JPH09195121A - 可縫性に優れた織編物用のポリエステル異形断面繊維 - Google Patents

可縫性に優れた織編物用のポリエステル異形断面繊維

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JPH09195121A
JPH09195121A JP8030028A JP3002896A JPH09195121A JP H09195121 A JPH09195121 A JP H09195121A JP 8030028 A JP8030028 A JP 8030028A JP 3002896 A JP3002896 A JP 3002896A JP H09195121 A JPH09195121 A JP H09195121A
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woven
modified cross
protrusions
knitted fabric
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JP8030028A
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Takashi Katagiri
孝 片桐
Haruhiko Kanda
晴彦 神田
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Nippon Ester Co Ltd
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛羽感のあるスパンシルク調風合の高級織編
物とするのに好適な繊維で,しかも高速縫製時におい
て,ミシン針の上下運動による曳けの防止効果を有する
可縫性に優れた織編物用のポリエステル異形断面繊維を
提供する。 【解決手段】 伸長剛性率が 800〜1000kg/mm2のポリエ
ステル延伸繊維である。そして,前記繊維表面に突起部
2と細溝3が交互に,かつ略一様に分布した異形断面繊
維である。さらに,前記突起部2と細溝3の断面は長方
形ないし略台形状を呈し,それぞれ繊維軸方向に連続し
ており,かつ,突起部2の数と寸法とが下記〜式を
満足する。 15 ≦N≦35 …… 0.3≦W≦1 …… 1.5W≦H≦3W …… ただし,Nは突起部2の数,Wは突起部2の幅(μm),
Hは突起部2の高さ(μm)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,製編織すれば,毛
羽感のあるスパンシルク調風合の高級織編物となり,し
かもこの織編物は,縫製時に,優れた可縫性を示すもの
となる可縫性に優れた織編物用のポリエステル異形断面
繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】異形断面繊維については多数の提案がな
されており,合成繊維の光沢や風合の改良に適用されて
きた。しかしながら,その多くは異形の吐出孔によって
紡出する方法で製造されているため,シャープなエッジ
を有する異形断面繊維を得ることは困難であり,このた
め,織編物の光沢改良は行えても,風合面まで改良し,
合成繊維の持ついわゆるワキシー感を取り除くことはで
きなかった。
【0003】最近では,シャープなエッジを有する異形
断面繊維として,物性の異なるポリマーを複合紡糸し,
繊維を構成するポリマーの溶解速度や分解速度の違いを
利用して一成分を除去し,異形化した繊維が提案されて
いる。この繊維の一例として特開昭56-53210号公報に
は,ポリエステルと共重合ポリエステルが回転対称の位
置に配置された複合繊維をアルカリ処理して,共重合ポ
リエステル部分の一部を溶解して得られた異形断面繊維
が開示されている。しかしながら,この技術で得られる
異形断面繊維は断面の突起部が少なく,光沢の改良やワ
キシー感の解消は可能であるが,織編物に毛羽感を付与
することはできなかった。
【0004】さらに,特開平4-65506号公報や特開平4
-91213号公報には,幹成分と幹成分の周上の突起成分で
構成された異形断面繊維が開示されている。これらの繊
維は突起成分の一部が幹成分と分離されたり,さらに,
分離された部分が切断されることにより,繊維にソフト
な毛羽部分を付与するものであるが,これらの繊維は着
用時に毛羽部分が脱落して毛玉になるという欠点があ
る。
【0005】また,ポリエステル繊維を使用した織編物
にアルカリ減量処理を施して,異形断面の形成や風合を
改良することがよく行われている。しかしながら,減量
して得られた織編物をミシンで縫製する場合,布帛を構
成する各単糸があたかもギア同士が噛み合った状態とな
り,ミシン針の上下運動に対して繊維の長さ方向に張力
が働いて繊維が引っ張られた状態となり,織編物表面の
縫い目が曳け状の欠点となり,織編物の品位を著しく低
下する。
【0006】一方, 特開平7−102410号公報には,スパ
ンシルク風合を狙って,本発明と同様の多葉の断面形状
で織編物の目ずれ防止効果に優れた異形断面繊維が提案
されている。この繊維は,なるほど目ずれ防止には極め
て効果はあるものの,繊維の伸長剛性率が1000kg/mm2
超えるので単糸間同士の把持力があまりにも堅固であ
り,この繊維を用いた織編物を縫製すると,ミシン針の
上下運動の接触摩擦に対して,繊維の長さ方向に張力が
働いて繊維が引っ張られた状態となり,織編物の表面に
曳け状の欠点が生じる。そして,曳けの度合いは,針の
回転が高速になるに従って悪くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来の異形断面繊維の問題点を解決し,毛羽感のあるスパ
ンシルク調の高級織編用物とするのに好適な繊維で,し
かも高速縫製時において,針の上下運動による曳けの防
止効果を有する可縫性に優れた織編物用のポリエステル
異形断面繊維を提供することを技術的な課題とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果,本発明に到
達した。すなわち,本発明は,伸長剛性率が 800〜1000
kg/mm2のポリエステル延伸繊維において,前記繊維表面
に突起部と細溝が交互に,かつ略一様に分布した異形断
面繊維であって,前記突起部と細溝の断面は長方形ない
し略台形状を呈し,それぞれ繊維軸方向に連続してお
り,かつ,突起部の数と寸法とが下記〜式を満足す
ることを特徴とする可縫性に優れた織編物用のポリエス
テル異形断面繊維を要旨とするものである。 15 ≦N≦35 …… 0.3≦W≦1 …… 1.5W≦H≦3W …… ただし,Nは突起部の数,Wは突起部の幅(μm),Hは
突起部の高さ(μm)である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明の,可縫性に優れた織編物用のポリ
エステル延伸繊維は,800〜1,000kg/mm2 の伸長剛性率を
有することが必要であり,伸長剛性率が1,000kg/mm2
超えると, 縫製時のミシン針の上下運動に対して,針に
接触した繊維に張力が働いて糸全体を引っ張るため曳け
が発生し,ミシン針が高速になるほどこの挙動は著しく
顕著となる。一方,伸長剛性率が800kg/mm2 未満では,
縫製後の曳けは発生しないが,余りにも剛性が低いため
に布帛にヌメリやヘタリが生じて好ましくない。
【0011】ここで,伸長剛性率が 800〜1,000kg/mm2
の糸条を得る方法としては,比較的延伸倍率を低くして
延伸する方法,延伸後にリラックス処理を施す方法,紡
糸後一旦捲き取ることなく連続的に延伸を施す方法等が
あるが,実施が比較的容易であり,かつ延伸糸の多様化
が可能な低延伸倍率で延伸する方法が好適である。
【0012】本発明の異形断面繊維は,図1で示したよ
うに繊維1の表面に繊維軸方向に連続した複数(図1で
は20個)の突起部2を有しており,隣接する突起部2,
2間には細溝3が突起部2の数と同数存在している。
【0013】本発明において,突起部と細溝の断面形状
は,長方形ないし略台形状とする必要がある。細溝の形
状が略V字状になると,突起部の頂部の幅が底部の幅よ
り大幅に狭くなるので,突起部は摩擦に対して不安定と
なり,このため,布帛を指先で滑らせた時の摩擦,ある
いは曲げに対して変形量が大きくなり,ソフトな風合が
損なわれたり,ヌメリ,ヘタリのある風合になるので好
ましくない。
【0014】また,異形断面繊維の突起部の数(N)は
繊維の周上に15〜35個,好ましくは18〜25個存在する必
要がある。突起部の数が15個未満では目的とする毛羽感
の発現が乏しくなり,布帛にスパンシルク調の風合を付
与することができない。一方,突起部の数が35個を超え
ると毛羽感のあるスパンシルク調の風合ではなくなり,
ストーンウォッシュ調やピーチフェース調となって目的
とする風合が得られない。
【0015】次に,本発明の異形断面繊維の突起部の幅
Wと高さHとの関係について,異形断面繊維の部分拡大
断面図である図3を用いて説明する。図3において,突
起部側面の線を延長し,突起部の頂点の外接円の交点を
A,Bとし,細溝部の最深部の内接円の交点をA’,
B’とする。また,線分A−B及び線分A’−B’の中
点をD,D’とする。そして, (a) 突起部の幅W 線分A−Bの長さとする。 (b) 突起部の高さH 線分D−D’の長さとする。
【0016】本発明の異形断面繊維は,突起部の幅W
(μm)と高さH(μm)とが前記〜式を満足する
ことが必要である。すなわち,突起部の幅Wは0.3〜1
μmの範囲でなければならない。突起部の幅Wが0.3μ
m未満になると,繊維が着用時にフィブリル化したり,
ピーチフェース調の風合となり,目的とするスパンシル
ク調の風合が得られない。また,1μmを超えると,ガ
サツキが生じるので好ましくない。
【0017】次に,突起部の高さHは,突起部の幅Wと
関連があり,突起部の幅Wの1.5〜3倍の範囲にする必
要がある。突起部の高さHが,幅Wの1.5倍未満になる
と,必然的に凹凸が小さくなり,布帛の表面を指で滑ら
せたとき,何等通常の丸断面糸や六角断面糸と変わら
ず,毛羽感のあるスパンシルク調の風合は得られない。
また,3倍を超えると凹凸が大きくなりすぎ,単糸同士
が堅固に充填され拘束されるので,凹凸によるガサツキ
が発生し,目的とするスパンシルク調の風合とはなら
ず,さらに,織編物の可縫性も低下するので好ましくな
い。
【0018】本発明の異形断面繊維は,ポリエステル繊
維の場合に極めて高い効果を示し,なかでもスパンシル
ク調の風合を目的とする薄地織編物に高い効果を示す。
ここでポリエステルとしては,ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)やポリブチレンテレフタレート等のホモ
ポリエステルは勿論のこと,通常の共重合ポリエステル
でもよく,さらに,前記ポリエステルに,一般的に使用
されている艶消剤,制電剤,酸化防止剤等の添加剤を添
加したものでもよい。
【0019】次に,本発明の可縫性に優れた織編物用の
ポリエステル異形断面繊維の製法例について説明する。
【0020】まず,アルカリ等の溶剤に対する溶解性の
異なるポリマーである易溶出成分αと難溶出成分βの2
成分を複合紡糸し,次いで,延伸して図2に示したよう
な難溶出成分βが芯成分,易溶成分溶出成分αが鞘成分
となり,芯成分,鞘成分ともに15〜35個(図2では20
個)のU字状部を有している複合繊維を得る。次いで,
得られた複合繊維をアルカリ等の溶剤で処理して易溶出
成分αを溶出させ,図1に示したような,それぞれ15〜
35個(図1では20個)の突起部と細溝とを有する本発明
の異形断面繊維を得る。
【0021】上記で使用する易溶出成分αは,アルカリ
水溶液に対する溶解速度が,難溶出成分βの5倍以上速
いものが好ましい。そのため,難溶出成分βとしてPE
Tを用い,易溶出成分αとしてスルホン酸金属塩を2.5
モル%以上共重合したPETや,スルホン酸金属塩と比
較的高分子量のポリアルキレングリコールを所定量共重
合したPET等を使用するのが好ましい。
【0022】本発明の異形断面繊維は,なま糸で使用で
きるのは勿論のこと,仮撚,強撚,空気交絡処理等の各
種の加工を施した糸条として用いてもよい。また,太細
糸や紡績糸等であってもよいが,特にスパンシルク調の
風合を発現しやすいなま糸で使用するのが好ましい。
【0023】伸長剛性率が 800〜1000kg/mm2である本発
明のポリエステル異形断面繊維を製編織すれば,可縫性
に優れた織編物が得られる理由は明確ではないが,次の
理由によるものと認められる。すなわち,織編物を縫製
するに際して,織編物を構成する繊維の伸長剛性率が10
00kg/mm2を超えると,織編物を構成する単糸同士があた
かもギア同士が噛み合った状態であるため,ミシン針の
上下運動の接触摩擦に対して繊維の初期剛性が強く,こ
のため,ミシン針の抵抗に対して繊維が伸びず,繊維の
長さ方向に張力が働いて糸全体を引っ張る状態になる。
その結果,織編物に曳けが発生する。
【0024】一方,本発明のように伸長剛性率が 800〜
1000kg/mm2の繊維では,初期剛性が低いため,たとえ単
糸同士がギア同士のように噛み合っていても,ミシン針
の上下運動の接触摩擦に対して繊維は極めて部分的に伸
長して緩衝するので,織編物の品位を損なうことはな
く,優れた可縫性を発揮することができる。
【0025】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお,実施例における各評価は次の方法で行った。 (1) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量溶媒を用い,温度
20℃で測定した。 (2) 突起部の寸法 繊維を筒編みし,NaOH濃度20g/リットル, 処理温度
90℃,処理時間30分の条件でアルカリ減量して易溶解成
分を完全に除去した後,水洗乾燥した筒編み地を解編
し,得られた異形断面繊維を走査型電子顕微鏡で写真に
撮り,写真上で測定した。 (3) 可縫性評価 ジューキ社製 JUKI DDL-5580 型ミシンを用いて,次の
条件で縫製を行い,縫製後の縫い目について官能的に良
好○,やや不良△,不良×の3段階で評価した(○と△
が合格反) 。 縫糸: ポリエステル紡績糸 (50番手), 送り歯: 17 歯3枚歯 送り歯高さ: 0.5mm高, 針板: 16mm孔径, 回転数: 3600rpm 押さえ高さ: 38mm高, 下糸張力: 11g, 上糸張力: 50g前後 (4) スパンシルク調風合評価 織,編,染色技術者からなるパネラー10人に,布帛の毛
羽感のあるスパンシルク調風合を,風合の良好なものが
高得点となるように5段階で触感により評価させ,その
合計点で評価した。(最高点は50点で,30点未満は風合
不良で不合格) (5) 伸長剛性率(見掛けヤング率) 定速伸長引っ張り試験機(オリエンテック社製RTC-1210
型)とこれに連動した記録装置を用いて測定した。試料
長25cmとして,デニール当たり1/30g の初荷重を掛けた
状態で把持し,チャックで固定する。測定条件は,引張
速度20%/分とし, 初期荷伸曲線を記録する。得られた
初期荷伸曲線図より最傾斜直線部分に接線を引き,1%
伸長時の応力を読みとり,次式で算出した。〔ただし,
Dは繊維の繊度(デニール)である。〕 伸長剛性率(kg/mm2)=〔9×100 ×1%伸長時の応力
(g) ×試料比重〕/D
【0026】実施例1〜3,比較例1〜3 難溶出成分として極限粘度が0.65のPET,易溶出成分
として5-ナトリウムスルホイソフタル酸を 2.5モル%
と,平均分子量が 7,000のポリエチレングリコールを12
重量%共重合した極限粘度が0.75の共重合PETを用い
た。
【0027】単糸の断面形状が,図2に示すように繊維
の円周上に易溶出性ポリマーが難溶出性ポリマーをギア
形状に複数分割した芯鞘構造になるように設計した紡糸
口金と複合紡糸装置を用いて,難溶出成分と易溶出成分
が重量比率で80対20となる複合比率で,延伸糸の繊度が
100d/48fになるように吐出量を変更して,紡糸速度3,25
0m/分で捲き取った。次いで, 得られた未延伸糸を, 延
伸倍率を変更して延伸し, 伸長剛性率が種々異なる100d
/48fの延伸糸を得た。
【0028】得られた延伸糸を筒編みし,NaOH濃度
20g/リットル, 処理温度90℃,処理時間30分の条件でア
ルカリ減量して易溶出成分を完全に除去した後,筒編み
を解編して,走査型電子顕微鏡で断面形状の観察を行っ
たところ,表1に示すような突起部を有する異形断面繊
維であった。
【0029】また,この延伸糸を経糸と緯糸に用い,経
糸密度 110本/2.54cm,緯糸密度78本/2.54cmで無撚の
平織りに製織した。得られた織物を,NaOH濃度20g/
リットル, 処理温度90℃の処理条件で,繊維全体の33%
をアルカリ減量して易溶出成分と難溶出成分の一部を除
去した。こうして得られた織物を,前記した縫製条件で
縫製し,縫製による曳け発生評価試験を行った。その結
果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかのように,伸長剛性率が 8
12〜986kg/mm2 である実施例1〜3の繊維を用いた織物
は,縫製評価,風合評価とも良好な布帛であった。一
方,比較例1の織物は,縫製評価は良好であったが,伸
長剛性率が余りにも低いために風合にヌメリとヘタリが
生じ,とても実用化することができないものであった。
また,伸長剛性率が1000kg/mm2より大きい比較例2〜3
の繊維を用いた織物は縫製評価が悪く,特に伸長剛性率
が1190kg/mm2の比較例3では,ミシン針の目飛びまで発
生した。
【0032】実施例4〜8,比較例4〜7 実施例1と同様の2種のポリマーを用いて,アルカリ減
量後の難溶出成分の突起部数と幅及び高さを種々変更す
るために,易溶出成分の吐出量や紡糸口金を変更して3,
250m/分の紡糸速度で捲き取り,引き続き延伸を行っ
た。
【0033】得られた延伸糸を筒編みし,NaOH濃度
20g/リットル, 処理温度90℃,処理時間30分の条件でア
ルカリ減量し,易溶出成分を完全に除去して難溶出成分
だけで形成された80d/48f の繊維とした後,走査型電子
顕微鏡で形状の観察を行ったところ,表2に示すような
突起部を有する異形断面繊維であった。
【0034】また,この延伸糸を経糸と緯糸に用い,実
施例1と同条件の組織で製織,アルカリ減量処理を施し
てして易溶出成分を完全に除去した。得られた織物を用
いて,スパンシルク調風合の官能検査を行った。その結
果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかなように,実施例4と5に
示した突起部の数が18の異形断面繊維を用いた織物は,
突起部の幅と高さが本発明の範囲内で変動していても,
縫製と風合の評価点はほぼ同等で,良好な織物であっ
た。また,突起部の数を本発明の範囲内で変化させた実
施例6〜8の織物も,縫製,風合とも高い評価点を得る
ことができた。
【0037】一方,異形断面繊維の突起部の数が15未満
の比較例4や,35を超える比較例7で得られた織物は,
突起部の幅と高さは本発明を満足しているものの,ガサ
ツキやヌメリ感が強調され, 風合評価点の低いものであ
った。また,突起部の高さが3.0Wを超えた比較例5と,
幅が1.0μmを超える比較例6で得られた織物も,風合
評価点の低いものであった。
【0038】
【発明の効果】本発明の可縫性に優れた織編物用のポリ
エステル異形断面繊維は,繊維の外周部に特定形状の突
起部と細溝とを交互に有すると共に,特定範囲の伸長剛
性率を有するので,この繊維を製編織すれば,従来にな
い毛羽感のあるスパンシルク調風合を有し,かつ可縫性
に優れた織編物を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異形断面繊維の一実施態様を示す横断
面図である。
【図2】上記の異形断面繊維を得るためのアルカリ減量
処理前の一実施態様を示す横断面図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 繊維 2 突起部 3 細溝

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸長剛性率が 800〜1000kg/mm2のポリエ
    ステル延伸繊維において,前記繊維表面に突起部と細溝
    が交互に,かつ略一様に分布した異形断面繊維であっ
    て,前記突起部と細溝の断面は長方形ないし略台形状を
    呈し,それぞれ繊維軸方向に連続しており,かつ,突起
    部の数と寸法とが下記〜式を満足することを特徴と
    する可縫性に優れた織編物用のポリエステル異形断面繊
    維。 15 ≦N≦35 …… 0.3≦W≦1 …… 1.5W≦H≦3W …… ただし,Nは突起部の数,Wは突起部の幅(μm),Hは
    突起部の高さ(μm)である。
JP8030028A 1996-01-23 1996-01-23 可縫性に優れた織編物用のポリエステル異形断面繊維 Pending JPH09195121A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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