JPH10146991A - インクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリント装置

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Publication number
JPH10146991A
JPH10146991A JP30766096A JP30766096A JPH10146991A JP H10146991 A JPH10146991 A JP H10146991A JP 30766096 A JP30766096 A JP 30766096A JP 30766096 A JP30766096 A JP 30766096A JP H10146991 A JPH10146991 A JP H10146991A
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JP
Japan
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ink
wiping
printing apparatus
jet printing
ink jet
Prior art date
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Application number
JP30766096A
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English (en)
Inventor
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Norihiro Kawatoko
徳宏 川床
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
Shuichi Murakami
修一 村上
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクおよびこのインク中の色材を不溶化さ
せる処理液をインクジェットヘッドから吐出してプリン
トを行うインクジェットプリント装置において、インク
ジェットヘッドの吐出口面においてブレードを用いたワ
イピングによって除去できない不溶化物の被膜を良好に
除去する。 【解決手段】 被膜を形成する不溶化物1は、拭き部材
17の空洞部によって形成される上記不溶化物より小さ
な拭き部分によって掻き取られ、これにより被膜を除去
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リント装置に関し、詳しくは、プリント媒体上にインク
および該インク中の色材を不溶化または凝集させるプリ
ント性向上液(以下、単に処理液ともいう)を吐出して
プリントを行うためのインクジェットプリント装置に関
するものである。
【0002】本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用
紙等、さらには金属等を、吐出されたインクおよびプリ
ント性向上液を受容する媒体(以下、プリント媒体とい
う)として用いる機器すべてに適用可能である。具体的
な適用機器としては、例えばプリンタ、複写機、ファク
シミリ等の事務機器や工業用生産機器等を挙げることが
できる。
【0003】
【背景技術】従来、インクジェット方式は、低騒音、低
ランニングコストであること、装置の小型化、カラー化
が容易であること等の利点を有し、プリンタや複写機等
に広く利用されているものである。
【0004】しかしながら、このようなインクジェット
方式を用いたプリント装置において、所謂普通紙と呼ば
れるものをプリント媒体に用いた場合、プリントされた
画像等の耐水性が不十分であることによって水等が付着
したときに滲みを生じたり、また、カラープリントを行
う場合に、フェザリングを生じない高濃度の画像と各色
間におけるにじみのない画像とを両立させることができ
ず、良好な画像堅牢性を有し、また良好な品位のカラー
画像が得られないことがある。
【0005】これに対し、インク中に含まれる色材に耐
水性を持たせたインクも近年では実用化されてきてい
る。しかしながら、これらのインクはその耐水性がまだ
不十分であるとともに、原理的に一旦乾燥した後は水に
溶解しにくいものであるため、インクジェットヘッドの
吐出口等において目詰まりを生じやすく、また、これを
防止するために装置構成が複雑になるという問題があ
る。
【0006】また、従来よりプリント物の堅牢性を向上
させるための技術が多数提案されている。
【0007】例えば特開昭53−24486号公報に
は、染色物の湿潤堅牢度を増進させるために、染色物を
後処理することで染料をレーキ化し固着させる技術が開
示されている。
【0008】また、特開昭54−43733号公報では
インクジェット方式を用いて、相互に接触すると常温ま
たは加熱時に被膜形成能が増大する2以上の成分を用い
てプリントする方法が開示されており、プリント媒体上
で各成分が接触することにより強固に密着した被膜を形
成したプリント物を得ている。
【0009】さらに、特開昭55−150396号公報
には、水性染料インクをプリント後に、染料とレーキを
形成する耐水化剤を付与する方法が開示されている。
【0010】さらには、特開昭58−128862号公
報では、ドットを形成すべき位置をあらかじめ認識し、
その位置においてプリント用インクと処理インクとを重
ねてプリントするインクジェットプリント方法を開示し
ている。ここでは、プリント用インクに先立って処理イ
ンクを吐出したり、これとは逆に先に吐出されたプリン
ト用インク上に処理インクを重ねたり、さらには、先に
吐出された処理インク上にプリント用インクを重ねた
後、さらに処理インクを重ねることにより、プリント物
の耐水性等の向上を図っている。
【0011】一方、インクジェットプリント方式には、
次のような問題があることもよく知られたことである。
【0012】インクジェット方式は、インクジェットヘ
ッドからインク液滴を紙,OHPフィルムなどのプリン
ト媒体に吐出してプリントを行うものであるため、吐出
したインク滴以外に発生した微細なインク滴やプリント
媒体へ吐出したインク滴の跳ね返りなどのミストを生じ
ることがあり、これらのミスト等がインクジェットヘッ
ドの吐出口面に付着することがある。このようなミスト
が吐出口の周囲に多量に付着し、又はこれに紙粉等の異
物が付着した場合には、インク吐出が阻害され、吐出方
向が偏向したり(ヨレ)、インク液滴が吐出しない(不
吐出)等の弊害を引き起こすという問題がある。
【0013】このような問題に関して、インクジェット
ヘッドの吐出口面に付着したインクや紙粉等の異物を清
掃除去する手段として、ゴムなどの弾性部材で形成した
ブレードにより吐出口面をワイピングする構成が一般的
に知られている。
【0014】しかしながら、吐出口面の撥水性が劣る場
合や使用にともなって撥水性が劣化する場合にはインク
中の染料、溶剤等が吐出口面に固着することがある。こ
のような固化物は、上述のワイピングによっては除去し
難いものであり、従来はブレードによるワイピングとは
別の拭き部材による拭き動作によって除去していた。こ
のような拭き部材は、多くの場合、多孔質焼結ウレタン
等の多孔質吸収体からなるものである。
【0015】ただし、従来問題となっていた上述のよう
な、染料、可溶性成分等の析出、分解等によって生じる
固化物に関する問題は、たとえば吐出口面を形成するオ
リフィスプレートの撥水性の改良、ワイピングシーケン
スの改良等によって解決されてきた。そのため、近年の
プリンタ等では拭き部材を用いず、また、それを設けた
従来の装置と同等の寿命を有する場合でも、固化物を溶
解液等によって除去する等の回復処理を行わずに済むよ
うにもなっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリン
ト物の耐水性等の観点から前述したようなインク中の色
材を不溶化する処理液を用いる場合には、単に、撥水性
の改良等を行い、ワイピングを行う構成を適用したとし
ても、良好に吐出性能が維持できない場合がある。
【0017】すなわち、インク中の成分と反応して色材
を不溶化させるシステムにおいては、従来までのインク
のみを用いてプリントを行うシステムと異なり、インク
と処理液とが反応した液のミストによってインクジェッ
トヘッドの吐出口に目詰まりを生じ、不吐出や吐出方向
のよれ等の弊害が発生することがある。そして、このよ
うな吐出不良は、従来のインクのみを用いる場合と比較
して解消し難いものであり、重大なものとなる。
【0018】例えば、図1(a)に示すように処理液1
Sを先に吐出しインクをその後吐出する場合、処理液が
完全に紙面内に浸透してからインクを吐出すると、イン
クと接することのできる処理液の量が相対的に減少して
しまうためプリント物の耐水性、鮮明性の向上を図るこ
とができない。このため、図1(b)に示すように用紙
の表面に処理液1Sが残存した状態で、インクを吐出す
るようにすると(図1(c))、図1(d)に示すよう
に跳ね返りミストが発生し、インクを吐出したヘッドに
このミストが付着することがある。
【0019】この場合において、吐出口面は、吐出の際
に発生するインク自身のミストが直接付着してぬれを生
じている。このぬれた吐出口面に上述のように跳ね返っ
た処理液が付着することによって本来紙面上で起こるべ
きのインク中の色材成分の不溶化が起こり吐出口面5上
で色材と処理液の反応性成分の凝集物として固化を生じ
る。また、跳ね返りミストはすでにインクと接触してい
るために、処理液はインク組成物を含んでいる。そのた
め跳ね返りミスト中にはすでに不溶化したインク色材と
処理液中の反応性成分の凝集物が含まれており、それら
の凝集物も吐出口面ににおける固着の原因となる。
【0020】ところで、従来のインク固着物と呼ばれて
いたものは、一部に色材以外の成分が析出したものもあ
るが、ほとんどは色材の析出したものであり、このよう
な固着物の除去は比較的容易に行えるため問題となるこ
とは少なかった。
【0021】しかしながら、インクを不溶化してプリン
ト物の耐水性、濃度等を向上させるシステムで発生する
上述のような固着物はインク中の染料と処理液中の反応
成分が不溶化したものであり、染料自体の固着物よりも
粘稠な物質である。
【0022】一方、ブレードによるワイピングでは、ブ
レードと被ワイピング物との間では、一般に連続的な滑
りは生じ難く、ブレードと被ワイピング物の境界面で段
階的に微小な滑りが生じるのみであり、これにより、被
ワイピング物の除去を良好に行い得ることが知られてい
る。しかしながら、図2(a)〜(c)に示すように表
面に粘稠な物質1が存在すると、ブレード18とこの物
質1との間の滑りが助長されるため、物質1はブレード
18をすり抜け、ワイピングで除去することは困難にな
る。
【0023】図3(a)〜(d)は、吐出口面をワイピ
ングする過程において図2にて示した不溶化物のすり抜
けによって被膜が形成される過程を説明する図である。
【0024】同図(a)〜(c)に示すように、ワイピ
ングの過程では、上述のすり抜けが至るところで生じ、
これらのすり抜けによって不溶化物が連なり徐々に被膜
が形成されて行く。また、このようなワイピングが何回
か繰り返されることにより、最終的に同図(d)に示す
ような吐出口面5を略覆うような被膜1が形成される。
【0025】一旦、このような被膜が形成されると、ブ
レードはその上を滑ってしまい、ブレードによって被膜
そのものを除去することは困難となる。また、被膜の形
成により吐出口面5上に親水化するため吐出口周囲に濡
れを生じ易くなり、この濡れによっても吐出不良等の弊
害を生じるおそれがある。さらに、このような不溶化物
からなる被膜は前述した撥水性の改良によってもその発
生を防止できるものではない。
【0026】本発明は、このような問題を解消するため
になされたものであり、その目的とするところは、吐出
口面上に形成される不溶化物の被膜を良好に除去するこ
とができるインクジェットプリント装置を提供すること
にある。
【0027】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクおよび該インク中の色材を不溶化する処理液を吐
出するためのインクジェットヘッドをそれぞれ用い、該
インクジェットヘッドからインクおよび処理液を吐出し
てプリントを行うインクジェットプリント装置におい
て、弾性部材を有し、該弾性部材によりインクジェット
ヘッドの吐出口面をワイピングするワイピング手段と、
拭き部材を有し、前記ワイピング手段によるワイピング
の結果、当該吐出口面に生ずる前記色材の不溶化物を除
去するための拭き手段と、を具えたことを特徴とする。
【0028】また、他の形態として、インクおよび該イ
ンク中の色材を不溶化する処理液を吐出するためのイン
クジェットヘッドをそれぞれ用い、該インクジェットヘ
ッドからインクおよび処理液を吐出してプリントを行う
インクジェットプリント装置において、拭き部材を有
し、前記吐出口面において拭き動作を行う拭き手段と、
前記ワイピング手段によるワイピングが所定量行われる
毎に前記拭き手段による拭き動作を行わせる制御手段
と、を具えたことを特徴とする。
【0029】さらに、他の形態として、インクおよび該
インク中の色材を不溶化する処理液を吐出するためのイ
ンクジェットヘッドをそれぞれ用い、該インクジェット
ヘッドからインクおよび処理液を吐出してプリントを行
うインクジェットプリント装置において、拭き部材を有
し、前記吐出口面において拭き動作を行う拭き手段と、
インクジェットヘッドの吐出デューティーに基づき前記
拭き手段による拭き動作を制御する制御手段と、を具え
たことを特徴とする。
【0030】以上の構成によれば、弾性部材を用いた吐
出口面のワイピングを行った結果、例えばそのワイピン
グで除去できず、インク中の色材と処理液との反応によ
る不溶化物が吐出口面において形成する被膜は、拭き部
材によって除去することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態では、被膜状
となった不溶化物を多孔質吸収体からなる拭き部材の拭
き動作によって除去する。すなわち、本発明は、処理液
とインクとの反応による不溶化物は吐出口面において粘
稠な被膜となって付着し、また、これはゴム等の弾性部
材を用いたワイピングによっては除去し難いものである
という新規な観点からなされたものである。
【0032】図4(a)〜(c)は、拭き部材による拭
き動作を説明する図である。ブレードを用いたワイピン
グが何回か行われると、上述したように吐出口面5上に
不溶化物の被膜1が形成されるが(同図(a))、この
被膜1は、同図(a)〜(c)に示すように拭き部材1
7の拭き動作(図中矢印方向への相対的な摺動)によっ
て除去することができる。
【0033】図5(a)〜(c)は、ブレードを用いた
ワイピングと上記拭き部材を用いた拭き動作における被
膜除去効果の違いを説明する図である。
【0034】ワイピングの場合、図5(a)に示すよう
に、ブレード18は、吐出口面5もしくは不溶化物1と
の接触面において、法線方向の応力fn を生じさせる。
そして、この応力fn について吐出口面5に平行な方向
の分力ft は不溶化物を掻き取る力となり、これによ
り、不溶化物を除去することができる。しかしながら、
ブレード18と不溶化物1との間に前述した滑りが生じ
る場合には、平行な方向の分力ft は0となり、不溶化
物1には吐出口面5に垂直な分力fp のみが作用するこ
とになる。その結果、前述のすり抜け状態となるととも
に、力fp によって不溶化物1は押し潰されることにな
り、前述の被膜が形成される。
【0035】これに対し、多孔質体の材料を用いた拭き
部材は、図5(b)に示すように(同図は同部材の拡大
図を示し、各孔が示されている)、吐出口面5と接触す
る部分は各孔の切欠き部分が、被膜をなす不溶化物1に
対してそれぞれ相対的に微小なブレードを形成すること
になり、これによって被膜1を掻き取ることができ、こ
れにより、不溶化物を良好に除去できるものと考えられ
る。
【0036】また、本発明の他の実施形態では、図5
(c)に示すように極めて細かい繊維からなる不織布を
拭き部材として用いる。この場合も、同図(b)に示す
多孔質体の場合と同様、被膜1を良好に除去することが
できる。
【0037】以上説明したように、本発明のさらに他の
実施形態では、不溶化物のうち塊状のものを除去するた
めにブレードを用いたワイピングを行う。一方、不溶化
物からなる被膜を除去するためには拭き部材を用いる。
【0038】本発明のさらに他の実施形態では、ブレー
ドを用いたワイピングに関連させて拭き動作を制御す
る。
【0039】すなわち、本願発明者等は不溶化物による
被膜の形成がワイピング動作によるものであり、しかも
被膜が何回かのワイピングを繰り返すことによって形成
されるものであるという知見に基づいて本発明をなすに
至ったものである。従って、例えば、ワイピングが所定
の回数行われたときに被膜が形成されている可能性が高
いとして、拭き動作を行うようにすることができる。
【0040】従来のインクのみを用いる構成において
も、拭き部材は用いられるが、これは前述のようにイン
ク中の染料等、色材が析出したものを除去するために用
いられるものである。そして、この析出は吐出口面の撥
水性が関与するものであり、特にワイピングとの関連に
おいて生じるものではない。
【0041】本発明のさらに他の実施形態では、はね返
りミストが吐出口面に付着する量に応じて拭き動作を制
御する。このようなはね返りミストの付着量は、例えば
処理液の吐出とインクの吐出との時間間隔や吐出デュー
ティーによって左右されるものである。この場合、例え
ば上記時間が所定時間より長いとき、あるいは吐出デュ
ーティーが所定値より小さいときは、結果として不溶化
物の付着量が少ないとして拭き動作を少なくするか、ま
たは省略することができる。
【0042】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0043】(実施例1)図6は、本発明の一実施例に
係るインクジェットプリント装置の概略図を示す斜視図
である。
【0044】図6において、装置100の給紙位置に挿
入された記録媒体106は、送りローラ109によって
インクジェットユニット103によるプリント可能領域
へ搬送される。このプリント可能領域におけるプリント
媒体の背面部には、プラテン108が設けられている。
【0045】キャリッジ101は、2本のガイド軸10
4および105によって一定の方向に移動可能な構成と
なっており、これにより、ヘッドユニット103はプリ
ント領域を往復走査することができる。キャリッジ10
1には、後述される各ユニットを搭載することができ
る。すなわち、複数の色それぞれのインクと処理液を吐
出するインクジェットヘッドと、それぞれのインクジェ
ットヘッドにインク又は処理液を供給するためのインク
タンクを含むインクジェットユニット103が搭載され
る。例えば複数の色のインクとしては、ブラック(B
k)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)
の4色を用いることができる。
【0046】キャリッジ101が移動可能な領域の左端
においては、その下部に後述のワイピング機構等を有し
た回復系ユニット110が設けられ、非プリント時等に
各インクジェットヘッドの吐出口部をキャップすること
等が可能となる。この左端位置を各インクジェットヘッ
ドのホームポジションと呼ぶ。
【0047】107はスイッチ部と表示素子部を示し、
スイッチ部はインクジェットプリント装置の電源のオン
/オフや各種プリントモードの設定時等に使用され、表
示素子部はプリント装置の各種状態を表示するためのも
のである。
【0048】インク染料を不溶化する処理液は、一例と
して以下のようにして得ることができる。
【0049】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧
濾過した後、NaOHでpHを4.8に調製し、処理液
Alを得ることができる。
【0050】 [Alの成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0部 (商品名;エレクトロストッパQE、花王製) カチオン性化合物の高分子成分 ポリアミンスルホン(平均分子量;5000) 3.0部 (商品名;PAS−92、日東紡績製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0051】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:クロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧濾過し
てイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインクY
1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0052】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 0.05部 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代え
た以外はY1と同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以
外はY1と同じ組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外は
Y1と同じ組成以上示したそれぞれ処理液(液体組成
物)とインクとの混合において、本発明では、上述した
処理液とインクが被プリント材上あるいは被プリント材
に浸透した位置で混合する結果、反応の第1段階として
処理液中に含まれているカチオン性物質の内、低分子量
の成分またはカチオン性オリゴマーとインクに使用して
いるアニオン性基を有する水溶性染料または顔料インク
に使用しているアニオン性化合物とがイオン的相互作用
により会合を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こ
す。この結果顔料インクにおいては分散破壊が起こり、
顔料の凝集体ができる。
【0053】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体または顔料の凝集体が処理液中に含まれる高
分子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の
凝集体または顔料の凝集体のサイズがさらに大きくな
り、被プリント材の繊維間の隙間に入り込みにくくな
り、その結果として固液分離した液体部分のみが記録紙
中にしみこむことにより、プリント品位と定着性との両
立が達成される。同時に上述したようなメカニズムによ
り生成したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性
オリゴマーとアニオン性染料とカチオン性物質とで形成
される凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きくなり、
液媒体の動きとともに移動することがないので、フルカ
ラーの画像形成時のように隣接したインクドットが異色
のインクで形成されていたとしても互いに混じり合うよ
うなことはなく、ブリーデイングも起こらない。また、
上記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の
耐水性は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果
により形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効
果も有する。
【0054】本明細書において使用される不溶化または
凝集として、その一例は前記第1段階のみの現象であ
り、他の例は第1段階と第2段階の両方を含んだ現象で
ある。
【0055】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0056】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0057】図7は、本実施例に係るインクジェットプ
リント装置の制御構成を示すブロック図である。
【0058】図7において、ホストコンピュータから、
プリントすべき文字や画像のデータ(以下画像データと
いう)が本例プリント装置の受信バッファ401に入力
される。また、正しくデータが転送されているかを確認
するデータや、プリント装置側の動作状態を知らせるデ
ータがプリント装置側からホストコンピュータに転送さ
れる。受信バッファ401に保持された画像データはC
PU402の管理のもとでメモリ部403に転送され、
そのRAM(ランダムアクセスメモリ)に一時的に格納
される。メカコントロール部404は、CPU402か
らの指令によりキャリッジモータやラインフィードモー
タ等のメカ部405を駆動する。センサ/SWコントロ
ール部406は、各種センサやSW(スイッチ)からな
るセンサ/SW部407からの信号をCPU402に転
送する。表示素子コントロール部408は、CPU40
2からの指令により表示パネル群のLEDや液晶表示素
子等からなる表示素子部409を制御する。ヘッドコン
トロール部410はCPU402からの指令により各イ
ンクジェットヘッド200の駆動を制御する。また、ヘ
ッドコントロール部410はインクジェットヘッド20
0の状態に関して、不図示のセンサによって検出される
温度情報等をCPU402に伝える。
【0059】図8は、上述したインクジェットプリント
装置における回復系ユニット110のワイピングおよび
拭き動作のための機構を説明する模式図である。
【0060】図6に示したインクジェットカートリッジ
103は、ヘッドユニット102と各インクタンク20
BK1,20S,20BK2(Y,M,Cインク用のタ
ンクの図示は省略)からなり、ヘッドユニット102は
各インク毎のインクジェットヘッド、すなわち黒インク
用ヘッド200BK1,200BK2、処理液用ヘッド
200S、シアンインク用ヘッド200C、マゼンタイ
ンク用ヘッド200Mおよびイエローインク用ヘッド2
00Yからなる。
【0061】図8に示すように、インクジェットヘッド
の吐出口面に対してワイピングまたは拭き動作を行うそ
れぞれのブレード118A,118Bおよび拭き部材1
17は、各インクジェットヘッド毎に設けられる。これ
ら各ヘッドに対応したブレード118A,118Bおよ
び拭き部材117は、そのワイピングまたは拭きの動作
時には一体に動作することができる。すなわち、これら
は、インクジェットユニット103がホームポジション
に位置し、ワイピングまたは拭き動作を行うタイミング
では、吐出口面およびカバープレートにそれぞれ当接で
きる位置まで上昇し、その後、図中矢印で示されるワイ
ピング方向に移動し、この移動により吐出口面を2つの
ブレード118Aおよび118Bによってワイピングす
ることができる。一方、図中、矢印で示される拭き方向
では、拭き部材117により吐出口面の拭き動作を行
い、吐出口面に付着した不溶化物の被膜を除去する。
【0062】図9は本実施例に係るインクジェットヘッ
ド200の吐出口面205を示す図であり、吐出口20
6の周囲に不溶化物201が付着している様子を示して
いる。
【0063】同図に示すように、本実施例では各インク
ジェットヘッドにおいて、吐出口206の配列を2列と
し、各列の吐出口配置を相互に吐出口ピッチの1/2だ
けずらしたものとする。これにより、吐出口配列が1列
の場合に実現可能な解像度の2倍の解像度のプリントを
行うことができる。
【0064】図10(a)および(b)は、図8に示し
たワイピングおよび拭き動作のための機構を示すそれぞ
れ正面図および側面図である。なお、同図(b)におい
て、インクジェットヘッド200Y等の図示が省略さ
れ、ブレード118A,118B等に対向するヘッド2
00BK1のみが示されている。
【0065】特に、同図(b)から明らかなように、ワ
イピングのためのブレードは、ブレード118Aおよび
118Bの2つが設けられ、その高さに差を設けてい
る。
【0066】本実施例では、拭き部材117は、多孔質
焼結ウレタンであるルビセルクリーン(東洋ポリマー社
製)を用いて形成され、これをABS樹脂製のアームに
巻き付け回復ユニット110のベースに図示しないばね
を介して取り付けることによって得られる。吐出口面2
05と拭き部材117との当接圧力は4mmの接触長に
対して100gになるよう設定している。この当接圧力
は大きすぎると吐出口面205に傷が入るおそれがあ
り、一方小さいと十分な拭きの効果が得られない。従っ
て、1〜100g/mm程度に設定するのが望ましく、
さらに望ましくは5〜30g/mmに設定するのがよ
い。
【0067】ブレード118A,118Bに使用したゴ
ム部材はエーテル結合を持つポリオールを原料としたウ
レタンゴムであるが、これに代えてブレードとしては耐
水・耐溶剤性、摩耗性の良い弾性部材、たとえば、塩素
化ブチルゴム、HNBR、天然ゴム、イソプレンゴム、
ブチルゴム、スチレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴ
ム等を使用することもできる。図に示すように、ブレー
ドは2枚とし、その形状は第一のブレード118Aは、
厚み0.6mm、自由度5.0mm、侵入量1.4mm
の物を、第二のブレード118Bは、厚み1.0mm、
自由長10.0mm、侵入量0.8mmである。
【0068】図11(a)〜(d)は、本実施例のワイ
ピング動作を説明する図である。
【0069】ワイピング時にはブレード118A,11
8Bおよび拭き部材117を保持したホルダ110Aが
図中矢印方向に移動すると(同図(a))、やがて第1
のブレード118Aが吐出口面205に当接し(同図
(b))、さらにホルダ110Aが移動することによっ
て第2のブレード118Bも吐出口面205に当接する
(同図(c))。これら2つのブレードの当接およびそ
の状態での吐出口面との相対的な摺動によって、前述の
ように吐出口面205に付着する不溶化物等の異物を除
去することができる。そして、ホルダ110Aがさらに
同方向に移動することによって、ブレードの当接は解除
され(同図(d))、ワイピングを終了する。
【0070】なお、同図(c)に示すように、より自由
長の長い第2のブレード118Bが吐出口面205と当
接することによるブレード118Bの変形によって、拭
き部材117も同様に変形し、これにより、拭き部材1
17は吐出口面205に当接せず、ワイピングのみが行
われることになる。
【0071】図12(a)〜(c)は、本実施例の拭き
動作を説明する図である。
【0072】拭き動作は、ホルダ110Aの図11に示
した移動とは逆方向の移動によって行われる。すなわ
ち、図12(a)に示す初期状態から同図(b)に示す
矢印方向にホルダ110Aが移動するのに伴なって拭き
部材117は吐出口面205に当接し、これにより拭き
動作を行い前述した不溶化物の被膜を除去することがで
きる。そして、ホルダ110Aがさらに同方向に移動す
ることによって当接が解除され(同図(c))、拭き動
作を終了する。
【0073】なお、同図(b)に明らかなように、その
拭き動作では、ブレード118Bおよび118Aがとも
に吐出口面205に当接しワイピングも同時に行われ
る。
【0074】図13は上述のワイピングおよび拭き動作
を含むプリントシーケンスを示すフローチャートであ
り、特に、ワイピングおよび拭き動作の起動のタイミン
グについて示すものである。
【0075】所定量のプリント動作、例えば1ライン分
のプリント動作(ステップS101)が行われる毎に、
ステップS102で、ドットカウンタが所定数以上のカ
ウントをしたか否か判断される。すなわち、ドットカウ
ンタは各インクジェットヘッドについてそれまでの吐出
数をカウントし、その数が所定数である2.46×10
7 に達するとカウントアップする。このカウントアップ
した場合は、吐出口面205のインクミスト等の付着量
が多くなりワイピングが必要であるとして上述したワイ
ピングを行う(ステップS103)。カウンタがカウン
トアップしていない場合は、プリント動作を続ける。
【0076】ステップS103でワイピングを行ったと
きは、ステップS104でワイピングの回数をカウント
するワイピングカウンタの内容に1を加え、次に、ステ
ップS105でこのワイピングカウンタが所定値である
10に達したか否かを判断する。
【0077】ここで、ワイピング回数が10に達しカウ
ンタがカウントアップした場合は、前述のようにワイピ
ングを繰り返すことによって吐出口面に被膜が形成され
ている可能性が高いとして、ステップS106で拭き動
作を実行する。その後、ワイピングカウンタをリセット
し(ステップS107)、プリント動作を続行する。
【0078】なお、上述の実施例では、C,M,Yのイ
ンクを吐出するヘッドにもそれぞれ対応して拭き部材を
設けるものとしたが、跳ね返りミストの場合、処理液を
吐出してからインクが吐出されるまでの時間が長くなる
と跳ね返りミストが少なくなるという現象があるため、
C,M,YのヘッドについてはBkのヘッドよりも拭き
が必要となる頻度が少なく、また、拭き動作が同時に必
要となる可能性も低い。そのため、実施例1の変形例で
は、頻度の低いC,M,Yの3色のヘッドについては拭
き部材を設けず、Bk用の拭き部材で拭きを行うように
する。このような構成とすることによって、BkとC,
M,Yとを同時に拭くことにより回復に要する時間が長
くなるといった弊害をもたらすことなく、機構が簡略化
され、価格的にも有利な製品とすることができる。
【0079】(実施例2)本実施例は、実施例1と同様
の装置を用いるものであり、異なる点は、拭き動作の起
動タイミングを変更した例に関するものである。
【0080】跳ね返りの量は吐出デューティによって加
速度的に変化する。このため、拭き動作のタイミング
は、例えばあるエリア内で吐出デューティを計算し、そ
のデューティに吐出ドット数を積算しその積算量によっ
て拭き動作を行うか否かを決定する。積算量は、具体的
には以下の式によって算出する。
【0081】
【数1】α(積算値)=x×(x/y)=x2 /y y=エリア内の総ドット数 x=エリアでの吐出ドット数 例えば、図14(a)に示す吐出データの場合、総ドッ
ト数yは25ドット、吐出ドット数xは12ドットであ
るから、
【0082】
【数2】α=122 /25=5.76 となる。この値を所定量のプリント動作毎に加えて行
き、その和Σαが、Σα=6.336×107 になった
時点で拭き動作を行うよう設定する。この和を求めるエ
リアは、1ライン分のデータを展開するときにバッファ
を図14(b)に示すように区切り各エリア毎に上記積
算値および和を計算する。
【0083】なお、通常、このような構成ではデータの
処理に比較的時間を要するが、それらのデータ処理を例
えばキャリッジのランプアップ、ダウン時、予備吐出等
の被プリント時に行うことでプリント所要時間を増すこ
となく、インクジェットヘッドの汚れ方がほぼ一定の状
態に達した時点で拭き動作を行うことができる。
【0084】(実施例3)本実施例では、装置構成は実
施例1と同様のものを用い、拭き部材として、繊維径が
3〜5μmのポリエステル繊維にウレタン樹脂を含浸さ
せたものを使用した。
【0085】これら極細繊維を用いた拭き部材では、高
い拭き取り効果が得られるため、不溶化物が長期間に渡
って放置された場合でも高い除去効果が得られる。
【0086】なお本実施例では、拭き動作による除去前
後に吸引処理を行う。すなわち、放置された後の固着物
は干渉しているため、そのままでは非常に除去しにく
い。そこで事前に吸引を行った後に、通常吐出口面の吸
引残りのインクを除去するために行われる空吸引やワイ
ピング等を行わず、ヘッド温度を通常プリント時よりも
若干上昇させて上記固着物の溶解性を可能なかぎり上げ
る。一方、拭き動作後においては、拭き動作により剥れ
た不溶化物が吐出口面に残っていることが想定されるた
め、これらを完全に除去するために吸引を行う。
【0087】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する処理液はその顔料を凝集させるものを用いることが
できる。前記した無色液体A1と混合して凝集を引き起
こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることが
できる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ
顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックの各色インク、Y2,M2,C2およ
びK2を得ることができる。
【0088】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0089】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0090】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0091】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0092】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。
【0093】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0094】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0095】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0096】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、弾性部材を用いた吐出口面のワイピングを行
った結果、例えばそのワイピングで除去できず、インク
中の色材と処理液との反応による不溶化物が吐出口面に
おいて形成する被膜は、拭き部材によって除去すること
ができる。
【0097】この結果、吐出不良を防いで常に良好なプ
リントを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)はインクまたは処理液のプリン
ト媒体上でのはね返りを説明する図である。
【図2】(a)〜(c)はインクと処理液の反応物であ
る不溶化物をブレードによってワイピングしたときのす
り抜けを説明する図である。
【図3】(a)〜(d)は上記すり抜けによる不溶化物
の被膜形成を説明する図である。
【図4】(a)〜(c)は本発明の一実施形態の多孔質
部材による拭き動作を説明する図である。
【図5】(a)〜(c)は上記実施形態の拭き動作とブ
レードを用いたワイピングによる被膜除去効果の違いを
説明する図である。
【図6】本発明の一実施例に係るインクジェットプリン
ト装置を示す概略斜視図である。
【図7】上記インクジェットプリント装置の制御構成を
示すブロック図である。
【図8】上記インクジェットプリント装置におけるワイ
ピングおよび拭き動作のための機構を説明するための模
式図である。
【図9】上記実施例におけるインクジェットヘッドの吐
出口面およびその吐出口面に付着した不溶化物を示す図
である。
【図10】(a)および(b)は図8に示した機構のそ
れぞれ正面図および側面図である。
【図11】(a)〜(d)は上記実施例のワイピング動
作を説明する図である。
【図12】(a)〜(c)は上記実施例の拭き動作を説
明する図である。
【図13】上記実施例におけるワイピングおよび拭き動
作の起動タイミングに係るシーケンスを示すフローチャ
ートである。
【図14】(a)および(b)は本発明の他の実施例に
おいて拭き動作の起動シーケンスに用いられるそれぞれ
吐出データおよびその積算エリアを示す図である。
【符号の説明】
1 不溶化物(被膜) 2,106 プリント媒体 5,200,200Bk,200Bk1,200BK
2,200S,200YMC インクジェットヘッド 5A,205 吐出口面 6,206 吐出口 101 キャリッジ 110 回復ユニット 117 拭き部材 118A,118B ブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 修一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクおよび該インク中の色材を不溶化
    する処理液を吐出するためのインクジェットヘッドをそ
    れぞれ用い、該インクジェットヘッドからインクおよび
    処理液を吐出してプリントを行うインクジェットプリン
    ト装置において、 弾性部材を有し、該弾性部材によりインクジェットヘッ
    ドの吐出口面をワイピングするワイピング手段と、 拭き部材を有し、前記ワイピング手段によるワイピング
    の結果、当該吐出口面に生ずる前記色材の不溶化物を除
    去するための拭き手段と、 を具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  2. 【請求項2】 前記拭き部材は、多孔質体からなること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリント
    装置。
  3. 【請求項3】 前記拭き部材は、繊維に樹脂を含浸させ
    た部材であることを特徴とする請求項1に記載のインク
    ジェットプリント装置。
  4. 【請求項4】 前記繊維に含浸させる樹脂が多孔質の樹
    脂であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェ
    ットプリント装置。
  5. 【請求項5】 前記拭き部材は、直径1〜30ミクロン
    の繊維に樹脂を含浸させた部材であることを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェットプリント装置。
  6. 【請求項6】 処理液としてポリアリルアミンを用いた
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    インクジェットプリント装置。
  7. 【請求項7】 前記不溶化が溶解または軟化する物質を
    インクまたは処理液に含んだことを特徴とする請求項1
    ないし6のいずれかに記載のインクジェットプリント装
    置。
  8. 【請求項8】 前記不溶化物が溶解または軟化する物質
    は2−ピロリドン、トリエタノールアミン、水酸化ナト
    リュームであることを特徴とする請求項7に記載のイン
    クジェットプリント装置。
  9. 【請求項9】 インクおよび該インク中の色材を不溶化
    する処理液を吐出するためのインクジェットヘッドをそ
    れぞれ用い、該インクジェットヘッドからインクおよび
    処理液を吐出してプリントを行うインクジェットプリン
    ト装置において、 拭き部材を有し、前記吐出口面において拭き動作を行う
    拭き手段と、 前記ワイピング手段によるワイピングが所定量行われる
    毎に前記拭き手段による拭き動作を行わせる制御手段
    と、 を具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  10. 【請求項10】 インクおよび該インク中の色材を不溶
    化する処理液を吐出するためのインクジェットヘッドを
    それぞれ用い、該インクジェットヘッドからインクおよ
    び処理液を吐出してプリントを行うインクジェットプリ
    ント装置において、 拭き部材を有し、前記吐出口面において拭き動作を行う
    拭き手段と、 インクジェットヘッドの吐出デューティーに基づき前記
    拭き手段による拭き動作を制御する制御手段と、 を具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  11. 【請求項11】 前記拭き部材は、多孔質体からなるこ
    とを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェ
    ットプリント装置。
  12. 【請求項12】 前記拭き部材は、繊維に樹脂を含浸さ
    せた部材であることを特徴とする請求項9または10に
    記載のインクジェットプリント装置。
  13. 【請求項13】 前記繊維に含浸させる樹脂が多孔質の
    樹脂であることを特徴とする請求項12に記載のインク
    ジェットプリント装置。
  14. 【請求項14】 前記拭き部材は、直径1〜30ミクロ
    ンの繊維に樹脂を含浸させた部材であることを特徴とす
    る請求項9または10に記載のインクジェットプリント
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6719420B2 (en) 2001-05-10 2004-04-13 Canon Kabushiki Kaisha Liquid composition, ink set, method for forming colored portion on recording medium, and ink-jet recording apparatus
US6821328B2 (en) 2001-05-10 2004-11-23 Canon Kabushiki Kaisha Liquid composition, ink set, method of forming colored portion in recording medium and ink-jet recording apparatus
US6863391B2 (en) 2001-05-10 2005-03-08 Canon Kabushiki Kaisha Liquid composition, ink set, method of forming a colored section on recording medium and ink-jet recording apparatus

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