JP3229075B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JP3229075B2
JP3229075B2 JP16484593A JP16484593A JP3229075B2 JP 3229075 B2 JP3229075 B2 JP 3229075B2 JP 16484593 A JP16484593 A JP 16484593A JP 16484593 A JP16484593 A JP 16484593A JP 3229075 B2 JP3229075 B2 JP 3229075B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
surfactant
critical micelle
printing
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP16484593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0688048A (ja
Inventor
雅哉 植月
弘光 平林
規文 小板橋
勇治 秋山
重泰 名越
仁 杉本
美由紀 松原
史博 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP16484593A priority Critical patent/JP3229075B2/ja
Priority to CA 2100978 priority patent/CA2100978C/en
Priority to AT93305802T priority patent/ATE163305T1/de
Priority to DE1993617022 priority patent/DE69317022T2/de
Priority to EP19930305802 priority patent/EP0583096B1/en
Priority to CN93109068A priority patent/CN1062579C/zh
Priority to AU42159/93A priority patent/AU667721B2/en
Publication of JPH0688048A publication Critical patent/JPH0688048A/ja
Priority to US09/414,892 priority patent/US6332675B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3229075B2 publication Critical patent/JP3229075B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク、固体インクを
溶解状態としたインク、粉体を溶解したトナーといった
液状体の付着物を担持した部材である紙、布、特殊シー
トといった記録媒体や、単純なプリントを目的にした装
飾される部材自体に、インクジェットプリントする装置
に関し、複写機、ファクシミリ等の記録機器、通信機
器、事務機器、複合機器、プリンタ等に適用可能な発明
に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン端末、コピー、FAX等の出力
装置として、熱転写・LBP・ドットインパクト、イン
クジェット等のプリンターが使用されている。
【0003】このなかで、インクジェット方式は、静粛
性に優れる印刷方法として注目を浴びているが、このう
ち加熱による液体の発泡を利用したものは、高密度化が
容易である・静粛性に優れる・カラー化が容易である・
高速印刷に耐え得る等の優れた特徴を有し、高品位で安
価な印刷方法として注目を浴びている。
【0004】他方、インクジェット方式の古典的な圧電
素子を用いたインクジェット記録方法は、40V以上の
駆動電圧を用いてオンデマンド方式或はコンテイニアス
方式でインクを吐出させて記録を行うものであるが、通
常、環境変動があっても確実に吐出する駆動電圧を与え
て圧電素子を駆動するものである。この方式を実施例と
して開示し、色の異なるインクに関して、0.0001
〜10重量%のエチレンオキシド付加体が含有されたイ
ンクを開示する特許として、特公昭58ー6752号公
報が知られている。この公報は、界面活性剤を含有する
インクを、界面活性剤を含まないインクと比較して、相
対的に優れた定着性、耐水性を評価し、インク吐出を連
続駆動と間欠駆動でも安定した吐出が行われると評価し
ている。更に、この公報では、3カ月放置後の最初の駆
動信号で吐出できるか否かを判断し、界面活性剤を含有
するインクが良好なインク吐出を行えることを開示して
いる。
【0005】ところで、1981年(10月1日)発行
の「全訂版 新界面活性剤入門」(三洋化成工業株式会
社)には、界面活性剤を液体に含有させる場合におい
て、界面活性剤の効果を充分得る為には、その液体にお
ける界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c.)以上
の含有量をその液体に入れることが極めて当然の知識と
して開示されている。この界面活性剤のインクに対する
臨界ミセル濃度(c.m.c.)以上の含有量をインク
に含ませることを1つの特徴とした、米国特許第5,1
06,416号明細書及び米国特許第5,116,40
9号明細書が存在する。これらの公報は、インクのブリ
ーデイングを防止する効果があるものとしてそれらの発
明を開示し、水に対する界面活性剤の臨界ミセル濃度
(c.m.c.)は意味のないことを明記している。逆
に、この水に対する界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.
m.c.)以下の含有量を含むインクを開示するものと
して、特開昭56ー49771号公報があり、ノズル内
の目詰まり防止効果があるとしている。又、先に上げた
特公昭58ー6752号公報と同様に1〜10%の界面
活性剤を含有させたインクを低蒸気低粘性極性溶剤を付
加することによって使用可能にするというインク特許を
開示する特開平1ー182384号公報があるが、単
に、インクの紙に対するニジミを考慮するだけである。
【0006】(発明の背景技術) 上記従来の技術開示内容は、あたかも最終画像自体が高
画質として得られる様な錯覚を与えるが、詳細な検討を
加えると、第1にインクジェットヘッドから吐出される
インク滴の構造変化を注目していないこと、第2にイン
クジェットヘッド内におけるインクの状態変化と、飛翔
中のインク滴が分離してサテライトやマイクロドットと
呼ばれる主滴以外の微小なインク滴の発生と、記録媒体
に対するインクの挙動と、の相互関係を考慮していない
低水準の技術内容にしか過ぎないことが判明した。
【0007】本発明者達は、上記公知技術では認識され
ていない上記相互関係を満足することを最大の課題とし
て研究開発を行うことで、本発明の特徴である界面活性
剤のインクに対する定性的な臨界ミセル濃度(c.m.
c.)と、純水に対する臨界ミセル濃度(c.m.
c.)と、をインク主滴以外の微小なインク滴に着目し
て検討することが、最適であるとの見地に至ったのであ
る。
【0008】本発明の理解を助けるために、簡単に説明
すると、インクジェットヘッドからインク吐出できても
記録媒体に到達するまでの間にインク滴が分離すると、
異なる色のインク境界自体が変動し、インクが記録媒体
に対してにじみが少ない特性を備えていても分散された
微小なインク滴による画質の低下が発生してしまうとい
う現象が見い出されたことから本発明の着眼点の従来に
対する優位性が理解できよう。
【0009】しかも、従来のインクジェット記録方法や
装置は、環境条件自体が通常の20乃至25の環境
下で使用されているため、効果の判別基準自体に環境条
件が作用することはほとんどない。最近、インクジェッ
トヘッドの特性を安定化するためにこれを温度調節する
構成が採用されるに当たって、環境温度とインクジェッ
トヘッド内温度との差は、実際のインク滴の飛翔状態を
左右する程度に影響を与えることがあるが、上記従来の
公報ではその効果判別にこのような環境問題を考慮した
内容でないことも考慮すべき事項である。 本発明者達
は、この観点から、より安定かつ信頼性を要求すると、
界面活性剤のインクや純水に対する濃度と、表面張力の
関係を測定する際に、その記録に使用するインクジェッ
トヘッドを温度調節する設定温度下にインク(好ましく
は純水も)を調整しながら測定することで、より正確な
臨界ミセル濃度(c.m.c.)点や、その曲線自体を
得ることができ、実際のインク記録に対してより正確且
つ特性の長期的安定をもたらすことができることをも
見出した。
【0010】更に、界面活性剤のインクに対する定性的
な臨界ミセル濃度(c.m.c.)以上の濃度を与えた
インクは、市場販売の紙に対して、ヘッドを介さなけれ
ば、異色境界でのにじみの発生を阻止でき、記録媒体に
よっては浸透ムラによって発生するインク塗りつぶし部
分(以下、ベタと呼ぶ)の不均一な濃度或は部分的な白
浮きをも防止する効果やドットの形状が真円に近い形状
にできる効果があるが、温度上昇による低湿環境下での
蒸発等に起因する粘度上昇が顕著になり、吐出回復性の
悪化が発生することが判明した。これを防止するため
に、頻繁に回復動作を行ったが、予想を越えるほど、印
字時間の低下、インク消費量の増大を招くという弊害が
見られた。特に、このインク中の臨界ミセル濃度(c.
m.c.)以上の濃度を与えたインクに関して、注目す
べき問題は、インクの表面張力が極限まで低下し、粘度
が急激に上昇していることであり、ヘッドからの吐出後
で、主滴に続くマイクロドットが不均一でしかも発生割
合の急激な増加をもたらし、文字品位と罫線の直線性を
損ない、色調の変化が発生するなど多くの弊害が発生
し、インク自体の効果が画像に生かすことができなかっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、インクジェットヘッドを介してインク吐出して記録
媒体にインク記録(染色も含まれる)する最終ドット形状
を安定化することによって、界面活性剤(好ましくは非
イオン型)の効果を記録媒体とインクとのにじみ或は色
境界の乱れを防止できるように作用させることのできる
インクジェット記録装置を提供することにある。
【0012】本発明の別の目的は、従来の界面活性剤含
有インクに関して検討されていなかった環境条件を考慮
することによって、より画像品位が優れ、信頼性の高い
インクジェット記録装置を提供することにある。
【0013】本発明の更に別の目的は、界面活性剤含有
インクの特性をインクジェットヘッド内と記録媒体上と
で大きく変化させることで、インク自体の機能的な効果
を効率よく利用して、更に、画像品位を高めることので
きるインクジェット記録装置を提供することにある。
【0014】本発明は、従来の技術的な見解を一新した
画期的な発明を、界面活性剤を含有する水性インクに対
しての該界面活性剤が臨界ミセル濃度(c.m.c.対
インク)未満である所定の含有率であって、該界面活性
剤を該所定含有率で純水に対して与えた時に該純水に対
する臨界ミセル濃度(c.m.c.対純水)より大とな
る該所定含有率で、該界面活性剤を含む水性インクがイ
ンクジェット記録ヘッドに与えられ、記録媒体に該イン
クを記録することを主たる特徴とする技術及びその関連
技術として提供するものである。本発明の更に他の目的
は、上記のインクジェット記録方法やプリンティング方
法に好適に用いることができるインクジェット用水性イ
ンクを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるインクジ
ェット記録装置は、界面活性剤を含有する水性インクに
対しての該界面活性剤が臨界ミセル濃度(c.m.c.対イン
ク)未満で且つ記録媒体上で臨界ミセル濃度(c.m.c.対
インク)以上となるような所定の含有率であって、該界
面活性剤を該所定含有率で純水に対して与えた時に該純
水に対する臨界ミセル濃度(c.m.c.対純水)より大とな
る該所定含有率で、該界面活性剤を含む水性インクを備
えたインクジェット記録ヘッドと、記録媒体上でインク
に対しての該界面活性剤を臨界ミセル濃度(c.m.c.対イ
ンク)以上にする促進手段とを有し、記録媒体に該水性
インクで記録することを特徴とするものである。本発明
にかかる参考例の1つは、温度設定条件T℃で温度調整
されるインクジェットヘッドを用いてプリンテイングを
行う方法であって、該温度設定条件T℃における表面張
力と界面活性剤濃度との関係曲線に関して、界面活性剤
を含有する水性インクに対しての該界面活性剤が臨界ミ
セル濃度(c.m.c.対インク)未満である所定の含有率で
あって、該温度設定条件T℃における表面張力と界面活
性剤濃度との関係曲線に関して、該界面活性剤を該所定
含有率で純水に対して与えた時に該純水に対する臨界ミ
セル濃度(c.m.c.対純水)より大で且つ[上記臨界ミセル
濃度(c.m.c.対インク)+上記臨界ミセル濃度(c.m.c.
対純水)]/2以下の範囲内である該所定含有率であっ
て、上記温度設定条件T℃の温度下で、30 dyne/cmを
越える表面張力を満足する該界面活性剤を含む水性イン
クがインクジェットヘッドに与えられ、プリンテイング
を行うインクジェットプリント方法及び装置である。こ
参考例は、上記主たる技術による効果、即ち、吐出し
たインク滴の吐出状態を安定化せしめ、記録媒体上では
ニジミを抑制して単ドット形状の安定化による印字品位
の向上を確実に達成でき、吐出回復性、高周波数での吐
出特性等をバランスよくすべて満足する効果に以下の効
果を与えるものである。上記温度設定条件T℃の温度下
で、30 dyne/cmを越える表面張力は、使用状態におけ
るヘッド内インクの挙動をリフィルや吐出に対してより
機能を向上させ、上記[上記臨界ミセル濃度(c.m.c.対
インク)+上記臨界ミセル濃度(c.m.c.対純水)]/2以
下の範囲内である界面活性剤の所定含有率によって、変
動粘性を極めてわずかにし得、界面活性剤による効果を
一層引き出し、インク滴の吐出状態の変動を実質的にな
くすことができる。特に、上記温度設定条件T℃におけ
る表面張力と界面活性剤濃度との関係曲線に関して界面
活性剤の濃度を決定することは、使用環境の変動に対し
て効果的に機能できる状態を形成できる。
【0016】本発明にかかる別の参考例は、界面活性剤
を含有する水性インクに対しての該界面活性剤が臨界ミ
セル濃度(c.m.c.対インク)未満で且つミセル濃度(c.
m.c.対インク)近傍のある所定の含有率であって、該界
面活性剤を該所定含有率で純水に対して与えた時に該純
水に対する臨界ミセル濃度(c.m.c.対純水)より大とな
る該所定含有率で、該界面活性剤を含む水性インクがイ
ンクジェット記録ヘッドに与えられ、記録媒体上でイン
クに対しての該界面活性剤が臨界ミセル濃度(c.m.c.対
インク)以上にして記録媒体に該水性インクを記録する
ことを特徴とするインクジェット記録方法である。この
参考例は、同様に、上記主たる技術による効果を満足
し、記録媒体上では、界面活性剤の機能を一層充実させ
ることができるものである。
【0017】いずれにしても、界面活性剤の濃度につい
ては浸透促進という観点からはできる限り高濃度である
事が望まれるが、にじみ防止、ベタ均一性の保持等の観
点からは実用上は純水中での臨界ミセル濃度より大であ
ることが重要で、吐出特性の向上、単ドットの品位の向
上、回復動作の負荷軽減をめざす上ではインクに対して
の界面活性剤が臨界ミセル濃度(c.m.c.対イン
ク)より少量である事が重要である。
【0018】また、本発明にかかる参考例の上記主た
術を満足し、且つ複数色のインクを記録媒体に順に記
録可能なカラー記録方法であって、使用する複数色のイ
ンクは全て上記界面活性剤を同等に上記所定含有率で満
足していることは色境界ばかりでなく、積層された場合
も、互いの界面活性剤の移動がないために色相が所望の
状態で得られる効果がある。なお、本発明の他の特徴
は、以下の実施例の説明から理解できよう
【0019】
【実施例】以下、本発明にかかる基本原理について説明
する。
【0020】まず、界面活性剤の臨界ミセル濃度の測定
を行う。臨界ミセル濃度の判定は界面活性剤の濃度のみ
を変化させてその他の組成物を一定としたインクを作成
し、表面張力測定機(協和界面科学(株)製 商品名:
サーフェイス テンションメータCBVP−A3)によ
って表面張力の測定を行い、界面活性剤の濃度をそれ以
上増加させても表面張力が低下しない最小濃度を臨界ミ
セルの濃度とした。また、同様の測定を純水中での測定
を行い臨界ミセル濃度を測定した。
【0021】表面張力によって測定された臨界ミセル濃
度の測定結果を図1に示す。図中の純水中で測定された
臨界ミセル濃度c.m.c.(w)とインク組成中で測
定された臨界ミセル濃度c.m.c.(i)とは図のご
とく若干の差を生じる。界面活性剤の、純水中での臨界
ミセル濃度とインク中での臨界ミセル濃度に差が生じる
原因は以下のようなメカニズムによると推測される。
【0022】インク中には発色のための染料、または顔
料等の発色剤が添加されている、また保存性向上、固着
防止等のためにさまざまな添加剤が加えられる。
【0023】これらの染料および添加剤の大部分は溶液
内に拡散しているがある確率で気液界面、気固界面に存
在する。このためインク組成中では液体−気体の界面、
液体−固体の界面は純水中よりも不均一な状態になって
おり純水中ではインク組成中に比較して低濃度で臨界
ミセル濃度に達するが、インク組成中では、活性剤が表
面に配向した後、これら界面に存在する染料、添加剤の
表面に十分に配向するまで表面張力は低下しつづける。
【0024】また一部の界面活性剤は界面同様に溶液中
に存在する染料、添加剤等に吸着され、消費される。
【0025】以上のように界面または溶液中に存在する
染料、添加剤による界面の不均一さを解消するために界
面活性剤が使用されてしまうためインク組成中の臨界ミ
セル濃度は純水中の臨界ミセル濃度よりも高濃度になる
ものと推測される。
【0026】しかし図1の界面活性剤が低濃度の場合の
極端な表面張力の低下は、純水の場合と同様に発生して
いる。これは、添加された界面活性剤が溶液中に溶解し
染料に配向する場合、または表面の染料、添加剤に配向
して消費される場合もあるが、気液界面に配向し表面張
力を低下させる機能は十分に果たしていることを示して
いる。すなわち、界面活性剤が低濃度の領域において
は、純水中と同様の現象によって、気液表面の界面活性
剤が表面張力を低下させていることがわかる。
【0027】以上説明したように、浸透力向上のためイ
ンクに添加される界面活性剤は水の臨界ミセル濃度より
も大となる添加量であれば十分な浸透性能を得られると
いう結論に達した。
【0028】次に、界面活性剤の濃度が印字品位につい
て及ぼす影響を図2に概念的に示した。図中でここでは
印字品位中もっとも大きく差のでる「境界にじみ」に関
して示している。上記したようにインク組成中であって
もインク表面には純水の臨界ミセル濃度よりも高濃度で
あれば界面には活性剤が配向していると考えられるた
め、にじみ防止に関しては図中c.m.c.(w)より
大であれば、十分な効果が得られている。
【0029】また、界面活性剤濃度がインクに対してそ
の重量%を増加していくと、徐々にインク粘度は上昇し
ている。特に、インクの臨界ミセル濃度c.m.c.
(i)以上でそれは顕著である。従って、インクの臨界
ミセル濃度c.m.c.(i)以上で上記背景技術で説
明した現象が顕著になることが裏づけられる。このよう
に、インクの臨界ミセル濃度c.m.c.(i)以上に
おけるインク粘度は、上述したように吐出されたインク
滴の状態を悪化せしめ、画像の劣化ばかりでなくインク
ジェットヘッドの回復性を大きく左右するものである。
【0030】図1において、界面活性剤濃度-表面張力
曲線が、界面活性剤を含有する水性インクに対しての該
界面活性剤が臨界ミセル濃度(c.m.c.対インク)となる
ポイント c.m.c.(i)が(3.2Wt%,29dyne/cm)とし、
該界面活性剤を該所定含有率で純水に対して与えた時に
該純水に対する臨界ミセル濃度(c.m.c.対純水)となる
ポイント c.m.c.(w)が(0.7Wt%,27dyne/cm)とす
る。この時、図1中の界面活性剤濃度E(1Wt%)にお
けるインクA,BにおけるポイントC1,C2は、いず
れも 30dyne/cm以上であって、同濃度であるし、図か
ら理解できるように[上記臨界ミセル濃度(c.m.c.対イ
ンク)+上記臨界ミセル濃度(c.m.c.対純水)]/2以下
の範囲内である。従って、ポイントC1,C2における
インクA,Bのみを使用したカラー記録画像は、本発明
にかかる参考例となる。また、図1中の界面活性剤濃度
FにおけるインクAにおけるポイントDは、インクの臨
界ミセル濃度 c.m.c.(i)の近傍であるため、記録環境
を 200度Cに温度調整された加熱手段によって形成され
た環境下で、吐出後その特性変化を生じ得て、記録媒体
上で、実質的にインクの臨界ミセル濃度 c.m.c.(i)以
上の挙動を示すことができる。
【0031】尚、係る本発明で用いられる界面活性剤は
何れでもよく、特に限定されないが、好ましくは、下記
構造式[1]〜[4]で示されるものである。ここで、
m,n及びm+nはそれぞれ6〜14の範囲にあること
が望ましい。更に、アルキル基Rは炭素数が6〜26の
範囲のものが好ましい。
【0032】
【化5】 (Rはアルキル基)
【0033】
【化6】 (Rはアルキル基)
【0034】
【化7】 (Rは水素又はアルキル基)
【0035】
【化8】 (但、m,nは整数)
【0036】参考例1 次に本発明にかかる参考例を実際の例を用いて具体的に
説明する。
【0037】以下、処方の単位については特に断らない
限り重量%を使用するものとする。
【0038】
【表1】 参考例1 比較例1 比較例2 溶剤:グリセリン 5.0 5.0 5.0 界面活性剤:アセチレングリコール エチレンオキサイド付加物 1.0 0.5 5.0 (商品名:アセチレノールEH) 安定化剤:尿素 5.0 5.0 5.0 染料:黒/C.I.フードブラック2 4.0 4.0 4.0 イエロー/C.I.ダイレクトイエロー86 2.5 2.5 2.5 シアン/C.I.ダイレクトブルー199 3.5 3.5 3.5 マゼンタ/C.I.ダイレクトレッド227 3.0 3.0 3.0 残量:水 上記の処方によって混合した4色のインクをそれぞれを
室温で2時間攪拌後、孔径 0.22μmのフィルター(住友
電気工業(株)商品名:フロロポアフィルター)でろ過
後、試験に供した。前記のインクを用いて、印字を行っ
た場合のにじみの良否、および放置時間にに対する許容
度を評価した。
【0039】参考例1のインクは、本発明の趣旨による
インク組成を持つもので、界面活性剤の濃度を該活性剤
の純水中での臨界ミセル濃度以上、該活性剤の上記イン
ク組成中での臨界ミセル濃度以下としている。比較例1
のインクは、本発明の効果を示すため比較対象として用
いたインクであり界面活性剤の濃度は、純水中での臨界
ミセル濃度以下である。比較例2のインクも比較例1と
同様に、本発明の効果を示すため比較対象として用いた
インクであり、界面活性剤の濃度は上記組成のインク中
での界面活性剤の臨界ミセル濃度以上を含有させてい
る。
【0040】上記インクについて境界にじみ、放置可能
な時間等について評価を行った。印字品位等の評価には
市販コピー紙(キヤノン(株)NPドライ紙)を使用
し、印字本体には特に断らない限り加熱発泡によってイ
ンクを吐出するカラーインクジェットプリンター(キヤ
ノン(株)商品名:BJC−820J)を使用した。
【0041】(1)ドット形状 上記インクを使用して、300ドットが互いに接触しな
いように印字し、室温にて24時間乾燥させた後、顕微
鏡で不定形、または不規則なニジミが発生したドットの
数をかぞえそのパーセンテージを下記基準に従って評価
した。 ○:10%以下 △:11〜50% ×:51%以上 (2)放置可能時間による回復性の評価 実際に印字を行う場合全ノズルが均一に使用されるわけ
ではなく、一部のノズルは印字時間中に長時間にわたっ
て吐出動作が行われないままになる場合がある。このよ
うな不使用ノズルはノズル先端からインク溶媒の蒸発、
増粘が起こり、ノズル内のインクが蒸発したインクで閉
塞をされた状態となり、ヨレやショボ印字の原因とな
る。どの程度の放置時間で印字不良が発生するかは、吐
出圧力、開口面積等がヘッドによって異なるため一概に
規定するのは困難で有るが、同一ヘッドの場合は環境お
よび使用するインクに依存する傾向が強い。すなわち高
粘度の不揮発分を相当量含むインクでは溶媒の蒸発とと
もに急激に増粘し吐出不良を引き起こし易く、高粘度の
添加剤は極力少量に抑える必要がある。一般には、上記
のような印字不良を防止するために、印字中に一定のタ
イミングで全ノズル、または不使用ノズルにたいして吐
出動作を行い回復を行うが、このような回復動作を印字
中頻繁に行う事は印字速度の低下、インク消費量の増加
を伴うため極力避ける必要がある。このため、実際に使
用されるインク、ヘッドの組み合わせでどの程度の間隔
で以上述べた吐出回復動作が必要かを評価する必要があ
る。
【0042】まず、各インクをタンク一体型インクジェ
ットカートリッジ(BC−01、キヤノン製)に充填
し、低温低湿環境下(気温15℃、湿度10%)に十分
なじませたのち、プリンターにセットし、全ノズル吐出
による第一の印字を行い、その後所定時間印字を中断
し、キャップを行わない状態で待機させ、その後再び第
2の印字を行う。中断時間を変化させて、目視による印
字不良が発生しない最大の時間を吐出による回復動作が
必要となる時間として評価に用いた。評価については以
下の基準に従った。評価結果は表1に示した。 ○:60秒以上 △:30秒〜60秒 ×:30秒以下 (3)異色間にじみ 異なる色が隣接する図3の様なカラーサンプルを印字
し、1度の走査で図に示した幅Aの領域を印字し、異色
間でのにじみを観察した。使用した色は、図示のとう
り、黒、シアン、マゼンタ、イエロー、およびシアン、
マゼンタ、イエローのうち2色を重ね打ちすることでつ
くられるレッド、ブルー、グリーンの7色である。 ○:すべての境界で異色間にじみが観察されない。 △:インクの付着量の多いレッド、グリーン、ブルーの
境界でにじみが観察される。 ×:ほとんどすべての境界で異色間にじみが観察され
る。
【0043】(4)ベタの均一性 インク打ち込み量100%の濃度でベタ印字を行った部
分について色の均一性を目視により判定した。 ○:均一でムラがみられない。 △:紙繊維の密なところで色ムラが目立つ。 ×:全面にわたって色ムラが目立つ。
【0044】以上の評価の結果を表1に示す。
【0045】
【表2】表 1 表1に示したように、にじみ、均一性、に関しては純水
の臨界ミセル濃度以上の界面活性剤を含有する参考例
、および比較例2では浸透性向上によるにじみ防止の
効果が発揮されている。ただし、参考例1のインクを使
用した印字物よりも比較例2のインクを使用した印字物
の方が、若干にじみは少なく、また均一性も多少良いよ
うである。ただし、比較例1にたいして参考例1、比較
例2では格段ににじみ、均一性が向上している事、参考
例1と比較例2での比較では差はわずかである事、参考
例1のレベルで実用上問題の無いレベルである事から同
等であると判断した。また、単ドットの形状に関しては
比較例2の場合、主滴の吐出に際して発生してしまう副
次液滴(サテライト)の発生がみられるため参考例1の場
合に比較して不良が増加している。
【0046】一方、界面活性剤をその活性剤の純水中で
の臨界ミセル濃度程度以下しか含まない比較例1では浸
透性が不十分であるため、異色境界上に激しいにじみを
生じている。
【0047】また界面活性剤を、その活性剤のインク中
での臨界ミセル濃度以上含んだ比較例2では回復性が悪
く、参考例1、及び、比較例1と比べて吐出特性が悪い
ことがわかる。
【0048】以上のように、本参考例で使用したインク
を使用した印刷装置では実用上、十分な画質と、放置可
能時間(回復性)を有している。
【0049】参考例2参考例以下はインク中での臨界ミセル濃度以下の界面
活性剤を含有したインクを使用する場合にインクの臨界
ミセル濃度に極近い濃度の界面活性剤を使用する事によ
って、インクの飛翔中または定着時において溶媒、水等
の蒸発によってインクが濃縮され、インク中の界面活性
剤濃度がインク中の臨界ミセル濃度を超える様な構成に
したものである。このような構成にする事によってヘッ
ド内では吐出特性に関して有利な界面活性剤濃度がイン
ク中での臨界ミセル濃度以下となっているインクとして
取り扱う事が可能である。そして、インク浸透時には臨
界ミセル濃度以上となっているため、にじみ、ドット品
位等の向上がみられる。
【0050】図8をもって本参考例を説明する。
【0051】まず、印字開始に当たって水分の蒸発促進
の為、ヘッド内は温調され所望の温度に引き上げられ
る。はじめ図8に示された[Ci]の濃度で吐出された
インクは印刷媒体面に到達するまでに水分の蒸発により
図8の濃度[Ck]まで濃縮される。次に印刷媒体面到
達後、活性剤濃度は印刷媒体面上の水分の蒸発によって
濃縮され、ついには臨界ミセル濃度[臨界ミセル濃度]
に達する。この時点で印刷媒体面上のインクの表面張力
は極小点に達し、吸収速度は極大となる。その後、濃度
最終濃度[Ce]に達し、ほぼ同時にインク滴の媒体内
への吸収が終了する。
【0052】このヘッドでの吐出特性を図9に示す。こ
の図でわかるように、活性剤濃度の低い領域から活性剤
濃度が上がるにつれ表面張力の低下と粘度の上昇によっ
て急激にリフィル周波数が低下する。また[臨界ミセル
濃度]以降でも界面活性剤濃度が上昇すると増粘による
リフィル周波数の低下が見られる。
【0053】以下に、実際ににじみ、リフィル特性につ
いて試験を行った例を示す。インクとしては以下のよう
な処方のものを使用した。処方の単位については特に断
らない限り重量%を使用するものとする。
【0054】
【表3】 参考例2 比較例3 溶剤:グリセリン 7.5 7.5 チオジグリコール 7.5 7.5 界面活性剤:テトラデシル硫酸ナトリウム *0.055 0.065 安定化剤:尿素 7.5 7.5 染料:黒/C.I.フードブラック2 4.0 4.0 イエロー/C.I.ダイレクトイエロー86 2.5 2.5 シアン/C.I.ダイレクトブルー199 3.5 3.5 マゼンタ/C.I.ダイレクトレッド227 3.5 3.5 残量:水 上記の処方によって混合した4色のインクをそれぞれを
室温で2時間攪拌後、孔径 0.22μmのフィルター(住友
電気工業(株)商品名:フロロポアフィルター)でろ過
後、試験に供した。前記のインクを用いて、ヘッドの駆
動周波数を変化させ、印字を行った場合のにじみの良
否、および印字の良否によって評価した。なお、評価方
法は以下に示したリフィル以外は参考例1の基準にした
がった。
【0055】・リフィル 印字時のノズルに対するインクのリフィルの良否を印字
状態から判断した。 ○:100%ベタ印字でも問題なく印字可能。 △:100%ベタ印字でリフィルの不足によって、ヨレ
・かすれ・不吐等を生じる。 ×:100%ベタ印字でリフィルしなくなり、全ノズル
が吐出しなくなる。
【0056】本参考例の効果をより明確にするため、比
較例として界面活性剤濃度をインク中の臨界ミセル濃度
以上添加したものを併記した。(比較例3)評価結果は、
表2に示した。
【0057】この表からわかるとおり、比較例3では
5.5kHzを越えるとリフィルが間に合わなくなっている
のに比べ参考例2の場合は 6.0kHzであってもリフィル
可能であった。にじみに関しては参考例2、比較例3と
も十分な浸透速度を持っているため、ほとんど差はみら
れない。
【0058】上記参考例2の組成の場合、使用している
界面活性剤のインク中での臨界ミセル濃度が低濃度でか
つ、インク中での臨界ミセル濃度以下から以上への変化
が非常にシャープに現れる。従って、臨界ミセル濃度以
下から以上への転移を紙面到達までの時間と紙面上での
水分の蒸発だけで行うことができ、補助のための溶媒を
必要としない利点がある。
【0059】参考例3 参考例3 の場合も、参考例2と同様に印字開始に当たっ
て水分および低沸点溶剤の蒸発促進の為、ヘッド内は温
調され所望の温度に引き上げられる。以下参考例2の場
合と同様に水分の蒸発が進行するが、本参考例で使用し
た界面活性剤の場合、その臨界ミセル濃度が高濃度であ
る。この場合、紙面到達までの時間と紙面上での水の蒸
発だけではインク中での臨界ミセル濃度以下から以上へ
の転移を完全に行うことができない。このため、低沸点
溶剤であるイソプロピルアルコール溶剤を添加し、この
イソプロピルアルコールの蒸発および媒体中へ浸透によ
り濃縮促進を行っている。
【0060】すなわち、印刷媒体面到達時は、インク滴
は加熱による水分および低沸点溶剤の蒸発、吐出・着弾
による急激な表面状態の変化などにより、印刷媒体面へ
の到達時には内部および境界面の界面活性剤/水系が平
衡状態に達しておらず不安定な溶液の状態である。した
がってインク本来の紙への浸透力を有していないと考え
られる。この過渡的な状態から、低沸点の溶媒は該イン
ク中より蒸発してゆき活性剤の濃度が高くなる。この様
な現象のためにインク滴は着弾後に印字媒体上でインク
中での臨界ミセル濃度以上となり紙に対する浸透性は向
上する。
【0061】また本参考例の場合、印刷媒体に対して表
面張力の小さい、低粘度の溶剤が印刷媒体面に吸収され
印刷媒体面上のインクの界面活性剤濃度は上昇するとい
う現象も平行して発生しているのではないかと推測され
る。以上に述べた現象を利用して参考例2に比べて大き
な濃度変化を行わせている。比較例5に参考例3と同様
の処方で低粘度の吸収性溶剤を添加しない場合を示し
た。この比較例5の 6.5kHz駆動時にみられるように、
イソプロピルアルコールを抜いた場合は高周波駆動時に
ややにじみが発生し易くなる。
【0062】このように、低沸点・低粘度でかつ紙に対
する親和性の良い溶剤を添加し紙面に一部の溶剤を蒸
発、吸着させ、紙面上のインクの濃度を上昇させること
により、参考例2と同様の効果を出すことが可能とな
る。
【0063】なお溶剤の中には界面活性剤と同様に働
き、粘度を上昇させ、表面張力を低下させるものがあ
る。これらの溶剤は、インクのヘッド内での挙動に影響
を及ぼすため望ましくない。従って添加する溶剤として
は粘度上昇の少ないもの、表面張力を大きく低下させな
いものが望ましい。
【0064】
【表4】 参考例3 比較例4 比較例5 溶剤:グリセリン 5.0 5.0 5.0 チオジグリコール 7.5 7.5 7.5 低沸点溶剤:イソプロピルアルコール *5.0 *5.0 *0.0 安定化剤:尿素 7.5 7.5 7.5 界面活性剤:アセチレングリコール エチレンオキサイド付加物 *1.9 *4.0 *1.9 構造式[4]において(n+m=10) 染料:黒/C.I.フードブラック2 3.8 3.8 3.8 イエロー/C.I.ダイレクトイエロー86 2.5 2.5 2.5 シアン/C.I.ダイレクトブルー199 3.5 3.5 3.5 マゼンタ/C.I.ダイレクトレッド227 3.5 3.5 3.5 残量:水 評価結果を表2示す。
【0065】
【表5】表 2 参考例2と同様にしてにじみ、リフィル周波数について
の評価を行った結果を表2に示す。参考例3の効果をよ
り明確にするため、比較例として界面活性剤濃度を臨界
ミセル濃度以上添加した比較例4を併記した。
【0066】この表より明らかなとおり、比較例4では
5.5kHzではリフィルが間に合っておらず、参考例3
場合は 6.0kHzであってもリフィル特性は良好である。
【0067】実施例1 参考例2 と同様のインクを用いた場合の実施例1の構成
を図10、11に示す。印字部にヒーター109または
ヒーター109に送風するファン111を持つことによ
り印字部・定着部の雰囲気を乾燥雰囲気にし、溶剤・水
等の蒸発を補助する。このような構成により図8の曲線
部の傾きは大となり、短時間で濃縮されるため図8に示
した吸収が終了する時間t2 も短くなる。更に、参考例
の場合のように低沸点溶剤を加えた場合では、印字媒
体も同時に乾燥された状態に保持されるため、溶剤の媒
体内への吸収が促進され、蒸発速度も大きくなるため、
定着速度がより加速され大きな効果が得られる。
【0068】参考例4 参考例1 に示した構成の場合、浸透性がよい為、にじみ
率が大きく、一定の面積を覆うためのインク量は通常の
インクに比較して少量でよい。逆に通常のにじみ率の小
さいインクと同等の吐出量とした場合、つなぎ部分の筋
が目立つ、文字品位が低下する、階調性の悪化する等が
発生し好ましくない。しかし、少量の吐出量では、少量
の吐出量で大面積を覆うため相対的に単位面積あたりの
染料濃度が低下する。このため参考例1の場合はこの染
料濃度の低下を補うため、通常のにじみ率の小さいイン
クに比べて染料濃度をやや高濃度にしている。
【0069】このような高濃度染料インクを使用した
考例1には、周囲の環境温度が低い場合は増粘による吐
出不良を引き起こし易い。このような場合には一般的に
は吐出部分または供給部分を含めた吐出部分を吐出部分
の外部に設けたヒーター、吐出ヘッド内ヒーター、印字
に用いる吐出ヒーターの空ヒート等を利用した温調を行
うことが有用である。しかし、温調を行う場合、参考例
の様な高濃度の染料を使用したインクでは温調温度を
高く設定しすぎるとノズル先端での染料析出および蒸発
による固着、増粘が発生し上記参考例1で説明した放置
可能時間が極端に低下するという弊害が発生する。
【0070】そこで参考例1の記録装置を10℃の低温
環境で使用する場合に吐出部分を15℃から40℃の温
度範囲に保持すれば、上記のような弊害が生ずる事なく
印字可能であった。
【0071】さらに印字中に、一般に予備吐出といわれ
る不使用ノズルの増粘防止による不吐出を防止する回復
動作が行われる場合があるが、20℃から30℃の温度
範囲に吐出部分の温度を制御する事によって低温環境下
であっても常温とほぼ同等の予備吐出の間隔によって回
復が可能であった。
【0072】参考例5 参考例1 の場合にさらに低温での吐出特性を改善するた
めの溶剤としてチオジグリコールを5%添加した。その
結果、本参考例の場合は保温を行わなくても低温環境下
での印字が可能となった。
【0073】参考例6 また、インクジェット記録装置に置いては各ノズルの吐
出量、吐出方向のばらつきを目立たなくするため、互い
に補完関係にある複数のマスクを用いて、1つの印字単
位を異なるノズルを用いて複数回走査して記録を行うマ
ルチスキャン印字が一般的に行われる。このような印字
方法を行った場合、単位面積あたりに一度に打ち込まれ
るインク量が少ないため、参考例2参考例3と同様の
インクを用いた場合、溶剤・水等の蒸発にたいして非常
に有利となる。このような構成により実施例1の場合同
様に図8の曲線部の傾きは大となり、短時間で濃縮され
るため図8に示した吸収が終了する時間t2 も短くな
る。このため各印字単位1度で走査記録を行う場合に比
較してを定着がより促進されにじみ防止に対してより大
きな効果が得られる。図4は本発明における参考例6
記録方法を示すものである。
【0074】本参考例で用いたインクジェット記録装
置、記録ヘッドは参考例1の場合と同様のものを用い
た。
【0075】これは記録ヘッドの記録領域(L)を4分
割し、記録ヘッドは1回目の走査によって25%に間引
いた部分が記録され、その後にL/4幅の紙送りを行
い、2回目の走査で異なるノズルでさらに25%が印字
されてL/4幅分紙送りされ、、3回目の走査でさらに
25%が印字されてL/4幅分紙送りされ、4回目の走
査で残りの25%が印字されて印字が完成される方法で
ある。
【0076】同図においては、本来、吐出口列は見るこ
とができないが、説明の便宜上、上方から透視して示し
ている。
【0077】図3(d)は本参考例における25%間引き
の間引き方の1例をしめしたものであり、着弾位置と着
弾の順番を数字で表した。すなわち、1走査目には、
の位置に印字し、第2の走査では、の位置に印字し第
3の走査の時はの位置に、第4の走査の時にはの位
置に印字し4回のキャリッジ走査によって一定領域内の
印字を完成させていく。
【0078】さらに図4を用いて詳しく説明するとこの
場合まず、第1の走査によって各記録ヘッドの記録領域
(1)中のノズルによって印字が行われる。K,C,
M,Y(各々、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー
のインクを充填した記録ヘッド)の各記録ヘッドは25
%に間引いた印字を行う。この時の25%の間引き方は
図6に示したの位置に相当する部分を印字し、図4で
は各々K、C,M,Yとした。。ここでL/4
幅の紙送りがなされる。第2の走査では記録領域
(1)、(2)の領域で印字を行うが、この時はK,
C,M,Yの各記録ヘッドは25%間引き印字で図6で
示したの位置に相当する部分を印字し、図4において
は各々K,C,M,Yとした。ここでL/4幅
の紙送りがなされ、引き続き第3の走査では記録領域
(1)、(2)、(3)の領域で印字を行う。K,C,
M,Yの各記録ヘッドは25%間引き印字で図6で示し
たの位置に相当する部分を印字し、図4においては各
々K,C,M,Yとした。ここでL/4幅の紙
送りがなされ、引き続き第3の走査では記録領域
(1)、(2)、(3)、(4)の全領域で印字を行
う。K,C,M,Yの各記録ヘッドは25%間引き印字
で図6で示したの位置に相当する部分を印字し、図4
においては各々K,C,M,Yとした。この時
点で記録領域の(4)の部分は印字が完了し、さらにL
/4幅の紙送りがなされて同様に印字が繰り返される。
【0079】本参考例においては第1及び第2参考例
比べてさらに1回の走査でインク打ち込み量が抑えられ
ているためさらにインク溢れが生じにくくなっておりた
め、インクにじみが生じることなく、しかもブラックイ
ンクは通常の2倍打ち込んでいるために黒色の印字濃度
は高くすることが可能である。また記録ヘッドの各ノズ
ルからのインク吐出量が2倍に増えても1回の走査での
インク打ち込み量はインク溢れを生じるインク打ち込み
量以内に抑えられているため、インクにじみを生じるこ
となく印字が可能である。
【0080】さらに本参考例によると第2参考例同様に
第1走査でのドットのノズルと第2走査でのドットのノ
ズルと第3走査でのドットのノズルと第4走査でのドッ
トのノズルが異なるために記録ヘッドのヨレなどの着弾
精度や吐出量などに起因する濃度ムラをも軽減すること
ができる。
【0081】また、この時K記録ヘッドも他の記録ヘッ
ドと同様に25%間引きながら記録するとブラックイン
クの総打ち込み量を通常の2倍にするには約2倍の走査
回数を必要とするため、記録時間も約2倍必要となって
しまう。
【0082】また、多湿環境下で行われた場合には、イ
ンクが定着しにくいために走査間隔時間(1回目の走査
終了から次の走査までの時間)をより長くしなければな
らない。この場合、待ち時間が必要となるため1走査あ
たりの実質印字時間が長くなるため、走査回数が多けれ
ば多いほど総記録時間がかなり長くなってしまう。した
がって、Kインクの打ち込み量を2倍にしようとする場
合、全記録ヘッドを一様な間引き率にするよりも、本発
明のようにK記録ヘッドのみ間引き率を変えることによ
り走査回数を1/2減らした方が記録時間がかなり短縮
されるため本発明はかなり有効であるといえる。
【0083】また、インクにじみをさらにより良くしし
かも総記録時間を短縮するために、第4走査での記録を
なくし、C,M,Y各記録ヘッドによる総インク打ち込
み量を75%に、K記録ヘッドによる総インク打ち込み
量を150%に抑えるのも良い。
【0084】ここで、上記本発明が、特に有効な効果を
発揮する記録ヘッド及び記録方法の例について説明す
る。
【0085】図5は上記マルチヘッドで紙面上を印字し
ていく際のプリンタ部の構成を示したものである。この
図において、101はインクカートリッジである。これ
らは、4色のカラーインク、ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローがそれぞれ詰め込まれたインクタンクと、
102のマルチヘッドより構成されている。このマルチ
ヘッドの分解図とマルチヘッド上に配列するインク吐出
孔及びz方向からの外観を示したものが図6(a)であ
り、221はマルチヘッド102上に配列するインク吐
出孔である。本図ではインク吐出孔221がY軸に沿っ
て平行に配列されているが、例えば図のXY平面上多少
の傾きを持っていても良い。この場合には、ヘッドが進
行方向Xに進んで行くのに対し、各ノズルはそれぞれタ
イミングをずらしながら印字を行っていくことになる。
再び図5に戻る。103は紙送りローラで104の補助
ローラとともに印字紙107を抑えながら図の矢印の方
向に回転し、印字紙107をy方向に随時送っていく。
また105は給紙ローラーであり印字紙の給紙を行うと
ともに、103、104と同様、印字紙107を抑える
役割も果たす。106は4つのインクカートリッジを支
持し、印字とともにこれらを移動させるキャリッジであ
る。これは印字を行っていないとき、あるいはマルチヘ
ッドの回復作業などを行うときには図の点線で示した位
置のホームポジション(h)に待機するようになってい
る。
【0086】印字開始前、hの位置(ホームポジショ
ン)にあるキャリッジ(106)は、印字開始命令がく
ると、x方向に移動しながら、マルチヘッド(102)
上のn個のマルチノズル(221)により、紙面上に幅
Dだけの印字を行う。紙面端部までデータの印字が終了
するとキャリッジは元のホームポジションに戻り、再び
x方向への印字を行う。往復印字であれば、−x方向に
移動しながら印字を行う。この最初の印字が終了してか
ら2回目の印字が始まる前までに、紙送りローラ(10
3)が矢印方向への回転することにより幅Dだけのy方
向への紙送りを行う。この様にしてキャリッジ1スキャ
ンごとにマルチヘッド幅Dだけの印字と紙送りを行う繰
り返しにより、一紙面上のデータ印字が完成する。
【0087】図5のように複数のヘッドでカラー印刷を
行う場合には、同一スキャンまたは近接のスキャンで隣
接した画素にたいして異なった色を印刷する。このうち
特に、同一スキャン内に隣接した画素にたいして異色を
印刷する場合、前色のインク滴が印刷媒体面に到達して
から、隣接画素に次色のインク滴が到達するまでの時間
が非常に短い。インクの印刷媒体に対する定着時間がこ
の隣接画素が到達するまでの時間以上である場合、それ
ぞれの色がにじみ出し合って混色し画像を悪化させる。
又、同一スキャンでなく、隣接したスキャンであって
も、インクの印刷媒体に対する定着速度が遅ければ同様
のにじみ出しが起こり、画質の低下を招く。そのため隣
接画素に異なる色を印刷するプリンターでは、定着速度
を早める必要がある。このため、特に本発明の基本構成
による効果が相乗的に発揮できることが理解できよう。
【0088】更に、インク中の界面活性剤の量を臨界ミ
セル濃度よりも低濃度とし、そのインク滴をヘッドから
記録媒体に到着するまでの間、また記録媒体に到着して
から次のインク滴が隣接画素に打たれるまでの間に水・
溶剤を少量蒸発させ、また溶剤のみを記録媒体に選択的
に吸収させ、媒体上のインクの界面活性剤濃度を臨界ミ
セル濃度以上にすることによって、浸透性を上げ、にじ
みを抑えることができる。この場合、インク中の界面活
性剤の濃度は臨界ミセル濃度を100%とすると臨界ミ
セル濃度の80%〜100%未満とすることが好まし
く、より好ましくは90〜99%である。
【0089】
【発明の効果】本発明は、従来の技術的な見解を一新
し、界面活性剤含有インクのインクジェットヘッドから
吐出された後の飛翔インク滴の構造変化を解析し、ヘッ
ド内におけるインクの状態変化と、飛翔中のインク滴が
分離してサテライトやマイクロドットと呼ばれる主滴以
外の微小なインク滴の発生と、記録媒体に対するインク
の挙動と、の相互関係を考慮することによって、初めて
発明されたもので、水性インクに対しての該界面活性剤
が臨界ミセル濃度(c.m.c.対インク)未満である
所定の含有率であって、該界面活性剤を該所定含有率で
純水に対して与えた時に該純水に対する臨界ミセル濃度
(c.m.c.対純水)より大となる該所定含有率で、
該界面活性剤を含む水性インクをインクジェットヘッド
に与えることで、吐出したインク滴の吐出状態を安定化
せしめ、記録媒体上ではニジミを抑制して単ドット形状
の安定化による印字品位の向上を確実に達成でき、吐出
回復性、高周波数での吐出特性等をバランスよくすべて
満足することができた。
【0090】また、上記特徴構成に加えて、記録媒体上
でインクに対しての該界面活性剤臨界ミセル濃度(c.
m.c.対インク)以上に変化させることで、同様に、上記
主たる特徴技術による効果を満足し、記録媒体上では、
界面活性剤の機能を一層充実させることができ、より低
表面張力となって、にじみ防止に一層効果を発揮して、
浸透が媒体に左右されにくく、かつ不均一な媒体に対し
ても均一な印刷をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面活性剤の添加量(濃度)と表面張力の関係
を示すグラフである。
【図2】界面活性剤の濃度に対する記録媒体上でのにじ
みとインク自体のヘッド内の粘度との関係を示すグラフ
である。
【図3】記録ヘッドの1走査における記録幅A内の記録
状態を示すものである。
【図4】図3の間引パターン(d)が実行される分割紙
送り分割印字方式(ファインモード)を説明する概略図
である。
【図5】プリンタの構成を示す説明図である。
【図6】(a)がマルチヘッドの概略図で、(b)がマ
ルチヘッドの分解図である。
【図7】マルチヘッドの天盤裏面図である。
【図8】界面活性剤の濃度変化の状態を示すグラフであ
る。
【図9】界面活性剤濃度とリフィル周波数の関係を示す
グラフである。
【図10】本発明の実施に使用する記録装置の一例を示
す概略図である。
【図11】本発明の実施に使用する記録装置の他の例を
示す概略図である。
【符号の説明】
101 インクカートリッジ 102 マルチヘッド 103 紙送りローラ 104 補助ローラ 105 給紙ローラ 106 キャリッジ 107 印字紙 109 ヒーター 110 プラテン 111 ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 勇治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 名越 重泰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 後藤 史博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−271797(JP,A) 特開 平5−194884(JP,A) 特開 昭55−42858(JP,A) 特開 昭56−49771(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 B41J 2/01 B41J 2/21 B41M 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤を含有する水性インクに対し
    ての該界面活性剤が臨界ミセル濃度(c.m.c.対インク)
    未満で且つ記録媒体上で臨界ミセル濃度(c.m.c.対イン
    ク)以上となるような所定の含有率であって、該界面活
    性剤を該所定含有率で純水に対して与えた時に該純水に
    対する臨界ミセル濃度(c.m.c.対純水)より大となる該
    所定含有率で、該界面活性剤を含む水性インクを備えた
    インクジェット記録ヘッドと、記録媒体上でインクに対
    しての該界面活性剤臨界ミセル濃度(c.m.c.対イン
    ク)以上にする促進手段とを有し、記録媒体に該水性イ
    ンクで記録することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 上記促進手段は、上記記録媒体に記録さ
    れた上記水性インクに隣接インクが接触する前に上記水
    性インクを加熱定着する手段を有する請求項1に記載の
    インクジェット記録装置。
JP16484593A 1992-07-24 1993-07-02 インクジェット記録装置 Expired - Lifetime JP3229075B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16484593A JP3229075B2 (ja) 1992-07-24 1993-07-02 インクジェット記録装置
CA 2100978 CA2100978C (en) 1992-07-24 1993-07-21 Ink-jet recording method and apparatus
DE1993617022 DE69317022T2 (de) 1992-07-24 1993-07-22 Verfahren zur Tintenstrahlaufzeichnung und Tintenstrahlaufzeichnungsgerät
EP19930305802 EP0583096B1 (en) 1992-07-24 1993-07-22 Ink-jet recording method and apparatus
AT93305802T ATE163305T1 (de) 1992-07-24 1993-07-22 Verfahren zur tintenstrahlaufzeichnung und tintenstrahlaufzeichnungsgerät
CN93109068A CN1062579C (zh) 1992-07-24 1993-07-23 喷墨记录方法及装置
AU42159/93A AU667721B2 (en) 1992-07-24 1993-07-23 Ink-jet recording method and apparatus
US09/414,892 US6332675B1 (en) 1992-07-24 1999-10-08 Ink container, ink and ink jet recording apparatus using ink container

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-198734 1992-07-24
JP19873492 1992-07-24
JP16484593A JP3229075B2 (ja) 1992-07-24 1993-07-02 インクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0688048A JPH0688048A (ja) 1994-03-29
JP3229075B2 true JP3229075B2 (ja) 2001-11-12

Family

ID=26489796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16484593A Expired - Lifetime JP3229075B2 (ja) 1992-07-24 1993-07-02 インクジェット記録装置

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP0583096B1 (ja)
JP (1) JP3229075B2 (ja)
CN (1) CN1062579C (ja)
AT (1) ATE163305T1 (ja)
AU (1) AU667721B2 (ja)
CA (1) CA2100978C (ja)
DE (1) DE69317022T2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0646460B1 (en) 1993-09-30 2000-03-08 Canon Kabushiki Kaisha Ink-jet printing system capable of printing on cloths and papers
AUPN522395A0 (en) * 1995-09-06 1995-09-28 Eastman Kodak Company Ink composition based on a microemulsion
JP3454024B2 (ja) * 1995-10-06 2003-10-06 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用インク組成物及び記録方法
AUPN624095A0 (en) * 1995-10-30 1995-11-23 Eastman Kodak Company Ink composition for dod printers with kraft point near the drop selection temperature
DE69818140T2 (de) * 1997-05-16 2004-04-08 Seiko Epson Corp. Tintenstrahlaufzeichnungstinten
US6471757B1 (en) * 1997-10-30 2002-10-29 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink container, ink set, ink jet printing apparatus, and ink jet printing method
JP3658223B2 (ja) * 1997-12-26 2005-06-08 キヤノン株式会社 画像形成方法および画像形成装置
US6218020B1 (en) 1999-01-07 2001-04-17 Alliedsignal Inc. Dielectric films from organohydridosiloxane resins with high organic content
JP3345357B2 (ja) 1998-10-01 2002-11-18 旭光学工業株式会社 カメラ
JP3762125B2 (ja) * 1998-12-25 2006-04-05 キヤノン株式会社 インクプリント方法およびインクプリント装置
US6379443B1 (en) * 1999-03-12 2002-04-30 Seiko Epson Corporation Ink jet recording method and ink composition for use in said method
US6682592B2 (en) 2001-01-19 2004-01-27 Fuji Photo Film Co., Ltd. Ink for ink jet recording and ink jet recording method
JP2002212477A (ja) 2001-01-19 2002-07-31 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット用インク
US6478418B2 (en) 2001-03-02 2002-11-12 Hewlett-Packard Company Inkjet ink having improved directionality by controlling surface tension and wetting properties
JP4738655B2 (ja) 2001-07-04 2011-08-03 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用インク組成物
JP4070432B2 (ja) 2001-07-25 2008-04-02 富士フイルム株式会社 インク組成物及びインクジェット記録方法
JP2003073591A (ja) 2001-09-03 2003-03-12 Fuji Photo Film Co Ltd インク組成物およびインクジェット記録方法
FR2965214B1 (fr) * 2010-09-29 2013-08-30 Commissariat Energie Atomique Dispositif de jet d'encre refrigere et procede mettant en oeuvre un tel dispositif
JP2012224658A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Konica Minolta Ij Technologies Inc インクジェットインク及びインクジェット記録方法
JP5582096B2 (ja) * 2011-05-30 2014-09-03 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録用水性インク、それを用いたインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5649771A (en) * 1979-09-28 1981-05-06 Seiko Epson Corp Ink jet recording ink
JPS56167775A (en) * 1980-05-29 1981-12-23 Pilot Ink Co Ltd Water ink composition
US4783220A (en) * 1986-12-18 1988-11-08 Xerox Corporation Vesicle ink compositions
JPS63165465A (ja) * 1987-11-27 1988-07-08 Seiko Epson Corp インクジェット記録用速乾性インク
US5116409A (en) * 1991-04-17 1992-05-26 Hewlett-Packard Company Bleed alleviation in ink-jet inks

Also Published As

Publication number Publication date
AU667721B2 (en) 1996-04-04
DE69317022T2 (de) 1998-06-25
CA2100978C (en) 1997-09-09
CA2100978A1 (en) 1994-01-25
EP0583096B1 (en) 1998-02-18
CN1062579C (zh) 2001-02-28
ATE163305T1 (de) 1998-03-15
DE69317022D1 (de) 1998-03-26
EP0583096A1 (en) 1994-02-16
AU4215993A (en) 1994-01-27
CN1084456A (zh) 1994-03-30
JPH0688048A (ja) 1994-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3229075B2 (ja) インクジェット記録装置
US5477248A (en) Ink-jet recording method and apparatus using inks of different penetrabilities
EP0769536B1 (en) Ink, and a color ink-jet recording method using the same
JP3416192B2 (ja) インクジェット記録方法、吐出安定化方法、記録ユニットおよびインクジェット記録装置
JPH06191143A (ja) インクジェット記録方法、かかる方法に用いるインクセット、かかる方法に用いる機器
JPH06287493A (ja) インク及びこれを用いた記録装置
JP2000015788A (ja) インクジェット記録装置
US20110234686A1 (en) Ink jet recording apparatus
US8919940B2 (en) Ink jet recording apparatus
JPH11207999A (ja) インクジェット記録方法及びこれに用いるインクジェット記録用インク
JP3486449B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JPH04364961A (ja) インクジェット記録装置
JPH07305013A (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを備えた機器
JPH1111000A (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JPH0467954A (ja) カラーインクジェット記録方法
JP2651227B2 (ja) インクジェット画像記録装置
JP3093454B2 (ja) インクジェットカラー記録方法、インクジェットカラー記録装置およびカラーブリード軽減方法
JP2004188673A (ja) インクジェット記録装置
JPH09272198A (ja) インクジェットプリント装置
JPH09124982A (ja) インクジェット記録インク用希釈液、インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JP2001096768A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2005074884A (ja) 記録ヘッド及び該記録ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、記録装置
JP2001088281A (ja) 階調記録方法および階調記録装置
JPH0586314A (ja) インクジエツト記録方法
JPH07102199A (ja) インク、係るインクを用いた記録方法、及び、機器

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070907

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080907

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090907

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090907

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term