JPH09248341A - 鼻腔用投薬器 - Google Patents

鼻腔用投薬器

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JPH09248341A
JPH09248341A JP8581796A JP8581796A JPH09248341A JP H09248341 A JPH09248341 A JP H09248341A JP 8581796 A JP8581796 A JP 8581796A JP 8581796 A JP8581796 A JP 8581796A JP H09248341 A JPH09248341 A JP H09248341A
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JP
Japan
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capsule
hole
pin
drug
powder spraying
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Application number
JP8581796A
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English (en)
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Hisatomo Oki
久朝 大木
Shigemi Nakamura
茂巳 中村
Kazunori Ishizeki
一則 石関
Yoshiyuki Tanizawa
嘉行 谷澤
Akira Yanagawa
明 柳川
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
DOT KK
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者の左,右の鼻腔に同時に薬粉を噴霧する
と共に、鼻腔用投薬器を逆さまにしたときでも、薬粉が
こぼれるのを防止する。 【解決手段】 薬粉噴霧部17に投薬器が逆さまを向い
たときに、第2の穴あけピン26で穴をあけたときに、
カプセルに穴あけピン26が突き刺した状態のまま原位
置に復帰するのを規制するボールストッパ機構30を設
ける。これにより、薬粉噴霧部17を下向きにした状態
で第2の穴あけピン26でカプセルに穴をあけたときで
も、カプセル内の薬粉がこぼれ落ちるのを防止できる。
また、ボールストッパ機構30は薬粉噴霧部17を上側
に向けると第2の穴あけピン26の復帰規制が解除さ
れ、ポンプ部14から供給される空気によってカプセル
内の薬粉を患者の鼻腔に噴霧でき、規定量の薬粉を患者
に投与できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬粉室内に収容し
た薬粉を左,右の鼻腔内に投与するのに用いて好適な鼻
腔用投薬器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鼻アレルギー等の患者には粉体
状の薬品を鼻腔内に噴霧する治療法が採用されている。
また、この治療法では専用の噴霧器を用いて、例えば粉
体状の薬品が充填されたカプセル等を薬品室をなすカプ
セル収容室内に収容し、該カプセル内の薬粉を鼻腔内に
投与するようになっている。
【0003】さらに、この治療法に用いられる噴霧器と
しては、特開昭59−34267号公報(以下、従来技
術という)に示すものが知られている。
【0004】この従来技術における噴霧器では、円筒部
材の空気流入側にポンプ部を設け、該円筒部材の空気流
出側にはカプセルが挿入される凹形状部を形成すると共
に、該円筒部材の先端側には薬粉噴霧口となる開口部を
形成した先端部を着脱可能に設け、該円筒部材に先端部
を嵌合することによって内部にカプセル収容部を形成し
ている。さらに、前記円筒部材と先端部にかけて着脱可
能に嵌合するキャップを有し、該キャップ内には軸方向
に延びる針を設け、前記円筒部材に先端部を嵌合させた
状態でキャップを装着することにより、該キャップ内の
針でカプセル収容部内に収容されたカプセルの穴あけを
行う構成となっている。
【0005】このように構成される従来技術では、粉体
状の薬粉が充填されたカプセルを円筒部材の凹形状部に
挿入し、キャップ内に設けた針によって該カプセルの軸
方向両側に穴をあけた後、先端部を患者の左,右の鼻腔
のうち、いずれか一方の鼻腔に挿入し、この状態でポン
プ部を押圧することにより、ポンプ部からの空気によっ
てカプセル内の薬粉を開口部から患者の鼻腔内に噴霧す
る。そして、左,右の鼻腔への先端部の挿入を交互に交
換してポンプ部の押圧動作を繰返すことにより、患者へ
の薬粉の投与を行うようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるものでは、左,右の鼻腔に片方ずつ投薬を
行っているため、左,右の鼻腔に均等に薬粉を供給する
には何度もポンプ部の押圧と鼻腔内への先端部の挿入を
左,右交互に繰返さなければならず、投薬時の取扱いが
面倒なものになってしまうという問題がある。
【0007】また、穴あけ時に噴霧器を逆さまにする
と、薬粉が噴霧器外にこぼれ落ちてしまい、規定量の薬
粉を患者に投与できないという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、患者の左,右の鼻腔に同時に薬粉を噴霧
でき、しかも穴あけ時に薬粉が噴霧器外にこぼれ落ちる
のを防止できる鼻腔用投薬器を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による鼻腔用投薬器は、薬粉を
充填したカプセルを収容するカプセル収容室を有するカ
プセル収容手段と、該カプセル収容手段のカプセル収容
室に向け空気を供給するポンプ手段と、該ポンプ手段か
ら供給される空気によって前記カプセル収容室内の薬粉
を左,右の鼻腔内に向け噴霧するため、一側が二股状に
分岐して前記カプセル収容室に連通した分岐通路となり
他側が該分岐通路から長手方向に延び左,右の噴霧通路
となった薬粉通路を有する薬粉噴霧手段と、前記カプセ
ルに空気流入穴をあけるため、前記カプセル収容手段に
設けられた第1の穴あけ手段と、前記カプセルに空気流
出穴をあけるため、前記薬粉噴霧手段の軸方向に移動可
能に設けられた第2の穴あけ手段と、前記薬粉噴霧手段
に設けられ、前記薬粉噴霧手段が下側を向いた状態で該
第2の穴あけ手段によってカプセルに空気流出穴をあけ
たときに、該第2の穴あけ手段が原位置に復帰するのを
規制する復帰規制手段とから構成したことにある。
【0010】上記構成により、前記薬粉噴霧手段を下側
に向けて投薬器を逆さまにした状態で、第2の穴あけ手
段によってカプセルに空気流出穴をあけたときに、復帰
規制手段によって第2の穴あけ手段はカプセルに空気流
出穴を塞いだ状態のまま原位置に復帰するのを規制する
から、カプセル内の薬粉が空気流出穴から薬粉噴霧手段
に形成された薬粉通路を介して外部にこぼれ落ちるのを
防止できる。そして、投薬器を薬粉噴霧手段を上側に向
けて正常な位置にしたときには、復帰規制手段は第2の
穴あけ手段を解除し、カプセルの空気流出穴を開口し、
ポンプ手段からカプセル収容手段のカプセル収容室に空
気を供給することにより、カプセル収容室内の薬粉を分
岐通路から左,右の噴霧通路に供給し、該左,右の噴霧
通路から左,右の鼻腔内に同時に噴霧できる。
【0011】請求項2による発明は、前記第2の穴あけ
手段を、薬粉噴霧手段に形成されたピン挿通穴に移動可
能に設けられた穴あけピンから構成したことにある。
【0012】上記構成により、復帰規制手段で穴あけピ
ンがカプセルに空気流出穴をあけた状態のまま維持さ
れ、カプセルに形成された空気流出穴はピンの先端によ
って閉塞することができ、カプセル内の薬粉が空気流出
穴を介して外部にこぼれ落ちるのを防止する。
【0013】請求項3による発明は、前記復帰規制手段
を、前記薬粉噴霧手段のピン挿通穴と連通し、該薬粉噴
霧手段の一側に向けて湾曲するように形成された円弧状
のボール通路と、該ボール通路内を移動するボールとか
ら構成したことにある。
【0014】上記構成により、ボールは該ボールの自重
によって常に低い位置に移動するから、投薬器の向きに
応じてボールは円弧状のボール通路の最下点に常に移動
する。ここで、薬粉噴霧手段が下側を向いた状態では、
ボールはボール通路とピン挿通穴とが連通する位置(即
ち、ボール通路に対して最上点となる位置)に向けて移
動し、このときカプセルに空気流出穴をあけるべく、穴
あけピンをピン挿通穴の一側に移動させると、穴あけピ
ンの基端側となるボールはボール通路の最上点の位置に
移動して該穴あけピンの基端側に当接し、穴あけピンが
一側に移動した状態のまま他側に移動しようとするのを
規制する。このとき、該穴あけピンの先端はカプセルに
形成された空気流出穴を閉塞するようになり、該カプセ
ル内の薬粉が外部にこぼれ落ちるのを防止することがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
鼻腔用投薬器を添付図面の図1ないし図5に従って詳細
に説明する。
【0016】図中、1はカプセル収容手段をなし後述す
るカプセルKを保持するカプセルホルダを示し、該カプ
セルホルダ1は、二重筒状に形成された後述の固定部材
2と、該固定部材2の内周側に位置して該固定部材2に
対して軸方向に移動可能に設けられた可動部材8とから
なる。
【0017】2はカプセルホルダ1の固定部材を示し、
該固定部材2は、段付筒状に形成された外筒部2Aと、
該外筒部2A内に設けられた内筒部2Bと、前記外筒部
2Aの下端側を閉塞する底部2Cと、前記内筒部2Bの
底部をなし後述する供給弁13の開弁量を規制する開弁
量規制部2Dと、前記外筒部2Aの開口側に位置して形
成されたフランジ部2Eとから大略構成され、前記内筒
部2B内は開弁量規制部2D側に位置してカプセルKか
ら落下する粉体状の薬粉(以下、薬粉という)を捕捉す
る薬粉受室3となっている。また、フランジ部2Eは外
筒部2A内を軸方向に移動する可動部材8の抜止めを図
ると共に、当該固定部材2を外周側から覆うように設け
られたポンプ部14の位置決めを行うようになってい
る。また、外筒部2Aと内筒部2Bとは、該外筒部2A
の軸方向中間に内筒部2Bの開口部が連結されており、
該筒部2A,2B間には空気流入室4が形成されてい
る。
【0018】さらに、前記固定部材2の底部2Cには前
記空気流入室4と連通する空気供給通路5が形成され、
内筒部2Bの底部となる開弁量規制部2Dには後述する
第1の穴あけピン16が一側カプセル穴11側に向けて
突出形成されている。また、内筒部2Bには薬粉受室3
と空気流入室4とを連通する連通孔6,6が穿設され、
外筒部2Aの内周面には後述する回止めピン10が係合
する係合溝7が軸方向に伸長して形成されている。
【0019】8は固定部材2の外筒部2A内を軸方向に
移動可能に設けれた可動部材を示し、該可動部材8は、
筒部8Aと、該筒部8Aの下端側に設けられ、前記外筒
部2A内に軸方向に移動可能に保持される大径な底部8
Bと、該底部8B中央から内筒部2B内に延びる小径突
部8Cとから構成され、前記筒部8Aの外周面には全周
に亘って雄ねじ8Dが刻設されている。また、前記小径
突部8Cの軸方向には底部8Bを貫通して筒部8A内に
連通し、第1の穴あけピン16が挿通するピン挿通穴9
が穿設されている。さらに、前記筒部8Aの外周側には
回止めピン10が径方向外向きに突出形成され、該回止
めピン10は固定部材2に形成された係合溝7に係合す
ることにより、該固定部材2に対して可動部材8が軸方
向に移動するのを許しつつ、固定部材2に対する可動部
材8の回転を規制している。
【0020】一方、前記可動部材8の筒部8A内周側は
一側カプセル穴11となり、該一側カプセル穴11は後
述する他側カプセル穴20と一体化することによりカプ
セル収容室12を構成している。
【0021】このように、本実施例によるカプセルホル
ダ1においては、可動部材8を固定部材2の外筒部2A
に沿って軸方向に移動可能とし、しかも、可動部材8の
雄ねじ8Dを後述する可動部材螺着穴19の雌ねじ19
Aに螺着させたときには、固定部材2に対する可動部材
8の回転が回止めピン10によって規制されているた
め、該可動部材8は薬粉噴霧部17側に自動的に引上げ
られる。
【0022】13は空気流入室4内に設けられた供給弁
を示し、該供給弁13は固定部材2に形成された空気供
給通路5を開閉するもので、ポンプ部14から空気が供
給されたときに開弁し、ポンプ部14内に空気を吸込む
ときには着座して空気供給通路5を閉塞するようになっ
ている。
【0023】14はゴム材料により有底円筒状に形成さ
れたポンプ手段としてのポンプ部を示し、該ポンプ部1
4は、厚肉な開口部14A、底部14Bおよび該開口部
14A、底部14B間の押圧部14Cからなり、前記開
口部14Aは固定部材2の外筒部2Aに気密に装着され
ている。また、ポンプ部14内にはカプセルホルダ1の
大部分が収容されており、これによって当該鼻腔用投薬
器を軸方向に小型化している。
【0024】15はポンプ部14の底部14Bに設けら
れた吸込弁を示し、該吸込弁15は、中央部に位置して
ポンプ部14内と連通した吸込通路15Aと、該吸込通
路15Aを開,閉弁する弁体15Bとから大略構成さ
れ、該弁体15Bはポンプ部14から空気が供給される
ときには閉弁し、外部からポンプ部14内に空気を吸込
むときには開弁するようになっている。
【0025】16は固定部材2に設けられた第1の穴あ
け手段としての第1の穴あけピンで、該第1の穴あけピ
ン16は基端側が開弁量規制部2Dに固着されると共
に、先端側がピン挿通穴9を介して一側カプセル穴11
側に向けて突出形成され、その先端が鋭利に形成されて
いる。そして、第1の穴あけピン16は、可動部材8が
ポンプ部14側に位置しているときに、その先端が一側
カプセル穴11内に突出するようになっており、この状
態で該一側カプセル穴11内にカプセルKを押込むこと
によって該カプセルKに空気流入穴H1 (図4中に図
示)を穿設できる。一方、可動部材8が薬粉噴霧部17
側に位置しているときには、先端がピン挿通穴9内に引
っ込み、空気流入穴H1 から抜取られた状態となる。
【0026】一方、17はカプセルホルダ1の可動部材
8に設けられた薬粉噴霧手段としての薬粉噴霧部を示
し、該薬粉噴霧部17は、カプセルホルダ1側となる下
側が小径部17Aとなり、上側が大径部17Bとなって
いる。また、大径部17Bの上部には左,右の噴霧ノズ
ル18,18が突出形成されている。
【0027】また、前記小径部17Aには可動部材螺着
穴19が形成され、該可動部材螺着穴19の開口側内周
には、可動部材8の雄ねじ8Dに螺着される雌ねじ19
Aが形成されている。さらに、可動部材螺着穴19の奥
所には一側カプセル穴11と共にカプセル収容室12を
構成する他側カプセル穴20が形成されている。
【0028】21は薬粉噴霧部17に設けられた薬粉通
路を示し、該薬粉通路21は、一側に位置して他側カプ
セル穴20に連通し、二股状に分岐した分岐通路22,
22と、該分岐通路22から他側に向けて直線的に伸長
した左,右の噴霧通路23,23とから大略構成され、
該左,右の噴霧通路23の開口側は噴霧ノズル18内で
噴霧口24,24となっている。そして、薬粉通路21
は、ポンプ部14からの空気と共にカプセルK内の薬粉
が供給されると、この薬粉を各分岐通路22で左,右に
分岐し、各噴霧通路23を介して噴霧口24から患者の
鼻腔に同時に噴霧するものである。
【0029】また、前記薬粉噴霧部17の大径部17B
の径方向端面は、噴霧ノズル18,18と直交する位置
に後述する操作板29,29を案内するガイド面17
C,17Cが形成されている。
【0030】25はピン挿通穴を示し、該ピン挿通穴2
5は、前記薬粉噴霧部17内を軸方向に向けて延びる各
噴霧通路23の径方向中間に位置して軸方向に向けて形
成され、該ピン挿通穴25は後述する第2の穴あけピン
26等を内蔵すべく、径方向に向けて軸方向に延びる一
対の長穴25A,25A(図3参照)が形成されてい
る。また該ピン挿入穴25が薬粉通路21と連通する部
分には第2の穴あけピン26が挿通するシールゴム28
が設けられている。
【0031】26は第2の穴あけ手段としての第2の穴
あけピンで、該第2の穴あけピン26は、前記第1の穴
あけピン16と対向するように薬粉噴霧部17に設けら
れ、該第2の穴あけピン26の基端側は軸方向に摺動可
能に設けられた摺動ブロック27に固着され、先端側は
シールゴム28を貫通するように伸長し、その先端が鋭
利な針先26Aとなっている。また、前記摺動ブロック
27は、第2の穴あけピン26を操作するために薬粉噴
霧部17外に設けられた操作板29(図2に図示)に接
続されている。そして、第2の穴あけピン26は、操作
板29を図2中の矢示A方向に移動させることにより、
摺動ブロック27を介して矢示A方向に移動し、その針
先26AでカプセルKに空気流出穴H2 を穿設する。
【0032】30は薬粉噴霧部17に形成された復帰規
制手段となるボールストッパ機構を示し、該ボールスト
ッパ機構30は、前記ピン挿通穴25の長手方向の中間
部に位置して交叉して連通し、該薬粉噴霧部17の一側
に向けて湾曲するように形成された円弧状のボール通路
31と、該ボール通路31内に移動可能に設けられ、前
記ピン挿通穴25の穴径よりも大径に形成されたボール
32とからなり、前記ボール通路31とピン挿通穴25
とが交叉して連通する位置が該ボール通路31に対する
最上点31Aとなる。
【0033】ここで、前記ボールストッパ機構30は、
図1に示すように、薬粉噴霧部17が上側を向いた状態
にあっては、ボール32は自重によってボール通路31
の左,右のどちらかの端部に位置しているため、ボール
32は第2の穴あけピン26の軸方向の移動動作を規制
することはない。
【0034】一方、図5に示すように、薬粉噴霧部17
が下側を向いた状態にあっては、ボール32はボール通
路31内で一番低くなる最上点31Aに近接し、この状
態のときに第2の穴あけピン26によってカプセルKの
穴あけ動作を行うと、穴あけピン26がカプセルK側に
移動して空気流出穴H2 をあけたときに、ボール32は
ボール通路31の最上点31Aに転がり込み、ピン挿通
穴25に該ボール32が嵌合する。このため、カプセル
Kに空気流出穴H2 を第2の穴あけピンであけた後に、
第2の穴あけピン26を原位置に戻そうとすると、該第
2の穴あけピン26の基端側に位置した摺動ブロック2
7が該ボール32に当接して穴あけピン26を位置決め
し、該穴あけピン26が原位置に戻るのを規制する。
【0035】また、薬粉噴霧部17を上側にすると、ボ
ール32はボール通路31の最上点31Aからずれて、
穴あけピン26の規制を解除し、該穴あけピン26を原
位置に戻すことができる。
【0036】本実施例による鼻腔用投薬器は上述のよう
に構成されるが、当該鼻腔用投薬器を用いてカプセルK
に穴あけを行なう場合の穴あけ動作について説明する。
【0037】まず、カプセルホルダ1の可動部材8をポ
ンプ部14側に位置させることにより、第1の穴あけピ
ン16の先端を一側カプセル穴11内に突出させた状態
とする。この状態でカプセルKを一側カプセル穴11内
に押込むと、第1の穴あけピン16の針先16Aが該カ
プセルKに突き刺さり、該カプセルKの一端側に空気流
入穴H1 を穿設する。
【0038】次に、カプセルホルダ1に薬粉噴霧部17
を組付けるべく、該カプセルホルダ1側の雄ねじ8Dに
薬粉噴霧部17側の雌ねじ19Aを螺着する。これによ
り、薬粉噴霧部17の螺着によってカプセルホルダ1の
可動部材8は当該薬粉噴霧部17側に移動するから、カ
プセルKはカプセル収容室12内で軸方向に若干押圧さ
れた状態で保持される。また、このときにはカプセルK
に空気流入穴H1 を穿設した第1の穴あけピン16が抜
き取られ、カプセルK内は空気流入穴H1 、ピン挿通穴
9および各連通孔6を介して空気流入室4と連通する。
さらに、カプセルKに空気流入穴H1 をあけたときに
は、該空気流入穴H1 からカプセルK内の薬粉が落下す
る場合もあるが、この薬粉は固定部材2に形成された薬
粉受室3内に捕捉され、ポンプ部14側への逆流が阻止
される。
【0039】この状態で、カプセルKに空気流出穴H2
を形成するには、操作板29を図2中矢示A方向に移動
させることにより、第2の穴あけピン26をカプセルK
に向けて移動し、その先端でカプセルKに空気流出穴H
2 を穿設する。その後、操作板29を原位置へ戻して第
2の穴あけピン26をカプセルKより抜き取る。これに
より、投薬準備となる穴あけが行われたことになる。
【0040】次に、カプセルKに穴あけを行なった後、
該カプセルK内の薬粉を患者の鼻腔に噴霧するときの投
薬動作について述べる。
【0041】まず、左,右の噴霧ノズル18,18を患
者の左,右の鼻腔内に挿入する。そして、この状態で、
図4に示すように、ポンプ部14の押圧部14Cを押し
潰すことにより、ポンプ部14から空気流を発生させ、
この空気を空気供給通路5に作用させて供給弁13を開
弁量規制部2Dに押付けて開弁させ、空気流入室4、各
連通孔6、ピン挿通穴9および空気流入穴H1 を介して
カプセルKに流入させる。これによって、カプセルKに
流入した空気は薬粉を攪拌して薬粉の混入した空気とな
るから、この薬粉の混入した空気を空気流出穴H2 、薬
粉通路21の分岐通路22,22、左,右の噴霧通路2
3,23を介して噴霧口24,24から噴霧することに
より、患者の左,右の鼻腔に同時に薬粉を投与できる。
【0042】また、本実施例による鼻腔用投薬器では、
投薬器を逆にした状態で、第2の穴あけピン26によっ
てカプセルKの空気流出穴H2 の穴あけ動作を行ったと
きには、薬粉噴霧部17に形成したボールストッパ機構
30によって、投薬器が逆に向いた状態にある間は、ボ
ール通路31とピン挿通穴25を連通する最上点31A
にボール32が位置し、該ボール32によって第2の穴
あけピン26が原位置に戻るのを規制する。これによ
り、図5に示すように、第2の穴あけピン26の針先2
6AはカプセルKに突き刺した状態のまま空気流出穴H
2 を閉塞することができ、該空気流出穴H2 から薬粉通
路21を介して外部に薬粉がこぼれ落ちるのを防止する
ことができる。
【0043】さらに、この状態であっても投薬器を正常
位置(薬粉噴霧部17が上側を向く位置)にしたときに
は、ボール32はボール通路31内を転がり、第2の穴
あけピン26の位置きめを解除し、該第2の穴あけピン
26を原位置に戻し、カプセルKの空気流出穴H2 を開
口する。そして、前述した如くの投薬動作によって患者
に薬粉を投与することができる。
【0044】かくして、本実施例によれば、投薬器を逆
にした状態で、第2の穴あけピン26によってカプセル
Kの空気流出穴H2 の穴あけ動作を行ったときに、該第
2の穴あけピン26の針先26AがカプセルK内に突き
刺した状態のまま該穴あけピン26が原位置への復帰を
規制するボールストッパ機構30を薬粉噴霧部17に形
成したから、患者が寝そべった状態で薬粉噴霧部17を
下側に向けてカプセルKに空気流出穴H2 をあけるべく
第2の穴あけピン26を動作させたときでも、第2の穴
あけピン26をカプセルKに突き刺した状態のままにす
ることができ、空気流出穴H2 からカプセルK内の薬粉
がこぼれ落ちるのを防止でき、カプセルK内の規定量の
薬粉を患者に確実に投与できる。
【0045】また、本実施例では、薬粉通路21を分岐
通路22,22、左,右の噴霧通路23,23等から構
成しているから、カプセルK内の薬粉を前記分岐通路2
2,22、噴霧通路23,23を介して噴霧口24,2
4から患者の左,右の鼻腔に同時に噴霧することがで
き、投薬時の煩わしさを解消し、当該鼻腔用投薬器の取
扱いを容易に行うことができる。
【0046】なお、前記実施例では、カプセルホルダ1
の可動部材8に回り止めピン10を別体で設けるように
したが、一体形成してもよい。さらに、固定部材2およ
び可動部材8はそれぞれ一体成型品として図示したが、
設計の都合上部品を組合せることによって形成するよう
にしてもよいことは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、前記薬粉噴霧手段を下側に向けて投薬器を逆さま
にした状態で、第2の穴あけ手段によってカプセルに空
気流出穴をあけたときに、復帰規制手段によって第2の
穴あけ手段はカプセルに空気流出穴を塞いだ状態のまま
原位置への復帰が規制されるから、カプセル内の薬粉が
空気流出穴から薬粉噴霧手段に形成された薬粉通路を介
して外部にこぼれ落ちるのを防止できる。そして、投薬
器を薬粉噴霧手段を上側に向けて正常な位置にしたとき
には、復帰規制手段は第2の穴あけ手段を解除し、カプ
セルの空気流出穴を開口し、ポンプ手段からカプセル収
容手段のカプセル収容室に空気を供給することにより、
カプセル収容室内の薬粉を分岐通路から左,右の噴霧通
路に供給し、該左,右の噴霧通路から左,右の鼻腔内に
同時に噴霧でき、しかもカプセル内の薬粉を外部にこぼ
れ落とすことがないから、規定量の薬粉を患者に確実に
投与できる。
【0048】請求項2の発明では、第2の穴あけ手段
を、薬粉噴霧手段に形成されたピン挿通穴に移動可能に
設けられた穴あけピンから構成することにより、復帰規
制手段で穴あけピンがカプセルに空気流出穴をあけた状
態のまま維持され、カプセルに形成された空気流出穴は
ピンの先端によって閉塞することができ、カプセル内の
薬粉が空気流出穴を介して外部にこぼれ落ちるのを防止
し、患者へ規定量の薬粉を投与することができる。
【0049】請求項3の発明では、復帰規制手段をピン
挿通穴と連通するボール通路と該ボール通路を移動する
ボールとから構成したから、前記ボールは該ボールの自
重によって常に低い位置に移動するため、投薬器の向き
に応じてボールは円弧状のボール通路の最下点に常に移
動する。ここで、薬粉噴霧手段が下側を向いた状態では
ボール通路とピン挿通穴とが連通する位置、即ち該ボー
ル通路に対して最上点となる位置に向けて移動し、この
ときカプセルに空気流出穴をあけるべく、穴あけピンを
ピン挿通穴の一側に移動させると、穴あけピンの基端側
となるボール通路の最上点にボールが移動して該穴あけ
ピンを一側に移動した状態のままで位置決めする。この
とき、該穴あけピンの先端はカプセルの空気流出穴を閉
塞し、該カプセル内の薬粉が外部にこぼれ落ちるのを防
止する。これにより、カプセル内の薬粉が減少するのを
防止して患者へ薬粉を規定量投与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鼻腔用投薬器を示す縦断面図であ
る。
【図2】第1の実施例による鼻腔用投薬器を示す外観図
である。
【図3】図1中の矢示III −III 方向からみた横断面図
である。
【図4】ポンプ部を押し潰すことによりカプセル内の薬
粉を噴霧している状態を示す図1と同様位置からみた断
面図である。
【図5】鼻腔用投薬器の薬粉噴霧手段を下向きにしてカ
プセルに空気流出穴を形成したときの状態を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 カプセルホルダ(カプセル収容手段) 12 カプセル収容室(薬粉室) 14 ポンプ部(ポンプ手段) 16 第1の穴あけピン(第1の穴あけ手段) 17 薬粉噴霧部(薬粉噴霧手段) 21 薬粉通路 22 分岐通路 23 噴霧通路 25 ピン挿通穴 26 第2の穴あけピン(第2の穴あけ手段) 30 ボールストッパ機構(復帰規制手段) 31 ボール通路 32 ボール
フロントページの続き (72)発明者 石関 一則 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 谷澤 嘉行 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 柳川 明 神奈川県横浜市都筑区富士見が丘5−3

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬粉を充填したカプセルを収容するカプ
    セル収容室を有するカプセル収容手段と、該カプセル収
    容手段のカプセル収容室に向け空気を供給するポンプ手
    段と、該ポンプ手段から供給される空気によって前記カ
    プセル収容室内の薬粉を左,右の鼻腔内に向け噴霧する
    ため、一側が二股状に分岐して前記カプセル収容室に連
    通した分岐通路となり他側が該分岐通路から長手方向に
    延び左,右の噴霧通路となった薬粉通路を有する薬粉噴
    霧手段と、前記カプセルに空気流入穴をあけるため、前
    記カプセル収容手段に設けられた第1の穴あけ手段と、
    前記カプセルに空気流出穴をあけるため、前記薬粉噴霧
    手段の軸方向に移動可能に設けられた第2の穴あけ手段
    と、前記薬粉噴霧手段に設けられ、前記薬粉噴霧手段が
    下側を向いた状態で該第2の穴あけ手段によってカプセ
    ルに空気流出穴をあけたときに、該第2の穴あけ手段が
    原位置に復帰するのを規制する復帰規制手段とから構成
    してなる鼻腔用投薬器。
  2. 【請求項2】 前記第2の穴あけ手段は、薬粉噴霧手段
    に形成されたピン挿通穴に移動可能に設けられた穴あけ
    ピンから構成してなる請求項1記載の鼻腔用投薬器。
  3. 【請求項3】 前記復帰規制手段は、前記薬粉噴霧手段
    のピン挿通穴と連通し、該薬粉噴霧手段の一側に向けて
    湾曲するように形成された円弧状のボール通路と、該ボ
    ール通路内を移動するボールとからしてなる請求項2記
    載の鼻腔用投薬器。
JP8581796A 1996-03-14 1996-03-14 鼻腔用投薬器 Pending JPH09248341A (ja)

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