JP5392695B2 - アルミニウム金属の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム金属の製造方法および製造装置に関するものである。
金属を製造する場合には、原料となる硫化物などの金属塩や酸素と結合している金属酸化物から、これらに含まれる硫黄や酸素を取り除いて金属のみを取り出すことにより行われる。
原料が金属酸化物の場合には、金属をとり出す工程で、酸素を取り除く操作として酸化物を還元することが行われる。この還元方法にはさまざまな方法がある。それらの方法のうちからどの方法を選択するかは、取り出そうとしている金属のイオン化傾向の大きさに応じて決定される。したがって、金属のイオン化傾向の大きさにより金属の製造方法を分類することができる。
イオン化傾向が小さな金属である白金や金等ではもともと単体として金属は産出する。当然、酸素を取り除くために格別な操作を必要としない。
イオン化傾向が大きくなるにつれて、原料物質は金属酸化物として存在するので、酸素を取り除く操作が必要となる。一般的には,酸素を取り除くためには還元剤の存在下に強熱を供給し還元することが用いられる。イオン化傾向がさらに大きい場合は、融解塩電解法が用いられる。例えば、金属として、鉄とアルミニウムについて検討する。中間的なイオン化傾向をもつ鉄は、原料の鉄鉱石から酸化鉄を製造し、還元剤を用いて酸素を還元する方法が用いられている。その還元剤としてはコークス、石炭などの直接還元剤と水素や一酸化炭素を使用する間接還元剤が同時に使用される。これに対して、鉄より大きなイオン化傾向をもつアルミニウムの場合は、その原料であるボーキサイト(アルミニウムの酸化物であるアルミナ以外に酸化鉄、シリカ等を含んでいる。)をアルカリ処理して、アルミナを取り出し、そのアルミナの融点を下げるために氷晶石と混合したものが融解された状態で電気分解をする融解塩電解法により、アルミニウムを製造している。
上記融解塩電解法は、数多くの生産過程を必要とし、製造費用もかかるという問題点がある。また,間接還元剤として水素を用いる還元方法も採用されるが、この場合には、爆発事故等の危険があり、安全に対して備える設備が必要であるという問題点がある。
アルミニウムの製造に関して言えば、融解塩電解法で得られたアルミニウムは、使用目的によっては純度が十分とはいえず、さらに純度をあげる処理が必要となる。例えば、特許文献1や特許文献2では、原料に予め混入されていると見られるSi、Fe等の不純物が溶融アルミニウム中に混入しており、これらを完全には除去できないので、それに対応するための金属アルミニウムの純度を上げるための操作が記載されている。また、間接還元剤として水素を使用して、摂氏2000℃以下の温度で処理しても、原料である三酸化二アルミニウムを直接還元することができないという問題がある。
還元剤の存在下に加熱する場合にあっても、還元剤を気体状で利用することも行われる。例えば、Mgを混合した酸化アルミニウム粉末の圧粉成形体を炉内にセットし、希ガス雰囲気で加熱してMgを昇華させ、溶融温度以下の温度で焼結するにあたり、窒素ガスを導入し、チッ化マグネシウムを生成させ、このチッ化マグネシウムにより、粉末表面の酸化アルミニウムを還元してアルミニウム金属を露出させる方法があり、この方法では気体状態の窒化物を形成させて、これによりアルミニウムを析出させる事が知られている(特許文献3)。この方法は焼結体の表面に金属を析出させる焼結体の製法である。酸化アルミニウムを気体に変化させ、そしてアルミニウム金属を製造するというものではない。したがって、この方法によったのでは、酸化アルミニウムから純粋なアルミニウムを得ることはできないと考えられる。
また、アルミニウムを低酸素条件下に被めっき材の表面に真空蒸着させる方法(特許文献4)が知られている。この方法は金属アルミニウムを気化させて、物体の表面に金属アルミニウムを蒸着めっきするものであり、金属酸化物から金属を製造するというものではない。また、予め前処理された被めっき材表面の少なくとも片面に連続的にAl系蒸着めっきを施す真空蒸着法も知られているが(特許文献5)、この方法も金属アルミニウムを気化させて、物体の表面に金属アルミニウムを蒸着めっきするものであり、酸化アルミニウムを直接還元し、アルミニウム金属を製造するというものではない。
従来、金属材料を合成する方法の一つに、固相、又は液相の状態にある金属を気化することによる気相成長による金属合成法がある。この気相成長によれば、微粒子、粉体、ウイスカー,薄膜などの目的とする性状に応じて、固有の物理性状を有する金属を得ることができる。気相合成法より得られる材料は、有用な特性を有することから積極的に開発が進められている。又、得られる金属材料は種々な結晶質や非晶質が得られることから結晶形を制御することができることから、結晶質や非晶質などの結晶形を選択的に製造することが期待でき、そのための開発が行なわれている。
これらの方法には、固体金属原料に電子ビームやレーザーを真空中で照射する、あるいは、スパッタリング、イオンプレーティングなどの物理的な現象を利用する方法(PVD)と複数の原料ガスを反応させる化学反応を利用する方法(CVD)などがある。これらの方法では、目的とする金属を含むものを原料にすることに限られており、金属酸化物を還元して金属物質を直接製造しようとすることは行われていない。
以上のことから、金属酸化物から純度が高い金属を直接製造することが求められており、その場合には、純度が高い金属は、その固有の特性を有する金属である金属、又その性状に応じて固有の特性を有する金属を得ることが求められている。
特開2001―294953号公報 特開2004−43972号公報 特開平8−35025号公報 特開平7−97689号公報 特開平6−158285号公報
本発明の課題は、目的とする金属については金属酸化物から直接還元して得られる、純度が高く、物質本来が有している固有の特性を有する金属であり、その金属の製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明者らは、金属酸化物からその焼結体を製造し、次にこの焼結体を極低酸素分圧下で、高温に加熱することにより、金属酸化物から純粋な金属を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
この場合に、「極低酸素分圧下」は必須の条件であり、以下の範囲に限定される。又、この条件下に特定の温度で加熱することが行われる。温度に関しては、その上限は、問題とすることなく採用できるが、経済的な見地から前記範囲の最も低い温度を採用すればよい。
具体的には、以下の通りである。
前記極低酸素分圧は10のマイナス30乗気圧以上、10のマイナス20乗気圧以下のであり、この特定の雰囲気において、金属酸化物を摂氏850℃以上に加熱することである。
また、前記極低酸素分圧は10のマイナス30乗気圧以上、10のマイナス20乗気圧以下のであり、この特定の雰囲気が不活性ガス中であり、この特定の雰囲気において、金属酸化物を摂氏850℃以上に加熱することである。
これらの条件は以下の手段により算出される結果である。
前記算出方法には、エリンガム図が用いられる。
エリンガム図は前記金属酸化物から金属を製造する標準生成自由エネルギ−変化(ΔG°)を縦軸に、温度を横軸にとり、反応系の平衡関係を表現するものである。このエリンガム図を用いることにより、金属酸化物から金属を製造する反応の条件(酸素分圧及び加熱温度)を定めることができる(図1)。
エリンガム図の縦線(C,H,Oで示されている標準生成自由エネルギ−を示す)の酸素の位置と想定している酸素分圧を結ぶ直線と、金属酸化物から金属を製造する際の標準生成自由エネルギ−変化(ΔG°)を示す直線を結ぶ交点から得られる温度以上の温度で処理することにより行われる。
酸化アルミニウムからアルミニウムを生成する標準生成自由エネルギーより大きい値となる金属酸化物から金属を製造する標準生成自由エネルギーを有するものであれば、エリンガム図を用いる算出方法が適用できる。
その金属酸化物から得られる金属としては、以下の通りである。
コバルト、クロム、シリコン、ニッケル、亜鉛、銅を挙げることができる。
本発明によれば、以下のアルミニウム金属の製造方法及び製造装置が提供される。
(1) 管状反応管内に配置した三酸化二アルミニウムからなる金属酸化物焼結体を、酸素分圧 が10のマイナス30乗気圧以上、10のマイナス20乗気圧以下の雰囲気中とし、エリンガム図の縦線(C、H、Oで示されている標準生成自由エネルギを示す)の酸素の位置と想定している酸素分圧を結ぶ直線と、金属酸化物から金属を製造する際の標準生成自由エネルギ変化(ΔG°)を示す直線を結ぶ交点から定められる温度である1300℃以上に赤外線加熱されている状態に保ち、前記焼結体の三酸化二アルミニウムからアルミニウム金属蒸気を得たのち、反応管上部に設置されている石英ガラスの表面に膜状で付着させることを特徴とするアルミニウム金属の製造方法
(2)前記酸素分圧が10のマイナス30乗気圧以上、マイナス20乗気圧以下の雰囲気は不活性ガス中で維持されることを特徴とする(1)に記載のアルミニウム金属の製造方法
(3)管状反応管内に配置した三酸化二アルミニウムからなる金属酸化物焼結体を、酸素分圧が10のマイナス30乗気圧以上、10のマイナス20乗気圧以下の雰囲気中とし、エリンガム図の縦線(C、H、Oで示されている標準生成自由エネルギーを示す)の酸素の位置と想定している酸素分圧を結ぶ直線と、金属酸化物から金属を製造する際の標準生成自由エネルギー変化(ΔG°)を示す直線を結ぶ交点から定められる温度である1300℃以上に赤外線加熱されている状態に保ち、前記焼結体の三酸化二アルミニウムからアルミニウム金属蒸気を得たのち、反応管上部に設置されている石英ガラスの表面に膜状で付着させて得られることを特徴とするアルミニウム金属の製造装置。
(4)前記酸素分圧が10のマイナス30乗気圧以上、マイナス20乗気圧以下の雰囲気は不活性ガス中で維持されることを特徴とする(3)に記載のアルミニウム金属の製造装置。
(5)前記赤外線加熱は、集光用の楕円ミラーが背後に設置されている赤外線加熱用ランプが楕円ミラーの一つの焦点に、他の焦点に金属酸化物が充填されている管状反応器の被加熱部が設置されていることにより行われることを特徴とする(3)又は(4)に記載のアルミニウム金属の製造装置。
本発明によれば、極低酸素分圧を利用することで金属酸化物を還元するために必要な温度を低温に下げ、従来から知られる方法より安全に、簡便に金属酸化物から金属を得ることができる新規な方法である。また、前記条件下にその金属を製造する方法を行う新規な装置を得ることができる。
金属酸化物か金属を製造する反応のエリンガム図である。 石英基盤上に付着したアルミニウムを示す図である。 三酸化二アルミニウムより得られたアルミニウムのX線回折の結果を示す図である。得られたピークはアルミニウムを基盤の材質である石英のみである。 金属酸化物から金属を製造する装置の一例を示す図である。
符号の説明
1:管状反応器
15:酸素分圧制御装置及び不活性ガス雰囲気に維持するための気体循環装置からの循環経路の酸素及び不活性ガス供給口
16:酸素分圧制御装置及び不活性ガス雰囲気に維持するための気体循環装置からの循環経路の酸素及び不活性ガス排出口
30:赤外線加熱装置
31:楕円ミラー
32:楕円ミラー
33:赤外線加熱ランプ
34:赤外線加熱ランプ
35:被加熱部
36:基板固定手段
37:基板
38:金属酸化物焼結体固定手段
39:金属酸化物焼結体
40:管状反応管上蓋、
41:管状反応管下蓋
43:管状反応管壁

本発明の金属を得るためには金属酸化物が用いられる。対象となる金属酸化物は、還元可能であるかを検討する必要がある。それには、金属酸化物から金属を製造する際の標準生成自由エネルギ−変化(ΔG°)を縦軸に、また、その反応の際の温度を横軸にとり、反応系の平衡関係を表現するエリンガム図を用いることにより、特定の温度及び酸素分圧の条件下に金属酸化物から金属を製造することができるかどうかを検討することができる(図1)。
具体的には、前記のエリンガム図において、まず、図の左側にある縦線上(ここではC,H,Oで示されている標準生成自由エネルギ−を示す)の酸素の位置と想定している酸素分圧(図の右側及び下側に示される)と、金属酸化物から金属を製造する際の標準生成自由エネルギ−変化(ΔG°)を示す直線を結ぶ交点の温度で処理することにより得られる。
例えば10のマイナス24乗ではOの位置と右下の角とを結ぶ直線となる。そうすると、描かれた直線はエリンガム図中に示されている各種元素標準生成自由エネルギ−の平衡関係を示した直線との交点として温度は特定される。一例として、酸素雰囲気が10のマイナス28乗である三酸化二アルミニウムを取り上げる。三酸化二アルミニウムが還元される温度はOの位置と10のマイナス28乗を結んだ直線と三酸化二アルミニウムの標準生成自由エネルギーの平衡関係を示した直線の交点での温度、つまり、1300℃となる。もし、三酸化二アルミニウムの温度がより高温になった場合は、還元のために必要な酸素分圧はそれに対応して高くなることも図から読み取ることができる。さらに、三酸化二アルミニウム以外のその他の酸化物に関しても同様に反応系の平衡関係を示した直線との交点から、想定している酸素分圧での還元温度を知ることができる。二酸化シリコンの場合は10のマイナス27乗気圧以下の酸素分圧下で、1000℃程度まで加熱されると還元されてシリコンを得ることが出来、また、酸化銅の場合では10のマイナス27乗気圧以下の酸素分圧下で、700℃まで加熱されると還元されて銅を得ることが出来る。
このように、エリンガム図に示されているところにしたがって、極低酸素分圧を利用することで還元することにより、酸化物から純元素を得ることができることを理解できる。しかしながら、これら酸素分圧と温度の範囲は対象である金属酸化物のエリンガム図による算出結果であり、個別には更に条件が狭くなる可能性がある。
本発明では、三酸化二アルミニウムからアルミニウムを製造する反応の標準生成自由エネルギーより大きい値の金属酸化物であれば、その金属として得られる。
具体的には、アルミニウム、コバルト、クロム、シリコン、鉄、ニッケル、スズ、チタン、亜鉛,銅の各酸化物を挙げることができる。
前記金属に対応する金属酸化物を挙げると、以下のとおりである。
酸化アルミニウム(Al
酸化コバルト(Co
酸化クロム(Cr
酸化シリコン(SiO2
酸化ニッケル(Ni
酸化亜鉛(Zn
酸化銅(CuO)
これらの金属酸化物からその金属を製造することができる。具体的な工程としては、まず、金属酸化物を圧縮して成形体とし、焼結体を製造する。次に、その金属酸化物の焼結体に対して極低酸素分圧下での還元処理を行う。
出発材料としては上記の金属酸化物を用いる。金属酸化物は通常の工業的プロセスにしたがって得られたものでよい。又、鉱物資源の原料として得られるものであっても問題ないが不純物を多く含まれる結果となるので、純粋な金属を生成する場合には良好な結果を得ることが難しい。このような場合には、できるだけ不純物を除去して得られる不純物の含有量が少ない金属酸化物として用いる。
金属酸化物は、粉状、粒状のものを用いる。また、場合によっては単結晶で棒状のもであっても差し支えはないが、単結晶であれば原料が高価であり、敢えてこのような原料物質を用いる必要はない。
用いる原料金属酸化物の粒径については、この焼結体として製造しやすい粒径のものを用いる。粒径は焼結体の製造を考慮して適宜決定することができる。粒径が必要以上に大きい場合には均一な焼結体を得ることが困難となる。又、粒径が必要以上に小さい場合にも均一な焼結体を得にくい。これらのことから、一般的には、平均粒径は0.1μmから100μm程度のものが用いられる。
金属酸化物から焼結体を製造するための金属酸化物の成形体を製造する工程は、以下の通りである。
原料の金属酸化物の粉末を容器に充填する。容器は圧力がかけられても、それに耐えることができるものが用いられる。粉末の成形には、セラミックを製造する際の圧縮機を用いる。金属酸化物粉末を、100〜3000気圧の圧力でプレスし、例えば、直径3〜20mm、長さ20〜100mmの成形体にする。プレスの圧力は一軸性の圧力よりも静水圧力下であることが望ましく、500〜3000気圧の静水圧力下でプレスすることがより望ましい。
成形する大きさは、円柱状又は角柱状でよいが、加熱溶融するための装置の処理能力や規模によって定まることであり、製造装置の処理能力や規模の拡大をはかった場合には、更に大きな形状のものを用いることができる。しかしながら、加熱手段として赤外線を集光照射する方法を用いる場合には円柱状の形状が望ましい。
金属酸化物を成形して得られる成形体の焼結は以下のようにして行う。
焼結は空気を雰囲気ガスとする焼結炉内で行う。焼結炉の加熱手段はどんな手段でもよく、ガスなどのほか電気加熱或いは赤外線加熱が用いられるが、抵抗加熱が最も一般的である。加熱温度は、金属の融点よりも低い温度とし、数時間加熱処理をする。加熱温度は、原料酸化物の焼結が行われ、金属酸化物の成形体の形状が維持できる温度とする。一般に、粒子径が小さければ小さいほど焼結開始温度が早く、逆に粒子系が大きければ焼結温度が高くなる。例えば、三酸化二アルミニウムの場合では、摂氏1300度、4時間の焼結で焼結体は完成する。酸化コバルトの場合は1000℃程度、酸化シリコンの場合は1000℃、酸化ニッケルの場合は1000℃、酸化亜鉛の場合では1000℃、酸化クロムの場合では1000℃、酸化銅の場合は700℃の焼結温度で良い。
このような操作により金属酸化物成形体から金属酸化物の焼結体を製造する。焼結体を冷却後、炉内から取り出す。
金属酸化物焼結体の加熱工程は以下の通りである。
反応炉内に、前記の金属酸化物からなる焼結体を固定する。この炉内の上部に適当な安定な物質からなる板を、金属を析出させるための基板として保持する。この板は石英ガラス板などで差し支えない。この板の表面に金属を付着させる。
加熱操作に先立って、この反応炉内を、低酸素分圧の雰囲気とする。酸素分圧が10のマイナス30乗気圧以上、10のマイナス4乗気圧以下とする。
この酸素分圧を得るには、本発明者らの特開2004−250283号公報(特願2003-42403号)及び特許第374991号明細書記載に示されている酸素分圧制御方法及び酸素分圧制御装置が用いられる。この酸素分圧制御方法及び酸素分圧制御装置によれば、不活性ガス中の酸素分圧を大気圧で2×10のマイナス1乗から1×10のマイナス30乗気圧に制御することができる。このとき用いる不活性ガスは窒素、アルゴン、ヘリウムガスが望ましく、酸素分圧は2×10のマイナス10乗から1×10のマイナス30乗気圧で行うことが望ましい。
この酸素分圧制御方法では,固体電解質であるジルコニアを主成分とする酸素分圧制御装置により不活性ガス中の酸素分圧を制御し、さらにその酸素分圧が制御された不活性ガスを閉じられた系内で循環させることにより、試料作成室の不活性ガスの酸素分圧を2×10のマイナス1乗から1×10のマイナス30乗気圧に制御することが可能となる。
加熱温度は、各金属固有のものであり、図1に示されたエリンガム図に示される標準生成自由エネルギー変化(ΔG°)と温度の関係を考慮して決定する。
具体的には、不活性ガスの酸素分圧が1×10のマイナス27乗気圧の場合では、例えば、三酸化二アルミニウムが約1300℃、二酸化シリコンが約1000℃、酸化クロムが約800℃、酸化銅700℃である。
一例として、三酸化二アルミニウムの場合を考える。1×10のマイナス27乗以下の酸素分圧下で、三酸化二アルミニウムの焼結体を、摂氏1500度まで加熱すると、三酸化二アルミニウムは還元され、アルミニウムへと変化する。この時、加熱部分の温度は摂氏1500度であるので、融点が摂氏660度のアルミニウムは液体状態であり、そこから気体状のアルミニウムが蒸発する。加熱部分から離れるとアルミニウム蒸気は冷却されるので、これを基板表面(例えば、石英ガラス)に付着させることにより、固体状のアルミニウム金属を得ることが可能になる。
温度については、前記の通りエリンガム図に示されている値から算出できる。上述の通り不活性ガスの酸素分圧が1×10のマイナス28乗気圧の場合では、約1300℃以上である。酸素分圧がより低い場合はさらに温度を低くすることができるが、逆に、酸素分圧が高い場合はより高い温度が必要となる。
酸化物からなる焼結体の温度を昇温させる際には以下のようにして行う。
前記焼結体に対して以下の、公知の加熱方法が適用される。
具体的には、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法、アーク放電法、電子線加熱法、赤外線加熱、レーザビーム加熱などを挙げることができる(特開平6−158285号公報)。抵抗加熱、高周波誘導加熱法、アーク放電法では、全てるつぼを使用し、それぞれ抵抗に電流を流した際に発生するジュール熱、高周波による金属るつぼ中の誘導電流による発熱、るつぼと電極間のアーク放電による加熱により、るつぼ中にある焼結体は加熱される。一方、電子線加熱法、赤外線集光加熱、レーザビーム加熱はそれぞれ電子線流、赤外線、レーザーを集中もしくは集光させることで焼結体を加熱する方法である。
上記の加熱方法の中でも、焼結体を直接加熱し、ルツボ内で加熱するなどの方法を取らないために、ルツボ材からの不純物混入やルツボ材との反応の可能性がなく、固定した金属酸化物に熱を与える赤外線加熱,レーザー加熱が特に有効である。
より具体的には、赤外線加熱を用いる。赤外線加熱では集光用の楕円ミラーを背後に設置されたハロゲンランプもしくはキセノンランプを楕円ミラーの一つの焦点に設置する。もう一つの焦点に、反応器内に固定されている三酸化二アルミニウム焼結体などの対象としている金属酸化物を置く。ハロゲンランプもしくはキセノンランプからの赤外線及びミラーにより反射させたものを含めて、三酸化二アルミニウム焼結体の表面に集光させて加熱する。この加熱により850℃以上の高温を得ることができる。
加熱操作にともなって、最初の段階では、加熱焼結体の表面から発生する酸素の影響を受けて酸素の発生が検知される。それに伴い、処理装置内の酸素量は僅かではあるが上昇する。その後、酸素分圧は再び低下するが、金属酸化物が還元される温度以上になると、酸素分圧制御装置の酸素濃度計の酸素濃度の値が再度上昇し、酸素の発生が確認できる。さらに加熱すると、金属析出し,蒸発が始まる。
蒸発した金属は加熱部分の上部に設置している石英ガラスに付着させる。基板表面に金属を析出させるにあたっては、基板を、処理装置内に設置して前記低酸素分圧下におく。一定時間この状態を保持し、基板表面などに付着或いは吸着されている気体物質などの不純物質を取り除いておく。
この操作により得られる金属は、純度が高い金属である。その形状は、基板表面に膜状で形成される。これらは金属酸化物の使用量や加熱温度により変化する。酸化物が実際に還元したかどうかは生成された膜をX線回折の実験を行うことにより確認することができる。
図4により、金属酸化物を加熱溶融し還元することにより得られる金属を製造する装置の一例を説明する。
管状反応管の管状反応管壁(43)の内部には、金属酸化物焼結体(39)が、回転可能な金属酸化物焼結体固定手段(38)の上部に固定されている。管状反応管頂部及び底部は、上蓋(40)、基板固定手段(36)及び管状反応管壁の保持固定手段(11)、並びに下蓋(41)、金属酸化物焼結体固定手段(38)及び管状反応管壁の保持固定手段(12)により閉鎖されている。
管状反応管を囲んで、赤外線加熱装置(30)の集光用の楕円ミラー(31、32)が設置されており、赤外線加熱用ランプ(33、34)が楕円ミラーの一つの焦点に、他の焦点に管状反応管の固定手段上の金属酸化物が配置されている。又、管状反応管下蓋(41)及び管状反応管上蓋(40)には、酸素分圧制御装置(図示せず)及び不活性ガス雰囲気に維持するための気体循環装置(図示せず)からの循環経路(15、16)が接続されている。これらの装置により管状反応管内の条件が所定の条件に維持される。
反応器の管状反応管壁(43)の内部の、固定手段(38)上の金属酸化物焼結体(39)の被加熱部(35)を赤外光照射する。管状反応管壁(43)は、赤外光を透過させる必要があり、また高温となることから石英ガラスにより作成させる。
被加熱部(35)の酸化物焼結体は、加熱溶融後、蒸発し、還元された金属の状態で上部に設置されている基板(37)表面に付着させる。基板表面に金属を析出させるにあたっては、石英ガラスは低酸素分圧下に置かれている。
基板(37)は回転可能な基板固定手段(36)に固定されている。固定方法は石英ガラス板が固定できるものであれば任意の手段が適用される。一例を挙げれば、石英ガラス板に白金の細線により固定する方法を用いることができる。この方法は取り外し可能であり、操作性もよく、安定性もある。基板固定手段(36)、金属酸化物焼結体固定手段(38)には昇降可能と同時に回転可能とするための駆動手段が設けられている。また、基板(37)を基板固定手段(36)に、とめ具などの補助手段を用いて取り外し可能に取り付けることもできる。
基板固定手段(36)、金属酸化物焼結体固定手段(38)を駆動手段により回転させることにより、酸化物焼結体は、均一に加熱溶融される。
反応器の頂部及び底部には、管状反応管壁(43)の保持固定手段(12)及び管状反応管下蓋(41)及び管状反応管上蓋(40)が固定されている。管状反応管下蓋(41)及び管状反応管上蓋(40)には、酸素分圧制御装置及び不活性ガス雰囲気に維持するための気体循環装置からの循環経路の酸素及び不活性ガス供給口(15)及びその酸素及び不活性ガス排出口(16)が設けられている。
反応器内は、酸素分圧制御装置及び不活性ガス雰囲気に維持するための気体循環装置の作用により、反応器(1)内の極低酸素分圧状態は、不活性ガス雰囲気により維持されている。具体的には、酸素分圧が10のマイナス30乗気圧以上、10のマイナス4乗気圧以下の不活性ガス雰囲気中である。反応器内の不活性ガス中の酸素分圧は大気圧で2×10のマイナス1乗から1×10のマイナス30乗気圧に制御することが出来る。このとき用いる
不活性ガスは窒素、アルゴン、ヘリウムガスが用いられ、このうちアルゴン、ヘリウムガスが望ましい。
赤外線加熱装置(30)の集光用の楕円ミラー(31、32)の焦点に赤外線加熱手段であるハロゲンランプもしくはキセノンランプ(33、34)が設けられる。もう一つの焦点に、被加熱部(35)の金属酸化物焼結体が配置される。ハロゲンランプもしくはキセノンランプからの赤外線及びミラーにより反射された赤外線により、被加熱部(35)の金属酸化物焼結体は、850℃以上の温度が与えられることにより加熱融解される。
赤外光は均一に照射されることが必要であり、金属酸化物を回転させて赤外光が均一に照射されるようにする。その回転数は5から50rpmが望ましく、10から30rpmがより望ましい。また、育成速度は0.1から50mm/hrが望ましく、1から10mm/hrがより望ましい。
金属の冷却処理及び取り出しは、以下のようにして行う。溶融操作により得られた金属を、溶融操作が終了後、酸素分圧の制御のための不活性ガスの循環を停止した状態で、反応器を大気中に開放する。その後、固定手段に固定されている単結晶、及び三酸化二アルミニウム焼結体を固定手段からはずし、反応器外に単結晶を取り出す。
以下に実施例により本発明の内容を詳細に説明する。しかしながら,本発明は之に限定されるものではない。
三酸化二アルミニウム(Al23)は、10のマイナス24乗気圧以下の酸素分圧下で、摂氏1500℃以上になると還元されて、アルミニウム金属になる(図1)。この実施例は以下のとおりである。
[工程1]焼結体の製造
99.9%の三酸化二アルミニウム(Al23)粉末(平均粒径:2μm)を、3000気圧の静水圧力下でプレスし、直径8mm、長さ100mmに整形した。整形した材料を空気中において、摂氏1300度で4時間熱処理をし,三酸化二アルミニウムの焼結棒を作成した。
[工程2] 焼結体の加熱工程
炉内を1気圧のアルゴンガス中において,10のマイナス29乗気圧の酸素分圧のその雰囲気とした。前工程で得られた焼結体を赤外線加熱により加熱した。
予め加熱部分の上部に評価のための石英ガラスを白金線でつるしておいた。焼結棒の昇温過程で吸着ガスの脱離のため、操作当初は炉内の酸素分圧が上昇する。ガスの脱離が終わると酸素分圧は再び低下した。
その後、加熱部分の温度が1500℃以上になると炉内の酸素分圧は再度,上昇した。後者の酸素分圧の上昇は三酸化二アルミニウムが還元され、酸素が発生しているためと考えられる。さらに加熱すると、空気中では赤外線加熱では溶融しない三酸化二アルミニウムが溶融した。この時、三酸化二アルミニウムが還元されているため、金属アルミニウムが析出し、これが蒸発し、加熱部分の上部に設置している石英ガラスに付着した。
加熱終了後、三酸化二アルミニウムの表面に金属アルミニウムの析出が確認され(図2)、上部に取り付けた石英ガラスをX線回折で測定するとアルミニウムであることが確認された(図3)。この分析結果より得られた析出物質は金属アルミニウムのみからなることが確認できた。
また、上部に取り付けるものを石英ガラスから白金泊に変更すると白金とアルミニウムが反応し化合物を作ることからもアルミニウムが精製されていることが確認できる。
金属酸化物を原料として、金属酸化物を直接還元して純度が高く、物質本来が有している固有の特性を有する金属を得ることができる。これらは純度が高いので電気材料や電子材料として用いることができる。そのための具体的な金属の製造方法及び製造装置を示している。いずれも産業上の利用可能性は大きい。

Claims (5)

  1. 管状反応管内に配置した三酸化二アルミニウムからなる金属酸化物焼結体を、酸素分圧が10のマイナス30乗気圧以上、10のマイナス20乗気圧以下の雰囲気中とし、エリンガム図の縦線(C、H、Oで示されている標準生成自由エネルギを示す)の酸素の位置と想定している酸素分圧を結ぶ直線と、金属酸化物から金属を製造する際の標準生成自由エネルギ変化(ΔG°)を示す直線を結ぶ交点から定められる温度である1300℃以上に赤外線加熱されている状態に保ち、前記焼結体の三酸化二アルミニウムからアルミニウム金属蒸気を得たのち、反応管上部に設置されている石英ガラスの表面に膜状で付着させることを特徴とするアルミニウム金属の製造方法
  2. 前記酸素分圧が10のマイナス30乗気圧以上、マイナス20乗気圧以下の雰囲気は不活性ガス中で維持されることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム金属の製造方法
  3. 管状反応管内に配置した三酸化二アルミニウムからなる金属酸化物焼結体を、酸素分圧が10のマイナス30乗気圧以上、10のマイナス20乗気圧以下の雰囲気中とし、エリンガム図の縦線(C、H、Oで示されている標準生成自由エネルギーを示す)の酸素の位置と想定している酸素分圧を結ぶ直線と、金属酸化物から金属を製造する際の標準生成自由エネルギー変化(ΔG°)を示す直線を結ぶ交点から定められる温度である1300℃以上に赤外線加熱されている状態に保ち、前記焼結体の三酸化二アルミニウムからアルミニウム金属蒸気を得たのち、反応管上部に設置されている石英ガラスの表面に膜状で付着させて得られることを特徴とするアルミニウム金属の製造装置。
  4. 前記酸素分圧が10のマイナス30乗気圧以上、マイナス20乗気圧以下の雰囲気は不活性ガス中で維持されることを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム金属の製造装置。
  5. 前記赤外線加熱は、集光用の楕円ミラーが背後に設置されている赤外線加熱用ランプが楕円ミラーの一つの焦点に、他の焦点に金属酸化物が充填されている管状反応器の被加熱部が設置されていることにより行われることを特徴とする請求項3又は4に記載のアルミニウム金属の製造装置。
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