JPH08231821A - ポリオキシメチレン組成物及びその成形品 - Google Patents

ポリオキシメチレン組成物及びその成形品

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JPH08231821A
JPH08231821A JP3679195A JP3679195A JPH08231821A JP H08231821 A JPH08231821 A JP H08231821A JP 3679195 A JP3679195 A JP 3679195A JP 3679195 A JP3679195 A JP 3679195A JP H08231821 A JPH08231821 A JP H08231821A
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polyamine
polyoxymethylene
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JP3679195A
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English (en)
Inventor
Kuniyuki Sugiyama
訓之 杉山
Hiroko Iizuka
博子 飯塚
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱安定性、特に成形時の金型付着物の発生が
改善され、且つ組成物から発生するギ酸による機能障害
(例えば、ゴム浸み出し物からの汚染や金属磁性体の腐
食)が改善されたポリオキシメチレン組成物を提供す
る。 【構成】 ポリオキシメチレン 100重量部に対して、
(a) 酸化防止剤0.01〜5.0 重量部、(b) 特定のポリアミ
ン反応物0.01〜5.0 重量部、(c) マグネシウム又はカル
シウムの酸化物又は炭酸塩から選ばれる1種以上の金属
含有化合物 0.001〜10重量部を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱安定性、特に成形時
の金型付着物の発生が改善され、且つ組成物から発生す
るギ酸による機能障害(例えば、ゴム浸み出し物からの
汚染や金属磁性体の腐食)が改善されたポリオキシメチ
レン組成物及びその成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリオ
キシメチレンは、ホルムアルデヒド、又はその環状オリ
ゴマーであるトリオキサン、又はトリオキサンと環状エ
ーテル・環状ホルマール等のコモノマーから重合又は共
重合され、末端が安定化処理され、且つ酸化防止剤及び
その他の熱安定剤が添加されて分解の防止が図られてい
る。ポリオキシメチレンに添加される酸化防止剤として
は、立体障害性フェノール化合物又は立体障害性アミン
化合物が、その他の熱安定剤としては、ポリアミド、尿
素誘導体、アミジン化合物、アルカリ又はアルカリ土類
金属の水酸化物が提案されているが、これら化合物を配
合したポリオキシメチレン樹脂組成物は成形の際、成形
機のシリンダーの中で熱や酸素の作用を受けて、ホルム
アルデヒド臭を発生し易くなり、労働(衛生)環境を悪
化させたり、又長時間にわたり成形を行うと金型面内に
微粉状物、タール状物(MD)が付着して成形品外観の
悪化を招くなど成形加工上の欠点を有し、これまでに種
々の工夫・提案がなされてきているにもかかわらず、必
ずしも満足な結果は得られていなかった。本発明者ら
は、上記の如く従来公知のポリオキシメチレン組成物の
欠点を改善することを意図して、既に特願平6−167
1号において熱安定性が著しく改良されたポリオキシメ
チレン組成物を提案した。この方法による組成物におい
ては、熱安定性は改良されたが、ポリオキシメチレンが
利用される分野によっては、その材料としての性質にも
さらに一層の改良が要求されてきている。このような要
求の例として、電気・電子機器、例えばオーディオ、ビ
デオ等に使用される機構部品における機能障害の改善が
ある。即ち、環境からの汚染を防ぐために無塵室等、高
度に清浄化された環境下で製造、組み立てられたオーデ
ィオ、ビデオ機構部品も、高温高湿雰囲気に曝されると
埃など環境からの汚染がないにもかかわらず実用上の動
作に支障をきたすことが多い。これはオーディオ、ビデ
オ機構部品に使用されているゴムローラー中の添加剤が
ゴム表面にブリードし、磁気テープを媒介として磁気ヘ
ッドを汚染するためである。この問題に対し、一時的な
対策として、高温高湿雰囲気に曝されたオーディオ、ビ
デオ機構部品中のゴム表面の洗浄が行われており、ある
程度の効果が得られている。しかし、この対策は恒久的
なものでないばかりでなく、莫大な労働力を必要として
いる。又、同じくポリオキシメチレン成形品を、光磁気
ディスク、金属蒸着テープ等の金属磁性体と比較的密閉
された状態で使用すると、それら磁性体が腐食すること
もあり、根本的な問題の解決が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の如
き問題点を解決すべく、ゴムのブリード及び金属磁性体
の腐食について詳細な検討を行った結果、このような問
題に対しては、オーディオ、ビデオ機構部品の構成材質
が大きく関係していることを見出した。即ち、従来、オ
ーディオ、ビデオ機構部品として、シャーシ(基盤)、
ギヤ、軸受け等、テープカセット部品として、リール、
ガイドローラー等、ディスクカートリッジ部品として、
シャッター、カートリッジ本体を中心に使用されてきた
ポリオキシメチレン成形品が、比較的高温高湿中でロー
ラー、ベルト等ゴム部品のブリードや金属磁性体の腐食
を引き起こしていることが明らかとなり、その原因を検
討した結果、ポリオキシメチレン成形品に含まれている
ギ酸が高湿度中の水分を媒体として放出され、それがゴ
ム及び金属磁性体に付着、浸透し、特にゴムの場合で
は、ギ酸がゴムの中の水に難溶性の酸化マグネシウムと
反応することで水に易溶性のギ酸マグネシウムを生成す
るため、これがゴム表面にブリードし、テープを媒介と
して磁気ヘッドを汚染していること、並びに金属磁性体
の場合では、ギ酸自身が金属を腐食させることが明らか
となった。ポリオキシメチレンは上述の如く酸化防止剤
と各種安定剤添加により熱安定性が改善されているもの
の、成形加工時に多少の熱分解を起こすことは避け難
く、このため成形品の内部にはその分解生成物であるホ
ルムアルデヒド、ギ酸が含有されている。ホルムアルデ
ヒドは成形品が数十℃以上に加熱されたときガスとなっ
て周囲に放出されるので、成形品を高温加熱処理したり
真空脱ガス処理したりすることによって大幅に減少せし
めることができるが、ギ酸は百数十℃の高温で加熱処理
しても熱水中で処理してもさほど減少せしめることはで
きない。本発明者等はこの点について更に検討した結
果、ポリオキシメチレンに酸化防止剤と特定のポリアミ
ン反応物及び特定の金属化合物を配合することによっ
て、このギ酸の発生量を大幅に低減することができるこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。即ち本発明
は、ポリオキシメチレン 100重量部に対して、(a) 酸化
防止剤0.01〜5.0 重量部、(b) 1級及び/又は2級アミ
ノ基を2つ以上有するポリアミンと塩化シアヌルの反応
物に更にアンモニア又はその誘導体を反応させることで
得られるポリアミン反応物0.01〜5.0 重量部、(c) マグ
ネシウム又はカルシウムの酸化物又は炭酸塩から選ばれ
る1種以上の金属含有化合物 0.001〜10重量部を配合し
てなるポリオキシメチレン組成物、並びに該組成物を成
形してなり、当該ポリオキシメチレン組成物の成形体か
ら発生されるギ酸量が成形品表面積1cm2 あたり 1.0マ
イクログラム以下であることを特徴とするポリオキシメ
チレン成形品である。
【0004】以下本発明についての詳細な説明を行う。
本発明に用いるポリオキシメチレンとは、オキシメチレ
ン基(-CH2O-)を主たる構成単位とする高分子化合物
で、ポリオキシメチレンホモポリマー、オキシメチレン
基以外に他の構成単位を少量含有するコポリマー、ター
ポリマー、ブロックコポリマーの何れにてもよく、又、
分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであ
ってもよい。又、その重合度等に関しても特に制限はな
い。
【0005】次に本発明において使用される(a) 酸化防
止剤としては、2,2'−メチレンビス(4メチル−6−t
−ブチルフェノール)、1,6 −ヘキサンジオール−ビス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトールテトラキ
ス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェ
ニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビ
ス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5 −トリメチル
−2,4,6 −トリス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−3−
(4'−ヒドロキシ−3',5' −ジ−t−ブチルフェノー
ル)プロピオネート、4,4'−メチレンビス(2,6 −ジ−
t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−
(6−t−ブチル−3−メチル−フェノール)、ジ−ス
テアリル−3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メ
チルフェニルアクリレート、N,N'−ヘキサメチレンビス
(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシン
ナマミド)がヒンダードフェノール系酸化防止剤として
挙げられ、又、トリフェニルホスファイト、トリスノニ
ルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−
メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
アミルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、トリス(2−t−フェニルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(2−(1,1−ジメチルプロピ
ル)−フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−(1,1−ジ
メチルプロピル)−フェニル)ホスファイト、トリス(2
−シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、トリス(2−
t−ブチル−4−フェニルフェニル)ホスファイト等が
リン系酸化防止剤として挙げられる。その他、ヒンダー
ドアミン系の酸化防止剤も使用することができ、これら
の少なくとも一種又は二種以上を使用することができ
る。これらの中でも1,6 −ヘキサンジオール−ビス〔3
−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、ペンタエリスリトールテトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、N,N'−ヘキサメチレンビ
ス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド)は特に好ましい物質である。
【0006】本発明で使用される(b) ポリアミン反応物
は、1級及び/又は2級アミノ基を2つ以上有するポリ
アミンと塩化シアヌルの反応物に更にアンモニア又はそ
の誘導体を反応させることで得られるものである。ここ
で使用されるポリアミンとしては、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、プ
ロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、テトラメ
チレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、シクロヘキシルアミノプロピルアミン、
アミノエチルエタノールアミン、モノヒドロキシエチル
ジエチレントリアミン、ビスヒドロキシエチルジエチレ
ントリアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレ
ンジアミン、ピペラジン、1−アミノエチルピペラジ
ン、1,3 −ジ−(4−ピペリジル)プロパン、ポリアリ
ルアミン、ポリエチレンイミンなどの脂肪族アミン、フ
ェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジア
ミン、トリジン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,
3'−ジメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ジア
ニシジン、4,4'−ジアミノベンズアニリド、ジアミノフ
ェニルエーテル、1,5 −ジアミノナフタレン、2,4,6 −
トリアミノピリジンなどの芳香族アミン、ジシアンジア
ミド、メラミン、2,5 −ジアミノ−1,3,4 −トリアゾー
ルなどのアミジン化合物、アセトグアナミン、ベンゾグ
アナミン、アクリログアナミン、ポリアクリログアナミ
ンなどのグアナミン化合物、尿素或いはエチレン尿素な
どの尿素誘導体等が例示される。本発明においてはこれ
らのポリアミンは何れも使用可能であるが、少なくとも
1つ以上の1級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン又は
芳香族ポリアミンが好ましく、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレン
ジアミンが特に好ましい物質である。これらのポリアミ
ンは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
又、ここで使用されるアンモニア又はその誘導体として
は、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、ホウ酸アンモニウムなどが例
示される。本発明で用いるポリアミン反応物は公知の方
法で製造される。即ち、先ず、クロロホルム、ジオキサ
ン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の
活性水素を持たない極性溶媒中に、塩化シアヌルをポリ
アミンのアミノ基及び/又はイミノ基に対して等モル以
下の量を加える。反応の温度、時間はポリアミンの種類
及び溶媒によって異なるが、20〜120 ℃で、30分〜3時
間反応溶液を充分攪拌しながら行えばよい。塩化シアヌ
ルの三つの塩素基は等価であるが、一つ目の塩素が反応
するときの速度よりも二つ目、三つ目の塩素が反応する
ときの速度が遅いという性質があるため、この第一段階
の操作で塩化シアヌル中の一つの塩素基がポリアミンの
アミノ基及び/又はイミノ基の活性水素と反応したポリ
アミン反応物の反応中間体を得ることができる。次に、
同じ反応器に大過剰のアンモニアを通気することで、ポ
リアミンに結合した塩化シアヌルの未反応の塩素基をア
ミノ基に置換する。この反応溶液を蒸発させることによ
って、或いはイオン交換水中に注ぎ反応物を沈澱させる
ことによって、粗製ポリアミン反応物を得ることができ
る。更にこの粗製ポリアミン反応物を水酸化ナチリウム
水溶液及びイオン交換水で数回洗浄した後、40〜120 ℃
で、或いはアセトンで洗浄し室温で乾燥することによっ
て精製ポリアミン反応物を得ることができる。
【0007】本発明において添加配合される(a) 酸化防
止剤の量は、ポリオキシメチレン 100重量部に対して0.
01〜5重量部、好ましくは 0.1〜3重量部、(b) ポリア
ミン反応物の量は、0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜
1重量部である。これらの物質の添加量が、過少の場合
は充分なる効果が得られず、また過大の場合には、熱安
定性の効果が飽和に達し、むしろ変色傾向が生じ好まし
くない。
【0008】本発明で使用される(c) 金属含有化合物と
は、マグネシウム又はカルシウムの酸化物又は炭酸塩で
あり、具体的には酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムである。これらの化
合物の配合量は、ポリオキシメチレン 100重量部に対し
て 0.001〜10重量部であり、好ましくは0.001 〜5重量
部、より好ましくは 0.001〜2重量部、特に好ましくは
0.003〜0.5 重量部である。0.001 重量部より少ない量
では所望の効果を殆ど得ることが出来ず、又、10重量部
より多い量では、ギ酸発生量抑制の効果が飽和に達し、
むしろ変色傾向が生じ好ましくない。
【0009】本発明の組成物に配合される(c) 金属含有
化合物と(a) 酸化防止剤は、ポリマーの重合段階におけ
るモノマーに添加されても良いし、ポリマーの安定化工
程で添加されても良い。
【0010】又、成形時の金型付着物を微小量に抑える
目的で、更に、炭素数10以上の脂肪酸エステル化合物を
配合することが好ましく、特に多価アルコールとのエス
テル化合物が望ましい。その様な化合物としては、グリ
セリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンモノ
ベヘネート、ペンタエリスリトールトリステアレート等
が例示される。炭素数10以上の脂肪酸エステル化合物の
配合量は、ポリオキシメチレン 100重量部に対して0.01
〜2.0 重量部であり、好ましくは0.05〜1.0 重量部であ
る。
【0011】又、ギ酸発生量の測定法について説明する
と、上記組成物を成形し、かかる成形品を場合により切
断し、その表面積を測定した後、その成形品の適当量
(表面積30〜60cm2 程度) を1mlの純水に直接浸らない
ようにして密閉容器(容量100ml)に入れ、60℃に168 時
間放置する。この密閉容器中の水を 100mlに希釈し、こ
の溶液のギ酸濃度(μg)をイオンクロマトグラフ(横河
ヒューレット・パッカード社製IC500 、有機酸用カラ
ム、0.1mM 過塩素酸水溶液をキャリアとして)で測定
し、成形品表面積あたりのギ酸発生量(μg/cm2)を求
めた。本発明において好ましいポリオキシメチレン成形
品は、ギ酸発生量が成形品表面積1cm2 あたり 1.0マイ
クログラム以下、特に好ましくはギ酸発生量が成形品表
面積1cm2 あたり 1.0マイクログラム以下であり、且つ
樹脂分1グラムあたり5.0マイクログラム以下のもので
ある。本発明におけるギ酸発生量の数値規定は、通常の
安定剤、離型剤等公知の添加剤を含有するポリオキシメ
チレン組成物を用いた成形品については勿論、無機充填
剤あるいは他のポリマーを含有する組成物の成形品にお
いても、その成形品表面の大部分がポリオキシメチレン
である限り適用可能である。
【0012】又、本発明のポリオキシメチレン組成物に
は、必須ではないが、更にその目的に応じ、本願の(b)
ポリアミン反応物以外の含窒素化合物、(c) マグネシウ
ム又はカルシウムの酸化物又は炭酸塩以外の有機、無機
の金属含有化合物を一種以上併用することもできる。本
発明のポリオキシメチレン組成物には、更に公知の各種
添加剤を配合し得る。例えば、各種の着色剤、摺動性改
良剤、離型剤、核剤、帯電防止剤、耐候(光)安定剤、
その他の界面活性剤、各種ポリマー等である。また、本
発明の目的とする成形品の性能を大幅に低下させない範
囲内であるならば、公知の無機、有機、金属等の繊維
状、板状、粉粒状等の充填剤を1種または2種以上複合
させて配合することも可能である。このような無機充填
剤の例としては、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、
ガラスビーズ、タルク、マイカ、白マイカ、ウォラスト
ナイト、等が挙げられるが、何等これらに限定されるも
のではない。又、本発明のポリアセタール樹脂成形品の
調製は、従来の樹脂成形品調製法として一般に用いられ
る公知の方法により容易に調製される。例えば、各成分
を混合後、一軸または、二軸の押出機により、練り込み
押出してペレット調製し、そのペレットを所定量混合
(希釈)して成形に供し、成形後に目的組成の成形品を
得る方法等、何れも使用できる。又、かかる成形品に用
いられる組成物の調製において、基体であるポリアセタ
ール樹脂の一部または全部を粉砕し、これをその他の成
分を混合した後、押出等を行うことは、添加物の分散性
を良くする上で好ましい方法である。
【0013】本発明の樹脂組成物は、ギ酸が弊害を引き
起こすと考えられる用途には何れも使用可能であるが、
電気・電子機器、特にオーディオ機器、ビデオ機器等の
構成部品の少なくとも一部がゴム材料あるいは金属磁性
体材料とポリオキシメチレン成形品が使用される分野
(用途)に好適に使用される。具体的な成形品を以下に
例示する。少なくとも一部がポリオキシメチレン成形品
及びゴム部品から構成された、あるいは金属接点が多数
存在する電気・電子機器としては、カセットテープレコ
ーダー等のオーディオ機器、VTR、8mmビデオ、ビデ
オカメラ等のビデオ機器、又はコピー機、ファクシミ
リ、プリンター、ワードプロセッサー等のOA機器であ
り、更にはモーター、発条等の駆動力で動く玩具、電話
機、コンピュータ等に付随するキーボード等にも適用す
ることができる。具体的な部品としては、シャーシ(基
盤)、ギヤー、レバー、カムプーリー、軸受け等が挙げ
られる。又、少なくとも一部がポリオキシメチレン成形
品から構成された光および磁気メディアソフトとして
は、例えば、金属薄膜型磁気テープカセット、磁気ディ
スクカートリッジ、光磁気ディスクカートリッジ、光デ
ィスクカートリッジ等であり、更に詳しくは、音楽用メ
タルテープカセット、デジタルオーディオテープカセッ
ト、8mmビデオテープカセット、フロッピーディスクカ
ートリッジ、ミニディスクカートリッジであり、具体的
な部品としては、テープカセットの本体、リール、ハ
ブ、ガイド、ローラー、ストッパー、リッド等、ディス
クカートリッジの本体(ケース)、シャッター、ハブ、
クランピングプレート等が挙げられる。その他、本発明
のポリオキシメチレン成形品は、ウインドレギュレータ
ーのキャリアプレートに代表される金属と接触する部品
や、燃料系統、電気系統部品等の自動車部品、注射針の
ホルダー等の医用関係部品、浄水器、スプレーノズル、
スプレー容器等の生活用品等に好適に使用される。
【0014】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、
以下の例に示した評価の方法は次の通りである。 1)成形品からのギ酸発生量 ギ酸発生量は、総表面積約10cm2 の切断されたポリオキ
シメチレン成形品10gを1mlの純水に直接浸らないよう
にして密閉容器(容量100ml)に入れ、60℃/90%RHに16
8 時間放置後、この密閉容器中の水を100ml に希釈し、
この溶液のギ酸濃度をイオンクロマトグラフ(横河ヒュ
ーレット・パッカード(株)製IC500、有機酸用カラ
ム、0.1mM 過塩素酸水溶液をキャリアとして)で測定す
ることにより求めた。ギ酸発生量は、このイオンクロマ
トグラフによって得られた値を単位表面積に換算して表
した。 2)ゴムのブルーミング ポリオキシメチレン成形品が装着された基盤にゴム部品
を組み込んだ音声画像再生機構部をポリエチレン袋で包
装したものを用い、高温高湿中で下記要領でゴムのブル
ーミング試験を行った場合のゴム部品表面の浸み出し量
(ゴム表面の顕微鏡観察により10段階にランク付け)と
成形基盤のギ酸発生量との関係を表に示す。ゴム部品と
しては、クロロプレンゴムを円筒状に成形したローラー
を使用し、それをポリアセタール樹脂で成形された音声
画像再生機構部用基盤に組み込み、ポリエチレン袋で包
装した状態で60℃/90%RH雰囲気中に1週間放置後、
ゴム表面に浸み出したものを顕微鏡観察し、その度合い
を目視で10段階(無しを1、非常に多いを10)にランク
付けした。尚、この試験は3回行ない、表にはその平均
値を示した。 3)成形性(金型付着物の量) 試料ポリアセタール樹脂組成物を、射出成形機を用いて
下記条件で特定形状の成形品を連続成形(24Hr)し、金
型付着物の量を評価した。即ち、連続成形を行った時の
金型の汚れを目視観察にて下記5段階で評価した。 (成形条件) 射出成形機;東芝IS30EPN(東芝機械(株)製) シリンダー温度;210 ℃ 射出圧力;750kg/cm2 射出時間;4sec 冷却時間;3sec 金型温度;30℃ A B C D E ←────────────────→ 極僅か 多い(全面に付着物あり) 実施例1〜11 ポリオキシメチレン共重合体(ポリプラスチックス
(株)製、ジュラコン)に表1に示した酸化防止剤、ポ
リアミン反応物とマグネシウム及びカルシウムの酸化物
及び炭酸塩、更には脂肪酸エステル化合物を表1に示し
た割合(対ポリオキシメチレン100 重量部)で添加混合
し押出機にてペレット状の組成物を得て上記評価を行っ
た。結果を表1に示す。 比較例1〜8 また、比較のため、表1に示すように、金属酸化物又は
炭酸塩を添加しない場合、本発明の規定外の他の金属酸
化物を添加した場合等について、実施例1と同様にして
ペレット状の組成物を調製し、上記評価を行った。結果
を表1に示す。又、使用した酸化防止剤、アミン系重合
体、金属酸化物及び炭酸塩は以下の通りである。 1.酸化防止剤 a-1) トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕 a-2) ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5 −
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕 2.ポリアミン反応物 b-1) ポリアミン反応物1 200ml のクロロホルムが入った四つ口フラスコ(500ml)
に塩化シアヌル50gを加え、攪拌した。塩化シアヌルが
クロロホルムに充分溶解した後、エチレンジアミン9ml
を滴下ロートにて徐々に加えた。このとく反応熱で系の
温度が上昇しすぎないようにフラスコを低温の水浴で冷
却し、反応溶液の温度を25±3℃にコントロールした。
エチレンジアミンを所定量添加し終わった後も反応溶液
を攪拌し続け、30分後にアンモニアを1リットル/Hrの
流量で30分間反応溶液中に通気した。その後、反応溶液
の溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発させ、粗製の
ポリアミン反応物を得た。これを1Nの水酸化ナトリウ
ム水溶液 200ml中で攪拌することによって中和処理及び
洗浄し、濾過後、 100mlのイオン交換水で洗浄・濾過を
3回繰り返した。これを更にアセトンで洗浄・濾過し、
室温で乾燥した後、乳鉢で擦ることにより精製ポリアミ
ン反応物1の微粉末を得た。 b-2) ポリアミン反応物2 エチレンジアミンの代わりにトリエチレンテトラミン10
mlを用いる以外はポリアミン反応物1と同じ条件でサン
プル調製し、精製ポリアミン反応物2の微粉末を得た。 3.金属酸化物及び炭酸塩 c-1) 酸化マグネシウム c-2) 酸化カルシウム c-3) 炭酸マグネシウム c'-1)酸化バリウム c'-2)酸化亜鉛 4.脂肪酸エステル化合物 d-1) グリセリンモノステアレート d-2) グリセリンモノイソステアレート 5.その他の化合物 e-1) メラミン e-2) ジシアンジアミド
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】以上の説明及び実施例にて明らかなごと
く、本発明の樹脂組成物からなる成形品のギ酸発生量が
1.0μg /cm2 以下ではポリアセタール樹脂成形品がゴ
ムのブルーミングにほとんど影響していないことが明ら
かである。本発明によると以上のように成形品からのギ
酸発生量を 1.0μg/cm2以下に抑えることができるた
め、例えばゴム部品のブルーミング問題を根本的に解決
することができ、上述の如き各種用途に好適に用いられ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシメチレン 100重量部に対し
    て、(a) 酸化防止剤0.01〜5.0 重量部、(b) 1級及び/
    又は2級アミノ基を2つ以上有するポリアミンと塩化シ
    アヌルの反応物に更にアンモニア又はその誘導体を反応
    させることで得られるポリアミン反応物0.01〜5.0 重量
    部、(c) マグネシウム又はカルシウムの酸化物又は炭酸
    塩から選ばれる1種以上の金属含有化合物 0.001〜10重
    量部を配合してなるポリオキシメチレン組成物。
  2. 【請求項2】 (b) ポリアミン反応物の原料であるポリ
    アミンが、少なくとも1つ以上の1級アミノ基を有する
    脂肪族ポリアミン又は芳香族ポリアミン環である請求項
    1記載のポリオキシメチレン組成物。
  3. 【請求項3】 (b) ポリアミン反応物の原料であるポリ
    アミンが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
    テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及び
    キシリレンジアミンから選ばれた一種以上のものである
    請求項2記載のポリオキシメチレン組成物。
  4. 【請求項4】 更に炭素数10以上の脂肪酸エステル化合
    物をポリオキシメチレン 100重量部に対して0.01〜2.0
    重量部配合してなる請求項1〜3の何れか1項記載のポ
    リオキシメチレン組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載の組成物
    を成形してなり、当該ポリオキシメチレン組成物の成形
    体から発生されるギ酸量が成形品表面積1cm2 あたり
    1.0マイクログラム以下であることを特徴とするポリオ
    キシメチレン成形品。
  6. 【請求項6】 成形品が、電気・電子機器部品である請
    求項5記載のポリオキシメチレン成形品。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のポリオキシメチレン成形
    品及びゴム部品を構成の一部とする電気・電子機器。
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