JP2010177197A - 色素増感光電変換素子の製造方法 - Google Patents

色素増感光電変換素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】逆電子移動を防止することができる色素増感光電変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】透明導電性基板101上に半導体電極102を形成し、この半導体電極102の表面に色素103を吸着させる。表面に色素103が吸着した半導体電極102と対極104とを対向させ、それらの間に添加剤105を含む電解液106を封入し、色素増感太陽電池を製造する。添加剤105は、吸着の結果、半導体電極102の表面の露出を抑えることができるものを用いる。
【選択図】図6

Description

この発明は、色素増感光電変換素子およびその製造方法に関し、例えば、半導体微粒子焼結体からなる半導体電極を用いた色素増感太陽電池に適用して好適なものである。
従来、太陽電池としては様々な材質のものが検討されているが、シリコンを用いたものが多数市販されており、これらは大別して、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いた結晶シリコン系太陽電池と、非晶質(アモルファス)シリコン系太陽電池とに分けられる。
しかしながら、結晶シリコン系太陽電池では、光(太陽)エネルギーを電気エネルギーに変換する性能を表す光電変換効率が、アモルファスシリコン系太陽電池に比べて高いものの、結晶の成長に多くのエネルギーと時間とを要するため生産性が低く、コスト面で不利であった。
また、アモルファスシリコン系太陽電池は、結晶シリコン系太陽電池と比べて光吸収性が高く、基板の選択範囲が広い、大面積化が容易である等の特徴があるが、光電変換効率が結晶シリコン系太陽電池より低い。さらに、アモルファスシリコン系太陽電池は、生産性は結晶シリコン系太陽電池に比べて高いが、結晶シリコン系太陽電池と同様に、製造に真空プロセスが必要であり、設備面での負担は未だに大きい。
一方、上記のような課題を解決する方法として、有機材料を用いた太陽電池も長く検討されてきたが、多くは、光電変換効率が1%程度と低く、実用化には至らなかった。
その中で、非特許文献1で発表された色素増感太陽電池は、現在までに10%という高い光電変換効率を実現可能であることが示されており、かつ、安価に製造することができると考えられることから注目されている。色素増感太陽電池の一般的構造は、例えば特許文献1に記載されている。
この色素増感太陽電池においては、酸化チタン(TiO2 )等の金属酸化物半導体の微粒子を焼結させた半導体電極と白金(Pt)等からなる対極とを対向させ、それらの間に半導体電極と結合する物質からなる添加剤を加えた電解液を封入している。この添加剤は電解液中の逆電子移動を防ぐために添加されるもので、tert−ブチルピリジン(tert-Butylpyridine)、1−メトキシベンゾイミダゾール(1-Methoxybenzoimidazole)、長鎖アルキル基(C=13程度)を持つホスホン酸等が用いられている。これらの添加剤の特徴は電解液に均一に混合できること、半導体電極に結合できる官能基を有することである。
なお、TiO2 微粒子が分散されたTiO2 ペーストの作製方法が知られている(非特許文献2)。
特開平1−220380号公報
Nature 353,737,(1991) 荒川裕則「色素増感太陽電池の最新技術」(シーエムシー)p.45-47(2001)
しかしながら、本発明者らの行った実験によれば、上述の従来の色素増感太陽電池においては、電解液封入後に半導体電極の表面に予め吸着させていた色素が溶出してしまい、光電変換効率が急速に劣化してしまうことが確認されていた。
従って、この発明が解決しようとする課題は、逆電子移動を防止しつつ、半導体電極に予め吸着させておく色素の溶出を防止することができ、光電変換効率の経時劣化を抑えることができる色素増感太陽電池等の色素増感光電変換素子およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その概要について説明すると次のとおりである。
図6は従来の色素増感太陽電池の製造工程を示す。図6を参照して、電解液封入後に、半導体電極の表面に予め吸着させていた色素が溶出するメカニズムとして本発明者らが考えたものを説明する。図6Aに示すように、透明導電性基板101上に半導体微粒子焼結体からなる半導体電極102を形成した後、この半導体電極102の表面に色素103を吸着させる。次に、図6Bに示すように、色素103が吸着した半導体電極102と対極104とを対向させ、それらの間に添加剤105を加えた電解液106を封入する。ところが、電解液106の封入後、時間の経過とともに、図6Cに示すように、電解液106中の添加剤105が半導体電極102の表面に次々と吸着する結果、色素103が半導体電極102の表面から脱離し、電解液106中に溶出してしまう。
本発明者らは、上記のメカニズムの理解の下に、色素103の溶出を防止する方策を種々検討した結果、電解液106に添加剤105を加えるのではなく、半導体電極102の表面に予め色素103および添加剤105を吸着させておき、しかも電解液106には添加剤105を含ませないことが有効であるという結論に至り、実験的にもその有効性を確認し、この発明を案出するに至ったものである。
すなわち、上記課題を解決するために、第1の発明は、
表面に色素が吸着した半導体電極と対極との間に電解液を有する色素増感光電変換素子において、
色素の間の隙間の部分の半導体電極の表面に添加剤が吸着しており、かつ電解液に添加剤が含まれていない
ことを特徴とするものである。
第2の発明は、
表面に色素が吸着した半導体電極を添加剤を含む溶液に浸漬することにより色素の間の隙間の部分の半導体電極の表面に添加剤を吸着させる工程と、
色素および添加剤が吸着した半導体電極と対極との間に添加剤を含まない電解液を封入する工程とを有する
ことを特徴とする色素増感光電変換素子の製造方法である。
色素増感光電変換素子は、典型的には、色素増感太陽電池として構成される。ただし、色素増感光電変換素子は、色素増感太陽電池以外の光電変換素子、例えば色素増感光センサー等であってもよい。
半導体電極は、典型的には、半導体微粒子接合体からなる。ここで、半導体微粒子接合体とは、半導体微粒子焼結体のほか、マイクロ波等の電磁波の照射によって作製された半導体微粒子集合体、静電相互作用による半導体微粒子集合体、あるいはバインダーポリマーやろう材等の結着剤を介して形成される半導体微粒子集合体等を指すが、これらに限られるものではない。半導体電極の厚さや表面粗さに特に制限はない。
また、半導体微粒子接合体を構成する半導体微粒子とは、平均1次粒径(1次粒子の平均粒径)が1mm以下で、バンド間遷移が起こる半導体からなるものを指す。この半導体微粒子の形状については特に制限はなく、球状のもののほかに、棒状、針状、円錐状等いかなる形状のものであっても構わない。また、半導体の種類としては、バンド間遷移が起こるものであれば、いかなるものであっても構わないが、代表的なものとして、TiSrO3 ,BaTiO3 ,TiO2 ,Nb2 5 ,MgO,ZnO,WO3 ,Bi2 3 ,CdS,CdSe,CdTe,In2 3 ,SnO2 等の各種の金属酸化物半導体あるいは化合物半導体が挙げられる。これらのうち、TiO2 (特にアナターゼ型構造のもの)が特に好ましい。TiO2 からなる半導体微粒子接合体を用いる場合、色素増感光電変換素子の高性能化の観点からは、例えば厚さを10μm程度とし、表面粗さを大きくするのが好ましい。半導体の種類は上記のものに限定されるものではなく、これらを2種類以上混合あるいは複合化して用いることもできる。
半導体微粒子接合体を構成する半導体微粒子の平均1次粒径は1〜200nmが好ましく、特に好ましくは5〜100nm、さらに好ましくは5〜30nmである。また、この平均1次粒径の半導体微粒子にこの平均1次粒径より大きい平均1次粒径の半導体微粒子を混合し、平均1次粒径の大きい半導体微粒子により入射光を散乱させ、量子収率を向上させることも可能である。この場合、別途混合する半導体微粒子の平均1次粒径は20〜1000nmが好ましく、より好ましくは20〜500nm、さらに好ましくは100〜500nmである。これらの半導体微粒子において、粒度分布は単一のピークを有するものであっても、2つ以上のピークやブロードな粒度分布を持つものであっても構わない。また、これらの半導体微粒子は互いに同一の材料からなるものであっても、互いに異なる材料からなるものであってもよい。別途混合する半導体微粒子は、例えば、ルチル型TiO2 などの高屈折率材料により構成することもできる。
半導体微粒子接合体からなる半導体電極の作製方法に特に制限はなく、スパッタリング法や化学気相成長法(CVD)等を用いても良いが、物性、利便性、製造コスト等を考慮した場合、湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子の粉末あるいはゾルを水等の溶媒に均一分散したペーストを調製し、透明導電性基板上に塗布する方法が好ましい。塗布方法は特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、ゾルゲル法、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法により行うことができる。アナターゼ型TiO2 は市販の粉末、ゾル、スラリーでも良いし、あるいは酸化チタンアルコキシドを加水分解する等の公知の方法によって所定の粒径のものを作っても良い。市販の粉末を使用する際には粒子の二次凝集を解消することが好ましく、塗布液調製時に乳鉢やボールミル等を使用して粒子の粉砕を行うことが好ましい。このとき、二次凝集が解かれた粒子が再度凝集するのを防ぐため、アセチルアセトン、塩酸、硝酸、界面活性剤、キレート剤等を添加することができる。さらに、増粘の目的でポリエチレンオキシドやポリビニルアルコール等の高分子、セルロース系の増粘剤等、各種増粘剤を添加することもできる。
半導体電極または半導体微粒子接合体に吸着させる色素としては、増感作用をもたらすものである限り、いかなるものを使用することもできるが、具体的には、例えば、ビピリジン、フェナントリン誘導体、ローダミンB、ローズベンガル、エオシン、エリスロシン等のキサンテン系色素、キノシアニン、クリプトシアニン等のシアニン系色素、フェノサフラニン、カブリブルー、チオシン、メチレンブルー等の塩基性染料、クロロフィル、亜鉛ポルフィリン、マグネシウムポルフィリン等のポルフィリン系化合物、アゾ染料、フタロシアニン化合物、クマリン系化合物(クマリン誘導体)、アントラキノン系色素、多環キノン系色素等が挙げられる。色素としては、ルテニウム(Ru)、亜鉛(Zn)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)といった金属と錯体を形成したものを用いてもよい。これらの中でも、ルテニウムビピリジル錯体(N3、N719、black dye 等) は、量子収率が高く特に好ましい。色素としては、これらのものを2種類以上同時に用いることもできる。色素を溶解させる溶媒としては種々のものを用いることができ、必要に応じて選ばれるが、例えば、ルテニウムビピリジル錯体にはエタノール、n−ブタノール等、クマリン系色素にはエタノール、塩化メチレン等が用いられる。
上記の色素の半導体電極または半導体微粒子接合体への吸着方法に特に制限はないが、例えば上記の色素をアルコール類、ニトリル類、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ジメチルスルホキシド、アミド類、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類、炭酸エステル類、ケトン類、炭化水素、水等の溶媒に溶解させ、これに半導体電極または半導体微粒子接合体を浸漬し、もしくは色素溶液を半導体電極または半導体微粒子接合体に塗布する方法が一般的である。また、上記の色素を半導体微粒子の分散されたペーストへ溶解させ、予め色素が吸着した状態の半導体微粒子を塗布、プレス成型する方法を用いることもできる。この場合、1半導体微粒子に対する色素分子の吸着量は1〜100000分子であり、1〜10000分子がさらに好ましい。色素同士の会合を低減する目的でデオキシコール酸等のカルボン酸類を添加してもよい。また、紫外線吸収剤を併用することもできる。
添加剤としては、TiO2 等からなる半導体電極に結合する官能基(イミダゾリル基、カルボキシル基、ホスホン基等)を有し、結合の結果脱着を起こさず、かつ吸着の結果、半導体電極の表面の露出を抑えることができる分子が用いられ、具体的には、例えば、tert−ブチルピリジン(tert-Butylpyridine)、1−メトキシベンゾイミダゾール(1-Methoxybenzoimidazole)、デカンリン酸(decanephosphoric acid)等の長鎖アルキル基(C=13程度)を持つホスホン酸等が用いられる。
半導体電極または半導体微粒子接合体は、典型的には透明導電性基板上に設けられる。この透明導電性基板は、導電性または非導電性の透明支持基板上に透明導電膜を形成したものであっても全体が導電性の透明基板であっても良い。この透明支持基板の材質は特に制限されず、透明であれば種々の基材を用いることができる。この透明支持基板は、色素増感光電変換素子外部から侵入する水分やガスの遮断性、耐溶剤性、耐候性等に優れているものが好ましく、具体的には、石英、ガラス等の透明無機基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、テトラアセチルセルロース、ブロム化フェノキシ、アラミド類、ポリイミド類、ポリスチレン類、ポリアリレート類、ポリスルフォン類、ポリオレフィン類等の透明プラスチック基板が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この透明支持基板としては、加工性、軽量性等を考慮すると透明プラスチック基板を用いるのが好ましい。また、この透明支持基板の厚さは特に制限されず、光の透過率、色素増感光電変換素子内部と外部との遮断性等によって自由に選択することができる。
透明導電性基板のシート抵抗は低いほど好ましい。具体的には、透明導電性基板のシート抵抗は500Ω/□以下が好ましく、100Ω/□がさらに好ましい。透明支持基板上に透明導電膜を形成する場合、その材料としては公知のものを使用可能であり、具体的にはインジウム−スズ複合酸化物(ITO)、フッ素ドープSnO2 (FTO)、SnO2 等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらを2種類以上組み合わせて用いることもできる。また、透明導電性基板のシート抵抗を低減し、集電効率を向上させる目的で、透明導電性基板上に、導電性の高い金属の配線をパターニングすることも可能である。
対極としては導電性物質であれば任意のものを用いることができるが、絶縁性の物質でも、半導体電極に面している側に導電層が設置されていれば、これも使用可能である。ただし、電気化学的に安定である物質を対極に用いることが好ましく、具体的には、白金、白金黒、カーボン、導電性高分子等を用いることが望ましい。対極は石英ガラス基板等の透明または不透明の基板上に上記の物質の膜を形成したものであっても良いし、白金基板等であっても良い。
対極に用いるカーボン系材料の形態は特に問わず、種々のものであってよいが、具体的には、針状炭素、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ(カーボンナノホーンを含む)等である。これらの各種の形態のカーボンは、ポリマー化あるいは官能基の導入あるいはN原子のドープにより、さらに良好な効果を発現する可能性がある。このカーボンの比表面積は、対極上での電荷移動速度を向上させるために大きいことが望ましく、一般的には、少なくとも10m2 /g以上、好適には100m2 /g以上に選ばれる。このカーボンを用いて作製される対極の表面積は、投影面積の100倍以上であることが知られている。このカーボンの粒径は一般に100nm以下であるが、対極の成形性向上を目的として粒径がより大きいカーボンを混合することも可能である。この粒径がより大きいカーボンの粒径に特に制限はないが、例えば、対極の厚さが最大で20〜30μmである場合を考えると、最大で1〜数μm程度である。
上記のカーボン系材料には、対極上での迅速な電荷移動を実現するため、好適には金属が担持される。この金属は、例えば、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)および金(Au)からなる群より選ばれた少なくとも一種類の金属であり、これらの混合物あるいは化合物も含まれる。カーボンに金属を担持させることによってカーボン単体の場合よりも良好な電極特性を得ることができ、金属の担持量を増加させることによってより電極特性が向上するが、カーボン単体に比べて特性の改善効果を明確に得るためには、カーボンへの金属の担持量はこのカーボンに対して少なくとも5重量%(wt%)以上とすることが望ましい。一方、担持させる金属として貴金属のPtを用いる場合、低コスト化を重視する観点からは、その使用量をできるだけ抑えることが望ましいため、例えば50wt%以下とすることが望ましい。
上記のカーボン系材料は、典型的にはバインダーと複合化される。このバインダーとしては、公知の材料、例えば、各種のピッチ、ラバー、合成樹脂等を用いることができる。このバインダーは電解液に不溶であることが好ましい。このバインダーは、具体的には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオルエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)、等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系フッ素ゴム(TFE−P系フッ素ゴム)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系フッ素ゴム、熱可塑性フッ素ゴム(例えば、ダイキン工業製ダイエルサーモプラスチック)、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース類を使用することができる。これらのうち、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、特に溶剤によって溶解することができ、スラリーとの混合が容易である、また、光熱等に対する安定性に優れている点で好ましい。バインダーとしては上記のものを2種類以上混合して用いてもよい。
上記バインダーは通常、粉末状のバインダー材料を溶媒を用いて、溶解あるいは分散した状態で使用されるが、溶媒を用いずに粉末のまま使用される場合もある。使用する溶媒は特に限定されず、水、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン等の各種溶剤を目的に応じて選択すればよい。
バインダーの添加量は、その後の製造プロセスや使用時に必要とされる基材に対する必要な付着性が得られる限り特に制限はないが、一般的には、カーボンに対して5wt%以上、特に好ましくは15wt%以上である。バインダーが少なすぎると基材に対する接着性が不十分となり、バインダーが多すぎると電極の特性が不十分となる。
対極にカーボン系材料を用いる場合、その対極を形成する方法には特に制限はないが、例えば以下のような方法によって容易に形成することが可能である。すなわち、例えば、Pt等の金属を担持したカーボンにNMPとPVDFとを加え、これらを均一になるまで混合し、スクリーン印刷法、ブレードコーティング法等によって、ガラス、ポリマーフィルム、金属等からなる導電性基板上に塗布し、これを加熱、減圧、あるいはその両方を用いて乾燥させ、 必要に応じてプレスすることにより、金属担持カーボンからなる対極を形成することができる。ここで、ガラス、ポリマーフィルム、金属上には、ITO,FTO等の透明導電体層、Pt,Ru,Ni等の金属層やカーボン層等が形成されていても構わず、これらが積層されていても構わない。また、プレスする際に加熱を併用しても構わない。この時の温度は、用いるPVDFのガラス転移点以上であることが望ましい。
また、バインダーとしては、セルロース、PTFE等の水溶性ポリマーを用いることもできる。この場合は、水とイソプロパノールとを徐々に加えながら、カーボンに対して50wt%のバインダーポリマーを均一になるまで混合し、スクリーン印刷法、ブレードコーティング法等によって、ガラス、ポリマーフィルム、金属等からなる導電性基板上に塗布し、これを加熱、減圧、あるいはその両方を用いて乾燥させ、 プレスすることにより対極を形成することができる。またこの場合、加熱を併用する時の温度は、用いるバインダーのガラス転移点以上であることが望ましい。
カーボン系材料を用いた対極を形成する基板としては、導電性高分子を用いた対極を形成する場合と同様な基板を用いることができる。
対極に用いる導電性高分子としては、一般的に知られているものはおよそ使用することができ、具体的には、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリアセン、ポリアズレン、ポリインドールあるいはそれらの誘導体を用いることができるが、これらに限られるものではない。特に好適な導電性高分子として、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やポリアルキルチオフェン類等が挙げられる。
対極に導電性高分子を用いる場合、その対極を形成する方法に特に制限はないが、例えば、熱重合法あるいは電気化学重合法(電解重合法)といった一般的に用いられる方法によって容易に形成することができる。具体的には、例えば、ITO基板にエチレンジオキシチオフェン(EDOT)、Fe(III)p-toluenesulfonate、イミダゾールのn−BuOH溶液をスピンコートし、100℃で5分間熱重合させた後、MeOHで洗浄することによってPEDOT対極を得ることができる。あるいは、電解溶液としてEDOT0.2M,LiClO4 0.2Mプロピレンカーボネート(PC)溶液、対極にPt、参照極にAg/Ag+ 、作用極にITOを用い、定電流電解法によって100μA/cm2 で電解重合することによりITO上にPEDOT対極を形成することができる。
上記の電解重合には、定電流法だけでなく、定電位法、電位掃引法、パルス電流法等の一般に知られている方法を用いることができる。また、特定のモルフォロジーを持たせるために液晶中で重合するといった手法も適宜用いることが可能である。あるいは、磁界中で重合する方法を用いることも可能である。この場合、磁界の強度は、所望の目的を実現できるものであれば特に問わない。導電性高分子の重合溶媒としては、水、CH3 CN、プロピレンカーボネート等の有機溶媒のほか、高分子固体電解質やその前駆体、常温溶融塩等を、単独、あるいは混合して用いることができる。
また、導電性高分子を溶解した溶液をキャストあるいはスピンコートする方法によって対極を形成しても構わない。ポリマー溶液としては、PEDOT/PSS(ポリスチレンスルホン酸)水分散溶液等が挙げられる。この場合、必要に応じてバインダーポリマーを使用しても構わない。
導電性高分子を用いた対極を形成する基板としては、典型的には導電性基板が用いられる。この導電性基板は、全体が導電性の単体基板であっても、導電性または非導電性の支持基板上に導電膜を形成したものであってもよい。この基板の材質は、具体的には、ITO、フッ素ドープSnO2 (FTO)、SnO2 といった透明導電材料や、金属、カーボン等の良電導性材料であれば特に問わないが、電解質溶液に対して化学的、電気化学的に安定であることが望ましい。さらに、多孔質のカーボン電極や金属担持カーボン電極、白金黒、金属微粒子、エッチングしたITO等と組み合わせるといった方法も、用いることが可能である。
電解液は、例えば、ヨウ素−ヨウ素塩(ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム等)等をアセトニトリル、炭酸プロピレン、メトキシプロピオニトリル等の溶媒に溶解させたものを用いることができる。
色素増感光電変換素子の製造方法は特に限定されないが、例えば、半導体電極と対極とを対向させ、これらが接しないように、半導体電極が形成されていない基板部分を封止する。このとき、半導体電極と対極との隙間の大きさに特に制限はないが、通常1〜100μmであり、より好適には1〜50μmである。この電極間の距離が長すぎると、導電率の低下から光電流が減少してしまう。封止方法は特に制限されないが、対光性、絶縁性、防湿性を備えた材料が好ましく、種々の溶接法、エポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂、アクリル系接着剤、EVA(エチレンビニルアセテート) 、アイオノマー樹脂、セラミック、熱融着フィルム等を用いることができる。また、電解液を注液する注入口が必要であるが、半導体電極およびそれに対向する部分の対極上でなければ、注入口の場所は特に限定されない。注液方法に特に制限はないが、予め封止され、溶液の注入口を開けられた上記セルの内部に注液を行う方法が好ましい。この場合、注入口に溶液を数滴垂らし、毛細管現象により注液する方法が簡便である。また、必要に応じて減圧もしくは加熱下で注液の操作を行うこともできる。完全に溶液が注入された後、注入口に残った溶液を除去し、注入口を封止する。この封止方法にも特に制限はないが、必要であればガラス板やプラスチック基板を封止剤で貼り付けて封止することもできる。
色素増感光電変換素子はその用途に応じて様々な形状で作製することが可能であり、その形状は特に限定されない。
上述のように構成されたこの発明においては、色素の間の隙間の部分の半導体電極の表面に添加剤を予め吸着させておき、電解液としては添加剤を含まないものを用いることにより、半導体電極の表面に吸着した添加剤により逆電子移動を防止しつつ、電解液による色素の溶出の問題を解消することができる。
この発明によれば、逆電子移動を防止しつつ、半導体電極に予め吸着させておく色素の溶出を防止することができ、光電変換効率の経時劣化を抑えることができる。
この発明の一実施形態による色素増感太陽電池の要部の断面図である。 この発明の一実施形態による色素増感太陽電池の要部を示す模式図である。 この発明の一実施形態による色素増感太陽電池の製造方法を説明するための模式図である。 実施例および比較例による色素増感太陽電池の電流−電圧特性を示す略線図である。 実施例および比較例による色素増感太陽電池の光電変換効率の経時変化を示す略線図である。 従来の色素増感太陽電池の問題点を説明するための模式図である。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の一実施形態による色素増感太陽電池を示す。
図1に示すように、この色素増感太陽電池においては、透明導電性基板1上にTiO2 、ZnO2 等の半導体微粒子焼結体層からなる半導体電極2を形成し、その表面に色素を吸着させたものと、基板3上に対極4を形成したものとが、それらの半導体電極2および対極4が所定の間隔をもって互いに対向するように配置され、それらの間の空間に電解液5が封入され、これらの全体がケース6内に収納されて封止されている。ただし、ケース6内に収納する代わりにこれら全体を樹脂封止してもよい。透明導電性基板1と対極4とは導線で互いに接続されており、アンメータ7付きの電流回路8が形成されている。この場合、透明導電性基板1側から半導体電極2に光があたる構造となっている。
ここで特徴的なことは、図2に示すように、半導体電極2の表面には色素9が吸着しているだけでなく、この色素9の間の隙間の部分の半導体電極2の表面に添加剤10も吸着していることである。そしてこの場合、電解液5中には、従来と異なり添加剤が加えられていないことも大きな特徴である。色素9および添加剤10は、例えば、すでに挙げたものの中から必要に応じて選ぶことができる。
対極4と基板3との密着性を向上させるために、例えばCr等からなる層をそれらの間に介在させたり、基板3の表面に微細な凹凸を形成するようにしてもよい。
透明導電性基板1および基板3は、例えば、すでに挙げたものの中から必要に応じて選ぶことができる。
電解液5の電解質、溶媒等としては、例えば、すでに挙げたものの中から必要に応じて選ぶことができる。また、電解液5中には、必要に応じて支持電解質を加えてもよい。
対極4としては、白金、白金黒等からなるものや、導電性高分子からなるもの、あるいは、カーボン、特に金属を担持したカーボンとバインダーポリマーとからなるもの等が用いられる。導電性高分子としては、例えば、すでに挙げたものの中から必要に応じて選ぶことができる。また、金属を担持したカーボンの形態は、基本的にはいかなる形態であってもよいが、好適には、比表面積が大きいカーボンナノチューブ(カーボンナノホーンを含む)、針状炭素、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等である。カーボンに担持させる金属としては、Pt,Ru,Co,Ti,Ni,AlおよびAuからなる群より選ばれた少なくとも一種類の金属を使用することができ、その担持量はカーボンに対して例えば5wt%以上である。また、バインダーポリマーとしては、例えば、すでに挙げたものの中から必要に応じて選ぶことができる。また、カーボンあるいは金属担持カーボンと導電性高分子とを混合あるいは複合化して用いることもできる。
次に、この色素増感太陽電池の製造方法について説明する。
まず、透明導電性基板1上に半導体微粒子が分散されたペーストを所定のギャップ(厚さ)に塗布する。次に、この透明導電性基板1を所定温度に加熱して半導体微粒子を焼結し、半導体微粒子焼結体からなる半導体電極2を形成する。
次に、この半導体電極2が形成された透明導電性基板1を色素溶液に浸漬する等して半導体電極2の表面に色素9を担持させる。これによって、色素9を担持した半導体電極2が形成される。この状態の半導体電極2を図3Aに模式的に示す。
次に、図3Bに示すように、容器11内に、添加剤10を溶媒に溶かした溶液12を入れておき、この溶液12中に半導体電極2が形成された透明導電性基板1を浸漬し、さらに容器11に蓋13をし、半導体電極2の表面に添加剤10を吸着させる。
こうして添加剤10を吸着させた後、半導体電極2が形成された透明導電性基板1を容器11から取り出す。この後、半導体電極2の表面を洗浄する。この状態の半導体電極2を図3Cに模式的に示す。
一方、基板3上に対極4を形成したものを別途用意する。そして、図3Dに示すように、上記の透明導電性基板1とこの基板3とを、それらの半導体電極2および対極4が所定の間隔、例えば1〜100μm、好ましくは1〜50μmの間隔をおいて互いに対向するように配置するとともに、所定の封止部材を用いて電解液5が封入される空間を作り、この空間に予め形成された注液口から電解液5を注入する。その後、この注液口を塞ぐ。これによって、色素増感太陽電池が製造される。
この色素増感太陽電池の動作メカニズムは次のとおりである。
透明導電性基板1側より入射した光が、半導体電極2に吸着された色素9を励起し、この励起された色素9は半導体電極2に電子を速やかに渡す。一方、電子を失った色素9は、キャリア移動層である電解液5のイオンから電子を受け取る。電子を渡した分子は、再び対極4で電子を受け取る。このようにして両極間に電流が流れるようになる。上述のように、透明導電性基板1と対極4とは電流回路8によって接続されているので、発生した電子は半導体電極2を通じて対極4へ流れる。これによって、透明導電性基板1と対極4との間から電気エネルギーを取り出すことができる。
以下のようにして色素増感太陽電池を製造した。
半導体微粒子としてアナターゼTiO2 微粒子を用いた。TiO2 ペーストを非特許文献2を参考にして以下のように作製した。
まず、平均1次粒径15nmのアナターゼTiO2 が15wt%、ポリエチレングリコール(PEG)(分子量=500000)が5wt%、水が80wt%となるように混合し、これを遊星ボールミルを用いて混合することにより、均一なTiO2 ペーストを得た。
また、透明導電性基板1としてシート抵抗が10Ω/□のFTO基板を用い、上記のようにして得られたTiO2 ペーストを、このFTO基板上にスクリーン印刷法で0.7cm×0.7cmの大きさで塗布した。
次に、このTiO2 ペーストが塗布されたFTO基板を、電気炉において450℃で30分間加熱焼成し、TiO2 からなる半導体微粒子接合体層を形成し、半導体電極2とした。この後、この半導体電極2に紫外光を照射してTiO2 の光触媒効果により残留有機物を除去した。
次に、色素としてルテニウムビピリジル錯体M719((TBA)2 [Ru(dcbpy)2 (NCS)2 ]、TBA=テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammonium) 、dcbpy=4,4'−ジカルボキシ−2,2'−ビピリジン(4,4'-dicarboxy-2,2'-bipyridine))、溶媒としてn−ブタノール:アセトニトリル=1:1のものを用いて色素溶液を濃度0.1〜2mM程度、例えば0.3mMに調製し、この色素溶液に半導体電極2を80℃で12時間浸漬することにより色素を半導体電極2の表面に吸着させた。この色素が吸着した半導体電極2を4−tert−ブチルピリジンのエタノール溶液、脱水エタノールの順で洗浄し、暗所で乾燥させた。
次に、溶液11として、ヨウ化ナトリウム(NaI)0.1M、1−プロピル−2,3 ジメチルイミダゾリウムヨウ化物(1-propyl-2,3 dimethylimidazolium iodide:DMP II)0.6M、ヨウ素(I2 )0.05M、添加剤であるtert−ブチルピリジン(TBP)0.5Mのメトキシアセトニトリル(MeACN)溶液からなる電解液を調製し、この電解液に、表面に色素が吸着した半導体電極2を5〜10分間浸漬し、色素が吸着できなかったサイトの半導体電極2の表面に添加剤としてtert−ブチルピリジンを吸着させた。その後、メトキシアセトニトリルにより、半導体電極2に付着した電解液をすすぎ落とし、風乾させた。
基板3としてガラス基板を用い、その上にCrのスパッタリングを行い、さらにその上にPtのスパッタリングを行って対極4を形成した。
次に、添加剤の入っていない電解液、具体的には、ヨウ化ナトリウム0.1M、DMP II 0.6M、ヨウ素0.05Mのメトキシアセトニトリル溶液からなる電解液5を調製した。
次に、半導体電極2と対極4とを対向させ、半導体電極2が形成されていない基板部分を封止し、半導体電極2と対極4との間の空間に上記電解液5を注入することにより、色素増感太陽電池を作製した。
この色素増感太陽電池の電流(I)−電圧(V)特性および光電変換特性の評価を行った。その結果を図4に示す。ここで、光電変換効率は、色素増感太陽電池における透明導電性基板1と対極4とに、それぞれワニ口クリップを接続し、色素増感太陽電池に光を照射して発生した電流を電流電圧測定装置にて測定した。この測定で得られた最高出力と光照射強度との比を光電変換効率とした。なお、光源としてキセノンランプを用い、擬似太陽光(AM1.5、100mW/cm2 )を色素増感太陽電池に照射した。
図4において、試料1、2は実施例による色素増感太陽電池、試料3〜7は比較例による色素増感太陽電池であって、試料3〜5は電解液に添加剤を加えておらず、しかも半導体電極2に予め添加剤を吸着させていないことを除いて試料1、2と同じ色素増感太陽電池、試料6、7は添加剤が加えられている電解液を用いた従来の色素増感太陽電池である。図4より、添加剤が加えられている電解液を用いた従来の色素増感太陽電池(試料6、7)の電流値よりも、実施例による色素増感太陽電池(試料1、2)の電流値の方が大きく、また、他の特性も従来の色素増感太陽電池とほとんど変わらなかった。
図5は試料1、6の色素増感太陽電池の光電変換効率(規格化した値)の経時変化を示す。図5に示すように、実施例による色素増感太陽電池(試料1)および添加剤が加えられている電解液を用いた従来の色素増感太陽電池(試料6)とも、15日位までは光電変換効率にあまり差がないが、それ以降は従来の色素増感太陽電池の光電変換効率は時間の経過とともに急激に低下するのに対し、実施例による色素増感太陽電池の光電変換効率の低下は少ない。これは、実施例による色素増感太陽電池では、半導体電極2に吸着した添加剤10の溶出が防止されていることによる。
以上のように、この一実施形態による色素増感太陽電池によれば、半導体電極2の表面に色素9に加えて添加剤10を予め吸着させておき、かつ添加剤10を加えていない電解液5を用いているので、半導体電極2の表面に予め吸着させた添加剤10により逆電子移動を防止しつつ、光電変換効率の経時劣化を防止することができ、寿命の向上を図ることができる。
以上、この発明の一実施形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた数値、構造、形状、材料、原料、プロセス等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、形状、材料、原料、プロセス等を用いてもよい。
1…透明導電性基板、2…半導体電極、3…基板、4…対極、5…電解液、6…ケース、7…アンメータ、8…電流回路

Claims (4)

  1. 表面に色素が吸着した半導体電極と対極との間に添加剤を含む電解液を封入する工程を有する色素増感光電変換素子の製造方法。
  2. 上記添加剤は、吸着の結果、上記半導体電極の表面の露出を抑えることができる分子からなる請求項1記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
  3. 上記半導体電極が半導体微粒子接合体からなる請求項1記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
  4. 上記色素増感光電変換素子が色素増感太陽電池である請求項1記載の色素増感光電変換素子の製造方法。
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