JPH09216354A - インクジェットプリント装置、ヘッドユニットおよびインクジェットカートリッジ - Google Patents

インクジェットプリント装置、ヘッドユニットおよびインクジェットカートリッジ

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JPH09216354A
JPH09216354A JP8025701A JP2570196A JPH09216354A JP H09216354 A JPH09216354 A JP H09216354A JP 8025701 A JP8025701 A JP 8025701A JP 2570196 A JP2570196 A JP 2570196A JP H09216354 A JPH09216354 A JP H09216354A
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芳紀 中島
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Shuichi Murakami
修一 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクおよびこのインクを不溶化させる処理
液をインクジェットヘッドから吐出してプリントを行う
インクジェットプリント装置において、インクと処理液
とを重ねてプリント媒体上に打ち込むことによって生じ
るはね返りミストに含まれる不溶化物がインクジェット
ヘッド付着することを適切に防止する。 【解決手段】 プリント媒体上にインクと処理液とを重
ねて打ち込んだときに生じるはね返りミストの内容およ
び挙動に基づいてカバープレート208によりインクジ
ェットヘッドの吐出口面205において被覆する領域を
定め、また、カバープレート208を装着するインクジ
ェットヘッドを定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドユニット,
インクジェットカートリッジ,インクジェットプリント
装置に関し、詳しくは、プリント媒体上にインクおよび
該インク中の色材を不溶化または凝集させるプリント性
向上液(以下、単に処理液ともいう)を吐出してプリン
トを行うためのインクジェットヘッドユニット,インク
ジェットカートリッジおよびインクジェットプリント装
置に関するものである。
【0002】本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用
紙等、さらには金属等を、吐出されたインクおよびプリ
ント性向上液を受容する媒体(以下、プリント媒体とい
う)として用いる機器すべてに適用可能である。具体的
な適用機器としては、例えばプリンタ、複写機、ファク
シミリ等の事務機器や工業用生産機器等を挙げることが
できる。
【0003】
【背景技術】従来、インクジェット方式は、低騒音、低
ランニングコストであること、装置の小型化、カラー化
が容易であること等の利点を有し、プリンタや複写機等
に広く利用されているものである。
【0004】しかしながら、このようなインクジェット
方式を用いたプリント装置において、所謂普通紙と呼ば
れるものをプリント媒体に用いた場合、プリントされた
画像等の耐水性が不十分であることによって水等が付着
したときに滲みを生じたり、また、カラープリントを行
う場合に、フェザリングを生じない高濃度の画像と各色
間におけるにじみのない画像とを両立させることができ
ず、良好な画像堅牢性を有し、また良好な品位のカラー
画像が得られないことがある。
【0005】これに対し、インク中に含まれる色材に耐
水性を持たせたインクも近年では実用化されてきてい
る。しかしながら、これらのインクはその耐水性がまだ
不十分であるとともに、原理的に一旦乾燥した後は水に
溶解しにくいものであるため、インクジェットヘッドの
吐出口等において目詰まりを生じやすく、また、これを
防止するために装置構成が複雑になるという問題があ
る。
【0006】また、従来よりプリント物の堅牢性を向上
させるための技術が多数提案されている。
【0007】例えば特開昭53−24486号公報に
は、染色物の湿潤堅牢度を増進させるために、染色物を
後処理することで染料をレーキ化し固着させる技術が提
案されている。
【0008】また、特開昭54−43733号公報では
インクジェット方式を用いて、相互に接触すると常温ま
たは加熱時に被膜形成能が増大する2以上の成分を用い
てプリントする方法が開示されており、プリント媒体上
で各成分が接触することにより強固に密着した被膜を形
成したプリント物を得ている。
【0009】さらに、特開昭55−150396号公報
には、水性染料インクをプリント後に、染料とレーキを
形成する耐水化剤を付与する方法が開示されている。
【0010】さらには、特開昭58−128862号公
報では、ドットを形成すべき位置をあらかじめ認識し、
その位置においてプリント用インクと処理インクとを重
ねてプリントするインクジェットプリント方法を開示し
ている。ここでは、プリント用インクに先立って処理イ
ンクを吐出したり、これとは逆に先に吐出されたプリン
ト用インク上に処理インクを重ねたり、さらには、先に
吐出された処理インク上にプリント用インクを重ねた
後、さらに処理インクを重ねることにより、プリント物
の耐水性等の向上を図っている。
【0011】一方、インクジェットプリント方式には、
次のような問題があることもよく知られたことである。
【0012】第1に、インクジェット方式は、インクジ
ェットヘッドからインク液滴を紙,OHPフィルムなど
のプリント媒体に吐出してプリントを行うものであるた
め、吐出したインク滴以外に発生した微細なインク滴や
プリント媒体へ吐出したインク滴の跳ね返りなどのミス
トを生じることがあり、これらのミスト等がインクジェ
ットヘッドの吐出口面に付着することがある。このよう
なインク滴が吐出口の周囲に多量に付着し、又はこれに
紙粉等の異物が付着した場合には、インク吐出が阻害さ
れ、吐出方向が偏向したり(ヨレ)、インク液滴が吐出
しない(不吐出)等の弊害を引き起こすという問題があ
る。
【0013】第2に、インクジェットヘッドは、非吐出
時、特に長期にわたって吐出を行わないときは吐出口内
のインクが増粘,固化することもあり、この場合にも、
ヨレや不吐出などの吐出不良を引き起こすことがある。
【0014】インクジェットプリント方式では、このよ
うな不都合を解消するための構成として次のようなもの
を有していることも、従来より知られているところであ
る。
【0015】上記第1の問題に関して上述のインクミス
トにより吐出口面に付着したインクや紙粉等の異物を清
掃除去する手段として、ゴムなどの弾性部材で形成した
ブレードにより吐出口面を掃拭(ワイピング)する構成
が一般的に採用されている。
【0016】また、第2の問題に関して、非記録時には
キャップにより吐出口面を覆い、これにより、インクジ
ェットヘッドの吐出口内のインクが蒸発,乾燥して増
粘,固着するのを防ぐ構成を用いている。また、仮に、
増粘,固着によって吐出不良を生じたり、第1の問題に
関してブレードで除去しきれなかった異物などがある場
合でも、キャップに接続された吸引ポンプにより吐出口
内の増粘インクや吐出口面に付着したインク等を排出し
正常な吐出に回復することも行っている。
【0017】さらに、オンデマンド型のインクジェット
プリント方式のプリント動作においては、プリントデー
タによるが通常は一つのヘッドに設けられた複数の吐出
口の全てを常に使用しているわけではなく、ある時間以
上使用されない不使用吐出口が存在することがある。ま
た、カラープリント装置のように色ごとの複数のインク
ジェットヘッドを有する場合でも、プリントデータが転
送されないことにより(プリントが行われないことによ
り)、インクジェットヘッド全体が不使用の場合もあ
る。このように吐出口面がキャップされない状態で、あ
る時間連続してプリント動作を行うことがあるが、この
ような場合にもインク吐出が行われない吐出口面及び吐
出口内のインクの蒸発,乾燥が促進され、結果として吐
出性能の低下、画像品位の低下を引き起こすこととな
る。
【0018】このような問題に対しては、上述した吸引
回復とともに、あるいはこれとは別個に、例えば所定時
間毎にプリントデータとは無関係に所定の場所でインク
の吐出を行い、吐出口内のインクを排出してフレッシュ
なインクにすることによって吐出状態を常に適性に保
つ、いわゆる予備吐出を行っている。この予備吐出は、
プリント媒体や装置内部に飛散して汚れが発生しないよ
うに、例えば回復ユニットのキャップ内や別個に設けた
予備吐出受け部材に向けて吐出される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェットプリント装置において、従来より知られている
上述のようなプリント物の耐水性等に関する問題および
吐出不良に関する問題を、同時に解決することが容易で
ない場合がある。
【0020】すなわち、耐水性や画質向上の観点から、
インクを不溶化する処理液を用いる場合には、耐水性,
画質等は向上するものの、上述したはねかえりミストに
よって吐出口面の吐出口部およびその近傍にこの不溶化
したものが付着するとこのような付着物は上述したワイ
ピングや予備吐出によって除去し難いものとなり、比較
的重大な吐出不良などの弊害を引き起こすことがある。
【0021】インクの不溶化したものの付着は主に次に
示す2つの現象によって発生することがある。1つ目
は、インクジェットヘッドから吐出されたインク滴や処
理液がプリント媒体上で跳ね返り、それらが混合してイ
ンクジェットヘッドに付着する場合であり、特に、処理
液がすでに吐出された所にインク滴が吐出されると、処
理液とインク滴が既に反応した不溶化物として跳ね返え
り付着する場合である。2つ目は、プリント中にプリン
ト媒体としての紙等が紙詰まりを起こしたり、何枚もの
紙が重送されるなどの不具合が発生した際に、すでに紙
のプリントされた部分がインクジェットヘッドの吐出口
部に付着し、これによって吐出口部で不溶化が生じる場
合などがある。
【0022】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、インク
ジェットヘッドの吐出口部への不溶化物の付着を防止も
しくは低減し、安定した吐出を行なわせることができる
ヘッドユニット,インクジェットカートリッジおよびイ
ンクジェットプリント装置を提供することにある。
【0023】本発明の他の目的は、プリント中における
インクジェットヘッドへのインク滴や処理液、あるいは
それらの混合物が、その跳ね返りやミストによって吐出
口部に付着することを防止することができるインクジェ
ットヘッド,インクジェットカートリッジおよびインク
ジェットプリント装置を提供することにある。
【0024】さらに、本発明の目的は、インクジェット
ヘッドの吐出口面とプリント媒体とが接触した際の吐出
口部への不溶化物の付着を防止することができるヘッド
ユニット,インクジェットカートリッジおよびインクジ
ェットプリント装置を提供することにある。
【0025】本発明のさらに他の目的は、プリント媒体
上でインクと処理液とが互いに衝突することによって生
ずるはね返り液によるミストの挙動に基づいて吐出口面
を覆う範囲を適切に定めた手段を有するヘッドユニッ
ト,インクジェットカートリッジおよびインクジェット
プリント装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを吐出するインク吐出部と、該インクを不溶化さ
せる処理液を吐出する処理液吐出部とを用い、プリント
媒体上にインクおよび処理液を重ねて吐出することによ
りプリントを行うインクジェットプリント装置におい
て、インク吐出部および処理液吐出部が少なくともプリ
ントのためのそれぞれインクおよび処理液の吐出を行う
とき、当該インク吐出部および当該処理液吐出部の少な
くとも一方におけるインク吐出口または処理液吐出口の
周囲を覆う被覆手段、を具えたことを特徴とする。
【0027】また、インクを吐出するためのヘッドユニ
ットにおいて、該インクジェットヘッドにおけるインク
吐出口の周囲を覆うプレート部材、を具えたことを特徴
とする。
【0028】また、他の形態として、インクを吐出する
インク吐出部と該インクを不溶化する処理液を吐出する
処理液吐出部とを有するヘッドユニットにおいて、前記
インク吐出部および前記処理液吐出部の少なくとも一方
におけるインク吐出口の周囲または処理液吐出口の周囲
を覆うプレート部材、を具えたことを特徴とする。
【0029】さらに、インクを吐出するためのインクジ
ェットヘッドと、該インクジェットヘッドに供給するイ
ンクを貯留したインクタンクとを一体に有したインクジ
ェットカートリッジにおいて、該インクジェットヘッド
におけるインク吐出口の周囲を覆うプレート部材、を具
えたことを特徴とする。
【0030】他の形態として、インクを吐出するインク
吐出部、該インクを不溶化する処理液を吐出する処理液
吐出部、前記インク吐出部に供給するインクを貯留した
インクタンクおよび前記処理液吐出部に供給する処理液
を貯留した処理液タンクを一体に有したインクジェット
カートリッジにおいて、前記インク吐出部および前記処
理液吐出部の少なくとも一方におけるインク吐出口の周
囲または処理液吐出口の周囲を覆うプレート部材、を具
えたことを特徴とする。
【0031】以上の構成によれば、インクと処理液を重
ねて吐出する場合に、プリント媒体上でのこれらのはね
返りによってミストが生じるが、このミストが被覆手段
によって少なくともインク吐出部の吐出口面に付着する
ことを防止できる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明は、吐出の結果生じるプリ
ント媒体からのはね返りによって生じるミストの挙動を
検討した結果として新規な観点からなされたものであ
る。
【0033】すなわち、このようなはね返りミストがあ
る場合に問題となるのは、上述したように、はね返りミ
ストにおける不溶化物がインクジェットヘッドの吐出口
又はその近傍に付着して重大な吐出不良を生じさせるこ
とである。従って、本発明の第1の実施形態では、はね
返りミストの挙動を検討し、これらが付着しようとする
部分に対して被覆する手段を設けることにより、吐出口
又はその近傍はもとより吐出口面自身に不溶化物が付着
することを防止するか、又はその付着量を低減するもの
である。
【0034】このような被覆手段を設ける場合、吐出口
面においてそれを設ける範囲が問題となる。以下、被覆
範囲の検討について説明する。
【0035】図1(a)〜(c)は、吐出された液滴が
プリント媒体もしくは、プリント媒体上に形成された液
体膜に衝突した際のはね返り等の挙動を説明する模式図
であり、同図(a)は液滴がプリント媒体に直接衝突し
た場合を、同図(b)は比較的薄い液体膜に衝突した場
合、同図(c)は比較的厚い液体膜に衝突した場合をそ
れぞれ示すものである。なお、各図(a)〜(c)のそ
れぞれは図中上から順に時間の経過に伴う挙動の変化を
示しており、また、各図(a)〜(c)の状態において
液滴の速度は等しいものである。
【0036】同図(a)に示すように、液滴1がプリン
ト媒体2に直接衝突する場合、その衝突によりプリント
媒体2上で変形する液体(液滴)1は、その周囲部が突
出し、最終的に一部の液体が分離してはね返りミストを
形成する複数の液滴4を生じる。そして、この液滴4の
飛翔する方向は斜め上方に向かうものとなる。
【0037】図1(b)に示す例では、上記の例とほぼ
同様の挙動を示す。すなわち、はね返り液滴(不図示)
は、そのほとんどが吐出された液滴1の一部であり、そ
のはね返り液滴は円錐状のミストを形成する。但し、は
ね返りミストの各液滴の中には、吐出液滴1に関して、
プリント媒体上に形成される液体膜3の性質に応じた割
合で液体膜3を形成する液体が混入する。
【0038】上記二例に対して、図1(c)に示す例で
は、はね返り液滴(不図示)の方向は同一であるもの
の、その液滴を形成する液体は、ほとんどが液体膜3の
液体となる。これは、液滴1が液体膜3と衝突する際、
その厚さによって、衝突のエネルギーは反射的に液滴1
に作用するよりも液体膜3を形成する液体に伝わるから
である。なお、液滴1の速度が増した場合は、衝突の際
の挙動は、図1(b)に示す状態に近づくものとなる。
【0039】以上の説明から明らかなように、はね返り
ミストは、円錐状にはね返るものであるため、一定の条
件下では吐出口およびその近傍に付着する可能性は小さ
いかもしくは付着したとしてもその量は少ないが、本発
明の実施形態において被覆手段を設ける場合上述のよう
な挙動を示すはね返りミストにより吐出口面のいずれの
部分が付着する領域となるかが問題となる。
【0040】まず、図1に関する上述の説明から明らか
なように、円錐状に形成されるはね返りミストは、イン
ク等を吐出したその吐出口自身に対しては、ミストが付
着する可能性は小さいかもしくは付着量を極めて少ない
が、例えば複数の吐出口が配列するインクジェットヘッ
ドにおいては、隣接する吐出口から吐出されたインク等
のはね返りミストが吐出口又はその近傍に付着するおそ
れがある。
【0041】このため、被覆範囲の基本的な形態とし
て、吐出口およびその近傍の周囲のみに対応する部分が
開口する被覆範囲とし、これにより、特に隣接する吐出
口について生じるはね返りミストが吐出口およびその近
傍に付着する量を低減する。
【0042】次に、本願発明者等は、インクジェットヘ
ッドとプリント媒体との間の距離(以下、紙間距離とも
いう)に応じて、その付着領域を含め液体の付着状態が
大きく異なることを見い出した。本発明の他の実施形態
では、この観点から被覆範囲を適切に定めるものであ
る。
【0043】図2(a)〜(d)は、紙間距離によって
はね返りミストおよびその付着の状態が異なる様子を示
す模式図である。これらの図に示す各状態は、各吐出口
の吐出量が7〜15[pl]で、吐出速度が10〜20
[m/sec]の条件の下での状態を示し、また、それ
ぞれの吐出デューティーは相互に等しいものである。
【0044】なお、これらの図は、インクジェットヘッ
ドの吐出口に関して、はね返りミストの位相を対称なも
のとして示しているが、例えば実際のプリント装置の中
には、インクジェットヘッドがプリント媒体に対して相
対移動するものがあり、この場合には、厳密には上記の
ような対称性は保証されない。しかしながら、以下の説
明は、はね返りミストの付着に関するものであり本質的
に上記対称性が関与するものではなく、また、相対移動
があっても、液滴の速度の相対移動方向の成分により上
記対称性からのずれはわずかなものにすぎない。従っ
て、以下の説明は、インクジェットヘッドが相対移動す
る場合にも、その本質において妥当なものである。
【0045】図2(a)は、紙間距離が2.0mmの場
合のはね返りミストの様子および吐出口面のミスト付着
の状態を示す図である。同図に示すように、インクジェ
ットヘッド5の吐出口6から吐出されたインク滴は、図
1に示すようなプリント媒体2におけるはね返りによっ
てはね返りミスト7を形成するが、このミスト7のほと
んどは、紙間距離が比較的大きいため吐出口面5Aには
到達せず、従って、吐出口面5Aにはほとんどミストが
付着しない。
【0046】紙間距離を上記の場合より小さくしていく
と、吐出口から離れた周囲の部分にわずかにミスト7が
付着し始める。さらに紙間距離を小さくし、例えば図2
(b)示すように、紙間距離を1.5mmとしたとき
は、吐出口6の比較的近くの領域にミストが付着する。
しかし、この場合でも、吐出口およびその近傍ではミス
トの付着はほとんどみられない。そして、この図および
図2(c),(d)に示すように、各吐出口に関する個
々のはね返りミストは、上述のように円錐状となるもの
の、複数の吐出口において同時にある一定の吐出デュー
ティーで吐出が行われるときには、吐出口の配列に沿っ
て、その配列の両側にミストが付着する。
【0047】次に、紙間距離が1.0mm前後となる
と、はね返りミストの様子は上述したものと異なる場合
がある。すなわち、ある吐出口に着目するとき吐出デュ
ーティーが比較的低く、例えば吐出が間欠的になされる
場合には、その吐出口に関して形成されるはね返りミス
トは図2(a),(b)に示したものと同様となる。し
かしながら、吐出デューティーがある程度高くなると、
その連続的な吐出によりはね返りミストは渦を形成す
る。このような渦の形成には、上述のように吐出デュー
ティーが1つの要因となるが、他に、紙間距離や吐出時
間が関与するものである。
【0048】図3および図4は、はね返りミストが渦を
形成する過程を説明する模式図である。なお、以下の説
明は、渦の形成を含め、吐出口面におけるミスト付着状
態からの推察に基づいてなされるものである。
【0049】図3に示すように、インクジェットヘッド
5の吐出口6からインク等の吐出が行われると、上述し
たように図中B方向に向うはね返りミスト7が形成され
るが、上記吐出が連続的である場合には、その連続的に
吐出されるインク滴の飛翔により図中Aに示すような気
流を生じ、これによって、はね返りミスト7は徐々に図
中中央側へ向う力を受けて、最終的に図4に示すような
渦を形成する。
【0050】なお、この渦形成においても、前述したイ
ンクジェットヘッドの相対移動が関与する。すなわち、
連続的な吐出が行われる場合、上記相対移動によりそれ
らの着弾位置は連続的にずれていくため、厳密には、図
4に示すような渦は形成されない。しかしながら、前述
したように、はね返りミスト自体が相対移動方向の速度
成分を有していること、およびその成分と比較して吐出
速度がはるかに大きいことから、ある着目する吐出口に
関しては、ほぼ図4に示すような渦が形成されると推定
される。
【0051】再び図2を参照すると、上述した渦の形成
により図2(c)に示すように、吐出口面5Aの吐出口
近傍に付着するミストの量は多くなり、また、付着滴の
大きさもより大きなものとなる。
【0052】さらに、紙間距離を小さくし、0.5mm
程度とすると、吐出口部分およびその近傍のミストの付
着量が急激に増大する。
【0053】以上の説明から明らかなように、はね返り
ミストが吐出口面において付着する領域は、紙間距離に
応じて異なる。従って、本実施形態では、装置構成にお
いて紙間距離がどのように定められているかに応じて吐
出口面を覆う部材による被覆範囲を定める。例えば、図
2(a)に示すように紙間距離が比較的大きく、はね返
りミストが付着するおそれがない装置では被覆部材を設
けなくてもそれ程支障はない。また、同図(b)に示す
ように、付着範囲が吐出口から離れた周囲である装置で
は、少なくともその周囲の部分のみ覆うようにすると効
果的である。さらに、同図(c)に示すように、渦が形
成され、吐出口近傍にまではね返りミストが付着するお
それがある装置では、吐出口およびその近傍に対応する
部分のみ開口を設け他の部分を覆うものとする。
【0054】また、本実施形態では、以上のような被覆
部材の態様に応じて、吐出口面のワイピングの構成を異
ならせ、これにより、不溶化物の吐出口面への付着を適
切に防止するとともに、インクジェットヘッドの温度変
化に起因して生じる結露等の水滴や紙粉を良好に除去す
ることができる。
【0055】本発明の第2の実施形態では、インクとこ
れを不溶化する処理液もしくはこの処理液を含んだイン
クとの吐出順序に応じて、各インクジェットヘッドに対
する被覆手段の態様を異ならせる。以下、吐出順序に応
じた各インクジェットヘッドへの不溶化物の付着の状態
を説明する。
【0056】図5(a)〜(d)は、処理液Sを吐出す
るインクジェットヘッド(以下、処理ヘッドという)と
黒インクKを吐出するインクジェットヘッド(以下、黒
インクヘッドともいう)とを用いたときにその吐出順序
によってそれぞれの吐出口面に付着する液滴の違いを説
明する模式図である。なお、これらの図において、吐出
口面における吐出口列の図示は省略されている。
【0057】図5(a)に示すように、処理液ヘッドの
みで吐出が行われる場合には、図2〜図4にて説明した
はね返りミストによりその処理液ヘッドの吐出口面5A
に処理液のみが付着する。同様に、黒インクヘッドのみ
で吐出が行われる場合には、同図(b)に示すように、
その吐出口面5Aに黒インクKのみが付着する。
【0058】これに対し、実際のプリントにおいて黒ド
ットを形成しようとするとき、同図(c)に示すように
処理液S、黒インクKの順に吐出を行う場合には、処理
液ヘッドの吐出面5Aには、処理液Sの液滴が付着し、
黒インクヘッドの吐出口面5Aには、黒インク中に処理
液Sと黒インクKとが反応して生じる凝集物の粒子が比
較的多く存在した液滴が付着する。この凝集物を含んだ
液滴は、吐出口面5Aにおいて不溶化物となり除去し難
いものとなる。
【0059】一方、同図(d)に示すように、黒インク
K、処理液Sの順で吐出を行う場合には、処理液ヘッド
の吐出口面5Aには、処理液Sの液滴中に上述した凝集
物の粒子を1〜2個含んだものが付着し、また、その付
着量は同図(c)に示す黒インクヘッドの場合より少な
くなる。また、黒インクヘッドの吐出口面5Aには、黒
インクの液滴のみが付着する。
【0060】図6(a)および(b)は、図5(c)お
よび(d)に示した吐出順序の違いによる液滴付着の違
いを説明する図であり、同図(a)は、図5(c)に対
応して処理液S、黒インクKの順で吐出した場合のはね
返りミストの生成を示し、図6(b)は、図5(d)に
対応して黒インクK、処理液Sの順で吐出した場合のは
ね返りミストの生成を示している。
【0061】はね返りミストの生成は、図1にも示した
ように、プリント媒体に衝突した液滴が変形し、その一
部が分離して飛翔することによるものである。すなわ
ち、吐出順に応じて既に処理液又は黒インクが吐出され
ている場合、それらはプリント媒体上に薄い膜となって
形成されており、そこに次に着弾する黒インク又は処理
液はすでに形成されている薄膜の液面を押しのけその液
体を飛翔させるよりは自身が変形,分離して飛翔する。
従って、はね返りミストを形成する液滴の大部分は、後
から吐出された液体となり、その一部に衝突の際2液の
境界部に接する先行吐出の液体が含まれるものとなる。
【0062】図6(a)に示す場合、既に処理液Sが吐
出されてその薄膜が形成されており、この部分に黒イン
クKが吐出されると、その衝突によって黒インクを主体
としその一部に処理液を含んだ液滴が飛翔する。この場
合、黒インクKと処理液Sとの間では処理液S側から黒
インクK側へ向う方向性を有した反応を生じて凝集物が
形成されるため、はね返りミストを形成する黒インク滴
の中には比較的多数の凝集物が含まれることになる。
【0063】これに対し、図6(b)に示すように、吐
出順序が黒インクK、処理液Sの場合は、はね返り液滴
の飛翔方向に対して上記反応の方向性が逆となるため、
はね返りミストを形成する処理液Sの液滴中に存在する
凝集物は、かなり少ないものとなる。
【0064】以上説明したように、吐出順序によって不
溶化物の付着の程度が異なる。このため、本発明の第2
の実施形態では、処理液Sおよびその他のインクを吐出
するための複数のインクジェットヘッドおいてそれらの
吐出する順序に応じて被覆手段の配設を異ならせる。
【0065】本発明の第3の実施形態では、吐出口面に
不溶化物が付着することは許容するものの、少なくとも
吐出口およびその近傍に不溶化物が付着することを防止
するように被覆手段を設けるものである。
【0066】図7は、本実施形態の被覆手段の一例を示
す図であり、インクジェットヘッドの吐出口5Aにおけ
る吐出口列からある程度離れた周囲部をカバー8によっ
て覆った場合において、図2(c)に示す紙間距離を示
す装置の例を示す。
【0067】すなわち、上記紙間距離の場合において、
図7に示すようなカバーを用いるときは、前述したよう
に吐出口およびその近傍にはね返りミストが付着する
が、本願発明者等はインクジェットヘッドの走査によっ
て生ずる気流の影響により図7に示すような付着分布を
生じることに着目したものである。
【0068】なお、以上説明した被覆部材は、最終的に
不溶化物の付着を防止ないしは低減することを目的とす
るものであるが、上述のような処理液を併用するインク
ジェット装置に限られず、通常のインクのみを用いるイ
ンクジェット装置においてもインクが吐出口面に付着す
ることを防止する上で同様な作用、効果を奏することが
できる。
【0069】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0070】図8は、本発明の一実施例に係るインクジ
ェットプリント装置の概略図を示す斜視図である。
【0071】図8において、装置100の給紙位置に挿
入された記録媒体106は、送りローラ109によって
インクジェットユニット103によるプリント可能領域
へ搬送される。このプリント可能領域におけるプリント
媒体の背面部には、プラテン108が設けられている。
【0072】キャリッジ101は、2本のガイド軸10
4および105によって一定の方向に移動可能な構成と
なっており、これにより、ヘッドユニット103はプリ
ント領域を往復走査することができる。キャリッジ10
1には、後述される各ユニットを搭載することができ
る。すなわち、複数の色それぞれのインクと処理液を吐
出するインクジェットヘッドと、それぞれのインクジェ
ットヘッドにインク又は処理液を供給するためのインク
タンクを含むインクジェットユニット103が搭載され
る。例えば複数の色のインクとしては、ブラック(B
k)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)
の4色を用いることができる。
【0073】キャリッジ101が移動可能な領域の左端
においては、その下部に回復系ユニット110が設けら
れ、非プリント時等に各インクジェットヘッドの吐出口
部をキャップすること等が可能となる。この左端位置を
各インクジェットヘッドのホームポジションと呼ぶ。
【0074】107はスイッチ部と表示素子部を示し、
スイッチ部はインクジェットプリント装置の電源のオン
/オフや各種プリントモードの設定時等に使用され、表
示素子部はプリント装置の各種状態を表示するためのも
のである。
【0075】図9は、キャリッジ101に搭載可能なイ
ンクジェットユニット103の一例を示す斜視図であ
る。
【0076】この例は、ブラック、シアン、マゼンタ、
イエローの各色インクと、処理液のタンクが全て独立に
交換可能な構成の場合である。
【0077】キャリッジ101にはBk,C,M,Yお
よび処理液をそれぞれ吐出する5個のインクジェットヘ
ッドがヘッドユニット102として搭載され、また、B
k用タンク20K、C用タンク20C、M用タンク20
M、Y用タンク20Y、及び、処理液のタンク21が搭
載される。各タンクはそれぞれが対応するインクジェッ
トヘッドとの接続部を介してそれぞれインクジェットヘ
ッドと接続し、インク又は処理液を供給する。なお、上
例以外にも、例えば、処理液とBkのタンクを一体構造
としても良く、また、C,MおよびYのタンクを一体構
造としても良い。
【0078】図10は、各色インク又は処理液を吐出す
るためのインクジェットヘッドの詳細な構成を示す拡大
断面図である。
【0079】同図に示すように、インクジェットヘッド
200は、複数のインク吐出口を備え、それぞれの吐出
口に対応して電気熱変換体である発熱体を配置し、吐出
情報に対応した駆動信号を発熱体に印加して吐出口から
インク又は処理液を吐出させる方式を採用するものであ
る。
【0080】発熱体230は、各吐出口毎にそれぞれ独
立に発熱可能な構成となっている。発熱体230の発熱
により急速に加熱されたインク路240内のインクは膜
沸騰により気泡を形成し、この気泡生成の圧力によりイ
ンク滴又は処理液235がプリント媒体106に向かっ
て吐出され、プリント媒体106上に文字や画像がプリ
ントされる。この時、吐出される各色のインク又は処理
液の体積は5〜80ngである。
【0081】吐出口223の各々には、吐出口に連通す
るインク路240が設けられており、インク路240が
配設される部位の後方にはこれらインク路にインクを供
給するための共通液室232が設けられる。吐出口22
3の各々に対応するインク路240には、上述の発熱体
230やこれに電力を供給するための電極配線(不図
示)が設けられている。これら、発熱体230や電極配
線は、シリコン等からなる基板233上に成膜技術によ
って形成される。発熱体230の上にはインクと発熱体
が直接接触しないように保護膜236が形成されてい
る。さらに、この基板上に樹脂やガラス材よりなる隔壁
34を積層することによって上記吐出口、インク路、共
通液室等が構成される。
【0082】このように、発熱体を使用した記録方式
は、インク滴吐出時に熱エネルギー印加により形成され
る気泡を使用しているため、通称バブルジェット方式と
呼ばれている。
【0083】インク染料を不溶化する処理液は、一例と
して以下のようにして得ることができる。
【0084】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社
製)にて加圧濾過した後、NaOHでpHを4.8に調
整し、処理液Alを得ることができる。
【0085】[Alの成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウム塩 2.0部 (商品名;エレクトロストリッパQE、花王株式会社製) または、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド (商品名;ユータミン86P、花王株式会社製) カチオン性化合物の高分子成分 ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体 3.0部 (平均分子量;5000) (商品名;ポリアミンスルホンPAS−92、 日東紡績株式会社製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0086】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)に
て加圧濾過してイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック
のインクY1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0087】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH 0.05部 (川研ファインケミカル株式会社製) 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代えた以外はY1と 同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以外はY1と同じ 組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外はY1と同じ組成 以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)とインクとの
混合において、本発明では、上述した処理液とインクが
被プリント材上あるいは被プリント材に浸透した位置で
混合する結果、反応の第1段階として処理液中に含まれ
ているカチオン性物質の内、低分子量の成分またはカチ
オン性オリゴマーとインクに使用しているアニオン性基
を有する水溶性染料とがイオン的相互作用により会合を
起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。
【0088】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体が処理液中に含まれる高分子成分により吸着
されるために、会合で生じた染料の凝集体のサイズがさ
らに大きくなり、被プリント材の繊維間の隙間に入り込
みにくくなり、その結果として固液分離した液体部分の
みが記録紙中にしみこむことにより、プリント品位と定
着性との両立が達成される。同時に上述したようなメカ
ニズムにより生成したカチオン物質の低分子成分または
カチオン性オリゴマーとアニオン性染料で形成される凝
集体は粘性が大きくなり、液媒体の動きとともに移動す
ることがないので、フルカラーの画像形成時のように隣
接したインクドットが異色のインクで形成されていたと
しても互いに混じり合うようなことはなく、ブリーデイ
ングも起こらない。また、上記凝集体は本質的に水不溶
性であり形成された画像の耐水性は完全なものとなる。
また、ポリマーの遮蔽効果により形成された画像の耐光
堅牢性も向上するという効果も有する。
【0089】本明細書において使用される「不溶化」ま
たは「凝集」の用語は、前記第1段階のみの現象また
は、第1段階と第2段階の両方を含んだ現象を意味す
る。
【0090】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0091】図11は、本実施例のプリント装置におけ
る回復ユニット110の一例を示す斜視図である。
【0092】図9に示したヘッドユニットに対応し、B
k用のキャップ112と、C用のキャップ114と、M
用のキャップ115と、Y用のキャップ116と、処理
液用のキャップ113が設けられる。各キャップは上下
方向に移動可能に設けられ、これにより、ヘッドユニッ
トがホームポジションに位置するときは各インクジェッ
トヘッドの吐出口面と接合してこれをキャッピングし、
各インクジェットヘッドにおける吐出口内のインクの蒸
発を阻止し、この蒸発に起因するインクの増粘や固着に
よる吐出不良を防止する。回復ユニットの各キャップは
不図示のポンプユニットに連結しており、これにより、
キャップユニットとインクジェットヘッドとを接合させ
た状態でインクを吸引する吸引回復処理などに際してキ
ャップ内に負圧を発生させることができる。ポンプユニ
ットは処理液専用と、インク用の各ヘッドごとに独立に
設け、廃液はそれぞれ独立した経路により廃液タンクに
送られる。これはキャップ及びポンプ内でプリント用の
各色インクと処理液の接触による不溶化がポンプ内で起
こらない様にするものである。なお、ポンプユニットは
処理液用とプリント用の各色インク用の2つであっても
良い。
【0093】回復ユニットには、さらに、処理液吐出用
インクジェットヘッドの吐出口面をワイピングする処理
液ブレード117と、インク吐出用インクジェットヘッ
ドの吐出口面をワイピングするためのインクブレード1
18が設けられている。これらの各ブレードは、インク
ジェットヘッドの吐出口面に付着したインクや処理液を
ワイピングするための、ゴムなどの弾性部材で形成され
たものである。また、各ブレードは各インクジェットヘ
ッドの移動によってその吐出口面をワイピングすべく上
昇した位置と、吐出口面に干渉しないように下降した位
置が取れるよう、不図示の昇降装置により上下方向に移
動可能な構成となっている。なお、その動作の詳細につ
いては後述する。
【0094】図11から明らかなように、ワイピング動
作によりインクジェットヘッドの吐出口面でインクと処
理液が混合して不溶化することを防ぐために、処理液吐
出部分をワイピングする処理液ブレード117と、イン
ク吐出部分をワイピングするためのインクブレード11
8とは独立に設けられ、さらに独立に上下動できる構成
となっている。
【0095】図12は、本実施例に係るインクジェット
プリント装置の制御構成を示すブロック図である。
【0096】図12において、ホストコンピュータか
ら、プリントすべき文字や画像のデータ(以下画像デー
タという)が本例プリント装置の受信バッファ401に
入力される。また、正しくデータが転送されているかを
確認するデータや、プリント装置側の動作状態を知らせ
るデータがプリント装置側からホストコンピュータに転
送される。受信バッファ401に保持された画像データ
はCPU402の管理のもとでメモリ部403に転送さ
れ、そのRAM(ランダムアクセスメモリ)に一時的に
格納される。メカコントロール部404は、CPU40
2からの指令によりキャリッジモータやラインフィード
モータ等のメカ部405を駆動する。センサ/SWコン
トロール部406は、各種センサやSW(スイッチ)か
らなるセンサ/SW部407からの信号をCPU402
に転送する。表示素子コントロール部408は、CPU
402からの指令により表示パネル群のLEDや液晶表
示素子等からなる表示素子部409を制御する。ヘッド
コントロール部410はCPU402からの指令により
各インクジェットヘッド200の駆動を制御する。ま
た、ヘッドコントロール部410はインクジェットヘッ
ド200の状態に関して、不図示のセンサによって検出
される温度情報等をCPU402に伝える。
【0097】図13は、図8等に示したインクジェット
ユニット103を構成することができるヘッドユニット
の一例を吐出口面において示す図である。
【0098】ヘッドユニット102は、それぞれ黒イン
クKを吐出する2つのインクジェットヘッド200Bk
1,200Bk2と処理液Sを吐出するインクジェット
ヘッド200Sとからなり、各ヘッドチップはフレーム
204によりピッチ1/2インチで配設されている。な
お、吐出口列方向での駆動のタイミングを考慮して傾け
て(tanθ=1/160)各ヘッドチップが配設され
る。各ヘッドチップBk1,SおよびBk2は共に図1
0にその一例を示した同一の構造のものを使用してお
り、その吐出特性は以下に示されるものである。
【0099】<Bk1/S/Bk2> (吐出特性) 吐出数:160(分割ブロック数:16ブロック順次駆
動) 解像度:360dpi 駆動周波数:8.0(KHz) 吐出量:Vd=80±4(pl/dot) 吐出速度:15±0.5(m/s) 図13に示すように、処理液Sを吐出するインクジェッ
トヘッド200Sを挾むように黒インクKを吐出するイ
ンクジェットヘッド200Bk1および200Bk2が
配設され、このヘッドユニット102により、キャリッ
ジ101による走査のAおよびBの双方向で黒画像のプ
リントを行う。
【0100】この場合、前述した本発明の第2の実施形
態によれば、不溶化物排除の観点からA方向のプリント
では、インクジェットヘッドBk1,Sの順で吐出を行
い、またB方向のプリントではインクジェットヘッドB
k2,Sの順で吐出を行い、必ず黒インクKが処理液S
に先だって吐出されるようにすることが好ましい。これ
により、インクジェットヘッド200Sに付着するはね
返りミストが不溶化物の混入がほとんど無いものとする
ことができる。そして、この場合、不溶化物の混入はほ
とんど無いものの万全を期して後述されるカバー部材を
装着する場合は、インクジェットヘッド200Sの吐出
口面に装着する。
【0101】一方、図13に示すヘッドユニット102
において処理液Sを先に吐出し、黒インクKを後に吐出
する吐出順序とする場合には、黒インク用のインクジェ
ットヘッド200Bk1および200Bk2の吐出口面
にカバー部材を装着し、これにより、凝集物を比較的多
く含んだはね返りミストがそれぞれの吐出口およびその
近傍に付着するのを防止することができる。
【0102】なお、図13に示すヘッドユニットを用い
た場合には、双方向プリントにおけるいずれの方向にお
いても、処理液Sと黒インクKとの吐出順序を同じもの
とすることができ、これにより、吐出順序(ドット形成
の際の重なりの順序)の違いによって生じる濃度や色味
の差に起因したプリント品位の低下を防止できる。
【0103】また、図13に示すヘッドユニットを用い
たプリント方法の変形例として、片方向プリント又は双
方向プリントにおける一方向の走査において、インクジ
ェットヘッド200Bk1,200Sおよび200Bk
2の全てのヘッドを用い、1つの画素に対して黒インク
K,処理液S,黒インクKの順で吐出を行うようにする
こともできる。すなわち、黒インクKを2回吐出し、黒
インクKの上に処理液Sを重ね、さらに黒インクを重ね
るものである。
【0104】この変形例によれば、処理液Sにさらに黒
インクKが重ねられることにより、黒インクの染料がプ
リント用紙表面に残る量を多くすることができ、これに
よって光学濃度を向上させることができる。
【0105】図14は、図8に示すインクジェットユニ
ット103を構成するヘッドユニットの他の例を吐出口
面において示す模式図である。
【0106】本例のヘッドユニットは、黒インクを吐出
するインクジェットヘッド200Bk、処理液を吐出す
るインクジェットヘッド200SおよびC,M,Yのイ
ンクを吐出する各吐出部を一体としたインクジェットヘ
ッド200CMYからなり各ヘッドチップはフレーム2
04によりピッチが1/2インチおよび1インチで配設
されている。ここで、ヘッド200Sとヘッド200C
MYとのピッチを1インチとするのは図12に示す構成
で用いたインクタンクを共用することが可能となるため
である。黒インクKを吐出するインクジェット200B
kは、図12にて上述したものと同様のものである。処
理液Sおよび各カラーインクC,M,Yのインクジェッ
トヘッド200Sおよび200CMYの吐出特性を以下
に示す。
【0107】<S> 吐出口数:160(分割ブロック数:16ブロック) 解像度:360dpi 駆動周波数:8.0(KHz) 吐出量:Vd=40±4(pl/dot) 吐出速度:12±0.5(m/s) <CMY> 吐出口数:160相当、各色48(48×3)/各色間
封止のための間隔8吐出口分(8×2) (分割ブロック数:16ブロック) 解像度:360dpi 駆動周波数:8.0(KHz) 吐出量:Vd=40±4(pl/dot) 吐出速度:12±0.5(m/s) 1ブロック当たりの開放時間:Tb=7.5(μs) 図14に示すヘッドユニットも、双方向プリントに用い
られるものである。この場合、図13に示す構成と同様
に、本発明の第2の実施形態によれば、A方向のプリン
トでは黒インクK、処理液Sの順で吐出をし、B方向の
プリントでは、シアンC,マゼンタM,イエローYの吐
出の後に処理液Sを吐出することが好ましい。これによ
れば、後から吐出する処理液Sを吐出するインクジェッ
トヘッド200Sの吐出口面に付着する不溶化物を極め
てわずかなものとすることができる。
【0108】一方、上記とは逆に、各色インクの吐出に
先立って処理液Sを吐出する場合には、黒インクKおよ
びインクC,M,Yを吐出するインクジェットヘッド2
00Bkおよび200CMYそれぞれの吐出口面にカバ
ーを装着することが好ましい。
【0109】(第1実施例)図15(a)および(b)
は、上述した各インクジェットヘッドに対して装着する
ことができる被覆手段としてのカバープレートの第1の
実施例を説明する模式図であり、図16(a)〜(e)
はカバープレートを装着した場合の各インクジェットヘ
ッドの吐出口面に対するワイピング動作を説明する図で
ある。
【0110】図15(a)に示すように、カバープレー
ト208は、各吐出口に対応しても吐出用孔208Aを
有し、これにより、その吐出用孔208Aの部分を除い
て吐出口面205Aを覆うことができる。本発明の第1
の実施形態によれば、吐出用孔208Aの径は、前述し
たように、紙間距離に応じて定めることができる。本実
施例装置の紙間距離が、例えば1mmであるとすれば、
はね返りミストによって渦が形成され、吐出口の極めて
近くまでミストが付着する可能性がある。このため、吐
出用孔208Aの径を50μmとし、はね返りミストの
渦が形成された場合でも、それによるミストの付着が生
じないようにする。
【0111】カバープレート208のインクジェットヘ
ッドへの装着は、図17に示すように吐出口面205A
にスペーサ201を設け、これにより、インクジェット
ヘッド200に対してカバープレート208を摺動可能
に設けることができる。また、カバープレート208の
インクジェットヘッドに対する固定は、カバープレート
208を磁力によって吸着される材料で構成し、インク
ジェットヘッドのスペーサ201の部分を電磁石の一部
とすることによって可能となる。そして、ブレードによ
るワイピングやキャッピングを行うときは、上記電磁石
による吸着を解除し、図15(b)に示すようにカバー
プレート208をスライドできる構成とする。
【0112】図16(a)〜(e)は、このスライドに
伴うワイピング動作を示しており、同図(a)は、カバ
ープレート208が上記電磁石による保持力によって、
インクジェットユニット103の各吐出口面に装着され
てプリントのための走査を行っている状態を示す。
【0113】そして、ワイピングによる吐出回復処理の
タイミングでは、インクジェットユニット103は、ホ
ームポジション側へ移動し、回復ユニット116(図8
参照)に隣接して設けられるプレートホルダ209の配
設位置でカバープレート208とプレートホルダ209
とを対向させ、プレートホルダ209も同様に電磁石を
形成することにより、電磁石のスイッチ切替えによって
カバープレート208を保持する(同図(b))。この
とき、プレートホルダ209は、その待機位置より、高
い位置に移動しており、カバープレート208を保持し
た後、不図示のスライド機構により待機位置まで降下す
る。その降下とともに、インクジェットユニットは、装
置の最端部まで移動した後、その移動方向を反転させる
(同図(d))。その反転に伴って、ブレード118ま
たは117(図11参照)がそれぞれ対応するインクジ
ェットヘッドの通過するタイミングに応じて上昇し、そ
れぞれの吐出口面をワイピングする(同図(e))。
【0114】図18(a)〜(c)は、それぞれ上記第
1実施例に係るカバープレートの変形例を示す平面図で
あり、同図(d)はこれらカバープレートによって覆わ
れるインクジェットヘッドの断面図である。
【0115】これら図に示すインクジェットヘッドはい
ずれも同一色のインク又は処理液について2列の吐出口
列を有し、それぞれの列の吐出口の配設位置をずらすこ
とによって、同一色のインク又は処理液に関して2倍の
解像度の吐出口列としたものである。そして、その吐出
方式は電気熱変換体であるヒータ212の面と垂直方向
にインク滴を吐出するものである。また、同図に示すヘ
ッドは、ヒータ212と吐出口206との距離等を適切
に定めることによって比較的微細なインク滴を吐出する
ことができる。
【0116】このような吐出口列を有するインクジェッ
トヘッドに対して図18(a)に示す例では、図15に
示すカバープレートと同様個々の吐出口毎に吐出用孔2
08Aを設け、また、同図(b)に示す例では、2個の
吐出口毎に吐出用孔208Aを設け、さらに、同図
(c)に示す例では、吐出用孔を設ける形態ではなく、
吐出口列全体に対応して開口部を設けるものである。こ
れら例に示す開口の形状もしくはその大きさは、前述し
たように本発明の第1の実施形態として、紙間距離に応
じて定まるはね返りミストの付着領域を考慮して定めら
れるものである。
【0117】なお、上述した実施例では、カバープレー
ト208にインクジェットヘッドに対し摺動可能に設け
られ、これにより、ワイピング等の吐出回復動作を直接
インクジェットヘッドの吐出口面に対して行うことが可
能であるとしたが、カバープレートは必ずしも吐出口面
に対して摺動可能とされなくてもよく、固定されるもの
であってもよい。この場合、キャッピングはカバープレ
ートに対して行われるが、吐出口面に付着するはね返り
ミスト以外の水滴等はワイピングによって除去できな
い。従って、この場合は、例えば、電気熱変換体の駆動
を適切に制御し吐出に至らない気泡の発生によりインク
等のメニスカスを吐出口から突出させその近傍の水滴等
を突出したインク等に合体させて取り込んだ後、予備吐
出で排出することもできる。
【0118】また、上記カバープレートがインクジェッ
トヘッドに固定的に装着されるものであっても、カバー
プレートがヘッドに着脱自在な構成のものであってもよ
い。
【0119】(第2実施例)図19は本発明の第2実施
例に係るヘッドユニットおよびカバープレートを示す模
式図である。本実施例のカバープレートは、図13に示
したヘッドユニットとは別の形態のヘッドユニットに対
応したものであり、このユニットに対して摺動可能に設
けられる。また、図21(a)〜(e)は、本例におけ
るワイピング動作を説明する図である。
【0120】本実施例のヘッドユニットは、各インクジ
ェットヘッドについて吐出口配列を2列としたものであ
り、それぞれの配列において、各列は互いに吐出口ピッ
チの1/2だけずれて配置される。これにより、各列の
2倍の解像度を実現することができる。
【0121】図19から明らかなように、2つのインク
ジェットヘッド200Bk1およびBk2に対して、カ
バープレート208は一体に形成され、上記2つのイン
クジェットヘッドの吐出口面を開口部208Bを除いて
被覆する。この被覆する範囲は、前述した本発明の第1
の実施形態に従うものである。一方、インクジェットヘ
ッド200Sについては、前述のようにその吐出口面に
付着するミストに含まれる不溶化物の量はそれ程多くな
いため、この面を覆わなくてもそれ程支障はない。
【0122】上述した構成に対するワイピング動作(お
よびキャッピングのためのカバープレートの解除動作)
は、前述した第1実施例の場合と異なり、カバープレー
トのスライドおよびワイピングの方向は、各インクジェ
ットヘッドの吐出口の配列方向となる。すなわち、図2
1(a)に示すように、インクジェットユニット103
が回復ユニット116(図8参照)に対向する位置に移
動すると、インクジェットユニット103はその位置に
停止した状態でカバープレート208は、主走査方向と
垂直な方向にスライドする(同図(b))。なお、この
スライドは、不図示のプレート保持およびそのスライド
機構によって可能となる。
【0123】カバープレート208のスライドに伴い、
このプレートに取付けられたブレード118,117が
それぞれ対応するインクジェットヘッドの吐出口面をワ
イピングし、これと同時に、カバープレート208の表
面もブレード210によりワイピングされる(同図
(b))。なお、このブレード210は、カバープレー
ト208の表面に付着した不溶化物がブレード210に
よって容易に除去できない程付着量が多いなど、その付
着状態が比較的重大な場合は、ブレードに不溶化物を溶
解することができる溶剤を含浸させておくことが好まし
い。
【0124】さらに、カバープレート208のスライド
によって、カバープレートに取付けられたブレード11
8,117はワイパークリーナ211を当接し相対的に
摺動することによってブレード118,117に付着し
た水滴等を除去することができる(同図(c))。その
後、カバープレートは、上記とは逆方向にスライドし、
この間に上述と同様の、それぞれブレード118,11
7およびブレード210によるワイピングが行われる
(同図(d),(e))。
【0125】なお、上述した形態のカバープレートにつ
いても、スライド可能とするものに限られず、固定等さ
れるものであってもよい。
【0126】図20は本実施例の変形例に係るカバープ
レート208を示す斜視図である。この変形例のヘッド
ユニット102は図19に示したものと同一のものであ
り、カバープレートのみが異なり、図20に示すカバー
プレート208は、インクジェットヘッド200Sにつ
いても2列の吐出口列の周囲の部分を除いた吐出口面2
05を覆うものである。
【0127】図20において、各インクジェットヘッド
200BK1,200S,200BK2の各吐出口に
は、インク路が連通して設けられ、各インク路には熱エ
ネルギーを発生するための電気熱変換素子が形成されて
いる。配線基板210上に設けられるコンタクトパッド
210Aはインクジェットヘッドと装置本体との電気的
なコンタクトをとるために用いられる。
【0128】カバープレート208は、ステンレス(S
US)製のプレートを接着剤により吐出口面に張り合せ
たものである。各色のインクジェットヘッドは、支持部
材209によって固定されている。そして、前述と同様
に、1つの画素をプリントするのに、ヘッド200BK
2,200S,200BK1の順、すなわち、黒イン
ク、処理液、黒インクの順で吐出する。
【0129】本変形例においては、カバープレート20
8の厚みは0.3mm、カバープレート208の開口部
の図中x方向の長さは2.5mm、y方向の長さは18
mmであり、図に示す3つの開口部は同寸法である。ま
た、カバープレート全体は、図中x方向は40mm、y
方向は20mmであり、各ヘッド間のx方向のプレート
幅は10.2mmである。さらに開口部のエッジは、略
垂直であることが望ましい。
【0130】各インクジェットヘッドは、その吐出液滴
の体積8.5pl、吐出速度18m/s、また、吐出口
は1列が300dpiの解像度で配列されている。ま
た、吐出口から用紙106までの距離は1.3mmであ
る。さらに、各ヘッドの駆動周波数は、10kHz、プ
リント解像度は600dpiである。
【0131】(第3実施例)図22(a)および(b)
は、本発明の第3実施例に係るカバープレートを示す模
式図である。
【0132】本実施例では、同図に示すように、カバー
プレートを所定の材料よりなる繊維状のものを網目状に
構成することによって形成するものである。この網目の
密度を適切に定めることによって、はね返りミストを確
実に補えることができる。なお、同図(b)に示す例
は、吐出口列に対応する部分の網目の密度を他の部分よ
り小さなものとしてインク等の吐出を阻害しないように
するとともに、吐出口近傍に付着し易いと考えられるよ
り大きな径のはね返りミストをも補えるように網目の密
度分布を定めるものである。
【0133】(他の実施例)図23および図24は、前
述した本発明の第3の実施形態に関するはね返りミスト
付着の推察される現象について説明する図である。
【0134】前述のように、紙間距離に応じてはね返り
ミストの状態は、円錐状に飛散するか(図23)、又は
渦を形成するか(図24)のいずれかである。このいず
れの場合にもインクジェットヘッド200の走査のため
の移動によりこのインクジェットヘッドに対して気流が
生じる。この気流は、まず、気流の上流側のカバープレ
ート208の存在によりまわり込む流れEを生ずる。す
なわち、カバープレート208の表面に沿って流れる気
流は、上流側のカバープレート208の角部208jで
流れの剥離を生じカバープレート208の背後にまわり
込む流れEを生じ、これにより、はね返りミストがカバ
ープレート208の背後の部分に導かれると考えられ
る。
【0135】一方、後流側のカバープレートにおいて
は、カバープレート208からある程度離れた一定の流
れDが存在し、この比較的大きな速度を有する部分に対
して後流側カバープレート208の周囲の流れが相対的
に大きな圧力を有することによって、その部分の流れ
は、図中矢印Fで示すものとなる。これにより、はね返
りミストは、後流側カバープレート208の表面側に導
かれると考えられる。
【0136】このように、本発明の他の実施例では、カ
バープレート208を適切に配置することによって、は
ね返りミストの付着位置を制御することができる。
【0137】なお、上述した各実施例では、インクジェ
ットヘッドとインクタンクとが別体である例について説
明したが、本発明の適用はこれに限られるものではな
く、これらを一体とした、いわゆるインクジェットカー
トリッジについても本発明を適用できることは明らかで
ある。
【0138】また、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する処理液はその顔料を凝集させるものを用いることが
できる。前記した無色液体A1と混合して凝集を引き起
こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることが
できる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ
顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックの各色インク、Y2,M2,C2およ
びK2を得ることができる。
【0139】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0140】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0141】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0142】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0143】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。
【0144】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0145】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0146】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0147】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、インクと処理液を重ねて吐出する場合に、プリ
ント媒体上でのこれらのはね返りによってミストが生じ
るが、このミストが被覆手段によって少なくともインク
吐出部の吐出口面に付着することを防止できる。
【0148】この結果、はね返りミスト中に存在する不
溶化物が吐出口面に付着して、インク吐出口等を塞いだ
り、吐出不良を生じさせることを防止することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の一実施形態に係るイ
ンク等のはね返りミストの生成を説明する図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係
り、紙間距離に応じたはね返りミストの形成およびその
付着の状態を説明する図である。
【図3】上記はね返りミストを説明する図である。
【図4】同様にはね返りミストによる渦形成を説明する
図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の一実施形態に係り、
インクおよび処理液の吐出順序に応じたはね返りミスト
の内容の相違を説明する図である。
【図6】(a)および(b)は上記内容の相違の原理を
説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係り、カバープレートの
配置によって生じるはね返りミストの付着位置の違いを
説明する図である。
【図8】本発明の一実施例に係るインクジェットプリン
ト装置を示す概略斜視図である。
【図9】上記装置で用いられるインクジェットユニット
を示す斜視図である。
【図10】上記インクジェットユニットを構成するイン
クジェットヘッドの一構造例を示す縦断面図である。
【図11】上記装置に設けられる回復ユニットの詳細を
示す斜視図である。
【図12】上記装置の制御構成を示すブロック図であ
る。
【図13】上記装置で用いることができるヘッドユニッ
トの一例を示す正面図である。
【図14】上記ヘッドユニットの他の例を示す正面図で
ある。
【図15】(a)および(b)は、本発明の第1実施例
に係り、はね返りミストを遮蔽するためのカバープレー
トおよびその非遮蔽状態を示す図である。
【図16】(a)〜(e)は、上記第1実施例のカバー
プレートを備える場合のワイピング動作等を説明する図
である。
【図17】上記カバープレートとインクジェットヘッド
との接合状態を説明する図である。
【図18】(a)〜(d)は、上記第1実施例の変形例
を示す図である。
【図19】本発明の第2実施例に係るカバープレートを
示す図である。
【図20】上記第2実施例の変形例に係るカバープレー
トおよびインクジェットヘッドを示す斜視図である。
【図21】(a)〜(e)は、上記第2実施例のカバー
プレートを具えたインクジェットヘッドのワイピング動
作を説明する図である。
【図22】(a)および(b)は、それぞれ本発明の第
3の実施例に係るカバープレートを示す図である。
【図23】本発明の他の実施例に係るカバープレートの
配置によるはね返りミストの付着位置制御を説明する図
である。
【図24】本発明の他の実施例に係るカバープレートの
配置によるはね返りミストの付着位置制御を説明する図
である。
【符号の説明】
2,106 プリント媒体 4,7 はね返りミスト 5,200,200Bk,200Bk1,200Bk
2,200S,200YMC インクジェットヘッド 5A,205A 吐出口面 6,206,223 吐出口 8,208 カバープレート(被覆部材) 101 キャリッジ 110 回復ユニット 117,118,210 ブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 修一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するインクジェットヘッド
    を用い、プリント媒体にインクを吐出してプリントを行
    うインクジェットプリント装置において、 インクジェットヘッドが少なくともプリントのためのイ
    ンク吐出を行うとき、当該インクジェットヘッドにおけ
    るインク吐出口の周囲を覆う被覆手段、 を具えることを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  2. 【請求項2】 前記被覆手段が覆う範囲は、少なくとも
    当該インクジェットヘッドとプリント媒体との距離に応
    じて定められることを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェットプリント装置。
  3. 【請求項3】 インクを吐出するインク吐出部と、該イ
    ンクを不溶化させる処理液を吐出する処理液吐出部とを
    用い、プリント媒体上にインクおよび処理液を重ねて吐
    出することによりプリントを行うインクジェットプリン
    ト装置において、 インク吐出部および処理液吐出部が少なくともプリント
    のためのそれぞれインクおよび処理液の吐出を行うと
    き、当該インク吐出部および当該処理液吐出部の少なく
    とも一方におけるインク吐出口または処理液吐出口の周
    囲を覆う被覆手段、 を具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  4. 【請求項4】 前記被覆手段が覆う範囲は、少なくとも
    当該インク吐出部または当該処理液吐出部とプリント媒
    体との距離に応じて定められることを特徴とする請求項
    3に記載のインクジェットプリント装置。
  5. 【請求項5】 前記被覆手段は、インク吐出部における
    インク吐出口の周囲のみ覆うことを特徴とする請求項3
    または4に記載のインクジェットプリント装置。
  6. 【請求項6】 プリントを行うとき、インク吐出部およ
    び処理液吐出部を所定方向に配列するとともに、該所定
    方向への移動を行うキャリッジ手段をさらに具えたこと
    を特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリント
    装置。
  7. 【請求項7】 プリント媒体上にインクおよび処理液を
    重ねて吐出するとき、処理液を先行して吐出する吐出制
    御手段をさらに具えたことを特徴とする請求項5または
    6に記載のインクジェットプリント装置。
  8. 【請求項8】 前記被覆手段は、前記周囲の全面に配さ
    れるプレート部材を有することを特徴とする請求項1な
    いし7のいずれかに記載のインクジェットプリント装
    置。
  9. 【請求項9】 前記プレート部材は前記インク吐出部ま
    たは前記処理液吐出部に対して移動可能に設けられるこ
    とを特徴とする請求項8に記載のインクジェットプリン
    ト装置。
  10. 【請求項10】 前記プレート部材は、該プレート部材
    の前記インク吐出部または前記処理液吐出部に対する移
    動に伴なって当該インク吐出部の吐出口面および/また
    は前記処理液吐出部の吐出口面を掃拭する掃拭部材を有
    することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット
    プリント装置。
  11. 【請求項11】 前記プレート部材の前記インク吐出部
    または前記処理液吐出部に対する着脱動作に伴なって、
    当該インク吐出部および/または前記処理液吐出部の吐
    出口面を掃拭する掃拭手段をさらに具えたことを特徴と
    する請求項9または10に記載のインクジェットプリン
    ト装置。
  12. 【請求項12】 前記プレート部材の前記インク吐出部
    または前記処理液吐出部に対する移動に伴なって当該イ
    ンク吐出部の吐出口面および/または前記処理液吐出部
    の吐出口面を掃拭するとともに、当該プレート部材の表
    面を掃拭する掃拭手段をさらに具えたことを特徴とする
    請求項9または10に記載のインクジェットプリント装
    置。
  13. 【請求項13】 インクを吐出するためのヘッドユニッ
    トにおいて、 該インクジェットヘッドにおけるインク吐出口の周囲を
    覆うプレート部材、 を具えたことを特徴とするヘッドユニット。
  14. 【請求項14】 インクを吐出するインク吐出部と該イ
    ンクを不溶化する処理液を吐出する処理液吐出部とを有
    するヘッドユニットにおいて、 前記インク吐出部および前記処理液吐出部の少なくとも
    一方におけるインク吐出口の周囲または処理液吐出口の
    周囲を覆うプレート部材、 を具えたことを特徴とするヘッドユニット。
  15. 【請求項15】 前記プレート部材は前記インク吐出口
    の周囲のみを覆うことを特徴とする請求項14に記載の
    ヘッドユニット。
  16. 【請求項16】 前記プレート部材が覆う領域は、当該
    ヘッドユニットから吐出されるインクに対する処理液の
    特性に応じて定められることを特徴とする請求項14ま
    たは15に記載のヘッドユニット。
  17. 【請求項17】 前記プレート部材は、当該ヘッドユニ
    ットに対して着脱自在に設けられることを特徴とする請
    求項13ないし16のいずれかに記載のヘッドユニッ
    ト。
  18. 【請求項18】 インクを吐出するためのインクジェッ
    トヘッドと、該インクジェットヘッドに供給するインク
    を貯留したインクタンクとを一体に有したインクジェッ
    トカートリッジにおいて、 該インクジェットヘッドにおけるインク吐出口の周囲を
    覆うプレート部材、 を具えたことを特徴とするインクジェットカートリッ
    ジ。
  19. 【請求項19】 インクを吐出するインク吐出部、該イ
    ンクを不溶化する処理液を吐出する処理液吐出部、前記
    インク吐出部に供給するインクを貯留したインクタンク
    および前記処理液吐出部に供給する処理液を貯留した処
    理液タンクを一体に有したインクジェットカートリッジ
    において、 前記インク吐出部および前記処理液吐出部の少なくとも
    一方におけるインク吐出口の周囲または処理液吐出口の
    周囲を覆うプレート部材、 を具えたことを特徴とするインクジェットカートリッ
    ジ。
  20. 【請求項20】 前記プレート部材は前記インク吐出口
    の周囲のみを覆うことを特徴とする請求項19に記載の
    インクジェットカートリッジ。
  21. 【請求項21】 前記プレート部材が覆う領域は、当該
    インク吐出部および処理液吐出部からそれぞれ吐出され
    るインクに対する処理液の特性に応じて定められること
    を特徴とする請求項19または20に記載のインクジェ
    ットカートリッジ。
  22. 【請求項22】 前記プレート部材は、当該インクジェ
    ットカートリッジに対して着脱自在に設けられることを
    特徴とする請求項19ないし21のいずれかに記載のイ
    ンクジェットカートリッジ。
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