JPH07100742B2 - 二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフィルム

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JPH07100742B2
JPH07100742B2 JP63309438A JP30943888A JPH07100742B2 JP H07100742 B2 JPH07100742 B2 JP H07100742B2 JP 63309438 A JP63309438 A JP 63309438A JP 30943888 A JP30943888 A JP 30943888A JP H07100742 B2 JPH07100742 B2 JP H07100742B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は二軸延伸ポリエステルフィルムに、特にフィル
ム表面が極めて平坦で耐擦傷性及び滑り性の良好な二軸
延伸ポリエステルフィルムに関するものである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
ポリエステルフィルム、特に二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムは、電気的性質、機械的性質、加工
性及び耐薬品性などが優れているので、磁気テープ用、
コンデンサ用、包装用、写真用及び製版用など多くの分
野で基材フィルムとして使用されている。
これらの用途において、特に磁気テープ用の基体として
ポリエステルフィルムを用いるとき、以下に述べる問題
が生ずる。すなわち記録密度を高めるためには記録波長
を短かくする必要があり、それに伴ない磁性層の厚みを
薄くする必要がある。例えば、従来のr−Fe2O3を主と
した磁性材を用いた場合に比べ、純鉄を主とする磁性材
を用いる場合には約半分程度の塗布厚である。また、基
体表面に磁性金属薄膜層を直接設けた磁気記録媒体の場
合には、磁性層の厚さは更に一桁薄くなり、高々0.5μ
m程度である。従って、基体フィルムの表面の粗さが、
従来以上に磁性層表面の粗さを左右し、高記録密度を目
指した磁気記録体用フィルムの表面は、従来以上の優れ
た特性を有することが必要とされる。即ち、フィルム表
面の粗大突起や、欠陥の存在はこれ迄以上にドロップア
ウトを生じさせ易い。また、短波長、例えば1μmの波
長を記録する際、磁気ヘッドと磁気層との間隔損失を1d
B以下にするためには、磁気ヘッドとテープの間隔を200
Å以下とする必要がある。この点からも高記録密度化が
進行するに従い、磁気ヘッドと磁性層との間隔は、より
小さい方が好ましく、磁性層表面の平坦性が要求され
る。
このようにベースフィルムの表面の粗さは、ビデオ出力
の大きさ、変動、欠陥等の特性に大きく影響を及ぼすの
である。従って、フィルムの表面は可能な限り平坦であ
ることが望ましい。しかしながら、ポリエステルフィル
ムはロールに巻いた状態で蒸着、塗布等の加工に供され
るため、フィルム表面に全く突起を有さない、極めて平
坦なフィルムの場合には、まずフィルム製造工程でフィ
ルムとロールとの接触により、傷が発生する。また、ロ
ール状に巻き上げる際には、フィルム同志が滑らないた
め、シワやツブ状の表面欠陥が発生したりして、外観や
フィルムの表面特性が著るしく劣ったものになる。更
に、巻き返し作業や、後加工時の工程通過性もブロッキ
ングにより著しく劣ったものとなり、ひどい場合には、
後加工ができなくなる。
このような傷、シワ、ツブ状の表面欠陥等は、磁気特
性、特にビデオ特性の低下を招き好ましくない。しかも
表面に突起を有さない全く平坦なフィルムを用いて、例
えば磁性金属薄膜を表面に形成させて磁気テープとなし
た場合には磁気ヘッドとの走行性が悪くなり、記録、再
生に著るしい障害を及ぼす。全く平坦なフィルムでは、
以上のような種々の問題を生じさせるため、フィルム表
面には多少の突起を付与させる必要があるが、記録密度
の高い、特に磁性金属薄膜をフィルム表面に形成させて
なる磁気記録用フィルム等の場合には、磁気特性を満足
すべくフィルム表面を極めて平坦にし、かつ、フィルム
製造工程、或いは後加工工程例えばロール巻き返し工
程、磁性金属薄膜の形成工程等で生ずる擦り傷が付き難
く、しかもフィルムの滑り性が良好でロールに巻き上げ
る際の作業性、後加工時の作業性がフィルム自体の性質
により改良されたものは未だ見出されていない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記実情に鑑みて、フィルム表面が平坦な
二軸延伸ポリエステルフィルムについて鋭意検討を行な
った結果、ある特定の粒子を含有する、ある特定範囲の
表面粗度を有するフィルムが、耐擦傷性、及び作業性、
走行性に優れることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
即ち、本発明の要旨は、下記定義の粒度分布が2.0以
下、下記定義の体積形状係数が0.1〜π/6、モース硬度
8以上、平均粒径0.1μm以下の不活性微粒子を含有し
てなるポリエステルフィルムであって、該フィルムの表
面のRaが0.003〜0.009μmの範囲にあり、かつ最大高さ
Rtが0.10μm以下であることを特徴とする二軸延伸ポリ
エステルフィルムに存する。
粒度分布:粒径の小さい方から積算した場合の重量分率
が75%(d75)と25%(d25)の時の粒径比(d25/d75) 体積形状係数:V/D3(Vは不活性微粒子の体積、Dは不
活性微粒子の直径を表す) 以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、テレフタル酸、2.6−
ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸又
はそのエステルとエチレングリコールとを主たる出発原
料として得られるポリエステルを指すが他の第三成分を
含有してもかまわない。
この場合、ジカルボン酸成分として、例えばイソフタル
酸、フタル酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸、テレフ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸、及びオキシカルボン
酸成分、例えばp−オキシエトキシ安息香酸等の一種又
は二種以上を用いることができる。いずれにしても本発
明のポリエステルは繰り返し構造単位の80%以上がエチ
レンテレフタレート単位を有するポリエステルであるこ
とが好ましい。
また、ポリエステルに任意の添加剤、例えば熱安定剤、
ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止
剤、紫外線吸収剤などを含有させてもよい。
本発明で用いる粒子のモース硬度は8以上であることが
必須の要件で、モース硬度が8未満では耐擦傷性の改良
効果が不充分となる。モース硬度の高い粒子が耐擦傷性
に良好な結果をもたらす作用機構は明確になっていない
が、フィルムが接触する相手の硬度より高い粒子の場合
に効果が顕著であることから、フィルム表面突起を形成
する該粒子が、接触する相手の鋭利な部分を摩耗させる
か、又は、いわゆるハードコートの役割を果しフィルム
の傷付きを防止しているものと考えられる。また本発明
はこの高硬度粒子の平均粒径が0.1μm以下であること
に特徴の一つがある。平均粒径が0.1μmを超えると、
フィルム表面の高突起の存在が多くなり、製品の特性、
特に磁気テープ、中でも磁性金属蒸着高密度磁気記録テ
ープの電磁変換特性が著しく劣るようになる。更に、フ
ィルム表面の高突起の存在はフィルムと接触する相手の
表面を粗面化してしまい、好ましくない。
本発明で用いるモース硬度8以上の粒子としては、例え
ばAl2O3,ZrO2,SiC,ダイヤモンド、Si3N4等があげられる
がモース硬度が8以上の粒子であればこれに限るもので
はない。これらの中でもAl2O3が好ましく用いられる。
本発明において特に好適に用いられるAl2O3粒子は通常
いわゆる熱分解法により得られるものであり、一般に0.
01μmから0.1μm程度の粒径を有するものである。こ
の場合Al2O3の一部例えば30重量%未満がSiやNa,K等の
酸化物で置換されていてもよい。
本発明で用いる粒子の粒度分布(d25/d75)は2.0以下で
あり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下であ
る。粒度分布が2.0を超えると、フィルムの最大高さRt
が0.10μmを超え、磁気テープとしたときにドロップア
ウトが増加したり、出力の低下、変動が大きくなり、好
ましくない。
また、粒子の体積形状係数(f)は0.1〜π/6、好まし
くは0.2〜π/6である。体積形状係数が0.1未満、すなわ
ち、形状が球状から遠ざかるにつれ、フィルムの耐擦傷
性、易滑性の改良効果が不十分となる。
また、これらの粒子は各種の表面処理剤でその表面が変
性されてもよい。通常エチレングリコールやポリエステ
ルとの親和性を改良する目的で用いられるこれらの表面
処理剤は一般に粒子に対して5重量%以下の量が適用さ
れるが、その例としては、シランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤を挙げることができる。
本発明にて使用する粒子は、一般的に用いられる解砕処
理、分級処理、過処理等を施して粗大粒子を除去する
ことが好ましい。解砕処理には例えばロッドミル、ボー
ルミル、振動ロッドミル、振動ボールミル、パンミル、
ローラーミル、インパクトミル、円盤形ミル、攪拌摩砕
ミル、流体エネルギーミル等を利用することができる
し、分級処理には半自由うず式、強制うず式、ハイドロ
サイクロン式、遠心分離法等の一種以上を利用すること
ができる。
本発明における粒子のポリエステル中への添加時期は重
縮合開始前、重縮合中、重縮合後であるが、特に好まし
くは重縮合前、及び重縮合反応初期が良い。本発明にて
粒子をフィルム中に含有するには、粒子高濃度のマスタ
ーバッチにしたポリエステルと粒子未添加のポリエステ
ルをフィルム製膜時に所定量配合してフィルム中の含有
量を所定量とする、又はフィルム中の含有量と同量の粒
子を、ポリエステル製造時に入れて実施される。
更に粒子を添加する他の方法として、未添加ポリエステ
ルに混練押出機を使用して粒体粒子を高濃度にポリエス
テル中に添加する方法があるが、好ましくはポリエステ
ル製造時添加の方法が良い。
粒子の含有量は特に制限はないが、通常ポリエステルに
対し0.05〜5wt%好ましくは0.1〜2wt%の範囲である。
含有量が0.05wt%未満では耐擦傷性、易滑性の改良効果
が不充分となり好ましくなく、逆に含有量が5wt%を越
えると、凝集による粗大突起が生じ、製品価値、例えば
磁気テープとしたときの電磁変換特性の低下やドロップ
アウトの増加を招き好ましくないものとなる。
本発明のフィルムは更に、フィルムの表面粗さRaが0.00
3〜0.009μmの範囲であり、かつ最大高さRtが0.10μm
以下であることが必要である。Raが0.003μm未満で
は、滑性、耐擦傷性が不充分であり、Raが0.009μmを
越えると磁気テープとしたときの電磁変換特性、中でも
出力、S/N比が劣るようになる。また、Rtは0.10μm以
下にすることが肝要で、好ましくは0.06μm以下が良
い、Rtが0.10μmを越えると磁気テープとしたときのド
ロップアウトが増加したり、出力変動が大きくなったり
して好ましくないものとなる。
尚、本発明において、フィルムの厚さ方向の屈折率が1.
492以上であると滑性、耐擦傷性、耐摩耗性は更に向上
する。
かかる物性を有するフィルムを得るには例えば、縦−横
逐次二軸延伸の場合、縦延伸温度を通常の延伸温度より
も5〜30℃高い105〜115℃程度とすることによって得る
ことができるが、あるいは、また二軸延伸後熱処理前に
大幅な横弛緩を行なうことによっても得ることができ
る。
また、フィルム中のオリゴマー量を1.5%以下、好まし
くは1.0%以下にすることにより、磁気テープとした場
合の電磁変換特性を更に向上させることができる。フィ
ルム中のオリゴマーは保存中にフィルム表面にブリード
アウトし結晶化するが、特にフィルム表面が平坦な場
合、結晶が大きく生長しフィルム表面欠陥(即ち粗大異
物)となる。これを防止するにはフィルム中のオリゴマ
ー量を極力低いものを用いる必要がある。その方法とし
ては、例えば、いわゆる固相重合法によって達成するこ
とができる。即ち溶融重合法によって得られたポリエス
テルチップを常圧もしくは減圧下で該ポリエステルチッ
プの融点以下の温度で加熱することによりオリゴマー含
有量が低いポリエステルチップを製造し、これをフィル
ム化することによりオリゴマー量の低いポリエステルフ
ィルムを得ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によっ
て限定されるものではない。なお実施例における種々の
物性および特性の測定方法、定義は以下の通りである。
また実施例中「部」または「%」はそれぞれ「重量
部」、「重量%」を意味する。
(1) 滑り性 第1図の装置を用いて測定した。即ち固定した硬質クロ
ムメッキ金属ロール(直径6mm)にフィルムを巻き付け
角135゜(θ)で接触させ、53g(T2)の荷重を一端にか
けて1m/minの速度でこれを走行させ、他端の抵抗力
(T1,g)を測定し、次式により走行中に摩擦係数(μ
d)を求めた。
(2) フィルム表面の傷付き 所定の縦、横延伸、熱処理、ロール巻き取り工程を経た
フィルム表面にアルミニウム蒸着を施こし、顕微鏡観察
(50倍)にて傷付き程度を以下のようにランク分けし
た。
ランク1:傷の量が極めて多い。
ランク2:傷の量が多い。
ランク3:傷の量がランク2と4の間程度。
ランク4:傷の量が少ない。
ランク5:傷が付かない。
透過型電子顕微鏡によって得た倍率20万倍の粒子観察写
真10視野をライカ社製クォンティメット500型の画像解
析を用い、測定を行った。平均粒径(d50)は、ここの
粒子を透過球換算し、粒径の小さい方から換算し、重量
分率が50%の時の粒径をもって表した。また、粒度分布
は重量分率が25%、75%の時の粒径(それぞれd25、d7
5)の比(d25/d75)で表した。体積形状係数fは個々の
粒子の最大径を計測し、この平均値をDとし、下記式に
て算出した。
f=V/D3(ただしV=d50(π/6)) (4) 磁気テープの製造及び特性評価 真空蒸着法によってコバルト強磁性薄膜(厚さ約0.1μ
m)を形成させ、1/2インチ幅にスリットしてビデオテ
ープとした。このビデオテープを市販のカートリッジ型
ビデオテープレコーダーを用いて、下記の磁気テープ特
性を評価した。
・VTRヘッド出力 シンクロスコープにより測定周波数が4メガヘルツにお
けるVTRヘッド出力を測定し、ブランクを0デシベルと
しその相対値をデシベルで表示した。
・磁気テープの走行性及び出力変動 VTRヘッド出力の変動幅及び走行張力の大小から磁気テ
ープの走行性を以下のようにランク分けした。
ランクA: VTRヘッド出力変動はほとんどなく、走行張力も低く、
安定した走行性を示す。
ランクB: ヘッド出力変動が見られるが、テープの走行は安定して
いる。
ランクC: ヘッド出力変動幅は大きく、走行張力の変動も見られ、
極めて不安定な走行状態を示す。
(5) 表面粗さ(Ra) 中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとする。
(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い
て次のように求めた。即ち、フィルム断面曲線からその
中心線の芳香に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取
り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向を
y軸として粗さ曲線y=f(x)で表わしたとき、次の
式で与えられた値を〔μm〕で表わす。中心線平均粗さ
は、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これ
らの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さ
の平均値で表わした。尚、触針の先端半径は2μm、荷
重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
(6) 最大高さ(Rt) (株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)によって
得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)だけ抜き取
った部分(以下、抜き取り部分という。)の平均線に平
行な2直線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直線の間
隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定してその値をマイク
ロメートル(μm)単位で表わしたものを抜き取り部分
の最大高さとした。最大高さは、試料フィルム表面から
10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜
き取り部分の最大高さの平均値で表した。尚、この時使
用した触針の半径は、2.0μm荷重30mgでカットオフ値
は、0.08mmである。
実施例1 (ポリエステルフィルムの製造) ジメチルテレフタレート100部と、エチレングリコール6
0部及び酢酸マグネシウム、四水塩0.09部を反応器にと
り、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル
交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に
昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次い
で、予め解砕、分級、濾過した、粒度分布1.30、体積形
状係数0.25、平均粒径0.02μmのAl2O3粒子を1.0部添加
し、更にエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化
アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行ない
極限粘度0.63のポリエステル(A)を得た。また、別途
粒子を添加せず、同様にしてエステル交換反応、重縮合
反応を行ない、極限粘度0.61のポリエステル(B)を得
た。
次いでポリエステル(A)60部と、ポリエステル(B)
40部とを均一にブレンドし、180℃の温度にて乾燥後、2
90℃の温度で押出機よりシート状に押出し、静電密着冷
却法にて、厚さ200μmの無定形フィルムを得た。
次いで得られた無定形フィルムを、縦方向に105℃で3.5
倍、横方向に110℃で3.8倍延伸し、220℃で3秒間熱処
理を行ない厚さ14.5μmの二軸延伸ポリエステルフィル
ムを得た。
(磁気テープの製造) 得られた二軸延伸ポリエステルフィルムに真空蒸着法に
よって磁性薄膜を形成させ磁気テープとし、特性を評価
した。その結果を表−1に示す。
実施例2〜3 実施例−1においてポリエステル(A)に添加する粒子
種、粒径、粒度分布、体積形状係数を表−1に示すよう
に変え、ポリエステル(B)と表−1に示す含有量にな
るようにブレンドした以外は実施例−1と同様にしてポ
リエステル及び磁気テープを製造した。
これらの結果を表−1に示す。
比較例1〜5 ポリエステル(A)に添加する粒子種、粒径、粒度分
布、体積形状係数を表−1に示すように変え、ポリエス
テル(B)と表−1に示す含有量になるようにブレンド
し実施例−1と同様にしてポリエステルフィルムを得
た。得られたポリエステルフィルムの特性及び磁気テー
プ化後の特性を表−1に示す。
本発明の要件を満たす実施例1〜3のフィルムはいずれ
も作業性、耐擦傷性に優れ、フィルム面の傷付きは殆ん
ど認められず良好であった。また、磁気テープ化後のビ
デオ出力は大きく、出力変動も殆んど認められず、テー
プの走行も安定しており極めて良好なものであった。
これに対し比較例1は粒子のモース硬度、粒径及びフィ
ルム表面のRa,Rtが本発明の要件を満たさない場合の例
であるが、フィルム製造工程で発生したと思われる傷が
フィルム面に認められ、フィルム表面の粗度、即ちRa,R
tも大きいことから、磁気テープとしてのビデオ出力が
低く、出力変動も認められ好ましくないものであった。
比較例2は粒子のモース硬度が本発明の下限をかなり下
まわった場合の例である。この場合、フィルム表面に多
数の傷が見られ磁気テープ化後のビデオヘッド出力の変
動が極めて大きくなり磁気テープとしての特性が著しく
劣るものであった。
比較例3はモース硬度は本発明の要件を満たすが、平均
粒径の点で本発明の範囲を越えた場合の例であるが、こ
の場合フィルム表面粗度のRtが本発明の範囲を越え、そ
の結果、磁気テープのビデオヘッド出力の低下や出力変
動が大きくなり、更に、テープの走行張力の変動が大き
く、極めて不安定な走行状態となった。
比較例4は、体積形状係数が本発明の範囲の下限を下ま
わった場合の例である。この場合、耐擦傷性、滑り性が
劣り、磁気テープ化後の出力が低下し、好ましくないも
のであった。
比較例5は、粒度分布が本発明の上限を超えた場合の例
であるが、大粒子の存在が多くなり、フィルムとしたと
きの最大高さRtが大きくなり、磁気テープ化後の出力低
下、変動が大となり、磁気テープ特性が劣るものであっ
た。
〔発明の効果〕
本発明のフィルムは、特定の不活性微粒子を含有せし
め、更にフィルムの表面粗度を特定範囲とすることによ
り、易滑性、耐擦傷性に優れたフィルムを提供するもの
であり、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図はフィルムの走行性を評価する装置の走行系の概
略図である。図中(I)は6mmφ、SUS−420−J2固定ピ
ン、(II)は入口テンションメーター、(III)は出口
テンションメーターを示し、巻き付け角(θ)は135゜
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記定義の粒度分布が2.0以下、下記定義
    の体積形状係数が0.1〜π/6、モース硬度8以上、平均
    粒径0.1μm以下の不活性微粒子を含有してなるポリエ
    ステルフィルムであって、該フィルムの表面のRaが0.00
    3〜0.009μmの範囲にあり、かつ最大高さRtが0.10μm
    以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィ
    ルム。 粒度分布:粒径の小さい方から積算した場合の重量分率
    が75%(d75)と25%(d25)の時の粒径比(d25/d75) 体積形状係数:V/D3(Vは不活性微粒子の体積、Dは不
    活性微粒子の直径を表す)
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