JP2016016543A - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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和輝 木村
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Abstract

【課題】 ポリエステルフィルム表面の摩擦係数が極めて低く、またポリエステルフィルム表面に粗大突起物が存在しないことから、種々の用途において有効に利用することができる二軸配向積層ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 フィルム中に粒子を実質的に含有しない二軸配向積層ポリエステルフィルムであり、当該積層ポリエステルフィルムの最外層のいずれかに滑剤を含有することを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルム表面の動摩擦係数が低く、またフィルム表面に粗大突起物のない二軸配向積層ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有しており、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属ラミネートフィルム、ガラスディスプレイ等のガラス表面に貼るフィルム、液晶ディスプレイ用フィルム、太陽電池裏面保護フィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として広く用いられている。
また、離型用フィルムは、ポリエステルを基材として、離型性のある樹脂層、例えばシリコーン樹脂やフッ素樹脂などを塗布し形成される。特に、液晶偏光板用離型用、液晶保護フィルム用離型用、フォトレジスト用、多層基盤、セラミックグリーンシート製造用などの各種離型用途として使用されている。
各種加工工程にてポリエステルフィルムが連続的に用いられるため、ポリエステルフィルムは傷がつきやすい。フィルム表面の傷付き防止のために、ポリエステルフィルム内に、シリカや炭酸カルシウムや架橋高分子といった粒子を含有させることで、フィルムを粗面化させている(公知文献1)。すなわち、フィルム表面が粗くなるため、摩擦係数が下がり、加工時においてポリエステルフィルムの走行性が向上する。
しかしながら、粒子自体はポリエステルと構造が異なるため親和性が高くない。その結果、フィルム内で粒子同士が凝集し、フィルム表面上にて粗大突起を形成する原因となり、フィルムの平滑性に限界が生じる。
特開2006―176685号公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、フィルム表面の摩擦係数が低く、またフィルム表面に粗大突起物のない、二軸配向積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実状に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなる二軸配向積層ポリエステルフィルムを用いることにより、上述の課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、フィルム中に粒子を実質的に含有しない二軸配向積層ポリエステルフィルムであり、当該積層ポリエステルフィルムの最外層のいずれかに滑剤を含有することを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、フィルム表面の摩擦係数が低く、またフィルム表面に粗大突起物のない二軸配向積層ポリエステルフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルはホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
一方、共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
いずれにしても本発明でいうポリエステルとは、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエステルを指す。特に好ましく使用されるポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムに用いるポリエステルの重合触媒は、チタン化合物、アンチモン化合物、アルミニウム化合物などから選定されるが、特に限定はしない。
本発明のポリエステルフィルムに用いるポリエステルについて、でチタン化合物からなる触媒を用いてポリエステルを重合する場合、チタン元素含有量は、好ましくは20ppm以下であり、さらに好ましくは15ppm以下、特に好ましくは9ppm以下である。下限については特に設けないが、実際には2ppm程度が現在の技術では下限となる。チタン化合物の含有量が多すぎるとポリエステルを溶融押出する工程で分解反応を起こすことがある。またチタン元素を全く含まない場合、ポリエステル原料製造時の生産性が劣り、目的の重合度に達したポリエステル原料を得られないことがある。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムに用いるポリエステルについて、アンチモン化合物からなる触媒を用いてポリエステルを重合する場合、ポリエステル中のアンチモン元素含有量は、通常はポリエステル重合時に使用する重縮合触媒である三酸化アンチモンに由来するものであり、ポリエステル重合時に添加される。三酸化アンチモンを重縮合触媒として用いるときの助触媒は、マンガン化合物が好ましく、特に好ましくは酢酸マンガン・四水和物である。ポリエステル中のマンガン化合物量は、熱分解や加水分解を抑制するために、元素量として400ppm以下が好ましく、300ppm以下がさらに好ましく、250ppm以下が特に好ましい。また、ポリエステル重合時の触媒で使用する三酸化アンチモンは、ポリエステル溶融押出し時に還元することで、アンチモン元素として析出するため、二軸配向積層ポリエステルフィルムのヘーズが増大する可能性があるため、少ないことが好ましい。したがって、二軸配向積層ポリエステルフィルム中のアンチモン元素量として、400ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、100ppm以下がさらに好ましく、30ppm以下が特に好ましく、0ppmが最も好ましい。
また、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルム中には、熱分解や加水分解を抑制するために触媒として働きうる金属化合物をできる限り含まないことが好ましいが、フィルムに適用する際、フィルムの生産性を向上すべく溶融時の体積固有抵抗値を低くするため、マグネシウム、カルシウム、リチウム、などの金属を、通常ポリエステル成分中に300ppm以下、好ましくは250ppm以下であれば含有させることができる。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルム中のリン元素含有量は、通常はリン酸化合物に由来するものであり、ポリエステル原料の重合時に添加される。リン酸化合物の例としては、リン酸、亜リン酸あるいはそのエステルホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、亜ホスホン酸化合物、亜ホスフィン酸化合物など公知のものが該当し、具体例としては、正リン酸、ジメチルフォスフェート、トリメチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、ジプロピルフォスフェート、トリプロピルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジアミルフォスフェート、トリアミルフォスフェート、ジヘキシルフォスフェート、トリヘキシルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、エチルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムに主に使用するポリエステル原料の極限粘度は特に限定されず、0.50dl/g以上が好ましく、1.0dl/g未満が好ましい。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、実質的に粒子を含有しないものである。二軸延伸ポリエステルフィルム用に粒子を供する場合、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させる上で、微粒子が含有されていることが通常である。しかしながら、上述のとおり、粒子自体はポリエステルと構造が異なるため親和性が高くなく、その結果、フィルム内で粒子同士が凝集し、フィルム表面上にて粗大突起を形成する原因となり、フィルムの平滑性に限界が生じる。
ここで挙げる粒子としてはシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂架橋体のような高分子架橋体を挙げる事ができる。これら粒子がフィルム内に存在すると、ポリエステルフィルム表面に粗大突起を形成させやすい。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルム中の滑剤は、フィルム表面の摩擦係数を軽減させるべく、いずれかの最外層に含有されている必要がある。滑剤の層内の含有量は0.1重量%以上が好ましく、0.6重量%以上がより好ましく、1.2重量%以上がさらに好ましく、1.8重量%以上が特に好ましい。滑剤含有量が0.1重量%未満だと、フィルムの表面摩擦負荷は軽減されない場合がある。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルム中の最外層内の滑剤含有量は5.0重量%以下であることが好ましく、4.0重量%以下がさらに好ましく、3.0重量%以下が特に好ましい。滑剤含有量が5.0重量%を超えると、二軸配向積層ポリエステルフィルム製造時に、押出機のスクリューやポリマーフィルターに負荷がかかりにくくなり、未溶融のポリエステルがダイスから押出される傾向が強くなることがある。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、3層以上から構成されていることが好ましい。N層(Nは3以上の自然数)の二軸配向積層ポリエステルフィルムについて説明する。例えば、A_1/A_2/A_3・・・/A_N−1/A_Nの層構成であれば、A_1層とA_N層に滑剤を含有させることで、ポリエステルフィルムの摩擦負荷は軽減される。もちろん、A_2層からA_N層に滑剤を含有させることは可能だが、フィルム表面の摩擦負荷軽減には寄与しない。
具体的にN=3の三層の二軸配向積層ポリエステルフィルムについて説明する。例えば、A/B/Cの層構成であれば、A層かC層、または両方に滑剤を含有させることが、フィルム表面の摩擦負荷軽減のため好ましい。一方、B層に滑剤を含有させることも可能だが、フィルム表面の摩擦負荷軽減には寄与しない。
層構成をA/B/Aとしても同様のことが言える。すなわち、A層に滑剤を含有させることが、フィルム表面の摩擦負荷軽減のため必要である。一方、B層に滑剤を含有させることも可能だが、フィルム表面の摩擦負荷軽減には寄与しない。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルム中の滑剤は、モンタン酸、モンタン酸エステル、モンタン酸の石鹸(モンタン酸のナトリウム塩やモンタン酸のカルシウム塩)、ポリオレフィン滑剤、酸滑剤、からなる群から選定することが好ましい。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルム中の滑剤の中でも、揮発性の観点から分子量が高い化合物が好ましい。また、ポリエステル分子の分解を促進させないためにも、アルカリ含有量が低い化合物が好ましい。例えば、そのような性質を有する滑剤として、モンタン酸エステル滑剤やポリオレフィン滑剤が挙げられ、特に、モンタン酸エステル滑剤が好ましい。
モンタン酸エステル滑剤は、水酸基を有する化合物とモンタン酸との化合物である。例えば、水酸基を有する化合物とは、2価の水酸基を有するエチレングリコールや、3価以上の水酸基を有するグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、分子内に10個以上のグリセリン単位を含み、多数の水酸基を有するポリグリセリンなどが好ましい。
ポリオレフィン滑剤は、鎖式飽和炭化水素構造を有し、例えば、ポリプロピレン滑剤、ポリエチレン滑剤、プロピレンとα―オレフィン(C数が2もしくは4以上)の共重合体滑剤、および、エチレンとα―オレフィン(C数が3以上)の共重合体滑剤である。特に、ポリエチレン滑剤もしくはエチレンとα―オレフィン(C数が3以上)の共重合体滑剤を用いることが特に好ましい。ポリエチレン滑剤もしくはエチレンとα―オレフィン(C数が3以上)の共重合体滑剤を、以下エチレン系滑剤とする。
エチレン系滑剤は、枝分かれしたもしくは枝なしのポリエチレンプラスチックを熱分解することによるかまたはエチレンを直接重合することにより分子増大方法において製造することができる。適した重合方法の例は、遊離基技術を含み、遊離基技術では、エチレンを高い圧力および温度で反応させて分枝度の一層大きいまたは一層小さい滑剤をもたらし、加えて、エチレンを、必要に応じてコモノマーを加えることによって、例えば、オルガノ金属触媒、チーグラーまたはメタロセン触媒を使用して重合させて枝なしのまたは枝分かれした滑剤を形成する通常の方法がある。
エチレン系滑剤は、エチレンのホモポリマーばかりでなく、一種以上のα-オレフィンR-CH=CH(式中、Rは、炭素原子を1〜20個有する直鎖または枝分かれしたアルキルラジカルである)とのエチレンコポリマーもある。ここで、コモノマー含有率は、0.1%〜49重量%になり得る。
ポリオレフィン滑剤の140℃における溶融粘度は、通常3,000mPa・s以上であり、好ましくは8,000mPa・s以上であり、さらに好ましくは13,000mPa・s以上であり、特に好ましくは18000mPa・s以上である。炭化水素化合物の140℃における溶融粘度が、3000mPa・s未満だと、二軸配向積層ポリエステルフィルム製造時に、押出機のダイスから滑剤化合物が揮発しやすいため、作業者の健康面の観点から好ましくない場合がある。
本発明におけるポリエステル組成物中のポリオレフィン滑剤の140℃における溶融粘度の上限は特に設けないが、ポリエステル樹脂との相溶性の観点から100,000mPa・sが好ましく、50,000mPa・sがさらに好ましい。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムの製造時に滑剤を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルフィルム製膜時に滑剤をフィーダーから投入しても良く、また、予め混練押出機を用い、乾燥させた滑剤と乾燥させたポリエステル原料とを溶融混合させて得られたマスターバッチを、ポリエステルフィルム製膜時に活用する方法などによって行われる。
なお、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルム中には、上述の滑材以外に、必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、染料を添加することができる。また、耐候性を向上する目的で、ポリエステル成分に対して0.01重量部〜5.0重量部の範囲で紫外線吸収剤、特にベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤等を含有させることができる。
本発明においては、キャスティングドラム表面に積層ポリエステルシートを溶融押出しする際、キャスティングドラムに対する積層ポリエステルシートの密着性を高めるため、静電密着法、エアナイフ法、2つのロールでニップするニップロール法などを適宜採用することができる。
本発明においては、このようにして得られた積層ポリエステルシートを二軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70℃〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦一軸延伸フィルムとした後、横方向に90℃〜160℃で2〜6倍延伸を行い、熱固定工程に移る。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムの厚みは10〜500μmであることが好ましく、より好ましくは15〜400μmであり、さらに好ましくは20〜260μmである。フィルム厚みが10μm未満では、フィルムに、いわゆる腰がなくなる場合がある。また、フィルム厚みが500μmを超えると、ハンドリング性が低下し、取り扱いが困難となることがある。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムには、塗布層が設けられていても構わない。塗布層に関しては、二軸配向積層ポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよく、両者を併用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であり、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることができるという点でインラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングにより二軸配向積層ポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に塗布層を高温で処理することができ、二軸配向積層ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、この実施例に限定されるものではない。なお、多層成形体の諸物性の測定および評価方法を以下に示す。
(1)ポリエステルの極限粘度(dl/g)
ポリエステルチップを粉砕したサンプルを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
(2)滑剤の滴点
JIS K2220に基づいて評価する。すなわち、カップに試料滑剤を押し込み、試料を満たす。次に温度計を差し込み、加熱浴中で加熱し、試料がカップの開口部から滴下した時の温度を滴点とする。
(3)滑剤の酸価
JIS K 2501に基づいて中和滴定法により評価する。すなわち、試料を約0.05g量とり、200mLのトールビーカに投入する。次に、 滴定溶剤(キシレン+ジメチルホルムアミド(1+1)150mLを添加する。 ビーカ加熱装置にて液温を80℃に加熱し、試料を溶解させる。4) 液温が80℃で一定になった後、滴定液(0.1mol/L 水酸化カリウム・エタノール溶液 f=1.0)を用いて滴定を行い、酸価を求める。
(4)滑剤のけん化価
JIS K 0070に基づいて評価する。すなわち、試料1.5〜2.0gを200mL三角フラスコに採取する。 0.5mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液25.0mLを加えて、三角フラスコに冷却管を取り付ける。 時々振り混ぜながら加熱し、還流するエタノールの環が冷却管の上端に達しないように温度を調節して穏やかに加熱する。30分沸騰させた後直に冷却し内容物が寒天状に固まらないうちにエタノール25mLを加え0.5mol/L塩酸(f=1.006)で滴定する。空試験(滑剤試料無)を行い、0.5mol/L塩酸の滴定量の平均値を求める。
けん化価(mg/g) = (空試験時の滴定量(mL)−試料の滴定量(mL))×滴定液のファクタ(1.006)×濃度換算係数(28.05mg/mL)/試料採取量(g)
(4)ポリエステルフィルムの動摩擦係数(μd)
幅10mm、長さ100mmの平滑なガラス板上にフィルムを貼り付け、その上に幅1
8mm、長さ120mmに切り出したフィルムを直径8mmの金属ピンに押し当て、金属
ピンをガラス板の長手方向に、加重30g、40mm/分で滑らせて摩擦力を測定し、1
0mm滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数として評価した。なお、測定は、室温23±1℃ 、湿度50±0.5%RHの雰囲気下で行った。測定回数(N)は10回とし、その平均値を採用する。動摩擦係数(μd)として、1.0未満をA、1.0以上はBとした。
動摩擦係数(μd)=Fd/おもり荷重
(上記式中、Fdの単位はg重、おもり荷重の単位はg重である)
(5)ポリエステルフィルムの表面粗さ評価
(株)小坂研究所のSurfcorder SE3500を使用。測定条件は下記。
Cutoff 0.08mm
Filter ガウス
E. Length 2.500mm
S. Length 0.081mm
レべリング 直線(全域)
Start−up Cutoff X 0.5
Data 15625points
Drive Speed 0.1mm/s
中心線平均粗さ:Raは0.010μm以上をA、0.010μm未満をBとする。また、ピークカウント:Pc2は10未満をA、10以上をBとする。
<ポリエステル(1)の製造法>
スラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールをそれぞれ毎時865重量部、485重量部で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートの0.3重量%エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりの燐原子としての含有量が0.129モル/樹脂tとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力50kPa(0.5kg/cm2)、平均滞留時間4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次いで、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力5kPa(0.05kg/cm2)、平均滞留時間1.5時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、エステル化反応させた。また、その際、第2段目のエステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、酢酸マグネシウム4水和物の0.6 重量% エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりのマグネシウム原子としての含有量が0.165モル/樹脂tとなる量で連続的に添加すると共に、第2段目のエステル化反応槽に設けた別の上部配管を通じてエチレングリコールを毎時60重量部連続的に追加添加した。引き続いて、前記で得られたエステル化反応生成物を連続的に溶融重縮合槽に移送する際、その移送配管中のエステル化反応生成物に、テトラ−n−ブチルチタネートを、チタン原子の濃度0.15重量%、水分濃度を0.5重量%としたエチレングリコール溶液として、得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が0.084モル/樹脂tとなる量で連続的に添加しつつ、270℃、絶対圧力2.6kPaに設定された第1段目の溶融重縮合槽、次いで、278℃、絶対圧力0.5kPaに設定された第2段目の溶融重縮合槽、次いで、280℃、絶対圧力0.3kPaに設定された第3段目の溶融重縮合槽に連続的に移送して、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.65dl/gとなるように各重縮合槽における滞留時間を調整して溶融重縮合させ、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口から連続的にストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してチップ状粒状体としたポリエステルを製造した。
上記ポリエステルを出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるように連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.82dl/gとなるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(1)を得た。
<ポリエステル(2)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を、平均粒子径3 .2μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーと共に添加し、常法に従って重合した。その際、ポリエステル樹脂中のシリカ濃度が6000ppm程度となるように、スラリーの量を調整した。反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従い、チップ化してポリエステル(2)を得た。得られたポリエステルチップの極限粘度は、0.66dl/gであった。
<モンタン酸エステル滑剤(1)>
グリセリンを水酸化ナトリウム触媒環境下で250℃の条件で脱水縮合させ、ポリグリセリンを得る。得られたポリグリセリンと、モンタン酸と直接エステル化させることで、モンタン酸の複合エステルとして、モンタン酸エステル(1)を得た。適点は73−79℃、酸価(mgKOH/g)は13−26、けん化価(mgKOH/g)は170−195、溶融粘度(mPa・s)は150であった。
実施例1:
上記ポリエステル(1)およびモンタン酸エステル滑剤(1)を98.0:2.0の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(A)の原料とし、上記ポリエステル(2)をポリエステル層(B)の原料とした。ポリエステル層(A)については、280℃に設定した口径30mmのベント付二軸押出機にて吐出量4kg/hr、押出機スクリュー回転数を42rpmの条件とし、さらにギアポンプとフィルターを通過させて溶融体を得る。一方、ポリエステル層(B)については、280℃に設定した口径44mmのベント付二軸押出機にて吐出量20kg/hr、押出機スクリュー回転数を133rpmの条件とし、さらにギアポンプとフィルターを通過させて溶融体を得る。
得られた溶融体を多層Tダイ内でA/B/A=2/20/2の構成比となるように合流させてスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を25℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の2種3層からなる積層シートを得た。当該積層シートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後テンターに導き、110℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに220℃で熱固定を行い、横方向に2%弛緩し、平均厚みが50μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの評価結果を下記表に示す。
比較例1:
上記ポリエステル(1)をポリエステル層(A)の原料とすることを除いて、実施例1と同様な方法で検討した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの評価結果を下記表に示す。
比較例2:
上記ポリエステル(1)とポリエステル(2)を87.5:12.5の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(A)の原料とすることを除いて、実施例1と同様な方法で検討した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの評価結果を下記表に示す。
Figure 2016016543
当該実施例および比較例より、フィルム内の粒子が実質的に存在しない状態で、表層に滑剤を含有させることで、粗大突起物の数であるPcは減少、表面粗度の指標であるRaは増大、動摩擦係数であるμdは減少が確認できた。
本発明は、フィルムは、各種ポリエステルフィルムの用途において、好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. フィルム中に粒子を実質的に含有しない二軸配向積層ポリエステルフィルムであり、当該積層ポリエステルフィルムの最外層のいずれかに滑剤を含有することを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  2. 滑剤がモンタン酸のエステル化物である請求項1に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
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