JP2012041520A - 耐加水分解性ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中ヒンダードフェノール構造単位を0.03〜1.5当量/トン含み、フィルムを構成するポリエステルの酸価が11当量/トン未満、固有粘度が0.64dL/gを越え0.90dL/g以下であることを特徴とする耐加水分解性ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
従来技術のように、樹脂原料の段階で酸価を低くしても、フィルム製膜時の押出機内でかかる熱履歴により、ポリエステルの分解が進行し、酸価が僅かに増加する。特に、この傾向は分子量が大きく高い固有粘度を有する樹脂原料に顕著である。溶融押出時に生じる酸価の上昇は僅かであっても、ポリエステル主鎖の分解は酸が触媒となるため、係る触媒作用により自己増殖的に分解が進行する。そのため、結果として長期間の使用において耐候性の低下をもたらす。このように、樹脂原料の溶融成型時に生じる僅かな酸価の上昇が長期の耐久性に大きな影響を与えることが分かった。
また、ヒンダードフェノール化合物を重合中に添加した場合などでは、ヒンダードフェノール化合物がポリエステル中に取り込まれることもあるが、このようにポリエステル分子鎖中に取り込まれたヒンダードフェノール構造部分も含める物とする。
以下、本発明の構成を説明する。
本発明で好ましく用いられる原料ポリエステルは、ジカルボン酸とジオール成分をエステル化反応(エステル化法)させるか、またはジカルボン酸のジメチルエステルをジオール成分と反応させるエステル交換反応(エステル交換法またはDMT法)させた後、減圧下で重縮合させる方法で製造することが出来る。
本発明では上述の通りポリエステルにさらにヒンダードフェノール化合物が添加されている。本発明ではこれら安定剤等を含み、ポリエステルと相溶した状態でポリエステルとしての機能を維持したり、ポリエステルを改質するための物質を添加したものをポリエステル樹脂組成物と称する。ヒンダードフェノール化合物を重合時に添加する場合は重縮合直前の重縮合触媒添加時に添加することが好ましい。また、重縮合工程の途中で添加する場合はエチレングリコールのスラリーとしてギアポンプ等で減圧を解除せず添加することも出来る。
フィルムを構成するフィルム樹脂組成物としては他に、紫外線吸収剤、滑材としての有機、無機粒子、酸化チタンや硫酸バリウム、カーボンブラックなどの白色、黒色顔料などを添加しても良い。
本発明のフィルムは、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれであっても良いが、耐久性および機械的強度の点から特には二軸延伸フィルムであることが好ましい。
フィルムに高い光反射性を付与する場合に白色フィルムとすることも好ましい。その場合は内部に微細な空洞を多数含有したものが近赤外領域まで高い反射率を有し好ましい。その場合の見かけ比重は0.7以上1.3以下、好ましくは0.9以上1.3以下、より好ましくは1.05以上1.2以下である。0.7未満では、フィルムに腰がなく太陽電池モジュール作製時の加工が困難になる。1.3を越えるフィルムであっても本発明のフィルムの範囲であるが、好ましくは1.3を越えた場合にフィルム重量が大きいため太陽電池の軽量化を検討する場合の障害となる可能性がある。
実施例では、重合時またはマスターバッチで添加したヒンダードフェノールの量から算出した。
例えばイルガノックス(R)1330を重合後の樹脂質量に対して200ppmの量重縮合開始時に添加した場合は、200/775.2(イルガノックス(R)1330の分子量)×3((イルガノックス(R)1330の1分子当たりのヒンダードフェノール構造の数)=0.77である。
試料を粉砕して乾燥した後、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの6/4(重量比)混合溶媒に溶解した。この溶液に遠心分離処理を施して無機粒子や不要物(空洞含有フィルムの場合の空洞形成剤)を取り除いた後に、ウベローデ粘度計を用いて温度30℃にて測定した。また、試料の重量から、ポリエステル以外のものの分を引きポリエステルのみの重量で計算した。
ポリエステル0.1gをメタノール2ml中で250℃で加熱分解した後、ガスクロマトグラフィーにより定量して求めた。
A.試料の調整
試料を粉砕し、70℃で24時間真空乾燥を行った後、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。そのときの重量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したベンジルアルコール浴に浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA、B、Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみ入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa、b、cとする。
予めファクターの分かっている0.04mol/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA、B、Cの滴定量をXA、XB、XC(ml)とする。サンプルa、b、cの滴定量をXa、Xb、Xc(ml)とする。
各溶解時間に対しての滴定量XA、XB、XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa,Xb,Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従いカルボキシル末端濃度を求めた。
酸価(当量/トン)=[(V−V0)×0.04×NF×1000]/W
NF:0.04mol/l水酸化カリウム溶液のファクター
W:試料重量(g)なお、空洞含有フィルムなどポリエステル以外のものが含まれる場合は、その分を引きポリエステルのみの重量である。
試料をヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈する。これにメタノ−ルを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテレフタレ−ト単位から構成される環状3量体を定量した。
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィーで測定し、濃度をppmで表示した。
なお、各実施例、比較例フィルムのAA含有量は15−23ppmの範囲であった。
フィルム([IV]i)を冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にした。この粉末を130℃で12時間真空乾燥し、粉末300mgを内径約8mm、長さ約140mmのガラス試験管に入れ70℃で12時間真空乾燥した。次いで、シリカゲルを入れた乾燥管を試験管上部につけて乾燥した空気下で、230℃の塩バスに浸漬して15分間加熱した後の[IV]f1を測定した。TOSは、下記のように求めた。ただし、[IV]iおよび[IV]f1はそれぞれ加熱試験前と加熱試験後のIV(dL/g)を指す。冷凍粉砕は、フリーザーミル(米国スペックス社製、6750型)を用いて行った。専用セルに約2gのレジンチップ又はフィルムと専用のインパクターを入れた後、セルを装置にセットし液体窒素を装置に充填して約10分間保持し、次いでRATE10(インパクターが1秒間に約20回前後する)で5分間粉砕を行った。
TOS=0.245{[IV]f1 −1.47−[IV]i −1.47 }
水分率測定器(三菱化成製、VA−05型)を使用し、230℃で10分間の条件で、チップ1〜2gに熱処理を行い、チップ中に含まれる水分を揮発させて、水分率を測定する。
耐加水分解性評価として、JIS−60068−2−66で規格化されているHAST(Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test)を行った。機器はエスペック社製EHS−221を用い、105℃、100%RH、0.03MPa下の条件で行った。
フィルムを70mm×190mmにカットし、治具を用いてフィルムを設置した。各フィルムは各々が接触しない距離を保ち設置した。105℃、100%RH、0.03MPaの条件下で200時間および300時間処理を行った。処理前、処理後の破断伸度をJIS−C−2318−1997 5.3.31(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定し、下記式に従い破断伸度保持率を算出した。
破断伸度保持率(%)=[(処理後の破断伸度(MPa))/(処理前の破断伸度(MPa))]×100
フィルムを長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状サンプルを切り出して用いた。JISK−7127に規定された方法に従って、引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行い、その破断伸度の平均値(X)を求めた。また、長さ200mm、幅10mmの短冊状サンプルをギアオーブンに入れ、160℃の雰囲気下で放置した後、自然冷却し、このサンプルについて前記と同条件での引っ張り試験を20回行い、その破断伸度の平均値(Y)を求めた。得られた破断伸度の平均値(X)、(Y)から伸度保持率を次式で求めた。
伸度保持率(%)=(Y/X)×100
伸度保持率が50%以下となるまでの熱処理時間を求め、破断伸度保持率半減期とした。
試料を灰化/酸溶解後、高周波プラズマ発光分析または原子吸光分析により求めた。
フィルムを10cm×10cmの正方形に正確に切り出し、その厚みを50点測定して平均厚みt(単位μm)を求める。次にサンプルの質量を0.1mgまで測定し、w(単位g)とする。そして、下式によって見かけ比重を計算した。
見かけ比重(−)=(w/t)×10000
白色度JIS−L1015−1981−B法により、日本電色工業(株)Z−1001DPを用いて行った
製膜後のダイリップ周辺、冷却ロール、各位置の搬送ロール、延伸ロールの汚れ程度を目視により観測した。
○:ヒンダードフェノール不含有ポリエステルと同等。
△:リップ周辺に若干の付着物増加がある、ロールの一部に若干の曇りが認められる。
×:明らかにリップ周辺に付着物増加がある、ロールに曇りが認められるなど、操業性低下させる可能性がある。
テレフタル酸とエチレングリコールの混合物中に酢酸マグネシウム四水塩をポリエステル中にMg原子として120ppmとなるように加え、常圧にて温度255℃で反応させた。その後Sb原子としてポリエステル中に250ppmとなるような量の三酸化アンチモンおよびCo原子としてポリエステル中に30ppmとなるような量の酢酸コバルト四水塩P原子としてポリエステル中に150ppmとなるような量のトリメチルホスフェートを加えさらに温度260℃で反応させた。
結果を表1に示した。
ヒンダードフェノール化合物を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、IV0.76dL/g、酸価5当量/トンの固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップを得た。さらにこのチップを水分率15ppmまで乾燥した後、ヒンダードフェノール化合物と共に二軸押出機に投入してベントで減圧しながら溶融混練してヒンダードフェノール化合物50000ppmを含有するマスターバッチを得た。
重縮合時にヒンダードフェノール化合物を添加せず重縮合反応を行い、さらには固相重合時間を長くする以外は実施例1〜3と同じにして重縮合反応を行い、固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップを得た。さらに実施例1と同様にPETフィルムを製造したが、フィルム製膜工程各部での樹脂圧が実施例3と同等になるよう温度調整を行った結果、押出機溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂最高温度は300℃、その後のポリマー管では290℃とした。
添加するヒンダードフェノール化合物および添加量を変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示した。
溶融重合でIV0.55dL/gのポリエステルを製造し、さらに固相重合を行ってIV0.68dL/g、酸価6当量/トンの固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップを得た。他は実施例3と同様に行った。
固相重合時間を長くする以外は実施例3と同じにして重縮合反応を行い、固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップを得た。さらに実施例3と同様にポリエステルフィルムを製造したが、フィルム製膜工程各部での樹脂圧が実施例3と同等になるよう温度調整を行った結果、押出機溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂最高温度は305℃、その後のポリマー管では290℃、とした。酸価は若干高くなったものの分子量が維持されているため、耐候性は優れたものであった。結果を表3に示した。
溶融重合でIV0.68dL/gのポリエステルを製造し、さらに固相重合を行ってIV0.76dL/g、酸価23当量/トンの固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップを得た。他は実施例3と同様に行った。
結果を表3に示した。ヒンダードフェノール構造は含有されているが、酸価が高く、耐候性に劣るものであった。
溶融重合でIV0.52dL/gのポリエステルを製造し、さらに固相重合を行ってIV0.64dL/g、酸価5当量/トンの固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップを得た。他は実施例3と同様に行った。
結果を表3に示した。ヒンダードフェノール構造は含有されているが、固有粘度が低く、耐候性は不十分であった。
表4のヒンダードフェノール化合物からマスターバッチを製造し、フィルム製造時のヒンダードフェノール化合物の添加量を変える以外は実施例4と同様に行った。ヒンダードフェノール化合物を変えても同等の効果が認められた。
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールの混合物に、カルシウム元素の残存が200ppmになるように酢酸カルシウムのエチレングリコール溶液を添加して、常法に従ってエステル交換反応を行い、オリゴマー混合物を得た。このオリゴマー混合物にリン元素の残存量が350ppmになるようにトリメチルリン酸を添加し、窒素雰囲気下、常圧にて200℃で10分間攪拌した。その後、重縮合触媒として、三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液/酢酸リチウムのエチレングリコール溶液の混合物をアンチモン元素の残存量が200ppm、リチウム元素の残存量が100ppmとなるように添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて250℃で10分間攪拌した。その後、60分間かけて280℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに280℃、13.3Pa下で重縮合反応を行い、IVが0.58dL/gのポリエステルチップを得た。
実施例19では重縮合触媒の添加と同時にヒンダードフェノール化合物を添加した。実施例1と同様にフィルムを製造した。
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコールとのスラリーを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、150kPa(0.5kg/cm2G)で平均滞留時間3時間反応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、106kpa(0.05kg/cm2G)で所定の反応度まで反応を行った。また、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコールを添加加熱処理した触媒溶液および燐酸のエチレングリコール溶液を別々にこの第2エステル化反応器に連続的に供給した。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、3300Pa(25torr)で1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、400Pa(3torr)で1時間、さらに最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、60〜100Pa(0.5〜0.8torr)で1時間重縮合させた。溶融重縮合反応物をチップ化した。引き続いて得られたチップを回転型真空重合装置を用いて67Pa(0.5torr)の減圧下、220℃で固重縮合を行ない、IV0.76dL/g、酸価5当量/トンのポリエステルのチップを得た。
結果を表5に示した。ゲルマニウム触媒であっても同様の効果があることが認められた。
<ポリエステル(A)の製造>
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールの混合物に、チタン元素の残存が15ppmになるようにトリメリット酸チタネートを添加して、常法に従ってエステル交換反応を行い、オリゴマー混合物を得た。その後、平均粒径1.0μmのシリカ粒子800ppmを添加した後、60分間かけて280℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに280℃、13.3Pa下でポリエステルの固有粘度(IV)が0.55dL/gになるまで重縮合反応を行った。放圧に続き、微加圧下のレジンを冷水にストランド状に吐出して急冷し、その後20秒間冷水中で保持した後、カッティングして長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状の固有粘度(IV)が0.55dL/gのチップを得た。
上記の溶融重合によって得たペレットを回転型真空重合装置を用いて0.5mmHgの減圧下、220℃で固相重合を行い、固有粘度(IV)が、0.75dL/g、酸価が6当量/トンの固相重合ポリエステルのチップを得た。
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを出発原料とし、二酸化ゲルマニウムを触媒として、正リン酸1000ppmを含むIV0.75dL/g、酸価6当量/トンのポリエステルを得た。
比較例8ではヒンダードフェノール含有マスターバッチを使用しない以外は実施例21と同様にしてフィルムを製造した。
結果は表5に示した。実施例21、比較例8より、チタンを触媒に用いた場合であっても効果があることが確認された。
(微粒子含有マスターバッチの作製)
実施例2で用いた固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップを水分率17ppmまで乾燥させたもの50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして脱気しながら275℃で押出し、ルチル型二酸化チタン微粒子含有マスターバッチ(MB−I)を調製した。
原料として、メルトフローレート1.5のポリスチレン(日本ポリスチ社製、G797N)20質量%、メルトフローレート3.0の気相法重合ポリプロピレン(出光石油化学製、F300SP)20質量%、及びメルトフローレート180のポリメチルペンテン(三井化学製:TPX DX−820)60質量%ペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、空洞形成剤を調製した(MB−II)。
微粒子含有マスターバッチを実施例3で得られた固相重合ポリエステルの樹脂組成物から製造し(MB−III)、固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップとして実施例3で得られた物に変更した以外は参考例22と同様に行い、空洞含有白色フィルムを得た。
微粒子含有マスターバッチを実施例4〜7のために製造した固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップ(ヒンダードフェノール化合物不含有)から製造し(MB−IV)、ポリエステルの樹脂組成物とし実施例4〜7のために製造した固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップ(ヒンダードフェノール化合物不含有)に変更した以外は参考例22と同様に行い、空洞含有白色フィルムを得た。
実施例3で得られた固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップ70質量%とMB−IIIを30質量%として参考例22と同様に白色フィルムを得た。
実施例3で得られたポリエステルの樹脂組成物チップ50質量%とMB−IIIを50質量%とを混合した(A)層の原料と、参考例23のフィルムの原料組成を(B)層の原料としてそれぞれ別々の押出機に投入し、280℃で混合、溶融し、続いてフィードブロックを用い、A層の片面にB層を溶融状態で接合した。このとき、A層とB層の吐出量比率は、ギアポンプを用いて制御した。次いでT−ダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、A/B/A層となるように未延伸シートを作成した。
得られた未延伸シートを、加熱ロールを用いて70℃に均一加熱し、90℃で3.3倍ロール延伸を行った。得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、140℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定して220℃で5秒間の熱処理を施し、更に220℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み188μm(19/150/19)の空洞含有白色フィルムを得た。
参考例22〜25の結果は表6に示した。
実施例4〜10のために製造した固相重合ポリエステルの樹脂組成物チップ(ヒンダードフェノール化合物不含有)をA層の材料とし、実施例7で用いたフィルム原料組成をB層の材料としそれぞれ別々の押出機に投入し、280℃で混合、溶融し、続いてフィードブロックを用い、A層の片面にB層を溶融状態で接合した。このとき、A層とB層の吐出量比率は、ギアポンプを用いて制御した。次いでT−ダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、A/B/A層となるように未延伸シートを作成した。
得られた未延伸シートを、加熱ロールを用いて70℃に均一加熱し、90℃で3.3倍ロール延伸を行った。得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、140℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定して220℃で5秒間の熱処理を施し、更に220℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み50μm(5/40/5)のフィルムを得た。
耐候性試験(105℃、300時間)の結果は85%で問題のない物であったが、伸長当初から表面にクラックが入ったためか白化し、外見は優れないものであった。
参考例1とはA層とB層の原料を交換し、参考例1と同様にフィルムを得た。
耐候性試験(105℃、300時間)の結果は55%で耐候性に劣るものであった。これは、フィルムの主であるコア層が耐候性に劣るため、薄い表層のみでは伸度が達成できないためと考えられる。
Claims (8)
- フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中ヒンダードフェノール構造単位を0.03〜1.5当量/トン含み、フィルムを構成するポリエステルの酸価が11当量/トン未満、固有粘度が0.64dL/gを越え0.90dL/g以下であることを特徴とする耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- ポリエステルが酸成分として、テレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸の少なくともいずれかを含みテレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸の合計量が全酸成分に対して90モル%以上であり、かつ、グリコール成分としてエチレングリコールおよびジエチレングリコールを含みエチレングリコールおよびジエチレングリコールの合計量が全クリコール成分に対して90モル%以上であることを特徴とする請求項1記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- ポリエステル樹脂組成物中にはOH基及びカルボキシル基以外にこれら(OH基もしくはカルボキシル基)と反応する置換基を持つ化合物は実質含まれないことを特徴とする請求項1または2に記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- ポリエステル樹脂組成物中にはポリエステルが90質量%を越えて含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物の耐熱酸化分解パラメーター(TOD)が0.25以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- ポリエステルが触媒としてカルシウム化合物、アンチモン化合物、リチウム化合物、およびリン化合物を触媒として重合されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- 太陽電池バックシート用、太陽電池フロントシート用、電気絶縁用のうちいずれか1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐加水分解性ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルムが受光面または受光面とは反対側の少なくともいずれかに積層されていることを特徴とする太陽電池。
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