JPH09235447A - ポリオキシメチレン組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン組成物

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JPH09235447A
JPH09235447A JP4141496A JP4141496A JPH09235447A JP H09235447 A JPH09235447 A JP H09235447A JP 4141496 A JP4141496 A JP 4141496A JP 4141496 A JP4141496 A JP 4141496A JP H09235447 A JPH09235447 A JP H09235447A
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polyoxymethylene
silane compound
magnesium oxide
weight
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JP4141496A
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English (en)
Inventor
Kuniyuki Sugiyama
訓之 杉山
Hiroyuki Hase
寛之 長谷
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱安定性、特に組成物調製時のホルムアルデ
ヒドガス発生量が低減され、組成物から発生するギ酸に
よる機能障害もが改善されたポリオキシメチレン組成物
を提供する。 【解決手段】 ポリオキシメチレン100 重量部に対し
て、(a) 立体障害性フェノール系酸化防止剤0.01〜3重
量部、(b) 酸化マグネシウム及び/又は酸化カルシウム
0.001〜0.5 重量部、(c) 特定のシラン化合物 0.00001
〜2重量部を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱安定性、特に組
成物調製時のホルムアルデヒドガス発生量が低減され、
組成物から発生するギ酸による機能障害(例えば、ゴム
滲み出し物からの汚染や金属磁性体の腐蝕)が改善され
たポリオキシメチレン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリオ
キシメチレンは、ホルムアルデヒド、又はその環状オリ
ゴマーであるトリオキサン、又はトリオキサンと環状エ
ーテル・環状ホルマール等のコモノマーから重合され、
末端が安定化処理され、且つ酸化防止剤及びその他の熱
安定剤が添加されて分解の防止が図られている。ポリオ
キシメチレンに添加される酸化防止剤としては、立体障
害性フェノール化合物又は立体障害性アミン化合物が、
その他の熱安定剤としては、ポリアミド、尿素誘導体、
アミジン化合物、アルカリ又はアルカリ土類金属の水酸
化物が提案されているが、これらを配合したポリオキシ
メチレン組成物は成形の際、成形機のシリンダーの中で
熱や酸素の影響を受けて、ホルムアルデヒド臭を発生し
易くなり、労働(衛生)環境を悪化させたり、又長時間
にわたり成形を行うと金型面内に微粉状物、タール状物
(MD)が付着して成形品外観の悪化を招く等成形加工
上の欠点を有し、これまでに種々の工夫・提案がなされ
てきているにもかかわらず、必ずしも満足な結果は得ら
れていなかった。また、ポリオキシメチレンが利用され
る分野によっては、その材料としての性質にもさらに一
層の改良が要求されてきている。このような要求の例と
して、電気・電子機器、例えばオーディオ、ビデオ等に
使用される機構部品における機能障害の改善がある。即
ち、ポリオキシメチレン成形品より発生するギ酸のため
に、オーディオ、ビデオ機構部品に使用されているゴム
ローラー中の添加剤がゴム表面にブリードし、磁気テー
プを媒介として磁気ヘッドを汚染する問題、又、金属磁
性体と比較的密閉された状態で使用すると、光磁気ディ
スク、金属蒸着テープ等の磁性体が腐食する問題があ
り、根本的な解決が望まれていた。本発明者らは、ギ酸
による機能障害を改善するために、特開平7−33952 号
公報においてポリオキシメチレンに酸化マグネシウム、
酸化カルシウム等の特定の金属化合物を添加配合し、ギ
酸発生の根源であるホルムアルデヒドの生成量を低く抑
える方法を提案してきた。しかし、特定の金属化合物を
押出機を用いて溶融状態のポリオキシメチレンに配合す
る際に、得られる組成物のホルムアルデヒドに関する品
質が混練条件によって悪化する場合があることが判明
し、組成物の安定的な製造を行うことに関して改善が求
められた。
【0003】
〔ここで、R1は水素、炭素数1〜6の飽和或いは不飽和のアルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であり、アルキル基及びフェニル基の一部が置換されていてもよい。R2は水素、炭素数1〜32の飽和或いは不飽和のアルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であり、その一部が置換されていてもよい。m 及びnはそれぞれ m=1〜4、n =0〜3の整数で、m +n =4である。〕
【0004】
【発明の実施の形態】以下本発明についての詳細な説明
を行う。本発明に用いるポリオキシメチレンとは、オキ
シメチレン基(-CH2O-) を主たる構成単位とする高分子
化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、オキシメ
チレン基以外に他の構成単位を少量含有するコポリマ
ー、ターポリマー、ブロックコポリマーの何れにてもよ
く、又、分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有する
ものであってもよい。又、その重合度等に関しても特に
制限はない。
【0005】次に本発明において使用される(a) 立体障
害性フェノール系酸化防止剤としては、2,2'−メチレン
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6
−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペン
タエリスリトールテトラキス〔3−(3,5 −ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ト
リエチレングリコールビス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,
5 −トリメチル−2,4,6 −トリス(3,5 −ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデ
シル−3−(4’−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチ
ルフェニル)プロピオネート、4,4'−メチレンビス(2,
6 −ジ−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビ
ス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジ−
ステアリル−3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホネート、2−t−ブチル−6−(3−t−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−
メチルフェニルアクリレート、N,N'−ヘキサメチレンビ
ス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド)が挙げられる。本発明において添加配合さ
れる(a) 立体障害性フェノール系酸化防止剤の量は、ポ
リオキシメチレン100 重量部に対して、0.01〜3重量
部、好ましくは0.05〜0.5 重量部である。この添加量
が、過小の場合は充分なる効果が得られず、また過大の
場合には、熱安定性の効果が飽和に達し、むしろ変色傾
向が生じ好ましくない。
【0006】本発明において使用される金属化合物は
(b) 酸化マグネシウム及び/又は酸化カルシウムである
(以下、(b) 成分を単に金属化合物と言う場合があ
る。)。好ましくは、粒径が 100μm 以下、特に10μm
以下のものが好適に使用される。又、金属化合物の比表
面積については任意であるが、好ましくは10m2/g以上、
より好ましくは50m2/g以上のものである。その配合量
は、ポリオキシメチレン100 重量部に対して、 0.001〜
0.5 重量部、好ましくは0.005 〜0.3 重量部である。こ
の添加量が、過小の場合は充分なる効果が得られず、ま
た過大の場合には、熱安定性の効果が飽和に達し、むし
ろ変色傾向が生じ好ましくない。
【0007】本発明において使用される(c) シラン化合
物は、一般式(I)で表されるものであればいずれも使
用可能であるが、中でもトリアルコキシシラン及びテト
ラアルコキシシランが好適である。
【0008】(R1)mO-Si-(R2)n 式(I) 〔ここで、R1は水素、炭素数1〜6の飽和或いは不飽和
のアルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であ
り、アルキル基及びフェニル基の一部が置換されていて
もよい。R2は水素、炭素数1〜32の飽和或いは不飽和の
アルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であり、
その一部が置換されていてもよい。m 及びnはそれぞれ
m=1〜4、n =0〜3の整数で、m +n =4であ
る。〕 好ましい物質を例示すると、トリアルコキシシランとし
て、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラ
ン、メチルトリフェノキシシラン、オクチルトリエトキ
シシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデ
シルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラ
ン、ヘキシルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキ
シシラン等の飽和アルキルトリアルコキシシランや、ア
リルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、トリス
(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、3−トリフル
オロアセトキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリブトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラ
ン等の不飽和及び置換炭化水素化トリアルコキシシラン
が挙げられる。又、テトラアルコキシシランとして、テ
トラアリルオキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラキ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラフェノキシ
シラン等の単一テトラアルコキシシランや、テトラメト
キシシラン、メトキシトリエトキシシラン、ジメトキシ
ジエトキシシラン、トリメトキシエトキシシラン、ヘキ
シルオキシトリメトキシシラン等の混合テトラアルコキ
シシラン等が挙げられるが、何らこれらに限定されるも
のではない。これらの中でも、オクタデシルトリエトキ
シシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、トリス(2−メトキ
シエトキシ)ビニルシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)
シランは特に好ましい物質である。かかる(c) シラン化
合物は、直接ポリオキシメチレンに配合してもよいが、
配合前に予め(c) シラン化合物を(b) 金属化合物表面に
付着処理を行った後配合することが好ましい。(c) シラ
ン化合物による(b) 金属化合物の処理は、通常、水の存
在下で(b) 金属化合物と(c) シラン化合物( (b)金属化
合物に対して通常0.01〜50重量%)を接触せしめ乾燥さ
せればよく、例えば、V型ブレンダーに (b)金属化合物
を入れて攪拌しながら0.1 〜2重量%のシラン化合物水
溶液(または水−有機溶媒溶液)を空気もしくは窒素ガ
ス等で噴霧させる方法;金属化合物を水または有機溶媒
に分散させ、スラリー状態とした後、シラン化合物の水
溶液または有機溶媒溶液を添加して攪拌後静置し、金属
化合物を沈降分離して乾燥させる方法;加熱炉から出て
きた高温の金属化合物にシラン化合物の水溶液及び/又
は有機溶媒溶液をスプレー処理する方法等で行うことが
できるが、必ずしもこれらの方法に限定されるものでは
ない。金属化合物をシラン化合物で処理することによ
り、ポリオキシメチレン組成物におけるホルムアルデヒ
ド発生量を低く抑えることができ、又、その溶融混練条
件依存性を微量のシラン化合物で効率良く低減・解消す
ることができるものと考えられる。本発明において添加
配合される(c) シラン化合物の量は、ポリオキシメチレ
ン100 重量部に対して、 0.00001〜2重量部、好ましく
は 0.00005〜0.5 重量部である。この添加量が過少の場
合は所望の効果を殆ど得ることが出来ず、又、過大の場
合には変色抑制の効果が飽和に達し、むしろ組成物を成
形品としたときに表面からしみ出し、成形品の外観を損
なう傾向が生じ好ましくない。又、金属化合物をシラン
化合物で処理する場合、その量は金属化合物に対し、0.
01〜50重量%が好ましい。
【0009】本発明の組成物に配合される(a) 立体障害
性フェノール系酸化防止剤、(b) 特定の金属化合物、
(c) 特定のシラン化合物は、ポリマーの重合段階におけ
るモノマーに添加されても良いし、ポリマーの安定化工
程で添加されても良い。
【0010】又、本発明のポリオキシメチレン組成物に
は、必須ではないが、更にその目的に応じ、本願の(b)
酸化マグネシウム及び/又は酸化カルシウム以外の有
機、無機の金属含有化合物、又、ポリオキシメチレンの
熱安定剤として使用される窒素含有化合物を一種以上配
合し得る。ここで、金属含有化合物としては、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウムもしくはバリウム等の水酸化
物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸
塩、マロン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、ステアリ
ン酸の如き高級(C10 〜C32 )脂肪酸および水酸基等の
置換基を有する置換脂肪酸の塩などを挙げることができ
る。更に、同一分子内に少なくとも一つの三級窒素原子
とカルボン酸の金属塩を含む塩基性化合物、例えばN−
メチルイミノ3酢酸ナトリウム、ニトリロ3酢酸3ナト
リウム、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム、エチレ
ンジアミン4酢酸2カルシウム、ジエチレントリアミン
5酢酸5ナトリウム、ジエチレントリアミン5酢酸5カ
リウム、トリエチレンテトラミン6酢酸6ナトリウム、
エチレンジオキシビス(エチルアミン)−N,N,N',N' −
4酢酸4ナトリウム等が挙げられる。又、窒素含有化合
物としては、ナイロン12、ナイロン6・10、ナイロン6
・6/6・10/6の如き単独又は共重合ポリアミド、メ
チロール基等を有する置換ポリアミド、ナイロン塩、ε
−カプロラクタムとから合成、またはカプロラクトン、
ε−カプロラクタムとの組合せから合成されるポリエス
テルアミド等のポリアミド類、ポリアミノトリアゾー
ル、ジカルボン酸ジヒドラジド、尿素から合成される加
熱縮合体、ウラシール類、シアノグアニジン類、ジシア
ジアミド、グアナミン、メラミン、メラミンとホルムア
ルデヒドから合成される含窒素縮合重合体、メラム、メ
レム、メロン、1−クロロ−3,5 −ジアミノトリアジン
とジアミン類から合成される含窒素縮合重合体、メラミ
ンとイソシアン酸の塩等が挙げられる。
【0011】本発明に用いるポリオキシメチレン組成物
には、更に公知の各種添加剤を配合し得る。例えば、各
種の着色剤、離型剤、核剤、帯電防止剤、その他の界面
活性剤、各種ポリマー等である。また、本発明の目的と
する成形品の性能を大幅に低下させない範囲内であるな
らば、公知の無機、有機、金属等の繊維状、板状、粉粒
状等の充填剤を1種または2種以上複合させて配合する
ことも可能である。このような無機充填剤の例として
は、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラスビー
ズ、タルク、マイカ、白マイカ、ウォラストナイト、炭
酸カルシウム等が挙げられるが、何等これらに限定され
るものではない。又、本発明のポリオキシメチレン成形
品の調製は、従来の樹脂成形品調製法として一般に用い
られる公知の方法により容易に調製される。例えば、各
成分を混合後、一軸または、二軸の押出機により、練り
込み押出してペレット調製し、そのペレットを所定量混
合(希釈)して成形に供し、成形後に目的組成の成形品
を得る方法等、何れも使用できる。又、かかる成形品に
用いられる組成物の調製において、基体であるポリオキ
シメチレンの一部または全部を粉砕し、これをその他の
成分を混合した後、押出等を行うことは、添加物の分散
性を良くする上で好ましい方法である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、
以下の例に示した評価の方法は次の通りである。 1)成形品からのギ酸発生量 ギ酸発生量は、総表面積約10cm2 の切断されたポリオキ
シメチレン成形品10gを1mlの純水に直接浸らないよう
にして密閉容器(容量100ml)に入れ、60℃/90%RHに16
8 時間放置後、この密閉容器中の水を 100mlに希釈し、
この溶液のギ酸濃度をイオンクロマトグラフ(横河ヒュ
ーレット・パッカード(株)製IC500、有機酸用カラ
ム、0.1mM 過塩素酸水溶液をキャリアとして)で測定す
ることにより求めた。ギ酸発生量は、このイオンクロマ
トグラフによって得られた値を単位表面積に換算して表
した。 2)ゴムのブルーミング ポリオキシメチレン成形品が装着された基盤にゴム部品
を組み込んだ音声画像再生機構部をポリエチレン袋で包
装したものを用い、高温高湿中で下記要領でゴムのブル
ーミング試験を行った場合のゴム部品表面の滲み出し量
(ゴム表面の顕微鏡観察により10段階にランク付け)と
成形基盤のギ酸発生量との関係を表に示す。ゴム部品と
しては、クロロプレンゴムを円筒状に成形したローラー
を使用し、それをポリオキシメチレンで成形された音声
画像再生機構部用基盤に組み込み、ポリエチレン袋で包
装した状態で60℃/90%RH雰囲気中に1週間放置後、ゴ
ム表面に滲み出したものを顕微鏡観察し、その度合いを
目視で10段階(無しを1、非常に多いを10)にランク付
けした。尚、この試験は3回行ない、表にはその平均値
を示した。 3)ホルムアルデヒドガス発生量 下記の2通りの製造条件でペレット化されたポリオキシ
メチレン組成物について、それぞれのホルムアルデヒド
ガス発生量を測定した。以下、測定方法について説明す
る。5gのペレットを正確に秤量し(Ag)、金属容器
中に 200℃で5分間保持する。その後、容器内の雰囲気
を脱イオン水中に吸収させる。この水中のホルムアルデ
ヒド量をJIS K0102 、2Lホルムアルデヒドの項に従っ
て定量し(Bμg)、1g当たりの材料が発生するホル
ムアルデヒドガス量(Cppm )として計算した。 Bμg/Ag=Cppm (組成物の混練条件) 押出機;(株)日本製鋼所製、TEX-30 条件 シリンダー温度; 200℃ スクリュー回転数; 250rpm 吐出量;5kg/hr 条件 シリンダー温度; 200℃ スクリュー回転数; 120rpm 吐出量;15kg/hr 4)滲み出し性 試料ポリオキシメチレン組成物から、射出成形機を用
い、50×70×3(mm)の平板を成形し、80℃、90%RHに
24時間、更に140 ℃で24時間処理した後、その成形品の
外観を目視観察し、その状態を以下のように5段階でラ
ンク付けした。 5)材料の物性寿命 ASTM1号ダンベル型引張試験片に成形されたポリオ
キシメチレン組成物を140 ℃のギヤーオーブン中でエー
ジング、適当な時間が経過した後、室温にて引張強度を
測定した。ここで、材料の物性寿命は、材料の引張強度
が初期引張強度の80%となる日数で評価した。
【0013】実施例1〜12 ポリオキシメチレン共重合体(ポリプラスチックス
(株)製、商品名「ジュラコン」)に、表1に示す(a)
立体障害性フェノール系酸化防止剤、(b) 金属化合物、
(c) シラン化合物を表1に示す割合で混合した後、混練
条件を変えて押出機にてペレット状の組成物を得て、上
記評価を行った。結果を表1に示す。
【0014】比較例1〜3 また、比較のため、表1に示すように、(b) 金属化合
物、(c) シラン化合物をそれぞれ配合しない場合、 (c)
シラン化合物を多量に配合した場合について、実施例1
と同様にしてペレット状の組成物を調製し、上記評価を
行った。結果を表1に示す。
【0015】又、使用した立体障害性フェノール系酸化
防止剤、金属化合物、シラン化合物は以下の通りであ
る。 1.立体障害性フェノール系酸化防止剤 a-1;ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5 −
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕 a-2;トリエチレングリコールビス−〔3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕 2.金属化合物 b-1;酸化マグネシウム b-2;表面処理酸化マグネシウムA (酸化マグネシウムに対して0.2 重量%のテトラエトキ
シシランを、予めアセトンにスラリー状態(アセトン50
mlに対して酸化マグネシウム10g)に分散させた酸化マ
グネシウムに添加・攪拌し、アセトンを乾燥除去した
後、更に105 ℃、3時間真空乾燥し、乳鉢にて粉砕する
ことにより得た表面処理酸化マグネシウム) b-3;表面処理酸化マグネシウムB (酸化マグネシウムに対して1重量%のテトラエトキシ
シランを上記表面処理酸化マグネシウムAと同様に処理
することにより得た表面処理酸化マグネシウム) b-4;表面処理酸化マグネシウムC (酸化マグネシウムに対して10重量%のテトラエトキシ
シランを上記表面処理酸化マグネシウムAと同様に処理
することにより得た表面処理酸化マグネシウム) b-5;表面処理酸化マグネシウムD (酸化マグネシウムに対して10重量%のオクタデシルト
リエトキシシランを上記表面処理酸化マグネシウムAと
同様に処理することにより得た表面処理酸化マグネシウ
ム) b-6;表面処理酸化マグネシウムE (酸化マグネシウムに対して10重量%のγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランを上記表面処理酸化マ
グネシウムAと同様に処理することにより得た表面処理
酸化マグネシウム) b-7;表面処理酸化カルシウムA (酸化カルシウムに対して10重量%のテトラエトキシシ
ランを上記表面処理酸化マグネシウムAと同様に処理す
ることにより得た表面処理酸化カルシウム) 3.シラン化合物 c -1;テトラエトキシシラン
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上の説明及び実施例にて明らかな如
く、本発明の樹脂組成物からなる成形品は、ギ酸発生量
が成形品表面積1cm2 あたり1.0 マイクログラム以下に
抑制されているため、ポリオキシメチレン樹脂成形品の
ゴムのブルーミング問題を根本的に解決することができ
る。又、ポリオキシメチレン組成物からのホルムアルデ
ヒドガス発生量が少ないため、長時間の連続成形に対し
ても作業環境上好ましい樹脂組成物を連続的に且つ安定
的に製造することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシメチレン100 重量部に対し
    て、(a) 立体障害性フェノール系酸化防止剤0.01〜3重
    量部、(b) 酸化マグネシウム及び/又は酸化カルシウム
    0.001〜0.5 重量部、(c) 一般式(I)で表されるシラ
    ン化合物 0.00001〜2重量部を配合してなるポリオキシ
    メチレン組成物。 (R1)mO-Si-(R2)n (I) 〔ここで、R1は水素、炭素数1〜6の飽和或いは不飽和
    のアルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であ
    り、アルキル基及びフェニル基の一部が置換されていて
    もよい。R2は水素、炭素数1〜32の飽和或いは不飽和の
    アルキル基、フェニル基から選ばれた一種以上であり、
    その一部が置換されていてもよい。m 及びnはそれぞれ
    m=1〜4、n =0〜3の整数で、m +n =4であ
    る。〕
  2. 【請求項2】 (c) シラン化合物が、一般式(I)中の
    m が3及び/又は4のシラン化合物であることを特徴と
    する請求項1記載のポリオキシメチレン組成物。
  3. 【請求項3】 (c) シラン化合物が、一般式(I)中の
    R1が水素、炭素数1〜4の飽和アルキル基の中から選ば
    れた一種以上であるシラン化合物であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のポリオキシメチレン樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 (c) シラン化合物が、ポリオキシメチレ
    ンに配合される前に予め(b) 酸化マグネシウム及び/又
    は酸化カルシウムの表面に付着処理され、その処理が
    (b)酸化マグネシウム及び/又は酸化カルシウムに対し
    て0.01〜50重量%である請求項1〜3の何れか1項記載
    のポリオキシメチレン組成物。
  5. 【請求項5】 (b) 酸化マグネシウム及び/又は酸化カ
    ルシウムの配合量が0.005 〜0.1 重量部である請求項1
    〜4の何れか1項記載のポリオキシメチレン組成物。
  6. 【請求項6】 (c) 一般式(I)で表されるシラン化合
    物の配合量が0.00005 〜0.5 重量部である請求項1〜5
    の何れか1項記載のポリオキシメチレン組成物。
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