JP2004052003A - ニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法および製造装置 - Google Patents

ニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の粉末を再現性よく得ることができる高純度なニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】溶融塩化カルシウム中にて、酸化ニオブまたは酸化タンタルをカルシウムで還元するニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法、および塩化カルシウムと酸化カルシウムとの混合試料からなる塩化カルシウム浴10を収納する還元容器11と、これを収納する気密容器14と、この内部に不活性ガスを導入するアルゴンガス導入口15と、還元容器11内に挿入されたグラファイト陽極板17および白金製陰極板18と、還元容器11内に酸化ニオブまたは酸化タンタルを供給するモリブデン製容器22とを具備するニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャパシタを製造するのに適する高純度ニオブ粉末または高純度タンタル粉末の製造方法およびそれに用いる製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルカリ金属、アルカリ土類金属または水素化物によって、重金属酸化物を還元する方法は、よく知られている。しかしながら、アルカリ金属、アルカリ土類金属または水素化物による重金属酸化物の還元反応は、発熱反応であり、高温の熱を発しながら進行する。すなわち、還元されるべき酸化物と還元剤との混合物を強熱した後、反応は非常に短期間で実質的に制御不能な状態で進行し、そして反応混合物が1000℃をはるかに超える温度に加熱される。このタイプの反応においては、爆発的に強まる高い圧力および反応熱の消散、並びに反応器材料の選択が難しい。
【0003】
ニオブ粉末およびタンタル粉末の粒子径は、還元反応の温度によって決まるため、反応温度の制御が不十分な条件下では粒子径の制御ができず、キャパシタに適した粒子径の粉末を再現性よく得ることができない。このため、キャパシタに使用するためのニオブ粉末またはタンタル粉末を製造するためにこの反応を使用しても成功しなかった。
【0004】
ニオブ酸化物またはタンタル酸化物を、制御された温度中でアルカリ土類金属、希土類金属などで2段階で還元して、キャパシタ用高純度ニオブ粉末または高純度タンタル粉末を製造する方法が、例えば、特開2000−119710に開示されている。この製造方法は、第1段階を(Nb,Ta)Ox(式中xは0.5〜1.5である)に対応する平均組成に達するまで還元を行い、第2段階の前に大量の水と鉱酸で洗浄することにより第1段階の還元生成物から還元剤の酸化物を除去し、第1段階と同様な方法で第2段階の還元を行ってニオブ粉末またはタンタル粉末を得る方法である。
【0005】
しかしながら、この製造方法は、同じ還元反応を2回繰り返さなければならないため、バッチ運転となり一度に大量生産できず、またエネルギー消費量も多いという問題があった。また、第2段階の還元作業に入る前に、大量の鉱酸と大量の水で還元生成物から還元剤の酸化物を除去、洗浄する必要があるため、廃棄物が多量に発生するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の目的は、連続的な原料の供給および生成物の排出に対応可能であり、生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の粉末を再現性よく得ることができる高純度なニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法は、溶融塩化カルシウム中にて、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)をカルシウムで還元することを特徴とする。
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法は、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料を加熱して溶融塩とし、溶融塩を電気分解して溶融塩化カルシウム中にカルシウムイオン(Ca )および電子が生成した強還元性溶融塩とし、強還元性溶融塩に、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)を供給して、酸化ニオブまたは酸化タンタルをカルシウムイオンおよび電子により還元、脱酸し、ニオブ粉末またはタンタル粉末を生成させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法においては、強還元性溶融塩に、酸化ニオブまたは酸化タンタルを連続的に供給し、強還元性溶融塩内で沈降するニオブ粉末またはタンタル粉末を、重力により強還元性溶融塩から外部に抜き取ることが望ましい。
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法においては、強還元性溶融塩に、塩化カルシウムと酸化カルシウムの混合試料を連続的に供給すると同時に、強還元性溶融塩からその一部を連続的に取り出し、取り出された強還元性溶融塩に、酸化ニオブまたは酸化タンタルを連続的に供給することが望ましい。
【0009】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法は、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)と塩化カルシウム(CaCl )との混合試料を加熱して、塩化カルシウムを溶融塩化カルシウムとし、溶融塩化カルシウムにカルシウム蒸気を溶け込ませて溶融塩化カルシウム中にカルシウムイオン(Ca )を生成させ、酸化ニオブまたは酸化タンタルをカルシウムイオンにより還元、脱酸し、ニオブ粉末またはタンタル粉末を生成させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置は、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料からなる溶融塩を収納する還元容器と、還元容器を収納する気密容器と、気密容器の内部に不活性ガスを導入するガス導入手段と、還元容器内に挿入された陽極板および陰極板と、還元容器内に酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)を供給する還元対象物供給手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置は、前記還元容器の底部に、底部に沈降するニオブ粉末またはタンタル粉末を外部に抜き取るための開口部と、開口部に挿入され、外部より駆動可能な排出ストッパーとを具備することが望ましい。
【0011】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置は、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料からなる溶融塩を収納する電解浴容器と、電解浴容器を収納する還元容器と、還元容器を収納する気密容器と、気密容器の内部に不活性ガスを導入するガス導入手段と、電解浴容器内に挿入された陽極板および陰極板と、電解浴容器内に塩化カルシウムと酸化カルシウムとの混合試料を供給する混合試料供給手段と、還元容器内に酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)を供給する還元対象物供給手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置は、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)と塩化カルシウム(CaCl )との混合試料を収納する混合試料容器と、金属カルシウムを収納するカルシウム容器と、混合試料容器およびカルシウム容器を収納する還元容器と、還元容器を収納する気密容器と、気密容器内に不活性ガスを導入するガス導入手段と、混合試料および金属カルシウムを加熱する加熱手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明における粉末ニオブまたは粉末タンタルの製造工程を示す図であり、還元により粉末ニオブまたは粉末タンタルを得る第1工程(ステップS1)と、粉末ニオブまたは粉末タンタルの洗浄と乾燥を行う第2工程(ステップS2)とからなる。さらに、第1工程から出される粉末ニオブまたは粉末タンタルには、塩が付着しているので、第2工程の洗浄液を蒸発乾固して、得られた塩を第1工程へ戻す塩回収工程(ステップS3)を有する。
【0014】
(イ)第1工程(ステップS1):
第1工程(ステップS1)においては、還元剤による酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)の還元と、必要に応じて電解による還元剤の再生とが行われる。還元剤による酸化ニオブの還元および電解による還元剤の再生は、800〜1000℃の温度で溶融塩化カルシウム媒体中で同時に行われる。
【0015】
還元剤としては、酸化ニオブを還元し、かつニオブ中に固溶している酸素を完全に除去(脱酸)し得るものが必要であり、そのような還元剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属および炭素のうち、カルシウムである。ナトリウムおよびマグネシウムは、脱酸能力に劣る。また、炭素が混入したニオブ粉末は、コンデンサ材料用途として適さないことから、炭素は還元剤として使用できない。
【0016】
酸化ニオブのカルシウム(Ca)による還元は、次の(1)式〜(5)式の多段階の基本反応に要約される。
Nb+5Ca=2Nb+5CaO (1)
Nb+Ca=2NbO +CaO (2)
NbO +Ca=NbO+CaO   (3)
NbO+Ca=Nb+CaO     (4)
[O]Nb+Ca=CaO       (5)
(式中、[O]Nbは、ニオブ中に固溶している酸素を表す。)
本発明のニオブ粉末の製造方法は、ニオブ(Nb)を連続的に製造するために(1)式〜(5)式に示す多段階の基本反応を溶融塩化カルシウム(CaCl)中で行わせるところに特徴がある。
【0017】
カルシウム(Ca)はニオブ(Nb)中に溶解度をもたないので、溶融塩化カルシウム中に直接ニオブが析出する。酸化ニオブ相が金属相に変化する時点から、ニオブ粒子の合併による粒成長が進行し、反応容器下部へ沈降して溶融塩化カルシウム中に0.1〜100μmのニオブ粒子が高密度に充填したスラリーが蓄積される。このスラリーは、例えば、排出管等を通して外部へ抜き取られる。
【0018】
この工程は酸化タンタルにおいても同様である。なお、酸化タンタルの還元は、酸化ニオブの還元のような多段階反応ではなく、(6)式および(10)式に示す基本反応による。
Ta+5Ca=2Ta+5CaO (6)
[O]Ta+Ca=CaO       (7)
よって、酸化ニオブに比べて速やかに還元反応が進む。
【0019】
(ロ)第2工程(ステップS2):
第1工程で得られたニオブ粒子のスラリーを冷却後、水中に投下して攪拌すると、塩化カルシウムは水中に溶解し、酸化カルシウムは水酸化カルシウムに変化して水中に懸濁し、ニオブ粒子は沈降する。水槽底部に堆積するニオブ粒子を連続的に抜き取り、ニオブ粒子に付着するカルシウム分を希塩酸で溶出除去した後、さらに水洗、乾燥して、高純度のニオブ粉末を得る。
【0020】
(ハ)塩回収(ステップS3):
第2工程においてニオブを除いた水酸化カルシウム懸濁の塩化カルシウム水溶液は、ステップS5で低温熱源により蒸発乾固され、塩化カルシウムと酸化カルシウムの混合物(塩)が回収される。この塩は、第1工程に戻され、再使用される。
【0021】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を具体的に説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法の関係、各容器の容積の関係、容積内に占める物質との比較等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参考にして判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比較が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置の一例を示す概略断面図である。この製造装置(還元・脱酸装置)は、溶融塩化カルシウム浴中に電解領域と酸化ニオブ(Nb)または酸化タンタル(Ta)の還元領域を共存させてニオブ粉末またはタンタル粉末の製造を行うものである。
【0023】
この製造装置は、塩化カルシウム(CaCl )および酸化カルシウム(CaO)の混合試料からなる溶融塩(塩化カルシウム浴10)を収納する還元容器11と、この還元容器11を収納するステンレス製の容器12およびステンレス容器12の開口部を閉じるステンレス製の蓋13からなる気密容器14と、蓋13に設けられ、気密容器14内に不活性ガス(アルゴンガス)を導入するアルゴンガス導入口15(ガス導入手段)と、蓋13に設けられたアルゴンガス排出口16と、還元容器11内の塩化カルシウム浴10に挿入されるグラファイト陽極板17および白金製陰極板18と、容器12の下部の周辺に配置された塩化カルシウム浴10を加熱する電気炉発熱体19と、塩化カルシウム浴10の温度を測定するために蓋13の開口部から還元容器11の近傍まで挿入された熱電対20と、塩化カルシウム浴10の内部に挿入された、酸化ニオブ粉末21(または酸化タンタル粉末)が収納されているモリブデン製容器22(還元対象物供給手段)と、グラファイト陽極板17に接続された白金製のリード線23と、白金製陰極板18に接続された白金製のリード線24と、モリブデン製容器22に接続された白金製のリード線25と、還元容器11に接続された白金製のリード線26と、リード線23、24を介してグラファイト陽極板17と白金製陰極板18との間に電解電圧を印加する直流電源27と、蓋13に設けられた、塩化カルシウム浴10を観察する覗き窓28と、蓋13に設けられた、塩化カルシウム浴10の液面レベルを測定する液面センサー29とを具備して概略構成されるものである。
【0024】
ここで、還元容器11としては、ニオブ製の容器が用いられる。ただし、酸化タンタルの還元時にはタンタル製の容器を用いる。
また、リード線25、26により、モリブデン製容器22および還元容器11は、白金製陰極板18と同電位になっている。
【0025】
図2に示すニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置を用いた、ニオブ粉末の製造は、以下のようにして行われる。
まず、塩化カルシウム(CaCl )および酸化カルシウム(CaO)を混合し、これを還元容器11内で加熱して塩化カルシウム浴10(溶融塩)を用意する。そして、この塩化カルシウム浴10(溶融塩)中にグラファイト陽極板17および白金製陰極板18を垂直に差し込み、白金製陰極板18の背後に酸化ニオブ粉末21を入れたモリブデン製容器22を浸漬する。
【0026】
ついで、アルゴンガス導入口15およびアルゴンガス排出口16を介して、気密容器14内にアルゴンガスを流動させる。不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)の他に、ヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の希ガス、窒素ガス(N )等が使用可能である。
そして、グラファイト陽極板17と白金陰極板18の間に直流電源27を用いて、電解電圧を印加し、図3に示すように、塩化カルシウム浴10を電解(電気分解)して強還元性溶融塩30にする。電解電圧は、たとえば、2.9Vとすればよい。
図4および図5の状態図から、850℃から1000℃の温度範囲では、溶融塩化カルシウム中にはカルシウム(Ca)が2〜3重量%溶解し、さらに還元・脱酸反応で副生成する酸化カルシウム(CaO)も10重量%溶解し得る。したがって、強還元性溶融塩30は、均一液層となる。
【0027】
この強還元性溶融塩30中において、モリブデン製容器22内の酸化ニオブ粉末21は、還元媒体である溶質カルシウム(Ca)により還元・脱酸される。実際には、酸化ニオブ(Nb)は、(8)式に示すように、溶融塩化カルシウムの中のカルシウムイオン(Ca )および電子eにより還元され、ニオブ中に固溶している酸素は、溶融塩化カルシウムの中のカルシウムイオン(Ca)および電子eにより脱酸される。
Nb+5Ca+5e=2Nb+5CaO (8)
【0028】
塩化カルシウム浴10の電解は、2価のカルシウムイオンCa(Ca2+)を白金製陰極板18にて1価のカルシウムイオン(Ca )に還元するためのものであり、このカルシウムイオン(Ca )は、強還元性溶融塩30中に速やかに拡散し、酸化ニオブ(Nb)の還元に寄与する。電子eは、電気的中性を保つためにカルシウムイオン(Ca )と共存しているものであり、電気分解の負極である白金製陰極板18、および負極と等電位のニオブ製の還元容器11から供給される。
【0029】
副生成する酸化カルシウム(CaO)は、溶融塩化カルシウム中に溶け込み、粒状ニオブ31が析出して沈降分離される。酸化ニオブのカルシウムによる還元の際、副生成する酸化カルシウム(CaO)が、被還元粒子(酸化ニオブ粉末)に付着すると、さらなる還元反応の進行を阻害する。しかしながら、酸化ニオブ粉末の周囲には溶媒の溶融塩化カルシウムが存在するので、酸化カルシウム(CaO)が溶融塩化カルシウムに溶け、新たな酸化ニオブの反応面がカルシウムに対して露出し、還元反応が速やかに進行する。酸化タンタルを用いた場合でも同様である。
【0030】
酸化カルシウム(CaO)は、電解領域へ自己拡散または還元容器11内の強制流動によって移動し、グラファイト陽極板17と白金製陰極板18の間で電解される。この理論分解電圧E は温度の関数として図6で表される。酸化カルシウム(CaO)の電解によって、グラファイト陽極板18においては、酸素イオン(O2−)がグラファイト(炭素)と反応して一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO )の混合ガスとなり、ガス気泡32が強還元性溶融塩30中を上昇して系外へ排出される。一方、白金製陰極板18においては、2価のカルシウムイオンが1価のカルシウムイオンに還元され、この1価のカルシウムイオン(Ca )は、電解領域から自己拡散または還元容器11内の強制流動によって、還元・脱酸によってカルシウムイオン(Ca )濃度が低下した酸化ニオブ粉末21近傍に供給され、酸化ニオブの還元・脱酸で消耗する量を補う。
【0031】
なお、第1の実施の形態における酸化カルシウム(CaO)の電解は、溶融塩化カルシウム中の酸化カルシウム(CaO)における2価のカルシウムイオン(Ca2+)を1価のカルシウムイオン(Ca )に還元して溶融塩化カルシウム中に拡散せしめ、カルシウムイオン(Ca )濃度を飽和濃度近くに戻すことを目的としており、必ずしも純粋カルシウム(Ca)をつくるためのものではない。ここで、電解によるカルシウムイオン(Ca )の生成速度が、酸化ニオブ(Nb)または酸化タンタル(Ta)の還元によるカルシウムイオン(Ca )の消耗速度を上回り、カルシウムイオン(Ca )濃度が飽和濃度を超える場合、液体カルシウム(Ca)の析出も起こり得る。しかしながら、析出した液体カルシウム(Ca)が、強還元性溶融塩30との比重差で浮上して、液体カルシウム(Ca)層をなしても、これを速やかに還元領域に移動させるならば、特に不都合はない。
【0032】
以上の還元容器11内の反応は、(8)式で示した還元反応と、以下の2つの(9)式および(10)式で示す電解反応の合計3つの式で表現することができる。
陽極:O2−+C=CO+2e (9)
陰極:Ca2++2e=Ca  (10)
これらの式を加え合わせると、次に示す総括反応式(11)に要約される。
Nb+5C=2Nb+5CO (11)
この式は、すなわち金属精錬の主流であるところの酸化物の炭素還元であり、本発明の第1の実施の形態における反応は、酸化カルシウム(CaO)の電解還元反応を補助反応とした、酸化ニオブの炭素還元反応と見なすことができる。要するに、同一の還元容器11内で酸化ニオブの還元と還元剤の再生を行う単一の「工程内循環」によりニオブ粉末を作ることを原理としている。勿論、酸化タンタル(Ta)を用いた場合においても同様である。
【0033】
以上説明した本発明の第1の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法によれば、溶融塩化カルシウム中においてカルシウムイオン(Ca)および電子によって酸化ニオブまたは酸化タンタルを還元・脱酸しているので、副生成した酸化カルシウム(CaO)の溶融塩化カルシウムへの拡散による反応速度の制御が可能となる。また、発熱反応に伴う反応熱を溶融塩化カルシウムに発散させ、温度上昇を押さえることができる。このような反応速度の制御と反応温度の安定化により、目的とする粒子径の粉末を再現性よく得ることができる。
【0034】
また、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料からなる溶融塩を電気分解して溶融塩化カルシウム中にカルシウムイオン(Ca )および電子を生成させているので、溶融塩化カルシウム中に適度な濃度のカルシウムイオン(Ca )を連続的に供給することができる。これにより、連続的に酸化ニオブまたは酸化タンタルを供給しても、酸化ニオブまたは酸化タンタルの還元・脱酸を連続的に安定して行うことができる。
【0035】
また、溶融塩化カルシウム中においてカルシウムイオン(Ca )および電子によって酸化ニオブまたは酸化タンタルを還元・脱酸しているので、酸化ニオブまたは酸化タンタルに付着した酸化カルシウム(CaO)が溶融塩化カルシウムに溶け、新たな反応面がカルシウムに対して露出する。このため、酸化カルシウム(CaO)が還元反応の進行を阻害することがなく、酸化カルシウム(CaO)を除去、洗浄する必要がないため、1段階の還元でニオブ粉末またはタンタル粉末を得ることができる。
【0036】
また、1段階の還元でニオブ粉末またはタンタル粉末を得ているので、従来のように同じ還元反応を2回繰り返す必要がなく、生産性が高く量産に適している。また、従来のように第2段階の還元作業に入る前に、大量の鉱酸と大量の水で還元生成物から還元剤の酸化物を除去、洗浄する必要がないため、廃棄物が従来に比べ少なく、環境に対する配慮がなされている。
【0037】
また、以上説明した本発明の第1の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置によれば、本発明の第1の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法を実施することができるので、連続的な原料の供給および生成物の排出に対応可能であり、生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の粉末を再現性よく得ることができる。
【0038】
なお、第1の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置において、還元容器11を図7に示すような還元容器33に変更して、連続的に酸化ニオブまたは酸化タンタルを供給し、酸化ニオブまたは酸化タンタルの還元・脱酸を連続的に行ってニオブ粉末またはタンタル粉末を連続的に得ることも可能である。
図7中の▲1▼は、還元のために投入口34a、34bから投入される酸化ニオブ(Nb)である。図7中の▲2▼は、溶媒となる溶融塩化カルシウムである。塩化カルシウムの融点は770℃で、蒸気圧は塩化マグネシウム(MgCl )よりはるかに低い。溶媒である溶融塩化カルシウム中には、電解領域の非消耗式の白金製陰極板18上での▲3▼の反応:
Ca2++e=Ca  (12)
で生成される1価のカルシウムイオン(Ca )、自由電子eが溶け込んでいる。さらに、この溶媒中には、図7中に示した▲5▼、▲6▼、▲7▼における酸化ニオブの還元・脱酸反応:
Nb+5Ca+5e=2Nb+5Ca2++5O2− (13)
[O]Nb+Ca+e=Ca2++O2− (14)
により生成する酸素イオン(O2−)が溶け込んでいる。
【0039】
図7中の▲3▼は、白金製陰極板18上の還元反応であり、電子eは白金製陰極板18から供給される。電解は、塩化カルシウム(CaCl )の分解電圧以下の直流電圧で行う。溶融塩化カルシウム中への溶け込むカルシウム(Ca)が飽和溶解度に達すると純粋カルシウム(Ca)が析出し始める。図7中の▲4▼は、消耗式のグラファイト陽極板17上で酸素イオン(O2−)と反応して生成するCO−CO 混合ガスである。図7中の▲5▼は、(13)式で示される酸化ニオブ(Nb)が溶融塩化カルシウム中に溶けこんでいる1価のカルシウムイオン(Ca )と電子eによって行われる還元反応である。酸素は酸素イオン(O2−)となって溶媒中に溶けこむ。図7中の▲6▼は、(14)式で示される酸化ニオブ(Nb)の還元により生成する金属相に固溶している酸素[O]Nbを取り除く脱酸反応である。図7中の▲7▼は、ニオブ製の還元容器33の底部における(14)式で示す脱酸反応を示す。ニオブ製の還元容器33の底部においては、堆積する粒状ニオブ層が白金製陰極板18と等電位のニオブ製の還元容器33から供給される電子eと溶媒中の1価のカルシウムイオン(Ca )と反応して固溶酸素[O]Nbが取り除かれる。還元容器33の底部に堆積した粒状ニオブのスラリーは、還元容器33の底部の開口部35a、35bから取り出される。
【0040】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置の他の例を示す概略断面図である。
この製造装置は、溶融塩化カルシウムからなる還元浴40を収納する還元容器41と、この還元容器41を収納するステンレス製の反応容器42、反応容器42上部フランジに接続されるステンレス製の蓋43および製反応容器42下部フランジに接続されるステンレス製の反応容器底部44からなる気密容器45と、蓋43に設けられ、気密容器45内に不活性ガス(アルゴンガス)を導入するアルゴンガス導入口46(ガス導入手段)と、蓋43に設けられたアルゴンガス排出口47と、還元容器41内に酸化ニオブを供給する投入口48(還元対象物供給手段)と、還元容器41の底部に設けられ、この底部の開口部を開閉する排出ストッパー49と、この排出ストッパー49を回転および上下方向移動させるストッパー駆動装置50と、反応容器42の周りに配置された、還元容器41および排出ストッパー49をそれぞれ別々に加熱し、異なった温度に保持可能な外部ヒータ(図示略)と、反応容器底部44内に載置された、還元生成物受け入れ用の水冷容器51と、投入口48の上部からY型に分岐した導入パイプを利用して設けられた還元浴攪拌装置52と、反応容器42の側壁に反応容器42内と連通して設けられた円筒形の観察窓取付けポート53と、観察窓取付けポート53の端面に設けられた、排出ストッパー49の状態を観察する排出機構観察窓54と、観察窓取付けポート53に設けられたアルゴンガス導入口55とを具備して概略構成されるものである。
【0041】
ここで、還元容器41および水冷容器51としては、ニオブ製の容器が用いられる。ただし、酸化タンタルの還元時にはタンタル製の容器を用いる。
還元容器41は、円筒の還元反応部56と、ニオブスラリー57が堆積する円錐状のニオブスラリー堆積部58とからなる。
ストッパー駆動装置50は、モーター駆動および手動機能を有し、蓋43の上方に配置されている。
【0042】
図8に示すニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置を用いた、ニオブ粉末の製造は、以下のようにして行われる。
まず、還元容器41の底部の排出ストッパー49を閉じ、アルゴンガス導入口46からアルゴンガスを気密容器45内に導入し、還元容器41の内部をアルゴンガス雰囲気とする。不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)の他に、ヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の希ガス、窒素ガス(N)等が使用可能である。
還元容器41内をアルゴンガス雰囲気としたのち、外部ヒータを用いて、還元容器41の還元反応部56を塩化カルシウム(CaCl )の融点以上の900℃に、ニオブスラリー堆積部58の温度を融点以下の700℃に保持する。
【0043】
しかる後、投入口48から塩化カルシウム(CaCl )を還元容器41内部に投入する。塩化カルシウム(CaCl )は、ニオブスラリー堆積部58に凝固相を残し、上部の還元反応部において溶融する。この凝固相は、その上に乗る還元浴40の維持をより確かなものとする。溶融塩化カルシウムが所定量蓄積された後、これに還元剤であるカルシウム(Ca)を飽和濃度以下の量添加し、還元浴40とする。
【0044】
ついで、還元浴40を攪拌装置52で攪拌しながら、投入口28から酸化ニオブ(Nb)を連続的に投入し、酸化ニオブのカルシウムによる還元・脱酸を行う。還元容器41の還元反応部56における還元浴40中で還元されたニオブは比重差で沈降し、還元容器41下部のニオブスラリー堆積部58に堆積し、ニオブスラリー57となる。このニオブスラリー57は溶融塩化カルシウムを含むので、全体として流動性のあるスラリーを形成し、重力で下降し得る。所定量の投入が終了した後、外部ヒータを用いてニオブスラリー堆積部58の温度を徐々に上げ、その温度が塩化カルシウム(CaCl )の融点を超えたとき、ストッパー駆動装置50を作動させ、排出ストッパー49を開くと、還元、生成された金属ニオブ粒子を含むニオブスラリーの排出、落下が始まり、反応容器底部44に設置している水冷容器51内に、金属ニオブ粒子が凝固して蓄積される。
【0045】
所定量のニオブスラリーの抜き出しが終了したところで、排出ストッパー49を閉じ、ニオブスラリー堆積部58を冷却した後、カルシウム(Ca)を還元浴40に追加投入し、酸化ニオブのカルシウムによる還元・脱酸を継続する。
【0046】
以上説明した本発明の第2の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法によれば、溶融塩化カルシウム中においてカルシウムによって酸化ニオブまたは酸化タンタルを還元・脱酸しているので、副生成した酸化カルシウム(CaO)の溶融塩化カルシウムへの拡散による反応速度の制御が可能となる。また、発熱反応に伴う反応熱を溶融塩化カルシウムに発散させ、温度上昇を押さえることができる。このような反応速度の制御と反応温度の安定化により、目的とする粒子径の粉末を再現性よく得ることができる。
【0047】
また、酸化ニオブを還元浴40に連続的に供給し、還元浴40の下部に沈降したニオブ粒子を還元容器41の底部からスラリーとして、重力により外部に抜き取っているので、高純度のニオブ粉末を連続的に得ることができ、量産性に優れる。
また、溶融塩化カルシウム中においてカルシウムによって酸化ニオブまたは酸化タンタルを還元・脱酸しているので、酸化ニオブまたは酸化タンタルに付着した酸化カルシウム(CaO)が溶融塩化カルシウムに溶け、新たな反応面がカルシウムに対して露出する。このため、酸化カルシウム(CaO)が還元反応の進行を阻害することがなく、酸化カルシウム(CaO)を除去、洗浄する必要がないため、1段階の還元でニオブ粉末またはタンタル粉末を得ることができる。
【0048】
また、1段階の還元でニオブ粉末を得ているので、従来のように同じ還元反応を2回繰り返す必要がなく、生産性が高く量産に適している。また、従来のように第2段階の還元作業に入る前に、大量の鉱酸と大量の水で還元生成物から還元剤の酸化物を除去、洗浄する必要がないため、廃棄物が従来に比べ少なく、環境に対する配慮がなされている。
【0049】
また、以上説明した本発明の第2の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置は、還元容器41の底部に、底部に沈降するニオブ粉末またはタンタル粉末を外部に抜き取るための開口部と、開口部に挿入され、外部より駆動可能な排出ストッパー49とを具備するので、高純度のニオブ粉末を連続的に得ることができ、量産性に優れる。
【0050】
(第3の実施の形態)
図9は、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置の他の例を示す概略断面図である。
この製造装置は、塩化カルシウム(CaCl )および酸化カルシウム(CaO)の混合試料からなる溶融塩(電解浴60)を収納する電解浴容器61と、電解浴容器61を収納し、電解浴容器61から溢れる強還元性溶融塩(還元浴62)を溜める還元容器63と、2重容器構造を構成する電解浴容器61および還元容器63を収納する、ステンレス鋼製の反応容器64および反応容器64の上部開口部を閉じるステンレス製の蓋65からなる気密容器66と、蓋65に設けられ、還元浴62に酸化ニオブ(Nb)を投入する投入口67(還元対象物供給手段)と、蓋65に設けられ、気密容器66内に不活性ガス(アルゴンガス)を導入するアルゴンガス導入口68(ガス導入手段)と、蓋65に設けられたアルゴンガス排出口69と、蓋65を貫通する陰極リード管70と、陰極リード管70の先端に接続され、電解浴容器61内の電解浴60に挿入される白金製陰極板71と、陰極リード管70の上部端部を閉じる蓋72と、蓋72を貫通し、電解浴60の近傍まで導かれているCO−CO ガス排出管73と、CO−CO ガス排出管73の上部端部を閉じる蓋74と、蓋74に設けられたCO−CO ガス排出管73に接続するCO−CO ガスの排出口75と、蓋74を貫通する陽極リード管兼塩化カルシウム(CaCl )・酸化カルシウム(CaO)混合試料投入管(陽極リード管兼投入管76)と、陽極リード管兼投入管76に接続され、電解浴60に塩化カルシウム(CaCl )および酸化カルシウム(CaO)の混合試料を投入する投入口77(混合試料供給手段)と、陽極リード管兼投入管76の先端に接続され、電解浴容器61内の電解浴60に挿入されるグラファイト陽極板78と、蓋65と陰極リード管70との間を電気的に絶縁する絶縁体79と、蓋72とCO−CO ガス排出管73との間を電気的に絶縁する絶縁体80と、蓋74と陽極リード管兼投入管76との間を電気的に絶縁する絶縁体81と、酸化ニオブの投入口67に接続され、還元浴62の液面近傍まで導かれている投入管82(還元対象物供給手段)と、アルゴンガス導入口68に接続され、還元容器63の底部外側近傍まで導かれているアルゴンガス導入管83(ガス導入手段)と、還元容器63内の還元浴62の液面近傍まで導かれている熱電対84と、蓋65を貫通して設けられ、熱電対84を収納する熱電対保護管85と、蓋65を貫通して設けられ、蓋65の上方から駆動可能とされた還元浴攪拌装置86と、陽極リード管兼投入管76と陰極リード管70との間に接続された直流電源(図示略)とを具備して概略構成されるものである。
ここで、電解浴容器61および還元容器63としては、ニオブ製の容器が用いられる。ただし、酸化タンタルの還元時にはタンタル製の容器を用いる。
【0051】
図9に示すニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置を用いた、ニオブ粉末の製造は、以下のようにして行われる。
まず、アルゴンガス導入口68およびアルゴンガス排出口69を用いて、気密容器66の内部をアルゴンガスで置換する。不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)の他に、ヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の希ガス、窒素ガス(N )等が使用可能である。
このアルゴンガス雰囲気中で、投入口77から電解浴容器61の内部に、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)の混合試料を投入する。そして、電解浴容器61と還元容器63を、加熱装置(図示略)により所定の温度に保持する。
【0052】
直流電源を用いて、グラファイト陽極板78と白金製陰極板71との間に電解電圧を印加し、酸化カルシウム(CaO)を電気分解する。電気分解により得られるカルシウム(Ca)を含む溶融塩化カルシウム(強還元性溶融塩)は、電解浴容器32からオーバーフローし、溢流87となって下部に設置した還元容器63に供給される。この溢流量は陽極リード管兼投入管76を通して連続的に電解浴容器61に追加される塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)の混合試料の量によって決まる。また、酸化カルシウム(CaO)の電気分解によってグラファイト陽極板78から発生するCO−CO ガス88は、CO−CO ガス排出管73を通って排出口75から装置外に排出される。
【0053】
還元容器63においては、電解浴容器61から溢流供給される還元浴62(強還元性溶融塩)を攪拌装置86で攪拌しながら、これに酸化ニオブ(Nb)が投入管82を通して連続的に供給され、混合される。
この結果、還元容器63内で、酸化ニオブ(Nb)は、還元浴62(溶融塩化カルシウム)中のカルシウムイオン(Ca )および電子eにより還元・脱酸され、ニオブ粉末が生成する。このような操作を継続することにより、還元容器63内に所望の量の金属ニオブ粉末が堆積する。
【0054】
その後、炉冷し、還元容器63を水中に浸漬して塩化カルシウム(CaCl)分を溶出させ、懸濁する水酸化カルシウムと沈殿する金属ニオブ粉末を分離する。金属ニオブ粉末を、さらに希塩酸で洗浄し、ついで水洗および乾燥して回収する。
【0055】
以上説明した本発明の第3の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法によれば、溶融塩化カルシウム中においてカルシウムイオン(Ca)および電子によって酸化ニオブまたは酸化タンタルを還元・脱酸しているので、副生成した酸化カルシウム(CaO)の溶融塩化カルシウムへの拡散による反応速度の制御が可能となる。また、発熱反応に伴う反応熱を溶融塩化カルシウムに発散させ、温度上昇を押さえることができる。このような反応速度の制御と反応温度の安定化より、目的とする粒子径の粉末を再現性よく得ることができる。
【0056】
また、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料からなる溶融塩の電気分解と、得られた強還元性溶融塩中における酸化ニオブ(酸化タンタル)の還元・脱酸とを、別々の容器内で行い、かつそれぞれの容器に混合試料および酸化ニオブ(酸化タンタル)を別々に連続供給しているので、溶融塩の電気分解および、酸化ニオブまたは酸化タンタルの還元を一定条件下で連続的に安定して行うことができる。
【0057】
また、溶融塩化カルシウム中においてカルシウムイオン(Ca )および電子によって酸化ニオブまたは酸化タンタルを還元・脱酸しているので、酸化ニオブまたは酸化タンタルに付着した酸化カルシウム(CaO)が溶融塩化カルシウムに溶け、新たな反応面がカルシウムに対して露出する。このため、酸化カルシウム(CaO)が還元反応の進行を阻害することがなく、酸化カルシウム(CaO)を除去、洗浄する必要がないため、1段階の還元でニオブ粉末またはタンタル粉末を得ることができる。
【0058】
また、1段階の還元でニオブ粉末またはタンタル粉末を得ているので、従来のように同じ還元反応を2回繰り返す必要がなく、生産性が高く量産に適している。また、従来のように第2段階の還元作業に入る前に、大量の鉱酸と大量の水で還元生成物から還元剤の酸化物を除去、洗浄する必要がないため、廃棄物が従来に比べ少なく、環境に対する配慮がなされている。
【0059】
また、以上説明した本発明の第3の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置によれば、本発明の第3の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法を実施することができるので、連続的な高純度のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造が可能であり、生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の粉末を再現性よく得ることができる。
【0060】
(第4の実施の形態)
図10は、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置の他の例を示す概略断面図である。
この製造装置は、ステンレス製の還元・脱酸容器90(還元容器)と、還元・脱酸容器90を収納する耐熱鋼製の気密容器本体91および気密容器本体91の開口部を閉じる容器扉92からなる気密容器93と、気密容器本体91に設けられた不活性ガス(アルゴンガス)の導入口94(ガス導入手段)と、気密容器本体91に設けられた不活性ガスの排出口95と、還元・脱酸容器90の上部を覆う蓋96と、還元・脱酸容器90内に載置された酸化ニオブ(Nb)粉末と塩化カルシウム(CaCl )との混合試料97を収納する上段の皿98(混合試料容器)と、カルシウム粒99(金属カルシウム)を収納する下段の皿100(カルシウム容器)と、混合試料97およびカルシウム粒99を加熱する電気炉発熱体101(加熱手段)と、還元・脱酸容器90の下部に配置されたステンレス製の底板102と、蓋96の上部に配置されたステンレス製の上板103と、底板102および上板103を上下から締め付けるボルト104およびナット105と、気密容器本体91を貫通し、還元・脱酸容器90の真横に設置された熱電対106とを具備して概略構成される。
【0061】
ここで、収納される還元・脱酸容器90の大きさを、たとえば、内径50mm、高さ80mmとすれば、気密容器本体91は、内径350m、長さ720mm程度にすればよい。還元・脱酸容器90は、電気炉発熱体101の均熱部に位置するように、気密容器本体91の内部に配置される。
また、還元・脱酸容器90と蓋96との密閉性を高めるため、還元・脱酸容器90の上部開口部端面(接着面)にはテーパー加工が施され、ナイフエッジのような形状にされている。さらに、ボルト104およびナット105の締め付けによって底板102および上板103を介して還元・脱酸容器90および蓋96を上下から圧着し、還元・脱酸容器90のナイフエッジ形状の上部開口部端面を蓋96に密着させ、カルシウム(Ca)蒸気が還元・脱酸容器90の外へ漏れることを極力防止している。
【0062】
図10に示すニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置を用いた、ニオブ粉末の製造は、以下のようにして行われる。
まず、導入口94および排出口95を用いて、気密容器93の内部をアルゴンガスで置換する。不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)の他に、ヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の希ガス、窒素ガス(N )等が使用可能である。
このアルゴンガス雰囲気中で、還元・脱酸容器90内において上段の皿98の混合試料97および下段の皿100のカルシウム粒99は加熱される。還元温度は還元・脱酸容器90の真横に設置したアルメル・クロメル熱電対(熱電対12)を用いて±10℃の精度で測定する。
【0063】
高温では酸化ニオブ(Nb)と塩化カルシウム(CaCl )の間に相互溶解度はないので、上段の皿98内においては、上部の溶融塩化カルシウムと、下部の固体酸化ニオブ(Nb)粒子層の2層にわかれ、酸化ニオブ(Nb)は溶融塩化カルシウムによって完全に覆われ、気相と遮断される。下段の皿100の溶解カルシウム(Ca)から発生するカルシウム(Ca)蒸気は、還元・脱酸容器90内に充満し、溶融塩化カルシウムに溶けこみ、カルシウムイオン(Ca )が生成する。このカルシウムイオン(Ca )が酸化ニオブ(Nb2 5 )を還元・脱酸する。所定の温度および反応保持時間の後、炉令し、混合試料97を取り出して水洗および希塩酸洗浄を行う。その後、得られたニオブ粉末を回収して乾燥する。
【0064】
以上説明した本発明の第4の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法によれば、溶融塩化カルシウム中においてカルシウムによって酸化ニオブまたは酸化タンタルを還元・脱酸しているので、副生成した酸化カルシウム(CaO)の溶融塩化カルシウムへの拡散による反応速度の制御が可能となる。また、発熱反応に伴う反応熱を溶融塩化カルシウムに発散させ、温度上昇を押さえることができる。このような反応速度の制御と反応温度の安定化により、目的とする粒子径の粉末を再現性よく得ることができる。
【0065】
また、カルシウム蒸気によって溶融塩化カルシウム中に適度な濃度のカルシウムを供給しているので、溶融塩化カルシウム中への制御されたカルシウムの投入が可能である。
また、溶融塩化カルシウム中においてカルシウムによって酸化ニオブまたは酸化タンタルを還元・脱酸しているので、酸化ニオブまたは酸化タンタルに付着した酸化カルシウム(CaO)が溶融塩化カルシウムに溶け、新たな反応面がカルシウムに対して露出する。このため、酸化カルシウム(CaO)が還元反応の進行を阻害することがなく、酸化カルシウム(CaO)を除去、洗浄する必要がないため、1段階の還元でニオブ粉末またはタンタル粉末を得ることができる。
【0066】
また、1段階の還元でニオブ粉末を得ているので、従来のように同じ還元反応を2回繰り返す必要がなく、生産性が高く量産に適している。また、従来のように第2段階の還元作業に入る前に、大量の鉱酸と大量の水で還元生成物から還元剤の酸化物を除去、洗浄する必要がないため、廃棄物が従来に比べ少なく、環境に対する配慮がなされている。
【0067】
また、以上説明した本発明の第4の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置によれば、本発明の第4の実施の形態に係るニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法を実施することができるので、連続的な原料の供給および生成物の排出に対応可能であり、生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の粉末を再現性よく得ることができる。
【0068】
なお、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法は、溶融塩化カルシウム中にて、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)をカルシウムで還元する方法で有ればよく、上述の第1〜第4の実施の形態の方法に限定はされない。
【0069】
【実施例】
以下、実施例を示す。
[実施例1]
図2に示すニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置を用いてニオブ粉末の製造を行った。
まず、950gの塩化カルシウム(CaCl )にあらかじめ126gの酸化カルシウム(CaO)を混合し、これを還元容器11内で加熱して塩化カルシウム浴10(溶融塩)を用意した。この塩化カルシウム浴10中に100×50×15mmのグラファイト陽極板17と60×50×5mmの白金製陰極板18を40mmの間隔で垂直に差し込み、さらに、白金製陰極板18の背後に20gの酸化ニオブ粉末21を入れたモリブデン製容器20を浸漬した。
【0070】
ついで、アルゴンガス導入口15およびアルゴンガス排出口16を介して、気密容器14内にアルゴンガスを流動させた。この状態で、覗き窓28からグラファイト陽極板18近傍におけるCO−CO のガス気泡32の放出を観察しながら、900℃の温度下、電解電圧2.9Vで塩化カルシウム浴10の電解および酸化ニオブ粉末21の還元・脱酸を行った。
電解還元を3時間継続した後、炉冷した。炉冷した後、モリブデン製容器20内の還元生成物を取り出して水洗と希塩酸洗浄を行い、これを乾燥してニオブ粉末を回収した。得られたニオブ粉末中の酸素量を定量したところ9170ppmであった。
【0071】
[実施例2]
図9に示すニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置を用いてニオブ粉末の製造を行った。
まず、アルゴンガス導入口68およびアルゴンガス排出口69を用いて、気密容器66の内部をアルゴンガスで置換した。このアルゴンガス雰囲気中で、投入口77から電解浴容器61の内部に、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)の混合質量比4:1の混合試料200gを投入した。そして、電解浴容器61と還元容器63を、加熱装置(図示略)により900℃の温度に保持した。
直流電源を用いて、グラファイト陽極板78と白金製陰極板71との間に2.9Vの電解電圧を印加し、酸化カルシウム(CaO)を電気分解した。
【0072】
塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)の混合比4:1の混合試料を、約15g/時間のスピードで陽極リード管兼投入管76を通して連続的に電解浴容器61に供給した。同時に、溢流87となって下部に設置した還元容器63に供給される強還元性溶融塩からなる還元浴62に、酸化ニオブ(Nb)を2.3g/時間のスピードで投入管82を通して連続的に供給した。このような操作を3時間継続し、還元容器33内に金属ニオブ粉末を堆積させた。
【0073】
その後、炉冷し、還元容器63を水中に浸漬して塩化カルシウム(CaCl)分を溶出させ、懸濁する水酸化カルシウムと沈殿する金属ニオブ粉末を分離した。金属ニオブ粉末を、さらに希塩酸で洗浄し、ついで水洗および乾燥して回収した。得られた金属ニオブ粉末の酸素濃度を測定したところ6627ppmであった。
【0074】
(実施例3、4および比較例1)
図10に示すニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置を用い、表1に示す還元条件にてニオブ粉末の製造を行った。
回収されたニオブ粉末中の酸素を定量した結果(酸素分析置)を表1に示す。
【0075】
【表1】
Figure 2004052003
【0076】
表1における比較例1のように、塩化カルシウムを用いないで酸化ニオブを還元した場合、酸化ニオブはカルシウム(Ca)蒸気により直接還元されるにもかかわらず、ニオブ中の酸素量は十分低下していなかった。
一方、実施例3、4のように、溶融塩化カルシウム中に溶けこんだカルシウム(Ca)で酸化ニオブを還元・脱酸した場合、得られたニオブ粉末中の酸素濃度レベルは時間とともに急激に低下している。
【0077】
これは、塩化カルシウム(CaCl )を用いないで酸化ニオブを還元した場合、酸化ニオブ(Nb)を還元して副生成する酸化カルシウム(CaO)がニオブ粒子表面を覆い、さらなるカルシウム(Ca)蒸気の侵入を阻害するのに対して、溶融塩化カルシウムがニオブ粒子の周囲に存在すると、副生成する酸化カルシウム(CaO)をその中に溶かし込み、カルシウム(Ca)と酸化ニオブとの直接反応を妨げないためであると考えられる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法は、溶融塩化カルシウム中にて、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)をカルシウムで還元する方法であるので、連続的な原料の供給および生成物の排出に対応可能であり、生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の高純度なニオブ粉末またはタンタル粉末を再現性よく得ることができる。
【0079】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法は、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料を加熱して溶融塩とし、溶融塩を電気分解して溶融塩化カルシウム中にカルシウムイオン(Ca )および電子が生成した強還元性溶融塩とし、強還元性溶融塩に、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)を供給して、酸化ニオブまたは酸化タンタルをカルシウムイオンおよび電子により還元、脱酸し、ニオブ粉末またはタンタル粉末を生成させる方法であるので、連続的な原料の供給および生成物の排出に対応可能であり、生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の高純度なニオブ粉末またはタンタル粉末を再現性よく得ることができる。
【0080】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法において、強還元性溶融塩に、酸化ニオブまたは酸化タンタルを連続的に供給し、強還元性溶融塩内で沈降するニオブ粉末またはタンタル粉末を、重力により強還元性溶融塩から外部に抜き取るようにすれば、連続的な原料の供給および生成物の排出が可能となり、さらに生産性が向上する。
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法において、強還元性溶融塩に、塩化カルシウムと酸化カルシウムの混合試料を連続的に供給すると同時に、強還元性溶融塩からその一部を連続的に取り出し、取り出された強還元性溶融塩に、酸化ニオブまたは酸化タンタルを連続的に供給するようにすれば、一定条件で酸化ニオブまたは酸化タンタルの還元を連続して行うことができ、目的とする均一な粒子径の高純度ニオブ粉末またはタンタル粉末を再現性よく得ることができる。
【0081】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法は、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)と塩化カルシウム(CaCl )との混合試料を加熱して、塩化カルシウムを溶融塩化カルシウムとし、溶融塩化カルシウムにカルシウム蒸気を溶け込ませて溶融塩化カルシウム中にカルシウムイオン(Ca )を生成させ、酸化ニオブまたは酸化タンタルをカルシウムイオンにより還元、脱酸し、ニオブ粉末またはタンタル粉末を生成させる方法であるので、連続的な原料の供給および生成物の排出に対応可能であり、生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の高純度なニオブ粉末またはタンタル粉末を再現性よく得ることができる。
【0082】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置は、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料からなる溶融塩を収納する還元容器と、還元容器を収納する気密容器と、気密容器の内部に不活性ガスを導入するガス導入手段と、還元容器内に挿入された陽極板および陰極板と、還元容器内に酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)を供給する還元対象物供給手段とを具備するものであるので、連続的な原料の供給および生成物の排出に対応可能であり、生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の高純度なニオブ粉末またはタンタル粉末を再現性よく得ることができる。
【0083】
また、前記還元容器の底部に、底部に沈降するニオブ粉末またはタンタル粉末を外部に抜き取るための開口部と、開口部に挿入され、外部より駆動可能な排出ストッパーとを具備していれば、連続的な原料の供給および生成物の排出が可能となり、さらに生産性が向上する。
また、前記還元容器を、塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料からなる溶融塩を収納する電解浴容器および電解浴容器を収納する還元容器からなる2重容器とし、電解浴容器内に塩化カルシウムと酸化カルシウムとの混合試料を供給する混合試料供給手段と、還元容器内に酸化ニオブまたは酸化タンタルを供給する還元対象物供給手段とを具備していれば、一定条件で酸化ニオブまたは酸化タンタルの還元を連続して行うことができ、目的とする均一な粒子径の高純度ニオブ粉末またはタンタル粉末を再現性よく得ることができる。
【0084】
また、本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置は、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)と塩化カルシウム(CaCl )との混合試料を収納する混合試料容器と、金属カルシウムを収納するカルシウム容器と、混合試料容器およびカルシウム容器を収納する還元容器と、還元容器を収納する気密容器と、気密容器内に不活性ガスを導入するガス導入手段と、混合試料および金属カルシウムを加熱する加熱手段とを具備するものであるので、連続的な原料の供給および生成物の排出に対応可能であり、生産性が高く低コストで量産に適し、廃棄物が少なく環境に対する配慮がなされ、目的とする粒子径の高純度なニオブ粉末またはタンタル粉末を再現性よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるニオブ粉末またはタンタル粉末の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置の一例を示す概略断面図である。
【図3】図2の製造装置の要部を示す概略断面図である。
【図4】Ca−CaO共存下におけるニオブ中の平衡酸素濃度を示す図である。
【図5】溶融塩化カルシウム中におけるカルシウム(Ca)の活量と酸化カルシウム(CaO)の活量の比に対するニオブ中の平衡酸素濃度を示す図である。
【図6】溶融塩化カルシウム中の酸化カルシウム(CaO)の活量と酸化カルシウム(CaO)の理論分解電圧の関係を示す図である。
【図7】図2における還元容器の他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置の他の例を示す概略断面図である。
【図9】本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置の他の例を示す概略断面図である。
【図10】本発明のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 塩化カルシウム浴(溶融塩)
11 還元容器
14 気密容器
15 アルゴンガス導入口(ガス導入手段)
17 グラファイト陽極板
18 白金製陰極板
22 モリブデン製容器(還元対象物供給手段)
34a、34b 投入口(還元対象物供給手段)
40 還元浴(溶融塩化カルシウム)
41 還元容器
45 気密容器
46 アルゴンガス導入口(ガス導入手段)
49 排出ストッパー
55 アルゴンガス導入口(ガス導入手段)
60 電解浴(溶融塩)
61 電解浴容器
62 還元浴(強還元性溶融塩)
63 還元容器
66 気密容器
67 投入口(還元対象物供給手段)
68 アルゴンガス導入口(ガス導入手段)
71 白金製陰極板
76 陽極リード管兼投入管(混合試料供給手段)
77 投入口(混合試料供給手段)
78 グラファイト陽極板
82 投入管(還元対象物供給手段)
83 アルゴンガス導入管(ガス導入手段)
90 還元・脱酸容器(還元容器)
93 気密容器
94 導入口(ガス導入手段)
97 混合試料
98 皿(混合試料容器)
99 カルシウム粒(金属カルシウム)
100 皿(カルシウム容器)
101 電気炉発熱体(加熱手段)

Claims (9)

  1. 溶融塩化カルシウム中にて、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)をカルシウムで還元することを特徴とするニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法。
  2. 塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料を加熱して溶融塩とし、
    溶融塩を電気分解して溶融塩化カルシウム中にカルシウムイオン(Ca )および電子が生成した強還元性溶融塩とし、
    強還元性溶融塩に、酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)を供給して、酸化ニオブまたは酸化タンタルをカルシウムイオンおよび電子により還元、脱酸し、ニオブ粉末またはタンタル粉末を生成させることを特徴とするニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法。
  3. 強還元性溶融塩に、酸化ニオブまたは酸化タンタルを連続的に供給し、
    強還元性溶融塩内で沈降するニオブ粉末またはタンタル粉末を、重力により強還元性溶融塩から外部に抜き取ることを特徴とする請求項2記載のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法。
  4. 強還元性溶融塩に、塩化カルシウムと酸化カルシウムの混合試料を連続的に供給すると同時に、強還元性溶融塩からその一部を連続的に取り出し、
    取り出された強還元性溶融塩に、酸化ニオブまたは酸化タンタルを連続的に供給することを特徴とする請求項2または請求項3記載のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法。
  5. 酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)と塩化カルシウム(CaCl )との混合試料を加熱して、塩化カルシウムを溶融塩化カルシウムとし、
    溶融塩化カルシウムにカルシウム蒸気を溶け込ませて溶融塩化カルシウム中にカルシウムイオン(Ca )を生成させ、
    酸化ニオブまたは酸化タンタルをカルシウムイオンにより還元、脱酸し、ニオブ粉末またはタンタル粉末を生成させることを特徴とするニオブ粉末またはタンタル粉末の製造方法。
  6. 塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料からなる溶融塩を収納する還元容器と、
    還元容器を収納する気密容器と、
    気密容器の内部に不活性ガスを導入するガス導入手段と、
    還元容器内に挿入された陽極板および陰極板と、
    還元容器内に酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)を供給する還元対象物供給手段とを具備することを特徴とするニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置。
  7. 前記還元容器の底部に、底部に沈降するニオブ粉末またはタンタル粉末を外部に抜き取るための開口部と、
    開口部に挿入され、外部より駆動可能な排出ストッパーとを具備することを特徴とする請求項6に記載のニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置。
  8. 塩化カルシウム(CaCl )と酸化カルシウム(CaO)との混合試料からなる溶融塩を収納する電解浴容器と、
    電解浴容器を収納する還元容器と、
    還元容器を収納する気密容器と、
    気密容器の内部に不活性ガスを導入するガス導入手段と、
    電解浴容器内に挿入された陽極板および陰極板と、
    電解浴容器内に塩化カルシウムと酸化カルシウムとの混合試料を供給する混合試料供給手段と、
    還元容器内に酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)を供給する還元対象物供給手段とを具備することを特徴とするニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置。
  9. 酸化ニオブ(NbまたはNbO またはNbO)または酸化タンタル(Ta)と塩化カルシウム(CaCl )との混合試料を収納する混合試料容器と、
    金属カルシウムを収納するカルシウム容器と、
    混合試料容器およびカルシウム容器を収納する還元容器と、
    還元容器を収納する気密容器と、
    気密容器内に不活性ガスを導入するガス導入手段と、
    混合試料および金属カルシウムを加熱する加熱手段とを具備することを特徴とするニオブ粉末またはタンタル粉末の製造装置。
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