JPH10193579A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成装置

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JPH10193579A
JPH10193579A JP9000170A JP17097A JPH10193579A JP H10193579 A JPH10193579 A JP H10193579A JP 9000170 A JP9000170 A JP 9000170A JP 17097 A JP17097 A JP 17097A JP H10193579 A JPH10193579 A JP H10193579A
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伸也 三品
Shinichi Sato
真一 佐藤
勝彦 ▲高▼橋
Katsuhiko Takahashi
Mikifumi Ogasawara
幹史 小笠原
Eriko Saitou
絵里子 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被プリント材上に高速印字が可能であり、印
字品位、耐水性、色境界にじみ等に優れた画像を与える
画像形成方法および画像形成装置を提供する。 【解決手段】 画像形成方法は、被プリント材の上面に
沿って平行に往復移動しながら、被プリント材に対して
インクと、インクの色材を不溶化または凝集させる処理
液とを吐出する吐出手段2301〜2305を用いる。
吐出手段の往復移動方向の往方向(矢印X方向)への走
査と次の復方向への走査との間に前記被プリント材を前
記吐出手段の往復移動方向に直交する矢印Y方向に一定
幅だけ搬送させてプリントを行う。被プリント材への前
記液体の付与を行う走査と異なる走査で、インクを付与
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法およ
び画像形成装置に関し、特に被プリント材上に高速にか
つ高品位の画像を得ることができるインクジェットプリ
ント方法およびプリント装置に関する。
【0002】本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用
紙等、さらには金属等の被プリント材を用いる機器全て
に適用可能である。具体的な適用機器としては、プリン
タ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機
器等を挙げることができる。
【0003】
【従来の技術】従来、インクジェットプリント方法は、
低騒音、低ランニングコスト、装置が小型化しやすい、
カラー化が容易、等からプリンタや複写機等に利用され
ている。
【0004】しかしながら、インクジェットプリント方
法を応用したこれらのプリント装置により、所謂普通紙
と呼ばれる被プリント材上に画像を得る場合、画像の耐
水性が不十分であったり、また、カラー画像を得る場合
には、フェザリングの生じない高濃度の画像と色間のに
じみの生じない画像とを両立させることができず、良好
な画像堅牢性でかつ良好な品位のカラー画像が得られて
いなかった。
【0005】画像の耐水性を向上させる方法としてイン
ク中に含まれる色材に耐水性を持たせたインクも近年で
は実用化されてきている。しかしながら、その耐水性は
まだ十分であるとはいえず、原理的に乾燥後、水に溶解
しにくいインクであるために、プリントヘッドのノズル
詰まりが生じやすく、これを防止するために装置構成が
複雑になってしまう欠点があった。
【0006】また、従来より被プリント物の堅牢性を向
上させる技術が多数開示されている。特開昭53−24
486号では染色物の湿潤堅牢度を増進させるために、
染色物を後処理することで染料をレーキ化し固着させる
技術が開示されている。
【0007】特開昭54−43733号ではインクジェ
ットプリント方式を用いて、相互に接触すると常温また
は加熱時に被膜形成能が増大する2以上の成分を用いて
プリントする方法が開示されており、被プリント材上で
各成分が接触することで強固に密着した被膜を形成した
印刷物を得ている。
【0008】特開昭55−150396号でも水性染料
インクをインクジェットプリント後に、染料とレーキを
形成する耐水化材を付与する方法が開示されている。
【0009】特開昭58−128862号ではプリント
すべき画像位置を予め識別し、プリントインクと処理液
とを重ねてプリントするインクジェットプリント方法が
開示されており、プリントインクに先立って処理液で描
いたり、先に描かれたプリントインク上に処理液を重ね
たり、先に描かれた処理液上にプリントインクを重ね、
さらに処理液を重ねて描いたりする方法が開示されてい
る。さらに、特開昭63−60783号、特開昭64−
69381号等にも同様のプリント方法が開示されてい
る。しかしながら、これらはインクジェットプリント装
置に特有であるヘッド構成等については開示されていな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決すべくなされたもので、被プリント材上に高速印字が
可能であり、印字品位、耐水性、色境界にじみ等に優れ
た画像を与える画像形成方法および画像形成装置を提供
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の手段を用い
ることで上記課題を解決することが可能であることを見
出した。すなわち、本発明は次のようなものである。
【0012】すなわち、被プリント材の上面に沿って平
行に往復移動しながら、該被プリント材に対してインク
と、該インクの色材を不溶化または凝集させる物質を含
む液体とを吐出する吐出手段を用い、該吐出手段の往復
移動方向の往方向への走査と次の復方向への走査との間
に前記被プリント材を前記吐出手段の往復移動方向に直
交する方向に一定幅だけ搬送させてプリントを行う画像
形成方法であって、前記被プリント材への前記液体の付
与を行う走査と異なる走査で、前記インクを付与する画
像形成方法、前記インクは複数のインクであり、該複数
種類のインクのうち、前記液体の付与によって生じる色
度変化が最も小さいインクの付与を、前記液体の付与を
行う走査と異なる走査で行う画像形成方法、前記インク
は複数のインクであり、該複数種類のインクのうち、前
記液体の付与によって最も顕著に不溶化または凝集する
色材を含むインクの付与を、前記液体の付与を行う走査
と異なる走査で行う画像形成方法、画像をプリントすべ
き領域にまず前記液体を付与した後、前記インクを付与
する画像形成方法、画像をプリントすべき領域にまず前
記インクを付与した後、前記液体を付与する画像形成方
法、画像をプリントすべき領域にまず前記液体を付与し
た後、前記インクを付与した後、さらに前記液体を付与
する画像形成方法、前記液体の付与をインクジェットプ
リント方式により行う画像形成方法、前記インクの付与
をインクジェットプリント方式により行う画像形成方
法、前記液体は少なくともカチオン性物質を含有するも
のであり、かつ、前記インクは少なくとも水溶性基とし
てアニオン性基を含有するものである画像形成方法、前
記カチオン性物質はポリアリルアミンである画像形成方
法、前記カチオン性物質は、カチオン性界面活性剤およ
びポリアリルアミンである画像形成方法、前記液体は少
なくともアニオン性化合物を含有するものであり、か
つ、前記インクは少なくともカチオン性染料を含有する
ものである画像形成方法、前記液体の付与により前記被
プリント材に形成される画素の数を、前記インク付与に
より前記被プリント材に形成されるプリント画像の画素
の数よりも少なくする画像形成方法、前記インクの1画
素分のプリントを、前記被プリント材に対する複数回の
インク付与により行う画像形成方法、前記複数回のイン
ク付与を同一走査内で行うことを特徴とする画像形成方
法、前記液体の前記被プリント材への付着を、前記被プ
リント材に対する複数回の前記液体の付与により行う画
像形成方法、前記複数回の前記液体の付与を同一走査内
で行う画像形成方法、被プリント材の上面に沿って平行
に往復移動しながら、該被プリント材に対してインク
と、該インクの色材を不溶化または凝集させる物質を含
む液体とを吐出する吐出手段を含めることができ、か
つ、該吐出手段の往復移動方向の往路方向への走査と次
の復路方向への走査との間に前記被プリント材を前記吐
出手段の往復移動方向に直交する方向に一定幅だけ搬送
する搬送手段を含む画像形成装置であって、前記吐出手
段は、前記インクを吐出するためのノズル列と、前記液
体を吐出するためのノズル列とを有し、該液体吐出ノズ
ル列の全走査領域は前記インク吐出ノズル列によるイン
ク付与がされる前記被プリント材上の帯状領域を覆う長
さを有する画像形成装置、前記液体ノズル列は、前記イ
ンク吐出ノズル列により前記被プリント材上の帯状領域
にインク付与がされる走査と異なる走査において、前記
帯状領域に対して前記液体を付与するものである画像形
成装置、前記液体吐出ノズル列は、前記インク吐出ノズ
ル列に対し、前記被プリント材の搬送方向の上流側に配
置されている画像形成装置、前記液体吐出ノズル列は、
前記インク吐出ノズル列に対し、前記被プリント材の搬
送方向の下流側に配置されている画像形成装置、前記液
体吐出ノズル列の前記被プリント材に対する走査領域と
前記インク吐出ノズル列の前記被プリント材に対する走
査領域とは、同一走査時において重複しない画像形成装
置、前記液体吐出ノズル列との間で、前記被プリント材
の搬送方向に離間している前記インク吐出ノズル列は、
前記液体ノズル列から吐出された前記液体の付与によっ
て色度変化が最も小さいインクを吐出するものである画
像形成装置、前記液体吐出ノズル列との間で、前記被プ
リント材の搬送方向に離間している前記インク吐出ノズ
ル列は、前記液体ノズル列から吐出された前記液体のミ
ストによって最も顕著に不溶化または凝集する色材を含
むインクを吐出するものである画像形成装置、前記吐出
手段の前記インク吐出ノズル列は、熱エネルギを利用し
てインク中に気泡を生じさせ、該気泡の生成に基づいて
インクを吐出するための電気熱変換体を有する画像形成
装置、前記吐出手段の前記液体吐出ノズル列は、熱エネ
ルギを利用して前記液体中に気泡を生じさせ、該気泡の
生成に基づいて前記液体を吐出するための電気熱変換体
を有する画像形成装置、である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像形成装置と
してのインクジェットプリント装置の一実施形態例を示
す概略斜視図である。
【0014】図1において符号100はインクジェット
プリント装置である。このインクジェットプリント装置
100において、キャリッジ101は、互いに平行に延
在する2本のガイド軸104および105と摺動可能に
係合する。これにより、キャリッジ101は、駆動用モ
ータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達
機構(いずれも不図示)により、ガイド軸104および
105に沿って移動することができる。キャリッジ10
1には、後に詳述するインクジェットプリントヘッド
と、このヘッドで用いられるインクを収納するインク容
器としてのインクタンクとを有するインクジェットユニ
ット103が搭載される。
【0015】インクジェットユニット103は、インク
およびプリント性向上を図るための物質を含む液体(以
下、処理液という)を吐出するためのヘッドおよびこれ
に供給されるインクまたは処理液を収納する容器として
のタンクからなる。すなわち、ブラック(Bk)、シア
ン(C),マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色
の各インクおよび上記処理液をそれぞれ吐出する5個の
ヘッドおよびこれらのそれぞれに対応して設けられるタ
ンクがインクジェットユニット103としてキャリッジ
101上に搭載される。各ヘッドとタンクとは相互に着
脱可能なものであり、タンク内のインクまたは処理液が
無くなった場合等、必要に応じて個々のインク色等毎に
タンクのみを交換できるよう設けられている。また、ヘ
ッドのみを必要に応じて交換できることは勿論である。
なお、ヘッドおよびタンクの着脱の構成は、上記の例に
限られず、ヘッドとタンクとが一体に成形された構成と
してもよいことは勿論である。
【0016】被プリント材としての用紙106は、装置
の前端部に設けられる挿入口111から挿入され、最終
的にその搬送方向が反転され、送りローラ109によっ
て上記キャリッジ101の移動領域の下部に搬送され
る。これにより、キャリッジ101に搭載されたヘッド
からその移動に伴なってプラテン108によって支持さ
れた用紙106上のプリント領域にプリントがなされ
る。
【0017】以上のようにして、ヘッドの吐出口配列の
幅に対応した幅のプリントと用紙106の送りとを交互
に繰り返しながら、用紙106全体にプリントがなさ
れ、用紙106は装置前方に排出される。
【0018】キャリッジ101の移動可能な領域の左端
には、キャリッジ101上の各ヘッドとそれらの下部に
おいて対向可能な回復系ユニット110が設けられ、こ
れにより非プリント時等に各ヘッドの吐出口をキャップ
する動作や各ヘッドの吐出口からインクを吸引する等の
動作を行うことができる。また、この左端部の所定位置
はヘッドのホームポジションとして設定される。
【0019】一方、装置の右端部には、スイッチや表示
素子を備えた操作部107が設けられる。ここにおける
スイッチは装置電源のオン/オフや各種プリントモード
の設定時等に使用され、表示素子は装置の各種状態を表
示する役割をする。
【0020】図2は、図1で説明したインクジェットユ
ニット103を示す概略斜視図である。図2は、上述の
ようにブラック,シアン,マゼンタ,イエローの各色イ
ンクおよび処理液のタンクが独立に交換可能な構成例を
示す。すなわち、キャリッジ101には各ヘッドを個々
に着脱可能に装着するためのヘッドケース102と、B
k用タンク20K、C用タンク20C、M用タンク20
M、Y用タンク20Y、および処理液のタンク21が搭
載される。ヘッドケース102にはBk,C,M,Yの
インクをそれぞれ吐出するためのヘッド30K,30
C,30M,30Y(不図示)と、処理液を吐出するた
めのヘッド31(不図示)とが装着される。各ヘッドは
それぞれ160個の吐出口を備え、それぞれの吐出口か
らは40ngのインクが吐出される。上記各タンクは接
続部を介してヘッドと接続し、インクまたは処理液をヘ
ッドに対して供給する構成となっている。
【0021】なお、タンクの構成としては、その収納さ
れたインクまたは処理液の予想される使用量に応じて、
例えば処理液とBkのタンクが一体構造であってもよ
く、またCとMとYのタンクが一体構造であってもよ
い。
【0022】図3は上述のインクジェットプリントヘッ
ドの発熱体付近の構成を示す拡大断面図である。この例
のプリントヘッドは、上記各インクまたは処理液を被プ
リント材106に向けて所定量吐出して被プリント材1
06上に画素または着弾領域を形成するために利用され
るものである。インク吐出を例にとり、説明すると、こ
のプリントヘッドにおいては、複数のノズルにそれぞれ
設けられたインク吐出口(オリフィス)23に対応して
電気熱変換体であるヒータ30がインク流路34の所定
位置に配置されている。ヒータ30およびこのヒータ3
0に電力を供給するための電極配線(図示略)は、イン
ク流路34の底部を構成するシリコン等からなる基板3
3上にアルミニウム等の金属を成膜技術により堆積する
ことによって形成され、ヒータ30の上にはヒータ30
表面がインク等の液体と直接接触するのを防止するため
の保護膜36が設けられている。インク流路34の後方
には各インク流路にインクを供給するための共通液室3
2が設けられている。基板33の上には、オリフィス2
3、インク流路34および共通液室32を形成する種々
の合成樹脂やガラス材からなる隔壁34が積層されてい
る。なお、全てのノズル内のヒータ30はそれぞれ独立
に発熱可能な構成となっている。
【0023】このような構成のプリントヘッドにおいて
は、記録画像情報に対応する駆動信号をヒータ30に印
加し、ヒータ30を発熱させてインク流路34内のイン
クを加熱し膜沸騰を生じさせ、その膜沸騰現象により気
泡を形成し、この気泡の生成に伴う急峻な体積変化によ
る圧力を利用してオリフィス23から所定量のインクを
インク滴35として吐出させ、被プリント材106上に
文字や画像を形成することができる。このとき、吐出さ
れたインク滴の体積は15〜80ng程度である。
【0024】(実施形態例1)図4は、上記プリントヘ
ッドのオリフィス面の一例を示す概略平面図である。こ
の例のプリントヘッドは、各色インク吐出ノズル列を含
むチップおよび液体吐出ノズル列を含むチップが一オリ
フィス面上に配されたカラーヘッドユニットタイプのも
のである。すなわち、図4に示すように、S(処理液)
チップ2301と、K(ブラックインク)チップ230
2と、C(シアンインク)チップ2303と、M(マゼ
ンタインク)チップ2304と、Y(イエローインク)
チップ2305とが同一のフレーム2306上に固定さ
れている。そして、各チップは、プリントヘッドの主走
査方向(図4中、矢印X方向)に沿って1/2インチの
間隔で等間隔に配列され、各チップのノズル列は主走査
方向に直交する副走査方向(図4中、矢印Y方向)に延
在されている。ノズル列は、どのチップにおいても64
個のノズルを有しており、ノズル間のピッチは約70μ
mである。各チップによれば、360dpiの解像度で
1回の主走査で64ノズル分のバンドを記録することが
できる。この例のプリントヘッドでは、Kチップ230
2のノズルからは約80nlのブラックインクが吐出さ
れ、他のS,C,M,Yの各チップ2301,230
3,2304,2305の各ノズルからは約40nlの
処理液またはインクが吐出されるように構成されてい
る。
【0025】上記チップのうち、Sチップ2301、K
チップ2302およびCチップ2303はその記録バン
ド幅分だけ副走査方向のうち記録位置で他のチップに先
行する側に配置されている。
【0026】図7は、図4に示したチップ構成のプリン
トヘッドを用いて処理液吐出を伴うプリント動作を説明
するための模式図である。
【0027】(ステップ1)まず、被プリント材に対し
てプリントヘッドを主走査方向のうち往路方向(図7
中、矢印方向)に移動させながら、64ノズル分の記録
幅でバンド1をSチップ、KチップおよびCチップによ
ってプリントする。ここで、S記録データについては、
やがてバンド1に記録されるべきY,M,C,Kデータ
に基づき、それらのデータの論理和データを作成してS
記録データとし、このデータを他のデータに先行して記
録する。このステップ1により、被プリント材に、やが
てY,M,C,Kインクを記録すべき領域に、それらイ
ンクの付与に先行して処理液Sが付与される。このよう
な記録動作後、記録バンド幅分だけ副走査方向(図7に
おいては上方向)に被プリント材を移動させる。
【0028】(ステップ2)上記ステップ1におけるプ
リントヘッドの移動方向と逆の方向である帰路方向(図
7中、矢印方向)にプリントヘッドを移動させながら、
バンド1および2をプリントする。
【0029】バンド2についてはSチップ、Kチップお
よびCチップによってプリントする。ここで、ステップ
1と同様に、バンド2にやがて記録されるべきY,M,
C,Kデータに基づき、それらのデータの論理和データ
を作成してS記録データとし、このデータを他のデータ
に先行して記録する。このバンド2に対するプリントと
同時に、バンド1をYチップおよびMチップによってプ
リントする。Y,Mデータを記録する領域には、すでに
ステップ1において処理液Sが付与されており、ステッ
プ2でYインクおよびMインクを付与することにより、
両インク中の色材を被プリント材上の処理液Sにより不
溶化または凝集させることができる。このような記録動
作後、記録バンド幅分だけ副走査方向(図7においては
上方向)に被プリント材を移動させる。
【0030】(ステップ3)上記ステップ2におけるプ
リントヘッドの移動方向と逆の方向である往路方向(図
7中、矢印方向)にプリントヘッドを移動させながら、
バンド2および3をプリントする。
【0031】バンド3についてはSチップ、Kチップお
よびCチップによってプリントする。ここで、ステップ
1および2と同様に、バンド3にやがて記録されるべき
Y,M,C,Kデータに基づき、それらのデータの論理
和データを作成してS記録データとし、このデータを他
のデータに先行して記録する。このバンド3に対するプ
リントと同時に、バンド2をMチップおよびYチップに
よってプリントする。Y,Mデータを記録する領域に
は、すでにステップ2において処理液Sが付与されてお
り、ステップ3でYインクおよびMインクを付与するこ
とにより、両インク中の色材を被プリント材上の処理液
Sにより不溶化または凝集させることができる。このよ
うな記録動作後、記録バンド幅分だけ副走査方向(図7
においては上方向)に被プリント材を移動させる。
【0032】以下、同様に記録動作を繰り返すことによ
り各インクの付与領域に対して、各インクの付与に必ず
先行して処理液が付与されることになる。
【0033】本実施形態例では、図4に示したプリント
ヘッドを用いて図7に示した各ステップを実施するよう
にしたことから、耐水性のある高信頼性の画像、またフ
ェザリングが少なく、記録濃度が高く、異色境界にじみ
のない高品位の画像を得ることができる。
【0034】なお、本実施形態例に用いられる処理液と
して次の組成を有する処理液A,B,Cの使用を試みた
ところ、処理液Aを使用した場合が、他の処理液B,C
と比べて最もフェザリングが少なく、また記録濃度が高
く、異色境界にじみのない高品位の画像が得られた。処
理液Bを使用した場合には、印字品位が処理液Aの場合
よりも若干見劣りはするが、実用上の問題はないレベル
であった。処理液Cを使用した場合には、異色境界にじ
みが処理液Aの場合よりも若干見劣りはするが、実用上
の問題はないレベルであった。
【0035】本実施形態例に用いられる各インクおよび
処理液A,B,Cの組成およびその調製方法は次の通り
である。
【0036】下記成分を混合し、十分に撹拌した後、孔
径0.22μmのフロロポアフィルタ(住友電気工業
(株)製:商品名)で加圧濾過し、各インク等を得た。
【0037】 Yインク グリセリン 5.0重量% チオグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料C.I.ダイレクトイエロー142 2.0重量% 水 79.0重量% Mインク グリセリン 5.0重量% チオグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料C.I.アシッドレッド289 2.5重量% 水 78.5重量% Cインク グリセリン 5.0重量% チオグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料C.I.ダイレクトブルー199 3.0重量% 水 78.0重量% Kインク グリセリン 5.0重量% チオグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料フードブラック2 3.0重量% 水 78.0重量% 処理液A ポリアリルアミン塩酸塩 5.0重量% 塩化ベンザルコニウム(カチオンG50、三洋化成) 1.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 83.5重量% 処理液B ポリエチレンイミン塩酸塩 5.0重量% セチルトリメチルアンモニウムクロライド (レボンTM−16、三洋化成) 1.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 83.5重量% 処理液C ポリアリルアミン塩酸塩 5.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 84.5重量% (実施形態例2)図5は、上記プリントヘッドのオリフ
ィス面の他の例を示す概略平面図である。この例のプリ
ントヘッドは、図4に示した先の実施形態例1と同様
に、各色インク吐出ノズル列を含むチップおよび液体吐
出ノズル列を含むチップが一オリフィス面上に配された
カラーヘッドユニットタイプのものである。
【0038】本実施形態例の特徴は、先の実施形態例1
と異なり、全てのチップ(Sチップ2201、Kチップ
2202、Cチップ2203、Mチップ2204、Yチ
ップ2205)が128個のノズルを有するノズル列を
有している点、全てのチップが副走査方向への配置ずれ
がなく、主走査方向に横並び状態に配列されている点に
あり、それ以外の構成要素については先の実施形態例1
と同様であり、その共通部分についての説明を省略す
る。なお、上記全チップは同一のフレーム2206上に
固定されている。
【0039】本実施形態例におけるプリントヘッドで
は、各チップのノズルのピッチは約70μmである。各
チップによれば、360dpiの解像度で1回の主走査
で128ノズル分のバンドを記録することができる。そ
して、処理液の付与を伴うプリントを行う場合には、S
チップ2201およびCチップ2203の副走査方向の
下流側(図5中の下側)の64ノズルを用いて処理液S
およびCインクを付与し、Kチップ2202、Mチップ
2204およびYチップ2205の副走査方向の上流側
(図5中の上側)の64ノズルを用いてKインク、Mイ
ンクおよびYインクを付与すると共に、記録バンド幅を
各チップのノズル列長の半分に相当する64ノズル分と
する。この方法によれば、処理液SおよびCインクの付
与を、Kインク、Mインク、Yインクの付与に先行して
行うことが可能となる。この例のプリントヘッドでは、
Kチップ2202のノズルからは約80nlのブラック
インクが吐出され、他のS,C,M,Yの各チップ22
01,2203,2204,2205の各ノズルからは
約40nlの処理液またはインクが吐出されるように構
成されている。
【0040】図8は、図5に示したチップ構成のプリン
トヘッドを用いて処理液吐出を伴うプリント動作を説明
するための模式図である。
【0041】(ステップ1)まず、被プリント材に対し
てプリントヘッドを主走査方向のうち往路方向(図8
中、矢印方向)に移動させながら、SチップおよびCチ
ップの下側の64ノズル分の記録幅でバンド1をプリン
トする。ここで、S記録データについては、やがてバン
ド1に記録されるべきY,M,C,Kデータに基づき、
それらのデータの論理和データを作成してS記録データ
とし、このデータを他のデータに先行して記録する。こ
のステップ1により、被プリント材に、やがてY,M,
C,Kインクを記録すべき領域に、それらインクの付与
に先行して処理液Sが付与される。このような記録動作
後、記録バンド幅分だけ副走査方向(図8においては上
方向)に被プリント材を移動させる。
【0042】(ステップ2)上記ステップ1におけるプ
リントヘッドの移動方向と逆の方向である帰路方向(図
8中、矢印方向)にプリントヘッドを移動させながら、
バンド1および2をプリントする。
【0043】バンド2についてはSチップおよびCチッ
プの下側の64ノズルによってプリントする。ここで、
ステップ1と同様に、バンド2にやがて記録されるべき
Y,M,C,Kデータに基づき、それらのデータの論理
和データを作成してS記録データとし、このデータを他
のデータに先行して記録する。このバンド2に対するプ
リントと同時に、バンド1をKチップ、Yチップおよび
Mチップの上側の64ノズルによってプリントする。
K,Y,Mデータを記録する領域には、すでにステップ
1において処理液Sが付与されており、ステップ2でK
インク、YインクおよびMインクを付与することによ
り、両インク中の色材を被プリント材上の処理液Sによ
り不溶化または凝集させることができる。このような記
録動作後、記録バンド幅分だけ副走査方向(図8におい
ては上方向)に被プリント材を移動させる。
【0044】(ステップ3)上記ステップ2におけるプ
リントヘッドの移動方向と逆の方向である往路方向(図
8中、矢印方向)にプリントヘッドを移動させながら、
バンド2および3をプリントする。
【0045】バンド3についてはSチップおよびCチッ
プの下側の64ノズルによってプリントする。ここで、
ステップ1および2と同様に、バンド3にやがて記録さ
れるべきY,M,C,Kデータに基づき、それらのデー
タの論理和データを作成してS記録データとし、このデ
ータを他のデータに先行して記録する。このバンド3に
対するプリントと同時に、バンド2をKチップ、Mチッ
プおよびYチップの上側の64ノズルによってプリント
する。K,Y,Mデータを記録する領域には、すでにス
テップ2において処理液Sが付与されており、ステップ
3でKインク、YインクおよびMインクを付与すること
により、両インク中の色材を被プリント材上の処理液S
により不溶化または凝集させることができる。このよう
な記録動作後、記録バンド幅分だけ副走査方向(図8に
おいては上方向)に被プリント材を移動させる。
【0046】以下、同様に記録動作を繰り返すことによ
り各インクの付与領域に対して、各インクの付与に必ず
先行して処理液が付与されることになる。
【0047】本実施形態例では、図5に示したプリント
ヘッドを用いて図8に示した各ステップを実施するよう
にしたことから、耐水性のある高信頼性の画像、またフ
ェザリングが少なく、記録濃度が高く、異色境界にじみ
のない高品位の画像を得ることができる。
【0048】なお、本実施形態例に用いられる処理液と
して先の実施形態例1においても用いられた処理液A,
B,Cの使用を試みたところ、処理液Aを使用した場合
が、他の処理液B,Cと比べて最もフェザリングが少な
く、また記録濃度が高く、異色境界にじみのない高品位
の画像が得られた。処理液Bを使用した場合には、印字
品位が処理液Aの場合よりも若干見劣りはするが、実用
上の問題はないレベルであった。処理液Cを使用した場
合には、異色境界にじみが処理液Aの場合よりも若干見
劣りはするが、実用上の問題はないレベルであった。
【0049】また、本実施形態例において、処理液の付
与を伴わないプリントに、十分な耐水性および高印字品
位の画像を形成できる特殊紙を使用する場合には、K,
C,M,Yの各インクのチップの128ノズル全てを同
一走査において使用することによって、さらに高速記録
が可能となる。
【0050】(実施形態例3)図6は、上記プリントヘ
ッドのオリフィス面のさらに他の例を示す概略平面図で
ある。この例のプリントヘッドは、図4および5に示し
た先の実施形態例1および2と同様に、各色インク吐出
ノズル列を含むチップおよび液体吐出ノズル列を含むチ
ップが一オリフィス面上に配されたカラーヘッドユニッ
トタイプのものである。
【0051】本実施形態例の特徴は、Sチップ2101
およびKチップ2102が128個のノズルを有するノ
ズル列を有し、一体構造のYMCチップ2103のノズ
ル列がそれぞれ64個のノズルを有するYインク用、M
インク用およびCインク用ノズル列に分割され副走査方
向に配列されている点にある。Sチップ2101、Kチ
ップ2102およびYMCチップ2103は主走査方向
に1/2インチ間隔で等間隔に配列され、同一のフレー
ム2104上に固定されている。YMCチップ2103
の各インクノズル列間には8ノズル分の色間分離部が設
けられている。各ノズルのピッチは約70μmである。
各チップによれば、360dpiの解像度で1回の主走
査で記録することができる。この例のプリントヘッドで
は、Kチップ2102のノズルからは約80nlのブラ
ックインクが吐出され、他のSチップ2101,YMC
チップ2103の各ノズルからは約40nlの処理液ま
たはインクが吐出されるように構成されている。
【0052】図9は、図6に示したチップ構成のプリン
トヘッドを用いて処理液吐出を伴うプリント動作を説明
するための模式図である。次に、図9を参照して図6に
示したプリントヘッドのプリント工程を説明するが、そ
の説明を簡略化するため、Sチップ2101およびKチ
ップ2102のノズル数を96個とし、YMCチップ2
103の各ノズル数を64個とし、YMCチップ210
3には色間分離部がないとする。
【0053】(ステップ1)まず、被プリント材に対し
てプリントヘッドを主走査方向のうち往路方向(図9
中、矢印方向)に移動させながら、SチップおよびKチ
ップについては96ノズル全部を使用し、Cチップにつ
いては64ノズル全部を使用し、Mチップについては下
側(副走査方向の下流側)の半分に相当する32ノズル
を使用することによって96ノズル分の記録幅でバンド
1をプリントする。ここで、S記録データについては、
やがてバンド1に記録されるべきY,M,C,Kデータ
に基づき、それらのデータの論理和データを作成してS
記録データとし、このデータを他のデータに先行して記
録する。このステップ1により、被プリント材に、やが
てY,M,C,Kインクを記録すべき領域に、それらイ
ンクの付与に先行して処理液Sが付与される。このよう
な記録動作後、記録バンド幅分だけ副走査方向(図9に
おいては上方向)に被プリント材を移動させる。
【0054】(ステップ2)上記ステップ1におけるプ
リントヘッドの移動方向と逆の方向である帰路方向(図
9中、矢印方向)にプリントヘッドを移動させながら、
バンド1および2をプリントする。
【0055】バンド2については、ステップ1における
バンド1に対するプリントと同様に、チップおよびKチ
ップについては96ノズル全部を使用し、Cチップにつ
いては64ノズル全部を使用し、Mチップについては下
側(副走査方向の下流側)の半分に相当する32ノズル
を使用することによって96ノズル分の記録幅でバンド
2をプリントする。このバンド2に対するプリントと同
時に、Mチップの上半分の32ノズルとYチップの64
ノズル全部を使用することによってバンド1にプリント
する。このとき、先のステップ1と異なり、記録動作後
であっても、副走査方向への被プリント材の記録バンド
幅分の移動を行わず、そのまま次のステップ3の動作へ
移行する。
【0056】(ステップ3)このステップでは、被プリ
ント材に対してプリントヘッドを主走査方向のうち往路
方向(図9中、矢印方向)に移動させながら、先のステ
ップ1と同様にSチップおよびKチップについてはそれ
ぞれ96ノズル全部を使用し、Cチップについては64
ノズル全部を使用し、Mチップについてはその下半分の
32ノズルを使用することによって96ノズル分の記録
幅でバンド2をプリントする。
【0057】以下、同様に記録動作を繰り返すことによ
り各インクの付与領域に対して、各インクの付与に必ず
先行して処理液が付与されることになる。
【0058】本実施形態例では、図6に示したプリント
ヘッドを用いて図9に示した各ステップを実施するよう
にしたことから、耐水性のある高信頼性の画像、またフ
ェザリングが少なく、記録濃度が高く、異色境界にじみ
のない高品位の画像を得ることができる。
【0059】なお、本実施形態例に用いられる処理液と
して先の実施形態例1においても用いられた処理液A,
B,Cの使用を試みたところ、処理液Aを使用した場合
が、他の処理液B,Cと比べて最もフェザリングが少な
く、また記録濃度が高く、異色境界にじみのない高品位
の画像が得られた。処理液Bを使用した場合には、印字
品位が処理液Aの場合よりも若干見劣りはするが、実用
上の問題はないレベルであった。処理液Cを使用した場
合には、異色境界にじみが処理液Aの場合よりも若干見
劣りはするが、実用上の問題はないレベルであった。
【0060】本発明に使用される処理液としては、
(1)記録画像の耐水性を向上させる、(2)記録画像
の印字品位を向上させる、さらにカラープリントにおい
ては、(3)記録画像の異なる色間の異色境界にじみを
低減させる機能をもつものであれば制限はないが、少な
くとも1種のカチオン性物質が処理液に含有されている
と、上記効果を発揮させることが可能になる。
【0061】カチオン性物質は分子中にカチオン性基を
もつものであれば特に制限はないが、カチオン性の界面
活性剤やカチオン性のオリゴマ、ポリマ等が好ましい。
【0062】まず、カチオン性界面活性剤について、好
適な具体的化合物を挙げると、1級、2級、3級アミン
の塩の化合物、具体的にはラウリルアミン、ヤシアミ
ン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、第4
級アンモニウム型の化合物、具体的にはセチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ラウリルトリブチルアンモニウムク
ロライド、塩化ベンザルコニウム等、あるpH領域にお
いてカチオン性を示す両性界面活性剤、具体的にはアミ
ノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物等を等電点以
下に調整したものが挙げられるが、勿論これらに限定さ
れるものではない。そして、これらの化合物の中でも特
に第4級アンモニウム型化合物が好適である。
【0063】次に、カチオン性のオリゴマ、ポリマにつ
いて、具体的なモノマユニットとしては、ビニルアミ
ン、アリルアミン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾー
ル、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、エチレン
イミン、2−オキサゾリン等が挙げられるが、勿論これ
らに限定されるものではない。
【0064】また、前述のようなカチオン性のモノマユ
ニットの単独重合体だけでなく、非イオン性モノマユニ
ットとの共重合体、非イオン性オリゴマ、ポリマの一部
を高分子化したものでも使用可能である。
【0065】そして、これらの化合物の中でも特にアリ
ルアミンをユニットとしたオリゴマ、ポリマが好適であ
る。
【0066】さらに、低分子カチオン性界面活性剤とポ
リアリルアミンとを併用すると、カラー記録時に異色境
界にじみを低減させることができるため、以上述べた中
でも、特にカラー記録時において好適な組み合わせであ
る。
【0067】次に、本発明で使用される処理液またはイ
ンク中に含有され得る他の構成成分について述べる。
【0068】本発明に用いられるインク中の色材として
は水溶性染料を用いることができる。水溶性染料につい
ては可溶化基としてアニオン性基を有するものを用い
る。本発明で使用されるインクには、水溶性染料に、さ
らに水、水溶性有機溶媒、その他の成分として粘度調整
剤、pH調整剤、防かび剤、中性またはアニオン性の界
面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれる。
【0069】本発明に用いられるインクの色としては、
ブラック、シアン、マゼンタ、イエローであり、色材と
してはアニオン性の水溶性染料が挙げられる。
【0070】本発明で用いられるアニオン性の水溶性染
料としては、カラーインデックス(colour in
dex)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染
料、反応性染料であれば、特に限定はない。また、カラ
ーインデックスに記載のない染料であっても、アニオン
性基、例えばスルホン基を有するものであれば特に制限
はない。これらの染料はインク中に1〜10重量%、好
ましくは1〜5重量%の範囲で用いる。
【0071】具体的な染料としては、C.I.ダイレク
トイエロー8、11、12、27、28、33、39、
44、50、58、85、86、87、88、98、1
00、110、C.I.ダイレクトレッド2、4、9、
11、20、23、24、31、39、46、62、7
5、79、80、89、95、197、20、218、
220、224、225、226、227、228、2
30、C.I.ダイレクトブルー1、15、22、2
5、41、76、77、80、86、90、98、10
6、108、120、158、163、168、19
9、226、C.I.アシッドイエロー1、3、7、1
1、17、23、25、29、36、38、40、4
2、44、76、98、99、C.I.アシッドレッド
6、8、9、13、14、18、26、27、32、3
5、42、51、52、80、83、87、89、9
2、106、114、115、133、134、14
5、158、198、249、265、289、C.
I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、2
5、29、40、43、59、62、74、78、8
0、90、100、102、104、117、127、
138、158、161、C.I.ダイレクトブラック
17、19、22、31、32、51、62、71、7
4、112、113、154、168、C.I.アシッ
ドブラック2、48、5、52、110、115、15
6、C.I.リアクティブブラック1、8、12、1
3、C.I.フードブラック1、2等が挙げられる。勿
論、以上のものに限定されるものではない。
【0072】上記以外に本発明に用いるインクの色材と
して(1)可溶化基としてカルボキシル基をもつ染料
(これはpHに対して溶解度の依存性を示す染料が挙げ
られる)、(2)油溶性染料、(3)カチオン性染料、
(4)顔料等を用いることも可能である。
【0073】これらの色材を含むインクは上記水溶性ア
ニオン正染料を含有するインクと接すると境界部で析出
する、互いに相溶しない、などの理由によって境界にじ
みを生じない特性を有するものである。特に上記
(1)、(2)、(4)の色材は優れた耐水性をものが
多い。
【0074】カルボキシル基をもつ染料としては、例え
ば以下に示すものが挙げられるが、勿論、本発明はこれ
らの構造の染料に限定されるものではない。
【0075】油溶性染料としては、カラーインデックス
に記載されているものであれば特に限定はない。また、
カラーインデックスに記載のない新規の染料であって
も、特に制限はない。
【0076】カチオン性染料としては、カラーインデッ
クスに記載されているものであれば特に限定はない。ま
た、カラーインデックスに記載のない新規の染料であっ
ても、特に制限はない。
【0077】これらの染料、顔料はインク中に1〜10
重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で用いる。ま
た、本発明に用いる処理液と異なる走査で記録する特定
の色としては、例えば(1)処理液を付与することによ
る色材の色度変化が使用するインク中で最も小さい、
(2)処理液のミストによるノズルの目詰まりが使用す
るインク中で最も大きい等のインクを用いることが望ま
しい。その理由は、(1)に関しては処理液を付与する
走査と異なる走査でインクを付与する場合は、同一の走
査で処理液とインクを付与する場合と比べて時間的な間
隔が長くなるため、インクはその色度変化が小さい方が
より望ましい。また、(2)に関しては処理液を付与す
る走査と異なる走査でインクを付与する場合、その最も
単純な構成は図4に示すようにチップを副走査方向にず
らすことである。この図4から明らかなように、処理液
を付与する走査と異なる走査で付与するインクは当然処
理液を吐出するチップから物理的な距離が遠くなる。こ
の結果、処理液のミストがインクチップのノズルまで到
達しにくくなり、処理液のミストに起因したインクチッ
プの目詰まりが生じにくくなる。
【0078】本発明に用いられるインク染料を不溶化す
る処理液は、一例として以下のようにして得ることがで
きる。
【0079】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社
製)にて加圧濾過した後、NaOHでpHを4.8に調
製し、処理液Sを得ることができる。
【0080】 [Sの成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウム塩 2.0部 (商品名;エレクトロストリッパQE、花王株式会社製) または、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド (商品名;ユータミン86P、花王株式会社製) カチオン性化合物の高分子成分 ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体 3.0部 (平均分子量;5000) (商品名;ポリアミンスルホンPAS−92、 日東紡績株式会社製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0081】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)に
て加圧濾過してイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック
のインクY1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0082】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 商品名;アセチレノールEH 0.05部 (川研ファインケミカル株式会社製) 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代え
た以外はY1と同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以
外はY1と同じ組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外は
Y1と同じ組成以上示したそれぞれ処理液(液体組成
物)とインクとの混合において、本発明では、上述した
処理液とインクが被プリント材上あるいは被プリント材
に浸透した位置で混合する結果、反応の第1段階として
処理液中に含まれているカチオン性物質の内、低分子量
の成分またはカチオン性オリゴマーとインクに使用して
いるアニオン性基を有する水溶性染料とがイオン的相互
作用により会合を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起
こす。
【0083】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体が処理液中に含まれる高分子成分により吸着
されるために、会合で生じた染料の凝集体のサイズがさ
らに大きくなり、被プリント材の繊維間の隙間に入り込
みにくくなり、その結果として固液分離した液体部分の
みが記録紙中にしみこむことにより、プリント品位と定
着性との両立が達成される。同時に上述したようなメカ
ニズムにより生成したカチオン物質の低分子成分または
カチオン性オリゴマーとアニオン性染料で形成される凝
集体は粘性が大きくなり、液媒体の動きとともに移動す
ることがないので、フルカラーの画像形成時のように隣
接したインクドットが異色のインクで形成されていたと
しても互いに混じり合うようなことはなく、ブリーデイ
ングも起こらない。また、上記凝集体は本質的に水不溶
性であり形成された画像の耐水性は完全なものとなる。
また、ポリマーの遮蔽効果により形成された画像の耐光
堅牢性も向上するという効果も有する。
【0084】本明細書において使用される「不溶化」ま
たは「凝集」の用語は、前記第1段階のみの現象また
は、第1段階と第2段階の両方を含んだ現象を意味す
る。
【0085】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0086】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0087】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェットプリント方式の中でも、インク吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手
段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱
エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式のプ
リントヘッド、プリント装置において優れた効果をもた
らすものである。かかる方式によればプリントの高密度
化,高精細化が達成できるからである。
【0088】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発
生せしめ、プリントヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書,同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
【0089】プリントヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変
換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基いた構成と
しても本発明の効果は有効である。すなわち、プリント
ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によ
ればプリントを確実に効率よく行うことができるように
なるからである。
【0090】さらに、プリント装置がプリントできるプ
リント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルライン
タイプのプリントヘッドに対しても本発明は有効に適用
できる。そのようなプリントヘッドとしては、複数プリ
ントヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、
一体的に形成された1個のプリントヘッドとしての構成
のいずれでもよい。
【0091】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定されたプリントヘッド、あるい
は装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接
続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在
のチップタイプのプリントヘッド、あるいはプリントヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプのプリントヘッドを用いた場合にも本発明は
有効である。
【0092】また、本発明にプリント装置の構成として
設けられる、プリントヘッドに対しての回復手段、予備
的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安
定できるので、好ましいものである。これらを具体的に
挙げれば、プリントヘッドに対してのキャッピング手
段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換
体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行なう予備
吐出モードを行なうことも安定したプリントを行なうた
めに有効である。
【0093】また、搭載されるプリントヘッドの種類な
いし個数についても、例えば単色のインクに対応して1
個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度を異に
する複数のインクに対応して複数個数設けられるもので
あってもよい。すなわち、例えばプリント装置のプリン
トモードとしては黒色等の主流色のみのプリントモード
だけではなく、プリントヘッドを一体的に構成するか複
数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色
の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくと
も一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0094】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいはインクジェット方式ではイ
ンク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を
行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制
御するものが一般的であるから、使用プリント信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、積
極的に熱エネルギによる昇温をインクの固形状態から液
体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめること
で防止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放
置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにして
も熱エネルギのプリント信号に応じた付与によってイン
クが液化し、液状インクが吐出されるものや、プリント
媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよ
うな、熱エネルギによって初めて液化する性質のインク
を使用する場合も本発明は適用可能である。このような
場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるい
は特開昭60−71260号公報に記載されるような、
多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として
保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するよう
な形態としてもよい。本発明においては、上述した各イ
ンクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を
実行するものである。
【0095】さらに加えて、本発明の液体噴射プリント
ヘッドを使用するプリント機構を備えたプリント装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた
複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装
置の形態を採るもの等であってもよい。
【0096】図10は本発明のプリント装置をワードプ
ロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置としての機能を有する情報処理装置に適用
した場合の概略構成を示すブロック図である。
【0097】図中、1801は装置全体の制御を行なう
制御部で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/O
ポートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力し
たり、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御
を行なっている。1802はディスプレイ部で、この表
示画面には各種メニューや文書情報およびイメージリー
ダ1807で読み取ったイメージデータ等が表示され
る。1803はディスプレイ部1802上に設けられた
透明な感圧式のタッチパネルで、指等によりその表面を
押圧することにより、ディスプレイ部1802上での項
目入力や座標位置入力等を行なうことができる。
【0098】1804はFM(Frequency M
odulation)音源部で、音楽エディタ等で作成
された音楽情報をメモリ部1810や外部記憶装置18
12にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモ
リ等から読み出してFM変調を行なうものである。FM
音源部1804からの電気信号はスピーカ部1805に
より可聴音に変換される。プリンタ部1806はワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置の出力端末として、本発明プリント装置が
適用されたものである。
【0099】1807は原稿データを光電的に読取って
入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路途中に設
けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原
稿の読取りを行なう。1808はイメージリーダ部18
07で読取った原稿データのファクシミリ送信や、送ら
れてきたファクシミリ信号を受信して復号するファクシ
ミリ(FAX)の送受信部であり、外部とのインターフ
ェース機能を有する。1809は通常の電話機能や留守
番電話機能等の各種電話機能を有する電話部である。
【0100】1810はシステムプログラムやマネージ
ャプログラムおよびその他のアプリケーションプログラ
ム等や文字フォントおよび辞書等を記憶するROMや、
外部記憶装置1812からロードされたアプリケーショ
ンプログラムや文書情報さらにはビデオRAM等を含む
メモリ部である。
【0101】1811は文書情報や各種コマンド等を入
力するキーボード部である。
【0102】フロッピィディスクやハードディスク等を
記憶媒体とする外部記憶装置で、この外部記憶装置18
12には文書情報や音楽或は音声情報、ユーザのアプリ
ケーションプログラム等が格納される。
【0103】図11は図10に示す情報処理装置の模式
的外観図である。
【0104】図中、1901は液晶等を利用したフラッ
トパネルディスプレイで、各種メニューや図形情報およ
び文書情報等を表示する。このディスプレイ1901上
にはタッチパネル1803の表面を指等で押圧すること
により座標入力や項目指定入力を行なうことができる。
1902は装置が電話器として機能するときに使用され
るハンドセットである。キーボード1903は本体と脱
着可能にコードを介して接続されており、各種文書情報
や各種データ入力を行なうことができる。また、このキ
ーボード1903には各種機能キー1904等が設けら
れている。1905は外部記憶装置212へのフロッピ
ーディスクの挿入口である。
【0105】1906はイメージリーダ部1807で読
取られる原稿を戴置する用紙戴置部で、読取られた原稿
は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等に
おいては、インクジェットプリンタ1907よりプリン
トされる。
【0106】なお、上記でディスプレイ部1802はC
RTでもよいが、強誘電性液晶を利用した液晶ディスプ
レイ等のフラットパネルが望ましい。小型、薄型化に加
え軽量化が図れるからである。
【0107】上記情報処理装置をパーソナルコンピュー
タやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード
部211から入力された各種情報が制御部1801によ
り所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部18
06に画像として出力される。
【0108】ファクシミリ装置の受信機として機能する
場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入
力したファクシミリ情報が制御部1801により所定の
プログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806
に受信画像として出力される。
【0109】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られ
た原稿データが制御部1801を介してプリンタ部18
06に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ
装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1
807によって読取られた原稿データは、制御部180
1により所定のプログラムに従って送信処理された後、
FAX送受信部1808を介して通信回線に送信され
る。
【0110】なお、上述した情報処理装置は図12に示
すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体
型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高め
ることが可能となる。同図において、図11と同一機能
を有する部分には、対応する符号を付す。
【0111】以上説明した多機能型情報処理装置に本発
明のプリント装置を適用することによって、高品位のプ
リント画像を高速かつ低騒音で得ることができるため、
上記情報処理装置の機能をさらに向上させることが可能
となる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐水性、発色性に優れ、色間にじみのない高品位画像を
高速印字で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置としてのインクジェット
プリント装置の一実施形態例を示す概略斜視図である。
【図2】図1で説明したインクジェットユニットを示す
概略斜視図である。
【図3】上記プリントヘッドの発熱体付近の構成を示す
拡大断面図である。
【図4】上記プリントヘッドのオリフィス面の一例を示
す概略平面図である。
【図5】上記プリントヘッドのオリフィス面の他の例を
示す概略平面図である。
【図6】上記プリントヘッドのオリフィス面のさらに他
の例を示す概略平面図である。
【図7】図4に示したチップ構成のプリントヘッドを用
いて処理液吐出を伴うプリント動作を説明するための模
式図である。
【図8】図5に示したチップ構成のプリントヘッドを用
いて処理液吐出を伴うプリント動作を説明するための模
式図である。
【図9】図6に示したチップ構成のプリントヘッドを用
いて処理液吐出を伴うプリント動作を説明するための模
式図である。
【図10】本発明のプリント装置をワードプロセッサ、
パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置
としての機能を有する情報処理装置に適用した場合の概
略構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示す情報処理装置の模式的外観図で
ある。
【図12】本発明のプリント装置を情報処理装置に適用
した場合の一例を示す模式的外観図である。
【符号の説明】
2101 Sチップ 2102 Kチップ 2103 YMCチップ 2104 フレーム 2201 Sチップ 2202 Kチップ 2203 Cチップ 2204 Mチップ 2205 Yチップ 2206 フレーム 2301 Sチップ 2302 Kチップ 2303 Cチップ 2304 Mチップ 2305 Yチップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 幹史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齋藤 絵里子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被プリント材の上面に沿って平行に往復
    移動しながら、該被プリント材に対してインクと、該イ
    ンクの色材を不溶化または凝集させる物質を含む液体と
    を吐出する吐出手段を用い、該吐出手段の往復移動方向
    の往方向への走査と次の復方向への走査との間に前記被
    プリント材を前記吐出手段の往復移動方向に直交する方
    向に一定幅だけ搬送させてプリントを行う画像形成方法
    であって、 前記被プリント材への前記液体の付与を行う走査と異な
    る走査で、前記インクを付与することを特徴とする画像
    形成方法。
  2. 【請求項2】 前記インクは複数のインクであり、該複
    数種類のインクのうち、前記液体の付与によって生じる
    色度変化が最も小さいインクの付与を、前記液体の付与
    を行う走査と異なる走査で行うことを特徴とする請求項
    1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記インクは複数のインクであり、該複
    数種類のインクのうち、前記液体の付与によって最も顕
    著に不溶化または凝集する色材を含むインクの付与を、
    前記液体の付与を行う走査と異なる走査で行うことを特
    徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 画像をプリントすべき領域にまず前記液
    体を付与した後、前記インクを付与することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 画像をプリントすべき領域にまず前記イ
    ンクを付与した後、前記液体を付与することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 画像をプリントすべき領域にまず前記液
    体を付与した後、前記インクを付与した後、さらに前記
    液体を付与することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かの項に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記液体の付与をインクジェットプリン
    ト方式により行うことを特徴とする請求項1記載の画像
    形成方法。
  8. 【請求項8】 前記インクの付与をインクジェットプリ
    ント方式により行うことを特徴とする請求項1記載の画
    像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記液体は少なくともカチオン性物質を
    含有するものであり、かつ、前記インクは少なくとも水
    溶性基としてアニオン性基を含有するものであることを
    特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記カチオン性物質はポリアリルアミ
    ンであることを特徴とする請求項9記載の画像形成方
    法。
  11. 【請求項11】 前記カチオン性物質は、カチオン性界
    面活性剤およびポリアリルアミンであることを特徴とす
    る請求項9記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記液体は少なくともアニオン性化合
    物を含有するものであり、かつ、前記インクは少なくと
    もカチオン性染料を含有するものであることを特徴とす
    る請求項1記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記液体の付与により前記被プリント
    材に形成される画素の数を、前記インク付与により前記
    被プリント材に形成されるプリント画像の画素の数より
    も少なくすることを特徴とする請求項1記載の画像形成
    方法。
  14. 【請求項14】 前記インクの1画素分のプリントを、
    前記被プリント材に対する複数回のインク付与により行
    うことを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 前記複数回のインク付与を同一走査内
    で行うことを特徴とする請求項14記載の画像形成方
    法。
  16. 【請求項16】 前記液体の前記被プリント材への付着
    を、前記被プリント材に対する複数回の前記液体の付与
    により行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成方
    法。
  17. 【請求項17】 前記複数回の前記液体の付与を同一走
    査内で行うことを特徴とする請求項16記載の画像形成
    方法。
  18. 【請求項18】 被プリント材の上面に沿って平行に往
    復移動しながら、該被プリント材に対してインクと、該
    インクの色材を不溶化または凝集させる物質を含む液体
    とを吐出する吐出手段を含めることができ、かつ、該吐
    出手段の往復移動方向の往路方向への走査と次の復路方
    向への走査との間に前記被プリント材を前記吐出手段の
    往復移動方向に直交する方向に一定幅だけ搬送する搬送
    手段を含む画像形成装置であって、 前記吐出手段は、前記インクを吐出するためのノズル列
    と、前記液体を吐出するためのノズル列とを有し、該液
    体吐出ノズル列の全走査領域は前記インク吐出ノズル列
    によるインク付与がされる前記被プリント材上の帯状領
    域を覆う長さを有することを特徴とする画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記液体ノズル列は、前記インク吐出
    ノズル列により前記被プリント材上の帯状領域にインク
    付与がされる走査と異なる走査において、前記帯状領域
    に対して前記液体を付与するものであることを特徴とす
    る請求項18記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記液体吐出ノズル列は、前記インク
    吐出ノズル列に対し、前記被プリント材の搬送方向の上
    流側に配置されていることを特徴とする請求項19記載
    の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記液体吐出ノズル列は、前記インク
    吐出ノズル列に対し、前記被プリント材の搬送方向の下
    流側に配置されていることを特徴とする請求項19記載
    の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記液体吐出ノズル列の前記被プリン
    ト材に対する走査領域と前記インク吐出ノズル列の前記
    被プリント材に対する走査領域とは、同一走査時におい
    て重複しないことを特徴とする請求項20または21に
    記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記液体吐出ノズル列との間で、前記
    被プリント材の搬送方向に離間している前記インク吐出
    ノズル列は、前記液体ノズル列から吐出された前記液体
    の付与によって色度変化が最も小さいインクを吐出する
    ものであることを特徴とする請求項20または21に記
    載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 前記液体吐出ノズル列との間で、前記
    被プリント材の搬送方向に離間している前記インク吐出
    ノズル列は、前記液体ノズル列から吐出された前記液体
    のミストによって最も顕著に不溶化または凝集する色材
    を含むインクを吐出するものであることを特徴とする請
    求項20または21に記載の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 前記吐出手段の前記インク吐出ノズル
    列は、熱エネルギを利用してインク中に気泡を生じさ
    せ、該気泡の生成に基づいてインクを吐出するための電
    気熱変換体を有することを特徴とする請求項18〜24
    のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  26. 【請求項26】 前記吐出手段の前記液体吐出ノズル列
    は、熱エネルギを利用して前記液体中に気泡を生じさ
    せ、該気泡の生成に基づいて前記液体を吐出するための
    電気熱変換体を有することを特徴とする請求項18〜2
    4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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