JPH09255749A - 一液硬化型組成物 - Google Patents

一液硬化型組成物

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JPH09255749A
JPH09255749A JP8091946A JP9194696A JPH09255749A JP H09255749 A JPH09255749 A JP H09255749A JP 8091946 A JP8091946 A JP 8091946A JP 9194696 A JP9194696 A JP 9194696A JP H09255749 A JPH09255749 A JP H09255749A
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JP8091946A
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Minoru Yabu
穣 藪
Yoshihide Shindo
嘉秀 真藤
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Toray Thiokol Co Ltd
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Toray Thiokol Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のチオシリル基含有化合物とイソシアネー
ト基含有プレポリマーを基本成分とする硬化型組成物に
おいて問題となっていた耐候性に優れ、さらには耐温水
性に優れた一液硬化型組成物を提供する。 【解決手段】1分子中に2個以上のトリアルキル(又は
フェニル、ハロアルキル)シリルチオ基を含有する化合
物と、1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有す
るプレポリマーに、酸化剤および紫外線吸収剤を含有し
てなる一液硬化型組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソシアネート基
とチオール基の反応により硬化する硬化型組成物に関
し、特に硬化物の耐候性及び耐温水性に優れた、シーリ
ング材等として利用可能な一液硬化型組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】分子内に2個以上のイソシアネート基を
含むプレポリマーは、活性水素を含む化合物あるいは水
と反応させることにより容易に高分子量化することがで
きることから、シーリング材、コーキング材、接着剤、
及び塗料等の分野に広く用いられている。これらのイソ
シアネート基含有プレポリマーは、ポリアミン、アミノ
アルコール、グリコール、ポリオール等と混合され、一
液あるいは二液硬化型組成物として利用されている。
【0003】このうち、一液硬化型組成物は一般に空気
中の湿気と反応して硬化するが、硬化中に発生する炭酸
ガスによって膨張、発泡、及びガスケット生成の原因と
なっていた。特に、硬化性の速い一液硬化型組成物では
この現象が著しいため、従来の一液硬化型のウレタンシ
ーラントは硬化速度が問題とされていた。
【0004】本発明者らは既に特開昭63−14532
1号で、硬化性及び耐熱性に優れ、発泡のない一液硬化
型組成物を提案した。
【0005】また、イソシアネート基を含むプレポリマ
ーの硬化物は架橋度が低い場合、その硬化物の表面にタ
ック(べとつき、粘着性)が残り問題とされていた。特
に、建築物のシーリング材として使用される場合、シー
リング材を壁の動きに追従させるため架橋度を低くした
プレポリマーを使用して、硬化物のモジュラスを低くす
る必要がある。そのため、ウレタンシーラントでは表面
タックを避けることができなかった。しかし本発明者ら
は特開平4−63823、特開平4−63824、特
開平4−63825および特開平6−93073により
残存タックが少なく低温硬化性に優れる一液硬化型組成
物を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記記
載の方法でもイソシアネート基を含むプレポリマーの硬
化物は屋外に暴露した場合、耐候性が悪く表面にクラッ
ク、チョ−キング等を起こすという問題があり、更には
耐温水性が悪く引張り強度が温水浸せき後に大幅に低下
するという問題があった。
【0007】したがって本発明の目的は、従来イソシア
ネート基含有プレポリマーを基本成分とする硬化型組成
物で問題になっていた耐候性に優れた、建築用シーリン
グ材等として有用な一液硬化型組成物を提供するもので
ある。
【0008】本発明の他の目的は高温多湿の条件下でも
発泡することなく、低温でも硬化速度の速い、耐温水性
の優れた一液硬化型組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは1分子中に2個以上のトリアルキ
ル(又はフェニル、ハロアルキル)シリルチオ基を含む
化合物と、1分子中に2個以上のイソシアネート基を含
むウレタンプレポリマーと酸化剤、および紫外線吸収剤
を含有する一液硬化型組成物は驚くべきことに両者の相
乗効果により飛躍的に耐候性が優れ、さらには耐温水性
にも優れていることを見出し本発明に想到した。
【0010】すなわち、本発明の一液硬化型組成物は
(1)下記一般式(I):
【0011】
【化2】 (式中、R1 ,R2 ,R3 は炭素数1〜6のアルキル
基,フェニル基,及びハロアルキル基から選ばれた基で
ある。)で表される基を1分子あたり2個以上有する化
合物(a)と、(2)1分子あたり2個以上のイソシア
ネート基を有するウレタンプレポリマー(b)と、
(3)酸化剤(c)および、(4)紫外線吸収剤(d)
を含有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を以下詳細に説明する。
【0013】本発明において、一液硬化型組成物は、化
合物(a)とイソシアネート基含有プレポリマー(b)
とを組み合わせで使用する。
【0014】一般式(I)の構造基は、R1 、R2 、R
3 がアルキル基である場合、特に炭素数1〜2であるこ
とが望ましい。さらに下記式で表されるもの
【0015】
【化3】 であると、原料が入手しやすい上、水との反応速度が速
いため望ましい。
【0016】一般式(I)の構造基は、空気中の湿気で
加水分解し、活性水素を含有するチオール基に変換す
る。
【0017】一般式(I)の構造基を含む化合物(a)
は、分子量が200〜10,000、特に300〜5,
000であると好ましい。分子量が200以下ならば、
加水分解が著しく速いためその化合物の取り扱いが困難
になり、さらに組成物の貯蔵安定性が低下し好ましくな
い。また、分子量が10,000以上では、加水分解速
度が遅くなるため好ましくない。
【0018】一般式(I)で表される構造を1分子あた
り2個以上含む化合物として、例えば次のものがある。
【0019】R1 R 2 R 3 SiS(CH2 CH2 OCH 2 OCH 2 CH
2 S 2 ) q CH 2 CH2 OCH 2OCH 2 CH2 SSiR1 R 2 R 3 (qは0〜25の整数。) qが25以上のポリマーでは、イソシアネート基含有プ
レポリマー、特にポリエーテル、ポリエステルを骨格と
するウレタンプレポリマーとの相溶性が悪くなるため好
ましくない。
【0020】この化合物の中でも特に、 (CH 3 ) 3 SiS(CH2 CH2 OCH 2 OCH 2 CH2 S 2 ) r CH
2 CH2 OCH 2 OCH 2 CH2 SSi(CH3 ) 3 (rは0〜10の整数。)が好ましい。
【0021】R 1 R 2 R 3 SiS(R 4 O)S R5 SSiR1 R 2
R 3 (R4 、R5 は炭素数2または3のアルキレン基、sは
0〜50の整数。)は、ウレタンプレポリマーとの相溶
性が良く好ましい。
【0022】そのほか、化合物(a)として以下の化合
物が好適である。
【0023】R 1 R 2 R 3 SiS(CH2 ) 6 SCH 2 CH2 (OCH
R 6 CH2 SCH 2 CH2 ) m CH2 CH2 CH2 CH2 SSiR1 R 2 R
3 (R6 は水素またはメチル基、mは0〜25の整数。) R 1 R 2 R 3 SiSCH 2 COOCH 2 C(CH2 OCOCH 2 SSiR1 R
2 R 3 ) 3 (R1 R 2 R 3 SiSCH 2 CH2 COOCH 2 ) 3 CC2 H 5 もちろん本発明の一液硬化型組成物に配合される化合物
(a)は、1種類でも2種類以上を組み合わせてもよ
い。
【0024】このような一般式(I)の構造基を分子中
に2個以上含む化合物は、チオール基を分子中に2個以
上含む既知の化合物に、市販のシリル化試薬等を反応さ
せて、チオール基をトリアルキルシリルチオ基とするこ
とで合成できる。
【0025】ここで原料とするチオール基含有既知化合
物としては、米国特許第2,466,963号明細書に
記載されている液状ポリサルファイドポリマーがあげら
れるが、一般式 HS(CH2 CH2 OCH 2 OCH 2 CH2 S Z ) q 'CH 2 CH2 OCH 2 OCH 2 CH2 SH (II) (ただし式中のq’は1〜25、好ましくは1〜10の
整数、zは1〜4の整数でその平均値は約2) または次の構造式 HSCH 2 CH2 OCH 2 OCH 2 CH2 SH で表される構造の化合物が好ましい。
【0026】また、一般式(II)で表されるポリサルフ
ァイド化合物には、このものの合成段階から少量の架橋
剤が導入されることがあり、これに由来する架橋構造が
骨格中に存在することもあり得る。さらに一般式(II)
で示したジスルフィド結合の他にモノスルフィド結合及
びトリスルフィド結合、テトラスルフィド結合が少量存
在することもありうるが、これらのイオウ原子数の平均
値は2であり、通常ジスルフィド結合として表される。
【0027】また、この他の既知化合物としては、例え
ば特公昭47−48,279号公報に記載され一般式
(III )で表される構造を有するポリオキシアルキレン
ポリオール、米国特許第4,092,293号明細書に
記載され一般式(IV)で表される構造を有するポリメ
ルカプタン、骨格の少なくとも一部にウレタン基または
チオウレタン基を有するメルカプタン末端の液状ポリマ
ー、例えば、米国特許第3,923,748号明細書に
記載され一般式(V )によって代表されるウレタン基含
有構造を有するメルカプタン末端の液状ポリマー、米国
特許第4,366,307号明細書に記載され一般式
(VI)で表される構造を有する液状ポリチオエーテルの
うちメルカプタン末端のもの、特公昭52−34677
号公報に記載されるポリ(オキシアルキレン)−ポリエ
ステル−ポリ(モノサルファイド)−ポリチオール、米
国特許第3,282,901号明細書に記載されるブタ
ジエンメルカプタンポリマー、米国特許第3,523,
985号明細書に記載されるメルカプタン含有ポリマー
及び特公昭55−39261号公報、特公昭60−34
21号公報等に記載されるメルカプトオルガノポリシロ
キサン等があげられ、これらを原料として用いることが
可能である。
【0028】
【化4】 さらに、この他のチオール基含有化合物として、
【0029】
【化5】 等のモノマーが知られている。
【0030】これらのチオール基含有の既知化合物に含
まれるチオール基をトリアルキルシリル基に変換する方
法としては、原料とする化合物中に含まれるチオール基
と等モル以上の一般式
【0031】
【化6】 で表されるハロシラン類と、トリエチルアミンを反応さ
せることが可能である。
【0032】一般式(VII)の中のR1 、R2 、R3 は前
記の通りであり、Xはハロゲン原子を表す。このハロシ
ラン類の具体例としては、トリメチルクロロシラン、ト
リメチルブロモシラン、トリメチルヨードシラン、ジメ
チルフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロ
ロシラン等であるが、チオール基との反応性、副生成物
の除去の容易さ、経済性からトリメチルクロロシランが
特に好ましい。また、前記のチオール基含有の既知ポリ
マーに含まれるチオール基をトリメチルシリルチオ基に
変換する方法としては、原料とする化合物中に含まれる
チオール基に対し2分の1モル以上のN,O−ビス(ト
リメチルシリル)アセトアミド、もしくはN,N’−ビ
ス(トリメチルシリル)尿素を反応させることも可能で
ある。
【0033】さらに、既知化合物中のチオール基をトリ
メチルシリルチオ基に変換する方法としては、化合物中
に含まれるチオール基に対して2分の1モル以上、好ま
しくは等モル〜3倍モルのヘキサメチルジシラザンを適
当な反応触媒の存在下で反応させることもまた可能であ
る。この反応触媒としては、J.Org.Chem.,
47,3966,(1982)に記載された物質を用い
ることができるが、その中でも特に原料の化合物に対し
て0.001〜0.1等量のイミダゾールもしくはサッ
カリンを用いることが好ましい。
【0034】チオール基をトリアルキルシリルチオ基に
変換する方法として上記のいずれを採用する場合でも、
原料の既知化合物がチオール基の他に水酸基、アミノ基
のようなシリル化剤と反応可能な官能基を含む場合、具
体的には原料として一般式(III )及び(V )の構造を
有する化合物が用いられる場合は、大過剰のシリル化剤
が必要とされ、操作上、経済上好ましくない。
【0035】次に本発明の(b)成分のイソシアネート
基含有ポリマーとしては、商業的に入手できるポリエス
テル系ウレタンプレポリマー、ポリエーテル系ウレタン
プレポリマー等を用いることができるが、その中でも特
に、末端に2個以上のイソシアネート基を含む分子量5
00〜20,000のプレポリマーが好ましい。さらに
好ましくは、2,000〜8,000である。分子量が
500未満では、イソシアネート基の反応性が高く、貯
蔵安定性が悪くなる。また、発泡が起こりやすくなり好
ましくない。また、20,000を超えると、イソシア
ネート基の反応性が低く、硬化性が低下して好ましくな
い。
【0036】これらイソシアネート基含有ポリマーは、
有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物との反応
生成物として得ることができる。
【0037】活性水素含有化合物の例として、ヒドロキ
シル末端ポリエステル、多価ヒドロキシポリアルキレン
エ−テル、ヒドロキシル末端ポリウレタン重合体、多価
ポリチオエーテル、ポリアセタール、脂肪族ポリオー
ル、及びチオール基を2個以上を有するアルキンチオー
ルを包含する、アルカン、アルケン及び脂肪族チオー
ル;芳香族、脂肪族、及び複素環ジアミン等を包含する
ジアミン、及びこれらの混合物がある。
【0038】また、有機ポリイソシアネートの例とし
て、m−フェニレンジイソシアネート、トルエン−2,
4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイ
ソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネ
ート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ナ
フタリン−1,5−ジイソシアネート、1−メトキシフ
ェニル−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネート、及び4,4’−ビフェ
ニレンジイソシアネートのごときジイソシアネート;
4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、及びトルエン−2,4,6−トリイソシアネートの
ごときトリイソシアネート;4,4’−ジメチルジフェ
ニルメタン−2,2’、5,5’−テトライソシアネー
トのごときテトライソシアネートがある。これらは単独
でも混合物の形で用いてもよい。
【0039】また本発明において、一液硬化型組成物と
しての化合物(a)とイソシアネート基含有ポリマー
(b)の配合比は、[一般式(V )の構造基]/イソシ
アネート基のモル比が、0.3〜2.0、特に0.8〜
1.2であると好ましい。
【0040】[一般式(I)の構造基]/イソシアネー
ト基のモル比が0.3未満では架橋点が増え、硬化物が
硬く、伸びが低下する。さらに、硬化物中の残存イソシ
アネート基が発泡の原因となるため好ましくない。
【0041】また、[一般式(I)の構造基]/イソシ
アネート基のモル比が2.0を超えると一般式(I)の
構造基をもつ化合物が反応の末端停止剤として働き、組
成物の高分子量化を著しく妨害するため好ましくない。
【0042】に本発明の酸化剤(c)としては例えば、
CaO、FeO、PbO、ZnO、BaOのような無機
酸化物、MnO2 、PbO2 、ZnO2 、TeO2 、S
eO2 、Sb2 3 、CaO2 、BaO2 、MgO2
SnO2 のような無機過酸化物、Na2 CrO4 、K2
CrO4 、Na2 Cr2 7 、K2 Cr2 7 のような
無機酸化剤、あるいはベンゾイルパーオキサイド、ジク
ミルパーオイサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーベ
ンゾエートのような有機過酸化物があるが、特に無機系
の酸化剤が好ましい。なかでも、無機酸化物、たとえば
CaO、ZnO等は耐温水性の効果が大きく好ましい。
これら酸化剤(c)化合物は前記化合物(a)と前記イ
ソシアネート基含有プレポリマー(b)との合計を10
0重量部としたとき、(c)の含有量が0.1〜20.
0重量部、好ましくは0.1〜10.0重量部程度が好
ましい。0.05重量部以下では耐温水性の効果が十分
ではない。また、20.0重量部以上では化合物による
着色や貯蔵安定性が悪くなるなどの悪影響があるため好
ましくない。
【0043】また、紫外線吸収剤(d)としては、ベン
ゾトリアゾ−ル系が好ましく例えば、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾ−
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェ
ニル)−ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリ
アゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチル
フェニル)−ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾ
−ル、等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種
以上を使用してもよい。
【0044】これら紫外線吸収剤(d)化合物は前記化
合物(a)と前記イソシアネート基含有ポリマー(b)
との合計を100重量部としたとき、(d)の含有量が
0.1〜5.0重量部、好ましくは0.5〜2.0重量
部程度が好ましい。0.1重量部以下では、耐候性の改
良が十分ではない。また、5.0重量部以上では、化合
物による着色や貯蔵安定性が悪くなるなどの悪影響があ
るため好ましくない。
【0045】また、本発明の組成物には前記した必須成
分の他に、経済性、組成物を施工するときの作業性、硬
化後の組成物の物性を改良する目的で、炭酸カルシウ
ム、カーボンブラック、酸化チタン等の充填剤、および
ブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート等の
可塑剤を添加することが可能である。ただし、貯蔵安定
性の優れた一液硬化型組成物を得るためには、上記添加
剤は水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基等
の官能基を含まないもの、もしくは前記官能基がキャッ
プされているものが好ましい。また、著しい酸性、アル
カリ性を示すことのない充填剤、可塑剤を十分脱水して
使用することが好ましい。
【0046】さらに、本発明の組成物には、施工後の硬
化を迅速、かつ確実に行わせるために触媒を添加するこ
とが好ましい。これら触媒としては、トリエチレンジア
ミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ト
リ−n−オクチルアミン、ペンタメチルジエチレントリ
アミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,
N−ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラメチル−
1,3−ジアミノプロパン等の3級アミン系触媒、およ
び金属系触媒,例えば、ジブチルスズジアセテート、ジ
ブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、オ
クテン酸鉛等の有機金属系触媒が用いられる。
【0047】これら触媒の使用量は、化合物(a)とイ
ソシアネート基含有プレポリマー(b)の合計を100
重量部とした時、0.001〜5.0重量部、特に、
0.01〜2.0重量部添加することが好ましい。0.
001重量部未満では、特に一液硬化型組成物において
組成物の硬化速度が十分でないため好ましくない。ま
た、5.0重量部を超えると、一液硬化型組成物の貯蔵
安定性に悪影響を与えるため好ましくない。
【0048】本発明の組成物は、一般式(I)の構造基
またはチオール基を含む化合物とイソシアネート基を含
むプレポリマーに対して、酸化剤、紫外線吸収剤を含有
しているため硬化物の耐候性と耐温水性が著しく改良さ
れる。
【0049】また、本発明の組成物は特に、一般式
(I)の構造を含む化合物を使用することにより水分、
湿気を遮断した状態では一液硬化型組成物としての貯蔵
安定性が付与される。
【0050】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、これらは本発明の範囲を限定するもので
はない。 一般式(I)で表される構造基を有する化合物(a)の
合成方法。 [合成例] 構造式 HS(CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 SS)5 CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 SH で示される液状ポリサルファイドポリマー(東レチオコ
ール社製チオコールLP−3)500g(0.5モ
ル)、ヘキサメチルジシラザン161g(1.0モ
ル)、サッカリン0.5g(0.0024モル)をコン
デンサ、攪拌機を備えた1〓の反応器に仕込み、120
℃に加熱し、5時間攪拌した。減圧留去により過剰のヘ
キサメチルジシラザン及び副生成物を除去し、次の構造
式で示される化合物(以下チオール化合物(a))を得
た。
【0051】(CH3 3 SiS(CH2 CH2 OCH
2 OCH2 CH2 SS)5 CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 SSi(CH3
3 [比較例1]水酸基を3個有する平均分子量5,000
のポリオキシプロピレントリオールと水酸基を2個有す
る平均分子量4,000のポリオキシプロピレントリオ
−ルとの1:1の合計100重量部に対して、キシリレ
ンジイソシアネート7.7重量部を反応させて、ウレタ
ンプレポリマー(イソシアネート含量1.6重量%、以
下ウレタンプレポリマー(b)とする。)を得た。この
ウレタンプレポリマー(b)100重量部に対し、チオ
ール化合物(a)25重量部を混合容器に入れ、さらに
脱水した可塑剤30重量部、乾燥炭酸カルシウム200
重量部、を添加し減圧下で十分混合・脱泡した。
【0052】混合後、脱水したキシレン15重量部とト
リ−n−ブチルアミン0.3重量部添加し、さらに減圧
下で十分混練を行い一液硬化型組成物を得た。
【0053】得られた一液硬化型組成物について、以下
の方法で硬化性、硬化物の耐候性、初期物性、温水物性
および貯蔵安定性について評価を行った。結果を第1表
に示した。
【0054】1)硬化性 幅12mm、深さ15mmの一面ビードを作成し、10
℃,40%湿度条件下で7日間暴露した。暴露後、表面
からの硬化部分の厚さを測定し、硬化性の尺度とした。
【0055】2)耐候性 組成物で厚さ1mmのシ−トを作成し、アイス−パ−U
Vテスタ−(岩崎電気製:SUV−W13型)を使用
し、150時間照射後の表面状態を拡大鏡でクラック、
チョ−キングについて観察した。
【0056】3)初期物性 初期物性を測定するために、JIS−A−5758に規
定されているH型硬化物を作り、JIS養生(20℃*
14日+30℃*14日養生)後、50mm/minの
速度で引張り試験を行い50%伸長時のモジュラス(5
0%M:N/cm2 )を測定した。
【0057】4)温水物性 上記JIS養生後のH型硬化物を50℃の温水中に7日
間養生後、50mm/minの速度で引張り試験を行い
50%伸長時のモジュラス(50%M:N/cm2 )を
測定した。
【0058】5)貯蔵安定性 組成物をハミガキチュ−ブに充填し、80℃の恒温槽に
入れて組成物が押し出せなくなるまでの日数を測定し
た。 [実施例1]比較例1の組成物に酸化カルシウム(Ca
O)を2部、紫外線吸収剤の2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)5−クロロ−ベ
ンゾトリアゾ−ルを2部添加した。得られた組成物につ
いて、比較例1と同様な評価を行った。結果を第1表に
示した。 [実施例2]比較例1の組成物に酸化カルシウム(Ca
O)を2部、紫外線吸収剤の2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−オクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾ−ルを2部添加した。得られた組成物について、比較
例1と同様な評価を行った。結果を第1表に示した。 [比較例2]比較例1の組成物に酸化カルシウム(Ca
O)を2部添加した組成物ついて比較例1と同様な評価
を行った。結果を第1表に示した。 [比較例3]比較例1の組成物に2−(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)5−クロロ
−ベンゾトリアゾ−ルを2部添加した。得られた組成物
について、比較例1と同様な評価を行った。結果を第1
表に示した。
【0059】
【表1】 第1表より明らかな様に、酸化カルシウム(CaO)酸
化剤の添加は温水浸せき後のモジュラスが低下せずに耐
温水性が明らかに優れる。
【0060】また、ベンゾトリアゾ−ル系の紫外線吸収
剤の添加は耐候性に優れるため、酸化剤および紫外線吸
収剤を併用することで、両者の相乗効果により飛躍的に
耐候性、耐温水性ともに優れることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明の組成物は、一般式(I)で表さ
れる構造を1分子あたり2個以上含む化合物(a)、お
よび1分子あたり2個以上のイソシアネート基を含むプ
レポリマー(b)と酸化剤(c)および紫外線吸収剤
(d)を含有するため、耐候性、耐温水性の優れた硬化
物を提供することができる。さらに、本発明の組成物を
使った一液硬化型組成物では低温でも硬化速度が速く、
耐熱性に優れた硬化物を提供できる。本発明の硬化型組
成物は、建築用シーリング材、接着剤、コ−ティング剤
としてとして有効である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)下記一般式(I): 【化1】 (式中、、R1 ,R2 ,R3 は炭素数1〜6のアルキル
    基,フェニル基,及びハロアルキル基から選ばれた基で
    ある。)で表される基を1分子当り2個以上有する化合
    物(a)、(2)1分子あたり2個以上のイソシアネー
    ト基を有するウレタンプレポリマー(b)、(3)酸化
    剤(c)および、(4)紫外線吸収剤(d)を含有する
    ことを特徴とする一液硬化型組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の一液硬化型組成物におい
    て前記化合物(a)と前記イソシアネート基含有プレポ
    リマー(b)との合計を100重量部としたとき、前記
    化合物(c)の含有量が0.1〜20重量部であること
    を特徴とする一液硬化型組成物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の一液硬化型組成物におい
    て前記化合物(a)と前記イソシアネート基含有プレポ
    リマー(b)との合計を100重量部としたとき、前記
    化合物(d)の含有量が0.1〜10重量部であること
    を特徴とする一液硬化型組成物。
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