JP2002154195A - インクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリント装置

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JP2002154195A
JP2002154195A JP2000351999A JP2000351999A JP2002154195A JP 2002154195 A JP2002154195 A JP 2002154195A JP 2000351999 A JP2000351999 A JP 2000351999A JP 2000351999 A JP2000351999 A JP 2000351999A JP 2002154195 A JP2002154195 A JP 2002154195A
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head
heads
processing liquid
printing apparatus
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JP2000351999A
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Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
Hitoshi Tsuboi
仁 坪井
Tsutomu Kawai
力 河合
Sunao Matsumoto
直 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクとこれを不溶化する処理液を用いてプ
リントを行なうインクジェットプリント装置において、
処理液またはそれによる不溶化物のミストがインクまた
は処理液のヘッドの吐出に与える影響を低減する。 【解決手段】 処理液を吐出するヘッド101Sについ
てベルト111によって搬送される用紙103との距離
を、他のヘッド101Bk、101C、101M、10
1Yのそれよりも大きくする。これにより、ヘッド10
1Sの処理液吐出に伴って発生するミストは、主にその
両側のヘッド101Bkおよび101Cとの間で形成さ
れる凹状の空間に拡散し、両側のヘッドのインク吐出口
面まで及ぶことはほとんどない。また、上記距離が大き
いことから、処理液ヘッドに付着する不溶化物が混在す
る跳ね返りミストの量を少なくすることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ント装置に関し、詳しくはインクとこのインクを不溶化
する処理液を用いてプリントを行なう場合に処理液の吐
出によって発生する処理液もしくは不溶化物のミストの
影響を低減する構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクを不溶化する処理液は、基本的に
プリントされた画像の耐水性の向上に寄与するものであ
る。すなわち、処理液はプリント媒体上のインクが吐出
される部分に重ねて、もしくは一部が処理液と接触でき
るよう隣接して吐出され、これにより、インクと処理液
との混合を生じさせてインク中の色材を不溶化する。そ
して、このようにしてプリント媒体に定着したインクは
その不溶化によって耐水性が向上することになる。
【0003】処理液はこのような本来的な目的の他、プ
リント画質の向上のためにも用いられ、これに関して本
願人は種々提案を行なっている。特に、プリント画像に
おけるフェザリングや滲みの防止、さらには濃度の向上
にも効果的である。
【0004】処理液の吐出は、通常のインクと同様のプ
リントヘッドを用いて行なわれる。例えば、シリアルタ
イプのプリンタであれば、処理液ヘッドはキャリッジ上
にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各ヘッドと
ともに搭載され、キャリッジの移動に伴ないこれらヘッ
ドそれぞれの配列に応じた順序でそれぞれのヘッドから
インクまたは処理液がプリント媒体上に吐出される。ま
た、プリント媒体の幅に対応した範囲で吐出口を配列し
た、いわゆるフルラインタイプのヘッドを用いるプリン
タでは、インクを吐出するヘッドと同様、プリント媒体
の搬送方向において他のへッドと一定の間隔をおいて配
設される。そして、プリント媒体の搬送に応じて処理液
を吐出することにより、上述のようにプリント媒体上で
インクと混合できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、処理液
を用いるインクジェットプリント装置では処理液がイン
クを不溶化するという原理を採用することから、プリン
トには直接関係しない不溶化物を生じこれが種々の悪影
響を及ぼす場合がある。
【0006】例えば、ヘッドから処理液が吐出される
際、プリント媒体に着弾させるべき処理液滴の他、より
小さな液滴であるミスト状の処理液が発生する場合があ
る。このミスト状の処理液は比較的小さな質量と速度を
有するため、プリント媒体には至らず、浮遊して直接他
のヘッドの吐出口面に付着することがある。この吐出口
面はインクを吐出するための吐出口が配設された面であ
り、これに浮遊してきた処理液が付着して吐出口または
その近傍のインクと反応して不溶化物を生じると、イン
クの不吐出や、吐出量の不足や吐出方向の偏向といった
吐出不良を招くことがある。
【0007】また、上述した処理液のミストは、吐出さ
れた処理液の液滴がプリント媒体に着弾した際にその一
部が跳ね返ることによっても生じる。このような処理液
のはね返りミストも、他のヘッドに付着して同様に吐出
不良の原因となることがある。
【0008】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたものであり、その目的とするところは、インクと
これを不溶化する処理液を用いてプリントを行なう場合
に、処理液またはそれによる不溶化物のミストがインク
または処理液ヘッドの吐出に与える影響を低減すること
ができるインクジェットプリント装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを吐出する複数のインクヘッドおよびインクを不
溶化する処理液を吐出する処理液ヘッド用い、プリント
媒体にインクと処理液を吐出してプリントを行うインク
ジェットプリント装置において、前記複数のインクヘッ
ドおよび処理液ヘッドとプリント媒体とを相対的に移動
させる相対移動手段と、該相対移動手段によるプリント
媒体の相対移動方向に沿って複数のインクヘッドおよび
処理液ヘッドを配列し、当該配列において処理液ヘッド
をインクヘッドの間に配置し、かつ相対移動するプリン
ト媒体との距離を複数のインクヘッドのいずれよりも大
きくして配置するように保持するヘッド保持手段と、を
具えたことを特徴とする。
【0010】以上の構成によれば、処理液ヘッドは複数
のインクヘッドの間に配置され、かつプリント媒体との
距離がインクヘッドより大きくなるよう配置されるの
で、処理液の吐出に伴って発生することがある処理液の
ミストは上記の各ヘッドの配置によって形成される凹状
の空間に主に拡散し、これにより、インクヘッドの吐出
口が配設された部分まで処理液ミストが及ぶことはほと
んど無い。また、処理液ヘッドはプリント媒体との距離
が大きいので、プリント媒体から跳ね返る不溶化物が混
じったミストが処理液ヘッドの吐出口が配設された部分
に及ぶことも少なくなる。
【0011】換言すれば、本発明は処理液の着弾精度を
それ程高くする必要がないという着眼に基づいてなされ
たものである。すなわち、処理液はインクと異なり画素
を直接形成するものではないので、プリント媒体上の着
弾すべき箇所に必ずしも正確に着弾させる必要はなく、
着弾した処理液がインクと混合し所定の不溶化を生じ得
る程度の着弾精度で良い。
【0012】このため、本発明はこの着弾精度を決定す
る要因の一つであるいわゆる紙間距離を、上述のように
処理液ヘッドについて他のヘッドより大きくし、これに
より、第1に、各ヘッドの配列において処理液ヘッドと
他のインクヘッドとの間で凹状の空間を形成し、これを
処理液ヘッドから発生した処理液ミストが浮遊する空間
としてこのミストが他のヘッドの吐出口面に至ることを
防止するもである。第2に、処理液の吐出によるはね返
りミストがその処理液へッドに付着する量を少なくする
ものでもある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0014】(第1実施形態)図1は本発明の第一の実
施形態に係るフルラインタイプのプリントヘッドを用い
たインクジェットプリンタの概略構成を示す側面図であ
る。
【0015】本実施形態のプリンタは、プリント媒体と
しての用紙の搬送方向(同図中矢印A方向)に沿って所
定間隔で配置された複数のフルラインタイプのプリント
ヘッドよりインクまたは処理液を吐出してプリントを行
うものであり、これらプリント媒体の搬送やプリントヘ
ッドの吐出のための駆動等、プリンタ全体の動作および
そのためのデータ処理は不図示の制御回路によって制御
される。
【0016】本実施形態は、ブラック(Bk)、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インクおよび処
理液(S)について、それぞれフルラインタイプのヘッド
101Bk、101C、101M、101Yおよび10
1Sを備える。それぞれのヘッドは図中A方向に搬送さ
れる記録紙の幅方向(図の紙面に垂直な方向)に約72
00個のインク吐出口を配列し、これにより、最大A3
サイズの用紙に対しプリントを行うことができる。これ
らのプリントヘッドは、液路内に設けられたヒータが発
生する熱エネルギーを利用してインクまたは処理液の液
中に気泡を生じさせ、この気泡の圧力によって液を吐出
するものである。
【0017】用紙103は、搬送用モータにより駆動さ
れる一対のレジストローラ114の回転によってA方向
に搬送され、一対のガイド板115により案内されてそ
の先端のレジ合わせが行われた後、搬送ベルト111に
よって搬送される。エンドレスベルトである搬送ベルト
111は2個のローラ112,113により保持されて
おり、その上側部分の上下方向の変位はプラテン104
によって規制されている。ローラ113はモータ等を有
した不図示の駆動源によって回転駆動され、これによっ
て用紙103の搬送が可能となる。なお、搬送ベルト1
11に対する用紙103の吸着は静電吸着によって行わ
れる。搬送ベルト111上を搬送されこの間に各ヘッド
から吐出されるインクまたは処理液によって記録が行わ
れた用紙103は、ストッカ116上へ排出される。
【0018】以上の構成において、各プリントヘッドか
ら搬送されるプリント媒体に対してそれぞれの色のイン
クと処理液を吐出することによりブラックの文字やカラ
ー画像のプリントが可能になる。具体的には、図1に示
すように、用紙の搬送に伴うインク吐出において最初に
ヘッド101BkからBkインクが吐出された後、ヘッ
ド101Sから処理液が吐出される。すなわち、本実施
形態では、ブラックインクの吐出に対応して処理液が吐
出されるものであり、耐水性はもとより黒文字などの濃
度向上や滲みの防止を図ることができる。C、M、Yの
各インクについては基本的に処理液とは関係無く吐出さ
れる。
【0019】本実施形態では、これらのプリントヘッド
において、吐出口面、すなわち、吐出口が配設された面
と、プリント媒体である用紙との距離(以下、紙間距離
ともいう)を処理液のヘッド101Sについて異ならせ
て配設する。具体的には図1に示すように、ヘッド10
1Sの紙間距離は他のヘッドより紙間距離が大きくとら
れ、他のヘッドについては相互に同じ紙間距離とする。
【0020】この構成により、第一には、処理液のヘッ
ド101Sとその両側のヘッド101Bkおよび101
Cとによって所定の空間が形成され、ヘッド101Sか
らの処理液吐出に伴って発生し用紙まで至らないミスト
は、主にこの空間に浮遊することができる。この結果、
処理液吐出に伴ってこのような処理液のミストが発生し
たとしても、そのミストは多くが隣接する他のインクの
ヘッド101Bkやヘッド101Cの側面に付着し、そ
れらの吐出口面まで至って吐出口内またはその近傍のイ
ンクと反応して不溶化物を生ずることをほとんど無くす
ことができる。
【0021】第二に、逆に処理液ヘッドの吐出口面に不
溶化物の混じったミストが付着しにくいという効果を得
ることができる。すなわち、用紙上のBkインクに対し
て処理液が吐出されると、そのはね返りミストには反応
した液が含まれることがある。そして、そのミストが処
理液ヘッドの吐出口面に付着するとインクについて前述
したのと同様処理液の吐出不良を招くことがあるが、紙
間距離を大きくすることによって上述のはね返りミスト
が処理液ヘッドの吐出口面に付着する量を少なくするこ
とができる。本願発明者の実験によれば、処理液のヘッ
ドについて紙間距離を1.5mm程度以上とすればほぼ
問題が無いことがわかっている。これにより、本実施形
態では、処理液ヘッドの紙間距離を1.5mmとし、他
の4つのヘッドについては1.0mmに設定する。
【0022】処理液のヘッドについて以上のように紙間
距離を大きくすることは一般に着弾精度の低下をもたら
す。しかし、処理液はBkインクと所定の反応を生じて
Bkインクを不溶化するために吐出されるものであり、
必ずしもBkインクが付与される画素に精度良く着弾さ
せる必要は無い。つまり、処理液の着弾位置がずれたと
しても処理液とBkインクとが所定の反応を生じ得る位
置であれば、ブラックのプリント画像について濃度向上
や耐水性等、所定の処理液の効果を発揮することができ
る。本願発明者はこの点を考慮しつつ、処理液ミストも
しくは不溶化物の混在するミストの付着をできるだけ少
なくする処理液ヘッドの位置あるいは他のヘッドとの位
置関係について良好なものの一例として本実施形態を成
すに至ったものである。なお、処理液を浸透性の比較的
高いものとすれば、例えばブラックのべた部分をプリン
トする場合、吐出された処理液はBkインク滴群の表面
を拡散しつつそれらのインクと反応して用紙中に浸透し
ていくため、着弾精度の低下は問題とならない。
【0023】(第2実施形態)図2は、本発明の第二の実
施形態にかかるインクジェットプリンタの概略構成を示
す側面図である。同図に示すように、本実施形態のプリ
ンタは上述した第一の実施形態と基本的構成を同様のも
のとするが、各プリントヘッドについての紙間距離が異
なる。
【0024】すなわち、処理液ヘッドについて紙間距離
が最も大きくなる点は上記第一実施形態と同様である。
これにより、第一実施形態と同様、処理液吐出に関して
処理液ミストが浮遊する空間を形成して処理液ミストが
他のヘッドの吐出口面に付着することを防止できるとと
もに、不溶化物が混在するはね返りミストが処理液ヘッ
ドの吐出口面に付着する量を少なくすることができる。
【0025】以上のような効果に加え、本実施形態は、
Bkインクヘッドの着弾精度を向上させることができ、
これにより、特にBkヘッドのインク吐出量を通常の場
合および他のヘッドのそれと比較して少なくできるもの
である。すなわち、各プリントヘッドの紙間距離に関す
る構成は、図2に示すように、処理液ヘッド101Sに
ついて上述した構成に加え、Bkインクヘッド101B
kが最も小さな紙間距離をとり、C、M、Yインクの各
ヘッド101C、101M、101Yについては同じ紙
間距離(もちろん、Bkインクヘッド101Bkの紙間
距離が最も小さい)とするものである。
【0026】このような構成において、用紙の搬送にお
いて最上流側に位置するBkインクヘッドは、本来的に
用紙の水分吸収による波うち現象である、いわゆるコッ
クリングをそれ程考慮せず紙間距離を小さくすることが
できる。なぜなら、コックリングは、それがBkインク
ヘッドからのインク吐出によって生ずるとしてもその現
象が現われるのは用紙の搬送に伴いBkインクヘッドよ
り下流側になるからである。そして、用紙の搬送に伴
い、コックリングが生じる時点でその上部にあるヘッド
について紙間距離はBkインクヘッドのそれより大きく
とってあるので、コックリングを生じた用紙の一部と例
えばヘッドの吐出口面とが接触しこれを損傷することを
防止できる。
【0027】さらに、このようにBkインクヘッドの紙
間距離を比較的小さなものとできるので着弾精度の問題
をそれほど考慮せずに吐出量を少なくすることができ
る。すなわち、着弾精度が低下すると、プリント画像に
おいてインクドットが形成されるべき箇所にインクが着
弾せず、いわゆる白すじや濃度低下を招くことがある。
このため、従来は、予め吐出量を多めに設定し形成され
るドットの径を大きくすることにより上述のような白す
じなどの発生を低減していた。このようにドット径を大
きくする目的の場合、吐出量は相当増大することにな
る。
【0028】これに対し、本実施形態では、Bkインク
ヘッドの紙間距離を比較的小さくすることで着弾精度の
問題をそれ程考慮せずに済むことから、上記紙間距離に
応じて各ヘッドの吐出量を少なく設定する。
【0029】なお、この白すじなどに関して、インクの
浸透性が低いものを用いた場合は、用紙上で隣接するイ
ンク滴同士はそれぞれの表面張力によって互いに小さく
なろうとする力が比較大きいから、形成されるドットが
小さくなりやすい。このため、上述の白すじ等が発生し
やすくなる。本実施形態では、このように浸透性が低い
インクを用いた場合でも、特にBkインクヘッドの紙間
距離を小さくすることによって着弾精度を確保し上記白
すじなどの発生を低減することができる。
【0030】また、インク吐出量を少なくすることによ
り、用紙全体に吐出されるインクの量を少なくすること
もできる。これにより、コックリングが発生したとして
もその量(例えば波状のしわの高さ)や発生する速度を小
さくできる。また、コックリングが生じるときの波打つ
力も小さくなるため、搬送方式として静電吸着方式や空
気吸着方式を用いた場合にその吸着力を小さくすること
ができる。さらに、このように吸着力を小さくできるこ
とは、その吸着力を生じさせている電界や空気圧の大き
さ自体が小さくなることを意味することから、吐出イン
ク滴の吐出方向などの乱れを最小限にすることもでき好
ましいものである。特に、静電吸着方式の場合は、用紙
がインクを吸収すると吸着力自体が小さくなるため、上
述のように吸着力が小さくて良いことは、より効果的で
ある。
【0031】また、Bkインクについて浸透性が低いイ
ンクを用いる場合にインク吐出量を少なくすることは、
次の点で好ましいことである。一般に、用紙に対する浸
透性が低いときはそのインクの定着は遅くなる。しか
し、吐出量自体が少ないことからそれが用紙に浸透する
時間も通常の吐出量の場合に比べて短くて済み、浸透性
が低い点を補うことができる。
【0032】さらに、浸透性の低いインクほど用紙に着
弾してからコックリングを生じさせるまでの時間を要す
ることから、用紙搬送の上流側ほど浸透性の低いインク
を用いることは好ましいことである。
【0033】さらにこの場合、上述のようにBkインク
の吐出量が少ないときは、ブラック画像のエッジ部分の
シャープネスが向上する。これは、Bkインクと処理液
との反応物が流れ出し難いからである。しかも、本実施
形態のようにBkインクの吐出量が少なくてもエリアフ
ァクタは充分に大きいため観察される光学濃度を充分に
高くすることができる。
【0034】また、本実施形態では、処理液の打込み量
をBkインクに対して少なくすることが好ましい。これ
により、Bkインク自体の吐出量が少ないことと相俟っ
て、用紙の表面近傍の比較的浅い部分にBkインクを浸
透、定着させることができる。
【0035】以上のように、ブラック画像をプリントす
るためにBkインクおよび処理液の量を少なくできるこ
とから、その部分に発生することがあるコックリングの
量および速度を小さくでき、他のカラーヘッドの紙間距
離を不必要に大きくする必要が無く、このため、紙間を
通常より大きくすることによるカラーの画質の低下を最
小限のものとできる。
【0036】なお、本実施形態における各ヘッドの紙間
距離は、Bkインクヘッドが0.5mm、処理液ヘッド
が1.5mm、C、M、Yの各ヘッドが1.0mmであ
る。
【0037】なお、以上のように吐出量が少なくてもそ
れによって形成されるドットのエリアファクタは紙間距
離も同時に小さくされるため充分に大きくすることがで
きる。
【0038】(第3実施形態)図3は本発明の第三の実
施形態にかかるインクジェットプリンタの概略構成を示
す側面図である。本実施形態のプリンタもその基本的構
成は上述の第一、第二実施形態と同様であり、プリント
ヘッドの紙間距離に関する構成のみが異なる。
【0039】本実施形態では、処理液ヘッド101Sの
紙間距離が最も大きいことは上述の各実施形態と同様で
あり、これによって、処理液ミストの他のヘッドに対す
る影響や不溶化物の混じったはね返りミストの影響を低
減できることは上述の通りである。
【0040】本実施形態の紙間距離に関する構成は、図
3に示すように、さらにC、M、Yのヘッドについてそ
れらの紙間距離がこの順序で大きくなる点である。この
構成は上述の第2実施形態で説明したコックリングに適
切に対応する他の構成を示すものである。すなわち、用
紙の搬送に伴ってその下流側に行くに従いコックリング
が成長するが、紙間距離もそれに応じて大きく設定され
ているため、コックリングによる用紙とヘッドとの干渉
を良好に防止することができる。
【0041】本実施形態の具体例では、Bkインクヘッ
ドの紙間距離が0.5mm、処理液ヘッドが1.8ミ
リ、C、M、Yインクヘッドがそれぞれ1mm、1.2
mm、1.5mmである。なお、このように吐出量が少
なくてもそれによって形成されるドットのエリアファク
タは紙間距離も同時に小さくされるため充分に大きくす
ることができる。
【0042】以上説明した第1乃至第3実施形態のBk
インクおよび処理液の組成は、次のとおりである。な
お、各成分の割合は重量部で示したものである。
【0043】 [ブラック(Bk)インク] 顔料分散液 25部 フードブラック2 2部 グリセリン 6部 トリエチレングリコール 5部 アセチレノール EH 0.2部 (川研ファインケミカル製) 水 残部 なお、上記組成において顔料分散液は次のようにして得
たものである。
【0044】[顔料分散液]水5.3gに濃塩酸5gを
溶かした溶液に、5℃においてアントラニル酸1.58
gを加えた。この溶液を、アイスバスで撹拌することに
より常に10℃以下に保ち、5℃の水8.7gに亜硝酸
ナトリウム1.78gを加えた溶液を加えた。さらに、
15分撹拌した後、表面積が320m2/gでDBP吸
油量が120ml/100gのカーボンブラック20g
を混合した状態のまま加えた。その後、さらに15分撹
拌した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバ
ンティス社製)で濾過し、顔料粒子を充分に水洗し、1
10℃のオープンで乾燥させた後、この顔料に水をたし
て顔料濃度10重量%の顔料水溶液を作製した。以上の
方法により、表面に、フェニル基を介して親水性基が結
合したアニオン性に帯電した自己分散型カーボンブラッ
クが分散した顔料分散液を得ることができる。
【0045】 [処理液] グリセリン 7部 ジエチレングリコール 5部 アセチレノール EH 2部 (川研ファインケミカル製) ポリアリルアミン 4部 酢酸 4部 塩化ベンザルコニウム 0.5部 水 残部
【0046】また、Bkヘッドの吐出量は、600dp
iの画素に18plであり、処理液の吐出量も同様に1
8plである。なお、処理液は、Bkインクが吐出され
る画素に対して1/2の間引き率で吐出される。
【0047】上述のように、本発明の実施形態で用いる
インクは色材として染料と自己分散性顔料(以下では、
「分散剤無し顔料」ともいう)を用いる。このような色材
の混合した混合インクによれば、第1に、染料と分散剤
無し顔料を含んだインクをプリントに用いるので、染料
インクによって実現されるOD値の低さを顔料によって
補ない、これによりOD値を高めることができる。さら
に、ブラックインクに対して後から付与される処理液と
混合されたブラックインクの反応物はプリント媒体の上
層部にその多くが留まることができるためさらにOD値
を増すことが可能となる。
【0048】また、混合インクとして、浸透速度の遅い
ものを用いれば、次に処理液が付与されるまでの時間が
長く浸透する時間があっても、プリント媒体表層部に留
まる色剤の量を多くでき、さらにOD値を増すことがで
きる。換言すれば、後述される、染料と分散剤無し顔料
の双方を混合したインクを用いることの効果によって、
浸透速度が遅いインクを用いても前述のような染料イン
クおよび顔料インクを単独で用いる場合の問題が解消さ
れるかもしくは緩和されるため、より浸透速度の遅い混
合インクを用いることができ、これにより、さらにOD
値の増加を望むことができる。さらに、浸透速度の遅い
インクを用いること自体の効果として、いわゆるフェザ
リングを抑制することもできる。
【0049】次に、プリント媒体に混合インクを付与
し、その後、これに対し処理液を付与する本実施形態の
効果として、図6(d)に示すような、染料インクに関し
て生じる「あふれ」もしくは「はき寄せ」の問題と、図
7(c)に示すような、分散剤無し顔料インクに関して生
じる「しみ出し」もしくは「もや」の問題を同時に解消
もしくは緩和できる点を挙げることができる。
【0050】本願発明者によれば、このような効果を生
ずる原理は次のように推察されている。すなわち、プリ
ント媒体において混合インクが付与された後、処理液が
付与されると、染料は処理液と反応してゲル状の高粘度
物質となり、一方、分散剤無し顔料は、処理液との反応
によって分散破壊を生じるが、これによって生じる顔料
の細かい粒子は上記染料反応物の高粘度物質に取り込ま
れるため、図7(a)〜(c)に示すような、浸透に伴って
顔料粒子が流れ出す「しみ出し」または「もや」を抑制
することができると考えられる。また、この顔料粒子を
取り込んだ高粘度物質は、図6(a)〜(c)に示すような
染料単独と処理液との反応物程の流動性はなく、従っ
て、「あふれ」または「はき寄せ」の発生も同時に抑制
されると考えられる。また、染料と分散剤無し顔料が混
合したものに処理液が付与される構成にあっては、上述
のように分散破壊によって生じた顔料の細かい粒子はゲ
ル状の染料反応物によって取り込まれプリント媒体に深
く浸透せずに表層部でプリント媒体の繊維の間を埋め
る。そして、さらにゲル状の染料反応物は上記取り込ま
れた粒子間やプリント媒体表面の繊維による凹凸を埋
め、これにより、光の乱反射等も防ぎ、顔料と処理液を
用いたときよりもさらにOD値を増すことができる。
【0051】以上の通り、本実施形態によれば、図8
(a)〜(c)に模式的に示すように、「もや」や「あふ
れ」などのプリント品位劣下の要因となる現象の発生を
抑制できるとともに、上述の第1の効果として示したよ
うにOD値の増大の効果も併せて得ることができる。
【0052】また、「もや」や「あふれ」の現象は、前
述したように、顔料インクや染料インクがプリント媒体
に浸透する前に処理液と反応することによって生じ易い
ため、これらの現象の発生を抑制するには染料インク等
の浸透を待って処理液を付与する必要がありプリント速
度の高速化を図れないという問題があった。しかし、本
実施形態の場合、染料と分散剤無し顔料が混合したイン
ク自体によって「もや」等の発生が抑制されるため、染
料インク等がプリント媒体に浸透するまで処理液を付与
する時間を長くする等の必要はなく、従って、プリント
速度の高速化に支障をきたすことはない。換言すれば、
本実施形態の混合インクに比較的浸透性に劣るものを用
い顔料等の色剤がプリント媒体の表層部にできるだけ留
まるようにし、これによってOD値をさらに増すことも
可能となる。
【0053】これに加え、フルラインタイプのヘッドを
用いたインクジェットプリント装置においては、上記高
速化に関して、混合インクを付与してから処理液を付与
するまでの時間を短くできることから、最初の一枚のプ
リント媒体のプリントを行ういわゆるファーストプリン
トの速度を増すことができ、また、上記時間を短くでき
ることによりヘッド間隔をも短くでき、装置の小型化お
よび低コスト化が可能となる。
【0054】本実施形態における混合インクおよび処理
液のプリント媒体への付与順序は、基本的には、上述し
たようにプリント媒体に混合インクのブラックインクを
付与した後処理液が付与されるような順序であれば、上
述した所定の効果は得ることはできる。
【0055】以上のように、本実施形態の混合インクは
処理液に先行して付与されるが、この混合インクの付与
する数は上述してきたように1滴に限定する必要はな
い。
【0056】例えば、混合インクを処理液に先行して2
滴付与するものとしてもよく、その場合、好ましくは、
これら2滴のうち、先行して付与される混合インクは分
散剤無し顔料より染料の割合が多く、その後付与される
混合インクは、逆に、分散剤無し顔料の方が割合が多い
ものである。これにより、その後付与される処理液と反
応したとき、まず顔料が多く処理液と反応し、その分染
料と処理液との反応物の流れ出しをさらに抑制できる。
同様の効果を得ることができる実施形態として、処理液
に先行して付与する混合インクの数を例えば3滴とし、
このうち後に付与される混合インク程、分散剤無し顔料
の割合を多くするものも好ましいものである。
【0057】以上のように混合インクを複数滴付与する
場合には、その付与されるインクの総量は、1滴を付与
する場合にほぼ等しくする。換言すれば、本発明の実施
形態によれば、複数に分割して混合インクを付与する場
合、それぞれの滴の量が分割数に応じて少なくなって
も、上述した所定の効果を得ることができる。
【0058】次に、本実施形態における混合インクと処
理液とが付与される時間差は、上述した付与順序と同
様、基本的に上述した本実施形態の各効果が現われる限
りどのような時間差であっても本発明の範囲内に含まれ
る。
【0059】すなわち、混合インクが付与されてから処
理液が付与されるまでの時間によって、混合インクと処
理液との反応は種々の態様で生じる。例えば上記時間が
短い場合でも、それらが重ねられて形成されるドットの
周囲部、すなわちエッジ部では、顔料等と処理液の十分
な混合を生じ本実施形態の各効果、特に「もや」や「あ
ふれ」を抑制する効果は少なくとも生じ得ることも観察
されている。
【0060】このような点から、本明細書では混合イン
クと処理液との「混合」とは全体的な混合のみならずエ
ッジ部等一部において混合することも意味するものとす
る。さらに、プリント媒体中に浸透してから混合する場
合も含むものとする。また、これらの全ての混合の態様
を「液状で混合する」と定義する。
【0061】以上示した本実施例によるブラックの混合
インクを用いることにより、同極性を帯びたカーボン粒
子とブラック染料が混合され、かつ分散している液体の
状態に対して、異極性の高分子を含んだ処理液とが反応
することになる。
【0062】以上のブラックインクと処理液の組成に対
し、C、M、Yの各インクの組成は次の通りである。
【0063】 [マゼンタ(M)インク] C.I.アッシドレッド289 3部 グリセリン 5部 ジエチレングリコール 5部 アセチレノールEH 1部 (川研ファインケミカル) 水 残部
【0064】 [シアン(C)インク] C.I.ダイレクトブルー199 3部 グリセリン 5部 ジエチレングリコール 5部 アセチレノールEH 1部 (川研ファインケミカル) 水 残部
【0065】 [イエロー(Y)インク] C.I.ダイレクトイエロー86 3部 グリセリン 5部 ジエチレングリコール 5部 アセチレノールEH 1部 (川研ファインケミカル) 水 残部
【0066】図4は、上述した各実施形態のインクジェ
ットプリンタのより具体的な構成を示す斜視図であり、
プリンタにおけるヘッドおよびキャップそれぞれの移動
機構の詳細を示す図である。なお、同図は5個のプリン
トヘッドうち4個についてその概略を示し、処理液ヘッ
ド101Sの図示は省略されたものである。
【0067】各ヘッドを支持する支持台10の4ヵ所に
はラック10A、10B、10C、10Dが設けられ、
これらにモータ12の駆動力を伝えるそれぞれのギアが
係合することにより、支持台10は図中上下方向に移動
することができる。同様に、キャップ3Y、3M、3C
(処理液およびブラックのヘッドに対応するキャップの
図示は省略)は支持台30によって支持されるものであ
り、この支持台30に設けられたラックとモータ13の
駆動力を伝えるギアとが係合することによって、支持台
30は図中水平方向に移動できる。この構成により、非
プリント時や吐出回復処理を行なう際は、各ヘッドとそ
れぞれ対応するキャップとを対向させてキャッピング等
を行なうことができる。一方、プリントの際は、各キャ
ップは支持台30の上記水平方向の移動によって、キャ
ップ間の隙間に各ヘッドの吐出口面が対向すように移動
するとともに、支持台10が下方向に移動することによ
り各ヘッドは搬送される用紙に、上述した各実施形態の
距離を有して近接することができる。
【0068】(その他の実施形態)本発明の他の実施形
態として、図1乃至図3で示したヘッド101C、10
1M、101Yを一体としても良い。すなわち、上記3
つのヘッドを一体とし、かつそれぞれの実施形態で示し
たそれぞれのヘッドと用紙との距離関係を維持できる構
成も本発明に含まれるものである。
【0069】この構成により、各C、M、Yヘッド相互
の吐出口間距離を小さくできる。すなわち、各カラーの
ヘッド間で用紙の同一部にインク滴を付与するための吐
出タイミングの時間差を最小化でき、これにより、各ヘ
ッド間でコックリングが生じたとしてもそれが成長して
ヘッドと干渉するような状態になる前に次の吐出が行わ
れるようにすることができ、コックリングの影響をほと
んど無視することができる。
【0070】特に、カラーインクはブリードを防止する
ため浸透性の高いインクを用いることが好ましいため、
それによってコックリングの成長速度が速くても問題を
生じることがなことから、上述のようにヘッド間の距離
を小さくすることは好ましいことである。
【0071】なお、本実施形態では、Bkヘッドと各カ
ラーインクヘッドの吐出時間差は約0.5〜1秒であ
る。これは、Bkインクが浸透性が低いものであること
から、浸透性高いカラーインクとの境界にじみを防止す
るためである。このBkインクによるコックリングの成
長速度は比較的遅く、このため吐出時間差を上述のよう
に比較的長いものとすることができるからである。
【0072】また、上述した各実施形態では、ヘッドと
していわゆるフルラインタイプのヘッドを用いた場合に
ついて説明したが、本発明は別の実施形態として、シリ
アルタイプのヘッドを用いた場合にも適用することがで
きる。
【0073】図5はこのシリアルプリンタの一例を示す
斜視図である。なお、図1〜図3に示した要素と同様の
湯曽には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0074】プリント媒体である用紙103は、給紙部
105から挿入されプリント部126を経て排紙され
る。本実施形態では、一般に広く用いられる安価な普通
紙を用紙103として用いる。プリント部126におい
て、キャリッジ107は、プリントヘッド101Bk、
101S、101C、101Mおよび101Yを、図1
乃至図3にて説明したヘッドと用紙との距離関係が保た
れるように搭載し、不図示のモータの駆動によってガイ
ドレール109に沿って往復移動可能に構成されてい
る。プリントヘッド101Sは、上述の距離関係を保
ち、上述の実施形態で説明した処理液を吐出する。同様
に、ヘッド101Bk、101C、101M、101Y
はそれぞれブラックインク、シアンインク、マゼンタイ
ンク、イエローインクを吐出する。そして、上述のよう
に、ブラックインクが吐出された後に処理液が吐出さ
れ、次にシアン、マゼンタ、イエローがこの順序で吐出
される。
【0075】各へッドには、それぞれ対応するインクタ
ンク108Bk、108S、101C、108M、10
8Yから処理液またはインクが供給され、インク吐出時
には各へどの吐出口毎に設けられている電気熱変換体
(ヒータ)に駆動信号が供給され、これにより、インクま
たは処理液に熱エネルギーを作用させて気泡を発生さ
せ、この発泡時の圧力を利用してインクまたは処理液の
吐出が行なわれる。各へッドには、それぞれ360dp
iの密度で64個の吐出口が設けられ、これらは、用紙
103の搬送方向と略同一の方向、つまり、各ヘッドに
よる走査の方向と略垂直な方向に配列されている。
【0076】以上の構成において、各ヘッド間距離は1
インチであり、従って、ヘッド101Bkと101Sと
の距離は1インチとなり、また、走査方向のプリント密
度が720dpi、各ヘッドの吐出周波数は7.2kH
zであることから、ヘッド101Bkのブラックインク
が吐出されてから、ヘッド101Sの処理液が吐出され
るまでの時間は0.05secとなる。
【0077】この実施形態の、プリント方式としては、
1パスの片方向印字となる。また、同一領域を複数回の
走査でプリントを行ういわゆるマルチパス方式のプリン
ト装置であっても本発明を適用できる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
処理液ヘッドは複数のインクヘッドの間に配置され、か
つプリント媒体との距離がインクヘッドより大きくなる
よう配置されるので、処理液の吐出に伴って発生するこ
とがある処理液のミストは上記の各ヘッドの配置によっ
て形成される凹状の空間に主に拡散し、これにより、イ
ンクヘッドの吐出口が配設された部分まで処理液ミスト
が及ぶことはほとんど無い。また、処理液ヘッドはプリ
ント媒体との距離が大きいので、プリント媒体から跳ね
返る不溶化物が混じったミストが処理液ヘッドの吐出口
が配設された部分に及ぶことも少なくなる。
【0079】この結果、インクとこれを不溶化する処理
液を用いてプリントを行なうインクジェットプリント装
置において、処理液またはそれによる不溶化物ののミス
トがインクまたは処理液のヘッドの吐出に与える影響を
低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェットプ
リンタの概略構成を示す側面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るインクジェットプ
リンタの概略構成を示す側面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るインクジェットプ
リンタの概略構成を示す側面図である。
【図4】上記各実施形態にかかるプリンタにおけるヘッ
ドおよびキャップの移動機構を説明する斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るインクジェットプ
リンタを示す斜視図である。
【図6】染料インクと処理液とを反応させたときの反応
物の「あふれ」現象を推定的に説明する概念図である。
【図7】顔料インクと処理液とを反応させたときの反応
物の「しみ出し」現象を推定的に説明する概念図であ
る。
【図8】本発明の一実施形態において分散剤無し顔料と
染料の双方を混合したインクをプリント媒体に付与した
後、処理液と反応させたときのドット形成を推定的に説
明する概念図である。
【符号の説明】
3M、3C、3Y キャップ 101Bk、101S、101M、101C、101Y プリントヘッド 103 用紙 104 プラテン 107 キャリッジ 108Bk、108S、108C、108M、108Y インクタンク(処理液タンク) 111 ベルト 112、113 ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松本 直 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 EA16 FA10 FA13 HA07 HA12 HA42

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数のインクヘッドお
    よびインクを不溶化する処理液を吐出する処理液ヘッド
    用い、プリント媒体にインクと処理液を吐出してプリン
    トを行うインクジェットプリント装置において、 前記複数のインクヘッドおよび処理液ヘッドとプリント
    媒体とを相対的に移動させる相対移動手段と、 該相対移動手段によるプリント媒体の相対移動方向に沿
    って複数のインクヘッドおよび処理液ヘッドを配列し、
    当該配列において処理液ヘッドをインクヘッドの間に配
    置し、かつ相対移動するプリント媒体との距離を複数の
    インクヘッドのいずれよりも大きくして配置するように
    保持するヘッド保持手段と、 を具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  2. 【請求項2】 複数のインクヘッドは、ブラックインク
    を含む複数の種類のインクそれぞれについて用いられる
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリ
    ント装置。
  3. 【請求項3】 前記ヘッド保持手段は、ブラックインク
    のインクヘッドをプリント媒体の相対移動方向において
    最上流側に配置することを特徴とする請求項2に記載の
    インクジェットプリント装置。
  4. 【請求項4】 前記ヘッド保持手段は、複数のインクヘ
    ッドそれぞれの前記距離を全て等しくして配置するよう
    に保持ことを特徴とする請求項3に記載のインクジェッ
    トプリント装置。
  5. 【請求項5】 前記ヘッド保持手段は、複数のインクヘ
    ッドのうち、ブラックインク以外のインクにかかるイン
    クヘッドについて前記距離を全て等しくして配置し、か
    つ当該距離をブラックインクのインクへッドより大きく
    して配置するように保持ことを特徴とする請求項3に記
    載のインクジェットプリント装置。
  6. 【請求項6】 前記ヘッド保持手段は、複数のインクヘ
    ッドのうち、ブラックインク以外のインクにかかるイン
    クヘッドについて前記距離をプリント媒体の相対移動方
    向において下流側のインクヘッドほど大きくして配置す
    るように保持ことを特徴とする請求項3に記載のインク
    ジェットプリント装置。
  7. 【請求項7】 前記ブラックインク以外のインクは、シ
    アン、マゼンタ、イエローの各インクであることを特徴
    とする請求項2ないし6のいずれかに記載のインクジェ
    ットプリント装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のインクヘッドおよび処理液ヘ
    ッドは、相対移動するプリント媒体の幅に対応して吐出
    口を配列したフルラインヘッドであることを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェットプ
    リント装置。
  9. 【請求項9】 前記複数のインクヘッドおよび処理液ヘ
    ッドは、前記相対移動方向と略垂直な方向に吐出口を配
    列したシリアルヘッドであることを特徴とする請求項1
    ないし7のいずれかに記載のインクジェットプリント装
    置。
  10. 【請求項10】 ブラックインクのインクヘッドの吐出
    量を、少なくとも処理液ヘッドのそれより少なくしたこ
    とを特徴とする請求項2ないし9のいずれかに記載のイ
    ンクジェットプリント装置。
  11. 【請求項11】 前記複数のインクヘッドおよび前記処
    理液ヘッドのそれぞれは、熱エネルギーをを利用してイ
    ンクまたは処理液に気泡を生成し、該気泡の圧力によっ
    てインクまたは処理液を吐出することを特徴とする請求
    項1ないし10のいずれかに記載のインクジェットプリ
    ント装置。
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