JP2001096768A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法

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JP2001096768A
JP2001096768A JP28205399A JP28205399A JP2001096768A JP 2001096768 A JP2001096768 A JP 2001096768A JP 28205399 A JP28205399 A JP 28205399A JP 28205399 A JP28205399 A JP 28205399A JP 2001096768 A JP2001096768 A JP 2001096768A
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ink
recording
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head
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Shigeyasu Nagoshi
重泰 名越
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高解像度で記録する際にドットズレ等に起因
する画質の劣化を抑える。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッドを少なくとも
2種類の濃度のインクそれぞれに対して用いて多階調記
録を行うインクジェット記録装置において、高解像度で
記録する際に、高濃度で記録する部分(a’−b)に
は、2点鎖線で示されるようなインクの配分として、ド
ットサイズの小さい淡インクと、ドットサイズの大きい
濃インクとを用いて記録を行い、ドットズレの影響を低
減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置およびインクジェット記録方法に関し、特に、イン
クジェット記録ヘッドを少なくとも2種類の濃度のイン
クそれぞれに対して使用する多階調記録の可能なインク
ジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】例えばワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置とし
て、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等
シート状の記録媒体に記録を行うプリンタがある。
【0003】プリンタの記録方式としては様々な方式が
知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能
である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理
由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又
その構成としては所望される記録情報に応じてインクを
吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体
の送り方向と直角な方向に往復走査しながら記録を行な
うシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から
一般的に広く用いられている。
【0004】近年、比較的低価格帯のインクジェットプ
リンタでも、2種類の濃度の異なるインク、すなわち濃
いインクと淡いインクを組み合わせて使用したり、ある
いは吐出するインク滴の体積を変えて大ドットによる低
解像度記録と小ドットによる高解像度記録を行う等し
て、写真調の階調表現を可能にする記録装置が普及して
きている。
【0005】このような記録装置は、細かい(体積の小
さい)インク滴を記録媒体上に配置して濃度を出す、い
わゆる面積階調方式で記録を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような記録装置で
は製造時に記録に影響する様々な誤差、例えば記録ヘッ
ドを走査させる駆動源であるキャリッジモータの制御量
のバラツキやキャリッジ部材の製造バラツキによる取り
付け誤差、あるいは記録媒体搬送部材の製造バラツキに
よる記録媒体搬送量の誤差等が生じる。
【0007】このような誤差は吐出されたインク滴の大
きさ(ドット径)とは無関係であり、同等の誤差に対し
ては高解像度用の小ドットは低解像度用の大ドットに比
べこれら記録装置の誤差に対するマージンが少なく影響
を受けやすい。結果としてこれらの誤差によるレジスト
レーションのずれやドットずれの場合は記録媒体の地の
色、通常は白色が見えるため画像が薄く見えたり色ズレ
やスジが入ったように見え画質が非常に劣化するという
問題点があった。
【0008】特に高精細、高濃度(高彩度)記録が可能
なインク受容層を有する記録媒体(いわゆるコート紙)
を用いて記録を行うと、ドット形状が鮮明となるため上
記ズレが目立つ傾向にある。この場合、特に濃いインク
はレジストレーションずれ等が目立ちやすい。
【0009】従来の記録装置にも淡いインクと濃いイン
クとで吐出量を変えるものがあるが、これは単位面積当
たりのインク量を減らすために、淡いインクの吐出量を
少なくするものであり、濃いインクのドットズレに対処
するものではない。
【0010】また、第2672531号特許公報には、
色毎に多値化数を選択する方式が記載されているが、こ
の発明は色別に階調数を設定することで不要な階調数を
省き装置の簡素化を達成するものであり、インク滴のサ
イズやドットズレに関する記載はなく、上記問題を解決
するものではない。
【0011】本発明は以上のような状況に鑑みてなされ
たものであり、高解像度で記録する際にドットズレ等に
起因する画質の劣化を抑えることのできるインクジェッ
ト記録装置およびインクジェット記録方法を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第1のインクジェット記録装置は、体積の異
なる大小2種類のインク滴を選択的に吐出可能に構成さ
れたインクジェット記録ヘッドを少なくとも2種類の濃
度のインクそれぞれに対して備えた多階調記録の可能な
インクジェット記録装置であって、低解像度で記録する
第1の記録モードおよび高解像度で記録する第2の記録
モードを有し、前記第1の記録モードで記録を行う際
に、前記2種類の濃度のインクを吐出する両方の記録ヘ
ッドから大きなインク滴を吐出させて記録を行い、前記
第2の記録モードで記録を行う際に、少なくとも濃い濃
度での記録には濃い濃度のインクを吐出する記録ヘッド
から大きなインク滴を吐出させて記録を行うように構成
されている。
【0013】上記目的を達成する本発明の第2のインク
ジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドを少な
くとも2種類の濃度のインクそれぞれに対して備えた多
階調記録の可能なインクジェット記録装置であって、濃
度の濃いインクは、各記録ヘッドから同じ体積のインク
滴を吐出して記録したときに、記録媒体上での面積が濃
度の淡いインクよりも大きくなる組成を有している。
【0014】上記目的を達成する本発明の第3のインク
ジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドを少な
くとも2種類の濃度のインクそれぞれに対して備えた多
階調記録の可能なインクジェット記録装置であって、濃
度の濃いインクを吐出する記録ヘッドは、濃度の淡いイ
ンクを吐出する記録ヘッドよりも大きな体積のインク滴
を吐出するように構成されている。
【0015】また、上記目的を達成する本発明の第1の
インクジェット記録方法は、体積の異なる大小2種類の
インク滴を選択的に吐出可能に構成されたインクジェッ
ト記録ヘッドを少なくとも2種類の濃度のインクそれぞ
れに対して用いて多階調記録を行うインクジェット記録
方法であって、低解像度で記録する第1の記録モードお
よび高解像度で記録する第2の記録モードを有し、前記
第1の記録モードで記録を行う際に、前記2種類の濃度
のインクを吐出する両方の記録ヘッドから大きなインク
滴を吐出させて記録を行い、前記第2の記録モードで記
録を行う際に、少なくとも濃い濃度での記録には濃い濃
度のインクを吐出する記録ヘッドから大きなインク滴を
吐出させて記録を行う。
【0016】上記目的を達成する本発明の第2のインク
ジェット記録方法は、インクジェット記録ヘッドを少な
くとも2種類の濃度のインクそれぞれに対して用いて多
階調記録を行うインクジェット記録方法であって、濃度
の濃いインクとして、各記録ヘッドから同じ体積のイン
ク滴を吐出して記録したときに、記録媒体上での面積が
濃度の淡いインクよりも大きくなる組成のインクを使用
する。
【0017】上記目的を達成する本発明の第3のインク
ジェット記録方法は、インクジェット記録ヘッドを少な
くとも2種類の濃度のインクそれぞれに対して用いて多
階調記録を行うインクジェット記録方法であって、濃度
の濃いインクを吐出する記録ヘッドから値出するインク
滴の体積を、濃度の淡いインクを吐出する記録ヘッドか
ら吐出されるインク滴の体積よりも大きくする。
【0018】すなわち、インクジェット記録ヘッドを少
なくとも2種類の濃度のインクそれぞれに対して用いて
多階調記録を行うインクジェット記録装置において、高
解像度で記録する際に、濃度の濃いインク滴で記録され
る面積(ドット径)を、濃度の淡いインク滴で記録され
る面積(ドット径)よりも大きくする。
【0019】これにより、濃度の濃いインクで顕著とな
る、記録装置の製造誤差等に起因するドットズレによる
記録画像への影響を低減して、画質の劣化を防止するこ
とができる。
【0020】従って、記録装置に製造誤差等がある場合
でも、高解像度記録を行った際に画質が劣化することを
防止できるので、高画質記録の可能な記録装置をより安
価にすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の
好適な実施形態について詳細に説明する。
【0022】[第1の実施形態] <記録装置の説明>図5は本発明の好適な一実施形態で
あるインクジェットカラープリンターの構成を示す部分
分解斜視図である。
【0023】記録ヘッド1は複数のノズル列を有し各ノ
ズルからインク滴を吐出し、記録媒体上にインク滴が付
着して形成されたドットにより画像記録を行うデバイス
である。記録ヘッド1の異なる記録ヘッド列からは異な
る色インクが吐出され、これらのインク滴の混色により
記録媒体上に色画像が形成される。
【0024】記録データはケーブル9によりプリンタ本
体の電気回路から記録ヘッド1に伝達される。本実施形
態では6色のインクを使用する装置構成であり、記録ヘ
ッド列1K(濃黒)、1C(濃シアン)と1LC(淡シ
アン)、1M(濃マゼンタ)と1LM(淡マゼンタ)、
1Y(濃イエロー)、はキャリッジ201上に搭載され
ている。
【0025】このキャリッジ201は速度検知手段5に
よりキャリッジの走査速度及び記録位置を検出して主走
査方向の移動制御を行う。この動力源はキャリジ駆動モ
ータ8であり、ベルト6、7により駆動力が伝達されて
キャリッジは摺動軸上を移動する。この主走査方向の動
作中に記録が行われる。
【0026】回復ユニット400は記録ヘッドの状態を
常に良好に保つ機能を有しており、非記録状態ではキャ
ップ列420が記録ヘッドの吐出面を閉塞し乾燥等を防
止する。キャリッジ201が回復ユニット400と対向
する位置をホームポジション(以下HP)と称してい
る。
【0027】記録動作中の上記回復ユニットの機能を説
明する。実際の記録動作は一つのヘッド内の全てのノズ
ルを常に用いているのではない。また複数色の記録ヘッ
ドを有していても記録データが転送されない不使用ヘッ
ドもある。このようにキャリッジ走査中に(記録ヘッド
がキャップされてない状態で)インクの吐出がある時間
連続して行われないと記録ヘッド表面の固着、乾燥等で
インクの吐出性能が低下し画像劣化が生ずる場合があ
る。この現象を防止するため記録ヘッドはある時間間隔
によって記録データ以外にヘッド内のノズルを用いて吐
出を行い、記録ヘッド表面の状態を常に最適に保ってい
る。この動作を予備吐出と称している。
【0028】上記予備吐出によって吐出されるインク
は、記録媒体やプリンタ内部に飛散し汚れが発生しない
ように回復ユニット400内のキャップ420に向けて
吐出され、不図示の回復ポンプにより吸引されて廃イン
クタンク内に貯蔵される。よって上記記録中予備吐出動
作を行う時はキャリッジ201は片方向、両方向記録と
もにHPに戻り、キャップ列420に対向する必要があ
る。
【0029】副走査方向の送りは不図示の紙送りモータ
ーにより駆動された紙送り部材(ゴムローラ等)により
記録媒体が送られる。記録媒体は同図矢印A方向から給
紙され、記録位置に到達したら上記記録ヘッド列により
記録動作が行われる。その後、排紙機構2、3により矢
印B方向に排出される。
【0030】またインクの供給はインクカセット10
K、10C、10LC、10M、10LM、10Yから
記録ヘッドまで各色毎に供給される。本実施形態では濃
シアンインクと淡シアンインク、濃マゼンタインクと淡
マゼンタインクはそれぞれ同一のインクカセット内に収
納されている。
【0031】<ブロック図>図6は、図5に示したイン
クジェットカラープリンターの制御構成を示すブロック
図である。
【0032】301は装置全体の動作を制御する制御ユ
ニットで、マイクロプロセッサなどのCPU310、C
PU310により実行される制御プログラムや各種デー
タを記憶しているROM311、CPU310による各
種処理の実行時にワークエリアとして使用され、各種デ
ータを一時的に保持するRAM312等を備えている。
【0033】RAM312には、ホスト100から受信
した記録データを記録する受信バッファやC、M、Y、
K、LC、LMの各色のインクを吐出して記録する記録
ヘッド1K(濃黒)、1C(濃シアン)と1LC(淡シ
アン)、1M(濃マゼンタ)と1LM(淡マゼンタ)、
1Y(濃イエロー)に対応してプリントデータを記憶す
るC、M、Y、K、LC、LMの各色成分に対応したプ
リントバッファが設けられている。
【0034】なお、図6ではこれらのプリントバッファ
をCプリントバッファ、Mプリントバッファ、Yプリン
トバッファ、Kプリントバッファ、LCプリントバッフ
ァ、LMプリントバッファと記載している。
【0035】302はヘッドドライバで、制御ユニット
301から出力される各色のプリントデータに応じて、
濃シアンインク用記録ヘッド1C、濃マゼンタインク用
記録へッド1M、濃イエローインク用記録ヘッド1Y、
濃ブラックインク用記録ヘッド1K、淡シアンインク用
記録ヘッド1LC、淡マゼンタインク用記録ヘッド1L
Mを駆動する。303、304のそれぞれはモータドラ
イバで、それぞれ対応するキャリジ駆動モータ8、ある
いは紙送り用モータ305を駆動している。
【0036】306はインタフェース部で、プリンタと
ホストコンピュータ100との間のインタフェースを制
御している。また、307は操作部であり、ユーザによ
り操作される各種キーやLCD等の表示器を備えてい
る。
【0037】<画像処理>図2は上述のインクジェット
カラープリンタにおける一般的な画像処理を示すフロー
チャートである。第2図中の一部あるいは全部をプリン
タ本体で行う場合やホストコンピュータ上で処理を行い
プリンタに送信する場合があり、本実施形態においては
どちらでも構わない。
【0038】原稿をスキャナで読み取ることにより、あ
るいはホストコンピュータでの処理等によって得られた
R、G、Bの原画像信号は、第1の色処理Aにより
R’、G’、B’の信号に変換される(ステップS20
1)。この処理は原画像信号からプリンタに適応した画
像信号への変換である。
【0039】次にこのR’、G’、B’の信号は、第2
の色処理Bによって各色インクに対応した信号値に変換
される。本実施形態では6色インク構成であるため前記
信号値は濃シアン、濃マゼンタ、濃イエロー、濃ブラッ
ク、淡シアン、淡マゼンタの濃度信号C1、M1、Y
1、K1、LC1、LM1に変換される(ステップS2
02)。
【0040】次にガンマ(γ)補正テーブルを用いてガ
ンマ補正を行い(ステップS203)、この補正後の画
像濃度信号C2、M2、Y2、K2、LC2、LM2を
量子化するべく各々二値化処理を施し記録ヘッド1C、
1M、1Y、1K、1LC、1LMに転送する画像信号
C3、M3、Y3、K3、LC3、LM3を生成する
(ステップS204)。
【0041】なお、ステップS204での量子化に用い
る二値化の手法は、例えばディザ法を用いることができ
る。ディザ法は、各画素の濃度信号に対するしきい値を
異ならせた所定のディザパターンにより二値化を行う方
法である。
【0042】<大小ドット>次に異なる体積のインク滴
を吐出する記録ヘッドの構成について説明する。
【0043】図3は記録ヘッド1中の1つのノズルのイ
ンク流路に沿った断面図である。吐出口23の各々に
は、同吐出口に連通するインク流路が設けられており、
インク流路の後方にはこれらインク流路にインクを供給
するための共通液室32が配設されている。
【0044】上記吐出口23の各々に対応するインク流
路中にはインク滴を吐出するために必要な熱エネルギー
を発生させる電気熱変換体である発熱体30やこれらに
電力を供給するための電極配線等(不図示)が配設され
ている。これらの発熱体30や電極配線等はシリコン等
からなる基板33上に形成されている。上記発熱体30
にはインクと発熱体が直接接触しないように保護膜36
が形成されている。そしてこの基板上に樹脂やガラス材
等よりなる隔壁34を積層することにより上記吐出口、
インク流路、共通液室等よりなる記録ヘッドを構成す
る。
【0045】発熱体30にエネルギーを供給することに
より発熱体30の急峻な昇温により流路内のインクは膜
沸騰による気泡を生成する。この気泡の圧力により図3
に示すようにインク滴35が吐出口23より記録媒体3
1に向かって吐出され、記録媒体上に文字や画像を形成
する。
【0046】図4は図3の記録ヘッドを上面よりみた図
である。同図に示すように、全てのノズルに対してそれ
ぞれ前述の発熱体が2つずつ配置されている。小ドット
のインク滴を吐出させる時は発熱体H1のみを駆動し、
大ドットのインク滴を吐出させる時は発熱体H1とH2
を同時に駆動することで大小2種類の吐出量のインク滴
を1つのノズルから吐出可能である。なお発熱体の配置
や駆動方法は前述以外にもいくつかの提案がなされてお
り、図3,4以外の構成でも本発明の効果を限定するも
のではない。
【0047】このように、同一のノズルから異なる体積
のインク滴を吐出することが可能である。異なるインク
体積の吐出を得るためには、前述のように各ノズルに複
数個の電気熱変換体を使用する方法以外にも、電気熱変
換体へ供給するエネルギー量の制御や、インク温度の制
御等でも可能である。
【0048】通常、大ドットのインク滴を用いる場合は
比較的解像度の低い画像を高速で記録する時である。単
位面積当たりに着弾させるドット数が少なくてもドット
径が大きいため記録媒体をインクで充填可能なためであ
る。本実施形態は360dpi(1インチ当たりに配置
可能なインク滴の数。以下dpi)の解像度を実際のプ
リンタでは設定している。
【0049】360dpi記録時のインク滴の吐出量は
約40ng(ナノグラム:10の9乗分の1グラム)で
ある。この時あるコート紙上でのドット径は約90μm
(ミクロン:10の6乗分の1メートル)であった。
【0050】また小ドットのインク滴を用いる場合は比
較的解像度の高い画像を記録する時である。単位面積当
たりに着弾させるドット数を多くかつ細かいピッチで配
置可能なので高精細な画像が表現できる。
【0051】小ドットはインク吐出量が少ないため、吐
出速度が比較的低くドット形状も記録ヘッドバラツキの
影響を受けやすい傾向にある。本実施形態は、上記の大
ドット時360dpiに対応する設定は720dpiを
用いている。この720dpi記録時のインク滴の吐出
量は約15ngであり、前記大ドットの吐出量と比較し
て半分程度である。また前記小ドットのドット径を大ド
ットと同一のコート紙上で測定したところ約50μmで
あった。
【0052】このように低解像度(大ドット):高解像
度(小ドット)=1(360):2(720)の比で設
定される場合が通常である。その他には低解像度=30
0dpiと高解像度=600dpiの組み合わせがよく
用いられる。これは記録装置の記録ヘッド走査方向と記
録媒体搬送方向にそれぞれ2倍あるいは1/2の密度で
記録することで高解像度、低解像度の切り替えが可能な
ためであり、偶数比のほうが8の倍数(byte)単位
で行われているデータの扱いが簡単となるためである。
【0053】<濃淡インク>本実施形態では、異なる濃
度のインクを複数種類使用するインクシステムを採用し
ている。一例として、色材として染料を用いる場合、淡
いインク(以下淡インク)は濃いインク(以下濃イン
ク)より染料濃度が低く設定されている。
【0054】シアンインクを例にすると、濃シアンイン
クと淡シアンインクは染料濃度が異なる以外はほぼ同じ
インク成分で構成されている。この異なる濃度のインク
を用いて画像の明るいハイライト部は淡インクで、ダー
ク部は濃インクで表現することによりハイライト部の粒
状感を低減し、かつダーク部の濃度を十分に確保するこ
とが可能になる。
【0055】図1は、濃淡2種類のインクの画像信号値
に対する出力(インク使用量)の一例を示すグラフであ
る。横軸に画像信号値、縦軸に出力値を示す。
【0056】始めに従来一般的に用いられている方法で
シアンのグラデーションを記録する場合を例に挙げて説
明する。
【0057】ホワイト(画像信号値=0)から徐々にシ
アンの濃度が高くなる場合、最初は淡シアンインクのみ
を用いる。画像信号値がaで示される値になったら淡イ
ンクに加えて濃シアンインクも使用し始めて更に画像濃
度を増加させる。この時記録媒体のインク受容量を考慮
して淡シアンインクの使用量は徐々に減少させる。
【0058】濃インクの使用開始点aは淡インクと濃イ
ンクのそれぞれの濃度の関係から決めることができる。
即ち濃ドットを前記淡ドット中に配置しても前記濃ドッ
トが目立たないように濃淡インクの切り替え部の濃淡イ
ンクの割合を決定する。このようにして画像信号値が最
大値であるbになった時、濃シアンインクの使用量も最
大値になり、最大濃度でシアンが記録される。
【0059】次に、本実施形態において上記と同様なシ
アンのグラデーションを記録する場合について説明す
る。
【0060】本実施形態では、高解像度記録を行う際
に、淡インクは高解像度用の小ドットのみで記録を行
い、濃インクは低解像度用の大ドットのみで記録を行
う。
【0061】本来、小ドットは高解像度記録に適した設
定であるが、前述のようにドットズレ等の着弾誤差によ
る影響を受けやすい。着弾ずれにより色ズレが発生した
り、インク滴が充填されない部分は、隣接ドットとの間
に記録媒体自体の色、通常は白色の部分が発生し著しく
画質を劣化させる。また、淡インクに比べ濃インクは反
射濃度が高い分記録媒体色の白色との差が顕著に現れよ
りドットずれの影響が高い。
【0062】本実施形態ではこの点を考慮して、濃イン
クを使用する場合は小ドットを用いずに大ドットのみで
記録を行い、着弾位置のズレによる影響を低減するもの
である。
【0063】上記と同様にホワイト(画像信号値=0)
から徐々にシアンの濃度が高くなる場合、図1の実線部
分に示すように最初は淡シアンインクのみを用い、液滴
サイズを小ドットとしてハイライト部を形成する。上記
従来例では画像信号値がaとなったところから濃インク
も使用したが、本実施形態では2点鎖線で示すように、
画像信号値がa’までは淡インクのみを使用し、a’以
降は大ドットの濃インクを用いて最大濃度部bまで記録
濃度を増加させる。
【0064】このようにすると、実線で示される従来に
比べ、濃インクはドット径が大きい分濃度も高いため、
淡インクから濃インクへの切り替え点(a’)の位置
は、従来の位置(a)より高濃度側に移動する。また最
高濃度を記録する時の濃インク出力値(使用量)も従来
よりは低減するが最大濃度そのものは従来と同等に設定
できる。
【0065】以上説明したように本実施形態では、濃イ
ンクはドット径の大きいインク滴を用いることで必要な
画像濃度を実現しかつ記録装置等の誤差による着弾位置
ズレに起因する隣接ドットとの間の空隙を減少させて画
像形成することができる。即ち、記録装置を構成する部
品の精度や誤差、あるいは可動部分の制御誤差によるイ
ンク滴の着弾誤差の影響を受けにくい記録装置とするこ
とができる。
【0066】なお、図1では濃淡インクの出力値が線形
に変化する例を示したが、表現したい階調によっては非
線形になっても構わない。また濃インクの使用開始点は
淡インクが最大出力値になる以前、図1の原点と位置a
との間であっても良いし、図1の様にa部から淡インク
が急激に減少することなく徐々に減少するようにしても
構わない。
【0067】また、濃インクも最初は高解像度用の小ド
ットを用いても良い。淡インクとの切り替え部分は、濃
インクは小ドットを用いることにより淡インク中での粒
状感を低減することが可能である。この場合も高濃度で
記録する部分に対しては上記と同様に濃インクのみを使
用し、低解像度用の大ドットで記録することで前記ドッ
トズレによる画像劣化を低減できる。
【0068】本実施形態ではシアンおよびマゼンタに対
してはそれぞれ濃淡2種類のインクを使用し、ブラック
とイエローに対しては濃インクのみを使用し、合計6種
類のインクを使用して記録を行う場合を例に挙げて説明
したが、上記に述べたようなインクの切替は、各色に対
して濃淡2種類のインクを用いたり、各色に対して3種
類のインク即ち濃インク、中インク、淡インクを使用し
て記録を行う場合にも有効である。
【0069】[第2の実施形態]本実施形態は上記第1
の実施形態と略同様な構成のインクジェットカラープリ
ンタであり、シアンおよびマゼンタに対してはそれぞれ
濃淡2種類のインクを使用し、ブラックとイエローに対
しては濃インクのみを使用し、合計6種類のインクを使
用して記録を行う。以下、第1の実施形態と異なる部分
について説明する。
【0070】本実施形態では高解像度記録を行う際に、
濃インクは大ドットのみで記録を行い淡インクは大ドッ
トと小ドット両方で記録を行う。
【0071】図8は、本実施形態における濃淡2種類の
インクの画像信号値に対する出力(インク使用量)の一
例を示すグラフである。横軸に画像信号値、縦軸に出力
値を示す。
【0072】シアンのグラデーションを記録する場合を
例に挙げて説明する。図8の実線部は淡シアンインクの
プロファイルであり、2点鎖線で示した部分は濃シアン
インクのプロファイルである。図中原点から位置aまで
は淡インクの小ドットのみを用いて階調表現する部分で
ある。位置aから位置bの間は小ドットと大ドットが混
在する部分。位置b’から位置cの間は濃インクの大ド
ットと淡インクの大ドットおよび小ドットの混在する部
分である。ただし、淡インクはb部から再び小ドットの
みになり徐々に出力値を減少させる。
【0073】濃インクの大ドットの使用開始時、淡イン
クも大ドットを使用する事で小ドットのみを使用する場
合よりも濃インクの大ドットとの濃度差を低減すること
ができ、濃インクの使用開始時点での粒状感が低減でき
る。
【0074】以上説明したように、本実施形態では、第
1の実施形態で淡インクを小ドット、濃インクを大ドッ
トで使用するのに比べ、両方のインクを使用する濃淡つ
なぎの部分に対して淡インクの大小2種類のドットを使
用する。
【0075】このように、濃淡2種類のインクを使用す
る部分に対しては、濃淡どちらのインクの大小2種類の
ドットを用いても良く、重要なのは濃インクを大ドット
で記録してドットズレに対するマージンを増加させるこ
とである。
【0076】[第3の実施形態]本実施形態も上記第1
の実施形態と略同様な構成のインクジェットカラープリ
ンタであり、シアンおよびマゼンタに対してはそれぞれ
濃淡2種類のインクを使用し、ブラックとイエローに対
しては濃インクのみを使用し、合計6種類のインクを使
用して記録を行う。以下、第1の実施形態と異なる部分
について説明する。
【0077】本実施形態では、インク濃度の高い濃イン
クはにじみ率の高いインク組成を用い、インク濃度の低
い淡インクはにじみ率の低いインク組成を用いる。
【0078】ここで、にじみ率とは、 にじみ率=インク滴の記録媒体上でのドット径/インク
滴を球体とした時に体積から換算したドット径 で表される数値である。通常の測定法では同一の記録媒
体に同一の吐出量のインク滴を着弾させ、ドット径を測
定して算出する。
【0079】同じインク滴のサイズであってもにじみ率
が高いインクあるいは記録媒体は着弾後のドット径が大
きく、インク滴が拡がる設計になっている。逆ににじみ
率が低いインクあるいは記録媒体は着弾後のドット径が
小さく、インク滴が拡がらない設計になっている。
【0080】にじみ率を高くするには界面活性剤をイン
クに添加することにより記録媒体上でのインクの浸透が
向上しドット径を増大することができる。これはインク
の表面張力を減衰させて記録媒体に対するヌレ性を向上
させ浸透現象を生起させるものである。このような界面
活性剤としてはアセチレノール等が知られている。
【0081】本実施形態ではこのようなにじみ率により
記録媒体上でのドット径が異なることを利用し、ドット
ズレの目立ちやすい濃インクはにじみ率の高いインクを
用いて記録媒体上でのドット径を大きくしてドットズレ
に対するマージンを確保し、淡インクは濃インクと比較
してにじみ率が低いインクを用いる。
【0082】図7は、にじみ率の異なるインクの記録媒
体上でのドット形状の例を示す図である。上記のような
浸透性の高い成分を添加すると、記録媒体上でのドット
形状は成分を添加しない場合の円形(a)とは異なり、
ドットの周囲がギザギザした形状(b)になりやすい。
なお、図7(a)はいわゆる上乗せ系(蒸発系)インク
の記録媒体上のドット形状を示している。
【0083】図示したように、にじみ率の小さいインク
は表面張力が高く記録媒体中に浸透しにくいため図7
(a)のように円形に近いドット形状を示す。それに対
して界面活性剤等を添加した浸透系(超浸透系)インク
の記録媒体上のドット形状は図7(b)のように、周縁
部分のインクが不規則に浸透しインク滴の外周部はギザ
ギザした形状を呈する。
【0084】このようににじみ率の高いインクはあらゆ
る方向に浸透するためドットのエッジ部は鮮明ではない
が、上乗せ系インクに比べてインクの被服率が高まる。
このためドットズレが生じた場合においても記録媒体の
地の色を隠すことができる。
【0085】上記のような浸透系インクは、特にコート
層等を有さないコピー用紙のような記録媒体(電子写真
方式の複写機等で広く用いられている、いわゆる普通
紙)に記録を行う場合、インク組成差によるにじみ率の
差が出やすいため有効である。
【0086】ただし、このインクの組成の差によって、
前記第1および第2の実施形態のような大小ドットほど
のドット径差を生じさせることは困難である。このた
め、上述の大小ドット使用時よりもドットズレマージン
は減少する。従って、本実施形態を、上述の第1および
第2の実施形態で示した同一吐出口より異なるサイズの
インク滴が吐出可能な記録装置に併用して、濃インクに
にじみ率の高いインクを、淡インクには前記濃インクよ
りにじみ率の低いインクを用いると、より有効である。
【0087】[第4の実施形態]本実施形態は上記第1
の実施形態と略同様な構成のインクジェットカラープリ
ンタであり、シアンおよびマゼンタに対してはそれぞれ
濃淡2種類のインクを使用し、ブラックとイエローに対
しては濃インクのみを使用し、合計6種類のインクを使
用して記録を行う。以下、第1の実施形態と異なる部分
について説明する。
【0088】上記で説明した実施形態では、全ての記録
ヘッドから大小2種類のインクドットを吐出することが
できることを前提としていたが、本実施形態では濃イン
クを吐出する記録ヘッドは大ドットに対応するインク滴
のみを吐出し、淡インクを吐出する記録ヘッドは小ドッ
トに対応するインク滴のみを吐出する構成とする。
【0089】ここで、大ドットのインク吐出量は、第1
の実施形態に関して説明したように、小ドットのインク
吐出量のおよそ2倍程度である。
【0090】また第3の実施形態で説明した、にじみ率
の高いインクを濃インクに用いて大ドットヘッドで記録
すればより効果的である。
【0091】[他の実施形態]以上の実施形態は、特に
インクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせ
るために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発
生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備
え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起さ
せる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化
が達成できる。
【0092】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0093】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に
優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。
【0094】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0095】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書に記載された構成も本発明に含
まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネ
ルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構
成を開示する特開昭59−138461号公報に基づい
た構成としても良い。
【0096】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0097】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0098】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0099】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0100】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。
【0101】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0102】このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0103】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0104】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログ
ラムコードを読み出し実行することによっても、達成さ
れることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読
み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の
機能を実現することになり、そのプログラムコードを記
憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行する
ことにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけ
でなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピ
ュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)
などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理に
よって前述した実施形態の機能が実現される場合も含ま
れることは言うまでもない。
【0105】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、濃
度の濃いインクで顕著となる、記録装置の製造誤差等に
起因するドットズレによる記録画像への影響を低減し
て、画質の劣化を防止することができる。
【0107】従って、記録装置に製造誤差等がある場合
でも、高解像度記録を行った際に画質が劣化することを
防止できるので、高画質記録の可能な記録装置をより安
価にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像信号と濃淡2種類のインクの出力との関係
を示すグラフである。
【図2】画像信号処理を示すフローチャートである。
【図3】記録ヘッドのノズル断面図である。
【図4】図3のノズルの上面図である。
【図5】本発明の実施形態のインクジェットカラープリ
ンタの構成を示す部分断面斜視図である。
【図6】図5のプリンタの制御構成を示すブロック図で
ある。
【図7】にじみ率の違いによるドット形状を示す図であ
る。
【図8】第2の実施形態における濃淡2種類のインクの
出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 5 速度検知手段 6,7 ベルト 8 キャリッジ駆動モータ 10 インクカセット 23 吐出口 30 発熱体 31 記録媒体 32 共通液室 33 基板 34 隔壁 35 インク滴 36 保護膜 40 色変換部A 41 色変換部B 42 ガンマ補正部 43 量子化部 100 ホスト 201 キャリッジ 301 制御ユニット 302 ヘッドドライバ 303,304 モータドライバ 306 インタフェース部 307 操作部 310 CPU 311 ROM 312 RAM 400 回復ユニット 420 キャップ列 H1,H2 発熱体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体積の異なる大小2種類のインク滴を選
    択的に吐出可能に構成されたインクジェット記録ヘッド
    を少なくとも2種類の濃度のインクそれぞれに対して備
    えた多階調記録の可能なインクジェット記録装置であっ
    て、 低解像度で記録する第1の記録モードおよび高解像度で
    記録する第2の記録モードを有し、 前記第1の記録モードで記録を行う際に、前記2種類の
    濃度のインクを吐出する両方の記録ヘッドから大きなイ
    ンク滴を吐出させて記録を行い、 前記第2の記録モードで記録を行う際に、少なくとも濃
    い濃度での記録には濃い濃度のインクを吐出する記録ヘ
    ッドから大きなインク滴を吐出させて記録を行うように
    構成されていることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第2の記録モードで記録を行う際
    に、中間調の記録には濃度の濃いインクを吐出する記録
    ヘッドから大小2種類のインク滴を吐出させて記録を行
    うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記
    録装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の記録モードで記録を行う際
    に、中間調の記録には濃度の淡いインクを吐出する記録
    ヘッドから大小2種類のインク滴を吐出させて記録を行
    うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記
    録装置。
  4. 【請求項4】 大きなインク滴の体積は小さなインク滴
    の体積の略2倍以上であることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 濃度の濃いインクは、各記録ヘッドから
    同じ体積のインク滴を吐出して記録したときに、記録媒
    体上での面積が濃度の淡いインクよりも大きくなる組成
    を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれ
    か1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 インクジェット記録ヘッドを少なくとも
    2種類の濃度のインクそれぞれに対して備えた多階調記
    録の可能なインクジェット記録装置であって、 濃度の濃いインクは、各記録ヘッドから同じ体積のイン
    ク滴を吐出して記録したときに、記録媒体上での面積が
    濃度の淡いインクよりも大きくなる組成を有しているこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 インクジェット記録ヘッドを少なくとも
    2種類の濃度のインクそれぞれに対して備えた多階調記
    録の可能なインクジェット記録装置であって、 濃度の濃いインクを吐出する記録ヘッドは、濃度の淡い
    インクを吐出する記録ヘッドよりも大きな体積のインク
    滴を吐出するように構成されていることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与
    える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体
    を備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれ
    か1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 体積の異なる大小2種類のインク滴を選
    択的に吐出可能に構成されたインクジェット記録ヘッド
    を少なくとも2種類の濃度のインクそれぞれに対して用
    いて多階調記録を行うインクジェット記録方法であっ
    て、 低解像度で記録する第1の記録モードおよび高解像度で
    記録する第2の記録モードを有し、 前記第1の記録モードで記録を行う際に、前記2種類の
    濃度のインクを吐出する両方の記録ヘッドから大きなイ
    ンク滴を吐出させて記録を行い、 前記第2の記録モードで記録を行う際に、少なくとも濃
    い濃度での記録には濃い濃度のインクを吐出する記録ヘ
    ッドから大きなインク滴を吐出させて記録を行うことを
    特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 インクジェット記録ヘッドを少なくと
    も2種類の濃度のインクそれぞれに対して用いて多階調
    記録を行うインクジェット記録方法であって、 濃度の濃いインクとして、各記録ヘッドから同じ体積の
    インク滴を吐出して記録したときに、記録媒体上での面
    積が濃度の淡いインクよりも大きくなる組成のインクを
    使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 インクジェット記録ヘッドを少なくと
    も2種類の濃度のインクそれぞれに対して用いて多階調
    記録を行うインクジェット記録方法であって、 濃度の濃いインクを吐出する記録ヘッドから値出するイ
    ンク滴の体積を、濃度の淡いインクを吐出する記録ヘッ
    ドから吐出されるインク滴の体積よりも大きくすること
    を特徴とするインクジェット記録方法。
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