JPH0925564A - アルミニウムまたはアルミニウム合金スパッタリングターゲット - Google Patents

アルミニウムまたはアルミニウム合金スパッタリングターゲット

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JPH0925564A JP7192619A JP19261995A JPH0925564A JP H0925564 A JPH0925564 A JP H0925564A JP 7192619 A JP7192619 A JP 7192619A JP 19261995 A JP19261995 A JP 19261995A JP H0925564 A JPH0925564 A JP H0925564A
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秀秋 福世
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パーティクルの発生の少ない高純度アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金スパッタリングターゲット
の開発。 【構成】 高純度アルミニウム(合金)スパッタリング
ターゲットにおいて、スパッタリングの際のパーティク
ルは、ターゲット中の介在物、特に酸化物が破裂するこ
とにより、さらに破裂により開いた穴の近傍に粒子の再
付着が生じ、この再付着物が剥離してパーティクルの原
因となる。そこで、ターゲットのスパッタ面に現れる平
均直径10μm以上の介在物の存在量を40個/cm2
未満、さらにターゲット中の酸素含有量を15ppm未
満とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度アルミニウムま
たは高純度アルミニウム合金スパッタリングターゲット
に関するものであり、特にはスパッタリングにより薄膜
を形成する際にパーティクルの発生の少ない高純度アル
ミニウムまたは高純度アルミニウム合金スパッタリング
ターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】スパッタリングターゲットは、スパッタ
リングにより各種半導体デバイスの電極、ゲート、配
線、素子、絶縁膜、保護膜等を基板上に形成するための
スパッタリング源となる、通常は円盤状の板である。加
速された粒子がターゲット表面に衝突するとき運動量の
交換によりターゲットを構成する原子が空間に放出され
て対向する基板上に堆積する。スパッタリングターゲッ
トとしては、アルミニウム及びアルミニウム合金ターゲ
ット、高融点金属及び合金(W、Mo、Ti、Ta、Z
r、Nb等及びW−Tiのようなその合金)ターゲッ
ト、金属シリサイド(MoSiX 、WSix 、NiSi
x 等)ターゲット、白金族金属ターゲット等が代表的に
使用されてきた。
【0003】こうしたターゲットの中でも重要なものの
一つが、アルミニウム配線形成用のアルミニウム及びア
ルミニウム合金ターゲットである。アルミニウム薄膜は
またコンパクトディスクや光磁気ディスクの反射面にも
使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】LSIの高集積化に伴
い、回路の配線幅は1μm以下と微細化されつつある。
このような中でスパッタリングによる薄膜形成の際のパ
ーティクルが、回路の断線あるいは短絡の原因として大
きな問題になっている。「パーティクル」とは、スパッ
タリングに際してターゲットから飛散する粒子がクラス
ター化して基板上の薄膜に直接付着したり、或いは周囲
壁や部品に付着・堆積後剥離して薄膜上に付着するもの
である。アルミニウム(合金)ターゲットにおいても、
アルミニウム配線の微細化やコンパクトディスクや光磁
気ディスクの反射面の高品質化に伴い、パーティクルを
減少させる、特に0.5μm以上の寸法のパーティクル
の数を50個/cm2 以下とすることが所望される。
【0005】こうした状況の下で、本発明は、スパッタ
リングにより薄膜を形成する際にパーティクルの発生の
少ない高純度アルミニウムまたは高純度アルミニウム合
金スパッタリングターゲットを提供することを課題とし
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点を解決するために鋭意努力した結果、スパッ
タリングの際のパーティクルは、ターゲット中の介在物
が破裂することにより発生すること、また破裂により開
いた穴の近傍に粒子の再付着が生じ、この再付着物が剥
離してこれもまたパーティクルの原因となるとの知見を
得た。従って、これらのパーティクルを減少させるため
には、ターゲット中の介在物を極力減らすことにより対
応が可能である。特に平均直径10μm以上の介在物頻
度を1cm2 当たり40個未満とすることによりパーテ
ィクルの発生を十分少なくすることができることが判明
した。また、パーティクルの原因となる介在物が主とし
て酸化物からなるものであることも判明し、ターゲット
中の酸素が全て、直径10μmの酸化アルミニウム粒子
になると仮定して、ターゲット中の酸素含有量を15p
pm未満とすべきことも見いだされた。
【0007】これら知見に基づいて、本発明は、高純度
アルミニウムまたは高純度アルミニウム合金スパッタリ
ングターゲットにおいて、該ターゲットのスパッタ面に
現れる平均直径10μm以上の介在物の存在量が40個
/cm2 未満であり、さらに該ターゲット中の酸素含有
量が15ppm未満であることを特徴とするアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金スパッタリングターゲットを
提供するものである。
【0008】
【作用】スパッタリングの際のパーティクルは、ターゲ
ット中の介在物が破裂することにより発生する。さらに
破裂により開いた穴の近傍に粒子の再付着が生じ、この
再付着物が剥離してこれもまたパーティクルの原因とな
る。平均直径10μm以上の介在物頻度を1cm2 当た
り40個未満とすることによりパーティクルの発生を十
分少なくすることができる。また、パーティクルの原因
となる介在物が主として酸化物からなるものであるか
ら、ターゲット中の酸素含有量を15ppm未満とす
る。
【0009】
【発明の具体的な説明】本発明のスパッタリングターゲ
ットの素材として用いる高純度アルミニウムとは4N以
上のアルミニウムを意味し、アルミニウム合金とはスパ
ッタリングターゲットとして通常添加されるSi、C
u、Ti、Ge、Cr、Mo等の元素を高純度アルミニ
ウムに一種または二種以上を10重量%以下含有するも
のである。また、本発明のスパッタリングターゲットの
製造に用いる原料としては、市販の高純度アルミニウム
材料および上記の合金添加成分材料を使用することがで
きるが、電子デバイス等に悪影響を及ぼす放射性元素、
アルカリ金属等の不純物含有量を極力低減したものが好
ましい。
【0010】ターゲットは通常、原料を溶解及び鋳造
し、鋳造後の素材を、結晶組織、粒径等を適切なものと
するため熱処理および加工処理を施し、その後、円盤状
等の最終ターゲット寸法に仕上げることにより作製され
る。圧延や鍛造等の塑性加工と熱処理を適切に組み合わ
せることによりターゲットの結晶方位等の品質の調整を
行なうことができる。
【0011】介在物は、主として原料の溶解、鋳造の過
程で発生し、酸化物、窒化物、炭化物、水素化物、硫化
物、珪化物などであるが、主として酸化物からなるもの
であることから、ターゲットを製造する際に使用するル
ツボ、湯口、モールドなどは還元性のある材料、例えば
グラファイト製のものを使用するのがよい。また、溶融
したアルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造を行う
前に、溶融した金属の表面に浮かんでくる酸化物等のス
ラグを十分に除去する必要がある。溶解、鋳造は非酸化
性雰囲気中、好ましくは真空中で行う。
【0012】スパッタリングの際のパーティクルは、タ
ーゲット中の介在物が破裂することにより発生する。さ
らに破裂により開いた穴の近傍に粒子の再付着が生じ、
この再付着物が剥離してこれもまたパーティクルの原因
となる。パーティクルの主な発生原因となる介在物はそ
の平均直径が10μmよりも大きいものであり、特に平
均直径10μm以上の介在物頻度が、ターゲットのスパ
ッタ面において40個/cm2 以上になると、特にパー
ティクルの発生が多くなる。従って、製造したアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金スパッタリングターゲット
のスパッタ面に現れる平均直径10μm以上の介在物の
個数は40個/cm2 未満になるようにする。
【0013】なお、ターゲットのスパッタ面に現れる介
在物個数は、ターゲットのスパッタ面の顕微鏡観察など
により測定されるが、合金ターゲット等の場合には必ず
しも介在物が明瞭に把握できない場合がある。このよう
な場合にはターゲット中の酸素が全て酸化物になると仮
定し、酸素含有量の測定値から換算して介在物の個数を
推定することができる。ターゲット中の酸素が全て、直
径10μmの酸化アルミニウム粒子になると仮定した場
合に、介在物の個数が40個/cm2 未満であるために
は、酸素含有量は15ppm未満となる。従って、ター
ゲット中の酸素含有量は15ppm未満にする必要があ
る。介在物が主に酸化物からなることから、酸素含有量
が増えると、それに応じてターゲット中の主として酸化
物からなる介在物が増加し、スパッタリングの際のパー
ティクルの発生量が増える。
【0014】こうして、本発明により、0.5μm以上
の寸法のパーティクルの数を50個/cm2 以下とする
ことができ、今後のアルミニウム(合金)ターゲットへ
の要求に対応することができる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)平均直径10μm以上の介在物個数が21
個/cm2 であり、ターゲット中の酸素含有量が8pp
mである高純度アルミニウムターゲットを用いてスパッ
タ成膜試験を行った。基板上のパーティクルを光学顕微
鏡で観察し個数を数えた。その結果、0.5μm以上の
パーティクル数は32個/cm2 であった。
【0016】(比較例1)平均直径10μm以上の介在
物個数が82個/cm2 であり、ターゲット中の酸素含
有量が30ppmである高純度アルミニウムターゲット
を用いてスパッタ成膜試験を行った。基板上のパーティ
クルを光学顕微鏡で観察し個数を数えた。その結果、
0.5μm以上のパーティクル数は160個/cm2
あった。
【0017】(実施例2)平均直径10μm以上の介在
物個数が11個/cm2 であり、ターゲット中の酸素含
有量が4ppmであるアルミニウム−Cu0.5wt%
合金ターゲットを用いてスパッタ成膜試験を行った。基
板上のパーティクルを光学顕微鏡で観察し個数を数え
た。その結果、0.5μm以上のパーティクル数は18
個/cm2 であった。
【0018】(比較例2)平均直径10μm以上の介在
物個数が63個/cm2 であり、ターゲット中の酸素含
有量が23ppmであるアルミニウム−Cu0.5wt
%合金ターゲットを用いてスパッタ成膜試験を行った。
基板上のパーティクルを光学顕微鏡で観察し個数を数え
た。その結果、0.5μm以上のパーティクル数は98
個/cm2であった。
【0019】
【発明の効果】本発明の高純度アルミニウムまたは高純
度アルミニウム合金ターゲットを用いることにより、ス
パッタリングの際のパーティクル発生を低減することが
できる。特に、0.5μm以上の寸法のパーティクルの
数を50個/cm2 以下とすることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度アルミニウムまたは高純度アルミ
    ニウム合金スパッタリングターゲットにおいて、該ター
    ゲットのスパッタ面に現れる平均直径10μm以上の介
    在物の存在量が40個/cm2 未満であり、さらに該タ
    ーゲット中の酸素含有量が15ppm未満であることを
    特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金スパッ
    タリングターゲット。
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