JPH09239829A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH09239829A
JPH09239829A JP8586996A JP8586996A JPH09239829A JP H09239829 A JPH09239829 A JP H09239829A JP 8586996 A JP8586996 A JP 8586996A JP 8586996 A JP8586996 A JP 8586996A JP H09239829 A JPH09239829 A JP H09239829A
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film
polyester
biaxially oriented
oriented polyester
polyester film
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JP8586996A
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English (en)
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Toru Miyake
徹 三宅
Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Shoji Nakajima
彰二 中島
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の高速加工工程にも十分に対応
し得る二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエスエルAを主成分とするフィルム
であって、その少なくとも一方の表面における突起を形
成する粒子の含有量が0.3重量%以下、少なくともそ
の一方の表面の中心線平均粗さRaが0.5nm以上1
00nm以下、該表面の幅方向の表面突起間隔Smが2
0μm以下であり、該表面の水に対する接触角が70゜
以上100゜以下であり、かつ、フィルムのプラスチッ
クガイドピンに対する摩擦係数が0.3以下であること
を特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた易滑性およ
び耐摩耗性を有する二軸配向ポリエステルフィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルフィルムは磁気記録媒体用の支持体とし
て広く使用されている。磁気記録媒体用の支持体として
は電磁変換特性を損なわない平滑性とともに、走行性や
製造工程における搬送性、巻き取り性を高めるために高
度な易滑性が要求される。この易滑性を得るためにフィ
ルム中に粒子を添加して表面に突起をつくり摩擦を低減
する技術はよく知られている(例えば特開昭59−17
1623号公報)。
【0003】しかし、上記従来の二軸配向フィルムで
は、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、カレン
ダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダビング
してソフトテープ等を製造する工程等の工程速度の増大
に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面に傷が
つくという欠点があった。これを解決するためにフィル
ム中に高級脂肪酸エステルなどの潤滑剤を含有させる技
術が知られている(例えば特開昭60−29930号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年ビデオカセットの
価格が大幅に下落し、ビデオテープメーカー各社はこれ
に対応するために、カセットの製造コストを低減するた
めの対策を打ち出してきている。その一つの手段とし
て、カセットをオールプラスチックにして一体成形にし
てしまうことがある。こうなると、これまで、メタルピ
ンが使われていたカセットのガイドピンもポリプロピレ
ンなどのプラスチックに変わることになる。従ってこれ
までメタルガイドとフィルムとの間の摩擦摩耗の低減の
ために取られてきた手法では、かえってフィルムの摩擦
を高めたり、逆にプラスチックガイドを摩耗させたりし
てしまう。
【0005】本発明の課題は、上記のような問題を解消
し、最近の技術要請に対応し得る二軸配向ポリエステル
フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエ
スエルAを主成分とするフィルムであって、その少なく
とも一方の表面における突起を形成する粒子の含有量が
0.3重量%以下、少なくともその一方の表面の中心線
平均粗さRaが0.5nm以上100nm以下、該表面
の幅方向の表面突起間隔Smが20μm以下であり、該
表面の水に対する接触角が70゜以上100゜以下であ
り、かつ、フィルムのプラスチックガイドピンに対する
摩擦係数が0.3以下であることを特徴とするものから
なる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリエステルA
を主成分とするフィルムの表面における突起形成粒子含
有量は、0.3重量%以下であることが必要であり、好
ましくは0.2重量%以下、さらに好ましくは0.1重
量%以下、特に好ましくは実質的には粒子が含有されな
い。このように、粒子の含有量が少ないことにより、フ
ィルム中に形成されるボイドの量が非常に少ない。従っ
て、高速塗布工程においても脱落する粒子が非常に少な
い。
【0008】しかし、粒子の含有量が0.3重量%以下
であっても、フィルム表面は適度に粗れていないと、フ
ィルムの搬送性や磁気テープとしたときの走行性が劣化
してしまう。また、表面の凹凸はなるべく緻密に形成さ
れていることが望ましい。この表面の緻密さを表す指標
として表面突起間隔Smをとると、長手方向(MD)あ
るいは幅方向(TD)の少なくとも一方で、20μm以
下が好ましい範囲であり、さらに好ましくは15μm以
下、さらに好ましくは12μm以下である。この突起間
隔が、20μmより大きいとフィルム−ダイコータのエ
ッジ間の滑りが悪く、ダイコータによるフィルム削れを
起こしやすい。このダイコータによるフィルム削れは、
平滑なメタルガイドとフィルムとの間の摺動における摩
擦係数を指標とすることができ、該摩擦係数が0.3以
下であることがダイコータ削れを起こしにくいことの必
要条件である。
【0009】粒子の含有量が少ないにもかかわらず、表
面に緻密な凹凸を形成させる一つの手段としては、ポリ
エステル結晶によって突起を形成することである。未延
伸フィルムに先ず熱処理を施すことにより、未延伸フィ
ルムの特に表面の結晶化が進められ、多数の微細な結晶
が生成する。この未延伸フィルムが二軸延伸され、フィ
ルムが二軸に配向されて目標とするフィルム自身の強度
が達成されるとともに、結晶とそうでない部分の硬さの
差によって、上記微細結晶に起因する均一な微細表面突
起が形成される。
【0010】ここで表面突起がポリエステルAの微細結
晶からなるものか否かについては、対象となる突起の下
を、フィルム厚さ方向に適切な溶媒でエッチングしてい
き、その突起を形成する起因物が不溶物として残存する
場合は、外部から添加された粒子、あるいは、内部析出
した粒子とする(I)。不溶物として残存するものが実
質的になかった場合は、その突起を形成する起因物は微
細結晶であると推定できる(II)。上記の溶媒として
は、例えば、フェノール/四塩化炭素(重量比:6/
4)の混合溶媒などが好ましく用いられる。この方法で
視野を約1mm2とした時のI の頻度、IIの頻度を求
め、II/(I +II)の値が80%以上である場合が好ま
しい。さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは
95%以上である。ただし、表面突起がポリエステルA
の微細結晶からなるものか否かの判定法については、上
記の方法に限定されるものではなく、適切な方法を選択
することができる。
【0011】粒子を添加しないで、このように結晶に起
因する突起のみで表面を形成した場合、表面粗さはあま
り大きくはならず、表面の中心線平均粗さ(Ra)で1
00nmが限界である。また、必要に応じて粒子を添加
した場合にも、Raが100nmを越えると、磁気テー
プとした場合に電磁変換特性が劣化する。また、Raの
下限は0.5nmであり、これよりRaが小さくなる
と、フィルムの滑りが悪くなり実用的でない。Raの好
ましい範囲としては1nm〜80nm、さらに、好まし
くは1nm〜50nmである。
【0012】本発明におけるポリエステルAは特に限定
されないが、エチレンテレフタレート、エチレン2,6-ナ
フタレート、エチレンα,β−ビス(2-クロルフェノキ
シ)エタン-4,4'-ジカルボキシレート単位から選ばれた
少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする場合
に、特に、エチレンテレフタレートを繰り返し単位に8
5モル%以上含有するポリエステルの場合が好ましい。
また、ポリエステルAの結晶化指数ΔTcgが10〜6
0℃、好ましくは10〜50℃の範囲の場合に、本発明
の表面形態が得やすく、また、耐電圧性や巻き取り性も
一層良好となるので好ましい。
【0013】結晶化指数の小さなポリエステルとして
は、結晶核剤効果により結晶化速度の速いポリエチレン
テレフタレートが特に好ましい。結晶核剤効果を高め、
結晶性指数ΔTcgが小さいポリエステルを得るために
は、エステル交換、重合時に酢酸リチウム、酢酸マグネ
シウム、酢酸カリウム、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフ
ィン酸あるいはそれらの誘導体、酸化アンチモン、酸化
ゲルマニウムを存在させることが有効である。特に望ま
しい組み合わせは、酢酸マグネシウムとホスホン酸(ま
たはその誘導体)および酸化アンチモンであり、ホスホ
ン酸(またはその誘導体)としては、フェニルホスホン
酸、ジメチルフェニルホスホネートなどがあげられる。
また、これらの金属塩やリン化合物はできる限りポリエ
ステル中に分散していることが結晶化速度を高める上で
好ましい。ただし、ポリエステルAの製造方法は上記に
なんら限定されるものではない。なお、本発明の目的を
阻害しない範囲内で、二種以上のポリエステルを混合し
ても良い。
【0014】本発明におけるさらに好ましい形態は、ポ
リエステルBを主成分とするフィルムの少なくとも片面
に、上記のポリエステルAを主成分とするフィルムを積
層してなる二軸配向積層ポリエステルフィルムである。
【0015】ポリエステルBの種類は特に限定されな
い。ポリエステルBの結晶性パラメータΔTcgは、ポ
リエステルAの結晶性ΔTcgより大きいと、延伸性に
対する影響が小さくなるので好ましい。また、ポリエス
テルBには、粒子が含有されないことが望ましいが、含
有されていてもよい。
【0016】本発明のポリエステルフィルムは、ポリエ
ステルBからなるフィルムの片面にポリエステルAが積
層されてなるフィルムであってもよいし、ポリエステル
Bからなるフィルムの両面にポリエステルAが積層され
てなるフィルムであってもよい。ポリエステルAの積層
厚さは特に限定されないが、積層厚さが全厚みの30%
以下の時にフィルム製膜時の延伸性に対する影響が小さ
くなるので好ましい。積層厚みの下限は特に限定されな
いが、20nmが共押し出しによる限界である。
【0017】本発明においては、ポリエステルAの表面
における水との接触角を70゜以上にする必要がある。
このように、フィルム表面を疎水性にしておくことによ
りフィルム表面がプラスチックガイドと接触した場合に
も、凝着力が低く従って摩擦が低い。従って、摩耗しに
くい。ただし、フィルム表面の疎水性があまり高すぎる
と、磁気塗料を塗布したときに、ハジキなどの欠陥を発
生させやすく好ましくない。ポリエステルAの表面にお
ける水との接触角の上限としては100゜好ましくは9
5゜さらに好ましくは90゜である。
【0018】ポリエステルAの表面における水との接触
角を70゜以上にするための手段としては、テフロンに
代表されるような表面エネルギーの低い材質のロールで
フィルム表面を圧力をかけながら接触させる、一軸延伸
した後あるいは二軸延伸後に親水性官能基を有する有機
化合物を塗布する、親水性官能基を有する有機化合物を
製膜以前に練り込んでおくなどの方法があるが、親水性
官能基を有する有機化合物を製膜以前に練り込む方法は
フィルムが繰り返し摩擦を受ける場合にも効果が高く好
ましい。
【0019】この場合親水性官能基としてはポリエステ
ル中の水酸基、カルボキシル基と酸塩基的相互作用、あ
るいは水素結合的な相互作用を持つものであればどのよ
うな官能基でもかまわない。官能基の具体例としてはカ
ルボキシル基およびその塩、水酸基、スルホン基および
その塩、リン酸基およびその一つないし二つの水酸基を
エステル化したものなどがあげられる。このような有機
化合物の具体例としては炭素数12以上30以下の高級
脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モン
タン酸、メリシン酸、リノール酸、リノレン酸など)、
フッ化アルキル基を有するカルボン酸およびその塩(パ
ーフルオロアルキルカルボン酸塩など)、フッ化アルキ
ル基を有するスルホン酸およびその塩(パーフルオロヘ
キセニルオキシベンゼンスルホン酸塩など)、フッ化ア
ルキル基を有するリン酸類(パーフルオロアルキルリン
酸エステルなど)等があげられる。このような親水性官
能基はイオン結合性が強すぎる(極性が強すぎる)とポ
リエステルとの相溶性が悪くなる傾向がある。このよう
な場合、ポリエステルに少量のポリアルキレングリコー
ルを共重合する、あるいは練り込んでやると良い。この
ような場合、ポリアルキレングリコールに若干の導電性
があるため、フィルムの表面比抵抗が下がり、フィルム
製造工程内、磁気テープ製造工程内で静電気的にゴミを
吸い付けないなどのメリットが生じる場合がある。ただ
し、ポリアルキレングリコールの含有量が高すぎると、
フィルムの吸湿性が高くなり、これが弊害となる場合も
あるので、ポリアルキレングリコールの含有量は通常は
15モル%が上限である。ただし、吸湿性が弊害となら
ず、高度な導電性を必要とする場合はこの限りではな
い。また、ポリアルキレングリコールが有効に作用する
量の下限は0.01モル%である。
【0020】また、親水性の官能基を持たない化合物で
も、カルナバロウなどの高級脂肪族のエステル類、スク
ワラン、スクワレンなどの炭素数10ないし30程度の
炭化水素類などはフィルム表面の疎水性を高め、水との
接触角を70゜以上とする効果を示す。
【0021】これらの有機化合物の含有量は0.001
〜3重量%の範囲が望ましく、より好ましくは0.00
5〜2.5重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量
%である。この範囲より含有量が少ないと易滑効果が発
揮されにくく、またこの範囲より含有量が多いとこれら
の化合物がフィルム表面からブリードアウトしてフィル
ムや磁気材料の製造工程を汚すなどの弊害が生じる場合
がある。
【0022】本発明においては、必要に応じて一次粒子
径が100nm以下のアルミナやジルコニアなど実質的
に突起を形成しない微粒子を添加して、ポリエステルの
地肌補強を行ってもよい。ただし、この場合にも添加量
はできるだけ少ないことが望ましく、添加量の上限は1
重量%とするのが好ましい。
【0023】次に、本発明フィルムの製造方法について
積層フィルムの場合を例にとり説明する。ポリエステル
Bの少なくとも片面にポリエステルAを積層した溶融押
出フィルムを、静電印加キャスト法を用いて、冷却金属
ロール表面で冷却し、未延伸フィルムを得る。
【0024】次に未延伸フィルムの少なくとも片面に熱
処理を施す。ここで未延伸フィルムとは、口金から押し
出された直後の冷却固化される前の状態から、冷却固化
後、一軸方向にわずかに微延伸(2倍程度まで)された
ものまでを指す。この熱処理の目的は、延伸前のフィル
ム表面を好ましい結晶化度にまで結晶性を高めることで
あり、処理方法としては、押出し直後の温度の高いフ
ィルムを徐冷することにより結晶化させる方法、一旦
冷却、固化したフィルムを再加熱して結晶化させる方
法、一軸方向に微延伸させた状態で加熱処理する方
法、がある。これらの方法の一つをフィルムの製膜プロ
セスのなかで実施し、目標とする表面形態を得ることが
できるが、これらの方法を二つ以上併用して、フィルム
の製膜プロセスのなかで実施してもよい。
【0025】本目的に沿う表面形態を得るためには、
またはの方法が好ましいが、の方法を用いても、適
切な条件を採用することにより望ましい表面形態を得る
ことができる。の処理方法については、特に限定され
ないが、加熱ロールに巻き付けて熱処理する方法、ロー
ルに巻き付けた状態でロールと接触する反対の面から熱
風処理する方法、あるいはロールに巻き付けた状態でロ
ールと接触する反対の面から赤外線ヒータで熱処理する
方法、ロール/ロール間で赤外線ヒータで熱処理する方
法、ステンタを用いて加熱する方法等があるが、特にこ
れらの方法に限定されるものではない。熱処理条件とし
ては、100〜240℃の温度下で、0.5〜100秒
熱処理することが望ましい。より好ましくは、120〜
220℃で1〜50秒の熱処理条件が目標とする表面形
態を、フィルムの製膜プロセス中で効率良く得るために
望ましい条件である。
【0026】さらにこの未延伸フィルムを公知の方法で
二軸延伸、熱固定を行って二軸配向ポリエステルフィル
ムを得る。この延伸時に、フィルム表面付近に形成され
た結晶が非晶部よりも硬く変形しにくいため、表面に突
起が形成される。
【0027】延伸方法としては、最初に長手方法、次に
幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸を用いる事が有効であ
る。長手方向の延伸はポリエステルのガラス転移温度T
gより10℃以上高い高温で、5000〜50000%
/分の延伸速度で一度にもしくは数回に分けて3〜6倍
の範囲で行うことが有効である。また、横方向の延伸は
80〜160℃の温度で、1000〜20000%/分
の延伸速度で3〜7倍の範囲で行うことが好ましい。ま
た、一旦二軸延伸されたフィルムを少なくとも一方向に
さらに延伸してもよいが、延伸後の定長熱処理は170
〜240℃で0.5〜60秒行うのが好ましい。さら
に、幅方向の屈折率が大きく、かつ幅方向の突起間隔S
mの小さなフィルムを得るためには、定長熱処理後、幅
方向に5〜15%弛緩させながら170〜240℃で
0.5〜60秒弛緩熱処理を施すことが好ましい。
【0028】積層フィルムを製造する好ましい製造方法
は、上に記した溶融押出しフィルムを作るとき、2台の
押出機からポリエステルA、Bをそれぞれ溶融して供給
したものを、2または3層のマニホールドまたは合流ブ
ロックを用いて、ポリエステルBの片面または両面にポ
リエステルAに積層し、スリット状の口金から溶融押し
出す方法であるが、合流部分が矩形の合流ブロックを用
いて積層する方法が安定性の面から特に好ましい。
【0029】次に、本発明のポリエステルフィルムの前
記熱処理方法について、より具体的に説明する。本発明
においては、未延伸フィルムの少なくとも片面に熱処理
を施し、その後に二軸延伸する。ここで未延伸フィルム
とは、口金から押し出された直後の冷却固化される前の
状態から、一軸方向にわずかに微延伸(2倍程度まで)
されたものまでを指す。この熱処理の目的は、延伸前の
フィルム表面を好ましい結晶化度にまで結晶性を高める
ことである。
【0030】本発明においては、ポリエステルを主成分
とする溶融押出フィルムを、冷却ロール表面で冷却する
過程において、ポリエステルAのガラス転移温度Tg以
上、かつ融解温度Tmより100℃高い温度(Tm+1
00℃)以下で、未延伸フィルムを該冷却ロールと接触
する反対の面から熱処理し、その後に該未延伸フィルム
を二軸延伸することによって、所望の表面突起が形成さ
れるので好ましい。より好ましくはTgより20℃高い
温度(Tg+20℃)以上、かつTmより80℃高い温
度(Tm+80℃)以下、さらに好ましくは、Tgより
40℃高い温度(Tg+40℃)以上、かつTm以下で
ある。未延伸フィルムを該冷却ロールと接触する反対の
面から熱処理する方法としては、熱風または、赤外線ヒ
ータによる輻射熱を用いることができるが、この方法に
限定されるものではない。
【0031】前記、冷却ロール表面の表面粗さが0.2
S以上で、かつ、10S以下であると、延伸前のフィル
ム表面を所望の結晶化度にまで結晶性を高めることがで
き好ましい。より好ましくは、該冷却ロール表面の表面
粗さが0.3S以上で、かつ、8S以下である。ロール
表面の表面粗さが0.2S未満であると、冷却ロールに
未延伸フィルムが粘着して好ましくない。また10Sを
超える表面粗さでは所望の表面突起が形成されなくなっ
たり、冷却ロール上でフィルムが滑り好ましくない。
【0032】本発明においては、冷却固化した未延伸フ
ィルムを熱処理する場合、その少なくとも片面の表面
(または表層)温度が、ポリエステルAの冷結晶化温度
Tccより20℃低い(Tcc−20℃)以上、かつ降
温結晶化温度Tmcより40℃高い(Tmc+40℃)
以下で、0.5〜100秒保たれるように熱処理し、そ
の後にTg以上、かつTccより20℃高い(Tcc+
20℃)温度以下で二軸延伸することによって、所望の
表面突起が形成されるので好ましい。より好ましくは、
Tcc以上、かつTmc以下で0.5〜50秒、さらに
好ましくは、Tcc以上、かつTmc以下で0.5〜2
0秒保たれるような熱処理である。
【0033】また次のような製造条件も可能である。未
延伸フィルムを一軸方向に微延伸し、複屈折0.5×1
-3〜50×10-3とし、次に該微延伸フィルムの少な
くとも片面の表面(または表層)温度が、ポリエステル
Aの冷結晶化温度Tccより20℃低い(Tcc−20
℃)以上、かつ降温結晶化温度Tmcより40℃高い
(Tmc+40℃)以下で0.3〜50秒保たれるよう
に熱処理し、その後にTg以上、かつTccより20℃
高い(Tcc+20℃)温度以下で二軸延伸することに
よって、所望の表面突起が形成されるので好ましい。よ
り好ましくは、Tcc以上、かつTmc以下で、0.5
〜20秒、さらに好ましくは、Tccより10℃高い
(Tcc+10℃)以上、かつTmcより20℃低い
(Tmc−20℃)以下で、0.5〜15秒保たれるよ
うな熱処理である。
【0034】熱処理方法については、加熱ロールに巻き
付けて熱処理する方法、ロールに巻き付けた状態でロー
ルと接触する反対の面から熱風処理する方法、あるいは
ロールに巻き付けた状態でロールと接触する反対の面か
ら赤外線ヒータで熱処理する方法、ロール/ロール間で
赤外線ヒータで熱処理する方法、ステンタを用いて加熱
する方法等があるが、特にこれらの方法に限定されるも
のではない。ただし、ロールを介在させる熱処理方法に
おいては、ロール表面の材質をポリエステルに対してで
きるだけ粘着性の低いものを選択することが好ましい。
たとえば、ポリエチレンテレフタレートに対しては、シ
リコーンゴムロールが最適である。また、この熱処理に
おいてフィルムが高温の状態でロールに接する場合、隣
り合うロールとロールの間隔はできるだけ短くすること
が好ましい。ロールとフィルムの接点から次のロールの
接点までの距離がフィルム幅の1/3以下、好ましくは
1/4以下に設定すると、粘着による表面性の劣化が防
げる。
【0035】本発明においては、ポリエステルを主成分
とする溶融押出フィルムの少なくとも片面の表面(また
は表層)温度を、ポリエステルAの降温結晶化温度Tm
cより70℃低い温度(Tmc−70℃)以上、かつポ
リエステルAの降温結晶化温度Tmc以下で、0.5〜
20秒保ち、次いで、ガラス転移温度Tg以下に冷却
し、その後に該未延伸フィルムを二軸延伸することによ
って、所望の表面突起が形成されるので好ましい。
【0036】熱処理の方法は、前記したように押出直後
の温度の高いフィルムを徐冷することにより結晶化させ
る方法、また、一旦冷却、固化したフィルムを再加熱し
て結晶化させる方法、また、一軸方向に微延伸させた状
態で加熱処理する方法などがあり、これらの方法の一つ
をフィルムの製膜プロセスのなかで実施し、目標とする
表面形態を得ることができるが、これらの方法を二つ以
上併用して、フィルムの製膜プロセスのなかで実施して
もよい。
【0037】本発明に係わるポリエステルAとしては、
好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)が用
いられる。このポリエステルAには、実質的に粒子が含
有されないことが好ましい。ポリエステルAの重合は、
重合触媒として三酸化アンチモン、また、ΔTcgを低下
させ、結晶核剤効果を高めるために、エステル交換触媒
としての金属化合物は酢酸塩を用いることが好ましい。
酢酸塩としては、特に限定されないが、マグネシウム化
合物を用いることが、本発明の目的を達成するためには
特に好ましい。また、PETの重合時に添加されるリン
化合物としては、ホスホン酸誘導体を用いることが好ま
しい。本発明の場合、核剤効果を高めるために、触媒添
加量を増大することが望ましいが、添加し過ぎると内部
粒子の析出の原因となり、しかもヘイズが大きくなるた
めに好ましくない。マグネシウム化合物として酢酸マグ
ネシウムを用い、ホスホン酸誘導体としてフェニルホス
ホン酸ジメチルを用いた場合、ポリエステルAを用いて
製膜したフィルムの重量に対して酢酸マグネシウム60
〜200ppm、フェニルホスホン酸ジメチル20〜4
00ppm添加すると良い。但し、ポリエステルAの製
造方法としては上記になんら限定されるものではない。
【0038】本発明における二軸配向フィルムは、特に
磁気テープの支持体として好適に用いられるが、コンデ
ンサ用フィルム、包装用にも適している。さらに、表面
に緻密かつ均一に粗れていることから描画用フィルムや
液晶画面に用いられる光拡散フィルムなどにも好適であ
る。
【0039】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法ならびに効果の評価方法
は次の通りである。 (1)フィルム表面の突起個数 2検出方式の走査型電子顕微鏡の走査型電子顕微鏡[E
SM−3200、エリオニクス社製]と断面測定装置
[PMS−1、エリオニクス社製]においてフィルム表
面の平坦面の高さを0として走査したときの突起の高さ
測定値を画像処理装置[IBAS2000、カールツァ
イス社製]に送り、画像処理装置上にフィルム表面突起
画像を再構築する。次に、この表面突起画像で突起部分
を2値化して得られた個々の突起部分の中で最も高い値
をその突起の突起高さとし、これを個々の突起について
求める。この測定を場所を変えて500回繰り返し、2
0nm以上のものを突起とし、突起個数を求めた。また
走査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間
を選択する。なお、場合によっては、高精度光干渉式3
次元表面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物
レンズ:40〜200倍、高精度カメラ使用が有効)に
よって得られる高さ情報やピークカウントなどの個数情
報を上記SEMの値に読み変えてもよい。また、突起個
数に関しては、突起を立体的にとらえるため、フィルム
を82.5゜傾けて、倍率1万〜50万倍で電子顕微鏡
(SEM)による写真を撮影し、100視野測定を行っ
た平均値から突起数を1mm2 あたりに換算してもよ
い。この他、原子間力顕微鏡を用いても測定可能であ
る。
【0040】(2)結晶化パラメータΔTcg パーキンエルマー社のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次のとおりであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、3
00℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷す
る。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点
Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの
結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccとし
た。TccとTg の差(Tcc−Tg )を結晶化パラメータ
ΔTcgと定義する。
【0041】(3)積層厚さ 透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を用いて、加
速電圧100kVで、フィルム断面を、超薄切片法(R
uO4 染色)で観察し、その界面をとらえ、その積層厚
さを求める。倍率は、判定したい積層厚さによって選ぶ
ことが通常であり、特に限定されないが、1万〜10万
倍が適当である。
【0042】(4)水との接触角 20℃、50%RHの条件下で、マイクロメータを用い
てフィルム表面に純水を滴下し水滴とフィルム表面のな
す接触角を接触角計CA−D型(協和界面科学社製)で
測定した。
【0043】(5)耐削れ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ高速走行性試験器((株)横浜システム研究
所製TBT300)を使用して、ポリプロピレン製ガイ
ドピン上を一回走行させる。ガイドピン出側のフィルム
の張力を90g、ガイドピンに対するフィルムの巻き付
け角:60゜、走行速度250m/秒で90m走行させ
た後、ガイドピン上に付着した白粉量を下記評価基準に
より評価した。 5点:粉の付着がほとんど見られない。 3点:粉の付着が見られるが、フィルムに深い傷をつけ
る程ではない。 1点:粉の付着が全面に見られ、削れ粉の塊がさらにフ
ィルムに深い傷をつけている。 (これらの中間の状態をそれぞれ4点、2点とした。)
【0044】(6)摩擦係数(フィルム−プラスチック
ガイドピン間) フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験器((株)横浜システム研究所製
SFT700)を使用して、ポリプロピレン製ガイドピ
ン上を繰り返し走行させる。 フィルムの一端に100g
の荷重を掛け、他方の端をロードセルに接続する。巻き
付け角90゜、走行速度3.3cm/秒で50パス走行
させた後のロードセルにかかる荷重(Ti)を読み取
り、摩擦係数を次式(オイラーの式)に従い算出した。 摩擦係数μk=(2/π)ln(Ti/100)
【0045】(7)表面粗さパラメータRt、Ra、S
m (株)小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10
を用いて測定した。条件は下記のとおりであり、20回
の測定の平均値をもって値とした。これらの測定は、フ
ィルムの幅方向に触針を走査して行った。 ・触針先端半径 : 0.5 μm ・触針荷重 : 5 mg ・測定長 : 1 mm ・カットオフ : 0.08 mm ・触針スピード : 4 μm /sec なお、Rt、Ra、Smの定義は、例えば、奈良治郎著
「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センター、19
83)に示されているものである。
【0046】(8)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法、二次イオン質量分析(SI
MS)による測定も有効である。
【0047】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例 ポリエステルAとして、常法により重合したポリエチレ
ンテレフタレート(重合触媒:酢酸マグネシウム0.2
重量%、三酸化アンチモン0.03重量%、リン化合物
としてジメチルフェニルホスホネート0.70重量%を
用いた。)を各種潤滑剤とともに、ベント式の二軸混練
押出機を用いて練り込み、ポリエチレンテレフタレート
のマスタペレットとしたものを用いた(固有粘度:0.
60、融点:258℃、ΔTcg:50℃)。
【0048】また、ポリエステルBとして、酢酸マグネ
シウム0.06重量%、三酸化アンチモン0.008重
量%、トリメチルホスフェート0.02重量%を用い
て、常法により重合したポリエチレンテレフタレートを
用いた(固有粘度:0.62、融点:259℃、ΔTc
g:84℃)。ポリエステルA、Bともに不活性粒子は
含有しない。
【0049】実施例1 潤滑剤としてステアリン酸をポリエステルAに対して1
重量%含有させた。ポリエステルA、Bのペレットを、
180℃で3時間乾燥後、それぞれ2台の押出機に供給
し、290℃で溶融し、3層用の矩形の合流ブロック
(フィードブロック)で、合流積層しA/B/Aの層構
成を持つフィルムとした。公知の押出機を用いて、29
0℃で溶融押出しを行い、静電印加キャスト法を用い
て、表面温度30℃のキャスティングドラム上に巻き付
けて、冷却、固化し、未延伸フィルムを作った。この未
延伸フィルムを150℃に加熱したシリコーンロール上
で8秒熱処理したのち、熱処理後フィルムを、温度90
℃にて、長手方向に3.4倍延伸し、さらに公知のステ
ンタを用いて、延伸速度2000%/分で、95℃で、
幅方向に3.5倍延伸し、さらに定長下で210℃にて
5秒間熱処理を行い、厚さ10μmの二軸配向フィルム
を得た。このとき積層部の厚さはそれぞれ1μmとし
た。
【0050】実施例2、3 実施例1において、潤滑剤として、それぞれパーフルオ
ロヘキセニルオキシベンゼンスルホン酸リチウム、パー
フルオロアルキルリン酸エチルエステルを用いた以外は
全て実施例1と同様にして、A/B/A3層構成の積層
フィルムとした。
【0051】実施例4 実施例1において、潤滑剤として、パーフルオロヘキセ
ニルオキシベンゼンスルホン酸リチウム、ポリエステル
Aとしてポリエチレングリコール(分子量約8000)
を10モル%共重合したものを用いた他は全て実施例1
に準じてフィルムを調製した。
【0052】実施例5 実施例1のポリエステルAに対し、エチレングリコール
中に平均一次粒径20nmのδアルミナ粒子を分散さ
せ、ポリエステルAの重合時に添加したものを用いた以
外は全て実施例1に準じてフィルムを調製した。積層部
のアルミナの含有量は0.2重量%となるように調整し
た。
【0053】実施例6 実施例1のポリエステルAに対し、エチレングリコール
中に平均粒径1.1μmの炭酸カルシウム粒子を分散さ
せ、ポリエステルAの重合時に添加したものを用いた以
外は全て実施例1に準じてフィルムを調製した。積層部
の炭酸カルシウムの含有量は0.25重量%となるよう
に調整した。
【0054】比較例1 実施例1において、潤滑剤を含有させない以外は全て実
施例1に準じてフィルムを調製した。
【0055】比較例2 ポリエステルAのかわりに、エチレングリコール中に平
均粒径0.3μmのコロイダルシリカ粒子を分散させ、
ポリエステルBの重合時に添加したものを用い、積層厚
みを0.3μmとした以外は実施例1と同様にしてフィ
ルムを調製した。このとき積層部におけるコロイダルシ
リカの濃度は4%とした。ポリエステルBが積層部の主
成分であるため、積層部の結晶化速度が小さく、実施例
1のように熱処理を加えたが、フィルム表面の突起はほ
とんどコロイダルシリカ粒子によるものであった。
【0056】比較例3 実施例1において、未延伸フィルムのシリコーンロール
上での熱処理条件を130℃、4秒とした以外は、実施
例1に準じてフィルムを調製した。この熱処理条件で
は、結晶の形成が不足であり、実施例のような緻密な突
起が形成されなかった。
【0057】比較例4 実施例4においてベヘン酸をポリエステルAに対して1
0%含有させた以外は全て実施例4に準じてフィルムを
調製した。
【0058】上記実施例、比較例において調製されたフ
ィルムを前記の評価法に従って評価した結果を表1に示
す。本発明の範囲に属するフィルムは、いずれも比較例
に対して耐削れ性において優れていることが分かる。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
によれば、含有粒子に頼ることなくポリエステルAの結
晶化を利用してフィルム表面に特定個数以上の微細突起
を形成するとともに、表面粗さパラメータRa、および
Smの値を特定範囲とし、フィルム表面の水との接触
角、プラスチックガイドとの摩擦係数を特定範囲とした
ので、磁気テープの塗布工程においてフィルム表面が削
れにくいという効果が得られ、最近の高速加工工程にも
十分に適応することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/02 C08K 5/02 C08L 67/02 KJT C08L 67/02 KJT G11B 5/704 G11B 5/704 // B29K 67:00 B29L 7:00 9:00 C08L 67:00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエスエルAを主成分とするフィルム
    であって、その少なくとも一方の表面における突起を形
    成する粒子の含有量が0.3重量%以下、少なくともそ
    の一方の表面の中心線平均粗さRaが0.5nm以上1
    00nm以下、該表面の幅方向の表面突起間隔Smが2
    0μm以下であり、該表面の水に対する接触角が70゜
    以上100゜以下であり、かつ、フィルムのプラスチッ
    クガイドピンに対する摩擦係数が0.3以下であること
    を特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルBを主成分とするフィルム
    の少なくとも片面に、請求項1に記載のポリエステルフ
    ィルムを積層してなる二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリエスエルAを主成分とするフィルム
    がポリエステルBを主成分とするフィルムに共押出によ
    り積層されてなり、ポリエステルAを主成分とするフィ
    ルムの表面の突起の個数の80%以上がポリエステルの
    結晶によって形成されていることを特徴とする請求項2
    に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルAの結晶化指数ΔTcgが
    10〜60℃の範囲にある請求項1ないし3のいずれか
    に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエスエルAがエチレンテレフタレー
    トを繰り返し単位として85モル%以上含有する請求項
    1ないし4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 ポリエスエルAがアルキレングリコール
    を繰り返し単位として15モル%以下含有する請求項1
    ないし5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィ
    ルム。
  7. 【請求項7】 ポリエスエルAを主成分とするフィルム
    に潤滑剤を0.001〜3重量%以下含有することを特
    徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の二軸配向
    ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 前記潤滑剤が親水性官能基を有する有機
    化合物を含有することを特徴とする請求項7に記載の二
    軸配向ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 前記親水性官能基を有する有機化合物が
    炭素数12以上30以下の高級脂肪酸であることを特徴
    とする請求項8に記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ム。
  10. 【請求項10】 前記親水性官能基を有する有機化合物
    がフッ化アルキル基を有することを特徴とする請求項8
    に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  11. 【請求項11】 前記潤滑剤が高級脂肪族エステルであ
    ることを特徴とする請求項8に記載の二軸配向ポリエス
    テルフィルム。
  12. 【請求項12】 前記潤滑剤が炭素数10から30の炭
    化水素であることを特徴とする請求項7に記載の二軸配
    向ポリエステルフィルム。
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