JP2001301145A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JP2001301145A
JP2001301145A JP2000122572A JP2000122572A JP2001301145A JP 2001301145 A JP2001301145 A JP 2001301145A JP 2000122572 A JP2000122572 A JP 2000122572A JP 2000122572 A JP2000122572 A JP 2000122572A JP 2001301145 A JP2001301145 A JP 2001301145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
processing liquid
ink
head
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000122572A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Tawaraya
啓之 俵谷
Shinji Takagi
真二 高木
Takehiko Kasamatsu
健彦 笠松
Hideki Tanaka
秀樹 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000122572A priority Critical patent/JP2001301145A/ja
Publication of JP2001301145A publication Critical patent/JP2001301145A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のインクジェット記録方式で普通紙等の
記録媒体に記録する場合、インクの滲み等による画質低
下を防止するため、インクの密着性と耐水性を向上する
ための処理液を使用するシステムにおいて、記録装置の
小型化の障害とならず、スルートップやコスト面におい
ても有利な予備吐出し手段を提供する。 【解決手段】 このため、前記処理液ドットの予備吐出
を記録媒体7の搬送方向の記録開始側余白8A上で行う
よう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、より詳しくは、記録ヘッドからインクを
吐出して記録媒体上に記録ドットを形成する前、または
その後に、記録媒体上に、インク中の染料を、不溶化さ
せるための処理液を吐出させるインクジェット記録装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式で普通紙
等の記録媒体に記録する場合、インクの滲み等の影響で
記録画像の画質が低下することがある。また、記録画像
の耐水性が不十分で、保存性に欠けるという問題点もあ
った。
【0003】これらの問題点の解決策として、例えば、
特開昭58−128862号公報には、記録インクの吐
出による記録ドットの形成動作に先立って、あるいは記
録ドットの形成後に、記録インクを良好に定着させる効
果のある処理液を吐出させて処理液ドットを形成して、
それらのドットを重ねる技術が開示されている。
【0004】また、特開昭64−63185号公報に
は、インク中の染料を不溶化させるための化合物を記録
媒体に付着させた後に、記録インクを吐出させて記録ド
ットを形成する技術が開示されている。
【0005】さらに、特開平5−202328号公報に
は、記録ドットの形成動作に先だって、記録インクを良
好に定着させて耐水性を持たせるための処理液をインク
ジェット方式により吐出して記録媒体に付着方法、その
処理液をローラ塗布により記録媒体に記録させる方法、
及び記録インクと処理液とを噴射器からの飛翔中に混合
させた上、記録媒体に付着させて記録インクの耐水性と
定着性を向上させる方法が開示されている。
【0006】また、上記各従来例は、いずれも記録媒体
上における記録ドットの形成位置の全てに対して処理液
を付着させるために、必要以上に処理液を消費すること
があり、また、特に多色インクを使用するカラー記録の
場合には、必要以上の処理液によって混合が起きる問題
点があるために、インクの定着性や、耐水性を向上させ
るための処理液を最適な位置に適量だけ付着させて、そ
の処理液の機能を最大限に発揮させることの出来る技術
が知られている。
【0007】ここで、図を参照して上記提案における画
像形成の一従来例を説明する。図5は、従来のカラーイ
ンクジェットプリンタの一例の概略斜視図である。
【0008】図5において、111はヘッドであり、後
述するように各記録ヘッド101、102、103、1
04と処理液用ヘッド105が備えられている。それら
のヘッド101〜105のそれぞれは、記録媒体として
の記録紙7と対向する面に、記録紙7の搬送方向に例え
ば64個づつの吐出口を有している。また、それらのヘ
ッド101〜105においては、64個づつの吐出口の
それぞれに連通するインク路または処理液路が設けられ
ており、それぞれの流路に対応するように、それらのヘ
ッド101〜105を構成する基板に、インクまたは処
理液を吐出するための熱エネルギーを発生する電気熱変
換対が形成されている。
【0009】これらの電気熱変換体は、記録データに応
じて印加される電気パルスによって熱を発生し、これに
よりインクまたは処理液に膜沸騰を生じさせ、この膜沸
騰による気泡の生成に伴って吐出口からインクまたは処
理液を吐出させる。各ヘッド101〜105のそれぞれ
において、各流路には、これらに共通に連通する共通液
室が設けられており、これに貯留されるインクまたは処
理液は、各流路からの吐出動作に応じて、その流路に供
給される。
【0010】ヘッド111は、キャリッジ2に搭載さ
れ、そのキャリッジ2は、記録紙7の記録面7Aと平行
に延在する一対のガイドレール3と摺動可能に係合す
る。これにより、ヘッド111は、ガイドレール3に沿
って移動することができ、この移動に伴って、後述する
タイミングでインクや処理液を吐出することにより記録
を行う。ヘッド111の移動後、記録紙7を矢印の方向
に所定量搬送してから、再び記録動作を行う。このよう
な動作を繰り返すことにより、記録紙7に対して順次記
録を行っていく。
【0011】記録紙7の搬送は、その記録面7Aの上下
に配設されたそれぞれ一対の搬送ローラ4及び5が回転
することによって行われる。また、記録紙7の記録面7
Aの裏側には、記録面7Aの平面性を保つためのプラテ
ン6が配設されている。
【0012】なお、キャリッジ2の移動は、例えば、こ
れに取付けられる不図示のベルトがモータによって駆動
されることによって可能となり、また、搬送ローラ4及
び5の回転も、同様にモータの回転がこれらに伝達され
ることによって可能となる。
【0013】図6は、図5に示したプリンタにおける制
御系のブロック構成図である。
【0014】図6において、CPU100は、後述する
ような処理液ドットを形成するための処理を含め、この
装置各部を動作させるための制御処理やデータ処理等を
実行する。ROM100Aには、その処理手順等が格納
され、また、RAM100Bは、その処理実行のための
ワークエリアとして用いられる。
【0015】ヘッド111からのインクや処理液の吐出
は、CPU100が記録データに基づいて、電気熱変換
体の駆動データおよび駆動制御信号をヘッドドライバ1
Aに供給することにより行われる。さらにCPU100
は、キャリッジ2を移動させるためのキャリッジモータ
20や、各搬送ローラ4、5を回転させるための紙送り
(P.F.)モータを各モータドライバ20A及び50
Aを介して制御する。
【0016】図7は、ヘッド111の概略斜視図を示
し、101はシアンのインク(C)を吐出するための記
録ヘッド、以下同様に、102はマゼンタのインク
(M)の記録ヘッド、103はイエロー(Y)の記録ヘ
ッド、104はブラック(K)の記録ヘッドである。ま
た、105はインク中の色素材としての染料を不溶化さ
せるための処理液を吐出する処理液用ヘッドである。イ
ンクや処理液の組成については後述する。なお、単色プ
リンタの場合には、例えばブラックのインクを吐出する
ための記録ヘッドに、処理液用ヘッド105を備えれば
よい。
【0017】図8は、ヘッド111と記録紙7との対向
関係の説明概念図である。ヘッド111から各色のイン
ク及び処理液を吐出しつつ、ヘッド111を矢印A方向
に主走査し、かつ記録紙7を矢印B方向に紙送りするこ
とによって、記録紙7の記録面7Aに画像を記録する。
この例では主走査方向Aの前側に処理液用ヘッド105
が位置しており、そのヘッド105から処理液が吐出し
た後に、各記録ヘッド101、102、103、104
から各色のインクが吐出されるようになっている。つま
り、記録面7Aに処理液を付着させて処理液ドットを形
成した後に、各色のインクを吐出させて記録ドットを形
成することによって、画像を記録する。なお、これとは
逆に、記録ドットを形成した後に、処理液を吐出させて
処理液ドットを形成するように構成することも可能であ
る。
【0018】次に、インクと処理液との吐出動作につい
て説明する:今、一例として図9に示すような記録デー
タがあるとする。このデータは、C、M、Y、Kの各色
のインクのそれぞれに対応する記録データの論理和をと
り、それに対応するインクの全吐出位置、つまりそれら
のインクにより形成されるべき記録ドットの位置を白丸
によって表している。これをD1とする。図9中の1〜
8の数字は、主走査方向Aにおける記録位置を表し、ま
た、文字a〜fは紙送り方向Bにおける記録位置を表し
ている。
【0019】図10は、図9の記録データに対して、図
10中11〜22のような判定領域を設定する方法を説
明する図である。この場合、その判定領域は、2ドット
×2ドット相当の小領域としており、各小領域内の白丸
位置に記録ドット形成データが存在する場合には、その
白丸の位置に処理液ドット(D2とする)を記録面7A
に形成してから、記録ドットD1を形成する。
【0020】例えば領域11については、図9における
座標(3、C)において記録ドット形成データが存在
し、かつ図10中の判定領域16の対応する位置に白丸
が存在するため、領域16の白丸の位置に処理液を吐出
し処理液ドットD2を形成する。すなわち本例では、記
録画像のC、M、Y、Kの各色のインクのそれぞれに対
応する記録データの論理和に対して概略25%の処理液
を吐出し、後に、記録ドットを吐出する構成となってい
る。
【0021】後述する処理液及びインクの組成において
は、前述した処理液における効果を充分に得るには、こ
の程度の処理液吐出量が良いことが実験で求められてい
る。この場合、処理液吐出用のヘッド105は、その他
の各記録用ヘッド101〜104と同一のものを使用し
ているものであり、各ノズルの吐出量も同一である。
【0022】なお、判定領域の設定は2ドット×2ドッ
ト相当のみに限らず、1つの処理液ドットD2の効果が
及ぶ範囲内で、処理液ヘッドの吐出量に応じて任意に設
定が可能である。
【0023】次に、インク中の色素材としての染料を不
溶化する処理液は、一例として以下のようにして得るこ
とができる。
【0024】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電工製)にて加熱
濾過した後、NaOHでpHを4.8に調整し、無色の
処理液A1を得ることができる。
【0025】 A1の成分 カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトメチルアンモニウムクロライド 2.0部 (商品名:エレクトロストッパQE、花王製) カチオン性化合物の高分子成分 ポリアミンスルホン(平均分子量;5000) 3.0部 (商品名:PAS−92、日東紡績製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記無色の処理液と混合し不溶化するインクの好
適な例として、以下のものを挙げることができる。
【0026】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:フロロポアフィルタ、住友電工製)にて加熱濾過し
てイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクY
1、M1、C1、K1を得ることができる。
【0027】 Y1の成分 C.I.ダイレクトイエロー142 2.0部 チオジグリコール 10部 アセチレールEH(川研ファインケミカル) 0.05部 水 残部 M1の成分 染料をC.I.アシッドレッド 289;2.5部に変えた以外はY1と同 じ組成 C1の成分 染料をC.I.アシッドブルー 9;2.5部に変えた以外はY1と同じ組 成 K1の成分 染料をC.I.アシッドブラック 2;3部に変えた以外はY1と同じ組成 以上示したそれぞれ無色の処理液をインクの混合におい
て、本例では、上述した無色の液体とインクが、被プリ
ント材上あるいは被プリント材に浸透した位置で混合す
る結果、反応の第1段階として無色の処理液中に含まれ
ているカチオン性物質のうち、低分子量の成分とインク
に使用しているアニオン性基を有する水溶性染料とがイ
オン的相互作用により会合を起こし、瞬間的に溶液相か
ら分離を起こす。
【0028】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質との会合体が無色の処理液中
に含まれる高分子成分により吸着されるために、会合で
生た染料の疑集体のサイズがさらに大きくなり、被プリ
ント材の繊維間の隙間に入り込み難くなり、その結果と
して、固液分離した液体部分のみが記録紙中に滲みこむ
ことにより、プリント品位と定着性との両立が達成され
る。
【0029】同時に上述したようなメカニズムにより生
成したカチオン性物質とで形成される凝集体は粘性が大
きくなり、液媒体の動きとともに移動することがないの
で、フルカラーの画像形成時のように隣接したインクド
ットが異色のインクで形成されていたとしても、互いに
混じり合うようなことはなく、ブリーディングも起こら
ない。また、上記凝集体は本質的に水不溶性であり、形
成された画像の耐水性は完全なものとなる。また、ポリ
マーの遮蔽効果により形成された画像の耐光堅牢性も向
上するという効果も有する。
【0030】ところで、図11は、図5のインクジェッ
ト記録装置に設けられた各記録ドット形成ヘッド10
1、102、103、104それぞれの吐出不良を解消
するための回復装置701及び処理液ドット形成ヘッド
105の吐出不良を解消するための回復装置702と、
ヘッド111との対向関係を説明するための図である。
【0031】各回復装置701、702は、キャリッジ
2の往復範囲内であって、記録領域を外れた所定の位置
(例えば、ホームポジション)に配設されている。各回
復装置701、702は、ヘッド111のそれぞれの各
吐出口面711、712、713、714、715に対
して不図示の回復モータにより接触離反方向に駆動され
る。
【0032】また、回復装置701の上部には、各吐出
口面711〜714をキャッピング(密閉)するための
キャップ721が、また回復装置702の上部には、吐
出口面715をキャッピングするためのキャップ722
がそれぞれ設けられている。
【0033】回復装置701は、記録ドット形成ヘッド
用の回復装置であり、キャップ721で各ヘッド101
〜104のいずれかの吐出口面を密閉し、キャップ72
1に接続された不図示の吸引ポンプによるインク吸引動
作により、吐出口からインクを強制的に排出させ得るよ
うに構成されている。
【0034】このインクの強制的な排出(吸引)によっ
て、各吐出口内の増粘インク、固着インク、塵埃、気泡
などの異物を排出し、これにより各記録ドット形成ヘッ
ド101〜104のインク吐出機能を正常状態に回復あ
るいは正常状態に維持することが可能となる。なお、回
復装置701は、各ヘッド101〜104に共通した回
復装置であるため、全ヘッドを回復するためには、キャ
ッピングするヘッドを変えて吸引動作を4回行う必要が
ある。
【0035】一方、回復装置702は、処理液ドット形
成ヘッド105用の回復装置であり、キャップ722で
ヘッド105の吐出口面を密閉し、キャップ722に接
続された同じく不図示の吸引ポンプによる吸引動作によ
り吐出口からインクを強制的に排出させ得るように構成
されている。この構成により、処理液ドット形成ヘッド
105の吐出機能を正常状態に回復あるいは維持するこ
とが可能となる。
【0036】また、前記各回復装置701、702の記
録領域に近い側の側面には、シリコンゴム等の弾性体の
板材で形成された各ワイピングブレード731、732
が配設されている。各ブレード731、732も不図示
の回復モータにより接触離反方向に駆動される。ブレー
ド731は、キャリッジ2との相対移動を利用して各記
録ドット形成ヘッド101〜104の各吐出口面711
〜714と摺擦し、それぞれの吐出口面に付着したイン
ク、増粘インク、固着したインク、塵埃などの異物を拭
き取る。同じくブレード732も、キャリッジ2との相
対移動を利用して、処理液ドット形成ヘッド105の吐
出口面715と摺擦し、吐出口面に付着した処理液、増
粘した処理液、固着した処理液、塵埃などの異物を拭き
取る。
【0037】さらに、記録とは別に吐出を行う予備吐出
も、ヘッドの吐出不良解消に欠かすことのできない要素
である。図5のインクジェット記録装置においても、予
備吐出によるインク滴の受け口として、前記回復装置7
02とプラテン6との間に各インク受け741、742
が設けられており、各記録ドット形成ヘッド101〜1
04が、それぞれインク受け741の真上の位置で、ま
た処理液ドット形成ヘッド105が、インク受け742
の真上の位置で予備吐出を行う。このとき、各インク受
け741、742目掛けてそれぞれ予備吐出されたイン
ク滴及び処理液滴は、チューブ等を介して不図示の廃イ
ンクタンクあるいは廃処理液タンクへと導かれる構成と
なっている。
【0038】なお、本従来例のごとく、一個のキャップ
で複数の色のヘッドをキャッピングして吸引動作を行う
構成の場合、インクが混色するという問題が発生する。
前記の予備吐出動作は、この混色問題の解消にも極めて
有効である。
【0039】以上、図5のインクジェット記録装置で
は、各回復装置701、702による吸引動作、各ワイ
ピングブレード731、732による拭き取り動作、そ
して予備吐出動作により、記録ヘッド111の吐出不良
を解消し、記録動作の信頼性を大幅に向上させている。
通常、長時間吐出が行われないと、まず最初に吸引動作
が行われ、続いて拭き取り動作が、最後に予備吐出動作
が実行される。また、予備吐出動作は、記録動作が開始
される直前にも行われる。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例では、記録ドット形成ヘッド用と処理液ドット形成
ヘッド用とに、回復装置、ワイピングブレード、予備吐
出用インク受けがそれぞれ二組必要であった。そのた
め、記録装置の小型化の障害となるという難点があっ
た。また、キャリッジの移動距離がその分長くなるた
め、スループットに悪影響を与えるほか、部品点数が多
くなることから、コスト面においても不利である。
【0041】記録動作の信頼性を保持しつつ前記の問題
を解決する手法として、記録ドット形成ヘッド用と処理
液ドット形成ヘッド用の予備吐出用インク受けの共通化
が考えられるが、会合すると凝集するインクと処理液と
を同一の場所目掛けて吐出するため、凝集したインクと
処理液とによりインク受けが塞がれてインク及び処理液
がインク受け以外の部分に流出しないよう、十分な大き
さのインク受けの口径及び廃インクタンクの容量を確保
する必要があった。
【0042】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、記録
装置の小型化やスループットの向上に対する障害となら
ず、コスト面においても有利な予備吐出の手法を提供す
ることにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、インクを記録媒体上に吐出して記録ドットを形成
可能な記録ヘッドと、前記インク中の色素材を不溶化ま
たは凝集させる処理液を前記記録媒体上に吐出して処理
液ドットを形成可能な処理液用ヘッドとを有するインク
ジェット記録装置において、記録媒体の搬送方向の記録
開始側余白上で処理液の予備吐出動作を行うために、下
記の各項(1)〜(7)のいずれかに示すインクジェッ
ト記録装置を提供することにより、前記目的を達成しよ
うとするものである。
【0044】(1)インクを記録媒体上に吐出して記録
ドットを形成可能な記録ヘッドと、前記インク中の色素
材を不溶化または凝集させる処理液を前記記録媒体上に
吐出して処理液ドットを形成可能な処理液用ヘッドとを
有するインクジェット記録装置において、前記処理液用
ヘッドの予備吐出を、前記記録媒体の搬送方向の記録開
始開始側余白上で行うことを特徴とするインクジェット
記録装置。
【0045】(2)前記記録媒体の左側の余白に前記処
理液用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを
特徴とする前項(1)記載のインクジェット記録装置。
【0046】(3)前記記録媒体の右側の余白に前記処
理液用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを
特徴とする前項(1)記載のインクジェット記録装置。
【0047】(4)前記記録媒体の左右両側の余白に前
記処理液用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うこ
とを特徴とする前項(1)記載のインクジェット記録装
置。
【0048】(5)前記記録媒体の前端の余白に前記処
理液用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを
特徴とする前項(1)記載のインクジェット記録装置。
【0049】(6)前記記録媒体の後端の余白に前記処
理液用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを
特徴とする前項(1)記載のインクジェット記録装置。
【0050】(7)前記記録媒体の前後両端の余白に前
記処理液用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うこ
とを特徴とする前項(1)記載のインクジェット記録装
置。
【0051】
【作用】以上のような本発明構成により、処理液用ヘッ
ドの予備吐出用インク受け及び廃処理液タンクを設ける
必要がなくなり、安定した吐出が可能になると共に、記
録装置の小型化、キャリッジの移動距離の短距離化によ
るスループットの向上、さらにはコストの削減が実現で
きる。なお、処理液は記録媒体上でドットを形成する
が、無色であるため肉眼でドットを識別することはきわ
めて困難であり、実用上問題はない。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、複
数の実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
【0053】
【実施例】(実施例1)図1に、本発明に係るインクジ
ェット記録装置の第1の実施例の説明概念図を示す。図
1において、前記従来例で示した構成要件と同一機能の
ものには同一番号を付してある。本実施例1では、記録
ドット形成ヘッド用の予備吐出用インク受け741のみ
が配設されている。また、本実施例1では、記録面7A
に処理液を付着させて処理液ドットを形成した後に、各
色のインクを吐出させて記録ドットを形成することによ
って画像の記録を行うものとする。
【0054】前記従来例で説明したように、記録動作の
信頼性を確保するため、ヘッド処理ドット形成ヘッド1
05が、記録領域に到達して処理液の吐出を行う直前に
予備吐出動作が必要である。本実施例1では、ヘッド処
理液ドット形成ヘッド105の予備吐出を、記録紙7の
ホームポジションに近い側の余白8Aに行う。これによ
り、処理液用ヘッドの予備吐出用インク受け及びハイ処
理液タンクを設ける必要がなくなり、記録装置の小型
化、キャリッジの移動距離の短距離化によるスルートッ
プの向上、更にはコストの削減が実現できる。また、記
録紙7の余白処理液のドットが形成されるが、無色であ
るため実用上問題はない。
【0055】なお、本実施例では、記録紙7がプラテン
6にない状態で予備吐出を行う必要がある場合には、記
録ドット形成ヘッド用のインク受け741上で予備吐出
を実行する。この場合、インク受け741内でインクと
処理液が会合して凝集が起こるが、記録紙7がプラテン
6上にない状態で予備吐出を行う回数は、記録直前の予
備吐出の回数に比べて十分小さく、凝集によりインク受
け741が塞がれることはない。あるいはまた、処理液
ドット形成ヘッド105用の回復装置702のキャップ
722目掛けて予備吐出する構成にしてもよい。
【0056】さらに、また、ヘッド処理液ドット形成ヘ
ッド105の予備吐出を、記録紙7のホームポジション
から遠い側の余白8Bに行う構成にしても同様の効果が
得られる。
【0057】(実施例2)図2に本発明の第2の実施例
の説明概念図を示す。図2において、前記従来例で示し
た構成要件と同一機能のものには同一番号を付してあ
る。本実施例2では、記録ドット形成用の予備吐出用イ
ンク受け741のみが配設されている。また、記録面7
Aに各色のインクを吐出させて記録ドットを形成した後
に、処理液を付着させて処理液ドットを形成することに
よって画像の記録を行うものとする。そのため、処理液
ドット形成ヘッド105は、主走査の往路では吐出を行
わず、復路で吐出を行う構成となっている。
【0058】本実施例2において、ヘッド処理液ドット
形成ヘッド105の予備吐出を記録紙7のホームポジシ
ョンから遠い側の余白8Bに行う。これにより、処理液
用ヘッドの予備吐出用インク受け及び廃処理液タンクが
不要となる。
【0059】(実施例3)図3に本発明の第3の実施例
の説明概念図を示す。図3において、前記従来例で示し
た構成要件と同一機能のものには同一番号を付してあ
る。本実施例3のインクジェット記録装置は、主走査の
往路、復路共に記録が可能な構成となっており、往路で
は、記録面7Aに処理液を付着させて処理液ドットを形
成した後に、各色のインクを吐出させて記録ドットを形
成することによって画像の記録を行い、復路では記録面
7Aに各色のインクを吐出させて記録ドットを形成した
後に、処理液を付着させて処理液ドットを形成すること
によって画像の記録を行うものとする。そのため、記録
ドット形成ヘッドが往路、復路共に記録直前の予備吐出
が可能となるような予備吐出用インク受け741A,7
41Bが記録紙7の左右にそれぞれ配設されている。
【0060】本実施例において、往路では処理液ドット
形成ヘッド105の予備吐出を記録紙7のホームポジシ
ョンに近い側の余白8Aに予備吐出を行い、復路ではホ
ームポジションから遠い側の余白8Bに予備吐出を行
う。これにより、処理液ドット形成ヘッドのインク受け
が配設されていなくても、往路、復路共に記録直前の予
備吐出が可能となる。
【0061】(実施例4)図4に本発明の第4実施例の
説明概念図を示す。記録紙7の前端の余白が、全吐出口
分の予備吐出が可能な長さである場合、記録紙7の前端
余白8Cの処理液ドット形成ヘッド105の予備吐出を
行う。また、本実施例4に前記実施例1〜3を組み合わ
せてもよい。
【0062】(実施例5)図4は、本発明の第5の実施
例の説明概念図を示す。記録紙7の後端の余白が、前記
吐出口分の予備吐出が可能な長さである場合、記録紙7
の後端8D余白に処理液ドット形成ヘッド105の予備
吐出を行う。また、本実施例5に前記実施例1〜3を組
み合わせてもよい。また、実施例4と組み合わせてもよ
い。
【0063】なお、前記各実施例1〜5では、記録紙7
上の記録領域外に処理液ドット形成ヘッド105の予備
吐出を行う構成としてもよいことはもちろんである。
【0064】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体上に
記録ドットを形成する前、またはその後に、記録媒体上
に、インク中の染料を、不溶化させるための処理液を吐
出させるインクジェット記録装置において、処理液用ヘ
ッドの予備吐出用インク受けおよび廃処理液タンクを設
ける必要がなくなり、記録装置の小型化、キャリッジの
移動距離の短距離化によるスループットの向上、さらに
はコストの削減化可能となる。
【0065】さらにまた、記録紙の余白面積が広く、十
分な予備吐出量を確保でき、しかも記録開始直前に予備
吐出を行うことができるため、安定した吐出が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の説明概念図
【図2】 実施例2の説明概念図
【図3】 実施例3の説明概念図
【図4】 実施例4,5の説明概念図
【図5】 従来のカラーインクジェットプリンタの概略
を表わす斜視図
【図6】 図5カラーインクジェットプリンタにおける
制御系のブロック構成図
【図7】 記録ドット形成ヘッドおよび処理液ドット形
成ヘッドから構成される記録ヘッドの概略を示す斜視図
【図8】 ヘッドと記録紙との対向関係の説明概念図
【図9】 記録される記録データの一例図
【図10】 図9の記録データに対し、判定領域を設定
する方法の説明図
【図11】 各回復装置とヘッドとの対向関係説明図
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 キャリッジ 3 ガイドレール 4,5 搬送ローラ 6 プラテン 7 記録紙 7A 記録面 8A,8B,8C,8D 余白 20 キャリッジモータ 50 P.F.モータ 100 CPU 101,102,103,104 記録ヘッド 105 処理液ドット形成ヘッド 111 ヘッド 701 回復装置(記録ヘッド) 702 回復装置(処理液ヘッド) 711,712,713,714 吐出口(インク) 715 吐出口(処理液) 721,722 キャップ 731,732 ブレード 741,742 インク受け
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠松 健彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 秀樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 EA14 EA23 EA27 EC54 HA42 JC23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを記録媒体上に吐出して記録ドッ
    トを形成可能な記録ヘッドと、前記インク中の色素材を
    不溶化または凝集させる処理液を前記記録媒体上に吐出
    して処理液ドットを形成可能な処理液用ヘッドとを有す
    るインクジェット記録装置において、 前記処理液用ヘッドの予備吐出を、前記記録媒体の搬送
    方向の記録開始開始側余白上で行うことを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録媒体の左側の余白に前記処理液
    用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを特徴
    とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録媒体の右側の余白に前記処理液
    用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを特徴
    とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録媒体の左右両側の余白に前記処
    理液用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを
    特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録媒体の前端の余白に前記処理液
    用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを特徴
    とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録媒体の後端の余白に前記処理液
    用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを特徴
    とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録媒体の前後両端の余白に前記処
    理液用ヘッドの予備吐出を前記記録媒体上で行うことを
    特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
JP2000122572A 2000-04-24 2000-04-24 インクジェット記録装置 Withdrawn JP2001301145A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000122572A JP2001301145A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000122572A JP2001301145A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001301145A true JP2001301145A (ja) 2001-10-30

Family

ID=18633031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000122572A Withdrawn JP2001301145A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001301145A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6863374B2 (en) 2002-04-16 2005-03-08 Seiko Epson Corporation Image printing using print quality enhancing ink
US20100214353A1 (en) * 2009-02-24 2010-08-26 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording apparatus
JP2014223800A (ja) * 2013-04-23 2014-12-04 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
CN108501548A (zh) * 2017-02-27 2018-09-07 精工爱普生株式会社 液体喷射装置
CN109664612A (zh) * 2017-10-13 2019-04-23 精工爱普生株式会社 液体喷射装置以及液体喷射装置的维护方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6863374B2 (en) 2002-04-16 2005-03-08 Seiko Epson Corporation Image printing using print quality enhancing ink
US7234793B2 (en) 2002-04-16 2007-06-26 Seiko Epson Corporation Image printing using print quality enhancing ink
US7237866B2 (en) 2002-04-16 2007-07-03 Seiko Epson Corporation Image printing using print quality enhancing ink
US7562956B2 (en) 2002-04-16 2009-07-21 Seiko Epson Corporation Image printing using print quality enhancing ink
US20100214353A1 (en) * 2009-02-24 2010-08-26 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording apparatus
JP2010194808A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Canon Inc インクジェット記録装置
US8523314B2 (en) * 2009-02-24 2013-09-03 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording apparatus to utilize ink and reaction liquid that agglutinates when reacted with coloring material-containing ink
JP2014223800A (ja) * 2013-04-23 2014-12-04 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
CN108501548A (zh) * 2017-02-27 2018-09-07 精工爱普生株式会社 液体喷射装置
JP2018140502A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
CN108501548B (zh) * 2017-02-27 2021-09-10 精工爱普生株式会社 液体喷射装置
CN109664612A (zh) * 2017-10-13 2019-04-23 精工爱普生株式会社 液体喷射装置以及液体喷射装置的维护方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3029786B2 (ja) インクジェット記録装置およびテストプリント方法
JP3177128B2 (ja) 吐出部、吐出部を用いたインクジェットカートリッジ、インクジェットプリント装置および方法
JP3337879B2 (ja) インクジェットプリント方法およびこれに用いられるインクジェットヘッド、インクジェットカートリッジおよびインクジェットプリント装置
EP0790129B1 (en) Liquid ejection apparatus, head unit and ink-jet cartridge
US6231156B1 (en) Ink-jet printing apparatus and ejection recovery method of printing head
JP3037181B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3667096B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP3209930B2 (ja) インクジェットプリント装置、インクジェットプリント方法およびデータ作成方法
JP3554099B2 (ja) インクジェットプリント装置
EP0788885B1 (en) Ink-jet printing apparatus and printing method
JP2001301145A (ja) インクジェット記録装置
JPH10226090A (ja) 記録装置
JP3212264B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JPH10193579A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2002154196A (ja) インクジェットプリント装置
US6467894B1 (en) Ink jet print apparatus and print method using the same
JP3168136B2 (ja) インクタンクおよびインクジェットカートリッジおよびそれを用いたインクジェットプリント装置
JPH10230627A (ja) インクジェット記録装置およびテストパターン作成方法
JPH09109381A (ja) インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント方法
JP3667097B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JPH10291327A (ja) 液体吐出装置
JPH08216394A (ja) インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント方法
JPH09216353A (ja) 液体吐出装置および吐出回復方法
JPH10157091A (ja) インクジェット記録装置
JPH1177984A (ja) インクジェット記録ヘッドおよび記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703