JP3762125B2 - インクプリント方法およびインクプリント装置 - Google Patents

インクプリント方法およびインクプリント装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3762125B2
JP3762125B2 JP37667898A JP37667898A JP3762125B2 JP 3762125 B2 JP3762125 B2 JP 3762125B2 JP 37667898 A JP37667898 A JP 37667898A JP 37667898 A JP37667898 A JP 37667898A JP 3762125 B2 JP3762125 B2 JP 3762125B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
liquid
droplets
color material
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP37667898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000190616A (ja
Inventor
規文 小板橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP37667898A priority Critical patent/JP3762125B2/ja
Priority to US09/469,304 priority patent/US6471348B1/en
Publication of JP2000190616A publication Critical patent/JP2000190616A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3762125B2 publication Critical patent/JP3762125B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2107Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties
    • B41J2/2114Ejecting specialized liquids, e.g. transparent or processing liquids

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Duplication Or Marking (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクプリント方法およびインクプリント装置に関し、詳しくは、インク中の色材を不溶化する処理液を用いてプリントを行うインクプリント方法およびインクプリント装置に関するものである。本発明のインクプリント方法およびインクプリント装置は、プリンタ,複写機,ファクシミリ等、紙などの記録媒体に対して文字,画像等をプリントする機器に適用でき、また、これら機器においてプリント機構として用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
インクプリントの分野では、プリントされた画素等の濃度および定着性の向上は、従来からの技術課題の一つである。具体的には、同じプリント技術の分野である電子写真方式並みのプリント濃度や定着速度が求められている。このような背景において、フルカラーの画像等をプリントする場合には、単にブラックインクを用いて黒文字やモノクロ画像をプリントする場合に比べて、上述の課題はより錯綜したものとなる。
【0003】
すなわち、フルカラープリントにおいては、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)等の異なる色の境界での滲みを防止する一つの手法として、比較的浸透性の高いインクを用いる。これによって、プリント媒体の表面に沿った方向への滲みを防止している。しかし、このように浸透性の高いインクを用いる結果、インク中の染料色材がプリント媒体の厚み方向に深く浸透してしまい、高い光学濃度(以下、単に「OD」ともいう)の点で高濃度が得られない場合がある。また、染料色材が深く浸透すると、特に厚みの少ない普通紙等のプリント媒体では、いわゆる裏抜け性が悪くなる(プリント媒体の裏側から測定したODであり、この値が低い場合を「裏抜け性」が良いという)。
【0004】
また、ブラック(Bk)のインクに関しては、カラーインクとの境界の滲みを考慮すると、上記と同様、高い浸透性とすることによってこれを解決できるが、一方、そのようなBkインクを用いて文字等のキャラクタをプリントする場合には、ODや文字等のエッジ部のシャプネス等の文字品位が低下する。これに対し、Bkのキャラクタの文字品位を優先して浸透性の比較的低いものを用いるとカラーインクとの境界滲みや定着性が問題となる。
【0005】
以上のようなODや定着性に関する問題を解決するものとして、ヒータ等の加熱機構を用いたものが従来より知られているが、ヒータ等の加熱源を必要とするため電力を多く消費し、また、コスト等の問題を派生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本出願人は、本来プリント物の耐水性を向上させる目的でインク中の色材を不溶化する処理液を、ODや定着性の向上の観点から用いることを種々提案している。
【0007】
しかしながら、Bkインクによるキャラクタやモノクロ画像と、フルカラー画像との双方についてODが高く、また高速の定着が可能なインクプリント方式は知られていない。
【0008】
本発明は、このような観点からなされたものであり、その目的とするところは、ブラック画像およびカラー画像の双方についてODが高く、定着性に優れたプリントを可能とするインクプリント方法およびインクプリント装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、プリント媒体の裏面への裏抜けを低減できるインクプリント方法およびインクプリント装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、少なくとも3種類以上の液滴によりプリントを行うインクプリント方法であって、第1色材を含有した第1インク滴と該第1色材の固化を促進する処理剤を含有した処理液滴とをプリント媒体上で混合,反応させ、非イオン界面活性剤濃度が水のCMC未満である二次液を形成する工程と、少なくとも1種類以上の第2色材を含有し、非イオン界面活性剤濃度が水のCMC以上である第2インク滴を、前記二次液に付与する工程と、を有し、前記二次液に前記第2インク滴を合体した液体は、非イオン性界面活性剤濃度が水のCMC以上であることを特徴とする。
【0013】
また、少なくとも3種類以上の液滴を吐出するヘッドを用い、該ヘッドからプリント媒体に液滴を吐出することによりプリントを行うインクプリント装置であって、前記ヘッドからの液滴の吐出を制御し、第1色材を含有した第1インク滴と該第1色材の固化を促進する処理剤を含有した処理液滴とをプリント媒体上で混合,反応させ、非イオン界面活性剤濃度が水のCMC未満である二次液を形成する第1付与手段と、前記ヘッドからの液滴の吐出を制御し、少なくとも1種類以上の第2色材を含有し、非イオン界面活性剤濃度が水のCMC以上である第2インク滴を、前記二次液に付与する第2付与手段と、を有し、記二次液に前記第2インク滴を合体した液体は、非イオン性界面活性剤濃度が水のCMC以上であることを特徴とするインクプリント装置。
【0015】
以上の構成によれば、第1色材を含有した第1インク滴と処理液滴をプリント媒体上で混合,反応させて二次液を形成した後、第2色材を含有した浸透性の高い第2インク滴を上記二次液に対して付与するので、色材が処理液滴によってプリント媒体表面で固化促進し、その結果、媒体表面で分子的に大きな塊りとなり、その後に浸透性の高い第2インク滴をその塊りの部分に付与するので、色材をプリント媒体の表面に残しつつ水性溶媒を高速に浸透させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
(実施形態1)
本実施形態は、ブラック(Bk),処理液(S),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)をこの順で付与できる構成である。この構成において、Bkインクおよび処理液は、浸透性に関して、後述されるように、低浸透性のいわゆる上乗せ系であり、C,MおよびYのインクについては高浸透性のインクである。また、処理液と、Bk,C,M,Yの各インクとは逆極性であり、これによってそれぞれのインクは処理液と反応して固化促進するものである。
【0018】
以上のシステムで、ブラック色の文字,画像をプリントする場合は、1画素に対し、1滴のBkインクを付与し、その上に処理液を付与する。さらに、その画像に対して、C,M,Yインクを間引いて付与する。なお、この場合、C,M,Y個々の浸透性が極めて高い場合は、このうち1色が付与されてもよい。
【0019】
一方、カラー画像をプリントする場合は、まず、処理液を付与し、その後、プリントする色に応じて、C,M,Yの一色または、これらを組合せたインクをそれぞれ付与する。
【0020】
以上のブラック画像またはカラー画像のプリントにおける定着現象は次のように推察されるものである。
【0021】
本実施形態では、以上説明したように、Bkの染料又は顔料等の色材を含有したインクおよびこのインクの色材を固化促進する処理液をプリント媒体に付与し、これらを液状で混合,反応させる。その後、例えばC,M,Yの染料又は顔料等の色材を含んだ少なくとも1色の高浸透性のインクを上記反応物に付与する。この場合、この高浸透性インクは非イオン性界面活性剤を含有し、その濃度は、水の臨界ミセル濃度(CMC)以上である。
【0022】
以上のプリント方法によれば、Bkの色材は、処理液によってプリント媒体表面の浅い部分で固化促進し、その結果、分子的に大きな塊りとなる。そして、その後に付与される少なくとも1色の高浸透性インクによって、この高浸透性インクが上記塊りとなった色材をプリント媒体表面の浅い部分に残しつつ、Bkインクの水性溶媒を高速に浸透させる。これにより、Bk色の高濃度の画像を高い定着速度でプリントすることができる。
【0023】
一方、上記プリントシステムにおいて、カラー画像をプリントする場合は、上記処理液をプリント媒体に付与した後、この処理液に対し、プリントすべき色に応じて、C,M,Yの1色もしくはこれらを組合せた複数色それぞれの、上記高浸透性のインクを付与する。これにより、上述したBkインクの定着と同様、処理液とその後に付与された1色以上のそれぞれのインクとが反応して上記1色以上の色材をプリント媒体表面近傍の浅い部分に残しつつそのインク溶媒を高速に浸透させる。これにより、フルカラー画像をプリントする場合もその色の濃度を増すことができ、また高速定着が可能となる。
【0024】
以上の場合、浸透性のY,M,Cのカラーインクは、非イオン界面活性剤を含有しているが、反応液に対して、付与したときの合体液量中の非イオン性界面活性剤の濃度が、水のCMC以上であることが定着性を向上させる上で好ましい。
【0025】
また、浸透性のインクの反応液に対する付与は、必ずしも間引く必要はないが、上述のように間引いたものであることが好ましい。これにより、浸透性のカラーインクの色材の視認性を低下させ、先に印字したBkインクの色材の色に対するノイズとなりにくくすることができる。
【0026】
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態は、Bkインク、処理液、C,M,Yのインク、このC,M,Yのインクより濃度の低い液C(C′),淡M(M′),淡Y(Y′)のインクをこの順で付与できる構成である。このうち、処理液およびC,M,Yのインクについては、浸透性に関して低浸透性の上乗せ系であり、一方、C′,M′,Y′のインクについては、実施形態1で説明した高浸透性のインクである。また、Bk,C,M,Y,C′,M′,Y′の各インクについては、処理液Sと異なる極性を有し、これにより処理液と反応して固化促進される。
【0027】
以上の構成において、ブラック色の文字,画像等をプリントする場合は、Bkインク,処理液S,C′,M′,Y′の各インクをこの順で付与する。この場合、C′,M′,Y′のインクは間引いて付与される。なお、Y′インクを用いない構成にあっては、これに代わってYインクをC′,M′インクに先行して付与してもよい。
【0028】
一方、カラー画像をプリントする場合、例えばシアン色,マゼンタ色,イエロー色の画像をプリントする場合は、(S,C,C′),(S,M,M′),(S,Y,Y′)の組合せでこの順で付与する。他の2次色のプリントについては、処理液Sを付与した後、そのプリントする色に応じて(C,C′),(M,M′),(Y,Y′)の組の中から選択されるインクを付与する。
【0029】
なお、この場合、Y′インクを用いない構成にあっては、Yインクのみであってもよく、この場合はこのYインクを高浸透性にすることが望ましい。また、淡シアン,淡マゼンタ,淡イエローの各色をプリントする場合は、処理液Sを付与した後、それぞれC′,M′,Y′のインクを付与する。
【0030】
以上の第2実施形態によれば、ブラック色の文字,画像をプリントする場合、低浸透性のBkインクを付与した後、同様に低浸透性の処理液を付与することにより、プリント媒体の表面でこれら2液が強力に反応する。その後、浸透性の高いC′,M′,Y′を間引いて付与することにより、実施形態1で上述した定着現象と同様に比較的速い定着が行われる。また、カラー画像をプリントする場合も、低浸透性の処理液が付与された後、プリント色に応じて同じく低浸透性のC,M,Yインクが付与されてプリント媒体表面で固化促進を生ずる。その後、高浸透性のC′,M′,Y′がプリント色に応じて付与されることにより定着が促進される。以上の結果、本実施形態によっても、高濃度で、エッジがシャープである等の高品位画像が高い定着速度で得られる。
【0031】
(実施形態3)
本実施形態は、上記実施形態1の変形例に関し、処理液およびインクをS,Bk,C,M,Yの順で付与できる構成としたものである。
【0032】
この場合に、ブラック色の文字等のプリントは、処理液Sを付与した後、Bkインクを付与し、その後、C,M,Yの各インクを間引いて付与することによって行う。一方、カラー画像のプリントは、実施形態1と同様である。
【0033】
(実施形態4)
本実施形態は、上記実施形態2の変形例に関し、付与順序について処理液SとBkインクの付与順序を変えたものである。すなわち、本実施形態は、S,Bk,C,M,Y,C′,M′,Y′の順序で付与できる構成としたものである。
【0034】
この場合、ブラック色の文字等のプリントは、処理液Sを付与した後、Bkインクを付与し、その後、高浸透性のC′,M′,Y′のインクをそれぞれ間引いて付与することによって行う。一方、カラー画像のプリントは、実施形態2と同様にして行うことができる。
【0035】
(実施形態5)
本実施形態は、上述の実施形態4の変形例に関し、淡インクであるC′,M′,Y′の各インクの極性を処理液Sと同一としたものである。
【0036】
すなわち、上述の各実施形態では、処理液はカチオン性を有するものであり、一方、Bk,C,M,Y,C′,M′,Y′の各インクはアニオン性を有するものであるが、本実施形態では、C′,M′,Y′のインクについては、処理液と同極性のカチオン性とするものである。
【0037】
これにより、ブラック色の文字等をプリントする場合は、まず、カチオン性の処理液が付与され、次にアニオン性のBkインクを付与する。そして、その後、カチオン性で高浸透性のC′,M′,Y′の各インクを付与する。また、例えば、シアン色,マゼンタ色,イエロー色のそれぞれカラー画像をプリントする場合は、それぞれ(S,C,C′),(S,M,M′),(S,Y,Y′)の処理液およびインクをこの順序で付与し、この場合、C,M,Yの各インクはアニオン性を有し、SおよびC′,M′,Y′はカチオン性を有する。
【0038】
以上のように、ブラックおよびカラー画像をプリントするいずれの場合でも、アニオン性を有する比較的濃度の高いインクは、極性が逆の処理液とインクとに挟まれるように付与されることにより、高濃度のBkインクや、C,M,Yの各インクは、上と下からサンドイッチ状に反応が進み、より濃度が高いものとなる。
【0039】
なお、淡シアン,淡マゼンタ,淡イエローの各色のカラー画像をプリントする場合は、処理液の付与は行わない。
【0040】
以上の本実施形態のように、浸透性の低い処理液に対して、浸透性の低いインクを付与することで色材を不溶化させ、その後、上記インクとは逆極性でかつ同系色の濃度が低い高浸透性インクを付与するものは、高いODで、エッジシャープネスも裏抜け性も良く、さらに、定着性にも優れている点で好ましいものである。
【0041】
(実施形態6)
本実施形態は、上記実施形態5の変形例に係り、処理液をやや浸透性の高い、後述の「半浸透系」のものとするものである。これにより、プリント画像等のODをそれ程低下させずに、定着性をより向上させることができる。
【0042】
なお、以上説明した各実施形態では、インクについては間引いて付与する例を説明したが、処理液についてインクに対し間引いて付与してもよい。
【0043】
また、インクの色材については、染料または顔料を用いる例を示したが、このうち、処理液と異なる極性を有して固化促進するインクの色材として顔料を用いる場合には、固化促進についてより強い反応を得ることができ、これにより、この不溶化物を多くをプリント媒体の比較的浅い層に存在させて定着させ、高いODを得ることができる。
【0044】
【実施例】
上述の実施形態の具体的実施例について、以下に図面を参照して説明する。
【0045】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例に係るフルラインタイプのプリント装置の概略構成を示す概略図であり、上述した実施形態1に対応した構成を示している。
【0046】
このプリント装置1は、プリント媒体としての記録紙の搬送方向(同図中矢印A方向)に沿って所定位置に配置された複数のフルラインタイプのプリントヘッドよりインクまたは処理液を吐出してプリントを行うインクジェットプリント方式を採用するものであり、不図示の制御回路によって制御されて動作する。
【0047】
ヘッド群101gの各プリントヘッド101Bk,101S,101C,101Mおよび101Yのそれぞれは、図中A方向に搬送される記録紙の幅方向(図の紙面に垂直な方向)に約7200個のインク吐出口を配列し、最大A3サイズの記録紙に対しプリントを行うことができる。
【0048】
記録紙103は、搬送用モータにより駆動される一対のレジストローラ114の回転によってA方向に搬送され、一対のガイド板115により案内されてその先端のレジ合わせが行われた後、搬送ベルト111によって搬送される。エンドレスベルトである搬送ベルト111は2個のローラ112,113により保持されており、その上側部分の上下方向の変位はプラテン104によって規制されている。ローラ113が回転駆動されることで、記録紙103が搬送される。なお、搬送ベルト111に対する記録紙103の吸着は静電吸着によって行われる。ローラ113は不図示のモータ等の駆動源により記録紙103を矢印A方向に搬送する方向に回転駆動される。搬送ベルト111上を搬送されこの間に記録ヘッド群101gによって記録が行われた記録紙103は、ストッカ116上へ排出される。
【0049】
記録ヘッド群101gの各プリントヘッドは、上記実施形態で説明したブラック(Bk)のインクを吐出するヘッド101Bkおよび処理液を吐出する処理液用ヘッド101Sを有し、さらにカラーインク用各ヘッド(シアンヘッド101C,マゼンタヘッド101M,イエローヘッド101Y)が、記録紙103の搬送方向Aに沿って図示の通りに配置されている。そして、各プリントヘッドにより各色のインクと処理液を吐出することでブラックの文字やカラー画像のプリントが可能になる。
【0050】
本実施例では、ヘッド101Bkから吐出されるブラックのインクおよびヘッド101Sから吐出される処理液については、上記実施形態で説明したように浸透速度の遅いインクおよび処理液(以下、本実施例では「上乗せ系インク」という)を用い、ヘッド101C,101M,101Yからそれぞれ吐出されるシアン,マゼンタ,イエローの各インクは浸透速度の速いインク(以下、本実施例では「高浸透性インク」という)を用いる。
【0051】
ここで、浸透速度について簡単に説明する。
【0052】
処理液又はインク(以下、単に「液」ともいう)の浸透性を、例えば1m2 当たりの液量Vで表すと、液滴を吐出してからの時間tにおける液浸透量V(単位はミリリットル/m2 =μm)は、次に示すようなブリストウ式により表されることが知られている。
【0053】
【数1】
V=Vr+Ka(t−tw)1/2
ただしLt>tw
液滴が記録紙表面に滴下した直後は、液滴は表面の凹凸部分(記録紙の表面の粗さの部分)において吸収されるのが殆どで、記録紙内部へは殆ど浸透していない。その間の時間がtw(コンタクトタイム)、その間の凹凸部への吸収量がVrである。液滴の滴下後の経過時間がtwを超えると、超えた時間(t−tw)の2分の1乗に比例した分だけ浸透量Vが増加する。前述したKaはこの増加分の比例係数であり、浸透速度に応じた値を示す。
【0054】
図2は実験により求めた液中のアセチレノール(etylene oxide-2,4,7,9-tetramethyl-5-decyne-4,7diol,商品名「アセチレノールEH」,川研ファインケミカル)の含有割合に対する比例係数Kaの値を示す図である。
【0055】
Ka値は、ブリストウ法による液体の動的浸透性試験装置S(東洋精機製作所製)を用いて測定した。本実験では、本出願人であるキヤノン株式会社のPB用紙を記録紙として用いた。このPB用紙は、電子写真方式を用いた複写機やLBPと、インクジェット記録方式を用いたプリンタの双方に使用できる記録紙である。
【0056】
また、キヤノン株式会社の電子写真用紙であるPPC用紙に対しても、同様の結果を得ることができた。
【0057】
図2に示す曲線はアセチレノール含有割合(横軸)の増加にしたがってKa値(横軸)が増加する曲線となっており、比例係数Kaはアセチレノールの含有割合によって決まる。このため、液体の浸透速度は実質的にアセチレノールの含有割合によって決まることになる。なお、曲線と交わる縦軸に平行な線分は、測定結果のばらつきの範囲を示している。
【0058】
図3は液体の浸透量と経過時間との関係を示す特性図であり、64g/m2 、厚さ約80μm、空隙率約50%の上記記録紙(PB用紙)を用いて行った実験結果を示すものである。
【0059】
図3(a)において、横軸は経過時間tの2分の1乗(msec1/2 )であり、図3(b)において、横軸は経過時間t(msec)である。また、両図において縦軸は浸透量V(μm)であり、アセチレノール含有割合が0%,0.35%,1%の場合の曲線をそれぞれ示している。
【0060】
両図から明らかなように、アセチレノールの含有割合が多いほど、経過時間に対するインクの浸透量が多く、浸透性が高いといえる。図3に示すグラフには、ウェットタイムtwはアセチレノールの含有量が多いほど短くなり、また、twに達しない時間においてもアセチレノールの含有割合が多いほど浸透性が高いという傾向が表われている。
【0061】
また、アセチレノールが混合されていない(含有割合が0%)液の場合は浸透性が低く、後に規定する上乗せ系としての性質を持つ。また、アセチレノールが1%の含有割合で混合されている場合は短時間で記録紙103内部に浸透する性質を持ち、後に規定する高浸透性としての性質を持つ。そして、アセチレノールが0.35%の含有割合で混合されているインクは、両者の中間の半浸透性としての性質を持つ。
【0062】
上述した「上乗せ系」および「高浸透性」と、これらの中間に位置する「半浸透性」それぞれの特性を表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0003762125
【0064】
上記の表1は、「上乗せ系」、「半浸透性」、「高浸透性」のそれぞれについて、Ka値、アセチレノール含有量(%)、表面張力(dyne/cm)を示している。プリント媒体である記録紙に対する各液体の浸透性は、Ka値が大きいものほど高くなる。つまり、表面張力が小さいものほど高くなる。
【0065】
表1におけるKa値は、前述のブリストウ法による液体の動的浸透性試験装置S(東洋精機製作所製)を用いて測定したものである。実験には、本出願人であるキヤノン株式会社のPB用紙を記録紙として用いた。また、同キヤノン株式会社のPPC用紙に対しても、同様の結果を得ることができた。
【0066】
ここで、界面活性剤をある液体に含有させる場合の条件として、その液体における界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)があることが知られている。この臨界ミセル濃度とは、界面活性剤の溶液の濃度が上昇して行き急激に数十分子が会合してミセルを形成するようになるときの濃度である。上述した液に浸透性調製のため含有されるアセチレノールは界面活性剤の一種であり、このアセチレノールにおいても同様に液体に応じて臨界ミセル濃度が存在する。
【0067】
アセチレノールの含有割合を調製した場合の表面張力との関係として、ミセルを形成するようになると表面張力が低下しなくなる関係を有しており、このことから、水に対するアセチレノールの臨界ミセル濃度(CMC)は約0.7%であることが確認されている。
【0068】
同図が示す臨界ミセル濃度と前述の表3を対応させると、例えば表3に規定される「高浸透性」は、水におけるアセチレノールの臨界ミセル濃度(CMC)よりも多い割合でアセチレノールを含有する液体であることがわかる。
【0069】
本実施例で使用する処理液および各インクの組成は次の通りである。なお、各成分の割合は重量部で示したものである。
【0070】
Figure 0003762125
Figure 0003762125
上記顔料分散液は次のものである。
【0071】
[顔料分散液]
水5.3gに濃塩酸5gを溶かした溶液に、5℃においてアントラニル酸1.58gを加えた。この溶液を、アイスバスで撹拌することにより常に10℃以下に保ち、5℃の水8.7gに亜硝酸アントリウム1.78gを加えた溶液を加えた。さらに、15分撹拌した後、表面積が320m2 /gでDBP吸油量が120ml/100gのカーボンブラック20gを混合した状態のまま加えた。その後、さらに15分撹拌した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバンティス社製)で濾過し、顔料粒子を充分に水洗し、110℃のオープンで乾燥させた後、この顔料に水をたして顔料濃度10重量%の顔料水溶液を作製した。以上の方法により、下記式で表したように、表面に、フェニル基を介して親水性基が結合したアニオン性に帯電した自己分散型カーボンブラックが分散した顔料分散液3を得た。
【0072】
【化1】
Figure 0003762125
【0073】
以上の各組成からも明らかなように、アセチレノールの含有量により、処理液およびブラックインクは上乗せ系に、C,M,Yの各インクは高浸透性インクにそれぞれ設定されている。
【0074】
また、ブラックインクについては、前述の実施形態で説明したように、分散剤を用いていない、いわゆる分散剤無し顔料を用いる。このインクでは、アニオン性のカーボンブラック分散体として、少なくとも一種の親水性基がカーボンブラックの表面に直接もしくは他の原子団を介して結合している自己分散型のカーボンブラック分散体が好適に使用される。また、この自己分散型カーボンブラックとしては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものが好適である。
【0075】
アニオン性に帯電したカーボンブラックの場合、表面に結合されている親水性基が、例えば、−COOM,−SO3 M,−PO3 HM,−PO3 2 ,−SO2 NH2 ,−SO2 NHCOR等(ただし、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表わし、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)である場合が挙げられる。本実施例においては、これらの中で、特に、−COOM,−SO3 Mがカーボンブラック表面に結合してアニオン性に帯電しているものを用いることが好ましい。
【0076】
また、上記親水性基中の「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、有機アンモニウムとしては、モノないしトリメチルアンモニウム、モノないしトリエチルアンモニウム、モノないしトリメタノールアンモニウムが挙げられる。アニオン性に帯電したカーボンブラックを得る方法としては、カーボンブラック表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カーボンブラックを次亜酸素酸ソーダで酸化処理する方法が挙げられるが、勿論、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0077】
本実施例においては、親水性基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合したものを用いることが好ましい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合した親水性基の具体例としては、上記に挙げたものの他、例えば、−C2 4 COOM,−PhSO3 M,−PhCOOM等(ただし、Phはフェニル基を表わす)が挙げられるが、勿論、本発明はこれらに限定されない。
【0078】
この分散剤無し顔料のカーボンブラックは、それ自体、従来のカーボンブラックに比べ水分散性に優れるため顔料分散樹脂や界面活性剤などを添加しなくてもよく、このため、従来の顔料と比較して、固着性が良い、濡れ性が良い、等の利点を有し、プリントヘッドに用いる場合の信頼性に優れている。
【0079】
本実施例では、各プリントヘッドのインク吐出口は600dpiの密度で配列され、また、記録紙の搬送方向において600dpiのドット密度でプリントを行う。これにより、本実施例でプリントされる画像等のドット密度はロー方向およびカラム方向のいずれも600dpiとなる。また、各ヘッドの吐出周波数は4kHzであり、従って、記録紙の搬送速度は約170mm/secとなる。さらに、Bkインクのヘッド101Bkと処理液のヘッド101Sとの間の距離D(図1参照)は、40mmであり、従って、Bkインクが吐出されてから、処理液が吐出されるまでの時間は約0.24secとなる。
【0080】
図4は本実施例の他の構成例に係るシリアルタイプのプリント装置5の構成を示す概略斜視図である。すなわち、Bkインクをプリント媒体に付与した後、処理液を吐出して反応させるプリント装置は、上述のフルラインタイプのものに限らず、シリアルタイプの装置にも適用できることは明らかである。なお、図1に示した要素と同様の要素には同一の符号を付しその説明の詳細は省略する。
【0081】
プリント媒体である記録紙103は、給紙部105から挿入されプリント部126を経て排紙される。本実施例では、一般に広く用いられる安価な普通紙を記録紙103として用いている。プリント部126において、キャリッジ107は、プリントヘッド101Bk,101S,101C,101Mおよび101Yを搭載し、不図示のモータの駆動力によってガイドレール109に沿って往復移動可能に構成されている。プリントヘッド101Sは、前述の実施形態で説明した処理液を吐出することができるものである。また、ブラックヘッド101Bk,101C,101M,101Yはそれぞれブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクをそれぞれ吐出するものであり、ブラックインクに後に処理液が吐出された後この順次で記録紙103にインクを吐出するように駆動される。
【0082】
各ヘッドにはそれぞれ対応するインクタンク108Bk,108S,108C,108M,108Yから処理液又はインクが供給され、インク吐出時には各ヘッドの吐出口毎に設けられている電気熱変換体(ヒータ)に駆動信号が供給され、これにより、インク又は処理液に熱エネルギを作用させて気泡を発生させ、この発泡時の圧力を利用してインク又は処理液の吐出が行われる。各ヘッドには、それぞれ360dpiの密度で64個の吐出口が設けられ、これらは、記録紙103の搬送方向Yとほぼ同方向、つまり、各ヘッドによる走査方向とほぼ垂直方向に配列されている。そして、各吐出口毎の吐出量は上述した各実施例のいずれかのものを実現できるものである。
【0083】
以上の構成において、各ヘッド間距離は1/2インチであり、従って、ヘッド101Bkと101Sとの距離は1/2インチとなり、また、走査方向のプリント密度が720dpi、各ヘッドの吐出周波数は7.2kHzであることから、ヘッド101BkのBkインクが吐出されてから、ヘッド101Sの処理液が吐出されるまでの時間は0.05secとなる。
【0084】
(実施例2)
図5は、本実施例のプリントヘッドの配置構成を示す概略図であり、上述の実施形態3に対応したものである。
【0085】
本実施例のプリントヘッドは、図1に示したものと同様、フルラインタイプのヘッドであり、プリント媒体の搬送方向Aに沿って、ヘッド101S,101Bk,101C,101M,101Yの順で配置される。
【0086】
(実施例3)
図6は、同様に本実施例のプリントヘッドの配置構成のみを示す概略図であり、上記実施形態2に対応した構成を示す。
【0087】
本実施例のプリントヘッドは、同様にフルラインタイプのヘッドであり、プリント媒体の搬送方向に沿って、ヘッド101Bk,101S,101C,101M,101Y,101C′,101M′,101Y′の順で配置される。
【0088】
ヘッド101C′,101M′,101Y′から吐出されるそれぞれC′,M′,Y′のインクの組成は、基本的にC,M,Yの各インクと同一であり、異なる点は染料濃度がC,M,Yの各インクの1/3〜1/6の範囲で調整したものであり、かつアセチレノールEHの含有割合が3重量%である点である。また、この実施例では、C,M,Yの各インクのアセチレノールEHの含有割合は0.1重量%であり、低浸透性のいわゆる上乗せ系となっている。
【0089】
(実施例4)
図7は、本実施例のプリントヘッドの配置構成を示す概略図であり、上述した実施形態4に対応した構成を示している。同図に示すように、本実施例のプリントヘッドはフルラインタイプのヘッドであり、プリント媒体の搬送方向に沿って、ヘッド101S,101Bk,101C,101M,101Y,101C′,101M′,101Y′の順で配置される。
【0090】
(実施例5)
図8は、本発明の第5の実施例に係るヘッド構成を示す図である。本実施例は、上述の実施形態5およびその変形例の具体的構成を示すものであり、シリアルタイプのヘッド構成を示している。
【0091】
ヘッド101Aは、それぞれアニオン性のBk,C,M,Yの各インクを吐出する吐出部101Bk,101C,101Mおよび101Yを具え一方、ヘッド101Kは、それぞれカチオン性の処理液S,C′,M′,Y′の各インクを吐出する吐出部101S,101C′,101M′および101Y′を具える。それぞれの吐出部は64個のインク吐出口を有し、それぞれのヘッドにおいて所定間隔をおいて配列される。
【0092】
ヘッド101A,101Kは、図4に示したようなキャリッジに搭載され、図8の矢印に示す方向に走査し、各ヘッドの各吐出部から、上記実施形態5で説明した順序でインクが吐出される。例えば、ブラックの文字等をプリントするときは、最初の往走査でヘッド101Kの吐出部101Sからカチオン性の処理液が吐出され、続いて復走査でヘッド101Aの吐出部101Bkからアニオン性のBkインクを吐出する。次に、所定量の紙送りをした後、ヘッド101Kの吐出部101C′から往走査でC′インクを吐出し、同様に所定量の紙送りと往走査によって、順次M′,Y′のインクをそれぞれ吐出する。
【0093】
カラーの画像をプリントするときは、往走査でヘッド101Kの吐出部101Sからカキオン性の処理液が吐出され、次に所定量の紙送りをした後、例えば往走査でCインク,C′インクを吐出するようにする。
【0094】
また、ブラックのプリントをするときに最初の往走査でBkインク、処理液の順で吐出し、紙送りの後、C′インク,同様にM′インク,Y′インクと吐出するようにしてもよい。
【0095】
本実施例のインク組成は、Bk,C,M,Yの各インクについては、上述した実施例と同様であり、また、カチオン性のC′,M′,Y′の各インクについては次の通りである。
【0096】
各インクの溶剤組成は
ポリアリルアミン(分子量1500以下、平均約1000) 4%
酢酸 4%
塩化ベンザルコニウム 0.5%
アセチレノール EH 3%
グリセリン 7%
ジエチレングリコール 5%
水 残り
また、カチオン性のそれぞれの染料は、C′インクについては、BB100(ベーシックブルー100)0.4%である。なお、この代わりに、BB47(ベーシックブルー47)0.4%を用いてもよい。M′インクについては、BR12(ベーシックレッド12)、Y′インクについては、BY29(ベーシックイエロー29)である。
【0097】
(実施例6)
図9は、本発明の第6の実施例に係るヘッド構成を示す図であり、上記実施形態4または実施形態5に対応した構成を示すものである。
【0098】
本実施例は、キャリッジに図に示す4つのヘッドが搭載されて同図矢印に示す方向の走査と所定量の紙送りを繰り返えすことによりプリントを行う。より具体的には、ブラックモードとカラーモードを有してプリントを行う。
【0099】
ブラックモードのときは、各ヘッドの全吐出口を用いて1回の走査で各ヘッドの最大の吐出口幅(吐出部101S,101Bの幅)に対応したプリントを行う。すなわち、最初に吐出部101Sから処理液Sが吐出されて次に吐出部101BkからBkインクから吐出される。さらに、吐出部101C′,101M′,101Y′からC′,M′,Y′の各インクが、上記処理液およびBkインクが吐出された箇所にそれぞれ吐出されてブラックの画像等がプリントされる。
【0100】
一方、カラーモードのときは、紙送り量の最大を吐出部101C等の吐出口配列幅とし、これにより、図中矢印方向の走査と上記量の紙送りを繰り返えすことによりプリントすべき色のプリントを行う。例えば、シアン色の画像をプリントする場合は、まず吐出部101Sから処理液Sを吐出し、次いで吐出部101CからCインクを吐出し、さらに吐出部101C′からC′インクを吐出する。
【0101】
以上説明した実施例における処理液およびインクのアセチレノール含有比率,吐出量、およびブラック色とカラーをプリントするときの処理液の印字比率の二例を次の表2および表3に示す。
【0102】
【表2】
Figure 0003762125
【0103】
【表3】
Figure 0003762125
【0104】
以上の表2および表3に示す例において、ブラック画像に関しては、処理液と各インクが合体したときの最終的なアセチレノール含有比率は、上記印字比率(間引き率)を考慮して計算すると、それぞれ0.73%および0.71%であり、これらは、水の臨界ミセル濃度(CMC)以上となっている。これにより、最終的に合体した液は高浸透性を有することができる。
【0105】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明によれば色材を含有したインクと処理液をプリント媒体表面で液状で混合,反応させた後、色材を含有した浸透性の高いインクを少なくとも1色上記反応液に対して付与するので、色材が処理液によってプリント媒体表面で不溶化し、その結果、媒体表面で分子的に大きな塊りとなり、その後に浸透性の高いインクをその塊りの部分に付与するので、色材をプリント媒体の表面に残しつつ水性溶媒を高速に浸透させることができる。
【0106】
この結果、ブラックおよびカラーの双方のプリントにおいて高濃度、高速定着のプリントを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るプリンタの概略構成を示す側面図である。
【図2】上記実施例におけるアセチレノール含有割合と浸透性に関するKa値との関係を示す線図である。
【図3】(a)および(b)は、浸透性に係るアセチレノール含有割合をパラメータとして示す、着弾後経過時間と浸透量との関係を示す線図である。
【図4】本発明の他の実施例に係るシリアルプリンタの斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係るプリンタヘッドの配置構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係るプリンタヘッドの配置構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例に係るプリンタヘッドの配置構成を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係るプリンタヘッドの配置構成を示す図である。
【図9】本発明の第5の実施例に係るプリンタヘッドの配置構成を示す図である。
【符号の説明】
101Bk,101S,101C,101M,101Y,101C′,101M′,101Y′ プリントヘッド(吐出部)
103 記録紙(プリント媒体)
107 キャリッジ
108Bk,108S,108C,108M,108Y インクタンク(処理液タンク)

Claims (7)

  1. 少なくとも3種類以上の液滴によりプリントを行うインクプリント方法であって、
    第1色材を含有した第1インク滴と該第1色材の固化を促進する処理剤を含有した処理液滴とをプリント媒体上で混合,反応させ、非イオン界面活性剤濃度が水のCMC未満である二次液を形成する工程と、
    少なくとも1種類以上の第2色材を含有し、非イオン界面活性剤濃度が水のCMC以上である第2インク滴を、前記二次液に付与する工程と、
    を有し、前記二次液に前記第2インク滴を合体した液体は、非イオン性界面活性剤濃度が水のCMC以上であることを特徴とするインクプリント方法。
  2. 前記第2インク滴の付与は、プリント媒体上の前記二次液に対して実質的に間引かれた状態で行われることを特徴とする請求項1に記載のインクプリント方法。
  3. 前記第2インクの第2色材は、前記第1インク滴の第1色材と同系色であり、かつ、前記第2インク滴の色材濃度が前記第1インク滴の色材濃度より低いことを特徴とする請求項1に記載のインクプリント方法。
  4. 前記第2のインク滴は、前記第1インク滴と反対の極性を示すことを特徴とする請求項1に記載のインクプリント方法。
  5. 前記処理液滴は、前記第1インク滴に対して実質的に間引かれた状態で付与されることを特徴とする請求項1に記載のインクプリント方法。
  6. 前記第1インク滴に含有される第1色材は顔料であることを特徴とする請求項1に記載のインクプリント方法。
  7. 少なくとも3種類以上の液滴を吐出するヘッドを用い、該ヘッドからプリント媒体に液滴を吐出することによりプリントを行うインクプリント装置であって、
    前記ヘッドからの液滴の吐出を制御し、第1色材を含有した第1インク滴と該第1色材の固化を促進する処理剤を含有した処理液滴とをプリント媒体上で混合,反応させ、非イオン界面活性剤濃度が水のCMC未満である二次液を形成する第1付与手段と、
    前記ヘッドからの液滴の吐出を制御し、少なくとも1種類以上の第2色材を含有し、非イオン界面活性剤濃度が水のCMC以上である第2インク滴を、前記二次液に付与する第2付与手段と、
    を有し、記二次液に前記第2インク滴を合体した液体は、非イオン性界面活性剤濃度が水のCMC以上であることを特徴とするインクプリント装置。
JP37667898A 1998-12-25 1998-12-25 インクプリント方法およびインクプリント装置 Expired - Fee Related JP3762125B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37667898A JP3762125B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 インクプリント方法およびインクプリント装置
US09/469,304 US6471348B1 (en) 1998-12-25 1999-12-22 Ink printing method and ink printer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37667898A JP3762125B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 インクプリント方法およびインクプリント装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000190616A JP2000190616A (ja) 2000-07-11
JP3762125B2 true JP3762125B2 (ja) 2006-04-05

Family

ID=18507548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37667898A Expired - Fee Related JP3762125B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 インクプリント方法およびインクプリント装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6471348B1 (ja)
JP (1) JP3762125B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4438311B2 (ja) * 2003-04-16 2010-03-24 富士ゼロックス株式会社 インクジェットインク組成物、インクセット、インクジェト用処理液、並びに、これらを用いたインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP4508703B2 (ja) * 2003-04-24 2010-07-21 キヤノン株式会社 インクジェット用インク及びこれを用いたインクジェット記録方法
JP4432407B2 (ja) * 2003-08-20 2010-03-17 富士ゼロックス株式会社 インクジェット用液体廃棄処理方法、並びに、これを用いたインクジェット記録装置、インクジェット用液体貯蔵用タンク、インクジェット用液体貯蔵用液体吸収体およびインクジェット用液体廃棄処理装置
JP4812078B2 (ja) 2004-12-28 2011-11-09 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
JP2006212787A (ja) 2005-02-01 2006-08-17 Canon Inc インクジェット記録装置
US7666255B2 (en) * 2005-03-09 2010-02-23 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink-jet inks having surfactants below the critical micelle concentration and associated methods
JP2006326983A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Fujifilm Holdings Corp インクジェット記録装置及び方法
JP5065719B2 (ja) * 2007-03-22 2012-11-07 武藤工業株式会社 印字装置及び印字方法
US8287079B2 (en) * 2008-03-31 2012-10-16 Fujifilm Corporation Landing position determining method and device for processing-liquid ejection nozzles, and inkjet recording apparatus
JP5276384B2 (ja) * 2008-08-29 2013-08-28 富士フイルム株式会社 インクジェット記録方法及び装置
US9168776B2 (en) * 2013-06-17 2015-10-27 Xerox Corporation Method of increasing ink crystallization
CN103692797B (zh) * 2013-12-04 2015-06-03 珠海天威飞马打印耗材有限公司 利用彩色打印机实现低成本打印的方法
EP4155088A1 (en) * 2021-09-22 2023-03-29 Canon Kabushiki Kaisha Print apparatus, control method of the same, and print system

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6007182A (en) 1992-07-24 1999-12-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink-jet recording method employing inks of different characteristics and apparatus therefor
JP3229075B2 (ja) * 1992-07-24 2001-11-12 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
US6074052A (en) * 1996-04-19 2000-06-13 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing method and ink jet recording apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
US6471348B1 (en) 2002-10-29
JP2000190616A (ja) 2000-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4036407B2 (ja) インクジェットプリント装置およびその方法
JP3667160B2 (ja) インクジェットプリント方法およびインクジェットプリント装置
KR100338617B1 (ko) 잉크의 색재를 불용화시키는 기능을 가진 잉크를 사용하여 프린트하는 잉크 프린트 방법 및 잉크젯 프린트 장치
JP3997019B2 (ja) プリント方法およびプリント装置
JP2000190480A (ja) インクプリント方法およびインクプリント装置
JP3658223B2 (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP3762125B2 (ja) インクプリント方法およびインクプリント装置
JP4428758B2 (ja) インクジェットプリント装置およびその方法
JP2000239589A (ja) インク、インク容器、インクセット、インクジェット記録装置及びインクジェットプリント方法
JP2002079740A (ja) インクジェットプリント方法
US6367923B1 (en) Ink-jet printing method, system using an ink and a treating liquid, and ink set
JP4468463B2 (ja) インクジェットプリント方法
US6517191B1 (en) Ink jet printing apparatus and ink jet printing method
JP4343329B2 (ja) インクプリント方法およびインクジェットプリント装置
JP2002086707A (ja) インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント方法
JP4475620B2 (ja) インクジェットプリント方法
JPH11129461A (ja) 記録方法
JPH11240145A (ja) インク、インク容器、インクセット、インクジェット記録装置及びインクジェットプリント方法
JP4227267B2 (ja) インクジェットプリント方法およびインクジェットプリント装置
JP4235331B2 (ja) インクジェットプリント方法
JP4036463B2 (ja) インクジェットプリント装置およびプリント方法
JP2002088288A (ja) インクセット、該インクセットを用いたインクジェットプリント方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェットプリント装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140120

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees