JPH09235446A - ポリオキシメチレン組成物及びその成形品 - Google Patents

ポリオキシメチレン組成物及びその成形品

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JPH09235446A
JPH09235446A JP4141396A JP4141396A JPH09235446A JP H09235446 A JPH09235446 A JP H09235446A JP 4141396 A JP4141396 A JP 4141396A JP 4141396 A JP4141396 A JP 4141396A JP H09235446 A JPH09235446 A JP H09235446A
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polyoxymethylene
silane compound
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saturated
molded product
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JP4141396A
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Kuniyuki Sugiyama
訓之 杉山
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Polyplastics Co Ltd
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Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組成物から発生するギ酸による機能障害(例
えば、ゴム滲み出し物からの汚染や金属磁性体の腐蝕)
が改善されたポリオキシメチレン組成物を提供する。 【解決手段】 ポリオキシメチレンを基準として、0.01
〜5.0 重量%の酸化防止剤と、特定のシラン化合物 0.0
01〜2重量%を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組成物から発生す
るギ酸による機能障害(例えば、ゴム滲み出し物からの
汚染や金属磁性体の腐蝕)が改善されたポリオキシメチ
レン組成物及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリオキシメチレンは、機械的性質、電気的性質
などの物理的特性、或いは耐薬品性、耐熱性などの化学
的特性に優れたエンジニアリング樹脂として近年きわめ
て広汎な分野において利用されている。しかし、ポリオ
キシメチレンが利用される分野の拡大に伴い、その材料
としての性質にもさらに一層の改良が要求されてきてい
る。このような要求の例として、電気・電子機器、例え
ばオーディオ、ビデオ等に使用される機構部品における
機能障害の改善がある。即ち、環境からの汚染を防ぐた
めに無塵室等、高度に清浄化された環境下で製造、組み
立てられたオーディオ、ビデオ機構部品も、高温高湿雰
囲気に曝されると埃など環境からの汚染がないにもかか
わらず実用上の動作に支障をきたすことが多い。これは
オーディオ、ビデオ機構部品に使用されているゴムロー
ラー中の添加剤がゴム表面にブリードし、磁気テープを
媒介として磁気ヘッドを汚染するためである。この問題
に対し、一時的な対策として、高温高湿雰囲気に曝され
たオーディオ、ビデオ機構部品中のゴム表面の洗浄が行
われており、ある程度の効果が得られている。しかし、
この対策は恒久的なものでないばかりでなく、莫大な労
働力を必要としている。又、同じくポリオキシメチレン
成形品を、光磁気ディスク、金属蒸着テープ等の金属磁
性体と比較的密閉された状態で使用すると、それら磁性
体が腐食することもあり、根本的な問題の解決が望まれ
ていた。
【0003】
〔ここで、R1は水素、炭素数1〜6の飽和或いは不飽和のアルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であり、アルキル基及びフェニル基の一部が置換されていてもよい。R2は水素、炭素数1〜32の飽和或いは不飽和のアルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であり、その一部が置換されていてもよい。m 及びnはそれぞれ m=1〜4、n =0〜3の整数で、m +n =4である。〕
【0004】
【発明の実施の形態】以下本発明についての詳細な説明
を行う。本発明に用いるポリオキシメチレンとは、オキ
シメチレン基(-CH2O-) を主たる構成単位とする高分子
化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、オキシメ
チレン基以外に他の構成単位を少量含有するコポリマ
ー、ターポリマー、ブロックコポリマーの何れにてもよ
く、又、分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有する
ものであってもよい。又、その重合度等に関しても特に
制限はない。
【0005】本発明において使用されるシラン化合物
は、一般式(I)で表されるものであればいずれも使用
可能であるが、中でもトリアルコキシシラン及びテトラ
アルコキシシランが好適である。
【0006】(R1)mO-Si-(R2)n 式(I) 〔ここで、R1は水素、炭素数1〜6の飽和或いは不飽和
のアルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であ
り、アルキル基及びフェニル基の一部が置換されていて
もよい。R2は水素、炭素数1〜32の飽和或いは不飽和の
アルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であり、
その一部が置換されていてもよい。m 及びnはそれぞれ
m=1〜4、n =0〜3の整数で、m +n =4であ
る。〕 好ましい物質を例示すると、トリアルコキシシランとし
て、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラ
ン、メチルトリフェノキシシラン、オクチルトリエトキ
シシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデ
シルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラ
ン、ヘキシルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキ
シシラン等の飽和アルキルトリアルコキシシランや、ア
リルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、トリス
(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、3−トリフル
オロアセトキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリブトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラ
ン等の不飽和及び置換炭化水素化トリアルコキシシラン
が挙げられる。又、テトラアルコキシシランとして、テ
トラアリルオキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラキ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラフェノキシ
シラン等の単一テトラアルコキシシランや、テトラメト
キシシラン、メトキシトリエトキシシラン、ジメトキシ
ジエトキシシラン、トリメトキシエトキシシラン、ヘキ
シルオキシトリメトキシシラン等の混合テトラアルコキ
シシラン等が挙げられるが、何らこれらに限定されるも
のではない。これらの中でも、オクタデシルトリエトキ
シシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、トリス(2−メトキ
シエトキシ)ビニルシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)
シランは特に好ましい物質である。これらのシラン化合
物の一般的に好ましい配合量は、ポリオキシメチレンを
基準として 0.001〜2重量%であり、より好ましくは0.
05〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5 重量%であ
る。0.001 重量%より少ない量では所望の効果を殆ど得
ることが出来ず、又、2重量%より多い量では、ギ酸発
生量抑制の効果が飽和に達し、むしろ組成物の成形品か
らしみ出し、成形品の外観を損なう傾向が生じ好ましく
ない。
【0007】次に、本発明において使用される酸化防止
剤としては、2,2'−メチレンビス(4メチル−6−t−
ブチルフェノール)、1,6 −ヘキサンジオール−ビス
〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトールテトラキ
ス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フ
ェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−
ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5 −トリメチ
ル−2,4,6 −トリス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−ベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−3−
(4'−ヒドロキシ−3',5' −ジ−t−ブチルフェノー
ル)プロピオネート、4,4'−メチレンビス(2,6 −ジ−
t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−
(6−t−ブチル−3−メチル−フェノール)、ジ−ス
テアリル−3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メ
チルフェニルアクリレート、N,N'−ヘキサメチレンビス
(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシン
ナマミド)がヒンダードフェノール系酸化防止剤として
挙げられ、又、トリフェニルホスファイト、トリスノニ
ルフェニルホスファイト、トリス(2,4 −ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−
4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4 −ジ
−t−アミルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t
−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−フ
ェニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−(1,1 −
ジメチルプロピル)−フェニル)ホスファイト、トリス
(2,4−(1,1 −ジメチルプロピル)−フェニル)ホス
ファイト、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホス
ファイト、トリス(2−t−ブチル−4−フェニルフェ
ニル)ホスファイト等がリン系酸化防止剤として挙げら
れる。その他、ヒンダードアミン系等何れの酸化防止剤
も使用することができ、これらの少なくとも一種又は二
種以上を使用することができる。これらの中でも1,6 −
ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタ
エリスリトールテトラキス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリ
エチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5 −ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)は特に好ま
しい物質である。本発明において添加配合される酸化防
止剤の量は、ポリオキシメチレンを基準として、0.01〜
5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、特に0.10〜1重
量%が好適である。この配合量が0.01重量%未満では、
ポリオキシメチレン組成物の熱安定性を改善するのに十
分ではなく、5重量%を越えると熱安定性の効果が飽和
に達し、むしろ変色傾向が生じ好ましくない。本発明の
組成物に配合されるシラン化合物と酸化防止剤は、ポリ
マーの重合段階におけるモノマーに添加されても良い
し、ポリマーの安定化工程で添加されても良い。
【0008】又、ギ酸発生量の測定法について説明する
と、上記組成物を成形し、かかる成形品を場合により切
断し、その表面積を測定した後、その成形品の適当量
(表面積30〜60cm2 程度)を1mlの純水に直接浸らない
ようにして密閉容器(容量100ml)に入れ、60℃に168 時
間放置する。この密閉容器の中の水を 100mlに希釈し、
この溶液のギ酸濃度(μg)をイオンクロマトグラフ(横
河ヒューレット・パッカード社製IC500 、有機酸用カ
ラム、 0.1mM過塩素酸水溶液をキャリアとして)で測定
し、成形品表面積あたりのギ酸発生量(μg/cm2)を求
めた。本発明において好ましいポリオキシメチレン成形
品は、ギ酸発生量が成形品表面積1cm2 あたり1.0 マイ
クログラム以下、特に好ましくはギ酸発生量が成形品表
面積1cm2 あたり1.0 マイクログラム以下であり、且つ
樹脂分1グラムあたり5.0 マイクログラム以下のもので
ある。本発明におけるギ酸発生量の数値規定は、通常の
安定剤、離型剤等公知の添加剤を含有するポリオキシメ
チレン組成物を用いた成形品については勿論、無機充填
剤あるいは他のポリマーを含有する組成物の成形品にお
いても、その成形品表面の大部分がポリオキシメチレン
である限り適用可能である。
【0009】又、本発明に用いるポリオキシメチレン組
成物には、熱安定性を向上させる目的で種々の窒素含有
化合物及び/又は金属含有化合物を配合し得る。本発明
に用いるポリオキシメチレン組成物には、更に公知の各
種添加剤を配合し得る。例えば、各種の着色剤、離型
剤、核剤、帯電防止剤、その他の界面活性剤、各種ポリ
マー等である。また、本発明の目的とする成形品の性能
を大幅に低下させない範囲内であるならば、公知の無
機、有機、金属等の繊維状、板状、粉粒状等の充填剤を
1種または2種以上複合させて配合することも可能であ
る。このような無機充填剤の例としては、ガラス繊維、
チタン酸カリウム繊維、ガラスビーズ、タルク、マイ
カ、白マイカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム等が
挙げられるが、何等これらに限定されるものではない。
又、本発明のポリオキシメチレン成形品の調製は、従来
の樹脂成形品調製法として一般に用いられる公知の方法
により容易に調製される。例えば、各成分を混合後、一
軸または、二軸の押出機により、練り込み押出してペレ
ット調製し、そのペレットを所定量混合(希釈)して成
形に供し、成形後に目的組成の成形品を得る方法等、何
れも使用できる。又、かかる成形品に用いられる組成物
の調製において、基体であるポリオキシメチレンの一部
または全部を粉砕し、これをその他の成分を混合した
後、押出等を行うことは、添加物の分散性を良くする上
で好ましい方法である。
【0010】本発明の樹脂組成物は、ギ酸が弊害を引き
起こすと考えられる用途には何れも使用可能であるが、
電気・電子機器、特にオーディオ機器、ビデオ機器等の
構成部品の少なくとも一部がゴム材料あるいは金属磁性
体材料であり、それと共にポリオキシメチレン成形品が
使用される分野(用途)に好適に使用される。具体的な
成形品を以下に例示する。少なくとも一部がポリオキシ
メチレン成形品及びゴム部品から構成された、あるいは
金属接点が多数存在する電気・電子機器としては、カセ
ットテープレコーダー等のオーディオ機器、VTR、8
mmビデオ、ビデオカメラ等のビデオ機器、又はコピー
機、ファクシミリ、プリンター、ワードプロセッサー等
のOA機器であり、更にはモーター、発条等の駆動力で
動く玩具、電話機、コンピュータ等に付随するキーボー
ド等にも適用することができる。具体的な部品として
は、シャーシ(基盤)、ギヤー、レバー、カムプーリ
ー、軸受け等が挙げられる。又、少なくとも一部がポリ
オキシメチレン成形品から構成された光および磁気メデ
ィアソフトとしては、例えば、金属薄膜型磁気テープカ
セット、磁気ディスクカートリッジ、光磁気ディスクカ
ートリッジ、光ディスクカートリッジ等であり、更に詳
しくは、音楽用メタルテープカセット、デジタルオーデ
ィオテープカセット、8mmビデオテープカセット、フロ
ッピーディスクカートリッジ、ミニディスクカートリッ
ジであり、具体的な部品としては、テープカセットの本
体、リール、ハブ、ガイド、ローラー、ストッパー、リ
ッド等、ディスクカートリッジの本体(ケース)、シャ
ッター、ハブ、クランピングプレート等が挙げられる。
その他、本発明のポリオキシメチレン成形品は、ウイン
ドレギュレーターのキャリアプレートに代表される金属
と接触する部品や、燃料系統、電気系統部品等の自動車
部品、注射針のホルダー等の医用関係部品、浄水器、ス
プレーノズル、スプレー容器等の生活用品等に好適に使
用される。
【0011】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、
以下の例に示した評価の方法は次の通りである。 1)成形品からのギ酸発生量 ギ酸発生量は、総表面積約10cm2 の切断されたポリオキ
シメチレン成形品10gを1mlの純水に直接浸らないよう
にして密閉容器(容量100ml)に入れ、60℃/90%RHに16
8 時間放置後、この密閉容器中の水を 100mlに希釈し、
この溶液のギ酸濃度をイオンクロマトグラフ(横河ヒュ
ーレット・パッカード(株)製IC500、有機酸用カラ
ム、0.1mM 過塩素酸水溶液をキャリアとして)で測定す
ることにより求めた。ギ酸発生量は、このイオンクロマ
トグラフによって得られた値を単位表面積に換算して表
した。 2)ゴムのブルーミング ポリオキシメチレン成形品が装着された基盤にゴム部品
を組み込んだ音声画像再生機構部をポリエチレン袋で包
装したものを用い、高温高湿中で下記要領でゴムのブル
ーミング試験を行った場合のゴム部品表面の滲み出し量
(ゴム表面の顕微鏡観察により10段階にランク付け)と
成形基盤のギ酸発生量との関係を表に示す。ゴム部品と
しては、クロロプレンゴムを円筒状に成形したローラー
を使用し、それをポリオキシメチレンで成形された音声
画像再生機構部用基盤に組み込み、ポリエチレン袋で包
装した状態で60℃/90%RH雰囲気中に1週間放置後、ゴ
ム表面に滲み出したものを顕微鏡観察し、その度合いを
目視で10段階(無しを1、非常に多いを10)にランク付
けした。尚、この試験は3回行ない、表にはその平均値
を示した。 3)滲み出し性 試料ポリオキシメチレン組成物から、射出成形機を用
い、50×70×3(mm)の平板を成形し、80℃、90%RHに
24時間、更に140 ℃で24時間処理した後、その成形品の
外観を目視で評価した。成形品表面の滲み出し度を以下
のように5段階でランク付けした。 実施例1〜6 ポリオキシメチレン共重合体(ポリプラスチックス
(株)製、商品名「ジュラコン」)に、表1に示すヒン
ダードフェノール系酸化防止剤とシラン化合物を表1に
示す割合で混合した後、二軸押出機により溶融混練し、
ペレット状の組成物を調製し、上記評価を行った。結果
を表1に示す。
【0012】比較例1〜5 また、比較のため、表1に示すように、シラン化合物を
使用しない場合、本発明のシラン化合物以外のシラン化
合物を使用した場合、シラン化合物の代わりにチタネー
ト化合物を使用した場合について、実施例1と同様にし
てペレット状の組成物を調製し、上記評価を行った。結
果を表1に示す。
【0013】又、使用した酸化防止剤、シラン化合物あ
るいはチタネート化合物は以下の通りである。 1.酸化防止剤 a)ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5 −ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕 b)トリエチレングリコールビス−〔3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕 2.シラン化合物あるいはチタネート化合物 c)テトラエトキシシラン d)オクタデシルトリメトキシシラン e)γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン f)オクタデシルトリクロロシラン g)イソプロピル・トリイソステアリルチタネート
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】以上の説明及び実施例にて明らかな如
く、本発明の樹脂組成物からなる成形品は、ギ酸発生量
が成形品表面積1cm2 あたり1.0 マイクログラム以下に
抑制されているため、例えばゴムのブルーミング問題を
根本的に解決することができ、上述の如き各種用途に好
適に用いられる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシメチレンを基準として、0.01
    〜5.0 重量%の酸化防止剤と、一般式(I)で表される
    シラン化合物 0.001〜2重量%を配合してなるポリオキ
    シメチレン組成物。 (R1)mO-Si-(R2)n (I) 〔ここで、R1は水素、炭素数1〜6の飽和或いは不飽和
    のアルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であ
    り、アルキル基及びフェニル基の一部が置換されていて
    もよい。R2は水素、炭素数1〜32の飽和或いは不飽和の
    アルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であり、
    その一部が置換されていてもよい。m 及びnはそれぞれ
    m=1〜4、n =0〜3の整数で、m +n =4であ
    る。〕
  2. 【請求項2】 シラン化合物が、一般式(I)中のm が
    3及び/又は4のシラン化合物であることを特徴とする
    請求項1記載のポリオキシメチレン組成物。
  3. 【請求項3】 シラン化合物が、一般式(I)中のR1
    水素、炭素数1〜4の飽和アルキル基の中から選ばれた
    一種以上であるシラン化合物であることを特徴とする請
    求項1又は2記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 シラン化合物の配合量がポリオキシメチ
    レンを基準として0.01〜0.5 重量%である請求項1〜3
    の何れか1項記載のポリオキシメチレン組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載の組成物
    を成形してなり、当該ポリオキシメチレン組成物の成形
    体から発生されるギ酸量が成形品表面積1cm2 あたり1.
    0 マイクログラム以下であることを特徴とするポリオキ
    シメチレン成形品。
  6. 【請求項6】 成形品が、電気・電子機器部品である請
    求項5記載のポリオキシメチレン成形品。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のポリオキシメチレン成形
    品及びゴム部品を構成の一部とする電気・電子機器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8816015B2 (en) 2012-06-05 2014-08-26 Ticona, Llc Low emission polyoxymethylene
WO2020255543A1 (ja) * 2019-06-21 2020-12-24 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体およびその製造方法

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