 3点
・塗膜全体の51〜80%のハガレ 2点
・塗膜全体の81〜全面ハガレ 1点
<電極膜の表面抵抗測定>
三菱化学アナリテック(株)製「ロレスタGP MCP−T610型」を用い、4端子4探針法定電流印加方式で測定した。
<有機ポリマー残存量>
実施例5-1〜5-8の対向電極を、ブルカー・エイエックスエス社製「示差熱・熱重量測定装置:TG−DTA2020SA」を用いて熱分析を行い、得られたTG-DTAより、有機ポリマーの残存率(%)を算出した。
<結果>
結果を表−5〜10に示す。カーボンブラックの比表面積を変化させ、さらに層状粘度鉱物の有無で比較した実施例1-1〜1-7と比較例1が表−5、層状粘度鉱物の有無で比較した実施例2-1〜2-3及び比較例2-1〜2-3が表−6、導電性材料の種類を変化させて比較した実施例3-1〜3-3及び比較例3-1が表−7、無機微粒子の種類を変化させて比較した実施例4-1〜4-4及び比較例3-1が表−7、焼成温度を変化させて比較した実施例5-1〜5-7及び比較例5-1が表−8である。各々、比較のためにPtの場合の変換効率の値を100として、それぞれの効率の割合(%)として示した。
実施例5-1〜5-7の対向電極のTG-DTAチャートを図−3、有機ポリマー残存率の算出結果を表−11、これをプロットしたものを図−4に示す。
実施例2-1及び比較例2-1の断面観察写真を図−5、図−6に示す。
表−6に示す実施例2-1〜2-3と比較例2-1〜2-3の結果からわかるように、層状酸化物の有無の違いにより、密着性に差があり、層状酸化物添加時には、密着性が良く、層状酸化物無添加時には、密着性が悪いことがわかる。
図−5に示すように、本発明のスラリーを用いて塗膜を形成して温度400℃以上で焼成することにより、有機ポリマー成分を2重量%以下にまで低減できることが確認された。有機ポリマー成分を低減できるため、光電変換効率が向上できると推測される。
図−7の画像では層状酸化物添加塗膜で、袋状の薄膜が1μm程度のサイズでカーボンブラック粒子を包んだ3次元の網目構造が見られる。このことから、層状酸化物の層の間にカーボンブラック分散液5が吸着され、膜を緻密・堅牢にし、付着性が上がっていると考えられる。
図−8の画像ではカーボンブラック粒子のみが見られ、緻密な3次元が見られない。このことから層状酸化物を含む本発明の対向電極のように付着性が上がらないと考えられる。
〔色素増感太陽電池作用電極の作製〕
透明導電基板(大きさ25mm×15mm、厚さ1.8mmのガラス基板でなる光透過性基板7に、厚さ950nmのFTO層(シート抵抗10Ω/□)を透明導電層8として形成した太陽電池用FTO硝子基板(旭硝子株式会社製))上に酸化チタンペーストを塗付し、焼成した。
酸化チタンペーストは、市販の「HT/SP」(Solaronix社製)酸化チタンを1層(最終膜厚約2μm)、「PST-18NR」(日揮触媒化成(株)製)多孔質酸化チタンを5層(最終膜厚約8μm)、「PST-400C」(日揮触媒化成(株)製)、多孔質酸化チタンを3層(最終膜厚約5μm)、順次基板上にスクリーン印刷法で塗布し500℃で30分間電気炉(フルテック(株)製FT-101FM)で焼成し、放冷後(50mM) TiCL4水溶液に浸漬(70℃×30分)、洗浄、乾燥し、焼成(500℃×30分)し、合計15μmの膜厚の酸化チタン膜を得た。
次に、この酸化チタン膜に増感色素を担持させて、色素増感半導体層9とした。具体的には、0.3mmolのN719色素(ALDICH社製ルテニウム錯体色素)を、tert-ブチルアルコールとアセトニトリルの混合溶媒(体積比1:1)に溶解させた溶液を調製し、この溶液に酸化チタン膜を30℃×20時間浸漬して、増感色素を担持させた。その後、酸化チタン膜をアセトニトリルで洗浄し、暗所で乾燥させ、光増感色素を担持した色素増感半導体層9を形成した作用電極2を得た。
〔光電変換素子(色素増感太陽電池)の作製〕
幅2.0mm、高さ約30μmの紫外線硬化型樹脂からなる額縁状の封止層4を、透明電極部材8上に形成した。次いで、前述した作用電極2と対向電極3とを対向させ、封止層を挟んで圧着した後、封止層に紫外線を照射し、仮接着を行った後、上記の作用電極2及び対向電極3を用い、 図−1に示す構成の色素増感太陽電池を作製した。ホットメルトフィルムを作用電極と対向電極との間に挟み込み、120℃で3分間、加熱圧着溶融し冷却後封止層4を完全に硬化させて固着した。
封止剤としては、アイオノマー樹脂として、三井デュポン(株)製「ハイミラン」(商品名)を用いた。
電解液は、ヨウ素:0.025M、ヨウ化リチウム:0.1M、t-ブチルピリジン:0.5M、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムヨージド:0.6M をアセトニトリルに溶解させて得た。
<色素増感太陽電池の評価>
疑似太陽光(1sun:AM1.5、100mW/cm)を照射して、短絡電流密度(Jsc)、解放電圧(Voc)、フィルファクター(FF)、光電変換効率(η)を測定した。(25℃)結果は前記の表−5〜9に示す。
表-5より、比表面積200〜560m2/gのカーボンブラックを用いた実施例1-1〜1-4の色素増感太陽電池の光電変換効率は特に優れ、比較例(Pt)と同等あるいは、それに近い値を得ることができた。対向電極3で用いたカーボンの物性、特に比表面積が変換効率に影響があることがわかるが、いずれの比表面積のカーボンブラックについても、層状酸化物の添加により優れた堅牢性、密着性を発揮することがわかる。
表−6の変換効率の値からは、層状酸化物の有無で変換効率に差は見られず、いずれも対照 (Pt)に近い値を得られることがわかる。これは、層状酸化物を添加しても変換効率がに悪影響を及ぼさないことを示し、表−6の密着性の値が層状酸化物の添加で向上することからは、層状酸化物の添加により実用的な対向電極が得られる事がわかる。
表−7より、本発明の対向電極において従来より変換効率を高めることの知られている導電性材料を好適に使用でき、これらを用いることによりPtと同等あるいは、それに近い値を得ることができることがわかる。
実施例3-1、比較例3-1の結果より、同じ導電性材料を使用した系においても、層状酸化物の添加により密着性が向上する事がわかる。
表−8より、様々な無機バインダーで良好な値を得ることができ、Ptと同等あるいは、それに近い値を得ることができ、十分に実用的なレベルであることがわかる。
実施例4-1、比較例4-1の結果より、同じ無機微粒子を使用した系においても、層状酸化物の添加により密着性が向上する事がわかる。
表−9より、特にスラリーの焼成温度が375℃以上の実施例5-5、5-6、5-7ではPtと同等或いはそれに近い光電変換効率の値を示した。焼成温度が350℃以下の実施例5-1、5-2、5-3では光電変換効率はPtと比べて低い。
焼成温度が250℃、有機ポリマー残存率が50.4%の実施例5-1では、塗膜の密着性は低い。より高温で焼成した実施例5-2、5-3では、塗膜の密着性は向上している。これは高温により有機バインダーが硬化し、製膜することによると考えられる。しかし、光電変換効率は相対的に低い。これは有機ポリマーの存在が導電性を下げていることが考えられる。より高温で焼成した実施例5-6、5-7の膜中には有機ポリマーの残存率は0%であり、高い光電変換効率が得られ、白金に近い値を得ることができ、十分に実用的なレベルと言える。と同時に、有機ポリマーの残存率が0%でありながら、塗膜の密着性にも優れており、本発明により層状酸化物を存在させたことによって、極めて性能の良い光電変換素子を得ることができる有用な技術であることがわかる。
〔ペロブスカイト太陽電池の作製〕
以下の手順により、図−2に示す基本構造を有するペロブスカイト太陽電池を作製した。
透明導電基性のガラス基板1(大きさ25mm×25mm、厚さ1.8mm)でなる光透過性基板に厚さ950nmのFTO層2(シート抵抗10Ω/□)を透明導電層として形成した太陽電池用FTO硝子基板(旭硝子株式会社製))を、四塩化チタン水溶液(100〜1000mM)に浸漬し、70℃×40分静置後、純水で洗浄、焼成(500℃×30分)することで、10〜50nm厚の二酸化チタンバッファー層3を形成させた。
二酸化チタンバッファー層3上に二酸化チタンペーストをスピンコーティングし、500℃×30分間焼成することで、100〜1000nm厚の二酸化チタン多孔質電極4(負極)を形成させた。二酸化チタンペーストは、市販の微粒子二酸化チタン(「P25」)の分散体(固形分30wt%)にエチルセルロース溶液を適量添加し作製したものである。スピンコーティングはペースト濃度に応じて適正な回転数(500〜5000rpm)で該当する膜厚を得た。膜厚を表−11に示す。二酸化チタン多孔質電極4を四塩化チタン水溶液(10〜100mM)に浸漬し、70℃×40分静置後、純水で洗浄、焼成(500℃×30分)した。
次に、この二酸化チタン多孔質電極膜4に二酸化ジルコニウム(ZrO2)ペースト(20nmZrO2粒子分散溶液(PGME(1-メトキシ-2-プロパノール)))を100μL滴下し、スピンコーティング(1000〜6000rpm)後、120℃×30分乾燥して、二酸化ジルコニウムから成る絶縁層8を得た。
表−3に処方を示すスラリー1(オリオン社製Printex85(比表面積;200m2/g、一次粒子径;16nm)分散液)10重量部に対しエタノールを30重量部を加え超音波洗浄機で60分間分散処理して得たカーボン溶液を、絶縁層8に100μL滴下し、スピンコーティング(1000〜5000rpm)後、120℃×3分乾燥後、450℃×30分焼成し、カーボン電極膜(正極)9を得た。絶縁膜8の膜厚は100〜300nmで、カーボンの膜厚は200〜1000nmであった。
次にペロブスカイト化合物前駆体溶液5(PbCl2(1M)、CH3NH3I(0.06M)、DMF)を80μL滴下し、スピンコーティング(1000〜3000rpm)後、100〜120℃×90分間乾燥し、さらに金蒸着膜を形成して、ペロブスカイト太陽電池セルを得た。
二酸化チタン多孔質電極膜4の膜厚を、表−11に示すとおり変化させたものを、実施例6及び実施例7とした。
<評価結果>
実施例6及び実施例7のペロブスカイト太陽電池の光電変換効率の測定結果を、表−11に示す。また、実施例6及び7で得られた電極膜の断面観察写真を、図−9及び図−10に示す。
表−11に示すように、本発明の正極形成用スラリーから作製した正極を用い、二酸化チタン電極膜厚の最適膜厚を選定することにより、変換効率4.65%の正極密着性良好なペロブスカイト太陽電池を得られることがわかる。また図−9及び図−10により、本発明の正極が良好な多孔質電極を形成しており、ペロブスカイト化合物が二酸化チタン電極膜内に充填されていることがわかる。
本発明により、光電変換素子において、簡易でコストを抑え、かつ変換効率、耐久性などの性能にも優れた正極を提供することができる。
1 ガラス基板
2 FTO透明導電性膜
3 TiO2バッファー層
4 TiO2多孔質膜
5 ペロブスカイト化合物
6 正孔輸送材
7 金電極
8 絶縁層
9 カーボン電極膜
10 太陽電池
11 作用電極
12 対向電極
13 封止層
14 密封空間
15 電解質層
16 光透過性基板
17 透明電極部材
18 色素増感半導体層 電解質層
19 対向基板
20 触媒電極層
21 貫通孔
22 封止材

Claims (3)

  1. 層状粘度鉱物を含有する炭素材料系触媒電極層を有することを特徴とする光電変換素子用正極であって、層状粘度鉱物と炭素材料の含有量の重量比が、30:0.05〜3:16であり、炭素材料がカーボンブラックであり、有機ポリマー成分含有量が20%であることを特徴とする光電変換素子用正極。
  2. 少なくとも(a)成分として層状粘度鉱物、(b)成分としてカーボンブラック、(c)成分としてカーボンブラック以外の導電性材料、(d)成分として(b)成分及び(c)成分以外の無機微粒子材料、並びに(e)成分として溶剤、を含むことを特徴とする光電変換素子用正極形成用スラリーであって、(a)成分の含有量が
    0.05〜16重量%、(b)成分の含有量が2〜50重量%、(c)成分の含有量が0.025〜14重量%、(d)成分の含有量が0.5〜40重量%であることを特徴とする光電変換素子用正極形成スラリー。
  3. 請求項2に記載のスラリーを基板上に塗布し、固化及び/又は乾燥することを特徴とする光電変換素子用正極の製造方法。
JP2016508678A 2014-03-19 2015-03-11 光電変換用正極、正極形成用スラリー及びこれらの製造方法 Active JP6374950B2 (ja)

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