JP2007131735A - アイオノマー組成物、これを用いたフィルム、シートおよび包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種成形用途において、低湿度雰囲気においても優れた帯電防止性能を有するアイオノマー組成物、及び重合体組成物を提供する事にある。
【解決手段】アルカリ金属をイオン源とするエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー100重量部当たり、界面活性剤0.1〜30重量部の割合で配合されてなるアイオノマー組成物
【選択図】なし

Description

本発明は、非帯電性の優れたアイオノマー組成物及びその利用に関する。さらに詳しくは、界面活性剤を配合した非帯電性アイオノマー組成物及び該組成物の帯電防止剤としての利用に関する。
カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属をイオン源とし、これらのイオンを相当量含有するエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが、非帯電性に優れていることは以前から知られていた。
例えば、特許文献1には、非帯電性が求められる電子部品包装用カバーテープに、低密度ポリエチレン又はエチレン不飽和酸エステル共重合体とカリウムアイオノマーとの組成物からなるシール層を用いる事が記載されている。
特開平09−175592号公報
しかしながら、これらの組成物の表面抵抗率は湿度依存性が大きく、本来実用に際して非帯電性能が最も要求される低湿度雰囲気においての帯電防止効果が不充分であった。また、上記非帯電性アイオノマーを重合体に配合して得られる、半永久的な非帯電性を有する重合体組成物も、同様に低湿度雰囲気において帯電防止効果が不足するという問題があった。そこで、より湿度依存の少ない、優れた非帯電性能を有するアイオノマーや重合体の開発が望まれていた。
そこで本発明者らは、アルカリ金属アイオノマー、及びアルカリ金属アイオノマーを重合体に配合して得られる重合体組成物が低湿度雰囲気においても良好な非帯電性を発揮するための方法につき鋭意検討した結果、界面活性剤をアルカリ金属アイオノマーに配合することにより、この目的が達成できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
従って、本発明の目的は、各種成形用途において、低湿度雰囲気においても優れた帯電防止性能を有するアイオノマー組成物、及び重合体組成物を提供する事にある。
本発明によれば、アルカリ金属をイオン源とするエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー100重量部当たり、界面活性剤が0.1〜30重量部の割合で配合されてなるアイオノマー組成物が提供される。
本発明は、又、上記アイオノマー組成物からなる帯電防止剤を提供する。
更に、前記アイオノマー組成物に他の重合体を配合してなる重合体組成物をも提供する。
本発明のアイオノマー組成物、並びにこれを配合した重合性組成物は、非帯電性が良好で、しかも低湿度雰囲気における帯電防止効果の低下がすくなく、持続性にも優れ、又経時的な成形品の表面のべたつきは全く認められないので、フィルム、シート、或いは各種成形品として、非帯電性が要求される分野、例えば、自動車部品、OA機器、家電製品部品、或いはその保管、収納ケース、文具、日用品などに広く使用することができる。
本発明において用いられるアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸ランダム共重合体のカルボキシル基の一部もしくは全部がアルカリ金属で中和された構造のものである。上記エチレン・不飽和カルボン酸ランダム共重合体には、他の不飽和単量体成分、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルのようなアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル、あるいは酢酸ビニルなどのような不飽和エステルが共重合されていてもよい。
上記エチレン・不飽和カルボン酸ランダム共重合体としてはエチレン成分が60〜90重量%、特に70〜88重量%、不飽和カルボン酸成分が10〜40重量%、特に12〜30重量%、その他不飽和単量体成分が0〜30重量%、特に0〜20重量%の割合で共重合されているのが好ましい。かかる共重合体は、高温高圧下で各重合成分をランダム共重合することによって得る事ができる。また、総和が上記要件を満たす限り、不飽和カルボン酸成分単位の異なるものを2種以上用いてもよい。
本発明におけるアイオノマーのイオン源としては、アルカリ金属、すなわちリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが用いられるが、特にカリウムが好適である。また、アイオノマーの中の不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、無水マレイン酸などを例示することができる。アイオノマー中のアルカリ金属カチオン含有量は、非帯電性の観点から、アイオノマー1kg当たり0.4〜4モル、好ましくは0.6〜2モルの範囲にあることが望ましい。
アイオノマーとしてはまた190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜1000g/10分、とくに0.1〜100g/10分のものを使用するのが好ましい。
本発明において用いられる界面活性剤は、前記アイオノマーに均一に混和又は分散配合することが出来、帯電防止効果を助成出来る物である限り特に限定されることなく陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の何れも用いる事が出来る。
陽イオン性界面活性剤には,第4級アンモニウム塩型、アミン塩型等があるが第4級アンモニウム塩型が一般的で多く用いられる。
本発明において好適に用いられる第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては,ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、アルキル(牛脂)トリメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、アルキル(椰子油)トリメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、ジココイルジメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド、ジ(POE)オレイルメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド等のアルキルアンモニウム塩;ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド又はブロマイド等のトリアルキルベンジルアンモニウム塩;ラウリルピリジニウムクロライド又はブロマイド、セチルピリジニウムクロライド又はブロマイド等の複素環第4級アンモニウム塩;ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド又はブロマイド等のポリオキシアルキレンアンモニウム塩;前記のようなアルキル第4級アンモニウムのサルフェート〔硫酸塩〕又はナイトレート(硝酸塩)等を挙げることが出来る。
又,2−オクタデシルーヒドロキシエチルー2−イミダゾリン等のイミダゾリニウム塩類;N,N−ジエチルーステアロアミドーメチルアミン塩類、ステアラミドエチルアンモニウムメトサルフェート等のサパミン型第4級アンモニウム塩も用いる事が出来る。
又、アミン塩型陽イオン性界面活性剤としては、ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミン等の無機酸塩又は有機酸塩(酢酸塩);低級アミン類のステアリン酸塩、オレイン酸塩等の高級脂肪酸塩;ポリオキシエチレンステアリルアミン等の脂肪族アミンエチレンオキシド付加物の無機酸塩又は有機酸塩;トリエタノールアミンモノステアレート等の第3級アミン類の無機酸塩又は有機酸塩等を挙げることが出来る。
陰イオン性界面活性剤には、脂肪族(脂肪族基置換芳香族)スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエーテル(アルキレンオキサイド付加物)硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールエーテル(エチレンオキサイド付加物)リン酸エステル塩等ガある。
本発明において好適に用いられる脂肪族(脂肪族基置換芳香族)スルホン酸塩としては、オクチルスルホネート、ノニルスルホネート、ラウリルスルホネート、オレイルスルホネート等、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、オクタデシル等の炭素数8乃至22のアルキル基を有する脂肪族スルホン酸塩やブチルベンゼンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホンネート、オクタデシルベンゼンスルホネート、ジブチルベンゼンスルホネート等のアルキル置換基を持つアルキルベンゼンスルホン酸塩;ブチルナフチルスルホネート、ジイソプロピルナフチルスルホネート、ジブチルナフチルスルホネート等アルキルナフタレンスルホン酸塩等を例示できる。
更に、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物、アルファ・オレフィンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩等も用いる事が出来る。
高級アルコール硫酸エステル塩としては、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、セチルアルコール硫酸エステル塩、オレイルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル塩等の炭素数8乃至20の飽和又は不飽和高級アルコール硫酸エステル塩を挙げることが出来る。
又、リシノレイン酸硫酸エステルナトリウム等の硫酸化油やリシノレイン酸エステル硫酸エステルナトリウム等の硫酸化エステル油等も用いる事が出来る。
高級アルコールエーテル(エチレンオキサイド付加)硫酸エステル塩としては、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩やオクチルアルコール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等を例示する事が出来る。
又、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩も使用できる。
高級アルコールリン酸エステル塩としては、例えば、オクチルアルコールリン酸エステル塩、デシルアルコールリン酸エステル塩、ラウリルアルコールリン酸エステル塩、セチルアルコールリン酸エステル塩、オレイルアルコールリン酸エステル塩、ステアリルアルコールリン酸エステル塩等の炭素数8乃至20の飽和又は不飽和高級アルコールリン酸エステル塩(モノ又はジエステル)を挙げることが出来る。
又、高級アルコールエーテル(アルキレンオキサイド付加)硫酸エステル塩としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレン・(炭素数8乃至22)アルキルエーテルとリン酸化剤とのエステル化により得られるアルキルエーテル(モノ、ジ)リン酸エステル塩等を例示できる。
非イオン性界面活性剤には、高級アルコールアルキレンオキサイド型、アルキルフェノールアルキレンオキサイド型、アルキルアミド型、アルキルアミン型、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル型等のポリアルキレングリコール系非イオン性界面活性剤、多価アルコール及びその脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤がある。
本発明で好適に使用できる高級アルコールアルキレンオキサイド型界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、オレイルアルコールエチレンオキサイド付加物等のオクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、牛脂アルコール、ヤシアルコール、ヒマシ油アルコール等一価アルコールのエチレン又はプロピレンオキサイド付加物等を例示出来る。
その他、ポリオキシプロピレンn−ブチルエーテルやグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエルスリット、ソルビット、ショ糖等の多価アルコールのエチレンオキサイド或いはプロピレンオキサイド付加物も使用できる。
アルキルフェノールアルキレンオキサイド型としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のオクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、オクチルクレゾール等のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物を挙げることが出来る。
アルキルアミド型及びアルキルアミン型としては、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルキルアミド型、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンアルキル(椰子)アミン等を例示出来る。
ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル型としては、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート等の他、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジオレエート、ソルビタンセスキオレエート等も使用できる。
多価アルコール及びその脂肪酸エステル系の界面活性剤としては、ポリアルキレングリコール型として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等を例示出来る。
又、多価アルコール脂肪酸エステル型としては、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノミリスチエート、グリセリンモノオレエート、ジグリセロールモノステアレート、ジグリセロールモノオレエート、ジグリセリンボラートモノ(セスキ)ステアレート、テトラグリセリンペンタステアレート、グリセリンジアセトモノラウレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンセスキオレエート、スルビタントリオレエート等を挙げることが出来る。
本発明で好適に用いることの出来る両性界面活性剤としては、例えばジメチルアルキル(ラウリル)ベタイン、アミドベタイン等のベタイン型界面活性剤を例示することが出来る。
更に、上記以外の範疇に属する界面活性剤として例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)クリレート、メトキシ(ジ、ポリ)エチレングリコール(メタ)クリレート等の重合反応性界面活性剤も用いる事が出来る。」
本発明に用いられる上記界面活性剤の配合量は、前記アイオノマー成分100重量部当たり0.1乃至30重量部、好ましくは1乃至20重量部である。
前記界面活性剤の配合量が上記範囲より少ない場合は、非帯電性の改効果が十分でなく、上記範囲より多くなると、配合物の調製が困難となる。
本発明ではアイオノマー、界面活性剤の代わりに又は界面活性剤と共に任意に分子内に水酸基を3個以上持つ分子量400以下の化合物を加えても良い。 この化合物は、炭素、水素及び酸素のみから構成される化合物であってもよく、炭素、水素、酸素の外にさらに窒素のようなヘテロ原子を含有するものであってもよい。これらは分子量が400以下、好ましくは80〜300であって、室温で液体状であっても固体状であってもよい。分子量が400を越えるものを用いても改良効果は小さい。
このような化合物の具体例としては、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチル)エタン、2,2−ジ(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ソルビトール、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシ安息香酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノプロパン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンなどが例示できる。
これらの中では、グリセロールまたはトリメチロールプロパンの如き脂肪族多価アルコールを用いるのが最も好ましい。
本発明で用いられる多水酸基含有化合物の配合量は、アイオノマー成分100重量部当たり30重量部以下、好ましくは0〜7.5重量部である。多水酸基含有化合物の配合量が上記範囲より少ない場合は非帯電性の改良効果が充分でない。又、多水酸基含有化合物の配合量が上記範囲より多くなると、配合物の調製が困難となり、又、ブリードによる表面汚染が起こり易くなるなど好ましくない。
このようなアイオノマー組成物には、目的に応じ任意の添加剤、例えば酸化防止剤、耐候性安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、顔料、架橋剤、発泡剤、粘着付与剤、無機充填剤などを配合することができる。
このようなアイオノマー組成物にはまた任意に他の重合体を配合することができる。またこのようなアイオノマーと多水酸基含有化合物とからなる組合せ成分は、他の重合体の帯電防止剤としても利用できる。このように他の重合体と混合使用する態様においては、例えばアイオノマー100重量部、界面活性剤0.1〜30重量部及び他の重合体1〜10000重量部のような割合で配合することができる。とくに他の重合体の物性への影響を最小限にしてその帯電防止性の改善を図りたい場合には、他の重合体100重量部当り、アイオノマー1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部、界面活性剤0.1〜9重量部、好ましくは0.1〜2重量部配合するのがよい。
前記他の重合体としては、例えばポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリオレフィンエラストマー、各種ゴムなどの1種又は2種以上の組合せを例示することができる。より具体的には、ポリオレフィン系樹脂としては高圧法ポリエチレン、線状中・低密度ポリエチレン、メタロセン触媒により製造されたポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセン触媒により製造されたポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステルなどを代表例として例示することができる。
スチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体あるいは共重合体であり、その代表例としてABS樹脂及びポリスチレンを例示できる。ここに、ABS樹脂は、ブレンド法、グラフト法、あるいはグラフト・ブレンド法などの種々の製造法によって合成されるゴム強化スチレン系重合体を総称するものであり、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、などのゴム成分に、スチレンと、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、α−メチルスチレン、エチレンビスイミド、マレイミドなどの他のモノマーをグラフト重合したものを代表例として挙げることができる。
また、ポリスチレンは、懸濁重合法、連続重合法などの製造方法によって合成される一般用ポリスチレンのほか、ブタジエンゴムのようなゴム成分にスチレンをグラフト重合して得られる耐衝撃性ポリスチレンなどを総称するものである。
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6・66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6T・6Iなど、ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマーなどをそれぞれ例示することができる。
このような他の重合体との配合系においても、前述の如き任意の添加剤を配合することができる。またアイオノマーとの相溶性を増すために相溶化剤を用いることもできる。
本発明の組成物は、押出機等の溶融混練装置を用い、溶融混合することによって調製できる。該組成物からの成形は、溶融混合後直ちに行ってもよく、また溶融混合後いったんペレット化した後、別の溶融成形機で成形することもできる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、実施例及び比較例において使用した原料及び物性評価方法は次の通りである。
本発明の組成物は例えばフィルム、テープ、シート、チューブ、管、袋体、容器(例えばブロー成形による容器)、ロッド、各種射出成形品、各種ブロー成形品などの形で使用することができる。とくに包装体としての使用が好適である。
本発明の組成物をフィルムにするには、例えばインフレーション成形、Tダイ成形、Tダイシート成形などの方法を用いることができ、そのフィルム厚みは10〜5000μmが好ましい。また共押出し、フロー成形等により本発明のフィルムと他の熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂)フィルムとを積層することもできる。
また本発明のフィルム、積層フィルムの他に、タイシングテープ基材やバックグラインドフィルムなどの半導体用粘着テープ又はフィルム、マーキングフィルム、ICキャリアテープ、電子部品テーピングテープのような電気・電子材料、食品包装材料、衛生材料、プロテクトフィルム(例えばガラス、プラスチック又は金属性のボード、レンガ用ガードフィルム又はテープ)、銅線被覆材料、クリーンルームカーテン、壁紙、マット、床材、フレコン内袋、コンテナー、靴、バッテリーセパレーター、透湿フィルム、防汚フィルム、防塵フィルム、PVC代替フィルム、各種化粧品、洗剤、シャンプー、リンス等のチューブやボトルなどの用途に用いることができる。
1.使用原料
(i)アイオノマー及び樹脂
(1)IO−1: エチレン・メタクリル酸共重合体とエチレン・アクリル酸エステル共重合体を含有し、カリウムにてイオン架橋されてなるカリウムアイオノマー(メタクリル酸含量14重量%、アクリル酸エステル含量2重量%、カリウムイオン密度1.4mmol/g、MFR(JIS K-6760に準拠)=1.2g/10分)
(2)IO−2:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量12重量%)のカリウムアイオノマー(カリウムイオン密度1.2mmol/g、MFR(JIS K-6760に準拠)0.3g/10分)
(3)PE−1:直鎖状低分子ポリエチレン(密度926kg/m、MFR(JIS
K-6760に準拠)2.2g/10分)
(4)PE−2:直鎖状低分子ポリエチレン(密度920kg/m、MFR(JIS K-6760に準拠)1.9g/10分)
(ii)界面活性剤
(5)界面活性剤−1ポリエーテルエステルアミド:商品名イルガスタット16P、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製
(6)界面活性剤−2ポリエーテルエステルアミド組成物:商品名イルガスタット18P、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製
(7)界面活性剤−3:グリセリン
(8)界面活性剤−4:グリセロールモノステアレート
(9)界面活性剤−5:商品名エレクトロストリッパーTS−2PA、花王株式会社製、非イオン性界面活性剤
(iii)
(10)樹脂組成物
(イ)組成物−1:IO−1/界面活性剤−1/界面活性剤−2=60部/20部/20部(重量比)の混合物
(ロ)組成物−2:IO−1/IO−2/活性剤−3=75部/23部/2部(重量比)の混合物
(ハ)組成物−3:IO−1/IO−2/活性剤−3=65部/32部/3部(重量比)の混合物
(ニ)組成物−4:IO−1/PE−1/活性剤−4/活性剤−5=75部/22.5部/0.625部/1.875部(重量比)の混合物
(ホ)組成物−5:IO−1/PE−1/活性剤−4/活性剤−5=80部/18部/0.5部/1.5部(重量比)の混合物
尚、上記樹脂組成物(組成物―1乃至組成物―6は、夫々上記アイオノマーと界面活性剤、樹脂を、上記混合比(重量)の配合割合で混合した後、30mmφ押出機を用い、加工温度170℃にて溶融混練して得たものである。
2. 試料作成方法
PE−2と上記組成物とを下記の配合比にて混合した。
混合物−1:PE−2/組成物−1=75部/25部
混合物−2:PE−2/組成物−2=80部/20部
混合物−3:PE−2/組成物−3=80部/20部
混合物−4:PE−2/組成物−4=80部/20部
混合物−5:PE−2/組成物−5=75部/25部
混合物−6:PE−2/IO−1=80部/20部
50mmφインフレーション成型機を用い、成型温度190℃、ブロー比2.0にて、表1に示すような種々の厚み50μmフィルムを作成した。
3.評価方法
(1)表面固有抵抗 [Ω/□]
三菱化学製 Hiresta−UP
フ゜ローフ゛タイフ゜ = URS、印加電圧 = 500V
測定雰囲気:23℃×50%RH、および23℃×30%RH
試料を測定雰囲気下で24時間以上保管してからフィルム内面について測定を行った。
(2)帯電減衰時間 [s]
Electro-Tech Systems, Inc.製 Model 406D Static Decay Meter
印加電圧 = −5000V
測定雰囲気:23℃×50%RH、および23℃×30%RH
試料を測定雰囲気下で24時間以上保管してからフィルム内面について測定を行った。
(3)メルトフローレート(MFR)
(1)MFR
JIS K6760(190℃、2160g荷重)に基づく。
4. 「実施例1乃至6及び比較例1、2」
前記1.(9)に記載の各樹脂組成物(イ)(実施例1)乃至(へ)(実施例6)及び前記1.(3)記載のPE(比較例1)、樹脂組成物(ト)(比較例2)を前記2.記載の試料作成方法でフィルムとし、得られた各フィルムを前記3.記載の評価方法で評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2007131735

表1に示したとおり、実施例1〜実施例5は加工性、低湿度下での非帯電性能共に良好であった。それに対し、比較例1は非帯電性能を全く発現せず、比較例2は室温23℃、相対湿度50%下においては充分な性能を発現したが、乾燥条件の相対湿度30%下では非帯電性能が不足していた。

Claims (9)

  1. アルカリ金属をイオン源とするエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー100重量部当たり、界面活性剤0.1〜30重量部の割合で配合されてなるアイオノマー組成物。
  2. アイオノマー中のアルカリ金属含有量が、アイオノマー1kg当たり0.4〜4モルの範囲にある請求項1記載のアイオノマー組成物。
  3. アルカリ金属がカリウムである請求項1又は2のアイオノマー組成物。
  4. 界面活性剤が陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれた少なくとも一種である請求項1乃至3の何れかに記載のアイオノマー組成物。
  5. 請求項1〜4記載のアイオノマー組成物からなる重合体用帯電防止剤。
  6. アルカリ金属をイオン源とするエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー100重量部、界面活性剤0.1〜30重量部及び前記アイオノマー以外の重合体1〜10000重量部とからなる重合体組成物。
  7. 請求項1〜6記載の組成物を用いたフィルム、シート、包装体
  8. 請求項1〜6記載の組成物を用いた中空容器
  9. 請求項1〜6記載の組成物を用いた成型体
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