JPH09208504A - 1,1,1,3,3−ペンタクロロブタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの製造 - Google Patents
1,1,1,3,3−ペンタクロロブタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの製造Info
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Abstract
フルオロブタンがもたらされる1,1,1,3,3−ペ
ンタクロロブタンを、高い収率および選択性でもって製
造する。 【解決手段】 銅塩およびアミンの存在下で四塩化炭素
を2−クロロプロペンに付加する。
Description
水素の分野、一層特に1,1,1,3,3−ペンタクロ
ロブタンの製造および1,1,1,3,3−ペンタフル
オロブタンへのそれのフッ素化に関する。
の沸点を有するので、1,1,1,3,3−ペンタフル
オロブタン(名称F365mfc下で知られている。)
は、モントリオールプロトコルにより禁止されている液
状クロロフルオロアルカン特にフルオロトリクロロメタ
ン(F11,b.p.=27℃)およびトリクロロトリ
フルオロエタン(F113,b.p.=47℃)のため
の潜在的代替品である。
る方法は数的にわずかしかなく、そして一般に2,2−
ジフルオロ−4,4,4−トリクロロブタン、2−ブロ
モ−2,4,4,4−テトラクロロブタンまたは1,
1,1,3,3−ペンタクロロブタンのようなクロロ前
駆体のフッ素化を伴う。
(J. Am. Chem. Soc.),67,第1
194〜1197頁および第1197〜1199頁,1
945」)は2,2−ジフルオロブタンを塩素化して5
2.5%の選択性でもって2,2−ジフルオロ−4,
4,4−トリクロロブタン(F362jfc)を得、そ
してこのものは次いでF365mfcへフッ素化され
る。マクビーおよびハウシュ(「インド・イング・ケム
(Ind. Eng. Chem.),39,第418
〜420頁,1947」)はF362jfcをHF/H
gOでまたは混合物SbF3 /SbCl5 でフッ素化す
るが、しかしそのフッ素化の収率は15%を越えない。
これらの方法はすべて、クロロ前駆体を導く塩素化反応
の選択性の欠如に本質的に因る低収率により特徴づけら
れる。
ク(J. Am. Chem. Soc.),80,第
1711〜1713頁,1958」)に記載されてい
る、F365mfcの製造のための別の方法は、2−ク
ロロプロペンへのCCl3 Brのラジカル付加および得
られた1:1付加生成物(CCl3 CH2 CBrClC
H3 )の触媒の不存在下でのHFでのフッ素化(34%
の収率)から成る。この方法は全体的収率を向上せず、
何故ならこの場合ベンゾイルペルオキシドでのラジカル
開始により促進されるテロマーの形成に因り選択性の欠
如が観察されるからである。
1,1,3,3−ペンタクロロブタンであり、しかして
このものは、フリードリナ等(「イズヴ・アカド・ナウ
ク・SSSR(Izv Akad. Nauk SSS
R),(6),第1333〜1336頁(1980)並
びに(8),第1903〜5頁(1979)」)によれ
ば、鉄ペンタカルボニルの存在下で1,1,1−トリク
ロロエタンでのビニリデンクロライドのテロメル化また
はCCl4 での2−クロロプロペンのテロメル化により
得られ得る。両方の場合共、3種のテロマーの混合物が
得られそして1,1,1,3,3−ペンタクロロブタン
(1:1付加生成物)への選択性は何らかの確実な経済
的価値があるためには不十分である。
硫黄の作用による、ブロシュチッツァ等(「ズル・オル
グ・キム(Zhur. Org. Khim),24
(7),第1558頁,1988」)によるF365m
fcの直接的製造は、事実上、許容され得る収率(70
%)でもってF365mfcを導く唯一の方法を成す。
残念なことに、この方法は、2種の比較的一般的でない
出発物質即ちジケテンおよび四フッ化硫黄を用いる。
1−フルオロエタン(F141b)の製造における副生
成物であるが、しかしそれらの沸点の類似性(F141
b:b.p.=32℃,F365mfc:b.p.=4
0℃)および最小沸点共沸混合物の存在は、それらの2
種の生成物の容易な分離を可能にしない。しかしなが
ら、過剰のHFの存在下での蒸留の原理に基づく分離方
法が特許EP395,793に記載されている。
ポリハロ化合物の付加のための公知の触媒である(「コ
トラ等,ジェイ・オヴ・モレキュラー・カタリシス
(J.of Molecular Catalysi
s),77,第51〜61頁,1992」)が、しかし
これらの著者は、1:1付加生成物の収率はビニルクロ
ライドにとっての97%から1,2−ジクロロエチレン
にとっての11%であり得ることを示している。
率および選択性にて製造され得ることを可能にする方法
を研究しているうち、2−クロロプロペンが、四塩化炭
素に対して反応性であるオレフィンの中に分類されそし
て或る条件下で優秀な収率でかつ優秀な選択性でもって
期待の1:1付加生成物即ち1,1,1,3,3−ペン
タクロロブタンに変転し得、しかして副生成物即ちテロ
マーまたは脱離生成物の形成は無視され得る、というこ
とが今般見出された。更に、これらの副生成物の中で、
1,1,1,3,3−ペンタクロロブタンの脱塩化水素
により形成され得るC4 H4 Cl4 オレフィンは、1,
1,1,3,3−ペンタフルオロブタンへ容易にフッ素
化される。
ロロプロペンへの四塩化炭素の付加による1,1,1,
3,3−ペンタクロロブタンの製造方法において、銅塩
およびアミンの存在下で遂行することを特徴とする上記
方法である。
造方法であって、2−クロロプロペンへの四塩化炭素の
付加の第1の工程およびかくして得られた1,1,1,
3,3−ペンタクロロブタンのフッ化水素酸でのフッ素
化の工程からなる上記方法である。
一層特に塩化第1銅が、銅塩として有利に用いられる。
リアルキルアミンであり得、しかしてそれらの線状また
は分枝状アルキル基は1〜8個(好ましくは2〜4個)
の炭素原子を含有し得る。シクラン系アミン例えばシク
ロヘキシルアミンもまた、用いられ得る。第1級アミン
一層特にイソプロピルアミンが、有利に用いられる。
るやり方で、1,2−ジクロロプロパンまたは2,2−
ジクロロプロパンの脱塩化水素により(熱的にもしくは
グリコール性水酸化カリウムの作用により)もしくは好
ましくは塩化亜鉛または塩化第2鉄のようなルイス酸の
存在下でアセトンへのフェニルクロロホルムの作用によ
り(特許FR2,213,257)得られ得、しかして
この場合2−クロロプロペンの収率は77%に達しそし
て反応の主たる副生成物即ち2,2−ジクロロプロパン
は米国特許第2,543,648号に記載されているグ
リコール性の水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムで
の方法によるHClの脱離により2−クロロプロペンに
容易に転化され得る。
は2〜6の範囲にあり得るが、しかし好ましくは2.5
と4.5の間にある。
ラジカルの形成を開始しかつ2−クロロプロペンへのC
Cl3 ラジカルの付加から生じるCCl3 CH2 CCl
CH3 ラジカルへの塩素の移動を確実にする役割を有す
る。それは、一般に、銅塩/2−クロロプロペンのモル
比が0.001と0.05の間好ましくは0.005と
0.02の間にあるような量にて用いられる。
ンタクロロブタンの収率に対して最も有力な影響力を有
する。初期の反応混合物のモル数の総数(CCl4 +C
H3CCl=CH2 +CuCl+アミン)に関して、そ
れは0.5〜10%の範囲にあり得るが、しかし好まし
くは1%と8%の間一層特に2.5%と6%の間にあ
る。
われ得るが、しかし好ましくは90℃と110℃の間に
て行われる。
酸洗浄、水での洗浄、乾燥および蒸留により反応混合物
から分離され得る、形成された1,1,1,3,3−ペ
ンタクロロブタンは、本発明の第2の側面に従ってフッ
化水素酸を用いるフッ素化による1,1,1,3,3−
ペンタフルオロブタンの合成のために用いられる。
液相にて遂行され得る。それは、一般に、80℃と12
0℃の間の温度にて好ましくは約100℃にて自然発生
圧下で行われる。HF/CCl3 CH2 CCl2 CH3
のモル比は15〜30の範囲にあり得るが、しかし有利
には20と25の間にある。いかなる液相フッ素化触媒
も触媒として用いられ得、特にアンチモンベース触媒が
用いられ得る。しかしながら、最良の結果が、触媒なし
で得られた。
を例示する。
370mgの2−クロロプロペン(前もって蒸留により
不安定化された。)そして最後に3.2gの四塩化炭素
を、0℃に維持された肉厚のパイレックス管中に順次導
入した。該管を次いで封鎖し、均質化し、そして撹拌し
ながら4時間一定の温度(100℃)にて加熱した。
放して気相を定量的に回収せしめ、そして液相を別個の
分析のためのフラスコ中に移した。これらの2つの相を
ガスクロマトグラフィーにより分析し、そして反応残余
をこれらの分析から再構成した。
条件および他のアミン(試験1−bないし1−g)でも
って得られた結果が表I中に要約されており、しかして
この表において略記は次の意味を有する。即ち、 DC: 転化度 360jfa: 1,1,1,3,3−ペンタクロロブ
タン
ミンでもってしかし反応混合物中のその濃度を変えて行
われた。
られている。
ml三つ口丸底フラスコ中に1g(0.01モル)の塩
化第1銅および4.60g(0.077モル)のイソプ
ロピルアミンを順次導入し、次いで撹拌後180.5g
のCCl4 (1.17モル)を導入した。次いでこの鮮
青色溶液中に29.6g(0.38モル)の2−クロロ
プロペンを導入し、そしてこの反応媒質を2時間30分
100℃にて加熱した。
色が消失するまで反応混合物を“デカライト(Deca
lite)”を通じて濾過し、次いで1N−塩酸で2回
洗浄して微量の未反応アミンを除去した。次いで、有機
相を水で中性になるまで洗浄し、そして硫酸ナトリウム
上で乾燥した。次いで、1,1,1,3,3−ペンタク
ロロブタンを、室温と50℃の間で真空蒸留により過剰
のCCl4 から分離した。
C=95.3%)と共に、79gの1,1,1,3,3
−ペンタクロロブタン、1.7gのC4 Cl4 H4 オレ
フィンおよび2.7gの重質テロマー(90%の二量体
を含む。)が得られた。蒸留によりかくして得られた3
60jfaの純度は98%に達し、そして360jfa
への2−クロロプロペンの転化度は88.6%である。
該オレフィンが360jfaと同じ具合にF365mf
cへフッ素化されるようになると考えられるならば、全
体的収率はこれらの条件下で90.8%に達する。
acking disc)および磁気撹拌棒を有する撹
拌装置を備えた800mlの316Lステンレス鋼製オ
ートクレーブ中に、41.1gの1,1,1,3,3−
ペンタクロロブタン(0.178モル)および82.2
gの無水フッ化水素酸(4.108モル)を順次導入し
た。
々に上昇して30.4バールに達した。8時間後、反応
系を室温に冷却しそして12.8バールの残留圧が観察
された。
グすることにより、軽質有機化合物(23.2g)およ
び水素酸(hydracids 、96.8g)を除去した。オー
トクレーブを開放した後、重質生成物(2g)を採取し
た。
1,3,3−ペンタクロロブタンの転化度および1,
1,1,3,3−ペンタフルオロブタンへの選択性が計
算されて、これらはそれぞれ98.1%および61%に
達した。
された化合物即ちC4 H5 ClF4(選択性=14.8
%)、C4 H5 Cl2 F3 (2種の異性体: 選択性=
17.8%)およびC4 H5 Cl3 F2 (選択性=1
%)であった。これらの化合物は、有利には、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロブタンに転化されるように
するために反応器中に再循環され得る。
Claims (11)
- 【請求項1】 2−クロロプロペンへの四塩化炭素の付
加による1,1,1,3,3−ペンタクロロブタンの製
造方法において、銅塩およびアミンの存在下で遂行する
ことを特徴とする上記方法。 - 【請求項2】 銅塩が塩化第1銅である、請求項1に記
載の方法。 - 【請求項3】 アミンが、1〜8個の炭素原子を含有す
る第1級アミン好ましくは2〜4個の炭素原子を含有す
る第1級アルキルアミンである、請求項1または2に記
載の方法。 - 【請求項4】 アミンがイソプロピルアミンである、請
求項3に記載の方法。 - 【請求項5】 CCl4 /CH3 CCl=CH2 のモル
比が2と6の間好ましくは2.5と4.5の間にある、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項6】 銅塩/2−クロロプロペンのモル比が
0.001と0.05の間好ましくは0.005と0.
02の間にある、請求項1から5のいずれか一項に記載
の方法。 - 【請求項7】 アミンのモル濃度が0.5%と10%の
間好ましくは1%と8%の間一層特に2.5%と6%の
間にある、請求項1から6のいずれか一項に記載の方
法。 - 【請求項8】 80℃と130℃の間好ましくは90℃
と110℃の間の温度にて遂行する、請求項1から7の
いずれか一項に記載の方法。 - 【請求項9】 1,1,1,3,3−ペンタフルオロブ
タンの製造方法において、請求項1から8のいずれか一
項に記載の方法により得られた1,1,1,3,3−ペ
ンタクロロブタンをフッ化水素酸でのフッ素化に付すこ
とを特徴とする上記方法。 - 【請求項10】 フッ素化をおおよそ80〜120℃の
範囲の温度にて好ましくはおおよそ100℃にて液相に
て行う、請求項9に記載の方法。 - 【請求項11】 HF/CCl3 CH2 CCl2 CH3
のモル比が15と30の間好ましくは20と25の間に
ある、請求項9または10に記載の方法。
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