JP2006082523A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 Download PDF

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英輔 平岡
Takeshi Hashimoto
健 橋本
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Abstract

【課題】廃インク等の廃液を有効に再利用できると共に、イニシャルインク等のイニシャル印字用液体を用いた場合と同等の画像品質を得ることができるインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】固形分と、該固形分を溶解させる液体成分とを含有する印字用液体を記録ヘッドから吐出して画像記録を行うと共に、非画像記録時に前記記録ヘッドから前記印字用液体を廃液として排出するインクジェット記録方法において、前記廃液を回収し、回収された前記廃液から抽出された液体成分(抽出液体成分)が再利用され、前記抽出液体成分が、前記廃液を固液分離する固液分離工程を少なくとも経て前記廃インクから抽出されることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液滴状のインクを記録媒体に付与して画像を記録するインクジェット記録方法およびこれを用いたインクジェット記録装置に関するものである。
ノズル、スリット、多孔質フィルム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、布巾、フィルム等に記録するインクジェット記録方法は、小型、安価、静粛という特徴をもち、多くのプリンターに用いられている。中でも、圧電素子の変形を利用しノズルから液体インクを吐出させるピエゾインクジェット方式、熱沸騰現象を利用した熱インクジェット方式は、高解像度、高速印字性の観点から多く利用されている。
このようなインクジェット記録に利用されるインクジェット記録装置には、高画質化および高速化の両方が求められている。
例えば、画像記録時に、記録媒体が搬送される方向と直交する方向の媒体幅と略等しい幅を有する固定型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置では、高速化や大量印刷が可能である。
しかし、画像記録時に、記録媒体が搬送される方向と直交する方向に走査しながら印字を行う走査型の記録ヘッドと比べると、固定型の記録ヘッドではノズル面に設けられるノズル数が多いため、非画像記録時(メンテ時)に、ダミージェットや吸引等によって記録ヘッドから排出されるインク(廃インク)の量が増加する(インクの凝集を促進するための処理液がインクと共に併用される場合は、この処理液も同様である。なお、以下の説明では、インクおよび処理液の双方を「印字用液体」と称す場合がある)。
これは、画像記録以外で浪費されるインク量の増大を意味し、ランニングコストの増大や、廃インクを貯蔵する廃インクタンクの大型化、すなわちインクジェット記録装置の大型化を招く。さらに、多量に発生する廃インクの処理もコストが掛かる。
このような問題を解決するために、廃インクを、再び画像記録に再利用するインクジェット記録装置が検討されている。
例えば、インクを吐出して記録を行う記録ヘッドとインクタンクとが搭載された往復動可能なキャリッジユニットを有するインクジェット記録装置において、廃インクを溜める廃インクタンクと、該廃インクタンクのインクを使う廃インク用記録ヘッドとを有するインクジェット記録装置(特許文献1参照)が提案されている。この技術は、廃インクを何らの処理も施さずに再び画像記録に再利用する方式(「廃インク源液再利用方式」と称す)である。
これに対して、一旦回収した廃インクを稀釈して再利用する方式(以下、「廃インク希釈再利用方式」と称す場合がある)も提案されている。
例えば、希釈液カートリッジ、希釈液ポンプ、インクセンサ等からなるインク粘度調整手段で、廃インクの粘度を調整した後、これを再び画像記録に利用するインクジェット記録装置(特許文献2参照)、プリンタの使用状況からインクカートリッジ内のインク粘度を予測し、希釈液カートリッジ、希釈液ポンプ等からなるインク粘度調整手段により廃インクの粘度を調整した後、再び画像記録に利用するインクジェット記録装置(特許文献3参照)、想定インク残量と実インク残量の差からインクの希釈量を求め、揮発量相当分を希釈液ポンプから希釈液を注入し、廃インクの粘度調整を行った後、これを再び画像記録に利用するインクジェット記録装置(特許文献4参照)が提案されている。
また、印刷ヘッド(記録ヘッド)と、該印刷ヘッドにインクを供給するインクボトル(インクタンク)と、前記印刷ヘッドの保全を目的としたキャップ機構と、インクを吸引するパージ機構と、前記印刷ヘッド表面を清掃するワイパーブレードとを有するインクジェット記録装置において、前記キャップ機構を介して前記印刷ヘッドから排出されるインクを濾過する濾過手段と、前記印刷ヘッドから排出された回収インク(廃インク)の粘度調整を行なう粘度調整手段と、前記印刷ヘッドから排出された回収インクの脱泡処理を行なう脱泡手段を備え、粘度調整および脱泡処理を経た廃インクを再び画像記録に利用するインクジェット記録装置(特許文献5参照)も提案されている。
特開2000−309111号公報 特開2001−10087号公報 特開2003−127435号公報 特開2002−19154号公報 特開2000−272144号公報
これら従来技術においては、廃インクを再び画像記録に利用できるため、画像記録以外でインクを浪費することが無くなり、経済的である。しかし、イニシャル印字用液体(再利用の為の何らかのプロセスを経ていないインクや処理液)のみを用いて画像記録を実施した場合と比べると画像品質の点では不充分な場合があった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、廃インク等の廃液を有効に再利用できると共に、イニシャルインク等のイニシャル印字用液体を用いた場合と同等の画像品質を得ることができるインクジェット記録方法およびこれを用いたインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために、まず、従来技術における問題点について鋭意検討した。
まず、廃インク源液再利用方式では、廃インク専用の記録ヘッドを新たに設けたり、画像記録に際してイニシャルインクと廃インクとを分けて2元的に管理しなければならず、インクジェット記録装置の複雑化や、大型化、コストアップを招いてしまう。
また、非画像記録時にイニシャルインク用が記録ヘッドから排出されて、回収、再利用されるまでの過程において、廃インクには、イニシャルインクと異なり様々な物理的、化学的、機械的ストレスに曝されることになるため何らかの変性・劣化が起こり、印字品質の劣化を招きやすくなるものと考えられる。
例えば、イニシャルインクが、熱インクジェット方式により記録ヘッドから吐出される場合には、加熱による溶媒成分の揮発によって廃インクの粘度が増加したり、熱的反応によってイニシャルインクと組成が異なったりしてしまうことが予想される。
一方、廃インク希釈再利用方式においても、同様に非画像記録時にイニシャルインク用が記録ヘッドから排出されて、回収、再利用されるまでの過程において、廃インクには、イニシャルインクと異なり様々な物理的、化学的、機械的ストレスに曝されることになるため何らかの変性・劣化が起こり、印字品質の劣化を招きやすくなるものと考えられる。また、この方式では、溶媒等の揮発成分がある程度揮発して増粘した廃インクを再利用する前に、粘度調整を行うが、揮発成分の揮発量は環境に左右されやすいため、厳密な粘度制御は困難であると考えられる。
一方、本発明者らは、印字品質の劣化を招く廃インクの変性は、〔1〕溶媒等の揮発成分の揮発による増粘(すなわち、固形分濃度の変動)や、〔2〕廃インクに含まれる固形分の変性・劣化(例えば、熱による劣化や、外気と接触することによる酸化等)に主に起因しているものと考えた。
従って、本発明者らは、廃インクから変性・劣化し易い固形分を一旦除去し、液体成分のみを抽出して再利用することが有効であると考えた。すなわち、廃インクから抽出された液体成分には、変性・劣化した固形分が実質的に除去されているため、これにイニシャルインクの固形分(あるいは固形分を濃縮した液体成分)を新たに加えれば、組成的にはイニシャルインクと同等の品質の再生インクを作製できると考えられるためである。
また、実質的に固形分を含まない液体成分に新たにイニシャルインクの固形分(あるいは固形分を濃縮した液体成分)を所定量加えるだけでよいため、従来のように揮発成分の揮発量等を予想して、廃インクを希釈する等の複雑な粘度調整(すなわち固形分濃度調整)が必要でなく、再生インクの粘度制御も極めて容易である。それゆえ、この再生インクを利用して画像記録を実施すればイニシャルインクと同等の印字品質が得られるものと考えられる。これらは再生処理液を作製する場合も同様であると考えられる。
一方、インクジェット記録装置には、非画像記録時に記録ヘッドをクリーニングする際に、クリーニング液が利用される場合もある。従って、本発明者らは、、廃インクから変性・劣化し易い固形分を一旦除去して抽出された液体成分を再生インクとして利用する以外にもクリーニング液として再利用することも有効であると考えた。
本発明者らは、以上に説明したような知見に基づいて、以下の本発明を見出した。すなわち、本発明は、
<1>
固形分と、該固形分を溶解させる液体成分とを含有する印字用液体を記録ヘッドから吐出して画像記録を行うと共に、非画像記録時に前記記録ヘッドから前記印字用液体を廃液として排出するインクジェット記録方法において、
前記廃液を回収し、回収された前記廃液から抽出された液体成分(抽出液体成分)が再利用され、
前記抽出液体成分が、前記廃液を固液分離する固液分離工程を少なくとも経て前記廃液から抽出されることを特徴とするインクジェット記録方法である。
<2>
前記固液分離工程が、前記廃液に凝集剤を添加することにより行われることを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<3>
前記凝集剤が、高分子凝集剤、および、多価金属塩から選択される少なくとも1種であることを特徴とする<2>に記載のインクジェット記録方法である。
<4>
前記抽出液体成分が、前記固液分離工程と、該固液分離工程により固液分離された液体成分を濾過する濾過工程とを少なくとも経て、前記廃液から抽出されることを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<5>
前記抽出液体成分を、印字用液体固形分濃縮成分と混合し、印字用液体として再利用することを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<6>
前記非画像記録時に、前記記録ヘッドを、少なくともクリーニング液を利用してクリーニングする<1>に記載のインクジェット記録方法において、
前記クリーニング液として、前記抽出液体成分を利用することを特徴とするインクジェット記録方法である。
<7>
固形分と、該固形分を溶解させる液体成分とを含有する印字用液体を、画像記録時に一方向に搬送される記録媒体上に吐出して画像を記録すると共に、非画像記録時に前記印字用液体を廃液として排出する記録ヘッドと、
前記印字用液体を収納すると共に、前記記録ヘッドに供給するインクタンクとを少なくとも備えたインクジェット記録装置において、
前記廃液を回収する廃液回収手段と、該廃液回収手段により回収された廃液を、少なくとも固液分離処理することにより液体成分(抽出液体成分)を抽出する液体抽出手段と、前記液体抽出手段から供給される前記抽出液体成分を再利用する廃液再利用手段とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置である。
<8>
前記液体抽出手段が、前記廃液回収手段により回収された廃液に、凝集剤を添加して前記固液分離処理を実施する固液分離処理手段を含むことを特徴とする<7>に記載のインクジェット記録装置である。
<9>
前記液体抽出手段が、前記固液分離処理手段と、該固液分離処理手段により固液分離された液体成分を濾過する濾過手段とを含むことを特徴とする<8>に記載のインクジェット記録装置である。
<10>
前記廃液再利用手段が、前記抽出液体成分供給手段から供給される前記抽出液体成分と、印字用液体固形分濃縮成分と混合して再生印字用液体を作製する再生印字用液体製造手段と、該再生印字用液体を前記インクタンクに供給する再生印字用液体供給手段とを含むことを特徴とする<7>に記載のインクジェット記録装置である。
<11>
前記再生印字用液体製造手段が、前記抽出液体成分と、印字用液体固形分濃縮成分とを混合する攪拌子を備えた攪拌タンクを含むことを特徴とする<10>に記載のインクジェット記録装置である。
<12>
前記非画像記録時に、前記記録ヘッドを、少なくともクリーニング液を利用してクリーニングするクリーニング手段を備えた<7>に記載のインクジェット記録装置において、
前記廃液再利用手段が、前記抽出液体成分供給手段から供給される前記抽出液体成分を前記クリーニング液として前記クリーニング手段に供給するクリーニング液供給手段であることを特徴とするインクジェット記録装置である。
<13>
前記記録ヘッドが、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の媒体幅と略等しい幅を有する固定型記録ヘッドであることを特徴とする<7>に記載のインクジェット記録装置であるである。
以上に説明したように本発明によれば、廃液を有効に再利用できると共に、イニシャルインク等のイニシャル印字用液体を用いた場合と同等の画像品質を得ることができるインクジェット記録方法およびこれを用いたインクジェット記録装置を提供することができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、固形分と、該固形分を溶解させる液体成分とを含有する印字用液体を記録ヘッドから吐出して画像記録を行うと共に、非画像記録時に前記記録ヘッドから前記印字用液体を廃液として排出するインクジェット記録方法において、前記廃液を回収し、回収された前記廃液から抽出された液体成分(抽出液体成分)が再利用され、前記抽出液体成分が、前記廃液を固液分離する固液分離工程を少なくとも経て前記廃液から抽出されることを特徴とする。
本発明において、抽出液体成分の再利用の形態は、本発明のインクジェット記録方法を利用したインクジェット記録装置内で抽出液体成分が利用されるのであればその利用形態は特に限定されないが、再生印字用液体を作製する際の希釈液および/または記録ヘッドのクリーニングに利用するクリーニング液として利用されることが特に好ましい。それゆえ、本発明のインクジェット記録方法は、廃液を有効に再利用できると共に、イニシャルインクを用いた場合と同等の画像品質を得ることができる。
ここで、本発明において、「印字用液体」とは、インクや、インク中の色材の凝集を促進する成分を含む処理液のような印字に用いられる液体を意味する。なお、本発明において、「印字用液体」としてインクは必ず用いられるが、処理液は必要に応じて用いても用いなくてもよい。
また、「イニシャル印字用液体」等の“イニシャル”とは、再利用の為の何らの処理も受けていない状態を意味し、や「再生印字用液体」等の“再生”とは再利用の為の何らかの処理を受けた状態を意味する。なお、単に「印字用液体」等と表記した場合は、イニシャルか再生かは特に限定されない。
さらに、「廃液」とは、非画像記録時に記録ヘッドから排出された印字用液体(インク(廃インク)や処理液(廃処理液))を意味し、「固形分」とは、イニシャル印字用液体(あるいは廃液)中に含まれる成分のうち、常温で固体として存在可能であると共に、イニシャル印字用液体(あるいは廃液)中に含まれる液体成分に対しては溶解または分散可能な成分(例えば、インクにおいては、顔料などの色材や高分子分散剤等、処理液においては多価金属塩等)を意味し、「液体成分」とは、イニシャル印字用液体(あるいは廃液)中に含まれる成分のうち、常温で液体として存在可能な成分(例えば、水や水溶性有機溶媒等)を含むものであることを少なくとも意味し、固形分の一部が含まれていてもよい。また、「抽出液体成分」とは、固液分離工程を含む一連の液体抽出処理を全て経た後に得られた液体成分を意味する。
次に、廃液の回収、回収された廃液から液体成分(抽出液体成分)を抽出する液体抽出処理、抽出液体成分の再利用について順次説明する。
−廃液の回収−
メンテナンス等、非画像記録時に記録ヘッドのノズル内の印字用液体が廃液として排出される。排出は、ダミージェット(空吐出)や、記録ヘッドのノズル面にキャップ状の部材を押し当てて吸引することにより実施できる。排出された廃液は、チューブ等によって集められ、液体抽出処理に供される。なお、廃液は、印字用液体の種類毎に分別回収し印字用液体ごとに液体抽出処理してもよいが、一連の廃液の再生処理を簡略化するためには、1箇所にまとめて回収し液体抽出処理することが好ましい。
−液体抽出処理(固液分離工程等)−
液体抽出処理は少なくとも固液分離工程を含むものであり、これ以外に他の工程を含んでいてもよく、例えば、濾過工程や、イオン交換工程等を含んでいてもよい。
ここで、固液分離工程は、凝集剤を用いて、廃液中に溶解している固形分を凝集沈殿させて固液分離する方法や、廃液に疎水性溶媒を加えて、固形分の飽和溶解度を引き下げることによって固形分を析出させ固液分離する方法等、公知の固液分離方法が利用できるが、廃液中に溶解している固形分を効率的に固液分離できる点で、凝集剤を利用して固液分離を行うことが好ましい。
凝集剤としては、廃液中に溶解または分散している固形分と反応し、凝集・沈殿させる能力を有する材料であれば特に限定されないが、具体的には、多価金属塩や、高分子凝集剤を用いることができ、2種類以上を組合せて利用することもできる。
多価金属塩としては、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、Ti、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、In等の多価金属イオンを含むリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などの2価以上の金属イオンを含む公知の塩化合物を用いることができる。
なお、画像記録に際して、インクの他に、多価金属塩等の凝集剤を含む処理液も併用する場合には、回収された廃処理液と廃インクとを混合し、固液分離を実施あるいは補助することもできる。
一方、高分子凝集剤としては、水溶性であること、分子量が100,000〜100,000,000であること、および、廃液中に溶解または分散している固形分と親和性を有する物質であれば特に限定されず、好ましくは廃液中の固形分と反対の電荷を有することが挙げられ、第4級アンモニウム塩基、アミノ基、カルボキシル基、アミド基等の親水基を有するものが特に好ましい。
高分子凝集剤の具体例としては、例えば、アミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩(共)重合体、ポリアミノメチルアクリルアミド塩、またはその4級塩、キトサン、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム/2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリメタアクリル酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエーテルや、カチオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤等を挙げることができる。
固液分離工程を経て固液分離された液体成分はそのまま抽出液体成分として利用することもできるが、更にこの液体成分を濾過する濾過工程を実施することが好ましい。濾過工程を実施することによって、自重が軽いために沈殿し難い凝集成分を液体成分から効率的に除去することができる。
濾過工程は、フィルターを利用して行うことができる。使用するフィルターの目開きとしては0.2μm〜20μmであることが好ましく、0.2μm〜5.0μmの範囲内であることがより好ましい。また、フィルターは目開きの異なるものを2種類以上組合せて使用することもできる。この場合は目開きの粗い側から細かい側へと液体成分を濾過するようにフィルターを配置することが好ましい。これにより長期に渡ってフィルターの性能低下を招くことなく、液体成分中に含まれる粗大な凝集成分から微細な凝集成分までを効率的に除去することができる。
なお、固液分離工程や濾過工程により得られた固形分は、再度必要な成分を抽出して再利用してもよい。
また、固液分離工程を経て固液分離された液体成分中に含まれる余剰なイオン成分を除去するために、必要に応じてイオン交換工程を実施してもよい。
イオン交換には、結晶性多孔体や、イオン交換能を有する樹脂を利用することができ、結晶性多孔体としては、アルミノ珪酸塩、シリコンアルミノ燐酸塩、メソ多孔体等を挙げることができ、イオン交換能を有する樹脂としては、スチレンスルホン酸−ジビニルベンゼン共重合体、スチレンイミノジ酢酸−ジビニルベンゼン共重合体、アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体キトサン樹脂、スチレンの第4級アンモニウム塩とジビニルベンゼンの共重合体、アクリル酸の第4級アンモニウム塩とジビニルベンゼンの共重合体等を挙げることができる。
なお、固液分離工程、濾過工程、イオン交換工程の実施順は特に限定されないが、固液分離工程、濾過工程、イオン交換工程の順に実施されることが好ましい。また、各工程は必要に応じて2回以上実施することもできる。
次に、固液分離工程等の液体抽出処理を経て得られた抽出液体成分の再利用方法について説明する。
−抽出液体成分の再利用方法(再生印字用液体としての利用)−
抽出液体成分は、印字用液体(再生印字用液体)を作製する際の希釈液として再利用することができる。この場合、液体あるいは固体状の印字用液体固形分濃縮成分と混合することによって再生印字用液体を得ることができる。
印字用液体固形分濃縮成分の組成・濃度は、印字用液体固形分濃縮成分と抽出液体成分とを混合した時に、イニシャル印字用液体の組成・濃度と一致するように選択することが特に好ましい(以下の説明においては、再生印字用液体の組成・濃度がイニシャル印字用液体と同一に調整されることを前提として説明する)。
なお、抽出液体成分に、廃液中の固形分が殆ど残留していない場合には、印字用液体固形分濃縮成分としては、イニシャル印字用液体をそのまま濃縮した濃縮液あるいは固化した濃縮固形物を利用することができる。
また、液体抽出処理を経て得られた抽出液体成分の組成・濃度は、安定している上に、変性や劣化した固形分も殆ど除去されるため、一定の組成・濃度からなる印字用液体固形分濃縮成分を抽出液体成分に対して一定の割合で混合するだけで、常に組成・濃度が一定の再生印字用液体を得ることができる。このため、再生印字用液体とイニシャル印字用液体とを混合した混合印字用液体を用いて画像記録を実施してもイニシャル印字用液体と同等の印字品質を得ることができ、再生印字用液体専用の記録ヘッドを設けたり、画像記録に際して、再生印字用液体とイニシャル印字用液体とを使い分ける必要もない。
再生印字用液体は、画像記録に利用する全種類について色別(液体の種類別)に作製することもできるが、文字画像の形成に主に利用されるブラックインクのような消耗の激しい印字用液体についてのみ再生印字用液体を作製してもよい。
−抽出液体成分の再利用方法(クリーニング液としての利用)−
一方、抽出液体成分は、非画像記録時に、記録ヘッドがクリーニング液を利用したクリーニング手段によってクリーニングされる場合には、クリーニング液として利用することができる。
例えば、記録ヘッドのクリーニング手段が、記録ヘッドのノズル面を清掃するワイパー等の清掃部材である場合は、この清掃部材の表面にクリーニング液を供給することができる。また、記録ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニット各部〜例えば、記録ヘッドから廃液を吸引したり、ダミージェットにより排出される廃液を受け止めて回収するキャップ等のインク受け部材や、清掃部材、インク受け部材から固液分離処理等を行う抽出処理を行うためのタンク等へ廃印字用液体を送るためのパイプやポンプ等の清掃にも利用することができる。
抽出液体成分をクリーニング液として用いた場合、上述した各種部材に付着した付着物を除去することが容易である。これは、付着物はインクの固形分からなること多いことに加え、抽出液体成分自体が、これら固形物の溶解に適した液体であるためである。
−イニシャル印字用液体−
次に、本発明に用いられるイニシャルインク(およびインク固形分濃縮成分)、並びに、イニシャル処理液(および処理液固形分濃縮成分)について説明する。
本発明に用いられるイニシャルインクは色材や高分子分散剤等の固形分と、この固形分を溶解させる水や水溶性有機溶媒等の液体成分と含有するものであり、インク固形分濃縮成分は、基本的にはイニシャルインクを濃縮したもので、固体状(固形分のみ)あるいは液体状(固形分+液体成分)のいずれであってもよい。
但し、再生インクの作製に用いられる抽出液体成分に、一定の固形分が残留している場合には、インク固形分濃縮成分の固形分組成は、この残留成分を差し引いた組成となるように調整される。これは再生処理液を作製する場合についても同様である。
イニシャルインクには、少なくとも顔料等の色材と、水と、水溶性有機溶媒とが含まれ、必要に応じて後述する種々の成分を添加することができる。なお、2種類以上のインクを組合せて用いる場合には、色間にじみを防止するために、一方のインクに、他方のインクの色材等の固形分の凝集を促進する多価金属イオン等の凝集剤を添加しておいてもよい。
また、イニシャル処理液は、色材は含まれないが、インク中の顔料等の固形分を凝集させる多価金属イオン等の凝集剤と、水と、水溶性有機溶媒とが含まれ、必要に応じて後述する種々の成分を添加することができる。
次に、印字用液体に含まれる各種成分、すなわち、多価金属イオン、色材、その他の成分について以下に説明する。
−多価金属イオン−
イニシャル処理液やイニシャルインクに含まれる多価金属イオンとしては、公知の2価以上の金属イオンであれば特に限定されない。例えば、多価金属イオンとしては、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、Ti、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、In等が挙げられる。また、多価金属イオンは塩化合物として処理液やイニシャルインクに添加することができる。
このような塩化合物としては、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などが挙げられ、処理液やイニシャルインク中での析出を抑制するために、その溶解度が10を超えるものであることが好ましい。溶解度が10以下の場合には、記録ヘッドのノズル部の目詰まりが発生したり、イニシャル処理液やイニシャルインクの長期安定性が劣化する場合がある。
なお、多価金属イオンとしては、上記に列挙した中でも、特にMgが好ましい。Mgは、記録ヘッドのノズル部の目詰まり発生等の2次障害が、他の金属イオンと比べて起こりにくいため、より安定した印字が可能となる。
また、イニシャル処理液やイニシャルインクに含まれる多価金属イオンの濃度は、100ppm以上であることが好ましく、500ppm以上であることがより好ましい。処理液やイニシャルインクに含まれる多価金属イオンの濃度が100ppmよりも小さい場合には、金属イオンを用いた場合の耐水性や色間にじみ改善効果が十分に得られなかったり、画像濃度が薄くなる場合がある。
−色材−
イニシャルインクには、公知の色材(顔料、染料)が添加される。なお、イニシャルインクに添加される色材としては、水溶性染料や分散染料、また自己分散性顔料、高分子分散剤と併用される顔料等を利用することが好ましい。
染料としては、水溶性染料、分散染料いずれも使用できる。水溶性染料の具体例としてはC. I. Direct Black −2, −4, −9, −11, −17, −19, −22, −32, −80, −151, −154, −168, −171, −194, −195、 C. I. Direct Blue −1, −2, −6, −8, −22, −34, −70, −71, −76, −78, −86, −112, −142, −165, −199, −200, −201, −202, −203, −207, −218, −236, −287, −307, C. I. Direct Red −1, −2, −4, −8, −9, −11, −13, −15, −20, −28, −31, −33, −37, −39, −51, −59, −62, −63, −73, −75, −80, −81, −83, −87, −90, −94, −95, −99, −101, −110, −189, −227、 C. I. Direct Yellow −1, −2, −4, −8, −11, −12, −26, −27, −28, −33, −34, −41, −44, −48, −58, −86, −87, −88, −132, −135, −142, −144, −173、 C. I. Food Black −1, −2、 C. I. Acid Black −1, −2, −7, −16, −24, −26, −28, −31, −48, −52, −63, −107, −112, −118, −119, −121, −156, −172, −194, −208、 C. I. Acid Blue −1, −7, −9, −15, −22, −23, −27, −29, −40, −43, −55, −59, −62, −78, −80, −81, −83, −90, −102, −104, −111, −185, −249, −254、 C. I. Acid Red −1, −4, −8, −13, −14, −15, −18, −21, −26, −35, −37, −52, −110, −144, −180, −249, −257,−289、 C.I.Acid Yellow −1, −3, −4, −7, −11, −12, −13, −14, −18, −19, −23, −25, −34, −38, −41, −42, −44, −53, −55, −61, −71, −76, −78, −79, −122などが挙げられる。
分散染料の具体例としては、C.I.Disperse Yellow −3、−5、−7、−8、−42、−54、−64、−79、−82、−83、−93、−100、−119、−122、−126、−160、−184:1、 −186、−198、−204、−224、C.I.Disperse Orange −13、−29、−31:1、−33、−49、−54、−66、−73、−119、−163、C.I.Disperse Red −1、−4、−11、−17、−19、−54、−60、−72、−73、−86、−92、−93、−126、−127、−135、−145、−154、−164、−167:1、−177、−181、−207、−239、−240、−258、−278、−283、−311、−343、−348、−356、−362、C.I.Disperse Violet −33、C.I.Disperse Blue −14、−26、−56、−60、−73、−87、−128、−143、−154、−165、−165:1、−176、−183、−185、−201、−214、−224、−257、−287、−354、−365、−368、C.I.Disperse Green −6:1、−9などが挙げられる。
また、顔料も使用することができる。ブラック顔料の具体例としては、Raven7000, Raven5750, Raven5250, Raven5000 ULTRA II, Raven 3500, Raven2000, Raven1500, Raven1250, Raven1200, Raven1190 ULTRA II, Raven1170, Raven1255, Raven1080, Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R, Regal330R, Regal660R, Mogul L, Black Pearls L, Monarch 700, Monarch 800, Monarch 880, Monarch 900, Monarch 1000, Monarch 1100, Monarch 1300, Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1, Color Black FW2, Color Black FW2V, Color Black 18, Color Black FW200, Color Black S150, Color Black S160, Color Black S170, Printex35, Printex U, Printex V, Printex140U, Printex140V, Special Black 6 ,Special Black 5 ,Special Black 4A ,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25, No.33, No.40, No.47, No.52, No.900, No.2300, MCF−88, MA600, MA7, MA8, MA100(以上三菱化学社製)が挙げられるがこれに限定されるものではない。
また、自己分散性顔料(水に自己分散可能な顔料)としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−253、IJX−266、IJX−444、IJX−273、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2、更には日本触媒社から販売されている自己分散顔料等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
シアンインクの顔料としてはC.I.Pigment Blue−1, −2, −3, −15, −15:1, −15:2, −15:3, −15:4, −16, −22, −60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタインクの顔料としては、C.I.Pigment Red −5, −7, −12, −48, −48:1, −57, −112, −122, −123, −146 , −168, −184, −202が挙げられるがこれに限定されるものではない。
イエローインクの顔料としては、C.I.Pigment Yellow −1, −2, −3, −12, −13, −14, −16, −17, −73, −74, −75, −83, −93, −95, −97, −98, −114, −128, −129, −138, −151, −154が挙げられるがこれに限定されるものではない。
また各色の色材として、色材が各種樹脂でカプセル化されたいわゆるカプセル染料・顔料を使用してもよい。
特に、良好な画像を得ることができる点では、色材としてアニオン性染料あるいはアニオン性表面基を有するカーボンブラックを使用したブラックインクと、多価金属イオンを合計500ppm以上含むカラーインクとを組合せて使用することが好ましい。この場合、ブラックインク画像部にブラックインクとカラーインクとを併用することにより画像濃度が向上し、かつ、ブラック画像とカラー画像とが隣接する部での色間滲みが抑制され画像品位が向上する。
−その他の添加成分−
イニシャルインクやイニシャル処理液には、上記の成分の他に、溶媒として水を含むが、更に水溶性有機溶媒を添加することができる。水溶性有機溶媒をイニシャルインクやイニシャル処理液にに添加すると、イニシャルインクや処理液のイニシャル保湿性及びイニシャルインク中の色材の溶解性がさらに良好になり、目詰まりを防止したり、記録ヘッドからイニシャルインクやイニシャル処理液にを吐出する際の吐出安定性を維持し、さらに、イニシャルインクやイニシャル処理液の長期の保存に対しても色材、イニシャル処理液に含まれる凝集剤の凝集・析出を防ぐことができる。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテルでは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等など多価アルコール誘導体が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
含硫黄溶媒としてはチオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を併せて用いることも出来る。エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類も使用することができる。水溶性有機溶媒の含有量としては、1〜60質量質量部、好ましくは、5〜40質量質量部で使用される。
さらに、印字用液体に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、その分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等を使用することが出来、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等のいずれを使用しても構わない。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩およびスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、高級アルキルリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が使用でき、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ケリルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等も有効に使用される。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、脂肪族アルカノールアミド、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
イニシャルインクやイニシャル処理液中に添加する界面活性剤量は、10質量部未満であることが好ましい。添加量が10質量部以上の場合には、光学濃度、及び、インクや処理液の保存安定性が悪化する場合がある。
その他、イニシャルインクやイニシャル処理液の吐出性改善等の特性制御を目的として、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション等のポリマーエマルション、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド等を用いることができる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物を使用することが出来る。
その他必要に応じ、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
<インクジェット記録装置>
次に、本発明のインクジェット記録方法を利用したインクジェット記録装置について説明する。本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録方法が利用できる構成を有するものであれば、その構成は特に限定されないが、具体的には以下のような構成を有していることが好ましい。
すなわち、本発明のインクジェット記録装置は、固形分と、該固形分を溶解させる液体成分とを含有する印字用液体を、画像記録時に一方向に搬送される記録媒体上に吐出して画像を記録すると共に、非画像記録時に前記印字用液体を廃液として排出する記録ヘッドと、前記印字用液体を収納すると共に、前記記録ヘッドに供給するインクタンクとを少なくとも備えたインクジェット記録装置において、前記廃液を回収する廃印字用液体回収手段と、該廃印字用液体回収手段により回収された廃液を、少なくとも固液分離処理することにより液体成分(抽出液体成分)を抽出する液体抽出手段と、前記液体抽出手段から供給される前記抽出液体成分を再利用する廃印字用液体再利用手段とを備えていることが好ましい。
以下、本発明のインクジェット記録装置の構成について、廃印字用液体回収手段、液体抽出手段、廃印字用液体再利用手段、および、その他の構成に分けてより詳細に説明する。
−廃印字用液体回収手段−
廃印字用液体回収手段は、非画像記録時に記録ヘッドから排出された廃液を集めて回収し、液体抽出手段へと輸送する機能を備えた構成を有するものであればその構成は特に限定されない。具体例を挙げれば、記録ヘッドから排出された廃液を受け止めて回収するインク受け部と、このインク受け部から液体抽出手段へと廃液を輸送するチューブおよびこのチューブに接続されたポンプとから構成される。なお、インク受け部は、記録ヘッドのノズル面と密着して、ノズル内のインクを吸引できるようなキャップ状のキャップ部材等であってもよい。
また、廃印字用液体回収手段は、分別回収できるようにインクや処理液毎に対応して各々独立した廃印字用液体回収手段を必要に応じて複数設けることもできる。例えば、インク同士やインクと処理液とを互いに混合した場合に凝集が起こるような場合には、チューブに詰まりが発生してしまう場合があるため、インク受け部から液体抽出手段間での経路・構成は、インクや処理液毎に対応して各々独立して設けることが好ましい。
一方、このようなチューブ詰まりが発生する可能性が無い場合には、分別回収できるようにインクや処理液毎に対応して各々独立した廃印字用液体回収手段を設ける必要はなく、装置の簡略化、小型化の為に、インク受け部から液体抽出手段間での経路・構成を一本化することができる。
−液体抽出手段−
液体抽出手段は、廃印字用液体回収手段により回収された廃液に、凝集剤を添加して固液分離処理を実施する固液分離処理手段を少なくとも含むものであり、固液分離処理手段から廃印字用液体再利用手段へと抽出液体成分をスムーズに供給するための抽出液体成分供給手段と備えていることが好ましく、また、必要に応じて、固液分離処理手段により固液分離された液体成分を濾過する濾過手段や、濾過手段により濾過された液体成分をイオン交換するイオン交換手段等を設けることもできる。
固液分離処理手段は、廃液の固液分離処理ができる構成を有するものであればその構成は特に限定されないが、少なくとも固液分離処理を実施するための固液分離処理タンクを有していることが好ましい。なお、固液分離処理タンクは、各色の廃インクや廃処理液に対応して2つ以上設けることもできるが、通常は1つであることが好ましい。
ここで、廃インク同士や廃インクと廃処理液とが混合することにより凝集、析出が発生してしまうような場合には、廃印字用液体回収手段から回収された廃インクや廃処理液を固液分離処理タンクで混合することによって固液分離処理を実施することができる。しかし、固液分離処理タンクに流れ込む廃インクや廃処理液の種類、割合によっては、固液分離処理タンクに集められた全ての廃インクや廃処理液中に含まれる固形分を十分に凝集・析出させることが困難な場合もある。この場合には、固液分離処理タンクに廃インクや廃処理液中に含まれる固形分を凝集・析出させる凝集剤を供給する凝集剤供給手段を設けることが好ましい。
この凝集剤供給手段としては、固形の凝集剤を固液分離処理タンク内に配置したものであってもよいが、凝集剤を含む溶液(固液分離溶液)を収納した固液分離溶液タンクを設け、このタンクからチューブを介して固液分離処理タンクへと固液分離溶液を供給することが好ましい。また、固液分離溶液として画像記録に用いる処理液が利用できる場合には、記録ヘッドへ処理液を供給するインクタンクと固液分離処理タンクとをチューブで接続し、処理液用のインクタンクから処理液を固液分離処理タンクへ供給することもできる。
なお、画像記録に際して処理液を用いず、また、回収される廃インクが、互いに混合しても凝集・析出しないような場合には、固液分離処理手段は、固液分離処理タンクと、これにチューブを介して接続された固液分離溶液タンクとを有していることが特に好ましい。
固液分離処理タンクの下流側(廃印字用液体再利用手段側)には、必要に応じて、フィルター等の濾過手段や、結晶性多孔体や、イオン交換能を有する樹脂等のイオン交換手段を設けることが好ましい。
濾過手段や、イオン交換手段は、固液分離処理タンクと廃印字用液体再利用手段とを結ぶチューブの途中に設置することができる。また、固液分離処理タンクと廃印字用液体再利用手段とを接続するチューブの途中に、抽出液体成分供給手段(ポンプ)を設けることができる。これら3つの手段の固液分離処理タンクと廃印字用液体再利用手段とを接続するチューブ上の配置関係は特に限定されないが、例えば、
固液分離処理タンクから下流側へと、抽出液体成分供給手段、濾過手段、イオン交換手段をこの順に配置することができる。
なお、本発明においては、固液分離処理により固液分離された固形分は、インクジェット記録装置内では再利用されることなく廃棄されることになるため、通常、固形分は、固液分離処理タンク内に沈殿させることにより蓄積・廃棄される。この場合、廃棄成分が固体状であるため、液体状で廃棄する場合と比べて廃棄スペースは極めて小さくすることができるというメリットがある(すなわち、固液分離処理タンクを必要以上に大きくする必要がない)上に、液体状の廃棄物と比べて、液漏れや染み出し等も無いため取り扱いも容易である。
−廃印字用液体再利用手段(再生印字用液体製造・供給手段)−
次に、廃印字用液体再利用手段が、抽出液体成分を希釈液として用いて再生印字用液体を製造し、この再生印字用液体を記録ヘッドのインクタンクに供給する再生印字用液体製造・供給手段である場合について説明する。
この場合、再生印字用液体製造・供給手段は、抽出液体成分供給手段から供給される抽出液体成分と、印字用液体固形分濃縮成分と混合して再生印字用液体を作製する再生印字用液体製造手段と、この再生印字用液体をインクタンクに供給する再生印字用液体供給手段(ポンプ)とを含むものであることが好ましい。
ここで、再生印字用液体製造手段は、抽出液体成分と印字用液体固形分濃縮成分を混合・攪拌するための攪拌子を備えた攪拌タンクを有していることが好ましい。また、再生印字用液体の組成・濃度の制御を容易とするために、攪拌タンクに液体状の印字用液体固形分濃縮成分(以下、「印字用液体濃縮液」と称す)をチューブを介して供給する印字用液体固形分濃縮成分供給手段(濃縮液タンク)が設けられていることが好ましい。
再生印字用液体は、再生印字用液体専用の記録ヘッドを設け、この記録ヘッドのインクタンクに供給することも可能であるが、再生印字用液体の組成・濃度をイニシャル印字用液体と同様に制御することが容易であるため、イニシャル印字用液体を利用する記録ヘッドのインクタンクに供給することが好ましい。
なお、再生印字用液体の製造とインクタンクへの供給は、連続的に実施してもよいが、再生印字用液体の組成・濃度の制御性を高めるためにはバッチ処理で実施することがより好ましい。
すなわち、一定量の抽出液体成分が攪拌タンク内に蓄積された時点で、濃縮液タンクから所定量の印字用液体濃縮液を供給して、混合・攪拌して得られた再生印字用液体をインクタンクに一括して供給することが好ましい。これによりイニシャル印字用液体と同等の組成・濃度を持つ再生印字用液体をより安定的にインクタンクに供給することができる。このため、長期に渡って画像記録を実施した場合、インクタンク内のイニシャル印字用液体に新たに再生印字用液体が継ぎ足されることになるが、イニシャル印字用液体と再生印字用液体とが混合した混合印字用液体の組成・濃度は、イニシャル印字用液体の組成・濃度と同様であるため、長期に渡って安定した印字品質を得ることがより容易である。
再生印字用液体製造・供給手段(再生処理液を製造・供給する手段も含む)は、画像記録に利用する全種類について色別(液体の種類別)に設けてもよいが、文字画像の形成に主に利用されるブラックインクのような消耗の激しい色についてのみ設けてもよい。
また、2色(2種類)以上の再生印字用液体を製造・供給する場合には、再生印字用液体製造・供給手段を小型化するために、再生印字用液体製造手段は、1つの攪拌タンクに複数の濃縮液タンクを接続した構成としてもよい。この場合、1つの攪拌タンクを共有することとなるため、一の再生印字用液体をバッチ処理で製造・供給した後、他の再生印字用液体をバッチ処理で製造する場合には、攪拌タンク内を抽出液体成分により洗浄した後、他の再生印字用液体を製造することができる。この際、洗浄に用いた抽出液体成分は、固液分離処理タンクに還流させ、再利用することができる。
−廃印字用液体再利用手段(クリーニング液供給手段)−
インクジェット記録装置が、非画像記録時に、記録ヘッドを、少なくともクリーニング液を利用してクリーニングするクリーニング手段を備えている場合には、廃印字用液体再利用手段として、上述した再生印字用液体製造・供給手段の代わりに、あるいは、再生印字用液体製造・供給手段と共に、クリーニング液供給手段を設けることもできる。
このクリーニング液供給手段は、抽出液体成分供給手段から供給される抽出液体成分をクリーニング液としてクリーニング手段に供給する機能を備えたものであり、クリーニング液として利用される抽出液体成分を蓄積するクリーニング液タンクと、クリーニング液タンクから抽出液体成分(クリーニング液)をクリーニング手段に適宜供給するためのクリーニング液供給手段(ポンプ)とから構成されることが好ましい。
なお、クリーニング液が供給されるクリーニング手段としては、記録ヘッドの清掃に利用される清掃部材を含むものであれば特に限定されず、この清掃部材としては、例えば、記録ヘッドのノズル面を清掃するワイパー等が挙げられる。また、固形分の凝集、付着、詰まり等が発生しやすい廃印字用液体回収手段の各部のクリーニングに用いることも可能である。なお、クリーニングに利用されたクリーニング液は、固液分離処理タンクに還流させ、再利用することができる。
−その他の構成−
次に、本発明のインクジェット記録装置のその他の構成について説明する。本発明のインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向と直交する方向に走査可能ないわゆる走査型記録ヘッドであってもよいが、記録媒体の搬送方向と直交する方向の媒体幅と略等しい幅を有するいわゆる固定型記録ヘッドであることが好ましい。走査型記録ヘッドと比べて、固定型記録ヘッドではより高速な印字が可能である。なお、固定型記録ヘッドの利用は、より大量の廃インクや廃処理液の発生を伴うが、本発明のインクジェット記録装置では、廃インクや廃処理液を再利用することができるため、液体状の廃棄物が発生せず、また、経済的である。
また、記録ヘッドは、圧電素子の変形を利用してインクや処理液をノズルから吐出させるビエゾインクジェット方式であっても、インクや処理液を加熱により沸騰させてノズルから吐出させる熱インクジェット方式であってもよい。
なお、熱インクジェット方式では、インクや処理液がダミージェットにより吐出される場合に加熱されるために、熱的な変性・劣化を受けやすいが、本発明においては、廃インクや廃処理液から熱的な変性・劣化を受けやすい固形分を除去した後に、最終的に再生印字用液体として再利用されるため、熱インクジェット方式を利用した記録ヘッドを用いても印字品質の劣化が起こることはない。
−インクジェット記録装置の具体例−
次に、本発明のインクジェット記録装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一構成例を示す概略模式図であり、主に、画像記録に利用されるインクや、記録ヘッドから排出された廃インク、記録ヘッドのクリーニングに用いられるクリーニング液等、インクジェット記録装置内で利用される各種液体の利用や輸送、混合・分離などの処理等に関係する部材について示したものであり、その他の構成については省略してある。
図1中、10は画像記録手段、11は記録ヘッド、12はチューブ、13はインクタンク、20は廃印字用液体回収手段、21はキャップ部材、22はポンプ、23はチューブ、30は液体抽出手段、31は固液分離処理タンク、32は固液分離溶液タンク、33は濾過用フィルター、34はイオン交換樹脂フィルター、35はチューブ、36はポンプ、37はチューブ、38はポンプ、40は廃印字用液体再利用手段(クリーニング液供給手段)、41はクリーニング液タンク、42はチューブ、43はポンプ、50は廃印字用液体再利用手段(再生印字用液体製造・供給手段)、51は攪拌タンク、52は濃縮液タンク、53はチューブ、54はポンプ、55はチューブ、56はポンプ、60はワイパー、100はインクジェット記録装置を表し、図中に示す複数の片矢印は、インク等の各種液体の流れ方向を示す。
図1に示すインクジェット記録装置は、その主要部が、画像記録手段10、廃印字用液体回収手段20、液体抽出手段30、クリーニング液供給手段40、再生印字用液体製造・供給手段50とから構成されている。
なお、説明を容易とするために、図1では、1種類のインクのみを用いて印字するインクジェット記録装置を前提として説明するが、勿論、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、2色以上のインクや、インクと処理液とを組合せる場合には、画像記録手段10、廃印字用液体回収手段20、再生印字用液体製造・供給手段50は、各々のインクや処理液に対応した数を備えていてもよい。以下、各部の構成や機能についてより詳細に説明する。
画像記録手段10は、記録ヘッド11と、インクタンク13と、記録ヘッド11およびインクタンク13を接続するチューブ12とから構成され、記録ヘッド11とインクタンク13とは一体型(すなわち、チューブ12を介さずに直接接続されている構成)であってもよい。なお、インクタンク13には、初期状態ではイニシャルインクのみが収納されている。
なお、図1では、非画像記録時に、キャップ部材11へ記録ヘッド11のノズル面からインクを排出する状態を示している。
廃印字用液体回収手段20は、キャップ部材21と、一端がキャップ部材21に接続され、他方の端が固液分離処理タンク31に接続されたチューブ23と、チューブ23の途中に設けられたポンプ22とから構成される。なお、図1では、非画像記録時に、記録ヘッド11から廃インクを吸引により回収するために、キャップ部材21が記録ヘッド11のノズル面に対向配置された状態を示している。
ここで、記録ヘッド11のノズル面から吸引により排出された廃インクは、キャップ部材21の内面で受け止めて回収され、チューブ23を介して固液分離処理タンク31へと輸送される。
液体抽出手段30は、固液分離処理タンク31と、固液分離溶液タンク32と、固液分離処理タンク31と固液分離溶液タンク32とを接続するチューブ35と、チューブ35の途中に設けられたポンプと、固液分離処理タンク31と攪拌タンク51および/またはクリーニング液タンク41とを接続するチューブ37と、チューブ37の途中に固液分離処理タンク31側から下流側へと順に設けられたポンプ38、濾過用フィルター33およびイオン交換フィルター34とから構成される。
なお、固液分離処理タンク31と攪拌タンク51およびクリーニング液タンク41とがチューブ37により接続される場合には、チューブ37は、イオン交換フィルター34が設けられた下流側で分岐し、攪拌タンク51およびクリーニング液タンク41にそれぞれ接続される。また、この場合、チューブ37の分岐点に必要に応じて切り替えバルブ等、チューブ37を流れる抽出液体成分の供給先の選択や流量を調整する部材を設けてもよい。
廃印字用液体回収手段20からチューブ23を介して輸送された廃インクは固液分離処理タンク31内に一旦貯蔵される。次に、固液分離溶液を収納した固液分離溶液タンク32から、チューブ35を介して固液分離溶液が固液分離処理タンク31内に供給され、廃インクと混合される。この際、廃インク中に溶解していた固形分が、固液分離溶液に含まれる凝集剤と反応して凝集・沈殿し、固形分と液体成分とに固液分離される。
その後、固液分離された液体成分は、チューブ37を介して下流側へと輸送される。この途中、まず、濾過用フィルター33によって、固液分離処理によって液体成分から除去し切れなかった凝集成分を除去し、続いて、イオン交換フィルター34によって、液体成分中の余剰なイオンがイオン交換により除去される。このようにして、固液分離、濾過、および、イオン交換処理を経た抽出液体成分は、チューブ37を介して更に下流側のクリーニング液タンク41および/または攪拌タンク51へと輸送される。
クリーニング液供給手段40は、クリーニング液タンク41と、一方の端がクリーニング液タンク41に接続されたチューブ42と、チューブ42の途中に設けられたポンプ43とから構成される。なお、チューブ42の他方の端は、記録ヘッド11のノズル面をクリーニングするワイパー60に、クリーニング液タンク41からクリーニング液(抽出液体成分)が供給されるように配置されており、記録ヘッド11のノズル面をクリーニングする際に、適宜クリーニング液がワイパー60に供給される。
再生印字用液体製造・供給手段50は、攪拌タンク51と、濃縮液タンク52と、攪拌タンク51および濃縮液タンク52を接続するチューブ53と、チューブ53の途中に設けられたポンプ54と、攪拌タンク51およびインクタンク13を接続するチューブ55と、チューブ55の途中に設けられたポンプ56とから構成される。
ここで、チューブ37を介して供給される抽出液体成分は内部に攪拌プロペラ等の攪拌子を備えた攪拌タンク51内に一旦蓄積される。続いて、攪拌タンク51内に蓄積された抽出液体成分の量に応じて、インク濃縮液を収納した濃縮液タンク52から所定量のインク濃縮液がチューブ53を介して攪拌タンク51内に供給され、抽出液体成分と混合・攪拌されることによって、イニシャルインクと同等の組成・濃度を持つ再生インクが作製される。
このようにして得られた再生インクはチューブ55を介して、インクタンク13内のインクの消費量に応じて、攪拌タンク51からインクタンク13へと供給され、画像記録に利用される。
なお、参考までに従来のインクジェット記録装置(廃インク希釈再利用方式)の構成について以下に説明する。
図2は従来のインクジェット記録装置(廃インク希釈再利用方式)の一構成例を示す概略模式図であり、主に、画像記録に利用されるインクや、記録ヘッドから排出された廃インクの利用や輸送、混合などの処理等に関係する部材について示したものであり、その他の構成については省略してある。
図2中、200はインクジェット記録装置を表し、その他の図1と同様の符号を付した部材は、図1中に示す部材と同様の基本的にほぼ同様の構造を有するものである。但し、符号番号に「’」が付された部材は、図1中に示す部材と機能・役割が異なる。すなわち、33’は、廃インク中のゴミ等、廃インクの固形分に起因しない粒子の除去に利用される濾過用フィルターであり、50’は(廃インクの希釈による)再生印字用液体製造・供給手段、51’は攪拌タンク(廃インクの希釈用タンク)、52’は希釈液タンクを表す。
このインクジェット記録装置200では、チューブ23を介して供給される廃インクが攪拌タンク51’に一旦蓄積される。続いて、続いて、攪拌タンク51’内に蓄積された廃インクの粘度に応じて、インクの液体成分からなる希釈液を収納した希釈液タンク52’から所定量の希釈液がチューブ53を介して攪拌タンク51内に供給され、廃インクと混合・攪拌されることによって、粘度が調整された再生インクが作製される。
このようにして得られた再生インクはチューブ55を介して、インクタンク13内のインクの消費量に応じて、攪拌タンク51’からインクタンク13へと供給され、画像記録に利用される。
なお、インクジェット記録装置200が廃インク源液再利用方式である場合には、希釈液タンク52’、チューブ53、ポンプ54が設けられず、攪拌タンク51’は、廃インク貯蔵タンクとして機能する。
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
−インクジェット記録装置−
印字品質の評価に用いたインクジェット記録装置としては、廃インクの回収タンクのみを備え、何らの廃インクの再利用手段を有さない富士ゼロックス社製、WorkCenter B900を用い、インクタンクにイニシャルインクのみを充填した場合、および、再生インクのみを充填した場合の印字品質を評価した。
但し、印字品質の評価に用いた再生インクは、上記の印字品質評価用のインクジェット記録装置の非画像記録時にイニシャルインクのみを用いて発生した廃インクに対して、以下[1]〜[4]に示すインクジェット記録装置を用いて廃インクから再生インクを作製したと仮定した場合と同様の処理を行うことによって得られたものを利用した。
[1]インクジェット記録装置(1A)
主要部の構成が図1に示す構成のインクジェット記録装置から、クリーニング液供給手段40を除いたインクジェット記録装置。
[2]インクジェット記録装置(1B)
主要部の構成が図1に示す構成のインクジェット記録装置から、クリーニング液供給手段40を除き、また、固液分離溶液タンク32を2つ設けて2種類の固液分離溶液が固液分離処理タンク31内に供給できるように構成したインクジェット記録装置。
[3]インクジェット記録装置(2A)
主要部の構成が図2に示す構成のインクジェット記録装置から、希釈液タンク52’、チューブ53、ポンプ54を取り除いたインクジェット記録装置(廃インク源液再利用方式)。
[4]インクジェット記録装置(2B)
主要部の構成が図2に示す構成のインクジェット記録装置(廃インク希釈再利用方式)。
(実施例1)
イニシャルインク、固液分離溶液、および、インク濃縮液として以下の組成物を準備し、再生インクは、インクジェット記録装置(1A)を用いたと想定した場合の処理を行うことにより廃インクから作製した。
[イニシャルインク(1)]
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3):4重量%
・スチレン−アクリル酸共重合体:0.5重量%
・ジエチレングリコール:20重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1重量%
・イオン交換水:残部
[固液分離溶液(1)]
・ダイキトサン100D(キトサン、大日精化社製):1.5重量%
・酢酸:1.5重量%
・イオン交換水:残部
[インク濃縮液(1)]
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3):8重量%
・スチレン−アクリル酸共重合体:1重量%
・ジエチレングリコール:25重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1.25重量%
・イオン交換水:残部
−再生インクの作製−
イニシャルインク(1)を印字品質評価用のインクジェット記録装置にてダミージェットさせ、その廃インクを回収した。
次に、廃インク75重量部に固液分離溶液(1)125重量部を混合・撹拌し、静置することにより、凝集物を沈殿させて透明な上澄み液を得た。
次にこの上澄み液を目開き5μmのフィルター(ミポリア社製、マイレクスSV25)にて濾過することにより濾過液(抽出液体成分)を得た。最後に、この濾過液50重量部とインク濃縮液(1)150重量部とを混合・撹拌し、再生インク(1)を得た。
−評価−
評価は、イニシャルインク(1)および再生インク(1)をそれぞれ用い、印字品質評価用のインクジェット記録装置にて画像記録を実施して印字品質を評価すると共に、イニシャルインク(1)および再生インク(1)の各種物性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
イニシャルインク、固液分離溶液、および、インク濃縮液として以下の組成物を準備し、再生インクは、インクジェット記録装置(1B)を用いたと想定した場合の処理を行うことにより廃インクから作製した。
[イニシャルインク(2)]
・自己分散黒顔料(キャボット社製、Cabojet300):3重量%
・ジエチレングリコール:20重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1重量%
・イオン交換水:残部
[固液分離溶液(2−1)]
・サンフロックCH−959P(三洋化成社製、カチオン性ポリアクリルアミド):0.2重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1重量%
・イオン交換水:残部
[固液分離溶液(2−2)]
・塩化カルシウム:5重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1重量%
・イオン交換水:残部
[インク濃縮液(2)]
・自己分散黒顔料(キャボット社製、Cabojet300):12重量%
・ジエチレングリコール:29.2重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1.46重量%
・イオン交換水:残部
−再生インクの作製−
イニシャルインク(2)を印字品質評価用のインクジェット記録装置にてダミージェットさせ、その廃インクを回収した。
次に、廃インク75重量部に固液分離溶液(2−1)20重量部を混合・撹拌した後、更に、固液分離溶液(2−2)5重量部を加えて混合・撹拌した後、静置することにより、凝集物を沈殿させて透明な上澄み液を得た。
次にこの上澄み液を目開き5μmのフィルター(ミリポア社製、マイレクスSV25)にて濾過し、さらにイオン交換樹脂(Rohm and Haas社製、アンバーライトIRA411(R−OH形)によりイオン交換処理することにより濾過液(抽出液体成分)を得た。最後に、この濾過液75重量部とインク濃縮液(2)25重量部とを混合・撹拌し、再生インク(2)を得た。
−評価−
評価は、イニシャルインク(2)および再生インク(2)をそれぞれ用い、印字品質評価用のインクジェット記録装置にて画像記録を実施して印字品質を評価すると共に、イニシャルインク(2)および再生インク(2)の各種物性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1A)
イニシャルインクとして以下の組成物を準備し、再生インクは、インクジェット記録装置(2A)を用いたと想定した場合の処理を行うことにより廃インクから作製した。
[イニシャルインク(1)]
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3):4重量%
・スチレン−アクリル酸共重合体:0.5重量%
・ジエチレングリコール:20重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1重量%
・イオン交換水:残部
−再生インクの作製−
イニシャルインク(1)を印字品質評価用のインクジェット記録装置にてダミージェットさせ、その廃インクを回収した。
次に、廃インクを目開き5μmのフィルター(ミリポア社製、マイレクスSV25)にて濾過し、これをそのまま再生インク(3A)とした。
−評価−
評価は、イニシャルインク(1)および再生インク(3A)をそれぞれ用い、印字品質評価用のインクジェット記録装置にて画像記録を実施して印字品質を評価すると共に、イニシャルインク(1)および再生インク(3A)の各種物性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1B)
イニシャルインク、および、廃インク希釈液として以下の組成物を準備し、再生インクは、インクジェット記録装置(2B)を用いたと想定した場合の処理を行うことにより廃インクから作製した。
[イニシャルインク(1)]
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3):4重量%
・スチレン−アクリル酸共重合体:0.5重量%
・ジエチレングリコール:20重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1重量%
・イオン交換水:残部
[廃インク希釈液(1)]
廃インク希釈液としてイオン交換水を利用した。
−再生インクの作製−
イニシャルインク(1)を印字品質評価用のインクジェット記録装置にてダミージェットさせ、その廃インクを回収した。
次に、廃インクを目開き5μmのフィルター(ミポリア社製、マイレクスSV25)にて濾過した後、粘度がイニシャルインク(1)と同じになるように廃インク希釈液(1)を加えて混合し、これを再生インク(3B)とした。
−評価−
評価は、イニシャルインク(1)および再生インク(3B)をそれぞれ用い、印字品質評価用のインクジェット記録装置にて画像記録を実施して印字品質を評価すると共に、イニシャルインク(1)および再生インク(3B)の各種物性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2A)
イニシャルインクとして以下の組成物を準備し、再生インクは、インクジェット記録装置(2A)を用いたと想定した場合の処理を行うことにより廃インクから作製した。
[イニシャルインク(2)]
・自己分散黒顔料(キャボット社製、Cabojet300):3重量%
・ジエチレングリコール:20重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1重量%
・イオン交換水:残部
−再生インクの作製−
イニシャルインク(2)を印字品質評価用のインクジェット記録装置にてダミージェットさせ、その廃インクを回収した。
次に、廃インクを目開き5μmのフィルター(ミポリア社製、マイレクスSV25)にて濾過し、これをそのまま再生インク(4A)とした。
−評価−
評価は、イニシャルインク(2)および再生インク(4A)をそれぞれ用い、印字品質評価用のインクジェット記録装置にて画像記録を実施して印字品質を評価すると共に、イニシャルインク(2)および再生インク(4A)の各種物性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2B)
イニシャルインク、および、廃インク希釈液として以下の組成物を準備し、再生インクは、インクジェット記録装置(2B)を用いたと想定した場合の処理を行うことにより廃インクから作製した。
[イニシャルインク(2)]
・自己分散黒顔料(キャボット社製、Cabojet300):3重量%
・ジエチレングリコール:20重量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1重量%
・イオン交換水:残部
[廃インク希釈液(2)]
廃インク希釈液としてイオン交換水を利用した。
−再生インクの作製−
イニシャルインク(2)を印字品質評価用のインクジェット記録装置にてダミージェットさせ、その廃インクを回収した。
次に、廃インクを目開き5μmのフィルター(ミポリア社製、マイレクスSV25)にて濾過した後、粘度がイニシャルインク(2)と同じになるように廃インク希釈液(2)を加えて混合し、これを再生インク(4B)とした。
−評価−
評価は、イニシャルインク(2)および再生インク(4B)をそれぞれ用い、印字品質評価用のインクジェット記録装置にて画像記録を実施して印字品質を評価すると共に、イニシャルインク(2)および再生インク(4B)の各種物性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006082523
なお、表1中に示す各項目の評価方法および評価基準は以下の通りである。
−印字品質−
印字品質は、イニシャルインクの印字品質(画像濃度、にじみ等の総合的な印字品質)を基準とした場合の再生インクの印字品質を目視により相対評価した。評価基準は以下の通りである。
○:再生インクの印字品質は、イニシャルインクの印字品質とほぼ同等で、目視で印字品質の違いが識別できないレベル。
△:再生インクの印字品質は、イニシャルインクの印字品質よりも若干劣化しており、目視で印字品質の違いが一応識別できるレベル。
×:再生インクの印字品質は、イニシャルインクの印字品質よりも大幅に劣化しており、目視で印字品質の違いが一見して識別できるレベル。
−吐出性−
イニシャルインクおよび再生インクを用いた場合のインクの吐出性は、普通紙FX−L紙(富士ゼロックス社製)に対して、ベタ画像を連続して印字し、目視による画像白抜けの度合いを相対評価した。評価基準は以下の通りである。
○:ベタ画像中の白抜けがなく均一な画像である。
△:ベタ画像中に若干の白く抜けた部分がある。
×:ベタ画像中に大きく白く抜けた部分がある。
−各種物性値−
<粘度>
20℃、50%RHの環境下において、粘度計(VISCOMETER:東機産業社製)により粘度を測定した。
<表面張力>
20℃、50%RHの環境下において、表面張力計(CBVP−Z型:協和界面化学社製)により表面張力を測定した。
<吸光度>
それぞれのインクを純水で10000倍に希釈し、自記分光光度計(UV−2500PC:島津製作所製)を用いて、光路長10mmの石英セルで分光特性の吸光度を測定した。
なお、シアンインクについては614nm近傍に見られる最大ピークを、黒インクについては、一律で400nmにおける吸光度を測定した。
本発明のインクジェット記録装置の一構成例を示す概略模式図である。 従来のインクジェット記録装置の一構成例を示す概略模式図である。
符号の説明
10 画像記録手段
11 記録ヘッド
12 チューブ
13 インクタンク
20 廃印字用液体回収手段
21 キャップ部材
22 ポンプ
23 チューブ
30 液体抽出手段
31 固液分離処理タンク
32 固液分離溶液タンク
33、33’ 濾過用フィルター
34 イオン交換樹脂フィルター
35 チューブ
36 ポンプ
37 チューブ
38 ポンプ
40 廃印字用液体再利用手段(クリーニング液供給手段)
41 クリーニング液タンク
42 チューブ
43 ポンプ
50 廃印字用液体再利用手段(再生印字用液体製造・供給手段)
50’ (廃インクの希釈による)再生印字用液体製造・供給手段
51 攪拌タンク
51’ 攪拌タンク(廃インクの希釈用タンク)
52 濃縮液タンク
52’ 希釈液タンク
53 チューブ
54 ポンプ
55 チューブ
56 ポンプ
60 ワイパー
100 インクジェット記録装置
200 インクジェット記録装置

Claims (13)

  1. 固形分と、該固形分を溶解させる液体成分とを含有する印字用液体を記録ヘッドから吐出して画像記録を行うと共に、非画像記録時に前記記録ヘッドから前記印字用液体を廃液として排出するインクジェット記録方法において、
    前記廃液を回収し、回収された前記廃液から抽出された液体成分(抽出液体成分)が再利用され、
    前記抽出液体成分が、前記廃液を固液分離する固液分離工程を少なくとも経て前記廃液から抽出されることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記固液分離工程が、前記廃液に凝集剤を添加することにより行われることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記凝集剤が、高分子凝集剤、および、多価金属塩から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記抽出液体成分が、前記固液分離工程と、該固液分離工程により固液分離された液体成分を濾過する濾過工程とを少なくとも経て、前記廃液から抽出されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記抽出液体成分を、印字用液体固形分濃縮成分と混合し、印字用液体として再利用することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記非画像記録時に、前記記録ヘッドを、少なくともクリーニング液を利用してクリーニングする請求項1に記載のインクジェット記録方法において、
    前記クリーニング液として、前記抽出液体成分を利用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 固形分と、該固形分を溶解させる液体成分とを含有する印字用液体を、画像記録時に一方向に搬送される記録媒体上に吐出して画像を記録すると共に、非画像記録時に前記印字用液体を廃液として排出する記録ヘッドと、
    前記印字用液体を収納すると共に、前記記録ヘッドに供給するインクタンクとを少なくとも備えたインクジェット記録装置において、
    前記廃液を回収する廃液回収手段と、該廃液回収手段により回収された廃液を、少なくとも固液分離処理することにより液体成分(抽出液体成分)を抽出する液体抽出手段と、前記液体抽出手段から供給される前記抽出液体成分を再利用する廃液再利用手段とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 前記液体抽出手段が、前記廃液回収手段により回収された廃液に、凝集剤を添加して前記固液分離処理を実施する固液分離処理手段を含むことを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記液体抽出手段が、前記固液分離処理手段と、該固液分離処理手段により固液分離された液体成分を濾過する濾過手段とを含むことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記廃液再利用手段が、前記抽出液体成分供給手段から供給される前記抽出液体成分と、印字用液体固形分濃縮成分と混合して再生印字用液体を作製する再生印字用液体製造手段と、該再生印字用液体を前記インクタンクに供給する再生印字用液体供給手段とを含むことを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記再生印字用液体製造手段が、前記抽出液体成分と、印字用液体固形分濃縮成分とを混合する攪拌子を備えた攪拌タンクを含むことを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記非画像記録時に、前記記録ヘッドを、少なくともクリーニング液を利用してクリーニングするクリーニング手段を備えた請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
    前記廃液再利用手段が、前記抽出液体成分供給手段から供給される前記抽出液体成分を前記クリーニング液として前記クリーニング手段に供給するクリーニング液供給手段であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 前記記録ヘッドが、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の媒体幅と略等しい幅を有する固定型記録ヘッドであることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置である。
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