JP5186773B2 - 廃液タンク、液体吐出装置、画像形成装置 - Google Patents

廃液タンク、液体吐出装置、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は廃液タンク、液体吐出装置、画像形成装置に関する。
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、「液体」とは、記録液、インクに限るものではなく、吐出されるときに流体となるものであれば特に限定されるものではない。また、「液体吐出装置」とは液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像形成を行うものに限定されない。
このような液体吐出ヘッドを用いる液体吐出装置や画像形成装置においては、記録液を吐出する液体吐出ヘッドの性能を維持回復する機構が不可欠である。このヘッドの性能維持回復機構の主な機能は、インクの自然蒸発によるノズル孔付近の記録液の増粘固着を防止するために密閉性の高いキャップ部材で覆うキャップ機能と、ノズル孔内に発生した気泡などによる吐出不良を、記録液を排出することで回復し、またキャップ機能を通じてヘッドのノズルから記録液を吸引排出する吐出回復機能と、ノズル面に付着し液滴の飛翔状態を変化させる原因となる残留記録液を拭き取るためのワイピング機能などで構成される。
そして、このようなヘッドの性能維持回復動作を行うことによって、記録(画像形成)に用いられない記録液が廃記録液となって排出されることになり、この廃記録液を貯留収容するための廃液タンク(廃液収容容器、廃液収容ユニットなどともいう。)を備え、また、この廃液タンクが満タンになったことを検知するための満タン検知センサを備えるものなどがある。
例えば、特許文献1には、廃液タンク内に吸収材を設け、室温で水銀柱20mmより低い蒸気圧を有する実質的に非反応性の廃液保湿液であって、かつ炭化水素化合物を含む液体を用いて吸収体を湿らせて、廃液タンク内に排出された廃記録液の吸収性を増加させることで、堆積物の山の発生を防止すること、さらには炭化水素化合物がパラフィンオイルであると、特に吸収材の廃記録液の吸収力が増加して、より堆積物の山の発生が防止できることが記載されている。
特許第3552790号公報
特許文献2には、廃記録液タンク内に、金属塩からなるインク凝固剤を具備し、この凝固剤は、水性溶媒に溶解した金属塩溶液として、多孔質体である吸収体に含浸して廃記録液タンク内に配設することが記載されている。
特開平10−119309号公報
その他、特許文献3には、廃記録液を再利用することが記載されている。
特開2003−326692号公報
特許文献4には、機能液の重量を測定する測定装置であって容器内部に吐出した機能液を吸収保持する機能液吸収材が充填された受け容器を備えることが記載されている。
特開2004−177262号公報
特許文献5には、液滴を受ける受容層と、この受容層の液体を吸収し拡散させる拡散層とにより構成され、上記受容層の密度と拡散層の密度は拡散層の方が大きく設定されてことが記載されている。
特開2004−155182号公報
特許文献6には、液滴の性能を把握するために、液滴を回収する回収容器を設け、回収容器に液滴の噴射方向と同方向に吸引力を発生させてヘッドから噴射された液滴を回収容器内に吸引する液体ポンプを設けることが記載されている。
特開平10−264411号公報
ところで、最近のインクを用いる画像形成装置においては、普通紙への高品質印字を可能にするために着色剤として有機顔料、カーボンブラック等を用いる顔料系インクの使用が検討、あるいは実用化がされているが、顔料は、染料とは異なり水への溶解性がないため、通常は、顔料を分散剤とともに混合し、分散処理して水に安定分散させた状態の水性インクとして用いられる。
このような顔料系インクは染料系インクよりも総じて粘度が高くなり、高粘度故の問題が生じている。すなわち、高粘度インクの廃液(廃記録液)は増粘し易く、増粘した廃記録液を吸収部材に落とすと廃記録液がその部分で堆積し易くなり、廃記録液が吸収部材に吸収されなくなる。
その結果、廃液タンク内に堆積した廃記録液を伝って、新たに投入される廃記録液が廃液タンク外に溢れてしまうおそれが生じる。また、堆積物が柱状に成長して液体吐出ヘッドや媒体と干渉するおそれが生じる。
そこで、上述した特許文献1に記載されているように室温で水銀柱20mmより低い蒸気圧を有する実質的に非反応性の廃液保湿液であって、かつ炭化水素化合物を含む液体を用いて吸収体を湿らせるようにすることが提案される。
しかしながら、このような構成を採用しても、高温低湿の条件では廃記録液の廃液タンクへの投入が頻繁になると、あるいは、高粘度、速乾性のインクであると、吸収材の廃記録液の吸収が廃記録液の投入に追いつかなくなり、吸収体表面に付着して堆積したインクが徐々に堆積量を増して吸収材の空孔を塞ぎ、堆積物の山が形成されるため、十分ではないという課題がある。
また、特許文献2に記載されているようにインクと反応性を要する金属塩を溶解する保湿剤を含む水溶性溶媒を収容した場合、金属塩がインクと反応して凝集してしまうため、廃液タンク内に何も収容しない場合よりもむしろ廃記録液の堆積物の山はできやすくなってしまうという課題がある。さらには、受容部材も収容するため、上述したように色材が凝集した廃記録液は高粘度となって受容部材に吸収されにくくなってしまうため、廃記録液を吸収できなくなるという課題もある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、堆積を生じやすい廃記録液を、堆積を抑制して収容する廃液タンク、この廃液タンクを備える液体吐出装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る廃液タンクは、
廃棄される廃記録液を収容する廃液タンクにおいて、
前記廃記録液を受け入れる第1室と、
前記廃記録液を吸収可能な受容部材を収納した第2室と、を有し、
前記廃記録液の表面に液層を形成する廃液保湿液が液状のまま収容され
前記廃液保湿液は前記廃記録液が収容されて液面が上昇したときに前記第1室側と前記第2室側に分離される
構成とした。
本発明に係る液体吐出装置、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る廃液タンクを備えているものである。
本発明に係る廃液タンクによれば、廃記録液の堆積が防止される。
本発明に係る液体吐出装置、本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る廃液タンクを備えているので、廃記録液の堆積物が液体吐出ヘッドと干渉したり、あるいは、媒体と干渉したりすることを防止できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
先ず、本発明の概要について説明する。
廃記録液は空気に晒されていると、ビヒクル或いは分散液が蒸発して増粘する。特に、高温低湿の条件下では廃記録液は増粘し易い。高温低湿の条件下において、吸収材に廃記録液を十分に吸収させるためには、廃記録液をできるだけ乾燥させず流動性を失わせない状態にする必要である。
そこで、本発明者らは、廃液タンク内に廃記録液が排出される前に、予め廃記録液を受け入れる箇所となる液体をすべて、あるいは一部、受容部材に含まれずに、液面を空気にさらした状態で廃液タンク内に収容した本発明に係る廃液タンクを発明したものである。本発明ではこの液体を「廃液保湿液」と呼称している。
本発明に係る廃液タンクでは、廃液保湿液の液層の液面に向かって廃記録液を吐出する、もしくは廃液保湿液の中に排出して、廃記録液を流動性のある液体で受け止めることで、廃記録液の空気との接触時間を減らし、乾燥しにくくし、これにより、廃記録液の増粘を抑えている。廃記録液の増粘を抑えられれば、廃記録液は流動性が保たれるため、廃記録液の自重で平らにならされるので、堆積物が山になることで生じる問題は生じなくなる。
本発明では、液体吐出ヘッドから記録以外の目的で排出された記録液を廃記録液、廃液タンクに廃記録液の受け手場所として用意する液体を廃液保湿液、廃記録液の廃液タンクへの排出後の廃液保湿液と廃記録液の混合物、及び、廃液保湿液中に廃記録液が排出されてできる廃液保湿液に含まれる有機溶媒と色材が分散または溶解した液体が二層以上に分離してなる液体の総称を廃液と呼称する。また、特に断りが無い場合、有機溶媒とは廃液保湿液に含まれる有機溶媒であり、廃液保湿液のすべてが有機溶媒であることもある。
廃液保湿液の揮発性が高いと蒸発して失われてしまうため、前記廃記録液を自重で平らにする機能を長期間維持できない。したがって、廃液保湿液は廃記録液のビヒクルよりも揮発性の低い有機溶媒を含んでいることが好ましく、更には、廃記録液と廃液保湿液で廃液タンクが満タンになって寿命を迎えるまでの期間は少なくとも流動性のある液体で廃記録液を受け止められるように、廃液保湿液が含む有機溶媒が蒸発して無くならない必要がある。したがって、廃液保湿液に含まれる有機溶媒は、記録液を画質が良好で安価な水系の記録液とするならば、少なくとも常温常圧の環境下において蒸気圧が水よりも小さい揮発性の低い有機溶媒であることが好ましい。
廃記録液を増粘させないためには廃記録液のビヒクルの揮発を防ぐ必要がある。本発明における廃記録液のビヒクルの揮発を防ぐ手段の一つは、保湿性が高い難揮発性の有機溶媒を含んでいる廃液保湿液に廃記録液を分散させ混合することで廃記録液のビヒクルの揮発を防ぐ手段である。
本発明における廃記録液のビヒクルの揮発を防ぐもう一つの手段は、廃記録液よりも比重の軽い有機溶媒であって、かつ廃記録液と相溶性が低く二層分離する有機溶媒を廃液保湿液に含有して、廃記録液が廃液保湿液内に排出されたとき該有機溶媒で空気との界面を覆って廃記録液の空気との接触を絶ち、廃記録液のビヒクルの蒸発を防ぐ手段である。
廃記録液のビヒクルの揮発は廃液タンクが満タンになって廃液タンクが寿命を迎えるまで完全に防げることが好ましいが、廃記録液のビヒクルの揮発を廃記録液が自重で平らになるまでの期間、廃記録液が流動性を失わなければ本発明の目的を十分に達成することができる。
本発明における廃記録液の廃液タンク内への送り込み方法は、特に限定されるものではなく、廃液保湿液の液面に廃記録液を投入する(落とす)方法と、廃記録液をチューブ等で導いて、廃液保湿液内に送り込む方法がある。廃液保湿液の液面に廃記録液を落とす方法は、構成が単純で部品点数が少なく済み、コスト安である。一方、廃記録液をチューブ等で直接廃液保湿液内に送り込む方法は、廃記録液を撒き散らさずに済むため、より廃記録液の増粘を防いで廃記録液を貯蔵できる利点がある。
(廃液保湿液の成分)
本発明における好ましい廃液保湿液は、以下のような特徴を持ち合わせた有機溶媒を含む廃液保湿液である。
〈保湿性の高い有機溶媒に廃記録液を分散する場合〉
廃記録液のビヒクルの揮発を保湿性の高い有機溶媒に廃記録液を分散、または溶解させて防ぐ方法とする場合、該有機溶媒はグリコール類、グリセリン等が保湿性に優れるため好ましい。特に、グリコール類は親水性で分子量が大きく、揮発性がごくわずかであるため、記録液が水系の場合、より好ましい。
廃液タンク内に収容し、用意すべき廃液保湿液の量は、廃液タンクが廃液で満タンになっても色材の分散が廃液中で維持されるために十分な量であることが好ましい。色材の分散を十分に維持するために必要な廃液保湿液の量は、色材の廃液保湿液への分散性、廃液タンクの容量、廃液保湿液の揮発性によって決まる。
〈不揮発性の油で界面を覆い、廃記録液のビヒクル蒸発を防ぐ場合〉
廃記録液のビヒクルの揮発を廃記録液よりも比重の軽い有機溶媒であって、かつ廃記録液と相溶性が低く二層分離する有機溶媒を廃液保湿液に含有して、廃記録液が廃液保湿液内に排出されたとき、この有機溶媒で空気との界面を覆って廃記録液の空気との接触を絶って、廃記録液のビヒクルの蒸発を防ぐ方法とする場合、この有機溶媒は油類が好ましい。
揮発性の高い油類を廃液保湿液に含有した場合、本発明の目的である廃記録液の揮発を抑え、自重で平らにならす機能を有するが、廃液保湿液が揮発して減少してしまうため、定期的な補充が必要になる不都合がある。また、揮発成分が不快な臭気を発する場合もあり好ましくない。
また、廃記録液のビヒクルの揮発を廃記録液よりも比重の軽い有機溶媒であって、かつ廃記録液と相溶性が低く二層分離する有機溶媒を廃液保湿液に含有して、廃記録液が廃液保湿液内に排出されたとき、この有機溶媒で空気との界面を覆って廃記録液の空気との接触を絶って、廃記録液のビヒクルの蒸発を防ぐ方法とする場合、廃記録液のビヒクルの揮発を保湿性の高い有機溶媒に廃記録液を分散、または溶解させて防ぐ方法とする場合よりも、廃液が空気と触れる表層が有機溶剤で覆われていれば十分に廃記録液の増粘を防止可能であるため、少量の廃液保湿液で廃記録液の堆積物の山の形成を防ぐことができる。
その他、廃液保湿液には、消泡剤、防腐防黴剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化剤、還元剤、防錆剤、酸化防止剤などを含有することができる。
(廃液タンクの構成)
本発明に係る廃液タンクは、廃液保湿液で廃記録液を受ける部分とは別に、廃記録液を吸収する受容部材を収納した部分を持つと、画像形成装置が傾斜したとき、大量の廃液が廃液タンクから漏れ出させずに済み、これによって生じる使用現場の廃記録液色材による汚染、漏電、配電基盤ショートによる装置の故障などを防止できる。
〈不揮発性の油で界面を覆い、廃記録液のビヒクル蒸発を防ぐ場合〉
廃液タンクの構成を、廃液のビヒクルの揮発を廃記録液よりも比重の軽い有機溶媒であって、かつ廃記録液と相溶性が低く二層分離する有機溶媒を廃液保湿液に含有して、廃記録液が廃液保湿液内に排出されたとき該有機溶媒で空気との界面を覆って廃記録液の空気との接触を絶って、廃記録液のビヒクルの蒸発を防ぐ方法とする場合、廃液タンクは廃液保湿液で廃記録液を受ける部分と、廃記録液を吸収する受容部材を収容した部分に分けられ、廃液保湿液で廃記録液を受ける部分と廃記録液を吸収する受容部材を収納した部分は連通路で連通していて、廃液に連通路の上端が没するまで、一定量以上に廃記録液が貯蔵されて廃液の液面が上がると、廃液保湿液(有機溶媒)を廃液タンクは廃液保湿液で廃記録液を受ける部分と廃記録液を吸収する受容部材を収容した部分又は連通路との二つに分割するようになっている。
この場合、廃記録液を受ける部分では有機溶媒が引き続き廃記録液の保湿を行う機能を有し、受容部材を収納した部分では、受容部材は有機溶媒が完全に分割された後に、初めて廃液を吸収する構成とすることが好ましい。
そこで、廃液タンクにおいて、受容部材が最初に有機溶媒に触れる個所は、前記連通路の上端よりも高低差が高い位置にすることが好ましい。また、受容部材が最初に有機溶媒に触れる個所と連通路の上端の高低差は、受容部材が有機溶媒を吸収した後、廃液の液面が下がったとしても、廃液の界面は連通路の上端よりも下がらないように、受容部材が最初に有機溶媒に触れる個所と連通路の上端の高低差と受容部材の吸収力は調整されていることが好ましい。廃液の液面が連通路の上端よりも下がってしまうと、有機溶媒が廃記録液を受ける部分から流入してしまうため、有機溶媒が受容部材に吸収されて、徐々に廃記録液を受ける部分からも無くなってしまうという不都合を避けるためである。
また、廃記録液を受ける部分を囲う部分は、少なくとも受容部材が最初に有機溶媒に触れる個所より高い部分が囲われていれば、水頭差の影響で受容部材に廃液が吸収されないと不具合が無い。受容部材の上端よりも高い位置まで壁で囲われているとより好ましい。また、このとき、受容部材を収納する部分は、外側と通じていて、空気が抜ける様になっていることが好ましい。そうでないと、連通路が廃液に没した後、空気圧が邪魔をして受容部材に十分廃液を吸収することができなくなる。また、少なくとも初期状態から廃記録液を受ける部分に廃液保湿液が無ければ廃記録液の増粘を十分に防いで蓄えることが困難である。
さらに、廃液タンクを廃液保湿液で廃記録液を受けるユニットと、廃記録液を吸収する受容部材を収納したユニットに分割すれば、廃液タンクを設置するレイアウトの自由度を挙げることができる。
廃記録液を吸収する受容部材は有機溶媒ごと廃記録液を吸収してもよいが、有機溶媒の成分が廃記録液のビヒクルと相溶性が悪いため、受容部材に含まれた有機溶媒成分が廃記録液を弾いてしまい、廃記録液の吸収効率が悪くなってしまうことがある。このため、受容部材の有機溶媒を吸収する部分と、廃記録液を吸収する部分は分ける方が好ましい。
例えば、受容部材には突出部(凸部)を設けて、突出した受容部材の凸部でまず有機溶媒を吸収して、次いで、有機溶媒の浸漬していない凸部以外の部分(凹部)で廃記録液の吸収を行う構成とすることで、受容部材の有機溶媒を吸収する部分と、廃記録液を吸収する部分が分けられて、色材を含む液体は有機溶媒の影響を受けずに受容部材に吸収される。
さらには、受容部材の凸部と凹部の間に拡散制限板を設けて、浸漬した有機溶媒の拡散を凸部の狭い範囲に制限することで、受容部材の廃記録液の吸収効率が良くなり、より好ましい。有機溶媒の拡散を制限する拡散制限手段は何でも良く、例えば拡散防止板(隔壁部材)の代わりに、受容部材に幅広な切れ込みを入れて有機溶媒の拡散を防ぐこともできる。あるいは、有機溶媒を吸収する受容部材と、色材を含む液体しか吸収せず有機溶媒は吸収しない受容部材との2種類に受容部材を分けた構成とすることもできる。
また、本発明の廃液タンクは、廃液を受けるユニットと、受容部材を収めたユニットと、廃液を受けるユニットと受容部材を収めたユニットをつなぐ細い連通路を備えており、かつ、廃記録液を受けるユニットとのつなぎ部が、連通路の最高の高低差よりも低い高低差の位置にすることで、廃液タンクのレイアウトの自由度を高めた構成とすることができる。これにより、廃記録液を受けるユニットと受容部材を収めたユニットを離れた位置に配置することができる。
また、受容部材に吸収させなければならない廃記録液と相溶性が低く、廃記録液より比重の低い有機溶媒は、連通路に入り込む有機溶媒だけとなり僅かとなるため、受容部材に吸収される有機溶媒は少量とすることができる。
連通路において廃記録液を受けるユニットとのつなぎ部が最も低く、受容部材を収めたユニットとのつなぎ部が最も高い高低差の位置となるようにレイアウトすれば、機能を満たすシンプルな構成とすることができる。
さらには、有機溶媒の成分が廃記録液のビヒクルと相溶性が悪いと、受容部材に含まれた有機溶媒成分が廃記録液のビヒクルを弾いてしまい、廃記録液の吸収効率が悪くなってしまうため、まず有機溶媒を受容部材で吸収してから、有機溶媒が浸漬していない部分の受容部材から廃記録液を吸収する構造とすると、より好ましい。また、有機溶媒の拡散を限定した範囲に制限する拡散制限手段が設けられていると、受容部材の廃記録液の吸収効率が良くなり、より好ましい。
また、前記のように受容部材で記録液と相溶性の低い有機溶媒を吸収させると、有機溶媒を吸収した個所は廃記録液を吸収しにくくなるため、廃液の吸収が効率よく行えなくなってしまう。したがって、有機溶媒を吸収する受容部材の体積は小さいことが好ましく、有機溶媒を吸収する受容部材の部位も限定された狭い範囲にとどまることが好ましい。
本発明に係る廃液タンクでは、廃記録液を受ける部分(又はユニット)と、受容部材を収めた部分(又はユニット)の間を分離する弁を設け、廃記録液は有機溶媒が受容部材を収めたユニットに一定量以上蓄えられると弁が開いて、受容部材を収めた部分に連通して有機溶媒は残り、色材が分散した液体のみが受容部材を収めた部分に流入する構造とすることで、受容部材が有機溶媒を吸収しない構成とすることができる。これにより、廃液の吸収を効率よく行え、廃液タンクを小さくできるようになる。
弁の開閉は、廃記録液を受ける部分に蓄積した廃液量に連動したものである必要がある。液量の検知手段は、廃液に浮かぶ浮き(フロート)であっても良いし、或いは、電気的に通電で液量を検知するセンサであっても良い。
〈保湿性の高い有機溶媒に廃記録液を分散する場合〉
保湿性の高い有機溶媒に廃記録液を分散する場合、単純に受容部材に廃液保湿液に廃記録液が分散した廃液が吸収されると、徐々に廃液保湿液の割合が減ってしまい、廃液保湿液が保湿の機能を保てなくなる。したがって、廃液保湿液の割合が廃記録液を受けるユニットにおいて、廃記録液の分散ができなくなるほど小さくならないように十分な量の廃液保湿液を廃液タンクに収容する必要がある。
次に、本発明に係る廃液タンクをカートリッジ化することで、廃液タンクが短寿命化してしまうことを回避することができる。
つまり、本発明に係る廃液タンクを搭載した画像形成装置は、廃記録液を廃液保湿液の液面に向かって吐出する、もしくは廃液保湿液の中に排出することで、廃記録液が増粘する前に廃記録液の空気との接触を減らし、廃記録液の増粘が抑えられる。廃記録液が増粘しなければ、廃記録液は流動性が保たれるため、廃記録液の自重で平らにならされるので堆積物が山になることで生じる問題を解消でき、信頼性が向上する。
ただし、廃液タンクの容積を同一とすれば、廃液タンクが廃液保湿液を内包するため、廃記録液を貯蔵できる容量は廃液保湿液を収容しない構成と比べて小さくなるため、廃液タンクは早く満タンになってしまいがちである。そこで、廃液タンクを容易に交換できるカートリッジ式とすることで、廃液タンクが満タンになっても、交換して新しい廃液タンクに取り替えることで、不具合を起こすことなく画像形成装置を使いつづけることができるようになる。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る廃液タンクを搭載することで、廃液の堆積物の山ができないため、堆積物の山がヘッドを汚して吐出不良を起こしたり、あるいは記録媒体を汚したりことが無く、長寿命な画像形成装置とすることができる。更には、廃液保湿液の他に受容部材も収納した廃液タンクを搭載した画像形成装置であれば、画像形成装置が傾いたとき、廃液タンクから溢れる廃液はごく少量で済み、画像形成装置の電源がショートしたり、画像形成装置から廃液が溢れ出して設置場所等を汚したりことが無い。加えて、搭載する廃液タンクを交換可能なカートリッジ方式とすれば、廃液保湿液を収容するため、廃液保湿液を収容しない廃液タンクに対して、同容積で比較すれば、廃記録液を貯蔵できる容量が少なくなりがちな本発明に係る廃液タンクの不都合を回避できる。すなわち、画像形成装置の寿命を廃液タンクの満タンに依存しなくすることで長寿命な画像形成装置とすることができる。
(インクに対しての有効性)
廃記録液の成分が堆積して堆積物の山を形成して、堆積物がヘッドに触れて吐出不良を引き起こしたり、ライン型ヘッドを用いた装置であれば、堆積物が記録媒体に触れて汚したりする問題は、堆積物の山の成長速度が速くなるほど起こりやすい。堆積物の山の成長速度は、記録液の乾燥速度および増粘速度、記録液の粘度の初期値、増粘したときの凝集した色材の高さに依存する。すなわち、記録液が速乾性であるとき、記録液の元々の粘度が高いとき、および記録液の色材が顔料であるときに、廃記録液の成分が速く、大きく堆積して、堆積物の山を形成して起こる問題が生じやすい。したがって、速乾性、元々の粘度が高い(目安として4cp以上)、色材が顔料である記録液を搭載した画像形成装置は維持の信頼性が低くなる。ただし、このような特徴をもった記録液を吐出して印字する画像形成装置は、記録液が速乾性で粘度が高いため、吐出された液滴が滲みにくく、優れた画質の記録物が得られる。また、記録液の色材が顔料であるため、耐水性、耐光性に優れる記録物を得られる。
本発明に係る廃液タンクを搭載した画像形成装置では、吐出する記録液が速乾性であっても、元々の粘度が高くても、色材が顔料であっても、廃記録液の増粘を妨げることができるため、堆積物の山の形成がされて起こる問題を生じない。したがって、本発明に係る画像形成装置は、吐出する記録液が速乾性であっても、元々の粘度が高くても、色材が顔料であっても、優れた画質、優れた耐久性の記録物を得ることができるとともに、維持においてもヘッドに堆積物が付着して印字ができなくなったり、記録媒体が堆積物で汚れたりといった問題を生じることがなく、信頼性の高い高画質の画像を形成することができるようになる。
その他、本発明に係る画像形成装置の廃液タンクは、出荷時から廃液タンクに廃液保湿液をあらかじめ収容しても良いが、廃液タンクから廃液保湿液が溢れる懸念を回避するために、画像形成装置を設置後、廃液保湿液を廃液タンクに充填する構成とすることもできる。また、乾燥により減少した廃液保湿液を後から補充できる構成として良い。
廃液保湿液の補充は簡単に行えるように適量に小分けされていることが好ましい。あるいは、廃液タンクに廃液保湿液の適量を示す目盛りが刻まれていても良い。廃液タンクに目盛りが刻まれている場合は、廃液タンクの材料が廃液タンクに収容される廃液保湿液の量が廃液タンクの外側からでも確認できるように光を透過する部材であることが好ましい。
記録液と相溶性のある廃液保湿液であれば、廃液保湿液はサブタンクに充填されていても良い。あるいは、廃液保湿液はインクカートリッジと互換性のあるカートリッジ形式で供給されるものであっても良い。初期充填で記録液を充填する前に維持供給機構を稼動させれば、カートリッジ或いはサブタンクから廃液保湿液を供給して廃液タンクに廃液保湿液を排出して送り込むことが容易に可能である。
また、廃液タンクの満タン検知は、廃記録液の排出量をソフトカウントする方法、電気回路の通電の有無で検知する方法、光学センサを使い遮蔽物の有無で検地する方法、記録液と相溶性の低い廃液保湿液と廃記録液の液−界面での屈折を利用して光学センサで光の伝達の有無を検知する方法などを用いることができる。廃液タンクをカートリッジ形式とした場合は、満タンを検知するセンサは廃棄タンクと一体ではなく、画像形成装置の本体にある形式とすれば、使い捨てにせずに済み、経済的である。
そこで、本発明に係る廃液タンクの第1実施形態について図1を参照して説明する。なお、図1は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク1は、タンクケース2内に廃記録液の表面に液層を形成する廃液保湿液3が液状のまま収容されている。廃液保湿液3は、廃記録液よりも比重が軽く、廃記録液と相溶性が低い有機溶媒を含んでいる。
このように構成したので、図2に示すように、廃液保湿液3中に廃記録液5を投入ないし送り込んだとき、廃液保湿液3の有機溶媒の液層3aと廃記録液5の層の2層に分離されて、廃記録液5の表面に有機溶媒の液層3aが形成され、廃記録液5と空気との接触が絶たれるので、廃記録液5の増粘が抑えられ流動性が保持され、廃記録液5の堆積及びその成長が抑制された状態で廃記録液5を収容することができる。なお、廃液保湿液3を収容した廃液タンク1内に廃記録液を受け入れることで、有機溶剤の液層3a以外は色材が分散した液体となるが、この液体も「廃記録液5」として表記する(以下の説明においても同様である。)。
この廃液タンク1に廃記録液を導入して収容する場合、廃液タンク1に対して上部の大気開放口4から廃記録液を廃液保湿液3の液面に向けて投入される構成とすることも、あるいは、ポンプ及びチューブなどを用いて強制的に廃液保湿液3中に廃記録液を送り込む構成とすることもできる。前者の構成では部品点数が少なくなく構成が簡単になり、後者の構成では廃記録液を撒き散らさないで収容できるので相対的に廃記録液の増粘を抑えることができる。
このように、廃液保湿液3が、廃記録液よりも比重が軽く、廃記録液と相溶性を有する有機溶媒を含んでいることにより、廃記録液の表面に有機溶媒の液層が形成され、廃記録液が空気と接触してビヒクルが揮発することを防止でき、廃記録液の堆積を抑制した状態で廃記録液を収容できる。
そして、廃記録液のビヒクルの揮発を廃記録液よりも比重の軽い有機溶媒であって、かつ廃記録液と相溶性が低く二層分離する有機溶媒を廃液保湿液に含有して、廃記録液が廃液保湿液内に排出されたとき、この有機溶媒で空気との界面を覆って廃記録液の空気との接触を絶って、廃記録液のビヒクルの蒸発を防ぐ上記構成は、後述する、廃記録液のビヒクルの揮発を、保湿性の高い有機溶媒に廃記録液を分散又は溶解させて防ぐ構成に比べて、廃液が空気と触れる表層が有機溶剤で覆われていれば十分に廃記録液の増粘を防止可能であるため少量の廃液保湿液で廃記録液の堆積物の山の形成を防ぐことができる。
ここで、廃液保湿剤3に含む有機溶媒は、廃液タンクが満タンになるまでの間廃液保湿液の液層を形成可能な難揮発性であることが好ましい。つまり、廃液保湿液の揮発性が高いと蒸発して失われてしまうため、廃記録液を自重で平らにする機能を長期間維持できない。したがって、有機溶媒は廃記録液のビヒクルよりも揮発性が低いことが好ましい。
また、廃記録液と廃液保湿液3で廃液タンクが満タンになって寿命を迎えるまでの期間は少なくとも流動性のある液体で廃記録液を受け止められるように、廃液保湿液3が含む有機溶媒が蒸発して無くならない必要がある。したがって、廃液保湿液3に含む有機溶媒は、記録液を画質が良好で安価な水系の記録液とするならば、少なくとも25℃−1atmの環境下(常温常圧)の環境下において蒸気圧が水よりも小さい揮発性の低い有機溶媒であることが好ましい。
なお、廃液タンクの満タンとは、必ずしも物理的にそれ以上廃液を廃液タンクに収容できない状態を示すものではなく、満タンであると設定された状態を意味し、廃液タンクにそれ以上廃液を蓄えると何らかの問題を引き起こすおそれがあり、この何らかの危険性を回避するため、廃液タンクに対して任意に設定した廃液貯蔵量の最大容量に達した状態である。
また、廃液保湿液3に含む有機溶媒は油類が好ましい。ここで、揮発性の高い油類を廃液保湿液に含有した場合、廃記録液の揮発を抑え、自重で平らに均す機能を有するが、廃液保湿液が揮発して減少してしまうため、定期的な補充が必要になる不都合があり、あるいは、揮発成分が不快な臭気を発する場合もあり好ましくない。したがって、不揮発性ないし難揮発性の油類が好ましい。
例えば、廃液保湿液3に含む有機溶媒としては、不揮発性動植物油脂類や不揮発性鉱物油類、シリコーンオイル等が好ましい。これら油類で、画像形成装置の使用環境において流動性を確保できるものが廃液保湿液に含有して用いることができる。特に、化学的に安定していて変質しにくいパラフィンオイルやシリコーンオイルが好ましい。
また、廃液保湿液3には消泡剤を含有することが好ましい。廃液保湿液4へ廃記録液を投入したときに発生する泡は、泡状のままだと乾燥が進み、増粘しやすくなるが、消泡剤を含むことで泡の発生、残存を抑制して増粘を抑えることができる。消泡剤は、廃記録液のビヒクルに対して分散性が無ければならない。また、廃記録液のビヒクルに対して不溶であることがより好ましく、分散体であることが好ましい。分散体としては、無機微粒子でも有機微粒子でも有機無機複合微粒子でも良い。消泡剤は記録液に含まれる色材に対して同極性、またはノニオン性であることが好ましい。
本発明で使用される消泡剤としては、シリコン系の消泡剤が好ましく用いられる。一般にシリコン系消泡剤には、オイル型、コンパウンド型、自己乳化型、エマルジョン型などがあるが、水系での使用を考慮すると、自己乳化型、もしくはエマルジョン型を用いることが、信頼性を確保する上で好ましい。また、アミノ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、アルキレンオキサイド変性、等の変性シリコン系消泡剤を使用しても良い。
市販のシリコン系消泡剤で入手可能なものとしては、信越化学工業(株)のシリコーン消泡剤(KS508、KS531、KM72、KM85など)、東レ・ダウ・コーニング(株)のシリコーン消泡剤(Q2−3183A、SH5510など)、日本ユニカー(株)のシリコーン消泡剤(SAG30など)、旭電化工業(株)の消泡剤(アデカノールシリーズ)などが挙げられる。
消泡剤の廃液保湿液3への添加量は、効果がある最小量で良い。
また、廃液保湿液3には防腐防カビ剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を抑えることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。また、廃記録液の増粘を防止する効果がある。
特に、廃液保湿剤3が含有する有機溶媒をバクテリアやカビ等が分解すると、有機溶媒が改質され廃記録液の保湿効果が減少するため、防腐防カビ剤を廃液保湿液に含有することが好ましい。また、分解された有機溶媒から発生したメタン等のガス成分は悪臭の原因にもなるため、この点でも廃液保湿液3に防腐剤、防カビ剤を含有することが好ましい。
防腐防カビ剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を挙げることができる。
市販品の防腐防カビ剤としては、PROXELLV(S)〔アビシア(株)社製;(主成分:1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン/水酸化ナトリウム)〕を使用することができる。
その他機能向上のため、廃液保湿液3には、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、酸化剤、還元剤、防錆剤、酸化防止剤などを含有することができる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第2実施形態について図3を参照して説明する。なお、図3は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク11は、タンクケース12内に廃記録液と相溶性を有し、廃記録液中の色材を分散又は溶解する廃液保湿液13が液状のまま収容されている。ここでは、廃液保湿液13は、前記廃記録液と相溶性を有し、廃記録液中の色材を分散又は溶解する有機溶媒を含んでいる。
このように構成したので、図4に示すように、廃液保湿液13中に廃記録液を投入ないし送り込んだとき、廃液保湿液13の有機溶媒に廃記録液が分散し又は有機溶媒で溶解されて、流動性が保持された廃液16として収容されるので、廃記録液の堆積及びその成長が抑制された状態で廃記録液を収容することができる。
なお、この廃液タンク11に廃記録液を収容する場合、廃液タンク11に対して上部の大気開放口14から廃記録液を廃液保湿液13の液面に向けて投入される構成とすることも、あるいは、ポンプ及びチューブなどを用いて強制的に廃液保湿液13中に廃記録液を送り込む構成とすることもできる。
このように、廃液保湿液13が、廃記録液と相溶性を有し、廃記録液中の色材を分散又は溶解する有機溶媒を含んでいることにより、廃記録液は有機溶媒と混合されてビヒクルが揮発することを防止され、流動性を維持したまま収容されるので、廃記録液の堆積を抑制した状態で廃記録液を収容できる。
ここで、廃液保湿剤13に含む有機溶媒は、廃液タンクが満タンになるまでの間廃液保湿液の液層を形成可能な難揮発性であることが好ましい。つまり、廃液保湿液13の揮発性が高いと蒸発して失われてしまうため、廃記録液を自重で平らにする機能を長期間維持できなくなる。したがって、廃液保湿液13に含む有機溶媒は廃記録液のビヒクルよりも揮発性が低いことが好ましい。
また、廃記録液と廃液保湿液13で廃液タンクが満タンになって寿命を迎えるまでの期間は少なくとも流動性のある液体で廃記録液を受け止められるように、廃液保湿液13が含む有機溶媒が蒸発して無くならない必要がある。したがって、廃液保湿剤13に含む有機溶媒は、記録液を画質が良好で安価な水系の記録液とするならば、少なくとも25℃−1atmの環境下(常温常圧)の環境下において蒸気圧が水よりも小さい揮発性の低い有機溶媒であることが好ましい。
また、廃液保湿剤13に含む有機溶媒としては、グリコール類、グリセリン等が保湿性に優れるため好ましい。特に、グリコール類は親水性で分子量が大きく、揮発性がごくわずかであるため、記録液が水系の場合、より好ましい。グリコール類の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタジエングリコール、1,4−ブタジエングリコール等を挙げることができるが、これに限らない。特に好ましくは、分子量が適度に大きいトリエチレングリコールである。
廃液保湿剤13の量は、廃液タンクが廃液で満タンになっても色材の分散が廃液中で維持されるために十分な量であることが好ましい。色材の分散を十分に維持するために必要な廃液保湿液13の量は、色材の廃液保湿液13への分散性、廃液タンク11の容量、廃液保湿液13の揮発性によって決まる。
また、廃液保湿液3と同様に、廃液保湿液13には、消泡剤、防腐防カビ剤を含有することが好ましく、さらに、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、酸化剤、還元剤、防錆剤、酸化防止剤などを含有することができる。
次に、具体的な実施例について説明する。
〈実施例1〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液A(100ml)を収容した。廃液保湿液Aの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液〕
水…100部
IPSIO G707((株)リコー製)を改造したプリンタ(以下、「評価用プリンタ」という。)を用いて、温度30°−湿度30%環境(以下「HL環境」という。)下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Aの液面に、純正記録液(CMYKの各色の記録液を1:1:1:1で混合したもの、以下「評価用記録液」という。)を、2000回、1分間隔で開口部T1aからの投入(開口部T1aへの排出)を繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。一回当たりの記録液の排出量は0.2mlとした。
〈実施例2〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液B(100ml)を収容した。廃液保湿液Bの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液B〕
グリセリン(炭化水素系保湿剤)…95部
水 … 5部
実施例1と同様に、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Bの液面に、評価用記録液を、2000回、1分間隔で開口部T1aからの投入(開口部T1aへの排出)を繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。一回当たりの記録液の排出量は0.2mlとした。
〈実施例3〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液C(100ml)を収容した。廃液保湿液Cの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液C〕
グリセリン(炭化水素系保湿剤)…100部
実施例1と同様に、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Cの液面に、評価用記録液を、2000回、1分間隔で開口部T1aからの投入(開口部T1aへの排出)を繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。一回当たりの記録液の排出量は0.2mlとした。
〈実施例4〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液D(200ml)を収容した。廃液保湿液Dの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液D〕
トリエチレングリコール(炭化水素系保湿剤)…100部
実施例1と同様に、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Dの液面に、評価用記録液を、2000回、1分間隔で開口部T1aからの投入(開口部T1aへの排出)を繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。一回当たりの記録液の排出量は0.2mlとした。
〈実施例5〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液E(20ml)を収容した。廃液保湿液Eの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液E〕
パラフィンオイル(炭化水素系オイル)…100部
実施例1と同様に、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Dの液面に、評価用記録液を、2000回、1分間隔で開口部T1aからの投入(開口部T1aへの排出)を繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。一回当たりの記録液の排出量は0.2mlとした。
〈実施例6〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液F(20ml)を収容した。廃液保湿液Fの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液F〕
シリコーンオイル…100部
実施例1と同様に、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Fの液面に、評価用記録液を、2000回、1分間隔で開口部T1aからの投入(開口部T1aへの排出)を繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。一回当たりの記録液の排出量は0.2mlとした。
〈比較例1〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に対し、実施例1と同様に、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に底面に、評価用記録液を、2000回、1分間隔で開口部T1aからの投入(開口部T1aへの排出)を繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。一回当たりの記録液の排出量は0.2mlとした。
〈比較例2〉
図6に示すように受容部材(吸収部材)を収納せず、底部が斜めに傾斜している廃液タンクT2の底部T2bに、廃液保湿液C(100ml)を収容した。廃液保湿液Cの成分は次のとおりである(実施例3と同じ)。
〔廃液保湿液C〕
グリセリン(炭化水素系保湿剤)…100部
実施例1と同様に、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に対し、評価用記録液を、2000回、1分間隔で開口部T2aからの投入(開口部T2aへの排出)を繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。一回当たりの記録液の排出量は0.2mlとした。このとき、投入される記録液は、実験開始直後の段階では、一度傾斜面T2cに着弾した後、数秒かけて廃液保湿液Cが保持されている底部T2bに流れ込むことが確認された。
〈比較例3〉
図7に示すように受容部材(吸収部材)Fを収納した廃液タンクT3を用いて、受容部材Fに廃液保湿液E(20ml)を収容した。廃液保湿液Eの成分は次のとおりである(実施例5と同じ)。
〔廃液保湿液E〕
パラフィンオイル(炭化水素系オイル)…100部
実施例1と同様に、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT3の廃液保湿液Eが収容された受容部材Fの表面に対し、評価用記録液を、2000回、1分間隔で開口部T3aからの投入(開口部T3aへの排出)を繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。一回当たりの記録液の排出量は0.2mlとした。
これらの実施例1ないし6及び比較例1ないし3における廃記録液の貯蔵状態の評価結果を表1に示している。なお、表1中、「×」は、廃記録液が増粘して堆積物が山のように積みあがっている状態、「△」は、廃記録の増粘が認められるが、廃記録液は廃液保湿液に分散して平らな状態で廃液タンク内に貯蔵されている状態、「○」は、廃記録液が増粘しておらず、廃記録液は廃液保湿液と二層分離して平らな状態で廃液タンク内に貯蔵されている状態であることを表わしている。
Figure 0005186773
つまり、比較例1のように廃液保湿液が廃液タンク内に収容されていない廃液タンクでは、図8に示すように、廃液タンクT1に廃記録液を排出するに従って廃記録液が増粘して堆積物Pが山のように積みあがる。
また、比較例2のように廃液保湿液が廃液タンク内に収容されていても、廃液保湿液の液中に廃記録液が直接排出されない廃液タンクでは、図9に示すように、一部は廃液保湿液U中に流れ込んで混合して廃液16となるが、廃記録液が廃液保湿液U中に流れ込むまでに時間がかかるために、壁面T2cに付着している廃記録液が増粘して堆積物Pが山のように積みあがる。
また、比較例3のように廃液保湿剤が含まれた受容部材を収納した廃液タンクでは、図10に示すように、受容部材FAの表面側の廃液保湿剤が含まれた部分17で廃記録液を分散させて行くが、HL環境下では受容部材FAに含まれた廃液保湿剤による廃記録液の分散、或いは分離が間に合わずに、受容部材FAの表面側に廃記録液が吸収された部分18が発生し、更に廃記録液を受け入れることで受容部材FAの表面に廃記録液が堆積して堆積物Pが山のように積みあがる。
これらに対し、実施例1ないし6においては、廃液保湿剤の液中に記録液の排出を行ったところ、いずれも廃記録液の堆積物が山状に積みあがる現象は認められなかった。
つまり、実施例1ないし4のように廃液保湿剤が廃記録液と相溶性がある場合(前記第2実施形態)、廃記録液が廃液保湿液と混合した。廃記録液と廃液保湿液の混合物(廃液、前述したように廃液という用語は混合していない場合も含む。)とすると、若干の増粘が認められるが、色材は分散しており、廃液は流動性を示した。
また、実施例5、6のように廃液保湿剤が廃記録液と相溶性が低く、かつ、比重が廃記録液より小さい場合(前記第1実施形態)、廃液タンクに廃記録液が排出される、比重の小さい廃液保湿液の有機溶剤が廃記録液の表面に移動して液層を形成し、廃液タンクの中の様子は廃記録液と廃液保湿液が二層分離して、やはり廃記録液は平らな状態で廃液タンク内に貯蔵されている状態になる。
これらより、廃液保湿液の成分は実施例1ないし4のように廃記録液を分散、溶解するものであってもよいが、実施例5、6のように廃記録液のビヒクルよりも比重の軽い、記録液に対して相溶性の低い有機溶媒を廃液保湿液に含んでいることで、廃記録液上に浮いた有機溶媒が廃記録液を空気に触れないようにして増粘を防ぐことができ、廃記録液の保湿効果が高くなることが分かる。また、この場合、界面を覆うだけの量があれば十分保湿効果が得られるため、少量の廃液保湿液で十分に廃記録液の増粘を防止することができる。
次に、長期スパン実験、すなわち、廃液保湿液による廃記録液の保湿効果が長期的に維持されるか否かについて確認した実験について説明する。
〈実施例7〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液C(100ml)を収容した。廃液保湿液Cの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液C〕
グリセリン(炭化水素系保湿剤)…100部
評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Cの液中に直接0.2mlの評価用記録液をポンプで加圧して、チューブで導いて排出した。排出を一時間間隔で一日5回、週5日間、10ヶ月間繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。
〈実施例8〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液D(100ml)を収容した。廃液保湿液Dの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液D〕
トリエチレングリコール(炭化水素系保湿剤)…100部
評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Dの液中に直接0.2mlの評価用記録液をポンプで加圧して、チューブで導いて排出した。排出を一時間間隔で一日5回、週5日間、10ヶ月間繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。
〈実施例9〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液E(20ml)を収容した。廃液保湿液Eの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液E〕
パラフィンオイル(炭化水素系オイル)…100部
評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Eの液中に直接0.2mlの評価用記録液をポンプで加圧して、チューブで導いて排出した。排出を一時間間隔で一日5回、週5日間、10ヶ月間繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。
〈実施例10〉
図5に示すように受容部材(吸収部材)を収納していない廃液タンクT1に廃液保湿液F(20ml)を収容した。廃液保湿液Fの成分は次のとおりである。
〔廃液保湿液F〕
シリコーンオイル…100部
評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンクT1に収容した廃液保湿液Fの液中に直接0.2mlの評価用記録液をポンプで加圧して、チューブで導いて排出した。排出を一時間間隔で一日5回、週5日間、10ヶ月間繰り返した後、廃記録液の貯蔵状態を観察した。
これらの実施例7ないし10における廃記録液の貯蔵状態の評価結果を表2に示している。なお、表1中、「×」は、廃記録液が増粘して堆積物が山のように積みあがっている状態、「△」は、廃記録の増粘が認められるが、廃記録液は廃液保湿液に分散して平らな状態で廃液タンク内に貯蔵されている状態、「○」は、廃記録液が増粘しておらず、廃記録液は廃液保湿液と二層分離して平らな状態で廃液タンク内に貯蔵されている状態であることを表わしている。
Figure 0005186773
この結果から、実施例7では有機溶媒が揮発してしまうため、長期信頼性の確保が十分でなかった。実施例8は若干の廃記録液の増粘が認められるが、廃記録液は廃液保湿液に分散して平らな状態で廃液タンク内に貯蔵される。実施例9、10では少量の有機溶媒であっても有機溶媒が不揮発性であるため十分な機能を長期間維持することができた。
次に、本発明に係る廃液タンクの第3実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク21は、タンクケース22内を仕切り板23によって仕切ることで、タンクケース22内に廃記録液を受け入れる第1室24と、廃液を吸収可能な吸収体からなる受容部材26を収納した第2室25とを形成し、仕切り板23のタンクケース22の底部側には、第1室24と第2室25とを連通する連通路(ここでは開口)27を設けている。
また、タンクケース22の底部には連通路27の高さよりも低い高さになるように廃液保湿液3を収容している。これにより、廃液保湿液3は廃記録液が導入されて液面が上昇したときに仕切り板23の連通路27の開口より上方になると第1室24側と第2室25側に分離されることになる。
また、第2室25に収納した受容部材26の最下端面26aは連通路27よりも上方に位置するように配置している。
また、タンクケース22には第1室24及び第2室25の上部にはそれぞれ大気開放口28、29を形成している。第1室24側の大気開放口28は廃記録液を投入するときには廃記録液投入口となる。
なお、この廃液タンク21に廃記録液を導入するには、大気開放口28から投入するか、あるいは、第1室24の底部に廃記録液導入チューブ7を接続して強制的に廃液保湿液3中に廃記録液を導入する(以下の図では廃記録液導入チューブ7の図示は省略するが、強制的に廃記録液を廃液保湿液中に導入する場合には同様の構成を採るものとする。)。
このように構成した廃液タンク21に廃記録液を導入したときの具体例について図12を参照して説明する。
ここでは、図12(a)に示すように廃液タンク21のタンクケース22の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容させた。したがって、この場合、廃液保湿液3はすべて有機溶剤で構成されていることになるので、以下の説明では、廃液保湿液の有機溶媒の液層は「廃液保湿液3の液層」と表記することする。
そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、廃液タンク21に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク21が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlの量で導入し(ここでは、廃記録液導入チューブ7を介して強制的に廃液保湿液中に廃記録液を導入した。以下の説明でも特に断らない限り同じである。)、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク21内に導入されると、図12(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になる。そして、液面の上昇によって廃液保湿液3の液層が連通路27より上方になると、廃液保湿液3の液層は仕切り板23(連通路27の上端)によって第1室24側と第2室25側に分離(分割)される。この状態では、第2室25に収納した受容部材26の最下端面26aは連通路27よりも上方に位置しているので、廃液保湿液3は受容部材26には接触せず、受容部材26に吸収されない。
その後、更に廃記録液が排出されると、図12(c)に示すように、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、第2室25側では受容部材26に廃液保湿液3が吸収され、更に廃記録液5が排出されると廃記録液5も受容部材26に吸収される。なお、図12(c)では受容部材26が廃液保湿液(有機溶剤)を吸収した部分41、廃記録液(色材が分散した液体)5を吸収した部分42、何も吸収していない部分に分けて示している。
このように、廃液タンクに受容部材を収納した構成としたので、廃記録液を受容部材に保持することができて廃液タンクが傾いても溢れる廃液を低減することができる。
また、廃記録液を受け入れる第1室と、廃液を吸収可能な受容部材を収納した第2室とを有し、廃液保湿液は廃記録液が収容されて液面が上昇したときに第1室側と第2室側に分離される構成としたので、受容部材に吸収される廃液保湿液を少なくして廃液保湿液を液状のまま保持することができる。
この場合、第1室と第2室とを仕切る仕切り部に記第1室と第2室とを通じる連通路が設けられ、廃液保湿液は連通路よりも液面が高くなることで第1室側と第2室側に分離される構成とすることによって、簡単に、廃液保湿液は廃記録液が収容されて液面が上昇したときに第1室側と第2室側に分離される構成とすることができる。
そして、受容部材の最下端面が連通路よりも上方に位置する構成とすることで、廃液保湿液が第1室側と第2室側に分離された後に廃液保湿液が受容部材で吸収され、廃液保湿液がすべて受容部材に吸収されることを防止し、第1室側の廃液保湿液を液状のまま保持することができる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第4実施形態について図13を参照して説明する。なお、図13は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク21では、上記第3実施形態において、受容部材26の最下端面26aを受容部材26の下端面26bから突出した凸部31の下面で構成している。なお、凸部31は受容部材26に段差を設けることで形成している。
このように構成した廃液タンク21に廃記録液を導入したときの具体例について図14を参照して説明する。
ここでは、図14(a)に示すように廃液タンク21のタンクケース22の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク21に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク21が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク21内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図14(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になり、液面の上昇によって廃液保湿液3は仕切り板23(連通路27の上端)によって第1室24側と第2室25側に分離(分割)される。この状態では、第2室25に収納した受容部材26の凸部31の最下端面26aは連通路27よりも上方に位置しているので、廃液保湿液3は受容部材26には接触せず、受容部材26に吸収されない。
その後、更に廃記録液が排出されると、図14(c)に示すように、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、第2室25側では受容部材26の凸部31の最下端面26aに接触して廃液保湿液3が吸収される。このとき、廃液保湿液3が表層にあるために受容部材26の凸部31及びその周囲の部分に偏って第2室25側の廃液保湿液3のほとんど吸収される(有機溶剤3aを吸収した部分41で示している領域)。
さらに、廃記録液が排出されると、図14(d)に示すように、廃記録液5が受容部材26の下端面26bに接触し廃記録液5も受容部材26に吸収される。このとき、廃記録液5は表層に廃液保湿液3の液層がなくなっているために、廃液保湿液3が吸収された部分41を除く部分から速く吸収された(廃記録液5を吸収した部分42で示している領域)。
このように、受容部材の最下端面は受容部材の下端面に部分的に形成された凸部の下端面である構成とすることによって、第2室側の表層を形成している廃液保湿液が受容部材に吸収されて除かれるので、廃記録液を速やかに受容部材に吸収することができる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第5実施形態について図15を参照して説明する。なお、図15は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク21では、上記第4実施形態において、受容部材26の最下端面26aを形成する凸部31を他の部分と仕切ることで廃液保湿液3の受容部材26での拡散を制限する拡散制限手段としての隔壁部材32を設けている。
このように構成した廃液タンク21に廃記録液を導入したときの具体例について図16を参照して説明する。
ここでは、図16(a)に示すように廃液タンク21のタンクケース22の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク21に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク21が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク21内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図16(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になり、液面の上昇によって廃液保湿液3は仕切り板23によって第1室24側と第2室25側に分離(分割)される。この状態では、第2室25に収納した受容部材26の凸部31の最下端面26aは連通路27よりも上方に位置しているので、廃液保湿液3は受容部材26には接触せず、受容部材26に吸収されない。
その後、更に廃記録液が排出されると、図16(c)に示すように、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、第2室25側では受容部材26の凸部31の最下端面26aに接触して廃液保湿液3が吸収される。このとき、廃液保湿液3が表層にあるために受容部材26の凸部31に偏って第2室25側の廃液保湿液3のほとんど吸収される。しかも、受容部材26の凸部31の周囲に拡散制限部材(隔壁部材)32を設けているので、吸収された廃液保湿液3は凸部31の部分に制限される(有機溶剤を吸収した部分41で示している領域)。
さらに、廃記録液が排出されると、図16(d)に示すように、廃記録液5も受容部材26の下端面26bに接触して受容部材26に吸収される。このとき、廃記録液5は表層に廃液保湿液3の液層がなくなっているために、廃液保湿液3が吸収された部分41を除く部分から速く吸収された(廃記録液5を吸収した部分42で示している領域)。
このように、受容部材の最下端面は受容部材の下端面に部分的に形成された凸部の下端面である構成とし、凸部の周囲の少なくとも一部には廃液に含まれる廃液保湿液の拡散を制限する拡散制限手段が設けられている構成とすることで、第4実施形態の場合よりも受容部材の有機溶媒に触れない下端面が広くなり、廃記録液は受容部材に急速に染み込んで吸収される。
次に、本発明に係る廃液タンクの第6実施形態について図17を参照して説明する。なお、図17は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク21は、タンクケース22内を、仕切り板23によって、廃記録液を受け入れる第1室24と、廃液を吸収可能な受容部材26を収納した第2室25とに仕切っている。
そして、仕切り板23のタンクケース22の底部側を開口するとともに、第2室25側にタンクケース22の底面から立ち上がる立ち上がり部材35を設けて、第1室24側の開口の位置よりも第2室25側の開口の位置が相対的に高い第1室24と第2室25とを連通する連通路37を形成している。また、第2室25側の受容部材26はこの連通路27を除いて第2室25内に全体に収納している。
また、タンクケース22の底部のうち第1室24及び連通路37の底部部分に仕切り板23で規定される連通路37の高さよりも低い高さになるように廃液保湿液3を収容している。これにより、廃液保湿液3は廃記録液が導入されて液面が上昇したときに仕切り板23の連通路37を形成する開口より上方になると第1室24側と第2室25側(連通路37側)に分離されることになる。
なお、タンクケース22には第1室24及び第2室25の上部に大気開放口28、29を形成している。第1室23側の大気開放口28は廃記録液を投入するときには廃記録液投入口となる。
このように構成した廃液タンク21に廃記録液を導入したときの具体例について図18を参照して説明する。
ここでは、図18(a)に示すように廃液タンク21のタンクケース22の底部の立ち上がり部材35よりも第1室24側に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク21に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク21が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク21内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図18(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になり、液面の上昇によって廃液保湿液3は仕切り板23によって第1室24側と第2室25側(連通路37の部分)に分離(分割)される。この状態では、連通路37の開口位置は第2室25側の方が相対的に高いので、廃液保湿液3は受容部材26には接触せず、受容部材26に吸収されない。また、連通路37は狭い開口であるために連通路37に入り込んでいる廃液保湿液3の量は第2室25の底部全面に入り込む上記各実施形態の場合よりも相対的に少なくなる。
その後、更に廃記録液が排出されると、図18(c)に示すように、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、連通路37の第2室25側開口に達すると、この開口に臨んでいる受容部材26に廃液保湿液3が吸収され、更に廃記録液5が排出されると廃記録液5も受容部材26に吸収される。
このように、第1室と第2室とを通じる連通路は第1室側の開口の位置よりも第2室側の開口の位置が相対的に高い構成とすることによって、第2室側に入り込む廃液保湿液の量を少なくすることができ、第1室側に残る廃液保湿液の量を相対的に多くすることができる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第7実施形態について図19を参照して説明する。なお、図19は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク21は、上記第6実施形態において、連通路37の第2室25側開口の臨む部分に受容部材26を配置しないで空間38を形成している。
このように構成した廃液タンク21に廃記録液を導入したときの具体例について図20を参照して説明する。
ここでは、図20(a)に示すように廃液タンク21のタンクケース22の底部の立ち上がり部材35よりも第1室24側に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク21に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク21が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク21内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図20(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になり、液面の上昇によって廃液保湿液3は仕切り板23によって第1室24側と第2室25側(連通路37の部分)に分離(分割)される。この状態では、連通路37の開口位置は第2室25側の方が相対的に高いので、廃液保湿液3は受容部材26には接触せず、受容部材26に吸収されない。また、連通路37は狭い開口であるために連通路37に入り込んでいる廃液保湿液3の量は第2室25の底部全面に入り込む上記各実施形態の場合よりも相対的に少なくなる。
その後、更に廃記録液が排出されると、図20(c)に示すように、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、連通路37の第2室25側開口に達し、更に立ち上がり部材35の上端を乗り越えることで、連通路37の第2室25側開口が臨む空間38の底面38a(開口の周囲)となっている受容部材26の部分で廃液保湿液3のほとんどが吸収される。
さらに、廃記録液が排出されると、廃記録液5も受容部材26に吸収される。このとき、連通路37の第2室25側開口では表層に廃液保湿液3の液層がなくなっているために、廃記録液5は受容部材26の廃液保湿液3が吸収された部分41を除く部分、主として空間38の壁部38bから急速に吸収された。
このように、第1室と第2室とを通じる連通路は第1室側の開口の位置よりも第2室側の開口の位置が相対的に高い構成とし、連通路の第2室側開口が臨む部分に受容部材のない空間の設けることによって、第2室側に入り込む廃液保湿液の量を少なくすることができ、第1室側に残る廃液保湿液の量を相対的に多くすることができるとともに、先ず廃液保湿液を吸収して連通路の第2室側開口部分を廃液保湿液で塞がないようにすることができ、第6実施形態に比べて、廃記録液の吸収を速めることができる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第8実施形態について図21を参照して説明する。なお、図21は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク21は、上記第7実施形態において、空間38の底面38aの下方部分を他の部分から仕切ることで廃液保湿液3の拡散を制限する拡散制限手段としての隔壁部材39を設けている。
このように構成した廃液タンク21に廃記録液を導入したときの具体例について図22を参照して説明する。
ここでは、図22(a)に示すように廃液タンク21のタンクケース22の底部の立ち上がり部材35よりも第1室24側に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク21に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク21が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク21内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図22(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になり、液面の上昇によって廃液保湿液3は仕切り板23によって第1室24側と第2室25側(連通路37の部分)に分離(分割)される。この状態では、連通路37の開口位置は第2室25側の方が相対的に高いので、廃液保湿液3は受容部材26には接触せず、受容部材26に吸収されない。また、連通路37は狭い開口であるために連通路37に入り込んでいる廃液保湿液3の量は第2室25の底部全面に入り込む上記各実施形態の場合よりも相対的に少なくなる。
その後、更に廃記録液が排出されると、図22(c)に示すように、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、連通路37の第2室25側開口に達し、更に立ち上がり部材35の上端を乗り越えることで、連通路37の第2室25側開口が臨む空間38の底面38a(開口の周囲)となっている受容部材26の部分で廃液保湿液3のほとんどが吸収される。しかも、空間38の底面38aの下方部分を他の部分から仕切る拡散制限手段としての隔壁部材39を設けているので、廃液保湿液38は空間38の底面38aの下方部分で吸収されて他の部分に拡散しない。
さらに、廃記録液が排出されると、廃記録液5も受容部材26に吸収される。このとき、連通路37の第2室25側開口では表層に廃液保湿液3の液層がなくなっているために、廃記録液5は受容部材26の廃液保湿液3が吸収された部分41を除く部分、主として空間38の壁部38bから急速に吸収された。しかも、隔壁部材39によって空間38の底面38aの下方部分に廃液保湿液3を閉じ込めているので、廃記録液5を吸収できる受容部材26の面積が広がって、より速く廃記録液5は空間38の壁部38bから受容部材26に染み込んで吸収される。
このように、第1室と第2室とを通じる連通路の第2室側開口が臨む部分に受容部材のない空間の設け、この空間の底面をなす受容部材の部分で吸収される廃液保湿液の拡散を制限する拡散制限手段を設けることによって、廃記録液の吸収を速めることができる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第9実施形態について図23を参照して説明する。なお、図23は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク61は、タンクケース22内を、仕切り板23によって、廃記録液を受け入れる第1室24と、廃液を吸収可能な受容部材26を収納した第2室25とに仕切っている。ここでは、第2室25の受容部材26は第2室25の底部から収納しているが、前記第3実施形態のような収納形態でも良い。
この仕切り板23のタンクケース22の底部側には、第1室24と第2室25とを連通する連通路(ここでは開口)27を設けている。さらに、第1室24側には液面位置に応じて連通路27を開閉する弁手段として、フロート62及びこのフロート63に取付けられて連通路27を開閉する弁体63とを備えている。
そして、第1室24には廃液保湿液3を収容している。この廃液保湿液3の高さは、初期状態において、弁体63が連通路27を閉じている状態にフロート62を保持する高さにしている。
なお、タンクケース22には第1室24及び第2室25の上部に大気開放口28、29を形成している。第1室23側の大気開放口28は廃記録液を投入するときには廃記録液投入口となる。
このように構成した廃液タンク61に廃記録液を導入したときの具体例について図24を参照して説明する。
ここでは、図24(a)に示すように廃液タンク61のタンクケース22の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク61に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク61が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃液タンク61の初期状態では、図24(a)に示すように、連通路27が弁体61によって閉じられているので廃液保湿液3は第1室24の底部にのみ収容されている。
そして、廃記録液が廃液タンク61内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図24(b)に示すように、廃記録液5の貯蔵量が予め定めた一定量に達した時点で、フロート62が廃液に浮き、弁体63が連通路27を開くので、第1室24内の廃記録液5は連通路27を通じて第2室25に移動し、受容部材26によって吸収される。
このとき、第1室24内の廃液保湿液3は、弁体63と第1室24の壁面との間で第1室24側のみに保持され、連通路27を通じて第2室25側には移動しないので、受容部材26で吸収されることもない。
このように、廃記録液を受け入れる第1室と、廃液を吸収可能な受容部材を収納した第2室と、第1室と第2室とを連通する連通路と、第1室の廃液保湿液の液面位置に応じて連通路を開閉する弁手段とを有し、廃液保湿液を第1室側に収容保持した状態で弁手段が連通路を開く構成とすることで、第1室側に廃液保湿液を保持することができて、廃液保湿液が受容部材に吸収されて減少することを防止できる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第10実施形態について図25を参照して説明する。なお、図25は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク61は、上記第9実施形態において、仕切り板23のタンクケース22の底部側を開口するとともに、第2室25側にタンクケース22の底面から立ち上がる立ち上がり部材35を設けて、第1室24側の開口の位置よりも第2室25側の開口の位置が相対的に高い第1室24と第2室25とを連通する連通路37を形成している。
このように構成した廃液タンク61に廃記録液を導入したときの具体例について図25を参照して説明する。
ここでは、図25(a)に示すように廃液タンク61のタンクケース22の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク61に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク61が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃液タンク61の初期状態では、図25(a)に示すように、連通路37が弁体63によって閉じられているので廃液保湿液3は第1室24の底部にのみ収容されている。
そして、廃記録液が廃液タンク61内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図25(b)に示すように、廃記録液5の貯蔵量が予め定めた一定量に達した時点で、フロート62が廃液に浮き、弁体63が連通路37を開くので、第1室24内の廃記録液5は連通路37を通じて第2室25に移動し、受容部材26によって吸収される。
このとき、第1室24内の廃液保湿液3は、弁体63と第1室24の壁面との間で第1室24側のみに保持され、連通路27を通じて第2室25側には移動しないので、受容部材26で吸収されることもない。仮に、連通路37内に侵入しても、連通路37の第2室25側開口が相対的に高い位置にあるので、受容部材26に接触することが確実に防止される。
次に、本発明に係る廃液タンクの第11実施形態について図27を参照して説明する。なお、図27は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク71は、廃記録液を受け入れる(前述したように投入される場合及び強制的に排出される場合を含む意味)第1室24を構成する第1ユニット72と、廃液を吸収可能な受容部材26を収納した第2室25を構成する第2ユニット73と、第1ユニット72及び第2ユニット73とは独立した、又は、第1ユニット72及び第2ユニット73のいずれかと一体の、第1室24と第2室25とを連通する連通路27を構成する連通路部74とを有し、これらは分離可能に接続されている。
ここで、連通路27は第1室24と第2室25の底部部分で第1室24と第2室25とを連通する。また、連通路27の高さよりも低い高さになるように廃液保湿液3が収容される。これにより、廃液保湿液3は廃記録液が導入されて液面が上昇したときに連通路27より上方になると第1室24側と第2室25側に分離されることになる。また、第二ユニット73の第2室25に収納した受容部材26は最下端面26aが連通路部74の連通路27よりも上方に位置するように収納している。
なお、第1、第2ユニット72、73の第1室24、第2室25の上部には大気開放口28、29を形成している。第1室23側の大気開放口28は廃記録液を投入するときには廃記録液投入口となる。
また、第1ユニット72及び連通路部74と第2ユニット73とを分離可能に接続する構成については後述する。
このように廃液タンクをユニット化することで、廃液タンクのレイアウトの自由度が向上するとともに、第2ユニットの受容部材が満杯になったときに第2ユニットだけを交換することもできるようになる。
このように構成した廃液タンク71に廃記録液を導入したときの具体例について図28を参照して説明する。
ここでは、図28(a)に示すように廃液タンク71の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク71に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク71が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク71の第1室24内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図28(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になり、連通路27が廃記録液5で埋まることによって、廃液保湿液3は第1室24側と第2室25側に分離(分割)される。この状態では、第2室25に収納した受容部材26の最下端面26aは連通路27よりも上方に位置しているので、廃液保湿液3は受容部材26には接触せず、受容部材26に吸収されない。
その後、更に廃記録液が排出されると、図28(c)に示すように、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、第2室25側では受容部材26に廃液保湿液3が吸収され、更に廃記録液5が排出されると廃記録液5も受容部材26に吸収される。
このように、廃記録液を受け入れる第1室を形成する第1ユニットと、受容部材を収納した第2室を形成する第2ユニットと、第1ユニット及び第2ユニットとは独立した、又は、第1ユニット及び第2ユニットの少なくともいずれかと一体の、第1室と第2室とを連通する連通路を形成する連通路部とを有し、第1ユニットと第2ユニットは分離可能に接続されている廃液タンクを構成することによって、レイアウトの自由度を上げつつ、廃記録液を、堆積を生じることなく収容することができる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第12実施形態について図29を参照して説明する。なお、図29は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク71では、上記第11実施形態における、第1ユニット72の第1室24と第2ユニット73の第2室25とを連通する、第1室24側の開口及び第2室25側の開口の位置よりも相対的に高い部分77aを形成した連通路77を構成する連通路部74を備えている。この連通路部74の連通路77の相対的に高い部分77aは、底部から立ち上がる立ち上がり部76を設けることで高さ方向に連通路77を折り曲げることによって形成している。
また、第1室24及び連通路77の立ち上がり部76よりも第1室24側の底部部分に連通路77の第1室24側開口の高さよりも低い高さになるように廃液保湿液3を収容している。
このように構成した廃液タンク71に廃記録液を導入したときの具体例について図30を参照して説明する。
ここでは、図30(a)に示すように廃液タンク71の第1室24及び連通路77の立ち上がり部76よりも第1室24側の底部部分に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク71に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク71が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク71の第1室24内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図30(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になり、連通路77の第1室24側の開口よりも廃液保湿液3の液面が上昇することによって、廃液保湿液3は第1室24側と連通路77側に分離(分割)される。ここで、連通路77が狭い通路であることから、連通路77側に入り込む廃液保湿液3の量は極めて少なく、廃液保湿液3の有効利用を図れる。
その後、更に廃記録液が排出されると、図30(c)に示すように、廃液の液面が更に上昇し、連通路77の相対的に高い部分77aを越えて第2室25側に至り、受容部材26に廃液保湿液3が吸収され、更に廃記録液5が排出されると廃記録液5も受容部材26に吸収される。
次に、本発明に係る廃液タンクの第13実施形態について図31を参照して説明する。なお、図31は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク71は、前記第12実施形態において、受容部材26の最下端面26aを受容部材26の下端面26bから突出した凸部31の下面で構成し、更に凸部31の周囲の少なくとも一部に吸収された廃液保湿液3の拡散を制限する拡散制限手段としての切り込み部78を形成している。
このように構成した廃液タンク71に廃記録液を導入したときの具体例について図32を参照して説明する。
ここでは、図32(a)に示すように廃液タンク71の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク71に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク71が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク71内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図32(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になり、液面の上昇によって連通路77が廃記録液5で満たされると、廃液保湿液3は連通路77によって第1室24側と第2室25側に分離(分割)される。この状態では、第2室25に収納した受容部材26の凸部31の最下端面26aは連通路77よりも上方に位置しているので、廃液保湿液3は受容部材26には接触せず、受容部材26に吸収されない。
その後、更に廃記録液が排出されると、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、第2室25側では受容部材26の凸部31の最下端面26aに接触して廃液保湿液3が吸収される。このとき、廃液保湿液3が表層にあるために受容部材26の凸部31及びその周囲の部分に偏って第2室25側の廃液保湿液3のほとんど吸収される。このとき、廃液保湿液3が表層にあるために受容部材26の凸部31に偏って第2室25側の廃液保湿液3のほとんど吸収される。しかも、受容部材26の凸部31の周囲に拡散制限手段としての切り込み部78を設けているので、吸収された廃液保湿液3は凸部31に制限されて保持される。
さらに、廃記録液が排出されると、図32(c)に示すように、廃記録液5も受容部材26に吸収される。このとき、廃記録液5は表層に廃液保湿液3の液層がなくなっているために、廃液保湿液3が吸収された部分41を除く部分から速く吸収された。
このように、受容部材の最下端面は受容部材の下端面に部分的に形成された凸部の下端面である構成とし、凸部の周囲の少なくとも一部には廃液に含まれる廃液保湿液の拡散を制限する拡散制限手段として切り込み部(あるいは空間)が設けられている構成とすることで、受容部材の有機溶媒に触れない下端面が広くなり、廃記録液は受容部材に急速に染み込んで吸収される。
次に、本発明に係る廃液タンクの第14実施形態について図33を参照して説明する。なお、図33は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク71では、上記第13実施形態において、受容部材26を、凸部31を形成する第2部分26Bとその他の第1部分26Aとに分割する切り込み部79を形成している。この切り込み部79は廃液保湿液3が第2部分26Bから拡散しないようする拡散制限手段でもある。また、第1部分26Aの下端面26bよりも第2部分26Bの下端面26aが低く、この下端面26aが最下端面となる。
このように構成した廃液タンク71に廃記録液を導入したときの具体例について図34を参照して説明する。
ここでは、図34(a)に示すように廃液タンク71の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容した。そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、この廃液タンク71に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク71が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlを導入して、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク21内に排出されると、徐々に廃液の液面が上がり、図32(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になり、液面の上昇によって連通路77が廃記録液5で満たされると、廃液保湿液3は連通路77によって第1室24側と第2室25側に分離(分割)される。このとき、第2室25に収納した受容部材26の第2部分26Bで形成される最下端面26aは連通路77よりも上方に位置しているので、廃液保湿液3は受容部材26の第2部分26Bには接触せず、受容部材26に吸収されない。
その後、更に廃記録液が排出されると、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、第2室25側では受容部材26の第2部分26Bの最下端面26aに接触して廃液保湿液3が吸収される。このとき、廃液保湿液3が表層にあるために受容部材26の第2部分26Bに偏って第2室25側の廃液保湿液3のほとんど吸収される。しかも、受容部材26は拡散制限手段としての切り込み部79によって第1部分26Aと第2部分26Bに分割しているので、吸収された廃液保湿液3は第2部分26Bで保持される。
さらに、廃記録液が排出されると、図34(c)に示すように、廃記録液5も受容部材26の第1部分Aの下端面26bに接触して受容部材26に吸収される。このとき、廃記録液5は表層に廃液保湿液3の液層がなくなっているために、受容部材26の第1部分26Aに速やかに染み込んだ。
このように、受容部材の最下端面は受容部材の下端面に部分的に形成された凸部の下端面である構成とし、凸部を形成する部分とその他の部分を分割することによって廃液保湿液の拡散を制限する拡散制限手段が設けられている構成とすることで、受容部材の有機溶媒に触れない下端面が広くなり、廃記録液は受容部材に急速に染み込んで吸収される。
次に、廃液タンク71の第1ユニット72と第2ユニット73とを分離可能に接続する構成の一例について図35及び図36を参照して説明する。なお、図35は廃液タンクのユニットを接続状態から分離する過程の説明に供する模式的説明図、図36は図35の廃液タンクの要部拡大説明図である。
この例は第1ユニット72及び連通路部74は一体化し、連通路部74に第2ユニット73を分離可能に接続する例である。
つまり、連通路部74及び第2ユニット73には連通する開口部分に互いに着脱自在に嵌め込むこと凸部77a、78a及び凹部77b、78bが形成された内部に開口77c、78cを有する(特に図36(c)参照)連結部(ジョイント部)77、78を設けている。そして、連通路部74の連結部77には開口77cを開閉する弁体81を抜き差し可能に設けている。同様に、第2ユニット73の連結部78にも開口78cを開閉する弁体82を抜き差し可能に設けている。これらの連結部77、78に設けた弁体81、82は開口77c、78cを閉じるために差し込んだときに、隙間なく(弁体81,82が接触する状態)で差し込まれる(図36(a)の状態)。
このように構成したので、図35(a)及び図36(a)に示すように、第1ユニット72(連通路部74)側と第2ユニット73とを接続した状態では、連結部77、78の互いの凸部77aと凹部78b、凸部78aと凹部77bとが嵌め込まれて連結され、弁体81、82が引き出されて開口77c、78cは開放された状態にあり、第1ユニット72と第2ユニット73とは連通路部74を介して連通している。
この状態から第2ユニット73を取り外して交換するときには、図35(b)及び図36(b)に示すように、第1ユニット72(連通路部74)側の連結部77の弁体81と第2ユニット73側の連結部78の弁体82を押し込んで、開口77c、78cを閉じる。このとき、上述したように弁体81、82は隙間のない状態になる。
そこで、図35(c)及び図36(c)に示すように、第2ユニット73側の連結部78を第1ユニット72(連通路部74)側の連結部77から取り外す。この場合、上述したように弁体81、82は隙間のない状態になっているので、廃液などが漏れることが防止される。
このようにして第2ユニット73を取り外した後、新しい第2ユニット73を上記と逆の手順で、つまり、連結部78を連結部77に連結した(各図(b)参照)後、弁体81、82を引き出して開口77c、78cを開放して、第1ユニット72と第2ユニット73とを連通した状態にする(各図(a))。
なお、第1ユニットを連通路部に対して分離可能に連結する構成とすることもできる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第15実施形態について図37を参照して説明する。なお、図37は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク21は、前記第3実施形態の廃液タンクにおいて、第1室24と第2室25とを仕切る仕切り板23のタンクケース22の底部側(タンク内底面側)には、第1室24と第2室25とを閉塞する油に溶けず、廃記録液に溶ける部材90を設けている。
このように構成した廃液タンク21に廃記録液を導入したときの具体例について図38を参照して説明する。
ここでは、図38(a)に示すように廃液タンク21のタンクケース22の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容させた。このとき、第1室24と第2室25との間は油に溶けず、廃記録液に溶ける部材90で仕切られているので、廃液保湿液Fは第1室24側に保持された状態が維持される。
そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、廃液タンク21に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク21が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlの量で導入し(ここでは、廃記録液導入チューブ7を介して強制的に廃液保湿液中に廃記録液を導入した。以下の説明でも特に断らない限り同じである。)、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク21内に導入されると、図38(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になる。ここで、油に溶けず、廃記録液に溶ける部材90は廃記録液5と接触した部分が溶けるために、連通路27が形成され、廃記録液5の一部は第2室側に移動する。なお、この場合、廃液保湿液3は廃記録液5の上側に保持されるために第2室25側には殆ど移動しない。
その後、更に廃記録液が排出されると、図38(c)に示すように、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、第2室25側では廃記録液5が受容部材26に吸収される。
このように、廃記録液を受け入れる第1室と、廃液を吸収可能な受容部材を収納した第2室とを有し、第1室と第2室との間には、少なくともタンク内底面側に、油に溶けず、廃液には溶ける部材が設けられ、廃液保湿液は油に溶けず、廃液には溶ける部材で第1室側に保持されている構成とすることで、廃液保湿液の使用量を大幅に低減することができる。
次に、本発明に係る廃液タンクの第16実施形態について図39を参照して説明する。なお、図39は同廃液タンクの模式的説明図である。
この廃液タンク71は、前記第11実施形態の廃液タンクにおいて、第15実施形態と同様に、第1室24と第2室25とを連通する連通路27を構成する連通路部74の第1室24側に、油に溶けず、廃記録液に溶ける部材90を設けたものである。
このように構成した廃液タンク21に廃記録液を導入したときの具体例について図40を参照して説明する。

ここでは、図40(a)に示すように廃液タンク21のタンクケース22の底部に廃液保湿液3として廃液保湿液F(20ml:シリコーンオイル…100部)を収容させた。このとき、第1室24側の連通路部74側の開口部は油に溶けず、廃記録液に溶ける部材90で閉じられているので、廃液保湿液Fは第1室24側に保持された状態が維持される。
そして、評価用プリンタを用いて、HL環境下において、廃液タンク71に収容した廃液保湿液Fの液中に評価用記録液を廃液タンク71が満タンになるまで1分間隔、一回当たり0.2mlの量で導入し(ここでは、廃記録液導入チューブ7を介して強制的に廃液保湿液中に廃記録液を導入した。以下の説明でも特に断らない限り同じである。)、廃液が貯蔵される様子を観察した。
このとき、廃記録液が廃液タンク71内に導入されると、図40(b)に示すように、廃液は、廃記録液5より比重が軽く、かつ相溶性が低い廃液保湿液3が表面側に、この廃液保湿液3の液層の下側に廃記録液5が位置する二層分離状態になる。ここで、油に溶けず、廃記録液に溶ける部材90は廃記録液5と接触した部分が溶けるために、連通路部74の連通路27との間が開口され、廃記録液5の一部は第2室側に移動し、受容部材26にて吸収される。なお、この場合、廃液保湿液3は廃記録液5の上側に保持されるために第2室25側には殆ど移動しない。
その後、更に廃記録液が排出されると、図40(c)に示すように、表層の廃液保湿液3の液面が上昇し、第2室25側では廃記録液5が受容部材26に吸収される。
このように構成しても、第15実施形態と同様に、廃液保湿液に使用量を大幅に低減することができる。
次に、本発明に係る液体吐出装置を含む本発明に係る画像形成装置の一例について図41及び図42を参照して説明する。なお、図41は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図42は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図42で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによって図42のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、図42に示すように、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む本発明に係るヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。
この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、図42に示すように、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
そして、維持回復機構281による維持回復動作などで生じる廃記録液を収容するための本発明に係る廃液タンク290を備えている(図41参照)。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このように本発明に係る廃液タンクを備えた本発明に係る画像形成装置は、吐出する記録液が速乾性であっても、元々の粘度が高くても、色材が顔料であっても、廃記録液の増粘を妨げることができるため、堆積物の山の形成がされて起こる問題を生じない。したがって、速乾性で、高粘度の、色材として顔料を用いた記録液を使用して、優れた画質、優れた耐久性の記録物を得ることができるとともに、維持においてもヘッドに堆積物が付着して印字ができなくなったり、記録媒体が堆積物で汚れたりといった問題を生じることがなく、信頼性の高い高画質の画像を形成することができるようになる。
なお、上記画像形成装置において、廃液タンク290は装置本体に対して着脱可能にすることができる。特に顔料インクなどを使用しているときのように、廃記録液の水分は吸収部材に吸収されるが、顔料成分のみが堆積する場合、廃液タンクの想定寿命が画像形成装置本体の寿命を大きく下回る可能性があるが、廃液タンクの交換が困難であると、画像形成装置を一時的でも各拠点や各工場に移送しなければならず、その期間は画像形成装置を使用できなくなってユーザーに支障を来たすことになるが、廃液タンクを交換できることで、このような問題は解決される。
なお、上記各実施形態では本発明に係る画像形成装置としてプリンタ構成で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
本発明に係る廃液タンクの第1実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第1実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 実施例及び比較例の説明に供する廃液タンクの一例を説明する模式的説明図である。 同じく廃液タンクの他の例を説明する模式的説明図である。 同じく廃液タンクの更に他の例を説明する模式的説明図である。 比較例では図5の廃液タンクで山状堆積物が形成されることの説明に供する模式的説明図である。 比較例では図6の廃液タンクで山状堆積物が形成されることの説明に供する模式的説明図である。 比較例では図7の廃液タンクで山状堆積物が形成されることの説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第3実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第4実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第5実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第6実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第7実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第8実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第9実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第10実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である 本発明に係る廃液タンクの第11実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第12実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第13実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である 本発明に係る廃液タンクの第14実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である 廃液タンクの第1ユニットと第2ユニットとを分離可能に接続する構成の一例について廃液タンクのユニットを接続状態から分離する過程の説明に供する模式的説明図である。 図35の廃液タンクのジョイント部の要部拡大説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第15実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクの第16実施形態の模式的説明図である。 同廃液タンクの作用説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る廃液タンクを含む本発明に係る液体吐出装置を含む本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 同じく要部平面説明図である。
符号の説明
1、11、21、61、71…廃液タンク
2、22…タンクケース
3、13…廃液保湿液
5…廃記録液
16…廃液
24…第1室
25…第2室
26…受容部材
27、37、77…連通路
72…第1ユニット
73…第2ユニット
90…油に溶けず、廃記録液に溶ける部材
234…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
290…廃液タンク

Claims (22)

  1. 廃棄される廃記録液を収容する廃液タンクにおいて、
    前記廃記録液を受け入れる第1室と、
    前記廃記録液を吸収可能な受容部材を収納した第2室と、を有し、
    前記廃記録液の表面に液層を形成する廃液保湿液が液状のまま収容され、
    前記廃液保湿液は前記廃記録液が収容されて液面が上昇したときに前記第1室側と前記第2室側に分離される
    ていることを特徴とする廃液タンク。
  2. 請求項1に記載の廃液タンクにおいて、前記廃液保湿液は、前記廃記録液よりも比重が軽く、廃記録液と相溶性が低い有機溶媒を含むことを特徴とする廃液タンク。
  3. 請求項2に記載の廃液タンクにおいて、前記有機溶媒は25℃−1atmの環境下で水より蒸気圧が低いことを特徴とする廃液タンク。
  4. 請求項2又は3に記載の廃液タンクにおいて、前記有機溶媒はパラフィンオイル又はシリコーンオイルであることを特徴とする廃液タンク。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の廃液タンクにおいて、
    前記第1室と前記第2室とを仕切る仕切り部に前記第1室と前記第2室とを通じる連通路が設けられ、
    前記廃液保湿液は前記連通路よりも液面が高くなることで前記第1室側と前記第2室側又は連通路側に分離される
    ことを特徴とする廃液タンク。
  6. 請求項5に記載の廃液タンクにおいて、前記受容部材の最下端面が前記連通路よりも上方に位置することを特徴とする廃液タンク。
  7. 請求項6に記載の廃液タンクにおいて、前記受容部材の最下端面は前記受容部材の下端面に部分的に形成された凸部の下端面であることを特徴とする廃液タンク。
  8. 請求項7に記載の廃液タンクにおいて、前記凸部の周囲の少なくとも一部には前記廃液保湿液を吸収したときに廃液保湿液の拡散を制限する拡散制限手段が設けられていることを特徴とする廃液タンク。
  9. 請求項8に記載の廃液タンクにおいて、前記拡散制限手段が隔壁部材であることを特徴とする廃液タンク。
  10. 請求項に記載の廃液タンクにおいて、前記拡散制限手段が前記受容部材に形成された切込みであることを特徴とする廃液タンク。
  11. 請求項6に記載の廃液タンクにおいて、前記受容部材は少なくとも前記最下端面を形成する部分とその他の部分とに分離されていることを特徴とする廃液タンク。
  12. 請求項1に記載の廃液タンクにおいて、前記第1室と前記第2室とを通じる連通路が設けられ、この連通路は前記第1室側の開口の位置よりも前記第2室側の開口の位置が相対的に高いことを特徴とする廃液タンク。
  13. 請求項12に記載の廃液タンクにおいて、前記第2室側での前記連通路の開口が前記受容部材で形成される空間に臨んでいることを特徴とする廃液タンク。
  14. 請求項13に記載の廃液タンクにおいて、前記空間の底面を形成する部分を他の部分と隔てて前記廃液保湿液を吸収したときに廃液保湿液の拡散を制限する拡散制限部材が設けられていることを特徴とする廃液タンク。
  15. 請求項1に記載の廃液タンクにおいて、前記第1室と前記第2室とを通じる連通路が設けられ、この連通路は前記第1室側の開口及び前記第2室側の開口の位置よりも相対的に高い部分を有していることを特徴とする廃液タンク。
  16. 請求項1に記載の廃液タンクにおいて、前記第1室を形成する第1ユニットと、前記第2室を形成する第2ユニットと、前記第1ユニット及び第2ユニットとは独立した、又は、前記第1ユニット及び第2ユニットの少なくともいずれかと一体の、前記第1室と第2室とを連通する連通路を形成する連通路部とを有し、前記第1ユニットと第2ユニットは分離可能に接続されていることを特徴とする廃液タンク。
  17. 請求項1ないし16のいずれかい記載の廃液タンクにおいて、前記廃液保湿液は消泡剤を含んでいることを特徴とする廃液タンク。
  18. 請求項1ないし17のいずれかに記載の廃液タンクにおいて、前記廃液保湿液は防腐防カビ剤を含んでいることを特徴とする廃液タンク。
  19. 請求項1ないし18のいずれかに記載の廃液タンクにおいて、前記廃記録液が前記廃液保湿液の液面又は液中に直接排出されることを特徴とする廃液タンク。
  20. 液体吐出ヘッドから記録液を吐出する液体吐出装置において、請求項1ないし19のいずれかに記載の廃液タンクを備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  21. 液体吐出ヘッドから記録液を吐出して画像を形成する画像形成装置において、請求項1ないし19のいずれかに記載の廃液タンクを備えていることを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項21に記載の画像形成装置において、前記廃液タンクは着脱自在に装着されていることを特徴とする画像形成装置。
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