JPH09309189A - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフィルム

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JPH09309189A
JPH09309189A JP12690796A JP12690796A JPH09309189A JP H09309189 A JPH09309189 A JP H09309189A JP 12690796 A JP12690796 A JP 12690796A JP 12690796 A JP12690796 A JP 12690796A JP H09309189 A JPH09309189 A JP H09309189A
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film
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JP12690796A
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Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Toru Miyake
徹 三宅
Katsuya Okamoto
克哉 岡本
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の2,6−PENフィルムでは、粗大突
起に起因する、走行安定性、耐摩耗性が達成できなかっ
た点を解決する。 【解決手段】ポリエチレン−2,6−ナフタレートを主
成分とする層の少なくとも片面にポリエチレンテレフタ
レートを主成分とする層を積層した二軸配向積層ポリエ
ステルフィルムであって、ポリエチレンテレフタレート
を主成分とする層の表面の中心線平均粗さRaが1nm
以上30nm以下、該表面の突起間隔Smが25μm以
下、該表面の高さ0.5μm以上の突起個数が3個/m
2 以下、該表面の表層の粒子含有量が0.5重量%以
下であることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフ
ィルムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸配向積層ポリ
エステルフィルムに関するものであり、優れた機械的物
性を有しかつ表面欠点の極めて少ない、磁気記録媒体用
ベースフィルムとして好適なポリエステルフィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、二軸配向ポリエステルフィル
ムとして、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(以下
2,6−PENと略記する)からなるフィルムが知られ
ている(例えば、特開昭62-241129 号公報、特開昭63-1
13931 号公報など)。2,6−PENからなる二軸配向
フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(以下PET
と略記する)に比べて機械強度、特に弾性率が高いこと
が知られており、薄膜化が要求される長時間記録用のV
TRテープあるいは大容量のコンピューターテープ用の
ベースフィルムとしてその使用量は増加しつつある。ま
た二軸配向ポリエステルフィルムを磁気テープとして用
いる場合、良好な走行性を確保するために、細かな粒子
を均一に含有させてフィルム表面に微細な突起を形成さ
せ易滑性を付与することが有効であることが知られてい
る。もちろんこうした粒子は、ドロップアウトや出力特
性に悪影響を与えないような分散性の良好な微小粒子が
選択されている。ドロップアウトの原因となる粗大粒子
を除去するために、最近では製膜工程において高精度の
ポリマ濾過が要求されてきている。しかしながら、2,
6−PENはPETに比べて溶融粘度が高いために、ポ
リマ濾過(異物を除去するため)が行いにくいという問
題点がある。ポリマ中に異物が混入しフィルム表面に粗
大突起が発生すると、走行安定性や耐摩耗性が著しく悪
化してしまうためポリマ濾過の高精度化は大きな課題で
ある。この課題を解決するために、2,6−PENを芯
層としてPETを外層とした二軸配向積層ポリエステル
フィルム(特開平4-270656号公報)などが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
PET層と2,6−PEN層を積層した構成の積層ポリ
エステルフィルムでは、異物による粗大突起は減少する
が、製膜性が悪く、また2,6−PENの延伸温度では
PETが軟化するために縦延伸工程においてフィルム表
面にウロコ状の表面欠点が発生しやすいという問題点が
あった。
【0004】本発明はかかる問題点を解決し、優れた平
滑性と走行安定性、耐磨耗性を有し、しかも表面欠点の
発生がきわめて少ない、磁気記録媒体用ベースフィルム
として好適な二軸配向積層ポリエステルフィルムを提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエチレン−2,
6−ナフタレートを主成分とする層の少なくとも片面に
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする層を積層し
た二軸配向積層ポリエステルフィルムであって、ポリエ
チレンテレフタレートを主成分とする層の表面の中心線
平均粗さRaが1nm以上30nm以下、該表面の突起
間隔Smが25μm以下、該表面の高さ0.5μm以上
の突起個数が3個/mm2 以下、該表面の表層の粒子含
有量が0.5重量%以下であることを特徴とするものか
らなる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明積層フィルムの中心層を構
成するポリエステルとしては2,6−PENを用いるこ
とが必要である。こで2,6−PENの優れた機械強度
を発揮させるためには他成分の共重合またはブレンドは
10重量%以内、好ましくは5重量%以内であることが
望ましい。さらには該ポリマの固有粘度は0.60以上
であることが好ましい。また、本発明の目的を阻害しな
い範囲内であれば、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外
線吸収剤、結晶核生成剤等の無機または有機添加剤が添
加されていてもよい。
【0007】本発明において、2,6−PENを主成分
とする層の少なくとも一方にPETを主成分とする層を
設ける必要がある。該ポリマの固有粘度は0.60以上
であることが好ましく、本発明の目的を阻害しない範囲
内であれば、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収
剤、結晶核生成剤等の無機または有機添加剤が添加され
ていてもよい。
【0008】本発明において、PETを主成分とする層
の表面の中心線平均粗さRaは1nm以上30nm以
下、好ましくは2nm以上20nm以下、更に好ましく
は3nm以上15nm以下であることが必要である。ま
た、該表面の突起間隔Smは25μm以下、好ましくは
20μm以下、更に好ましくは15μm以下であること
が必要である。中心線平均粗さRaが1nmより小さか
ったり、突起間隔Smが25μmより大きいと、金属ガ
イドなどの走行手段上を走行するときの摩擦係数が大き
くなりすぎ不安定となり、また中心線平均粗さRaが3
0nmより大きいと耐摩耗性が悪化するため好ましくな
い。
【0009】また、PETを主成分とする層の表面の、
該表面の高さ0.5μm以上の突起個数は3個/mm2
以下、好ましくは1個/mm2 未満であることが必要で
ある。高さ0.5μm 以上の突起個数が3個/mm2
り大きいと、走行安定性や耐摩耗性、特に削れによる粉
発生を悪化させる原因となる。
【0010】さらに、PETを主成分とする層の表層の
粒子含有量が0.5重量%以下、好ましくは0.3重量
%以下、更に好ましくは0.2重量%以下であることが
好ましい。粒子含有量が0.5重量%より大きいと、耐
摩耗性、特にけずれによる粉発生を悪化させる原因とな
る。
【0011】このような特徴を持つポリエステルフィル
ムを得るためには、PETからなる層の表面の突起の8
0%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95
%以上がPETの結晶によって形成されていることが好
ましい。結晶に起因する突起の割合が80%より小さい
と、金属ガイドなど硬いガイド手段上を走行するときに
フィルムに傷がつきやすくなったり、粉が発生しやすく
なるといった問題が生じる。
【0012】ここで、表面突起がポリエステルAの結晶
に起因するものか否かについては、対象となる突起の下
をフィルム厚さ方向に適当な溶媒でエッチングしてい
き、その突起を形成する起因物が不溶物として残存する
場合は、外部から添加された粒子、あるいは、内部析出
した粒子とする(I)。不溶物として残存するものが実
質的になかった場合は、その突起を形成する起因物は微
細結晶であると推定できる(II)。上記の溶媒として
は、例えば、フェノール/四塩化炭素(重量比:6/
4)の混合溶媒などが好ましく用いられる。この方法で
視野を1mm2 とした時のIの頻度、IIの頻度を求
め、II/(I+II)の値を結晶起因の突起の割合と
して用いることが出来る。ただし、表面突起がポリエス
テルAの微細結晶からなるものか否かの判定法について
は、上記の方法に限定されるものではなく、適切な方法
を選択することができる。
【0013】また、積層部に用いられるPETの結晶化
指数ΔTcgが10℃以上60℃以下、好ましくは20
℃以上55℃以下の範囲の場合に、本発明の表面形態が
得やすく、また、耐削れ性も一層良好となるので好まし
い。結晶化指数が60℃以上であると、PETの結晶に
より表面に突起が形成された場合でも、突起間隔Smが
大きくなり、耐摩耗性が悪くなり易くなるため好ましく
ない。
【0014】結晶化指数の小さなPETとしては、結晶
核剤効果により結晶化速度の速いPETが特に好まし
い。結晶核剤効果を高め、結晶化指数ΔTcgが小さい
ポリエステルを得るためには、エステル交換、重合時に
酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、亜リ
ン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸あるいはそれらの誘導
体、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウムを存在させるこ
とが有効である。特に望ましい組み合わせは、酢酸マグ
ネシウムとホスホン酸(またはその誘導体)および酸化
アンチモンであり、ホスホン酸(またはその誘導体)と
しては、フェニルホスホン酸、ジメチルフェニルホスホ
ネートなどがあげられる。積層部に用いられるPETは
実質的に無粒子であることが好ましいが、表層の粒子濃
度が0.5重量%以下となる範囲であれば粒子を含有し
ても良い。
【0015】また、本発明フィルムのPETを主成分と
する層の表面の平均粗さRaと最大高さRtの比、Rt
/Raが10以下、好ましくは9以下、さらに好ましく
は8以下であることが、優れた耐摩耗性、走行安定性を
達成するために好ましい。
【0016】本発明のポリエステルフィルムは、2、6
−PENを主成分とする層(B層)の片面にPETを主
成分とする層(A層)を積層されてなるフィルム、即ち
A/B型の積層フィルムであっても良いし、2、6−P
ENを主成分とする層(B層)の両面にPETを主成分
とする層(A層)を積層されてなるフィルム、即ちA/
B/A型の積層フィルムであっても良い。PETを主成
分とする層の積層厚みは0.01μm以上2μm以下、
好ましくは0.03μm以上1.5μm以下、さらに好
ましくは0.05μm以上1μm以下である時に、目的
とする表面形態を得易くなるので好ましい。また、2、
6PENからなる層の厚みはフィルム全体厚みの80%
以上であることが、優れた機械強度を達成しやすくなる
ため好ましい。
【0017】本発明のフィルムは磁気記録媒体用途、特
に金属薄膜型磁気記録媒体用途に好ましく供される。さ
らに、特に高出力および低いエラーレートが要求され
る、民生用および業務用、放送局用デジタル記録方式V
TR用もしくはコンピューター用磁気記録媒体のベース
フィルムとして好ましく用いられる。
【0018】次に本発明フィルムの好ましい製造方法に
ついて説明するが、これに限定されるものではない。
【0019】本発明で用いる2,6−PENはそれ自体
公知であり、公知の方法(例えば2,6−ナフタレンジ
カルボン酸とエチレングリコールを用いての直接重合
法、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル
とエチレングリコールを用いてのエステル交換法など)
により製造することができる。
【0020】A/B型2層構成もしくはA/B/A型3
層構成の積層フィルムとする場合は、2、6PEN及び
PETを2台の押出機に供給し、2層または3層のマニ
ホールド、または、合流ブロックを用いて積層する。各
層の厚みは、押出機もしくはポリマ流路内に設けられた
ギヤポンプの回転数を調節してポリマ押出量を制御する
ことにより行う。かくして積層されたシートを口金より
押出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィル
ムを作る。この場合、PETのポリマ流路に、スタティ
ックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は本発明の効
果をより一層良好とするために有効である。
【0021】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸する前
に表層のPETを主成分とする層にPETの結晶を形成
させる。PETの結晶を形成させる方法としては未延伸
状態で加熱ロール上で加熱することが有効であるが、結
晶化指数が適当なPENを用いる場合、特別な加熱工程
を設けなくても、通常2、6PENの延伸温度まで加熱
するため加熱ロール上で加熱する課程で表層のPETを
主成分とする層にPETの結晶が形成される。
【0022】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向させる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法また
は同時二軸延伸法を用いることができるが、最初に長手
方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法が、延伸
破れなく本発明フィルムを得るのに有効である。
【0023】長手方向の延伸は、通常ロールを用いて行
われるが、予熱、延伸ロール群の表面材質は非粘着性の
もの(例えばテフロンやシリコンゴム)が好ましい。長
手方向の延伸温度は、120〜150℃、好ましくは1
25〜145℃である。延伸温度がこの範囲を外れると
延伸斑や面粗れが発生しやすく耐引き裂き性が悪化した
り、蒸着時の熱負けが発生しやすくなるので好ましくな
い。延伸倍率は3.5〜6.5倍、好ましくは4〜5.
5倍である。延伸倍率がこの範囲よりも小さいと延伸斑
を生じやすく、十分な機械強度が得られない。一方、こ
の範囲より大きいと幅方向の均一な延伸が難しく、耐引
き裂き性も悪化する傾向にある。また、長手方向の延伸
速度は5000〜20000 %/min が均一延伸する上で好まし
い。
【0024】次いで、幅方向に延伸する方法としてはテ
ンタを用いる方法が一般的であり、延伸温度としては1
00〜160℃、好ましくは110〜150℃である。
延伸温度がこの範囲を外れると均一な延伸が難しくな
る。延伸倍率としては、3〜7倍、好ましくは4〜6倍
である。延伸倍率がこの範囲より小さいと十分な機械強
度が得られず、一方この範囲より大きいとフィルム破れ
が頻繁に発生するために好ましくない。幅方向の延伸速
度は1000〜20000 %/min が均一延伸する上で好まし
い。
【0025】また、一旦二軸延伸されたフィルムを少な
くとも一方向にさらに延伸しても良い。再延伸する場合
には、延伸温度を120〜170℃、延伸倍率を1.1
〜2倍にすることが好ましい。これらの範囲を外れる
と、均一な延伸ができなかったり、フィルム破れが頻繁
に発生したりする。また耐引き裂き性も低下する傾向に
あるため好ましくない。
【0026】次にこの延伸フィルムを熱処理する。熱処
理温度としては、160〜240℃、好ましくは170
〜220℃である。熱処理温度がこの範囲を外れると、
フィルムの平面性が悪化し、蒸着時の冷却ドラムとの密
着性が悪化して、熱負けが発生しやすくなるので好まし
くない。熱処理時間は0.5〜60秒が好ましい。
【0027】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次の通りであ
る。
【0028】(1)中心線平均粗さRa、突起間隔S
m、最大高さRt 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て、JISB0601の方法に従って中心線平均表面粗
さRa、最大高さRt、突起間隔Smを測定した。条件
は下記のとおりであり、20回の測定の平均値をもって
値とした。
【0029】 ・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm
【0030】(2)粒子の含有量 顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)で組
成分析を行い、ポリエステルのカルボニル基に起因する
ピークと、ポリエステル以外の物質に起因するピークの
比から求めた。なお、ピーク高さ比を重量比に換算する
ために、あらかじめ重量比既知のサンプルで検量線を作
成してポリエステルとそれ以外の物質の合計量に対する
ポリエステル比率を求めた。また、必要に応じてX線マ
イクロアナライザーを併用した。また、ポリエステルは
溶解し粒子は溶解させない溶媒が選べる場合は、ポリエ
ステルを溶解し、粒子をポリエステルから遠心分離し、
粒子の重量百分率を求めた。
【0031】(3)フィルムの表層部分の粒子含有量 フィルムを幅1/2 インチにテープ状にスリットしたもの
を用い、ポリエステルAが積層されている側の表面に片
刃を垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込んだ状態
で20cm走行させる(走行張力:500g、走行速
度:6.7cm/秒)。このとき片刃の先に付着したフ
ィルム表面の削れ物の粒子含有量を上記粒子含有量の測
定法に従って求めた。
【0032】(4)高さ0.5μm 以上の突起個数 小坂研究所製3次元粗さ測定器SE−3AKを用いて高
さ方向倍率20000倍、横方向倍率100倍、測定幅
ピッチ5.0μmで測定する。測定の面積は2mm2
し、この測定結果を方眼紙に記録し、この記録紙から高
さ0.50μm以上の突起個数を読みとり、1mm2
たりの個数に換算した。10回の平均値をもって値とし
た。
【0033】(5)結晶化指数ΔTcg パーキングエルマ社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、
300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中で急冷
する。この試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点T
gを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの結
晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccとす
る。ここで、TccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶
化指数ΔTcgとする。試料は、製膜前の原料ペレット
を用いても良いし、製膜後のフィルムの表層部分を剃刀
の刃で削り取った粉を10mg集めたものを用いても良
い。
【0034】(6)積層部の厚さ 透過型電子顕微鏡等の電子顕微鏡で、フィルムの断面を
観察し、そのコントラストの差から界面を認識し積層厚
さを求める方法が一般的であるが、これに限定されるこ
とはなく、積層部分を剥離後、薄膜段差測定機を用いて
積層厚さを求めることもできる。
【0035】(7)粒子の平均粒径 フィルムを厚さ方向に1000〜8000オングストロ
ーム程度の超薄切片とし、透過型電子顕微鏡(日本電子
製JEM−1200EX)を用いて3万〜20万倍程度
の倍率で場所を変えて粒子を観察し、次式により求め
た。数平均径Dを平均粒径とした。
【0036】D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
【0037】(8)固有粘度 o−クロロフェノールを溶媒として、25℃で測定し
た。
【0038】(9)結晶起因の突起の割合 対象となる突起の下をフィルム厚さ方向にフェノール/
四塩化炭素(重量比:6/4)の混合溶媒でエッチング
していき、その突起を形成する起因物が不溶物として残
存する場合は、外部から添加された粒子、あるいは、内
部析出した粒子とする(I)。不溶物として残存するも
のが実質的になかった場合は、その突起を形成する起因
物は微細結晶であると推定できる(II)。この方法で
視野を1mm2 とした時のIの頻度、IIの頻度を求
め、II/(I+II)の値を結晶起因の突起の割合と
した。
【0039】(10)耐摩耗性(フィルム傷つき性、削
れ粉発生)、走行安定性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行試験機を用いてステンレス製ガイドピン
(表面粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行
速度350m/分、巻き付け角60゜、出側張力90
g、走行時間10秒、走行回数1回)。
【0040】耐摩耗性(フィルム傷つき性) このとき、フィルムに入った傷を顕微鏡で観察し、幅
2.5μm以上の傷がテープ幅あたり2本未満は優、2
本以上10本未満は良、10本以上は不良と判定した。
優が望ましいが、良でも実用的には使用可能である。
【0041】耐摩耗性(粉発生) フィルム走行後の金属ガイドを目視で観察し、削れによ
り発生した白い粉が目視で確認できないものを優、わず
かに削れ粉が確認できるものを良、一面に粉が付着して
いるものを不良とした。
【0042】走行安定性 走行時の初期、後期の動摩擦係数μkを下記の式より求
め(走行速度が350m/分に達した1秒後摩擦係数を
初期μk、9秒後の摩擦係数を後期μkとした)、その
差から摩擦係数上昇を求め、摩擦係数上昇が0.03未
満のものを優、0.03以上0.08未満のものを良、
0.08以上のものを不良とした。
【0043】μk=2.20log(90/T) ここで、Tは入側の張力である。
【0044】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいて説明す
る。
【0045】実施例1〜7、および比較例1〜4 粒子を含有しないエチレングリコールスラリーグリコー
ルスラリーを2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル
とエステル交換反応させ、重縮合し、無粒子の2、6P
ENのペレットを作成し、基層部原料とした。固有粘度
は0.62であった。
【0046】また、積層部原料として、表1、表2に記
載の触媒組成、粒子含有量、固有粘度のPET1〜8の
ペレットを作成した。粒子を含有するものは、平均粒径
0.2μmのコロイダルシリカを重合前に添加して用い
た。
【0047】これらのペレットをそれぞれ170℃で6
時間真空乾燥した後、公知の押出機1、押出機2、にそ
れぞれ供給し、290℃で溶融した。これらの溶融ポリ
マを合流部分が矩形の合流ブロックで合流積層し、スリ
ット幅1mmの口金から吐出させ、静電印加キャストに
より表面温度30℃のキャスティングドラムに巻き付け
て冷却固化して、表3に記載の積層構成の未延伸フィル
ムを作った。この未延伸フィルムを表面温度130℃の
130公知のテフロン製ロール(表面の中心線平均粗さ
0.6μm、テフロン厚み50μm)で表3に記載の時
間予熱処理を施した後、ロール温度130℃にて長手方
向に5.4倍延伸し、さらに引き続いてテンタにて雰囲
気温度135℃にて幅方向に5倍延伸し、200℃にて
5秒間熱固定を行い、総厚み6μm で、それぞれの層の
ポリマ組成、粒子種、平均粒径、添加量、積層厚みなど
を変更した二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
表4に示す通り、本発明の要件を満足するものは優れた
特性を有するフィルムが得られたが、そうでない場合は
これらの特性を兼備したものは得られなかった。
【0048】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0049】
【発明の効果】耐摩耗性、走行安定性に優れた積層ポリ
エステルフィルムを得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレン−2,6−ナフタレートを主
    成分とする層の少なくとも片面にポリエチレンテレフタ
    レートを主成分とする層を積層した二軸配向積層ポリエ
    ステルフィルムであって、ポリエチレンテレフタレート
    を主成分とする層の表面の中心線平均粗さRaが1nm
    以上30nm以下、該表面の突起間隔Smが25μm以
    下、該表面の高さ0.5μm以上の突起個数が3個/m
    2以下、該表面の表層の粒子含有量が0.5重量%以
    下であることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフ
    ィルム。
  2. 【請求項2】積層部に用いられているポリエチレンテレ
    フタレートの結晶化指数ΔTcgが10℃以上60℃以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向積
    層ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】上記ポリエチレンテレフタレートを主成分
    とする層の表面の最大高さRtと中心線平均粗さRaの
    比、Rt/Raが10以下であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の二軸配向積層ポリエステルフィル
    ム。
  4. 【請求項4】上記ポリエチレンテレフタレートを主成分
    とする層の表面の突起の80%以上がポリエチレンテレ
    フタレートの結晶によって形成されていることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の二軸配向積層
    ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】上記ポリエチレンテレフタレートを主成分
    とする層の積層厚みが0.01μm以上2μm以下であ
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】磁気記録媒体用に用いられることを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれかに記載の二軸配向積層
    ポリエステルフィルム。
JP12690796A 1996-05-22 1996-05-22 二軸配向積層ポリエステルフィルム Pending JPH09309189A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014034207A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Fuji Mach Mfg Co Ltd スクリーン印刷機の印刷ずれ量計測方法

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