JPH0725966A - 一液硬化型組成物 - Google Patents

一液硬化型組成物

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JPH0725966A
JPH0725966A JP5191891A JP19189193A JPH0725966A JP H0725966 A JPH0725966 A JP H0725966A JP 5191891 A JP5191891 A JP 5191891A JP 19189193 A JP19189193 A JP 19189193A JP H0725966 A JPH0725966 A JP H0725966A
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calcium carbonate
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compound
weight
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JP5191891A
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Ichiro Satake
一郎 佐竹
Minoru Yabu
穣 薮
Tatsuro Matsui
達郎 松井
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Toray Thiokol Co Ltd
Original Assignee
Toray Thiokol Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 貯蔵安定性に優れるとともに、発泡すること
なく、低温でも硬化速度の速い一液硬化型組成物を提供
する。 【構成】 (a) 下記一般式(1) : 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6のアルキル
基、フェニル基及びハロアルキル基のいずれかであ
る。)で表される基を1分子当り2個以上有する化合物
と、(b) 1分子当り2個以上のイソシアネート基を有す
るウレタンプレポリマーと、(c) 含水量が0.05重量%以
下で、脂肪酸エステルによって表面処理を施した炭酸カ
ルシウムとを含有する一液硬化型組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイソシアネート基とチオ
ール基との反応により硬化する一液硬化型組成物に関
し、特に低温硬化性及び貯蔵安定性に優れたシーリング
材、接着剤、コーティング剤等として利用可能な一液硬
化型組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】分子内に2個以上のイソシアネート基を
含むポリマーは、活性水素を含む化合物あるいは水と反
応させることにより容易に高分子量化することができる
ことから、シーリング材、コーキング材、接着剤及び塗
料等の分野に広く用いられている。これらのイソシアネ
ート基含有ポリマーは、ポリアミン、アミノアルコー
ル、グリコール、ポリオール等と混合され、一液あるい
は二液硬化型組成物として利用されている。
【0003】このうち、一液硬化型組成物は一般に空気
中の湿気と反応して硬化するが、硬化中に発生する炭酸
ガスは、膨張、発泡、及びガスケット生成の原因となっ
ていた。特に、硬化性の速い一液硬化型組成物ではこの
現象が著しいため、従来の一液硬化型のウレタンシーラ
ントは硬化速度が問題とされていた。
【0004】このような問題を解決する手段が種々提案
されている。その中でも、特開昭63-145321 号には、硬
化性及び耐熱性に優れ、発泡のない一液硬化型組成物が
記載さている。具体的には、分子内に2個以上のイソシ
アネート基を含むポリマーと、下記一般式(1) :
【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6のアルキル
基、フェニル基及びハロアルキル基のいずれかであ
る。)で表される化合物とを含有する一液硬化型組成物
であり、これは密封された容器内では安定であるが、外
気に触れると一般式(1) で表される化合物は、下記の反
応式(A) : −SSiR1 2 3 +H2 O→−SH+R1 2 3 SiOH・・・(A) に従って末端にSHを有する化合物に容易に変化し、次
いで下記の反応式(B) : −SH+−NCO→−NHCOS−・・・(B) に従って硬化し、優れたゴム状の物質となる。
【0005】上記のようなゴム状硬化物は、シーリング
剤、接着剤、コーティング剤、塗料等に利用することが
できるが、物性を改良したり、増量剤として用いるため
に、炭酸カルシウムを充填剤として配合することがあ
る。炭酸カルシウムの種類としては、粒径の細かい合成
炭酸カルシウムや、粒径の粗い重質炭酸カルシウムがあ
る。これら炭酸カルシウムには、通常0.1 〜1.0 重量%
の水分が含まれており、そのまま使用したのでは、組成
物は上記反応式(A) 及び(B) に従って硬化、増粘してし
まう。したがって、使用する炭酸カルシウムはあらかじ
め脱水しておく必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾燥し
た炭酸カルシウムを用いても、一定時間経過後の組成物
は増粘してしまうことが多く、貯蔵安定性の良好なもの
を得ることが困難であった。
【0007】したがって本発明の目的は、従来のイソシ
アネート基含有ポリマーを基本成分とする硬化型組成物
において問題となっていた貯蔵安定性に優れた一液硬化
型組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、1分子中に2個以上のトリアル
キル(又はフェニル)シリルチオ基を含む化合物と、1
分子中に2個以上のイソシアネート基を含むウレタンプ
レポリマーと、含水量が少なく、脂肪酸エステルによっ
て表面処理を施した炭酸カルシウムとを含有する一液硬
化型組成物は、貯蔵安定性に優れるとともに、発泡する
ことなく、低温でも硬化速度が速いことを見出し、本発
明に想到した。
【0009】すなわち、本発明の一液硬化型組成物は、
(a) 下記一般式(1) :
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6のアルキル
基、フェニル基及びハロアルキル基のいずれかであ
る。)で表される基を1分子当り2個以上有する化合物
と、(b) 1分子当り2個以上のイソシアネート基を有す
るウレタンプレポリマーと、(c) 含水量が0.05重量%以
下で、脂肪酸エステルによって表面処理を施した炭酸カ
ルシウムとを含有することを特徴とする。
【0010】本発明を以下詳細に説明する。 〔1〕構成成分(a) 1分子中に2個以上のトリアルキル(又はフェニ
ル)シリルチオ基を含む化合物 トリアルキル(又はフェニル)シリルチオ基は、下記一
般式(1)
【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6のアルキル
基、フェニル基及びハロアルキル基のいずれかであ
る。)で表されるものである。
【0011】上記一般式(1) で表される構造基は、
1 、R2 及びR3 がいずれもアルキル基である場合、
そのアルキル基は炭素数1又は2であるのが好ましい。
特に、下記一般式(2)
【化5】 であると、水との反応速度が速いため好ましい。また、
1 、R2 又はR3 のいずれかがハロアルキル基である
場合、そのハロアルキル基はクロルメチル基であるのが
好ましい。
【0012】このような一般式(1) で示される構造基
は、空気中の湿気で加水分解し、活性水素を含有するチ
オール基に変換する。
【0013】一般式(1) の構造基を含む化合物(a) は、
分子量が 200〜20,000であり、好ましくは200 〜10,000
である。分子量が200 未満では、加水分解が著しく速い
ため、取り扱いが困難になるとともに組成物の貯蔵安定
性が低下し、また、分子量が20,000を超えると加水分解
速度が遅くなり、硬化速度が遅くなる。
【0014】上述したような一般式(1) で表される構造
を1分子当り2個以上有する化合物(a) としては例え
ば、下記一般式(3) で下に示すものを挙げることができ
る。 R1 2 3 SiS(CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 2 h − −CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 SSiR1 2 3 ・・・(3) (式中、hは0〜25の整数である。)
【0015】上記一般式(3) で表される化合物において
hが25を超えるものは、後述するイソシアネート基含有
ポリウレタンプレポリマー、特にポリエーテル、ポリエ
ステルを骨格とするポリマーとの相溶性が悪い。
【0016】上記化合物の中でも特に下記一般式(4) : (CH3 ) 3 SiS(CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 2 i − −CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 S Si(CH3 ) 3 ・・・(4) (式中、iは0〜10の整数である。)で表されるものが
好ましい。
【0017】また下記一般式(5) : R1 2 3 SiS(R4 O)j 5 SSiR1 2 3 ・・・(5) (式中、R4 及びR5 は炭素数2又は3のアルキレン基
であり、jは0〜50の整数である。)で表される化合物
は、ウレタンプレポリマーとの相溶性が良く好ましい。
【0018】その他、化合物(a) として以下の一般式
(6) 乃至(8) で表されるもの等が好適である。 R1 2 3 SiS(CH2 6 SCH2 CH2 (OCHR6 − −CH2 SCH2 CH2 k (CH2 4 SSiR1 2 3 ・・・(6) (式中、R6 は水素またはメチル基であり、kは0〜25
の整数である。) R1 2 3 SiSCH2 COOCH2 C− −(CH2 OCOCH2 SSiR1 2 3 3 ・・・(7) (R1 2 3 SiSCH2 CH2 COOCH2 3 CC2 5 ・・・(8)
【0019】上述したような化合物(a) は、単独で使用
しても、2種以上を併用してもよい。
【0020】このような化合物(a) は、チオール基を1
分子当たり2個以上有する化合物に、市販のシリル化試
薬等を反応させて、チオール基をトリアルキル(又はフ
ェニル)シリルチオ基とすることにより得ることができ
る。
【0021】ここで原料とするチオール基含有化合物と
しては、例えば液状ポリサルファイドポリマーが挙げら
れるが、これらの中では、下記一般式(9) : HS(CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 m n − −CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 SH ・・・(9) (式中、mは1〜4の整数であり、その平均値は約2で
ある。nは0〜25、好ましくは0〜10の整数である。)
により表されるものが好ましい。
【0022】なお、上記一般式(9) で表されるポリサル
ファイド化合物には、そのものの合成段階から少量の架
橋剤が導入されることがあり、これに由来する架橋構造
が骨格中に存在することもあり得る。さらに一般式(9)
で示したジスルフィド結合の他にモノスルフィド結合お
よびトリスルフィド結合、テトラスルフィド結合等が少
量存在することもありうるが、これらの硫黄の原子数の
平均値は2であり、通常ジスルフィド結合として表され
る。
【0023】また、この他のチオール基含有既知化合物
としては、例えば下記一般式(10)で表される構造を有す
るポリオキシアルキレンポリオール、一般式(11)で表さ
れる構造を有するポリメルカプタン、骨格の少なくとも
一部に
【化6】 を有するメルカプタン末端の液状ポリマー、例えば下記
一般式(12)によって代表されるウレタン基含有構造を有
するメルカプタン末端の液状ポリマー、一般式(13)で表
される構造を有する液状ポリチオーテルのうちメルカプ
タン末端のもの、ポリ (オキシアルキレン)-ポリエステ
ル−ポリ (モノサルファイド)-ポリチオール、ブタジエ
ンメルカプタンポリマー、メルカプタン含有ポリマー及
びメルカプトオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0024】
【化7】 (式中、p、q、r、s、tは2〜100 の整数であり、
7 は水素またはメチル基である。)
【0025】さらにその他のチオール基含有化合物とし
て、下記一般式(14): HS(CH2 CH2 OCH2 CH2 u v CH2 CH2 OCH2 CH2 SH ・・・(14) (式中、uは1〜4の整数であり、vは0〜25の整数で
ある。)で表されるポリマー等が知られている。
【0026】上述したようなチオール基含有化合物のチ
オール基をトリアルキル (又はフェニル) シリルチオ基
に変換する方法としては、以下のようなものが挙げられ
る。チオール基含有化合物と、そのチオール基と等モル
以上のハロシラン類(一般式:R1 2 3 SiX)で
表される化合物:ただし、R1 、R2 及びR3 は上記と
同様であり、Xはハロゲン基を表す。)とを、トリエチ
ルアミン等の三級アミンの存在下で反応させて、チオー
ル基含有化合物のチオール基をトリアルキル(又はフェ
ニル) シリルチオ基に変換する。
【0027】上記ハロシラン類としては、例えばトリメ
チルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、トリメチ
ルヨードシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、クロ
ロメチルジメチルクロロシラン等が挙げられるが、チオ
ール基との反応性、副生成物の除去の容易さ、経済性等
の点からトリメチルクロロシランが特に好ましい。
【0028】またチオール基含有化合物のチオール基を
トリメチルシリルチオ基に変換する手段としては、チオ
ール基含有化合物に、チオール基の1/2モル以上のN,
O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド又はN,N'−ビ
ス(トリメチルシリル)尿素を反応させる方法、チオー
ル基含有化合物に、チオール基の1/2モル以上、好ま
しくは等モル〜3倍モルのヘキサメチルジシラザンを、
適当な反応触媒の存在下で反応させる方法等が挙げられ
る。上記反応触媒としては、J.Org.Chem. 47 ,3966(19
82) 等に記載のものを用いることができるが、特にイミ
ダゾール、サッカリン等が好ましい。また、その使用量
は、チオール基含有化合物に対して0.001 〜0.1 当量程
度である。
【0029】なおチオール基をトリアルキル (又はフェ
ニル) シリルチオ基に変換する方法として、上記のいず
れの方法を採用しても、原料のチオール基含有化合物が
チオール基の他に水酸基、アミノ基のようなシリル化剤
と反応可能な官能基を含む場合(例えば原料として一般
式(10)及び(12)の構造を有する化合物が用いられる場
合)、大過剰のシリル化剤が必要とされるため、操作
上、経済上の点で好ましくない。
【0030】(b) 1分子当り2個以上のイソシアネート
基を有するウレタンプレポリマー 1分子当り2個以上のイソシアネート基を有するウレタ
ンプレポリマーとしては、市販のポリエステル系ウレタ
ンプレポリマー、ポリエーテル系ウレタンプレポリマー
等を用いることができるが、その中でも特に、末端に2
個以上のイソシアネート基を有するものが好ましい。こ
のウレタンプレポリマー(b) は、分子量が 800〜20,000
であり、好ましくは800 〜15,000である。分子量が 800
未満ではイソシアネート基の反応性が高いため、組成物
の貯蔵安定性が悪く、また発泡が起こりやすい。一方、
分子量が20,000を超えると貯蔵安定性が悪くなる。
【0031】このような1分子中に2個以上のイソシア
ネート基を含有するウレタンプレポリマーは、有機ポリ
イソシアネートと活性水素含有化合物との反応生成物と
して得ることができる。
【0032】上記有機ポリイソシアネートの例として
は、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート (TD
I)、ジフェニルメタン−4,4 ′−ジイソシアネート
(MDI)、4,4 ′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート(水添MDI)、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート (ND
I)、トリジンジイソシアネート(TODI)、キシリ
レンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HDI)、メチルシクロヘキシレンジイ
ソシアネート(水添TDI)、キシレンジイソシアネー
ト(XDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート(水
添XDI)等が挙げられる。これらは単独で用いても、
2種以上を併用してもよい。
【0033】また活性水素含有化合物の例としては、高
分子ポリオール(例えばポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリ
アクリレートポリオール、ポリイソプレンポリオール)
及び低分子ポリオール等が挙げられる。
【0034】(c) 炭酸カルシウム 炭酸カルシウムは、引張強さや伸び等の物性改良及び増
量のために使用するが、本発明においては、脂肪酸エス
テルによって表面処理を施したもので、かつ含水量が0.
05重量%以下のものを使用する。
【0035】炭酸カルシウムは、合成炭酸カルシウムで
もよいし、重質炭酸カルシウムでもよい。炭酸カルシウ
ムの粒径は0.03〜50μmが好ましく、特に0.03〜10μm
が好ましい。このような微細な炭酸カルシウムは、沈降
して乾燥する際に二次凝集物になりやすく、また組成物
中でケーキをつくりやすいので、表面処理を施す必要が
ある。しかしながら、脂肪酸又は樹脂酸等によって表面
処理を施した炭酸カルシウムを使用すると、貯蔵安定性
の良好な組成物を得ることが困難なため、本発明の炭酸
カルシウムは脂肪酸エステルによって表面処理を施す。
脂肪酸エステルによれば、炭酸カルシウム中に残存して
も悪影響を及ぼさないため、組成物の貯蔵安定性が良好
となる。
【0036】脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸、
パルミチン酸、ロジン酸等の高級脂肪酸と、ラウリルア
ルコール、ステアリルアルコール等のアルコールとから
生成されるステアリン酸ステアレート、ステアリン酸ラ
ウレート等が挙げられるが、特にステアリン酸ステアレ
ートが好ましい。この脂肪酸エステルを用いて合成炭酸
カルシウムの表面処理を施すには、主として水スラリー
中に脂肪酸エステルを加えて混合すればよく、重質炭酸
カルシウムの表面処理を施すには、主として乾式で脂肪
酸エステルを加えて混合すればよい。
【0037】炭酸カルシウムは、含水量が0.05重量%を
超えると、組成物の貯蔵安定性が低下し、増粘、硬化す
るため、0.05重量%以下とし、好ましくは0.005 〜0.03
重量%とする。含水量は、水分気化装置を有するカール
フィッシャー(平沼産業(株)製)によって、窒素気流
下、150 ℃で測定する。炭酸カルシウムを乾燥させる装
置としては、常圧又は真空装置、あるいは連続又は回分
装置等があるが、いずれの装置を用いる場合でも、110
〜150 ℃で1〜5時間乾燥させればよい。
【0038】〔2〕配合比 上述した化合物(a) とウレタンプレポリマー(b) との配
合比は、〔一般式(1)の構造基〕/イソシアネート基の
モル比が 0.3未満では架橋点が増え、硬化物が硬く、伸
びが低下し、さらに硬化物中の残存イソシアネート基が
発泡の原因となる。また、〔一般式(1) の構造基〕/イ
ソシアネート基のモル比が 2.0を超えると、一般式(1)
の構造基を有する化合物が反応の末端停止剤として働
き、組成物の高分子量化を著しく妨害する。そのため、
配合比は〔一般式(1) の構造基〕/イソシアネート基の
モル比が 0.3〜2.0 となるようにするのが好ましく、特
に0.4 〜1.2 とするのが好ましい。
【0039】炭酸カルシウム(c) の添加量は、化合物
(a) とウレタンプレポリマー(b) の合計100 重量部に対
して、10〜300 重量部であるのが好ましい。10重量部未
満では目的とする物性改良、増量剤としての効果が少な
く、300 重量部を超えると組成物の粘度が高くなり、取
扱い困難となる。
【0040】〔3〕任意成分 本発明の一液硬化型組成物は、基本的には上述したよう
な、(a) 1分子中に2個以上のトリアルキルシリルチオ
基を含む化合物と、(b) 1分子中に2個以上のイソシア
ネート基を含むウレタンプレポリマーと、(c) 脂肪酸エ
ステルによって表面処理を施した炭酸カルシウムとから
なるものであるが、その他、経済性、組成物を施工する
ときの作業性、硬化後の組成物の物性を改良することを
目的として、カーボンブラック、酸化チタン等の充填
剤、およびブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタ
レート等の可塑剤を添加することができる。ただし、貯
蔵安定性の優れた一液硬化型組成物を得るためには、上
記添加剤は水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオー
ル基等の官能基を含まないもの、もしくは前記官能基が
キャップされているものが好ましく、著しい酸性又はア
ルカリ性を示さないものが好ましい。また充填材及び可
塑剤は十分に脱水されていることが好ましい。
【0041】さらに本発明の一液硬化型組成物には、施
工後の硬化を迅速、かつ確実に行わせるために触媒を添
加することができる。これらの触媒としては、トリエチ
レンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルア
ミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N −ジメ
チルシクロヘキシルアミン、N,N-ジシクロヘキシルメチ
ルアミン、テトラメチル−1,3 −ジアミノプロパン等の
3級アミン系触媒等を用いることができる
【0042】これらの触媒の添加量は、(a) +(b) の総
量100 重量部に対して0.001 〜1.0重量部が好ましく、
特に0.01〜0.5 重量部が好ましい。0.001 重量部未満で
は、組成物の硬化速度、特に低温での硬化速度が十分で
なく、1.0 重量部を超えると、その貯蔵安定性に悪影響
を与えることになる。
【0043】〔4〕物性 本発明の一液硬化型組成物は、50℃の密封状態で7日経
過した後の粘度が、製造直後に測定した粘度の2.5 倍以
下であるのが好ましい。ここで、製造直後とは、30℃以
下の室温の下、組成物の製造後24時間以内のことをい
う。粘度は、回転粘度計(B8U型粘度計及びロータN
o.7、東京計器製)において10rpm の条件で、25℃の温
度下で測定する。上記のような粘度であれば、取扱い性
が良好であり、貯蔵安定性が優れているということがで
きる。
【0044】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。合成例1 化合物(a) の合成 下記一般式: HS(CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 SS)5 − −CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 SH で表される液状のポリサルファイド(東レチオコール
(株)製 LP-3) 500g(0.5モル) 、ヘキサメチルジシ
ラザン 151g(1.0モル) 、サッカリン 0.5g(0.0024 モ
ル) 、ジクロロエタン10gを、コンデンサ及び攪拌器を
備えた1リットルの反応器に投入した。これを 120℃の
バスにつけ5時間攪拌した。
【0045】その後、減圧留去によりジクロロエタン、
過剰のヘキサメチルジシラザン及び副生成物を除去し、
以下の構造式で示されるポリマー(以下チオール化合物
(a)とする)を得た。 (CH3 ) 3 SiS(CH2 CH2 OCH2 OCH2
2 SS)5 − −CH2 CH2 OCH2 OCH2 CH2 SSi (C
3 ) 3
【0046】実施例1 平均分子量5,000 のポリオキシプロピレントリオール
と、平均分子量4,000 のポリオキシプロピレンジオール
との1:1の合計100 重量部に対して、トリレンジイソ
シアネート7.7 重量部を反応させて、ウレタンプレポリ
マー (イソシアネート含量1.3 重量%、以下ウレタンプ
レポリマー(b) とする。) を得た。
【0047】次に、平均粒径が1.3 μmの重質炭酸カル
シウムをステアリン酸エステルで表面処理し、振動式粉
体乾燥機を用いて110 〜150 ℃で3時間乾燥させた(以
下、炭酸カルシウム(c) とする。)。この炭酸カルシウ
ムの含水量を、水分気化装置を有するカールフィッシャ
ー(平沼産業(株)製)によって、窒素気流下、150℃
で測定したところ、0.005 重量%であった。
【0048】ウレタンプレポリマー(b) 100 重量部に対
して、チオール化合物(a) 20重量部を混合容器に入れ、
さらに炭酸カルシウム(c) 150 重量部及び脱水したジオ
クチルフタレート30重量部を添加し、減圧下にて十分に
混合、脱泡した。
【0049】混合後、脱水したキシレン15重量部と、N,
N,N ′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン
0.05重量部とを添加し、減圧下にてさらに十分混合し
た。
【0050】得られた一液硬化型組成物について、以下
の方法により、(1) 貯蔵安定性、及び(2) 硬化性につい
ての評価を行った。
【0051】(1) 貯蔵安定性:組成物をアルミニウム製
チューブに密封し、50℃の恒温槽に貯蔵し、7日後の粘
度を貯蔵安定性の尺度とした。 ○:製造直後の粘度と比較して、粘度変化が2.5 倍以下
であった。 △:製造直後の粘度と比較して、粘度変化が2.5 倍を超
え、かつ3.0 倍以下であった。 ×:製造直後の粘度と比較して、粘度変化が3.0 倍を超
えた。
【0052】(2) 硬化性:幅12mm、深さ15mmの一面ビー
ドを作成し、10℃、40%湿度で暴露し、暴露7日後の表
面からの硬化部分の厚さを測定し、硬化性の尺度とし
た。
【0053】実施例2 平均粒径が0.05μmの合成炭酸カルシウムをステアリン
酸ステアレートで表面処理し、実施例1と同様にして乾
燥させた。この炭酸カルシウムの含水量を実施例1と同
様にして測定したところ、0.02重量%であった。
【0054】実施例1において、炭酸カルシウム(c) の
代わりに上記炭酸カルシウムを150重量部添加した組成
物について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表
1にあわせて示す。
【0055】比較例1 平均粒径が1.3 μmの重質炭酸カルシウムを表面処理す
ることなく、実施例1と同様にして乾燥させた。この炭
酸カルシウムの含水量を実施例1と同様にして測定した
ところ、0.005 重量%であった。
【0056】実施例1において、炭酸カルシウム(c) の
代わりに上記炭酸カルシウムを150重量部添加した組成
物について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表
1にあわせて示す。
【0057】比較例2 平均粒径が0.05μmの合成炭酸カルシウムをステアリン
酸で表面処理し、実施例1と同様にして乾燥させた。こ
の炭酸カルシウムの含水量を実施例1と同様にして測定
したところ、0.02重量%であった。
【0058】実施例1において、炭酸カルシウム(c) の
代わりに上記炭酸カルシウムを150重量部添加した組成
物について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表
1にあわせて示す。
【0059】比較例3 平均粒径が0.05μmの合成炭酸カルシウムをステアリン
酸ステアレートで表面処理し、振動式粉体乾燥機を用い
て110 〜150 ℃で0.5 時間乾燥させた。この炭酸カルシ
ウムの含水量を実施例1と同様にして測定したところ、
0.10重量%であった。
【0060】実施例1において、炭酸カルシウム(c) の
代わりに上記炭酸カルシウムを150重量部添加した組成
物について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表
1にあわせて示す。
【0061】 表 1 貯蔵安定性 硬化性(mm) 実施例1 ○ 5 実施例2 ○ 5 比較例1 × 7 比較例2 △ 7 比較例3 × 7
【0062】表1から明らかなように、本発明の一液硬
化型組成物は貯蔵安定性に優れ、硬化性についても問題
がない。これに対し比較例1乃至3の一液硬化型組成物
は、貯蔵安定性に劣る。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の一液硬化型
組成物は、1分子中に2個以上のトリアルキル(又はフ
ェニル)シリルチオ基を含む化合物と、1分子中に2個
以上のイソシアネート基を含むウレタンプレポリマー
と、含水量が0.05重量%以下で、脂肪酸エステルによっ
て表面処理を施した炭酸カルシウムとを含有してなるの
で、貯蔵安定性に優れているとともに、低温でも硬化速
度が速い。
【0064】このような本発明の一液硬化型組成物は、
建築用シーリング材、接着剤、コーティング剤等として
好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 下記一般式(1) : 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6のアルキル
    基、フェニル基及びハロアルキル基のいずれかであ
    る。)で表される基を1分子当り2個以上有する化合物
    と、(b) 1分子当り2個以上のイソシアネート基を有す
    るウレタンプレポリマーと、(c) 含水量が0.05重量%以
    下で、脂肪酸エステルによって表面処理を施した炭酸カ
    ルシウムとを含有する一液硬化型組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一液硬化型組成物にお
    いて、50℃の密封状態で7日経過した後の粘度が、製造
    直後に測定した粘度の2.5 倍以下であることを特徴とす
    る一液硬化型組成物。
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