JPH09255813A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JPH09255813A JPH09255813A JP8091808A JP9180896A JPH09255813A JP H09255813 A JPH09255813 A JP H09255813A JP 8091808 A JP8091808 A JP 8091808A JP 9180896 A JP9180896 A JP 9180896A JP H09255813 A JPH09255813 A JP H09255813A
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Abstract
傍までの種々の氷路面上において優れた走行性能を有す
る空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 タイヤトレッドに発泡ゴム層を設けた空
気入りタイヤである。前記発泡ゴム層が10〜120μmの平
均気泡径と3〜50%の発泡率とを有する。前記発泡ゴム層
の固相ゴム部が70〜20重量部の天然ゴムと、30〜80重量
部のポリブタジエンゴムとを含むジエン系ゴム成分100
重量部に対し、カーボンブラック5〜55重量部と、シリ
カ55〜5重量部と、短繊維1〜15重量部とを含有し、0℃
における硬度が52以下である。前記短繊維が0.5〜3mmの
範囲内でかつタイヤ表面の最小サイプ間隙より短い長さ
と、30〜100μmの太さと、5〜100のアスペクト比とを有
し、170℃における熱収縮率が8%以下である。
Description
し、特に氷路面上での制動、駆動、コーナリング性等の
走行性能(以下単に「氷上性能」と称する場合がある)
を著しく向上した空気入りタイヤに関する。
ヤトレッドに発泡ゴムと短繊維を用いたものは、例え
ば、特開平4−38206号公報、特開平4−1767
07号公報、特開平4−176708公報等に開示され
ている。これらに開示されている氷上性能向上のための
技術は、そのエッヂ効果を上げる為、繊維をタイヤ周方
向に配向させ、剛性を上げ、その一方で、ゴムが氷路面
に接触して発生する凝着摩擦力効果(以下単に「凝着効
果」と称する)に重要なタイヤ径方向は繊維の配向と直
角方向として剛性を上げないようにし、これら両効果の
両立を図ったものである。
させて配合しても、ゴムとの接着処理を施した繊維は勿
論のこととして接着処理をほどこさない繊維でも、ある
大きさ以下のものは充填効果により配向と直角方向でも
トレッドゴムの剛性は上がってしまう。さらに、発泡と
の併用では周方向への繊維の配向は乱されると共に、実
際のスタッドレスタイヤではトレッド部に非常に密な状
態でサイプと呼ばれるミゾが入っており、タイヤ加硫時
にこのサイプを形成する為のブレードにより配合繊維の
配向はさらに乱されてしまうこととなる。この結果、凝
着効果に重要なタイヤ径方向の剛性も上がってしまい、
結果的には氷上性能の向上は殆ど観られない。
繊維状物質をランダムに配合した発泡ゴム組成物が開示
されており、この場合、配向こそしていないが、全方向
で弾性率が上がり、氷上性能の向上効果はあまり大きい
ものではない。
は、接着性の悪い短繊維を発泡ゴムに混入することによ
り短繊維のまわりに発泡ガスを集めて連通気泡を生ぜし
め、これにより除水効果を高めて氷上性能を向上せしめ
ようとする技術が開示されている。しかし、実際には発
泡反応が短繊維周囲に集中することはない。ただし、ゴ
ムとの接着性の悪い短繊維が配合されているので該繊維
は走行により脱離しやすく、その脱離跡の凹部による除
水効果は考えられる。しかし、この効果も、アラミド繊
維やカーボン繊維等の剛直な繊維を用いるとゴム全体の
硬度が上がってしまい、凝着効果にマイナスとなり、一
方、一般のナイロン繊維、ポリエステル繊維等の有機繊
維を用いると成形加工中に熱収縮を起こし、図2の
(イ)から(ロ)への形状変化が起きてしまう。こうな
ると除水した水の流れがスムーズではなくなり、効率的
に接地面から排水しにくくなり、十分な氷上性能の向上
効果が得られなくなる。また、これらの有機繊維でも、
やはりある大きさ以下になると充填効果が発生し、ゴム
全体の硬度が上がってしまうという問題がある。
発泡ゴムと短繊維の組合せではゴム全体の硬度が上がっ
てしまう等の問題があり、乾燥路面や湿潤路面での走行
性能は確かに向上するかもしれないが、スタッドレスタ
イヤ本来の目的である氷上性能の向上は十分とはいえな
かった。
との組合わせに係るトレッドゴムにおいて、タイヤ諸性
能を低下させることなく従来に比し優れた除水効果を生
じると同時に十分な凝着効果をも発揮し、極低温から0
℃近傍までの種々の氷路面上において優れた走行性能を
有する空気入りタイヤを提供することにある。
の課題を解決すべく、トレッドゴムに配合する短繊維の
形状等の特性、固相ゴム(ゴムマトリックス)の配合
系、ゴム全体の物性、発泡率、発泡径、さらには発泡径
と短繊維の太さとの関係に着目し鋭意検討した結果、以
下の構成とすることにより上記課題を解決し得ることを
見出し、本発明を完成するに至った。
イヤトレッドの少なくとも路面と実質的に接する面に、
独立気泡を含有する発泡ゴム層を設けた空気入りタイヤ
において、前記発泡ゴム層が10〜120μmの平均気
泡径と3〜50%の発泡率とを有し、前記発泡ゴム層の
固相ゴム部が70〜20重量部の天然ゴムと、30〜8
0重量部のポリブタジエンゴムとを含むジエン系ゴム成
分100重量部に対し、カーボンブラック5〜55重量
部と、シリカ55〜5重量部と、短繊維1〜15重量部
とを含有し、0℃における硬度が52以下であり、前記
短繊維が0.5〜3mmの範囲内でかつタイヤ表面の最
小サイプ間隙より短い長さと、30〜100μmの太
と、5〜100のアスペクト比とを有し、170℃にお
ける熱収縮率が8%以下であることを特徴とするもので
ある。
(N2SA)が120〜170m2/gであり、かつ前記
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)が180〜25
0m2/gであることが好ましい。
の太さが次式、 −30≦平均発泡径−短繊維太さ≦40 (μm) で表される関係を満たすことが好ましい。
合された短繊維は、走行中に脱離することで水の流路を
形成し、接地面からの除水効果を高めると共に、走行に
よる摩耗時に核となり、発泡の凹部を連結させ、より効
果的な除水形態をトレッド表面に作り出す作用を有す
る。また同時に、ゴムマトリックスを充填効果により極
力硬化させない形態を有している。
面に作り出す様子を図1の(イ)〜(ハ)に示す。先
ず、走行初期の(イ)においては、路面と実質に接する
トレッド面1には発泡孔2とともに短繊維3が存在す
る。次に、走行後の(ロ)においては、短繊維3が脱離
した跡に凹部4が形成され、かかる凹部4が流路を形成
する。その後、摩耗の進行とともに(ハ)に示すよう
に、発泡孔2と短繊維の脱離跡の凹部4とが核となり、
除水のための流路のネットワーク5が形成され、除水効
果が、より高められることになる。
は、長さが0.5〜3mm、好ましくは1.5〜2.5
mmの範囲内である。0.5mm未満であると除水の為
の流路の形成が不十分であり、一方3mmより長いとゴ
ムマトリックスが硬くなり過ぎると共に作業性が著しく
劣る。また、タイヤ表面の最小サイプ間隙より短くなく
てはならない。最小サイプ間隙より長くなってしまう
と、著しく作業性が低下する。
μm、好ましくは40〜80μmの範囲内である。30
μm未満ではゴムマトリックスが著しく硬くなり、一
方、100μmより太いと、短繊維自体の製造が困難に
なると共に単位面積当りの本数が減り、除水の為の流路
の形成が不十分となる。
〜100、好ましくは15〜75の範囲内である。5未
満であると流路の形成が不十分であり、一方100より
大きいと作業性が劣ると共にゴムマトリックスが硬くな
り過ぎる。
以下、好ましくは1〜4%である。8%より大きいと熱
収縮により、混練り、押出し、加硫の各工程を経る毎に
カールが進行してしまい、除水の為の流路の形成が不十
分となる。一方、ゴムマトリックスを硬くし過ぎない為
には、好ましくは1%以上の熱収縮率があった方がよ
い。また、製造面からは、より一層の熱覆歴を与えない
為に混練工程での短繊維の投入はプロ練り時がよく、ノ
ンプロ練り時に投入する場合には、数工程混合した後
で、ムーニー粘度が低い状態で投入することが好まし
い。
好ましくは3〜10重量部である。1重量部未満では流
路の形成が不十分であり、一方15重量部を超えると耐
摩耗性の低下が著しいと共に、ゴムマトリックスが硬く
なり過ぎる。
に170℃での熱収縮率が8%以下であれば特に制限さ
れず、有機合成繊維、再生繊維および天然繊維から選択
することができる。有機合成繊維としては、ナイロン、
ポリエステル、アラミド等、再生繊維としてはレーヨン
等、天然繊維としては綿、羊毛等が夫々挙げられる。こ
れらのうち、熱収縮を制御しやすいナイロン繊維および
ポリエステル繊維が好ましい。
レッドの発泡ゴム層の平均気泡径は10〜120μm、
好ましくは20〜100μmである。10μm未満では
低温時のゴム全体の柔軟性が失われると共に、除水効果
が十分でなく、一方120μmを超えると耐摩耗性が低
下したり、発泡ゴムの歪復元力が低下し、耐ヘタリ性が
悪化する。また、発泡率は3〜50%、好ましくは15
〜40%である。3%未満では氷上性能の改良効果が観
られず、一方50%より大きいと耐摩耗性、および乾燥
路面や湿潤路面での操縦安定性が著しく低下する。
いて、発泡剤として、例えば、二酸化炭素を発生する重
炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウムおよび窒素を発生
するニトロソスルホニルアゾ化合物、例えば、ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−
N,N’−ジニトロソフタルアミド、アゾジカルボンア
ミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニ
ルヒドラジド、p,p’−オキシ−ビス(ベンゼンスル
ホニルヒドラジド)、p−トリエンスルホニルセミカル
バジド、p,p’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニル
セミカルバジド)等が挙げられ、加硫温度に応じてこれ
らを適宜選択して使用する。また、発泡助剤としては尿
素等が挙げられる。
トリックスゴム)は天然ゴム(NR)を70〜20重量
部とポリブタジエンゴム(BR)を30〜80重量部、
好ましくはNRを50〜30重量部とBRを70〜50
重量部含むジエン系ゴム成分から構成される。かかるジ
エン系ゴム100重量部に対しNRが70重量部を超え
ると低温での柔軟性が失われ、一方20重量部未満では
破壊特性が低下し、ブロック欠け、サイプ欠け等の発生
が多くなる。また、BRが30重量部未満でも低温の柔
軟性が失われ、一方80重量部を超えると破壊特性が低
下すると共に湿潤路面での操縦安定性(以下「ウェット
性」と称する)が著しく悪化する。
ゴム100重量部に対し、カーボンブラックが5〜55
重量部、好ましくは10〜50重量部、シリカが5〜5
5重量部、好ましくは30〜50重量部配合される。カ
ーボンブラックが5重量部未満だと耐摩耗性、ウェット
性が不十分であり、一方55重量部より多いと低温での
柔軟性が失われる。また、シリカも同様に、5重量部未
満だと耐摩耗性、ウェット性が不十分であり、一方55
重量部より多いと低温での柔軟性が失われる。
るBRの比率が多くなるにつれ、シリカの添加量を増や
すことが好ましい。例えば、BRの比率が50%になれ
ばシリカは少なくとも30重量部配合されることが好ま
しい。
クおよびシリカは、夫々窒素吸着比表面積(N2 SA)
が120〜170m2 /g、180〜250m2 /gの
範囲内であることが好ましい。夫々かかる範囲より小さ
いと十分な耐摩耗性が確保されず、逆に大きすぎると作
業性が著しく低下すると共に低温での柔軟性が失われ
る。 なお、ここでの窒素吸着比表面積(N2SA)は
ASTM D4820−93法に準拠して求められる値
である。
る硬度は52以下、好ましくは40〜49の範囲内であ
る。52より大きいと、凝着効果が不十分で特に低温時
の氷上性能が低下する。但し、40未満であると乾燥路
面およに湿潤路面で操縦安定性が大幅に低下する。
における平均発泡径と短繊維の太さの関係が次式、 −30≦平均発泡径−短繊維太さ≦40 (μm) の関係を満たすことが好ましくは、さらに好ましくは次
式、 0≦平均発泡径−短繊維太さ≦30 (μm) の関係を満たすようにする。この関係式は、短繊維が脱
落後走行により、より好ましい排水の流路を形成するよ
うに摩耗形態をコントロールする上で重要であり、上記
式の上限または下限を逸脱した場合には、いずれの場合
も上記流路の形成が不十分で氷上性能の向上が小さくな
ってしまう。
分の他、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤、加硫剤、
シランカップリング剤、分散剤、ステアリン酸、亜鉛
華、軟化剤、例えば、アロマ系オイル、ナフテン系オイ
ル、パラフィン系オイル、エステル系可塑剤、液状ポリ
マー(液状ポリイソプレンゴム、液状ポリブタジエンゴ
ム)等を適宜配合することができ、必要に応じてはCa
CO3 、MgCO3 、Al(OH)3 、クレー等の充填
剤を添加することもできる。
は、発泡ゴム層がトレッド部の外側(上層)にあり、内
側には他のゴム層を持つ、いわゆるキャップ・ベース構
造とすることができ、この場合、内側トレッド部は無発
泡で硬度が55〜70の範囲とし、外側トレッド部の硬
度より高くすることが望ましい。
体的に説明する。実施例1〜8 下記の表1に示す配合処方のように、天然ゴムとシス−
1,4−ポリブタジエンゴムの比率、カーボンブラック
とシリカの量、発泡剤、架橋密度を調整して発泡率、硬
度を変化させ、また短繊維の種類、量を変化させること
によって実施例1〜8の各種タイヤトレッド用ゴム組成
物を調製した。
タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。なお、比較例
1、2は短繊維の入っていない場合、比較例3は短繊維
の熱収縮が大きい場合、比較例4は短繊維の太さが太
く、硬度が高い場合、比較例5は短繊維の短い場合、比
較例6は短繊維が多すぎ、硬度の高い場合、比較例7は
平均発泡径と短繊維太さのバランス悪く、硬度の高い場
合である。
作製した。短繊維、発泡ゴムの性質及びタイヤ性能に関
する各試験を以下に示す。 (1)繊維の形状 繊維を倍率20〜400倍の光学顕微鏡で撮影し、10
0個以上の繊維の長さを及び径を測定し、算術平均値と
して表した。
ント収縮率)に準じ、170℃における熱収縮率を測定
した。尚、これらの繊維は紡糸後の延伸工程を変えて作
製した。
状の試料を切出し、その試料断面の写真を倍率100〜
400倍の光学顕微鏡で撮影し、200個以上の独立気
泡の気泡直径を測定し、算術平均値として表した。ま
た、発泡率VS はブロック状の前記試料の密度ρ1 (g
/m3 )を測定し、一方、無発泡ゴム(固相ゴム)の密
度ρ0 を測定し、次式より求めた。 VS =(ρ0 /ρ1 −1)×100(%)
表面の硬度を測定した。
5/70R13サイズの各試験タイヤ4本を排気量16
00ccの乗用車に装着し、氷温−1℃、−8℃の氷上
で制動性能を測定した。氷上性能は次式により指数表示
した。 氷上性能=(コントロールタイヤ(実施例1)の制動距
離/試験タイヤの制動距離)×100 尚、この試験タイヤの最小サイプ間長さは3mmであ
る。
(N2SA:126m2/g) 3)Nipsil AQ(日本シリカ(株)製) 4)Si69(Degussa社製) 5)N−イソプロピル−N´−フェニル−P−フェニレ
ンジアミン 6)ジベンゾチアジルジスルフィド 7)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド 8)ジニトロソペンタメチレンテトラミン 9)アゾジカルボンアミド
りタイヤは、上記構成としたことで、タイヤ諸性能を低
下させることなく従来に比し優れた除水効果と同時に十
分な凝着効果が得られ、極低温から0℃近傍までの種々
の条件下で氷上性能において優れた効果を奏する。
子を示す説明図である。
説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 タイヤトレッドの少なくとも路面と実質
的に接する面に、独立気泡を含有する発泡ゴム層を設け
た空気入りタイヤにおいて、 前記発泡ゴム層が10〜120μmの平均気泡径と3〜
50%の発泡率とを有し、 前記発泡ゴム層の固相ゴム部が70〜20重量部の天然
ゴムと、30〜80重量部のポリブタジエンゴムとを含
むジエン系ゴム成分100重量部に対し、カーボンブラ
ック5〜55重量部と、シリカ55〜5重量部と、短繊
維1〜15重量部とを含有し、0℃における硬度が52
以下であり、 前記短繊維が0.5〜3mmの範囲内でかつタイヤ表面
の最小サイプ間隙より短い長さと、30〜100μmの
太さと、5〜100のアスペクト比とを有し、170℃
における熱収縮率が8%以下であることを特徴とする空
気入りタイヤ。 - 【請求項2】 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面
積(N2SA)が120〜170m2 /gであり、かつ
前記シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)が180〜
250m2 /gである請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 前記発泡ゴム層の平均気泡径と前記短繊
維の太さが次式、 −30≦平均発泡径−短繊維太さ≦40 (μm) で表される関係を満たす請求項1または2記載の空気入
りタイヤ。
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