JP4432407B2 - インクジェット用液体廃棄処理方法、並びに、これを用いたインクジェット記録装置、インクジェット用液体貯蔵用タンク、インクジェット用液体貯蔵用液体吸収体およびインクジェット用液体廃棄処理装置 - Google Patents

インクジェット用液体廃棄処理方法、並びに、これを用いたインクジェット記録装置、インクジェット用液体貯蔵用タンク、インクジェット用液体貯蔵用液体吸収体およびインクジェット用液体廃棄処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録装置による印字に際して用いられるインクや処理液等のインクジェット用液体(印字用液体)の廃棄処理方法、並びに、これを用いたインクジェット記録装置、インクジェット用液体貯蔵用タンク、インクジェット用液体貯蔵用液体吸収体およびインクジェット用液体廃棄処理装置に関する。
ノズル、スリット、多孔質フィルム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、布巾、フィルム等に記録するインクジェット記録方法は、小型、安価、静粛という特徴をもち、多くのプリンターに用いられている。中でも、圧電素子の変形を利用しノズルから液体インクを吐出させるピエゾインクジェット方式、熱沸騰現象を利用した熱インクジェット方式は、高解像度、高速印字性の観点から多く利用されている。
このような有望な記録技術であるインクジェット記録において問題になるのは、インクの吐出不良である。吐出不良の原因については様々あるが、ノズル内のインクの乾燥、増粘や気泡、ごみなどによる目詰まりが挙げられる。これらを解消するために、非印字時にキャップでノズルを覆う技術、増粘したインク、気泡、ごみを排出するため吸引装置を設けたり、空吐出、いわゆるダミージェットを吐出する技術が開発されている。このような技術としては例えば、インク吸引機構を設ける技術(特許文献1〜4参照)や、ワイパ部材にてヘッド本体端面に付着したインクをふき取り除去する技術(特許文献5)が提案されている。このような技術の発達により、吐出不良改善が図られてきた。
一方、近年、特に普通紙上での高速・高画質の両立の要求が高くなっており、画像濃度向上、単色にじみ、色間にじみを改善する様々な方法が提案されている。インクセットのうち、カラーインクに浸透を速くする界面活性剤や溶媒と塩を含有させ、ブラックインクに塩の影響で増粘または凝集をおこす成分を含有させる方法(特許文献6参照)が提案されている。また、カラーインクのpHが5以下であり、イオン強度の弱いブラックインクとイオン強度の強いカラーインクの接触によりブラックインクの凝集を起こして、耐水性、色間にじみを改善させる方法(特許文献7参照)が提案されており、カラーインクのイオン強度を強める薬剤として一価及び多価の塩化物、フッ化物、臭化物、硝酸塩及びアルカリ金属とアルカリ土類のトシラートが挙げられている。
特開昭56−60256号公報 特開昭57−12655号公報 特開昭62−113556号公報 特開昭63−295265号公報 特開昭62−251146号公報 特開平6−106735号公報 特開平10−272768号公報
しかしながら、このように凝集を狙った材料をインクや処理液に使用した場合、インクや処理液を廃棄処理する廃棄処理装置を含むメンテナンス部分を、混合すると凝集や増粘が起こるインクや処理液間で分けて廃棄処理する必要があり、結果としてインクジェト記録装置の大型化やコストの増大を招いていた。
メンテナンスとしては、例えば、画像形成直前に各ノズルからインクや処理液を吐出させるいわゆるダミージェットを行い、画像形成時の吐出不良をなくすように工夫されているものがある。また、記録ヘッドごとにノズル部でのインクや処理液の乾燥を防止するためのキャップを設けて、キャップをした状態でポンプによりインクや処理液を吸引して、乾燥により増粘したインクや処理液をノズルから除去する方法がある。これらのメンテナンス時に発生するインクや処理液からなる廃液は、チューブを通じて廃液を貯蔵する排インクタンクへと回収される場合が多い。排インクタンクにはインクや処理液からなる廃液が吸収されるよう、ウレタンフォームのような多孔質体やポリエステルフェルトのような繊維状のものが吸収体として使用されていることが多い。
このようなメンテナンス部の廃液処理に関する各部で、混合すると凝集が発生したり増粘するインク同士あるいはインクおよび処理液を、混合して廃棄処理しようとすると、例えば、インクや処理液を吸引するためのポンプ内で凝集物による詰まりが生じる、排インクタンクへの通路であるチューブ入り口や内部で凝集物による詰まりが生じる、排インクタンク内に設けた吸収体上部や局部で凝集が起こってしまいインクや処理液の吸収を阻害し、吸収体及び排インクタンク中に予想していた容量よりも少量しか廃液を貯蔵できない等、各部の機能が十分に発揮されなくなってしまい、故障の原因となる。
これを避けるためには、混合すると凝集(物)が発生する2種以上の印字用液体間(インク−インク間、インク−処理液間)では、これらの印字用液体毎にメンテナンス部の廃液処理部分を分離して設ける必要がある。しかしながら、このような場合、廃液処理部分の部品点数が増えてコストが高くなり、マシンサイズも大きくなってしまうという課題があった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、混合すると凝集や増粘が発生する2種以上の印字用液体を混合した状態で廃棄しても凝集や増粘が抑制できるインクジェット用液体廃棄処理方法、並びに、これを用いたインクジェット記録装置、インクジェット用液体貯蔵用タンク、インクジェット用液体貯蔵用液体吸収体およびインクジェット用液体廃棄処理装置に関する。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1> 2価以上の金属イオンを含む第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む第2の印字用液体とを混合した状態の混合廃液として廃棄処理するインクジェット用液体廃棄処理方法において、
前記混合廃液が、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を含んだ状態で廃棄処理されることを特徴とするインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<2> 印字用液体として、1種以上の前記第1の印字用液体と、1種以上の前記第2の印字用液体とを用い、
1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有する廃液処理手段と、を少なくとも備え、
前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とが、混合された状態の混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵されるインクジェット記録装置を用いたインクジェット用液体廃棄処理方法において、
前記混合廃液が、前記凝集・増粘防止剤を含んだ状態で前記廃液貯蔵部に貯蔵されることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<3> 前記凝集・増粘防止剤が、前記金属イオンをキレート化するキレート剤、あるいは、前記アニオン化合物に対して、前記金属イオンをマスキングするマスキング剤であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<4> 前記凝集・増粘防止剤が、ニトリロ三酢酸、N,N−(−2ヒドロキシエチル)−グリシン、エチレンジアミン−N、N、N’、N’−四酢酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、リン酸、および、これらの塩からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<5> 前記ジカルボン酸、その塩が、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリウムからなる酒石酸類より選択される少なくとも1種であり、前記トリカルボン酸、その塩が、クエン酸、クエン酸リチウム、クエン酸カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三アンモニウムからなるクエン酸類より選択される少なくとも1種であることを特徴とする<4>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<6> 前記凝集・増粘防止剤が、不揮発性有機溶媒および水を含む液体に溶解させた状態の凝集・増粘防止液として用いられることを特徴とする<3>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<7> 前記凝集・増粘防止液が、界面活性剤を含むことを特徴とする<6>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<8> 前記不揮発性有機溶媒が、多価アルコール類、および、グリコールエーテル類からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする<7>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<9> 前記第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属イオンの含有量が、100ppm以上であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<10> 前記第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属イオンの含有量が、500ppm以上であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<11> 前記2価以上の金属イオンが、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、および、Inからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<12> 前記2価以上の金属イオンが、Mgであることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<13> 前記アニオン化合物が、アニオン性色材であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<14> 前記印字用液体として、色材を含む2種以上のインクを用いることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<15> 前記印字用液体として、色材を含む1種以上のインクと、1種以上の処理液とを用いることを特徴とする<1>に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法である。
<16> 印字用液体として、2価以上の金属イオンを含む1種以上の第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む1種以上の第2の印字用液体とを用い、
1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有する廃液処理手段と、を少なくとも備え、
前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とを、混合した状態の混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵するインクジェット記録装置において、
前記混合廃液が、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を含んだ状態で前記廃液貯蔵部に貯蔵されることを特徴とするインクジェット記録装置である。
<17> 前記廃液貯蔵部が、液体吸収体を含むことを特徴とする<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<18> 前記廃液貯蔵部が、廃液貯蔵タンクを含むことを特徴とする<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<19> 前記廃液処理手段が、前記記録ヘッドから排出される全種類の印字用液体全てを混合した状態で貯蔵する1室型の廃液貯蔵部を1つのみ有することを特徴とする<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<20> 前記廃液処理手段が、前記記録ヘッドから排出される全種類の印字用液体全てを混合した状態で回収し、前記1室型の廃液貯蔵部に移送する廃液回収パイプを1本のみ有することを特徴とする<19>に記載のインクジェット記録装置である。
<21> 前記凝集・増粘防止剤が、前記混合廃液と混合可能な状態で、前記廃液貯蔵部に予め収納されていることを特徴とする<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<22> 前記混合廃液、前記記録ヘッドから排出され最終的に前記混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵される第1の印字用液体、および、前記記録ヘッドから排出され最終的に前記混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵される第2の印字用液体から選択される少なくともいずれかの廃液に、
前記記録ヘッドから前記第1の印字用液体および前記第2の印字用液体の少なくとも一方が排出された後のいずれかの時点において、
前記凝集・増粘防止剤を添加する凝集・増粘防止剤添加手段を含むことを特徴とする<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<23> 前記凝集・増粘防止剤添加手段が、前記記録ヘッドから排出され最終的に前記混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵される第1の印字用液体に、前記凝集・増粘防止剤を添加するものであることを特徴とする<22>に記載のインクジェット記録装置である。
<24> 前記凝集・増粘防止剤添加手段が、前記凝集・増粘防止剤を溶解させた液体を吐出するノズルを備えた液体吐出装置であることを特徴とする<22>に記載のインクジェット記録装置である。
<25> 前記記録ヘッドが、少なくとも2種類以上の液体を別々に吐出する複数のノズルを備え、前記液体の少なくとも1種が、前記印字用液体であり、他の少なくとも1種が前記凝集・増粘防止剤を溶解させた液体であることを特徴とする<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<26> 印字用液体として、2価以上の金属イオンを含む1種以上の第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む1種以上の第2の印字用液体とを用い、
1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵するインクジェット用液体貯蔵用タンクを少なくとも有する廃液処理手段と、を少なくとも備え、
前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とを、混合した状態の混合廃液として前記インクジェット用液体貯蔵用タンクに貯蔵するインクジェット記録装置に用いられるインクジェット用液体貯蔵用タンクにおいて、
前記混合廃液と混合可能な状態で、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を予め含んでいることを特徴とするインクジェット用液体貯蔵用タンクである。
<27> 印字用液体として、2価以上の金属イオンを含む1種以上の第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む1種以上の第2の印字用液体とを用い、
1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、前記液体を貯蔵可能な1つ以上のインクジェット用液体貯蔵用液体吸収体を少なくとも含み、非印字時に前記記録ヘッドをメンテナンスする為に前記記録ヘッドから排出される前記第1の印字用液体および前記第2の印字用液体を回収し貯蔵する廃液処理手段と、を少なくとも備え、
前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とが、混合された状態の混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵されるインクジェット記録装置に用いられるインクジェット用液体貯蔵用液体吸収体において、
前記混合廃液と混合可能な状態で、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を予め含んでいることを特徴とするインクジェット用液体貯蔵用液体吸収体である。
<28> 印字用液体として、2価以上の金属イオンを含む1種以上の第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む1種以上の第2の印字用液体とを用い、
1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有するインクジェット用液体廃棄処理装置と、を少なくとも備え、
前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とを、混合した状態の混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵するインクジェット記録装置に用いられるインクジェット用液体廃棄処理装置において、
前記混合廃液が、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を含んだ状態で前記廃液貯蔵部に貯蔵されることを特徴とするインクジェット用液体廃棄処理装置である。
以上に説明したように本発明によれば、混合すると凝集や増粘が発生する2種以上の印字用液体を混合した状態で廃棄しても凝集や増粘が抑制できるインクジェット用液体廃棄処理方法、並びに、これを用いたインクジェット記録装置、インクジェット用液体貯蔵用タンク、インクジェット用液体貯蔵用液体吸収体およびインクジェット用液体廃棄処理装置を提供することができる。
(インクジェット用液体廃棄処理方法)
本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法は、2価以上の金属イオンを含む第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む第2の印字用液体とを混合した状態の混合廃液として廃棄処理するインクジェット用液体廃棄処理方法において、前記混合廃液が、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を含んだ状態で廃棄処理されることを特徴とする。
従って、本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法は、混合すると凝集や増粘が発生する2種以上の印字用液体を混合した状態で廃棄しても、混合廃液の凝集や増粘を抑制することができる。
このような本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法は、上記の第1の印字用液体および第2の印字用液体を印字用液体として組み合わせて用いるインクジェット記録装置に適用することが特に好ましい。
なお、本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法をインクジェット記録装置に適用する場合には、以下のような構成を有するインクジェト装置を利用することが好ましい。
すなわち、本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法を適用するのに好ましいインクジェット記録装置としては、印字用液体として、1種以上の第1の印字用液体と、1種以上の第2の印字用液体とを用い、1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有する廃液処理手段と、を少なくとも備え、前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とが、混合した状態の混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵することができるインクジェット記録装置であることが好ましい。
このインクジェット記録装置においては、混合廃液が、凝集・増粘防止剤を含んだ状態で廃液貯蔵部に貯蔵される。但し、廃液貯蔵部に貯蔵された混合廃液に含まれる凝集・増粘防止剤は、第1の印字用液体および第2の印字用液体が、メンテナンス等の非印字時に記録ヘッドから排出された後から、両液が混合され最終的に廃液貯蔵部に貯蔵された状態までのいずれかの時点で添加することができる。
なお、このような凝集・増粘防止剤の添加方法の詳細については、本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法を適用したインクジェット記録装置の具体的な構成も含めて後述する。
上記のようなインクジェット記録装置では、非印字時に記録ヘッドから排出される第1の印字用液体および第2の印字用液体を混合して廃棄処理しても、印字用液体を廃棄処理する装置内各部での目詰まり等の発生を防ぐことができる。また、印字用液体の廃棄処理に関係する部材や装置を、従来のように、凝集や増粘が発生する印字用液体間で分離して設ける必要が無いため、これら部材や装置の構成を簡略化・小型化でき、低コストで作製することもできる。
なお、本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法は、上記に説明したようなインクジェット記録装置に適用することが特に好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、使用期限が切れて小売店から回収されり、未使用のまま廃棄されたり、劣悪な環境に放置されて使用できなくなったようなインクカードリッジや、補充用インクボトル内の印字用液体を一括して廃棄処理する場合等、インクジェット装置外の印字用液体を廃棄処理する場合にも必要に応じて勿論適用することができる。
次に、本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法に用いられる印字用液体および凝集・増粘防止剤について以下により詳細に説明する。
−印字用液体−
本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法に用いられる印字用液体としては、これを廃棄処理する際に混合される2種類の印字用液体(第1の印字用液体および第2の印字用液体)が必ず組み合わされて用いられる。
ここで、第1の印字用液体は、2価以上の金属イオンを少なくとも含むものであり、第2の印字用液体は、第1の印字用液体と混合された際に、これに含まれる2価以上の金属イオンと反応して凝集および/または増粘するアニオン化合物を少なくとも含むものである。
これら第1および第2の印字用液体は、色材を含むインク、あるいは、インクが記録媒体表面に付与された際に、異なる色のインク同士の色間にじみを防止する色材を含まない処理液のいずれかとして利用される。この場合、第1の印字用液体がインクまたは処理液として用いられてもよく、第2の印字用液体がインクまたは処理液として用いられてもよい。
なお、インクジェット記録装置に用いる場合には、用いられる印字用液体の少なくとも2種以上がインクからなるか、あるいは、少なくとも1種以上がインク、他の残りの1種以上が処理液からなることが好ましい。
次に、印字用液体に含まれる各種成分、すなわち、2価以上の金属イオン、アニオン性化合物、色材、その他の成分について以下に説明する。
−2価以上の金属イオン−
第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属としては、公知の2価以上の金属であれば特に限定されず、例えば、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、In等が挙げられる。これらの金属イオンは、第1の印字用液体中に塩化合物として供給することができる。このような塩化合物としては、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などが挙げられ、第1の印字用液体中での析出を抑制するために、その溶解度が10を超えるものであることが好ましい。溶解度が10以下の場合には、記録ヘッドのノズル部の目詰まりが発生したり、インクの長期安定性が劣化する場合がある。
なお、2価以上の金属イオンとしては、上記に列挙した中でも、特にMgが好ましい。Mgは、記録ヘッドのノズル部の目詰まり発生等の2次障害が、他の金属イオンと比べて起こりにくいため、より安定した印字が可能となる。
また、第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属イオンの濃度は、100ppm以上であることが好ましく、500ppm以上であることがより好ましい。第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属の濃度が100ppmよりも小さい場合には、既述したような金属イオンを用いた場合の耐水性や色間にじみ改善効果が十分に得られなかったり、画像濃度が薄くなる場合がある。
−アニオン化合物−
第2の印字用液体に含まれるアニオン化合物としては、第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属と反応して凝集および/または増粘するものであれば特に限定されないが、具体的には、アニオン性色材や、アニオン性のポリマー添加剤を挙げることができる。なお、これらの具体例については後述する。
−色材−
印字用液体がインクとして用いられる場合には、公知の色材(顔料、染料)が添加される。なお、第1の印字用液体に添加される色材としては、カチオン性色材が用いられ、第2の印字用液体に添加される色材としてはアニオン性色材が用いられる。
染料としては、水溶性染料、分散染料いずれも使用できる。水溶性染料の具体例としてはC. I. Direct Black −2, −4, −9, −11, −17, −19, −22, −32, −80, −151, −154, −168, −171, −194, −195、 C. I. Direct Blue ?1, −2, −6, −8, −22, −34, −70, −71, −76, −78, −86, −112, −142, −165, −199, −200, −201, −202, −203, −207, −218, −236, −287, −307, C. I. Direct Red ?1, −2, −4, −8, −9, −11, −13, −15, −20, −28, −31, −33, −37, −39, −51, −59, −62, −63, −73, −75, −80, −81, −83, −87, −90, −94, −95, −99, −101, −110, −189, −227、 C. I. Direct Yellow −1, −2, −4, −8, −11, −12, −26, −27, −28, −33, −34, −41, −44, −48, −58, −86, −87, −88, −132, −135, −142, −144, −173、 C. I. Food Black −1, −2、 C. I. Acid Black −1, −2, −7, −16, −24, −26, −28, −31, −48, −52, −63, −107, −112, −118, −119, −121, −156, −172, −194, −208、 C. I. Acid Blue −1, −7, −9, −15, −22, −23, −27, −29, −40, −43, −55, −59, −62, −78, −80, −81, −83, −90, −102, −104, −111, −185, −249, −254、 C. I. Acid Red −1, −4, −8, −13, −14, −15, −18, −21, −26, −35, −37, −52, −110, −144, −180, −249, −257,−289、 C.I.Acid Yellow −1, −3, −4, −7, −11, −12, −13, −14, −18, −19, −23, −25, −34, −38, −41, −42, −44, −53, −55, −61, −71, −76, −78, −79, −122などが挙げられる。
分散染料の具体例としては、C.I.Disperse Yellow ‐3、‐5、‐7、‐8、‐42、‐54、‐64、‐79、‐82、‐83、‐93、‐100、‐119、‐122、‐126、‐160、‐184:1、 ‐186、‐198、‐204、‐224、C.I.Disperse Orange ‐13、‐29、‐31:1、‐33、‐49、‐54、‐66、‐73、‐119、‐163、C.I.Disperse Red ‐1、‐4、‐11、‐17、‐19、‐54、‐60、‐72、‐73、‐86、‐92、‐93、‐126、‐127、‐135、‐145、‐154、‐164、‐167:1、‐177、‐181、‐207、‐239、‐240、‐258、‐278、‐283、‐311、‐343、‐348、‐356、‐362、C.I.Disperse Violet ‐33、C.I.Disperse Blue ‐14、‐26、‐56、‐60、‐73、‐87、‐128、‐143、‐154、‐165、‐165:1、‐176、‐183、‐185、‐201、‐214、‐224、‐257、‐287、‐354、‐365、‐368、C.I.Disperse Green ‐6:1、‐9などが挙げられる。
顔料も使用することができる。ブラック顔料の具体例としては、Raven7000, Raven5750, Raven5250, Raven5000 ULTRAII,
Raven 3500, Raven2000, Raven1500, Raven1250, Raven1200, Raven1190 ULTRAII, Raven
1170, Raven1255, Raven1080, Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R, Regal330R, Regal660R, Mogul L, Black Pearls L, Monarch 700, Monarch 800, Monarch 880, Monarch 900, Monarch 1000, Monarch 1100, Monarch 1300, Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1, Color Black FW2, Color Black FW2V, Color Black 18, Color Black FW200, Color Black S150, Color Black S160, Color Black S170, Printex35, Printex U, Printex V, Printex140U, Printex140V, Special Black 6 ,Special Black 5 ,Special Black 4A ,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25, No.33, No.40, No.47, No.52, No.900, No.2300, MCF−88, MA600, MA7, MA8, MA100(以上三菱化学社製)が挙げられるがこれに限定されるものではない。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−253、IJX−266、IJX−444、IJX−273、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2、更には日本触媒社から販売されている自己分散顔料等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
シアンインクの顔料としてはC.I.Pigment Blue−1, −2, −3, −15, −15:1, −15:2, −15:3, −15:4, −16, −22, −60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタインクの顔料としては、C.I.Pigment Red −5, −7, −12, −48, −48:1, −57, −112, −122, −123, −146 , −168, −184, −202が挙げられるがこれに限定されるものではない。
イエローインクの顔料としては、C.I.Pigment Yellow −1, −2, −3, −12, −13, −14, −16, −17, −73, −74, −75, −83, −93, −95, −97, −98, −114, −128, −129, −138, −151, −154が挙げられるがこれに限定されるものではない。
また各色の色材として、色材が各種樹脂でカプセル化されたいわゆるカプセル染料・顔料を使用してもよい。
特に、良好な画像を得ることができる点では、色材としてアニオン性染料あるいはアニオン性表面基を有するカーボンブラックを使用したブラックインク(第2の印字用液体)と、2価以上の金属イオンを合計500ppm以上含むカラーインク(第1の印字用液体)とを組合せて使用することが好ましい。この場合、ブラックインク画像部にブラックインクとカラーインクとを併用することにより画像濃度が向上し、かつ、ブラック画像とカラー画像とが隣接する部での色間滲みが抑制され画像品位が向上する。
−その他の添加成分−
印字用液体は、上記の成分の他に、溶媒として水を含むが、更に水溶性有機溶媒を添加することができる。水溶性有機溶媒を印字用液体に添加すると、インクや処理液の保湿性及びインク中の色材の溶解性がさらに良好になり、目詰まりを防止したり、記録ヘッドから印字用液体を吐出する際の吐出安定性を維持し、さらに、印字用液体の長期の保存に対しても色材、処理液に含まれる処理剤の凝集・析出を防ぐことができる。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテルでは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等など多価アルコール誘導体が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
含硫黄溶媒としてはチオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を併せて用いることも出来る。エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類も使用することができる。水溶性有機溶媒の含有量としては、1〜60質量質量部、好ましくは、5〜40質量質量部で使用される。
さらに、印字用液体に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、その分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等を使用することが出来、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等のいずれを使用しても構わない。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩およびスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、高級アルキルリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が使用でき、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ケリルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等も有効に使用される。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、脂肪族アルカノールアミド、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
印字用液体中に添加する界面活性剤量は、10質量部未満であることが好ましい。添加量が10質量部以上の場合には、光学濃度、及び、印字用液体の保存安定性が悪化する場合がある。
その他、印字用液体の吐出性改善等の特性制御を目的として、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション等のポリマーエマルション、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド等を用いることができる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物を使用することが出来る。
その他必要に応じ、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
−凝集・増粘防止剤−
本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法に用いられる凝集・増粘防止剤は、第1の印字用液体中に含まれる金属イオンと、第2の印字用液体に含まれるアニオン化合物との反応を防止して、これら2種類の印字用液体を混合した混合廃液の凝集や増粘を防ぐ機能を有するものである。また、凝集・増粘防止剤自体は、後述するように金属イオンとキレート化等により反応して、水系液体である混合廃液に対して溶解性に優れた反応物を形成する。
このような凝集・増粘防止剤としては、上記の機能を有する物質であれば特に限定されないが、具体的には2価以上の金属イオンをキレート化するキレート剤や、アニオン化合物に対して、2価以上の金属イオンをマスキングするマスキング剤を利用することができる。
2価以上の金属をキレート化、あるいは、アニオン化合物に対してマスキングする凝集・増粘防止剤としては、アセチルアセトン、アデニン、5’−アデノシン三リン酸、2−アミノエタノール、2−アミノエタンチオール、イミダゾール、エチルアミン、エチレンジアミン、カテコール、クエン酸、グリシルグリシン、グリシン、グルタミン酸、酢酸、L−2,4−ジアミノ酪酸、ジエチレントリアミン、L−システイン、ジベンゾ−18−クラウン−6、シュウ酸、トリエチレンテトラミン、ピコリン酸、ヒスチジン、2,2’−ビピリジル、ピリジン、1,10−フェナントロリン、L−フェニルアラニン、フェノール、フタル酸、マロン酸、これらの塩等が挙げられる。
これらの凝集・増粘防止剤の中でも特にニトリロ三酢酸、N,N−(−2ヒドロキシエチル)−グリシン、エチレンジアミン−N、N、N’、N’−四酢酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、リン酸、これらの塩が好ましく、更には、ジカルボン酸(その塩類を含む)が酒石酸類、トリカルボン酸(その塩類を含む)がクエン酸類であることが好ましい。これらの凝集・増粘防止剤は、特にマグネシウムイオンのキレート化やマスキングに効果を発揮する。
なお、クエン酸類としては、クエン酸、クエン酸リチウム、クエン酸カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸アンモニウム等を挙げることができ、また、酒石酸類としては、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム等を挙げることができる。
凝集・増粘防止剤は、廃棄処理の対象となる印字用液体の組成、すなわち、2価以上の金属イオンとアニオン化合物の組み合わせに応じて、凝集・増粘防止効果がより大きいものが必要に応じて選択できる。また、インクジェット記録装置のように、凝集・増粘防止剤の補充が任意のタイミングでできない場合には、インクジェット記録装置に予め貯蔵される凝集・増粘防止剤の量は、インクジェット記録装置内で使用される印字用液体の量に応じて選択できる。
また、凝集・増粘防止剤は、これらの原液や固体状態で利用することもできるが、溶媒に溶液に溶解させた液体(以下、「凝集・増粘防止液」と略す場合がある。)として利用することができる。特に凝集・増粘防止剤を水溶液として用いる必要がある場合は、溶媒として水および不揮発性有機溶媒と共に併用することにより水分蒸発を防ぎ、凝集・増粘防止剤の濃度変化や析出を抑制することができる。
凝集・増粘防止液に用いられる不揮発性有機溶媒としては公知のものが利用できるが、代表的なものとしては、多価アルコール類、グリコールエーテル類が挙げられる。具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテル類では、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等など多価アルコール誘導体が挙げられる。
また含窒素溶媒である、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等、含硫黄溶媒であるチオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等を不揮発性有機溶媒として使用することもできる。また、凝集・増粘防止液には、必要に応じてさらに防腐剤、防かび剤、殺菌剤を添加することができる。
さらに、凝集・増粘防止液には、界面活性剤を添加することもできる。この場合用いることができる界面活性剤としては、印字用液体に用いることができる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
(インクジェット記録装置、インクジェット用液体貯蔵用タンク、インクジェット用液体貯蔵用液体吸収体、インクジェット用液体廃液処理装置)
次に、以上に説明した本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法を利用した本発明のインクジェット記録装置、インクジェット用液体貯蔵用タンク(廃液貯蔵タンク)、インクジェット用液体貯蔵用液体吸収体(液体吸収体)、インクジェット用液体廃液処理装置(廃液処理手段)について以下に説明する。
本発明のインクジェット記録装置は、以上に説明した本発明のインクジェット用液体廃棄処理方法を利用したものであり、具体的には以下のような構成を有するものであることが好ましい。
すなわち、本発明のインクジェット記録装置は、印字用液体として、1種以上の第1の印字用液体と、1種以上の第2の印字用液体とを用い、1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有する廃液処理手段と、を少なくとも備え、前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とを、混合した状態の混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵する構成を有するものである。この際、前記混合廃液が、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を含んだ状態で前記廃液貯蔵部に貯蔵される。
従って、本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット用液体処理方法を利用しているため、装置内で、第1の印字用液体と第2の印字用液体とを混合した状態で廃棄処理しても、混合廃液の凝集や増粘を抑制することができる。
なお、本発明のインクジェット記録装置においては、混合廃液が、凝集・増粘防止剤を含んだ状態で廃液貯蔵部に貯蔵されるものであるが、廃液貯蔵部に貯蔵される混合廃液に含まれる凝集・増粘防止剤の混合廃液への添加のタイミングについては特に限定されるものではない。
すなわち、混合廃液として混合される第1の印字用液体および第2の印字用液体が、非印字時に記録ヘッドから排出された後から、両液が混合され最終的に廃液貯蔵部に貯蔵されるまでの少なくともいずれかの時点で、第1の印字用液体、第2の印字用液体、あるいは、両液体が混合された混合廃液から選択される少なくともいずれかの廃液に、凝集・増粘防止剤を添加することができる。
具体的には、廃液貯蔵部に、混合廃液と混合可能なように予め凝集・増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)が収納されていてもよい。この場合、混合廃液(あるいは、混合前の状態の第1の印字用液体および第2の印字用液体)がチューブ等を通して廃液貯蔵部に回収され、廃液貯蔵部に貯蔵された時点で凝集・増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)と混合されるため、混合廃液の凝集・増粘を防止することができる。
なお、廃液貯蔵部に貯蔵される混合廃液が、混合廃液としてチューブ等を通じて回収され、且つ、廃液貯蔵部に到達するまでに凝集・増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)が添加されない場合には、廃液貯蔵部の廃液入口(当該廃液入口とは、混合廃液を廃液貯蔵部まで移送するチューブやパイプ等と接続された部分を意味する)の近傍に、混合廃液と混合可能なように凝集・増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)を収納しておくことが好ましい。廃液入口付近に増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)を収納しておかない場合には、廃液入口付近で凝集・増粘が発生して、新たに廃液貯蔵部に移送される混合廃液の廃液貯蔵部への流入を阻害してしまう場合がある。
本発明のインクジェト記録装置に用いられる廃液貯蔵部の形態は、非印字時に記録ヘッドから排出された印字用液体がインクジェット記録装置内に飛散しないように貯蔵できる機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、密閉型の容器状の廃液貯蔵タンクであってもよく、また、自重の数倍から数十倍以上の液体を吸収・保持できる公知の高分子ゲルや繊維等の吸水性の物質からなる液体吸収体であってもよい。なお、液体吸収体を用いる場合には、廃液貯蔵タンク内に設置して用いることが好ましい。
また、廃液貯蔵部はインクジェット装置内に2つ以上設けてもよいが、本発明のインクジェット記録装置においては、廃液貯蔵部は1つであることが好ましく、また、廃液貯蔵部の内部には、非印字時に記録ヘッドから排出された全種類の印字用液体を分別・分離して貯蔵するための仕切り等の一切ない(すなわち、全種類の印字用液体を全て混合した状態で貯蔵する)1室型の廃液貯蔵部であることがより好ましい。
本発明のインクジェット記録装置は、印字に用いる全種類の印字用液体を混合した状態で貯蔵しても廃液貯蔵部内での凝集や増粘を抑制することができるため、1室型の廃液貯蔵部を1つのみ設けても、従来のように凝集や増粘に起因する目詰まり等によって、実際に貯蔵可能な廃液の量が、設計上の廃液貯蔵部の貯蔵容量よりも少なくなることがない。また、このような理由から廃液貯蔵部の大きさを従来よりも小さくすることができる。
さらに、廃液処理手段として1室型の廃液貯蔵部を1つのみ用いる場合には、記録ヘッドから排出された印字用液体を回収し、廃液貯蔵部まで導くチューブ等の回収パイプを1本のみにすることも可能である。特に、非印字時に記録ヘッドから印字用液体が排出されるとほぼ同時に、増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)を添加する場合には、回収パイプ内での混合廃液の凝集や増粘による目詰まりを確実に防止できるため、廃液貯蔵部に接続される回収パイプを1本のみとすることができる。
一方、使用するいずれかの印字用液体同士を混合すると凝集や増粘が発生するような印字用液体を用いた従来のインクジェット記録装置内に設けられる廃液処理手段は、廃液貯蔵部や回収パイプにおける目詰まり等を防止するために複数の廃液貯蔵部を有していたり、内部が2室以上に区切られた廃液貯蔵部を用いていたりしていた。また、これら廃液貯蔵部に接続される回収パイプは、複数設けられているのが一般的であった。このため、廃液処理手段が複雑化、大型化しやすく、また、廃液処理手段を構成する部品数も多くなるため、作製コストも高くなる傾向にあった。
しかしながら本発明のインクジェト記録装置は、本発明のインクジェット液体廃棄処理方法を利用しているため、上述したようにインクジェト記録装置内に設置される廃液処理手段を簡素化・小型化することができ、また、低コストで作製することが可能である。
上述したように凝集・増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)は、混合廃液として混合される第1の印字用液体および第2の印字用液体が、メンテナンス時に記録ヘッドから排出された後から、両液が混合され最終的に廃液貯蔵部に貯蔵されるまでの少なくともいずれかの時点で、第1の印字用液体、第2の印字用液体、あるいは、両液体が混合された混合廃液から選択される少なくともいずれかの廃液に添加することができる。
しかしながら、2価以上の金属イオンがアニオン化合物と反応することによる混合廃液の凝集・増粘をより効果的に抑制・防止するためには、第1の印字用液体と第2の印字用液体が混合された時点あるいはその直後に凝集・増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)を添加することが好ましく、記録ヘッドから排出された直後から第2の印字用液体と混合される直前までのいずれかの時点の第1の印字用液体に凝集・増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)を添加することが特に好ましい。
このようなタイミングで、凝集・増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)を混合廃液、あるいは、記録ヘッドから排出された直後から(第2の印字用液体と混合された)混合廃液とされる直前までの第1の印字用液体に添加することにより、2価以上の金属イオンがアニオン化合物と反応するのをより効果的に防止でき、混合廃液の凝集・増粘を抑制することがより容易となる。
凝集・増粘防止剤(あるいは凝集・増粘防止液)を、混合廃液として混合される第1の印字用液体および第2の印字用液体が、非印字時に記録ヘッドから排出された後から、両液が混合され最終的に廃液貯蔵部に貯蔵されるまでの少なくともいずれかの時点で、第1の印字用液体、第2の印字用液体、あるいは、両液体が混合された混合廃液から選択される少なくともいずれかの廃液に添加するための凝集・増粘防止剤添加手段としては特に限定されず、公知の方法を利用することができる。
この凝集・増粘防止剤添加手段の具体例としては、例えば、回収パイプの途中や廃液貯蔵部に接続された凝集・増粘防止液供給装置を設けることができる。
しかしながら、本発明のインクジェット記録装置においては、凝集・増粘防止剤添加手段として、凝集・増粘防止液を吐出するノズルを備えた液体吐出装置でを用いることが好ましい。
このような液体吐出装置は、記録ヘッドが印字やメンテナンス(非印字時)に際して移動する走査線上に移動可能なように配置することが好適である。また、液体吐出装置の構成は、印字に用いられる記録ヘッドと同様のものを利用することができるため、走査線上に印字用の記録ヘッドと凝集・増粘防止液を添加するための凝集・増粘防止液付与用ヘッド(液体吐出装置)とを設けることができる。
また、記録ヘッドは、通常、2種類以上の液体をそれぞれ収納する液体収納用カートリッジを備え、各々の液体を別々のノズルから吐出できるように構成されているものが一般的に用いられる。このような場合、液体収納用カートリッジに収納される少なくとも1種を印字用液体とし、他の1種を凝集・増粘防止液とすることができる。具体例を挙げれば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックインクを各々収納した液体収納用カートリッジの他に、凝集・増粘防止液を収納した液体収納用カートリッジも搭載した記録ヘッドを利用することができる。この場合、記録ヘッドが、凝集・増粘防止液付与用ヘッドの機能も兼有することとなり、インクジェット記録装置の構成をより簡素化できる。
なお、記録ヘッドのメンテナンスは、従来と同様、非印字時に公知の方法を利用して行なうことができる。例えば、非印字時にダミージェットを利用して記録ヘッドのノズル内の印字用液体を排出する場合には、メンテナンス部の廃液処理手段の廃液貯蔵部に、排出される印字用液体が回収可能な位置にまで記録ヘッドを移動させてから印字用液体を吐出(ダミージェット)させることができる。
あるいは、非印字時に吸引を利用して記録ヘッドのノズル内の印字用液体を排出する場合には、廃液処理手段の廃液貯蔵部に吸引ポンプおよびチューブを介して接続されたキャップ部材を介して、記録ヘッドのノズル内の印字用液体を吸引することができる。なお、このキャップ部材は、メンテナンス時にメンテナンス部に移動してきた記録ヘッドの、ノズル面に略密着するように配置されるものである。
なお、上述したような記録ヘッドと凝集・増粘防止液を添加するためのメンテナンス用ヘッドとを用いる場合には、例えば、記録ヘッドをメンテナンス部の印字用液体が排出可能な位置にまで移動させてから、ダミージェットや吸引等により印字用液体を排出させ、次に、凝集・増粘防止液付与用ヘッドを同様の位置に移動させて凝集・増粘防止液を排出させることができる。
勿論、この場合、まず、記録ヘッドをメンテナンス部に移動させて第1の印字用液体のみを排出させ、次に、凝集・増粘防止液付与用ヘッドをメンテナンス部に移動させて凝集・増粘防止液を排出させ、その後、再び記録ヘッドをメンテナンス部に移動させて第2の印字用液体のみを排出させることも可能である。この場合、実質的に第1の印字用液体に凝集・増粘防止液が添加されてから、さらに第2の印字用液体が混合されるため、混合廃液の凝集・増粘をより効果的に抑制することができる。
なお、上述したように記録ヘッドが凝集・増粘防止液付与用ヘッドの機能も兼有する場合には、記録ヘッドから排出される液体を回収する廃液回収口に対して、記録ヘッドから排出される各液体(第1の印字用液体、第2の印字用液体、および、凝集・増粘防止液)のノズル面を移動させて、上記のように第1の印字用液体、凝集・増粘防止液、および、第2の印字用液体の順に順次排出させることができる。
また、上述したようなダミージェットや吸引等によるノズル内の印字用液体の排出以外にも、ノズル面の汚れを清掃するために、メンテナンス時にメンテナンス部に移動してきた記録ヘッドのノズル面をワイピングするワイパーを設けることもできる。さらに、メンテナンスに際しては、上述したようなダミージェット、吸引、ワイピング等、公知の記録ヘッドメンテナンス方法を複数組み合わせてメンテナンスを実施することも可能である。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
I)インクおよび凝集・増粘防止液の作製
インクの作製は色材溶液に、水溶性有機溶媒、その他添加剤、イオン交換水を適量加え、各材料が所定量含まれるように調製したあと、混合・攪拌を行った。その後、ブラックインクについては目開き1μmフィルタを用い、カラーインク、については目開き0.5μmフィルタを用いてろ過を行い各色のインクを得た。また、凝集・増粘防止液については、必要成分が所定量含まれるように調製したあと、混合・攪拌を行い、これを目開き0.5μmフィルタでろ過を行った。
以下にブラック、シアン、マゼンタ、イエローからなるインクセット1の各色のインクの調整に用いた原料およびその使用量、並びに、凝集・増粘防止液1の調整に用いた原料およびその使用量について示す。
−インクセット1−
<ブラックインク>
・Cabojet300(キャボット社製、アニオン性色材):5.0質量部
・1,5−ペンタンジオール:10質量部
・チオジエタノール:10質量部
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル:2.0質量部
・チオ尿素:3.0質量部
・イソプロピルアルコール:4.0質量部
・イオン交換水:66質量部
<シアンインク>
・C.I.AcidBlue−9:3.5質量部
・1,5−ペンタンジオール:10質量部
・チオジエタノール:10質量部
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル:2.0質量部
・チオ尿素:3.0質量部
・イソプロピルアルコール:4.0質量部
・水酸化ナトリウム:0.03質量部
・硫酸マグネシウム:1.0質量部(マグネシウム約2000ppm相当)
・イオン交換水:66.47質量部
なお、上記組成のインクには2価以上の金属としてマグネシウムイオンが含まれ、その含有量は約2000ppmである。
<マゼンタインク>
・ILM−377(ILFORD製):3.0質量部
・1,5−ペンタンジオール:10質量部
・チオジエタノール:10質量部
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル:2.0質量部
・チオ尿素:3.0質量部
・イソプロピルアルコール:4.0質量部
・水酸化ナトリウム:0.03質量部
・硫酸マグネシウム:1.0質量部(マグネシウム約2000ppm相当)
・イオン交換水:66.97質量部
なお、上記組成のインクには2価以上の金属としてマグネシウムイオンが含まれ、その含有量は約2000ppmである。
<イエローインク>
・C.I.Acid Yellow−23:3.0質量部
・1,5−ペンタンジオール:10質量部
・チオジエタノール:10質量部
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル:2.0質量部
・チオ尿素:3.0質量部
・イソプロピルアルコール:4.0質量部
・水酸化ナトリウム:0.03質量部
・硫酸マグネシウム:1.0質量部(マグネシウム約2000ppm相当)
・イオン交換水:66.97質量部
なお、上記組成のインクには2価以上の金属としてマグネシウムイオンが含まれ、その含有量は約2000ppmである。
−凝集・増粘防止液1−
・クエン酸ナトリウム:20質量部
・ジエチレングリコール:20質量部
・イオン交換水:60質量部
II)評価
II−1)インクジェット記録装置
上記のインクセットのみ、および、インクセットと凝集・増粘防止剤とを組み合わせを用いて、以下に説明するインクジェット記録装置により印字および記録ヘッドのメンテナンスを行ない、メンテナンス部の廃液処理系統の異常の有無および印字された画像の画質について評価した。
用いたインクジェット記録装置は、フルカラーの印字が可能な熱インクジェット方式を利用したものであり、ブラックインクおよび凝集・増粘防止液を吐出する400dpi、256ノズルの試作記録ヘッドと、各カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)を吐出する800dpi、512ノズルの試作記録ヘッドとを搭載したものである。
また、このインクジェット記録装置内には、ダミージェットおよび吸引により記録ヘッドのノズル内の印字用液体および凝集・増粘防止液を回収する複数のキャップと、このキャップに吸引ポンプを介して1本のチューブにより接続された廃液貯蔵部と、記録ヘッドのノズル面をワイピングするワイパーとを備えた廃液処理手段を含むメンテナンス装置が設けられている。
なお、吸引やダミージェット時に排出され、キャップ部分から回収された印字用液体および凝集・増粘防止液は全て1本のチューブを伝わって、ポリエステルフィルム繊維から成る液体吸収体が入った1つの廃液貯蔵タンクへと回収される。また、液体吸収体は最大で600mlの液体を吸収できる能力をもっており、予め、凝集・増粘防止液を60ml付与した状態で廃液貯蔵タンク内にセットした。
また、記録ヘッドからの印字用液体および凝集・増粘防止液の吸引は、非印字時にメンテナンス部に移動した各記録ヘッドの各液体を吐出するノズル面に対応して配置されたキャップを、ノズル面と対向させた状態で一定量の液体を吸引するように吸引ポンプを駆動させて実施した。一方、記録ヘッドからの印字用液体および凝集・増粘防止液のダミージェットは、非印字時に、上述のキャップ内にノズル面から印字用液体および凝集・増粘防止液を吐出して行なった。
また、ダミージェットの動作は、画像の印字に際して、記録ヘッドが非印字状態となってメンテナンス部に移動して適宜実施するようにプログラミングし、また、これら吸引、ダミージェットの動作後にはノズル面のワイピングが行なわれるように記録ヘッドおよびメンテナンス部の動作をプログラミングした。
画像の印字は、記録用紙としてロール紙を用い、23℃、55%RH環境で画像の印字を行なった。この際、記録ヘッドからの印字用液体および凝集・増粘防止剤の吐出はこれらの液体に複数パルスを印加することにより1ドロップを形成して行った。なお1ドロップあたりの量はブラックインクおよび凝集・増粘防止液では約18pl、各カラーインクでは約6plであった。
II−2)廃液処理系統の異常の有無および画像の画質
ブラック画像部にシアン、マゼンタ、イエロー3色をブラック100%カバレッジパッチに対してシアン、マゼンタ、イエローそれぞれ16.7%ずつのカバレッジで下印字を一括双方向でキャリッジ10往復分、ブラックとシアン、ブラックとマゼンタ、ブラックとイエローを交互に隣接するよう100%カバレッジパッチ印字を一括双方向でキャリッジ10往復分連続印字した。用紙はFX−P紙をロール状に加工したものを使用した。
その後各キャップ内に、ブラックインク及び凝集・増粘防止液を全ノズルから各1000発、カラーインクを3000発ずつ打ちこむダミージェット操作を行った。
この印字−ダミージェットを交互に1000回繰り返したところで記録ヘッドのノズル面がキャップで覆われた状態で48h放置し、放置後に吸引ポンプにより全てのヘッドの各液に対応したノズル面から印字用液体および凝集・増粘防止液を各0.5mlずつ吸引し、再び印字−ダミージェット−吸引操作を200回繰り返し、吸引ポンプ、チューブの詰まりがないかどうか、また、廃液貯蔵タンクからの逆流及び溢れ出しがないかを吸引1回ごとに観察した。
なお、凝集・増粘防止液を用いずに評価した場合には、ダミージェットおよび吸引はインクのみを記録ヘッドから排出することにより実施した。
また、得られた印字パターンについて、カラーインクによる下印字ありのブラック画像濃度、ブラックと、シアン、マゼンタ、イエロー100%カバレッジパッチの隣接部分との色間にじみを観察した。
III)評価結果
廃液処理系統の異常の有無および画像の画質の結果は以下の通りである。すなわち、第1の印字用液体(カラーインク)と第2の印字用液体(ブラックインク)とからなるインクセット1に、凝集・増粘防止液を併用した実施例1では、最後まで、吸引ポンプ、チューブに詰まりは発生せず、また、廃液貯蔵タンクからの逆流及び溢れ出しは見られなかった。
一方、インクセット1のみを用いた比較例1では、10回目のポンプ吸引時に動作が正常に行われず、分解した結果、チューブ内部に局所的に凝集物の付着がみられ、廃液貯蔵タンク内に設置された液体吸収体の、廃液貯蔵タンクにチューブの一端が接続された入り口付近で凝集物の堆積がみられた。
なお、実施例1および比較例1共に、第1の印字用液体(カラーインク)と第2の印字用液体(ブラックインク)とを組み合わせたインクセット1を用いていたためにブラック画像濃度が高く、また、色間にじみもみられなかった。なお、これらの結果を要約したものを表1に示す。
Figure 0004432407

Claims (28)

  1. 2価以上の金属イオンを含む第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む第2の印字用液体とを混合した状態の混合廃液として廃棄処理するインクジェット用液体廃棄処理方法において、
    前記混合廃液が、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を含んだ状態で廃棄処理されることを特徴とするインクジェット用液体廃棄処理方法。
  2. 印字用液体として、1種以上の前記第1の印字用液体と、1種以上の前記第2の印字用液体とを用い、
    1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有する廃液処理手段と、を少なくとも備え、
    前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とを、混合した状態の混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵するインクジェット記録装置を用いたインクジェット用液体廃棄処理方法において、
    前記混合廃液が、前記凝集・増粘防止剤を含んだ状態で前記廃液貯蔵部に貯蔵されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  3. 前記凝集・増粘防止剤が、前記金属イオンをキレート化するキレート剤、あるいは、前記アニオン化合物に対して、前記金属イオンをマスキングするマスキング剤であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  4. 前記凝集・増粘防止剤が、ニトリロ三酢酸、N,N−(−2ヒドロキシエチル)−グリシン、エチレンジアミン−N、N、N’、N’−四酢酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、リン酸、および、これらの塩からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  5. 前記ジカルボン酸、その塩が、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリウムからなる酒石酸類より選択される少なくとも1種であり、前記トリカルボン酸、その塩が、クエン酸、クエン酸リチウム、クエン酸カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三アンモニウムからなるクエン酸類より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  6. 前記凝集・増粘防止剤が、不揮発性有機溶媒および水を含む液体に溶解させた状態の凝集・増粘防止液として用いられることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  7. 前記凝集・増粘防止液が、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  8. 前記不揮発性有機溶媒が、多価アルコール類、および、グリコールエーテル類からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  9. 前記第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属イオンの含有量が、100ppm以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  10. 前記第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属イオンの含有量が、500ppm以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  11. 前記2価以上の金属イオンが、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、および、Inからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  12. 前記2価以上の金属イオンが、Mgであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  13. 前記アニオン化合物が、アニオン性色材であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  14. 前記印字用液体として、色材を含む2種以上のインクを用いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  15. 前記印字用液体として、色材を含む1種以上のインクと、1種以上の処理液とを用いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用液体廃棄処理方法。
  16. 印字用液体として、2価以上の金属イオンを含む1種以上の第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む1種以上の第2の印字用液体とを用い、
    1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有する廃液処理手段と、を少なくとも備え、
    前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とを、混合した状態の混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵するインクジェット記録装置において、
    前記混合廃液が、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を含んだ状態で前記廃液貯蔵部に貯蔵されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  17. 前記廃液貯蔵部が、液体吸収体を含むことを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  18. 前記廃液貯蔵部が、廃液貯蔵タンクを含むことを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  19. 前記廃液処理手段が、前記記録ヘッドから排出される全種類の印字用液体全てを混合した状態で貯蔵する1室型の廃液貯蔵部を1つのみ有することを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  20. 前記廃液処理手段が、前記記録ヘッドから排出される全種類の印字用液体全てを混合した状態で回収し、前記1室型の廃液貯蔵部に移送する廃液回収パイプを1本のみ有することを特徴とする請求項19に記載のインクジェット記録装置。
  21. 前記凝集・増粘防止剤が、前記混合廃液と混合可能な状態で、前記廃液貯蔵部に予め収納されていることを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  22. 前記混合廃液、前記記録ヘッドから排出され最終的に前記混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵される第1の印字用液体、および、前記記録ヘッドから排出され最終的に前記混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵される第2の印字用液体から選択される少なくともいずれかの廃液に、
    前記記録ヘッドから前記第1の印字用液体および前記第2の印字用液体の少なくとも一方が排出された後のいずれかの時点において、
    前記凝集・増粘防止剤を添加する凝集・増粘防止剤添加手段を含むことを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  23. 前記凝集・増粘防止剤添加手段が、前記記録ヘッドから排出され最終的に前記混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵される第1の印字用液体に、前記凝集・増粘防止剤を添加するものであることを特徴とする請求項22に記載のインクジェット記録装置。
  24. 前記凝集・増粘防止剤添加手段が、前記凝集・増粘防止剤を溶解させた液体を吐出するノズルを備えた液体吐出装置であることを特徴とする請求項22に記載のインクジェット記録装置。
  25. 前記記録ヘッドが、少なくとも2種類以上の液体を別々に吐出する複数のノズルを備え、前記液体の少なくとも1種が、前記印字用液体であり、他の少なくとも1種が前記凝集・増粘防止剤を溶解させた液体であることを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  26. 印字用液体として、2価以上の金属イオンを含む1種以上の第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む1種以上の第2の印字用液体とを用い、
    1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵するインクジェット用液体貯蔵用タンクを少なくとも有する廃液処理手段と、を少なくとも備え、
    前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とを、混合した状態の混合廃液として前記インクジェット用液体貯蔵用タンクに貯蔵するインクジェット記録装置に用いられるインクジェット用液体貯蔵用タンクにおいて、
    前記混合廃液と混合可能な状態で、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を予め含んでいることを特徴とするインクジェット用液体貯蔵用タンク。
  27. 印字用液体として、2価以上の金属イオンを含む1種以上の第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む1種以上の第2の印字用液体とを用い、
    1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵するインクジェット用液体貯蔵用液体吸収体を少なくとも有する廃液処理手段と、を少なくとも備え、
    前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とを、混合した状態の混合廃液として前記インクジェット用液体貯蔵用液体吸収体に貯蔵するインクジェット記録装置に用いられるインクジェット用液体貯蔵用液体吸収体において、
    前記混合廃液と混合可能な状態で、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を予め含んでいることを特徴とするインクジェット用液体貯蔵用液体吸収体。
  28. 印字用液体として、2価以上の金属イオンを含む1種以上の第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む1種以上の第2の印字用液体とを用い、
    1種類以上の液体を吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を回収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有するインクジェット用液体廃棄処理装置と、を少なくとも備え、
    前記非印字時に前記記録ヘッドから排出された、前記第1の印字用液体の少なくとも1種と、前記第2の印字用液体の少なくとも1種とを、混合した状態の混合廃液として前記廃液貯蔵部に貯蔵するインクジェット記録装置に用いられるインクジェット用液体廃棄処理装置において、
    前記混合廃液が、前記金属イオンと前記アニオン化合物との反応を防止する凝集・増粘防止剤を含んだ状態で前記廃液貯蔵部に貯蔵されることを特徴とするインクジェット用液体廃棄処理装置。
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