JPH08134295A - アイオノマー組成物及びその用途 - Google Patents

アイオノマー組成物及びその用途

Info

Publication number
JPH08134295A
JPH08134295A JP28162494A JP28162494A JPH08134295A JP H08134295 A JPH08134295 A JP H08134295A JP 28162494 A JP28162494 A JP 28162494A JP 28162494 A JP28162494 A JP 28162494A JP H08134295 A JPH08134295 A JP H08134295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ionomer
weight
composition
parts
alkali metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP28162494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3474285B2 (ja
Inventor
Hitoshi Tateno
均 舘野
Hisaaki Hara
久朗 原
Takashi Itagaki
隆史 板垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd filed Critical Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
Priority to JP28162494A priority Critical patent/JP3474285B2/ja
Publication of JPH08134295A publication Critical patent/JPH08134295A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3474285B2 publication Critical patent/JP3474285B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非帯電性が優れ、しかも非帯電性の湿度依存
性が小さいアイオノマー組成物の提供及びこの組成物の
帯電防止剤としての利用。 【構成】 アルカリ金属、好ましくはカリウムをイオン
源とするエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオ
ノマー100重量部当たり、グリセロール、、トリメチ
ロールプロパンの如き、分子内に水酸基を3個以上持つ
分子量400以下の化合物が0.1〜30重量部の割合
で配合されてなるアイオノマー組成物、上記アイオノマ
ー組成物からなる重合体用帯電防止剤及びこれをアイオ
ノマー以外の重合体1〜10000重量部に配合した重
合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非帯電性の優れたアイ
オノマー組成物及びその利用に関する。さらに詳しく
は、多水酸基含有化合物、すなわち分子内に水酸基を3
個以上有する化合物を配合した非帯電性アイオノマー組
成物及び該組成物の帯電防止剤としての利用に関する。
【0002】
【従来の技術】カリウム、ルビジウム、セシウムなどの
アルカリ金属をイオン源とし、これらのイオンを相当量
含有するエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオ
ノマーが、非帯電性に優れていることは以前から知られ
ていた。また、このような非帯電性アイオノマーのフィ
ルムに液状のポリオキシエチレングリコールを含浸させ
ることにより、一層非帯電性が高められることも知られ
ていた。しかしながら、これらの組成物の表面抵抗率は
湿度依存性が大きく、本来実用に際して非帯電性能が最
も要求される低湿度雰囲気においての帯電防止効果が不
充分であった。また、上記非帯電性アイオノマーを重合
体に配合して得られる、半永久的な非帯電性を有する重
合体組成物も、同様に低湿度雰囲気において帯電防止効
果が不足するという問題があった。そこで、より湿度依
存の少ない、優れた非帯電性能を有するアイオノマーや
重合体の開発が望まれていた。
【0003】そこで本発明者らは、アルカリ金属アイオ
ノマー、及びアルカリ金属アイオノマーを重合体に配合
して得られる重合体組成物が低湿度雰囲気においても良
好な非帯電性を発揮するための方法につき鋭意検討した
結果、分子内に水酸基を3個以上持つ分子量400以下
の化合物をアルカリ金属アイオノマーに配合することに
より、この目的が達成できることを見いだすに至った。
【0004】従って、本発明の目的は、各種成形用途に
おいて、低湿度雰囲気においても優れた帯電防止性能を
有するアイオノマー組成物、及び重合体組成物を提供す
る事にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、アル
カリ金属をイオン源とするエチレン・不飽和カルボン酸
共重合体のアイオノマー100重量部当たり、分子内に
水酸基を3個以上持つ分子量400以下の化合物が0.
1〜30重量部の割合で配合されてなるアイオノマー組
成物である。
【0006】本発明はまたこのようなアイオノマー組成
物成分の帯電防止剤としての利用に関する。
【0007】本発明において用いられるアイオノマー
は、エチレン・不飽和カルボン酸ランダム共重合体のカ
ルボキシル基の一部もしくは全部がアルカリ金属で中和
された構造のものである。上記エチレン・不飽和カルボ
ン酸ランダム共重合体には、他の不飽和単量体成分、例
えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチルのようなアクリル酸エステルやメタクリ
ル酸エステル、あるいは酢酸ビニルなどのような不飽和
エステルが共重合されていてもよい。
【0008】上記エチレン・不飽和カルボン酸ランダム
共重合体としてはエチレン成分が60〜90重量%、特
に70〜88重量%、不飽和カルボン酸成分が10〜4
0重量%、特に12〜30重量%、その他不飽和単量体
成分が0〜30重量%、特に0〜20重量%の割合で共
重合されているのが好ましい。かかる共重合体は、高温
高圧下で各重合成分をランダム共重合することによって
得る事ができる。また、総和が上記要件を満たす限り、
不飽和カルボン酸成分単位の異なるものを2種以上用い
てもよい。
【0009】本発明におけるアイオノマーのイオン源と
しては、アルカリ金属、すなわちリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、セシウムが用いられるが、
特にカリウムが好適である。また、アイオノマーの中の
不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、フマル酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレ
イン酸モノエチルエステル、無水マレイン酸などを例示
することができる。アイオノマー中のアルカリ金属カチ
オン含有量は、非帯電性の観点から、アイオノマー1k
g当たり0.4〜4モル、好ましくは0.6〜2モルの
範囲にあることが望ましい。
【0010】アイオノマーとしてはまた190℃、21
60g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜
1000g/10分、とくに0.1〜100g/10分
のものを使用するのが好ましい。
【0011】本発明で用いられる分子内に水酸基を3個
以上持つ分子量400以下の化合物であり、炭素、水素
及び酸素のみから構成される化合物であってもよく、炭
素、水素、酸素の外にさらに窒素のようなヘテロ原子を
含有するものであってもよい。これらは分子量が400
以下、好ましくは80〜300であって、室温で液体状
であっても固体状であってもよい。分子量が400を越
えるものを用いても改良効果は小さい。
【0012】このような化合物の具体例としては、グリ
セロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、
1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチル)エタン、
2,2−ジ(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジ
オール、ソルビトール、1,3,5−トリヒドロキシベ
ンゼン、1,3,5−トリヒドロキシ安息香酸、トリス
(ヒドロキシメチル)アミノプロパン、N,N,N´,
N´−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジ
アミン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロ
キシプロピル)エチレンジアミンなどが例示できる。こ
れらの中では、グリセロールまたはトリメチロールプロ
パンの如き脂肪族多価アルコールを用いるのが最も好ま
しい。
【0013】本発明で用いられる多水酸基含有化合物の
配合量は、アイオノマー成分100重量部当たり0.1
〜30重量部、好ましくは1〜20重量部である。多水
酸基含有化合物の配合量が上記範囲より少ない場合は非
帯電性の改良効果が充分でない。又、多水酸基含有化合
物の配合量が上記範囲より多くなると、配合物の調製が
困難となり、又、ブリードによる表面汚染が起こり易く
なるなど好ましくない。
【0014】本発明で見いだされた分子内に水酸基を3
個以上持つ分子量400以下の化合物をアルカリ金属ア
イオノマーに配合することにより、低湿度雰囲気におい
ても優れた非帯電性を発揮する機構については、以下の
ように説明される。すなわち、本来アルカリ金属アイオ
ノマーが高湿度雰囲気において非帯電性を示すのは、吸
湿によって金属塩の一部が解離し、水和した金属カチオ
ンが動き易くなるために電荷の蓄積が起こらなくなるた
めと考えられる。それ故、逆に、低湿度雰囲気では、こ
うした水分子の金属カチオンへの配位が起こりにくくな
り、電荷の蓄積が起こり易くなる。ところが、比較的分
子量が小さく、かつ分子内に多くの水酸基を持つ化合物
を配合すると、この分子が金属塩の解離を促進し、かつ
水酸基が配位した金属カチオンが電荷の蓄積を防ぐに充
分動き易いことから、湿度にあまり影響されずに優れた
非帯電性能を発揮することになると考えられる。
【0015】このようなアイオノマー組成物には、目的
に応じ任意の添加剤、例えば酸化防止剤、耐候性安定
剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、顔料、架橋剤、発泡
剤、粘着付与剤、無機充填剤などを配合することができ
る。
【0016】このようなアイオノマー組成物にはまた任
意に他の重合体を配合することができる。またこのよう
なアイオノマーと多水酸基含有化合物とからなる組合せ
成分は、他の重合体の帯電防止剤としても利用できる。
このように他の重合体と混合使用する態様においては、
例えばアイオノマー100重量部、多水酸基含有化合物
0.1〜30重量部及び他の重合体1〜10000重量
部のような割合で配合することができる。とくに他の重
合体の物性への影響を最小限にしてその帯電防止性の改
善を図りたい場合には、他の重合体100重量部当り、
アイオノマー1〜30重量部、好ましくは5〜25重量
部、多水酸基含有化合物0.1〜9重量部、好ましくは
0.1〜2重量部配合するのがよい。
【0017】前記他の重合体としては、例えばポリオレ
フィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリメチル
メタクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリオレフィ
ンエラストマー、各種ゴムなどの1種又は2種以上の組
合せを例示することができる。より具体的には、ポリオ
レフィン系樹脂としては高圧法ポリエチレン、線状中・
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペン
テン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・不飽
和カルボン酸エステルなどを代表例として例示すること
ができる。
【0018】スチレン系樹脂としては、スチレンの単独
重合体あるいは共重合体であり、その代表例としてAB
S樹脂及びポリスチレンを例示できる。ここに、ABS
樹脂は、ブレンド法、グラフト法、あるいはグラフト・
ブレンド法などの種々の製造法によって合成されるゴム
強化スチレン系重合体を総称するものであり、ポリブタ
ジエン、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピ
レン・ジエンゴム、などのゴム成分に、スチレンと、ア
クリロニトリル、メチルメタクリレート、α−メチルス
チレン、エチレンビスイミド、マレイミドなどの他のモ
ノマーをグラフト重合したものを代表例として挙げるこ
とができる。
【0019】また、ポリスチレンは、懸濁重合法、連続
重合法などの製造方法によって合成される一般用ポリス
チレンのほか、ブタジエンゴムのようなゴム成分にスチ
レンをグラフト重合して得られる耐衝撃性ポリスチレン
などを総称するものである。
【0020】ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン6・66、ナイロン11、ナイロン1
2、ナイロン6T・6Iなど、ポリエステルとしてポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエステルエラストマーなどをそれぞれ例示する
ことができる。
【0021】このような他の重合体との配合系において
も、前述の如き任意の添加剤を配合することができる。
またアイオノマーとの相溶性を増すために相溶化剤を用
いることもできる。
【0022】本発明の組成物は、押出機等の溶融混練装
置を用い、溶融混合することによって調製できる。該組
成物からの成形は、溶融混合後直ちに行ってもよく、ま
た溶融混合後いったんペレット化した後、別の溶融成形
機で成形することもできる。
【0023】
【発明の効果】本発明のアイオノマー組成物、並びにこ
れを配合した重合性組成物は、非帯電性が良好で、しか
も低湿度雰囲気における帯電防止効果の低下が少なく、
持続性にも優れ、また経時的な成形品の表面のべたつき
は全く認められないので、フィルム、シート、あるいは
各種成形品として、非帯電性が要求される分野、例えば
自動車部品、OA機器、家電製品部品、あるいはその保
管・収納ケース、文具、日用品などに広く使用すること
ができる。
【0024】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例、比較例組成物の配合に用いたアイオ
ノマー、多水酸基含有炭化水素化合物、及び熱可塑性樹
脂の組成と物性、ならびに得られた組成物の物性測定方
法は次の通りである。
【0025】1.原料 (1)アイオノマー
【表1】
【0026】 (2)水酸基含有化合物 グリセロール (関東化学製試薬;分子量92) トリメチロールプロパン (関東化学製試薬;分子量134) ポリエチレングリコール PEG600(関東化学製試薬; 平均分子量500)
【0027】 (3)熱可塑性樹脂 ABS樹脂 日本合成ゴム(株)製 ABS NP15 ポリプロピレン 三井石油化学(株)製 ハイポール L840 低密度ポリエチレン 三井石油化学(株)製 ミラソン 23H
【0028】2.測定方法 (1)MFR JIS K6760(190℃、2160g荷重)
【0029】(2)表面抵抗率 試験片を23℃、相対湿度30%,40%,及び50%
で24時間エージングした後、表面抵抗率を三菱油化製
高抵抗抵抗率計(HIRESTA−IP)で測定した。
【0030】[実施例1、2]アイオノマーAとグリセ
ロールもしくはトリメチロールプロパンを、90:10
(重量)の配合割合で混合した後、小型ミキサー(東洋
精機製ラボプラストミル)を用いて、200℃、10分
間溶融混練した。得られたアイオノマー組成物を真空乾
燥機を用いて100℃、10torrで一晩乾燥した
後、180℃で加圧成形し、厚さ1mmのシートとし
た。この試験片の23℃、相対湿度30%,40%,及
び50%における表面抵抗率の測定結果を表2に示す。
得られたアイオノマー組成物の表面抵抗率は、いずれも
湿度依存が小さく、かつ非帯電性を示す充分小さな値で
あった。
【0031】[実施例3]実施例1においてアイオノマ
ーAの代わりにアイオノマーBを用い、アイオノマーB
とグリセロールの配合割合を95:5とした以外は実施
例1と同様にして溶融混練してアイオノマー組成物を得
た。得られたアイオノマー組成物から実施例1と同様の
処理により、厚さ1mmの試験片を加圧成形した。この
試験片の23℃、相対湿度30%,40%,及び50%
における表面抵抗率の測定結果を表2に示す。得られた
アイオノマー組成物の表面抵抗率は、湿度依存が小さ
く、かつ非帯電性を示すに充分小さな値であった。
【0032】
【表2】
【0033】[比較例1]実施例1において、グリセロ
ールを添加しない以外は実施例1と同様にして、アイオ
ノマーA単独の加圧成形試験片を作成し、23℃、相対
湿度30%,40%及び50%における表面抵抗率を測
定した。結果を表3に示す。低湿度(30%相対湿度)
側で表面抵抗率の値が大きくなっており、表面抵抗率の
湿度依存性が大きくなる傾向を示した。
【0034】[比較例2、3]実施例1及び3におい
て、グリセロールの代わりにポリエチレングリコールP
EG600を同じ配合割合で用いた以外は、それぞれ実
施例1と実施例3と同様にして、アイオノマー組成物を
調製し、加圧成形試験片の23℃、相対湿度30%,4
0%,及び50%における表面抵抗率を測定した。結果
を表3に示す。低湿度(30%相対湿度)側で表面抵抗
率の値が大きくなっており、表面抵抗率の湿度依存性が
大きくなる傾向を示した。
【0035】
【表3】
【0036】[実施例4]実施例1で用いたアイオノマ
ー組成物A(アイオノマーA/グリセロール=90/10(w/
w))を、日本合成ゴム(株)製 ABS樹脂NP15に
表4に記載の配合割合で混合して2軸押出機(スクリュ
ー径29mm,L/D=25)に供給し、樹脂温度23
0℃、押出速度6kg/hで溶融混練し造粒した。上記
組成物から、厚さ2mmの試験片を射出成形法(樹脂温
度230℃)により作成した。この試験片の23℃、相
対湿度30%,40%,及び50%における表面抵抗率
の測定結果を表4に示す。得られたABS・アイオノマ
ー組成物の表面抵抗率は、湿度依存が小さく、かつ非帯
電性を示すに充分小さな値であった。
【0037】また、この試験片を50℃オープンで2週
間加熱し、グリセロールの表面へのブリードの有無を触
感で調べたが、ブリードの兆候は全く認められなかっ
た。
【0038】[実施例5]実施例4においてアイオノマ
ー組成物Aの代わりに実施例3で用いたアイオノマー組
成物B(アイオノマーB/グリセロール=95/5(w/w) )
を用いた以外は実施例4と同様にして、表4に記載の配
合割合のABS・アイオノマー組成物組成物を得た。ま
た、得られた重合体組成物から、実施例4と同様の処理
により、厚さ2mmの試験片を射出成形した。この試験
片の23℃、相対湿度30%,40%,及び50%にお
ける表面抵抗率の測定結果を表4に示す。実施例5で得
られた重合体組成物の表面抵抗率は、湿度依存が小さ
く、かつ上限に近いながらも非帯電性を示す値であっ
た。
【0039】[実施例6]ポリプロピレン(三井石油化
学(株)製ハイポールL840)とアイオノマー組成物
B(アイオノマーB/グリセロール=95/5(w/w) ))を
表4に記載の配合割合で混合し、2軸押出機(スクリュ
ー径29mm,L/D=25)に供給し、樹脂温度18
0℃、押出速度8kg/hで溶融混練し造粒した。上記
組成物から、厚さ50μmの試験フィルムをインフレー
ションフィルム成形法(樹脂温度180℃)により作成
した。この試験フィルム23℃、相対湿度30%,40
%,及び50%における表面抵抗率の測定結果を表4に
示す。実施例6で得られた組成物フィルムの表面抵抗率
は、湿度依存が小さく、かつ非帯電性を示すに充分小さ
な値であった。また、得られたフィルムは透明であっ
た。
【0040】[実施例7]実施例6においてポリプロピ
レンの代わりに低密度ポリエチレン(三井石油化学
(株)製 ミラソン23H)を、表4に記載の配合割合
で混合した以外は実施例6と同様にして、ポリエチレン
・アイオノマー組成物を得た。また、得られた重合体成
物から、実施例6と同様の処理により厚さ50μmのイ
ンフレーションフィルムを作成した。この試験フィルム
の23℃、相対湿度30%,40%,及び50%におけ
る表面抵抗率の測定結果を表4に示す。実施例7で得ら
れた組成物フィルムの表面抵抗率は、湿度依存が小さ
く、かつ非帯電性を示すに充分小さな値であった。ま
た、得られたフィルムは透明であった。
【0041】
【表4】 アイオノマー組成物A:アイオノマーA/グリセロール
=90/10(w/w) アイオノマー組成物B:アイオノマーB/グリセロール
=95/ 5(w/w)
【0042】[比較例4〜7]実施例4〜7において、
アイオノマー組成物A及びB中のグリセロールをPEG
600に代えたアイオノマー組成物C及びDを同じ配合
割合で用いた以外は、それぞれ実施例4〜7と同様にし
て、重合体・アイオノマー組成物を調製し、射出成形試
験片あるいは試験フィルムの23℃、相対湿度30%,
40%,及び50%における表面抵抗率を測定した。結
果を表5に示す。各重合体・アイオノマー組成物の表面
抵抗率は、実施例4〜7で得られたものに比較して、い
ずれも大きな値を示した。
【0043】
【表5】 アイオノマー組成物C:アイオノマーA/PEG600
=90/10(w/w) アイオノマー組成物D:アイオノマーB/PEG600
=95/ 5(w/w)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属をイオン源とするエチレン
    ・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー100重量
    部当たり、分子内に水酸基を3個以上持つ分子量400
    以下の化合物が0.1〜30重量部の割合で配合されて
    なるアイオノマー組成物。
  2. 【請求項2】 アイオノマー中のアルカリ金属含有量
    が、アイオノマー1kg当たり0.4〜4モルの範囲に
    ある請求項1記載のアイオノマー組成物。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属がカリウムである請求項1
    又は2のアイオノマー組成物。
  4. 【請求項4】 分子内に水酸基を3個以上持つ分子量4
    00以下の化合物が脂肪族多価アルコールである請求項
    1〜3記載のアイオノマー組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載のアイオノマー組成物
    からなる重合体用帯電防止剤。
  6. 【請求項6】 アルカリ金属をイオン源とするエチレン
    ・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー100重量
    部、分子内に水酸基を3個以上持つ分子量400以下の
    化合物が0.1〜30重量部及び前記アイオノマー以外
    の重合体1〜10000重量部とからなる重合体組成
    物。
JP28162494A 1994-11-16 1994-11-16 アイオノマー組成物及びその用途 Expired - Fee Related JP3474285B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28162494A JP3474285B2 (ja) 1994-11-16 1994-11-16 アイオノマー組成物及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28162494A JP3474285B2 (ja) 1994-11-16 1994-11-16 アイオノマー組成物及びその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08134295A true JPH08134295A (ja) 1996-05-28
JP3474285B2 JP3474285B2 (ja) 2003-12-08

Family

ID=17641721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28162494A Expired - Fee Related JP3474285B2 (ja) 1994-11-16 1994-11-16 アイオノマー組成物及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3474285B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327932A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 高周波シール性材料
JP2002012722A (ja) * 2000-06-29 2002-01-15 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 非帯電性アイオノマー組成物及びその用途
JP2002121341A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 架橋性樹脂組成物及び架橋アイオノマー
WO2008066851A2 (en) * 2006-11-30 2008-06-05 E. I. Du Pont De Nemours And Company Antistatic styrenic polymer compositions and articles therefrom
JP2009035699A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd アイオノマー組成物およびその用途
WO2010013817A1 (ja) 2008-07-31 2010-02-04 三井・デュポンポリケミカル株式会社 スチレン系樹脂含有組成物および成形体
WO2011136092A1 (ja) 2010-04-30 2011-11-03 三井・デュポンポリケミカル株式会社 重合体けん化物含有組成物、高分子型帯電防止剤、熱可塑性スチレン系樹脂組成物、成形体およびその製造方法
JP2013194230A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd アイオノマー組成物、高分子型帯電防止剤、重合体組成物、及び成形体
US8969468B2 (en) 2011-05-27 2015-03-03 Du Pont-Mitsui Polychemicals Co., Ltd. Methacrylic resin composition and molded article
KR102026363B1 (ko) * 2019-04-16 2019-09-27 주식회사 에이엠솔루션 대전방지성 스티렌계 중합체 블렌드의 제조 방법
WO2023145919A1 (ja) * 2022-01-31 2023-08-03 大日本印刷株式会社 吸湿性フィルムおよび吸湿性積層体

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327932A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 高周波シール性材料
JP4669598B2 (ja) * 2000-06-29 2011-04-13 三井・デュポンポリケミカル株式会社 非帯電性アイオノマー組成物及びその用途
JP2002012722A (ja) * 2000-06-29 2002-01-15 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 非帯電性アイオノマー組成物及びその用途
JP2002121341A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 架橋性樹脂組成物及び架橋アイオノマー
WO2008066851A2 (en) * 2006-11-30 2008-06-05 E. I. Du Pont De Nemours And Company Antistatic styrenic polymer compositions and articles therefrom
WO2008066851A3 (en) * 2006-11-30 2008-07-24 Du Pont Antistatic styrenic polymer compositions and articles therefrom
JP2010511743A (ja) * 2006-11-30 2010-04-15 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 帯電防止スチレンポリマー組成物及びそれからの物品
JP2009035699A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd アイオノマー組成物およびその用途
WO2010013817A1 (ja) 2008-07-31 2010-02-04 三井・デュポンポリケミカル株式会社 スチレン系樹脂含有組成物および成形体
EP2308925A4 (en) * 2008-07-31 2012-03-21 Mitsui Du Pont Polychemical COMPOSITION WITH STYRENE RESIN AND FORMING
WO2011136092A1 (ja) 2010-04-30 2011-11-03 三井・デュポンポリケミカル株式会社 重合体けん化物含有組成物、高分子型帯電防止剤、熱可塑性スチレン系樹脂組成物、成形体およびその製造方法
US8969468B2 (en) 2011-05-27 2015-03-03 Du Pont-Mitsui Polychemicals Co., Ltd. Methacrylic resin composition and molded article
JP2013194230A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd アイオノマー組成物、高分子型帯電防止剤、重合体組成物、及び成形体
KR102026363B1 (ko) * 2019-04-16 2019-09-27 주식회사 에이엠솔루션 대전방지성 스티렌계 중합체 블렌드의 제조 방법
WO2023145919A1 (ja) * 2022-01-31 2023-08-03 大日本印刷株式会社 吸湿性フィルムおよび吸湿性積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3474285B2 (ja) 2003-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3474285B2 (ja) アイオノマー組成物及びその用途
KR20090073702A (ko) 내스크래치성과 착색성이 우수한 고내후 열가소성 수지조성물
JP2007131735A (ja) アイオノマー組成物、これを用いたフィルム、シートおよび包装体
JPH08267671A (ja) 積層フィルム
JP3565892B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4566278B2 (ja) スチレン系樹脂含有組成物および成形体
JP4669598B2 (ja) 非帯電性アイオノマー組成物及びその用途
JPH0353342B2 (ja)
JPH101594A (ja) ポリオキシメチレン組成物
JP3599912B2 (ja) 重合体組成物
JP3086357B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JPH06271717A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPS6261237B2 (ja)
JP2020164618A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物、ポリプロピレン樹脂成形品、およびラミネート成形品
JP2004149565A (ja) マスターバッチ
JPH11140243A (ja) エチレン共重合体組成物、帯電防止剤及び熱可塑性樹脂組成物
JP3595002B2 (ja) 帯電防止性スチレン系樹脂組成物
JP3155304B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4074093B2 (ja) 制電性樹脂組成物
JP2634844B2 (ja) 帯電防止性を有する耐衝撃性樹脂組成物
JPH05222241A (ja) 合成樹脂用帯電防止剤
JP2002187979A (ja) 樹脂粒子充填オレフィン系樹脂組成物
JPH0665438A (ja) ポリオレフイン系樹脂組成物
JP3135408B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3135398B2 (ja) 樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030909

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070919

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130919

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees