JP5870494B2 - 耐加水分解性ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
従来技術のように、樹脂原料の段階で酸価を低くしても、フィルム製膜時の押出機内でかかる熱履歴により、ポリエステルの分解が進行し、酸価が僅かに増加する。特に、この傾向は分子量が大きく高い固有粘度を有する樹脂原料に顕著である。溶融押出時に生じる酸価の上昇は僅かであっても、ポリエステル主鎖の分解は酸が触媒となるため、係る触媒作用により自己増殖的に分解が進行する。そのため、結果として長期間の使用において耐候性の低下をもたらす。このように、樹脂原料の溶融成型時に生じる僅かな酸価の上昇が長期の耐久性に大きな影響を与えることが分かった。
また、ヒンダードフェノール化合物を重合中に添加した場合などでは、ヒンダードフェノール化合物がポリエステル中に取り込まれることもあるが、このようにポリエステル分子鎖中に取り込まれたヒンダードフェノール構造部分も含める物とする。
以下、本発明の構成を説明する。
本発明で好ましく用いられる原料ポリエステルは、ジカルボン酸とジオール成分をエステル化反応(エステル化法)させるか、またはジカルボン酸のジメチルエステルをジオール成分と反応させるエステル交換反応(エステル交換法またはDMT法)させた後、減圧下で重縮合させる方法で製造することが出来る。
本発明では上述の通りポリエステルにさらにヒンダードフェノール化合物が添加されている。本発明ではこれら安定剤等を含み、ポリエステルと相溶した状態でポリエステルとしての機能を維持したり、ポリエステルを改質するための物質を添加したものをポリエステル樹脂組成物と称する。ヒンダードフェノール化合物を重合時に添加する場合は重縮合直前の重縮合触媒添加時に添加することが好ましい。また、重縮合工程の途中で添加する場合はエチレングリコールのスラリーとしてギアポンプ等で減圧を解除せず添加することも出来る。
フィルムを構成するフィルム樹脂組成物としては他に、紫外線吸収剤、滑材としての有機、無機粒子、酸化チタンや硫酸バリウム、カーボンブラックなどの白色、黒色顔料などを添加しても良い。
本発明のフィルムは、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれであっても良いが、耐久性および機械的強度の点から特には二軸延伸フィルムであることが好ましい。
フィルムに高い光反射性を付与する場合に白色フィルムとすることも好ましい。その場合は内部に微細な空洞を多数含有したものが近赤外領域まで高い反射率を有し好ましい。その場合の見かけ比重は0.7以上1.3以下、好ましくは0.9以上1.3以下、より好ましくは1.05以上1.2以下である。0.7未満では、フィルムに腰がなく太陽電池モジュール作製時の加工が困難になる。1.3を越えるフィルムであっても本発明のフィルムの範囲であるが、好ましくは1.3を越えた場合にフィルム重量が大きいため太陽電池の軽量化を検討する場合の障害となる可能性がある。
実施例では、重合時またはマスターバッチで添加したヒンダードフェノールの量から算出した。
例えばイルガノックス(R)1330を重合後の樹脂質量に対して200ppmの量重縮合開始時に添加した場合は、200/775.2(イルガノックス(R)1330の分子量)×3((イルガノックス(R)1330の1分子当たりのヒンダードフェノール構造の数)=0.77である。
試料を粉砕して乾燥した後、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの6/4(重量比)混合溶媒に溶解した。この溶液に遠心分離処理を施して無機粒子や不要物(空洞含有フィルムの場合の空洞形成剤)を取り除いた後に、ウベローデ粘度計を用いて温度30℃にて測定した。また、試料の重量から、ポリエステル以外のものの分を引きポリエステルのみの重量で計算した。
ポリエステル0.1gをメタノール2ml中で250℃で加熱分解した後、ガスクロマトグラフィーにより定量して求めた。
A.試料の調整
試料を粉砕し、70℃で24時間真空乾燥を行った後、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。そのときの重量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したベンジルアルコール浴に浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA、B、Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみ入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa、b、cとする。
予めファクターの分かっている0.04モル/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA、B、Cの滴定量をXA、XB、XC(ml)とする。サンプルa、b、cの滴定量をXa、Xb、Xc(ml)とする。
各溶解時間に対しての滴定量XA、XB、XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa,Xb,Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従いカルボキシル末端濃度を求めた。
酸価(当量/トン)=[(V−V0)×0.04×NF×1000]/W
NF:0.04モル/l水酸化カリウム溶液のファクター
W:試料重量(g)なお、空洞含有フィルムなどポリエステル以外のものが含まれる場合は、その分を引きポリエステルのみの重量である。
試料をヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈する。これにメタノ−ルを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテレフタレ−ト単位から構成される環状3量体を定量した。
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィーで測定し、濃度をppmで表示した。
なお、各実施例、比較例フィルムのAA含有量は15−23ppmの範囲であった。
フィルム([IV]i)を冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にした。この粉末を130℃で12時間真空乾燥し、粉末300mgを内径約8mm、長さ約140mmのガラス試験管に入れ70℃で12時間真空乾燥した。次いで、シリカゲルを入れた乾燥管を試験管上部につけて乾燥した空気下で、230℃の塩バスに浸漬して15分間加熱した後の[IV]f1を測定した。TOSは、下記のように求めた。ただし、[IV]iおよび[IV]f1はそれぞれ加熱試験前と加熱試験後のIV(dL/g)を指す。冷凍粉砕は、フリーザーミル(米国スペックス社製、6750型)を用いて行った。専用セルに約2gのレジンチップ又はフィルムと専用のインパクターを入れた後、セルを装置にセットし液体窒素を装置に充填して約10分間保持し、次いでRATE10(インパクターが1秒間に約20回前後する)で5分間粉砕を行った。
TOS=0.245{[IV]f1 −1.47−[IV]i −1.47 }
水分率測定器(三菱化成製、VA−05型)を使用し、230℃で10分間の条件で、チップ1〜2gに熱処理を行い、チップ中に含まれる水分を揮発させて、水分率を測定する。
耐加水分解性評価として、JIS−60068−2−66で規格化されているHAST(Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test)を行った。機器はエスペック社製EHS−221を用い、105℃、100%RH、0.03MPa下の条件で行った。
フィルムを70mm×190mmにカットし、治具を用いてフィルムを設置した。各フィルムは各々が接触しない距離を保ち設置した。105℃、100%RH、0.03MPaの条件下で200時間および300時間処理を行った。処理前、処理後の破断伸度をJIS−C−2318−1997 5.3.31(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定し、下記式に従い破断伸度保持率を算出した。
破断伸度保持率(%)=[(処理後の破断伸度(MPa))/(処理前の破断伸度(MPa))]×100
フィルムを長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状サンプルを切り出して用いた。JISK−7127に規定された方法に従って、引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行い、その破断伸度の平均値(X)を求めた。また、長さ200mm、幅10mmの短冊状サンプルをギアオーブンに入れ、160℃の雰囲気下で放置した後、自然冷却し、このサンプルについて前記と同条件での引っ張り試験を20回行い、その破断伸度の平均値(Y)を求めた。得られた破断伸度の平均値(X)、(Y)から伸度保持率を次式で求めた。
伸度保持率(%)=(Y/X)×100
伸度保持率が50%以下となるまでの熱処理時間を求め、破断伸度保持率半減期とした。
試料を灰化/酸溶解後、高周波プラズマ発光分析または原子吸光分析により求めた。
フィルムを10cm×10cmの正方形に正確に切り出し、その厚みを50点測定して平均厚みt(単位μm)を求める。次にサンプルの質量を0.1mgまで測定し、w(単位g)とする。そして、下式によって見かけ比重を計算した。
見かけ比重(−)=(w/t)×10000
白色度JIS−L1015−1981−B法により、日本電色工業(株)Z−1001DPを用いて行った
製膜後のダイリップ周辺、冷却ロール、各位置の搬送ロール、延伸ロールの汚れ程度を目視により観測した。
○:ヒンダードフェノール不含有ポリエステルと同等。
△:リップ周辺に若干の付着物増加がある、ロールの一部に若干の曇りが認められる。
×:明らかにリップ周辺に付着物増加がある、ロールに曇りが認められるなど、操業性低下させる可能性がある。
重合時に所定の共重合比となるよう、共重合モノマー組成を調整することにより行った。なお、得られたポリエステルを重クロロホルム:トリフルオロ酢酸=9:1(体積比)の混合溶媒に溶解して1H−NMR(BRUKER社製NMR、AVANCE500)で測定し、所定の量の成分が共重合されていることを確認した。
フィルムを幅10mm、長さ250mmのサイズに長辺(250mm)がそれぞれ長手方向、幅方向と一致する方向に沿ってカットし、200mm間隔で印をつけ、5gの一定張力で間隔Aを測った。続いて、無荷重で、150℃の雰囲気のオーブン中で30分間放置した。フィルムをオーブンから取り出し室温まで冷却した後、印の間隔Bを5gの一定張力下で求め、以下の式により熱収縮率を求めた。なお、フィルムの150℃における熱収縮率は、フィルム幅方向に100mm間隔で測定し、サンプル3点の平均値を小数第3位の桁で四捨五入し、小数第2位の桁に丸め使用し、長手方向、幅方向で値の大きい方向の値を用いた。
熱収縮率(%)=[(A−B)/A]×100
テレフタル酸とエチレングリコールの混合物中に酢酸マグネシウム四水塩をポリエステル中にMg原子として120ppmとなるように加え、常圧にて温度255℃で反応させた。その後Sb原子としてポリエステル中に250ppmとなるような量の三酸化アンチモンおよびCo原子としてポリエステル中に30ppmとなるような量の酢酸コバルト四水塩P原子としてポリエステル中に150ppmとなるような量のトリメチルホスフェートを加えさらに温度260℃で反応させた。
ホモPETのチップを水分率15ppmまで乾燥した後、ヒンダードフェノール化合物(イルガノックス(R)1330)と共に二軸押出機に投入してベントで減圧しながら溶融混練してヒンダードフェノール化合物50000ppmを含有するマスターバッチを得た。
ホモPETの製造に準じ、ネオペンチルグリコール(NPG)を3mol%共重合させたポリエステル樹脂組成物を得た。固有粘度0.76dL/g、酸価5当量/トンであった。
結果を表1に示した。
ホモPETの製造に準じ、ネオペンチルグリコールを3mol%共重合させたポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成物単独で実施例1と同様にポリエステルフィルムを製造したが、フィルム製膜工程各部での樹脂圧が実施例3と同等になるよう温度調整を行った結果、押出機溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂最高温度は300℃、その後のポリマー管では290℃とした。
ホモPETの製造に準じ、イソフタル酸(IPA)を3mol%共重合させたポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物のチップとヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1を用い、実施例3と同様にポリエステルフィルムを製造した。結果を表2に示した。
ホモPETの製造に準じ、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を3mol%共重合させたポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物のチップとヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1を用い、実施例3と同様にポリエステルフィルムを製造した。結果を表2に示す。
ホモPET、ポリエチレンナフタレート(IV=6.5dL/g、AV=6)およびヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1をドライブレンドした後、実施例3と同様にポリエステルフィルムを製造した。結果を表2に示した。なお、NDCはナフタレンジカルボン酸成分であることを示す。
ホモPETの製造に準じ、ネオペンチルグリコールをそれぞれ1.5mol%、5mol%、10mol%共重合させたポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成物をそれぞれヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1とドライブレンドした後、実施例3と同様にポリエステルフィルムを製造した。なお、比較例4では熱固定温時のクリップ付着防止のため、温度を225℃とした。結果は表2に示す。
ホモPETのチップを水分率15ppmまで乾燥した後、ヒンダードフェノール化合物(イルガノックス(R)1010)と共に二軸押出機に投入してベントで減圧しながら溶融混練してヒンダードフェノール化合物50000ppmを含有するマスターバッチ(ヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ2)を得た
ヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチとしてこれを用いた以外は実施例3と同様にしてポリエステルフィルムを製造した。結果は表3に示す。
ホモPETの製造に準じ、ネオペンチルグリコールを3mol%共重合させたポリエステル樹脂組成物を得た。IV0.70dL/g、酸価6当量/トンであった。得られたポリエステル樹脂組成物のチップとヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1を用い、実施例3と同様にポリエステルフィルムを製造したが、フィルム製膜工程各部での樹脂圧が実施例3と同等になるよう温度調整を行った結果、押出機熔融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂最高温度は288℃、その後のポリマー管では285℃とした。結果は表3に示す。分子量が低いため耐候性は実施例3には劣る結果であったが全く問題のないレベルであった。
ホモPETの製造に準じ、ネオペンチルグリコールを3mol%共重合させたポリエステル樹脂組成物を得た。IV0.64dL/g、酸価5当量/トンであった。得られたポリエステル樹脂組成物のチップとヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1を用い、実施例11と同様にポリエステルフィルムを製造した。結果は表3に示す。分子量が低く、耐候性に劣るものであった。
ホモPETの製造に準じ、ネオペンチルグリコールを3mol%共重合させたポリエステル樹脂組成物を得た。IV0.76dL/g、酸価23当量/トンであった。得られたポリエステル樹脂組成物のチップとヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1を用い、実施例3と同様にポリエステルフィルムを製造した。結果は表3に示す。酸価が高いため、対応性に劣るものであった。
テレフタル酸とエチレングリコール、ネオペンチルグリコールの混合物中に酢酸マグネシウム四水塩をポリエステル中にMg原子として120ppmとなるように加え、常圧にて温度255℃で反応させた。その後Sb原子としてポリエステル中に250ppmとなるような量の三酸化アンチモンおよびCo原子としてポリエステル中に30ppmとなるような量の酢酸コバルト四水塩P原子としてポリエステル中に150ppmとなるような量のトリメチルホスフェートを加えさらに温度260℃で反応させた。
得られたポリエステル樹脂組成物チップを水分率17ppmまで乾燥させた後、実施例1と同様にポリエステルフィルムを製造した。結果は表3に示す。ポリエステルの重縮合時にヒンダードフェノール化合物を添加しても、同様の耐候性の高いものが得られた。
ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレートとエチレングリコールの混合物に、カルシウム元素の残存が200ppmになるように酢酸カルシウムのエチレングリコール溶液を添加して、常法に従ってエステル交換反応を行い、オリゴマー混合物を得た。このオリゴマー混合物にリン元素の残存量が350ppmになるようにトリメチルリン酸を添加し、窒素雰囲気下、常圧にて200℃で10分間攪拌した。その後、重縮合触媒として、三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液/酢酸リチウムのエチレングリコール溶液の混合物をアンチモン元素の残存量が200ppm、リチウム元素の残存量が100ppmとなるように添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて250℃で10分間攪拌した。その後、60分間かけて280℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに280℃、13.3Pa下で重縮合反応を行い、IVが0.58dL/gのポリエステルチップを得た。
得られたポリエステル樹脂組成物のチップとヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1を用い、実施例3と同様にポリエステルフィルムを製造した。結果を表3に示す。
(微粒子含有マスターバッチの作製)
実施例3で用いた共重合ポリエステルの樹脂組成物チップを水分率17ppmまで乾燥させたもの49.6質量%およびヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1の0.4質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして脱気しながら275℃で押出し、ルチル型二酸化チタン微粒子含有マスターバッチ(MB−I)を調製した。
原料として、メルトフローレート1.5のポリスチレン(日本ポリスチ社製、G797N)20質量%、メルトフローレート3.0の気相法重合ポリプロピレン(出光石油化学製、F300SP)20質量%、及びメルトフローレート180のポリメチルペンテン(三井化学製:TPX DX−820)60質量%ペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、空洞形成剤を調製した(MB−II)。
微粒子含有マスターバッチ製造時および製膜時にヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1を添加しないこと以外は実施例14と同様にして空洞含有白色フィルムを得た。結果を表4に示す。
実施例3で用いた固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップ:ヒンダードフェノール化合物含有マスターバッチ1:MB−Iを70:0.28:30(質量比)となるよう混合し、水分率18ppmまで乾燥した原料を押出機に投入し、280℃で混合、溶融し、T−ダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し未延伸シートを作成した。得られた未延伸シートを、加熱ロールを用いて70℃に均一加熱し、90℃で3.3倍ロール延伸を行った。得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、140℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定して220℃で5秒間の熱処理を施し、更に220℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み188μm白色フィルムを得た。結果を表4に示す。
Claims (8)
- フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中ヒンダードフェノール構造単位を0.03〜6.7当量/トン含み、フィルムを構成するポリエステルの酸価が25当量/トン未満、固有粘度が0.64を越え0.9以下であり、ポリエステル樹脂組成物中のポリエステルがエチレンテレフタレートを主構成成分として、さらに酸成分としてテレフタル酸以外の構成成分を7モル%以下および/またはエチレングリコール以外のグリコール成分を7モル%以下共重合されたものであり、
ポリエステル樹脂組成物中にはOH基、カルボキシル基以外にこれら(OH基、カルボキシル基)と反応する置換基を持つ化合物は実質含まれず、
前記ポリエステル樹脂組成物中のポリエステルは、アルミニウム化合物(但し、ヒンダードフェノール構造を分子内に持つリン化合物を組合せて触媒活性を向上したものを除く)、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物又はチタン化合物を触媒として重合されたものであることを特徴とする耐加水分解性ポリエステルフィルム。 - ポリエステルを構成するテレフタル酸以外の酸成分とエチレングリコール以外のグリコール成分の合計量が7モル%以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- ポリエステル樹脂組成物中にはポリエステルが90質量%を越えて含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- 前記触媒が、アンチモン化合物に加え、カルシウム化合物、リチウム化合物、およびリン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- フィルムの見かけ比重が0.7〜1.3であることを特徴とする請求項1〜2および4のいずれかに記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- 太陽電池バックシート用、太陽電池フロントシート用、電気絶縁用のうちいずれか1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の耐加水分解性ポリエステルフィルムが受光面または受光面とは反対側の少なくともいずれかに積層されていることを特徴とする太陽電池。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の耐加水分解性ポリエステルフィルムの製造方法であって、
以下の工程A〜Dを含む耐加水分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
工程A:アルミニウム化合物(但し、ヒンダードフェノール構造を分子内に持つリン化合物を組合せて触媒活性を向上したものを除く)、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物又はチタン化合物を触媒として重合されたポリエステルを含むポリエステル樹脂組成物を押出機において溶融する溶融工程、
工程B:押出機から溶融樹脂を押出すことにより未延伸フィルムを形成するフィルム化工程、
工程C:未延伸フィルムの少なくとも一方向に延伸する延伸工程、および、
工程D:延伸したフィルムを熱処理する熱固定工程
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