JPH07145514A - ポリエステル系3成分複合繊維 - Google Patents

ポリエステル系3成分複合繊維

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JPH07145514A
JPH07145514A JP29017193A JP29017193A JPH07145514A JP H07145514 A JPH07145514 A JP H07145514A JP 29017193 A JP29017193 A JP 29017193A JP 29017193 A JP29017193 A JP 29017193A JP H07145514 A JPH07145514 A JP H07145514A
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JP
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island
polyester
sea
island component
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JP29017193A
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Masayuki Sato
正幸 佐藤
Osamu Shishido
修 宍戸
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 張り腰、ふくらみ感を有し且つピーチタッチ
感とドライ感をかね備えた新規な風合を有する布帛を得
るためのポリエステル系複合繊維を提供する。 【構成】 芯成分、島成分、海成分のいずれも相異なる
3種のポリエステルからなり、島成分が芯成分を取り囲
むように点在し、且つ海成分のなかに偏在することなく
分散してなる3成分複合繊維において、島成分が金属ス
ルホネート基を含有するイソフタル酸成分を1.0モル
%以上、3.0モル%以下共重合したポリエルテルであ
り、且つ海成分が島成分に対してアルカリ減量比が5.
0以上20.0以下である易溶解性ポリエステルである
ことを特徴とするポリエステル系3成分複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、張り・腰を有し、ピー
チタッチ感とドライ感をかね備えた新規な風合を有する
ポリエステル系3成分複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属スルホネート基を含有す
るイソフタル酸成分を共重合したポリエステルについて
は種々の検討がなされており、例えば特開昭57−21
0014号公報など数多く開示されており、その目的は
ポリエステルの発色性を改善することにある。しかしな
がら金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分を
共重合したポリエステルは、通常のポリエステルに比較
して製糸性が著しく劣るため極細糸を製造することは極
めて困難である。
【0003】一方、衣料用布帛はニーズの多様化、高級
化の要求が高まっており、種々の検討がなされている。
その一つとして、3成分系複合紡糸技術による検討がな
されている。例えば、特開平1−14321号公報およ
び特開平2−26912号公報では、高収縮な芯成分、
低収縮な島成分、易アルカリ減量性の海成分からなるポ
リエステル系3成分複合繊維によって、張り・腰とピー
チタッチをかね備えた風合が得られることが開示されて
いる。しかしながらこれらの公報では、島成分に用いら
れているポリマがポリエチレンテレフタレートであるた
め、減量加工を行なっても島成分の繊維表面が平滑であ
るため、ドライ感を付与することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、張り
・腰を有し、ピーチタッチ感とドライ感をかね備えた新
規な風合を有する布帛を得るためのポリエステル系3成
分複合繊維を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】このような本
発明の目的は、芯成分、島成分、海成分のいずれも相異
なる3種のポリエステルからなり、島成分が芯成分を取
り囲むように点在し、且つ海成分のなかに偏在すること
なく分散してなる3成分複合繊維において、島成分が金
属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分を1.0
モル%以上3.0モル%以下共重合したポリエステルで
あり、且つ海成分が島成分に対してアルカリ減量比が
5.0以上20.0以下の易溶解性ポリエステルである
ことを特徴とするポリエステル系3成分複合繊維(以
下、複合繊維という)によって達成できる。
【0006】図1は本発明の複合繊維の一例を示すフィ
ラメント断面図である。Aは芯成分であり、Bは島成分
であり、Cは海成分である。個々の島成分は海成分中に
偏在することなく存在していることが必要である。ま
た、個々の島成分は海成分により分離されていると共に
芯成分とも海成分により分離されていることが好まし
い。芯成分と個々の島成分、および個々の島成分同志が
海成分により分離されていないと、海成分を溶解除去し
ても、芯成分と個々の島成分および個々の島成分同志を
分離することができず、目的とするピーチタッチな風合
を十分に得ることができない。
【0007】本発明の複合繊維は、得られる布帛の風
合、品位の点で相異なる3種のポリマで形成されている
ことが必要であり、相異なる3種のポリマは、製糸、製
編織する際に複合成分間で剥離を生じないように相溶性
が良好なポリマを組み合わせることが必要である。製編
織する際に、複合成分間で剥離を生じると、毛羽、たる
み、糸切れが発生しやすく工程通過性、製品品位の点で
問題が生じる。
【0008】本発明の複合繊維は、布帛とした際に十分
なドライ感を得るために島成分に用いるポリマは金属ス
ルホネート基を含有するイソフタル酸成分を1.0モル
%以上3.0モル%以下共重合したポリエステルである
ことが必要である。一般に、金属スルホネート基を含有
するイソフタル酸成分を含有するポリマは、アルカリ減
量することによって繊維表面に微細な凹凸を形成するこ
とが知られているが、金属スルホネート基を含有するイ
ソフタル酸成分の共重合量が1.0モル%未満である
と、アルカリ減量を行なってもこの微細な凹凸が十分に
繊維表面に形成させることができず、従ってドライ感を
十分に発現させることができないばかりでなく、カチオ
ン染料で染色した場合に十分な発色性が得られない。逆
に金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分の共
重合量が3.0モル%を越えると、アルカリ減量によっ
て繊維表面に十分な微細凹凸を形成させることができ、
この凹凸によって十分なドライ感を発現させることがで
きるが、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成
分の共重合量が増加するにつれてアルカリ減量速度が著
しく速くなり、島成分の劣化が進行し、著しい強度低下
を引き起こすため、得られた布帛の引裂強力低下やフロ
スティング、スレアタリ等の布帛の実用上の問題が発生
する。島成分に用いるポリマの金属スルホネート基を含
有するイソフタル酸成分の共重合量は、繊維表面の微細
凹凸の形成性およびアルカリ減量速度の点から好ましく
は1.5モル%以上2.5モル%以下である。
【0009】更に島成分に用いるポリマは、十分なドラ
イ感を得ると同時に鮮明発色性を向上するために、金属
スルホネート基を含有するイソフタル酸成分以外の共重
合成分、例えば、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ポリエチレングリコール等の共重合成分を併
用することが好ましく、特に数平均分子量2000以下
のポリエチレングリコールを0.5重量%以上、5.0
重量%以下共重合することが好ましい。
【0010】本発明の複合繊維の海成分に用いるポリマ
は、島成分に対してアルカリ減量比が5.0以上20.
0以下の易溶解性ポリエステルであることが必要であ
る。海成分に用いるポリマが、島成分に対してアルカリ
減量比が5.0未満であると、アルカリ減量によって芯
成分と島成分を容易に分割することが困難となり、ピー
チタッチ感を得ることができなくなるとともに、アルカ
リ減量によって海成分の減量と並行して島成分の減量が
進むため、島成分が劣化、強度低下するため布帛製造工
程で毛羽、単糸切れ等が発生し、品位が低下する。逆に
海成分に用いるポリマが、島成分に対してアルカリ減量
比が20.0を越えると、海成分をアルカリ減量により
溶解除去しても島成分のアルカリ減量がほとんど進行し
ないため、ドライ感を発現させるために十分な微細凹凸
を島成分の繊維表面に形成させることができない。
【0011】尚、アルカリ減量比は以下の方法で測定す
る。本発明の複合繊維を構成する島成分ポリマおよび海
成分ポリマからなる同一デニールの円形断面の各フィラ
メントを3%苛性ソーダ水溶液に浴比1:125、温度
98〜100℃で処理し、減量率が70%に到達するま
での所要時間T(島)、T(海)を測定し、海成分の島
成分に対するアルカリ減量比を次式により求めた。 海成分の島成分に対するアルカリ減量比=T(島)/T
(海) また減量率はアルカリ処理前の重量をW0 、アルカリ処
理後の重量をW1 として、次式により求めた。 減量率(%)=(W0 −W1 )/W0 ×100 本発明で用いる芯成分としては、島成分によるピーチタ
ッチ感、ドライ感を増大し、且つ布帛とした場合にふく
らみ感を付与するという点から、島成分より乾熱収縮率
で3.0%以上高収縮であることが好ましい。尚、乾熱
収縮率の測定は以下の方法で行なう。複合フィラメント
の脱海前の糸長L0 を測定し、100℃以下の処理温度
で脱海した後、200℃乾熱処理を15分行なう。次い
で芯成分と島成分とを分離し糸長を測定し、芯成分の糸
長をLH 、島成分の糸長をLL とする。乾熱収縮率は次
式により求める。 芯成分の乾熱収縮率(%)=(L0 −LH )/L0 ×1
00 島成分の乾熱収縮率(%)=(L0 −LL )/L0 ×1
00 芯成分に用いるポリマとしては例えば、アジピン酸、セ
バシン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカンボン酸、ナ
フタリンジカルボン酸等の二塩基酸類、オキシ安息香酸
の如きオキシ酸類、およびジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコ
ール類、2,2ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル}プロパン、更には島成分と同様に金属スルホ
ネート基を含有するイソフタル酸成分などの共重合成分
を1種又は複数種併用したポリマであってもよい。中で
も芯成分に用いるポリマにも、金属スルホネート基を含
有するイソフタル酸成分を共重合したポリエステルを用
いることによってカチオン染料で染色することが可能と
なり、島成分との同色性が達成できるため良好な鮮明発
色性が得られるので好ましい。尚、芯成分に用いるポリ
マに金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分を
共重合する場合には、芯成分と島成分の単糸繊度の違い
による発色性の差を小さくするために、該共重合量を島
成分への共重合量より少なくすることが好ましい。
【0012】本発明の複合繊維を形成する芯成分ポリ
マ、島成分ポリマ、海成分ポリマには、本発明の効果を
阻害しない範囲で艶消剤、抗酸化剤、蛍光増白剤、難燃
剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含有させることもでき
る。
【0013】本発明の複合繊維は、風合面、特に張り・
腰の点で複合繊維を構成する芯成分の繊度は、2.0デ
ニール以上4.0デニール以下であることが好ましい。
芯成分の繊度が2.0デニール未満であると、布帛に十
分な張り・腰を付与することができず、逆に4.0デニ
ールを越えると硬い風合となる。
【0014】また、ピーチタッチな風合を得るために
は、複合繊維を構成する島成分の繊度は、0.1デニー
ル以上0.6デニール以下が好ましい。島成分の繊度が
0.1デニール未満ではソフトタッチな風合が得られる
ものの、布帛の柔軟さが強調され過ぎて好ましくなく、
逆に0.6デニールを越えるとピーチタッチな風合を得
ることができず好ましくない。
【0015】また、島成分の形状については、特に限定
しないが円形、楕円形、偏平形が好ましく、特に偏平形
が好ましい。島成分の形状を偏平形とすることにより、
独特の表面タッチを表現することが可能となる。島成分
の形状を偏平形とする場合には、その偏平度を1.5以
上5.0以下とすることが好ましい。偏平度が1.5未
満であると偏平断面化による独特の表面タッチを得るに
は不十分であり、逆に偏平度が5.0を越えると、島成
分の厚みが薄くなることにより、偏平面に対する曲げ剛
性が低下し、ふくらみ感が低下すると共に、極細糸によ
るピーチタッチを得にくくなる傾向がある。
【0016】島成分の複合繊維における存在個数は、風
合面より4個以上10個以下であることが好ましく、よ
り好ましくは5個以上8個以下である。島成分の個数が
3個以下の場合、太繊度の芯成分の効果が強調されすぎ
硬い風合となり、島成分の個数が11個以上の場合、極
細繊度の島成分の効果が強調されすぎ柔らか過ぎる風合
となり好ましくない。
【0017】本発明の複合繊維を紡糸するのに必要な紡
糸パックは、特開昭57−47938号公報の第3図や
特開昭57−82526号公報の第2図に示される装置
が好適な一例として使用できる。また本発明の複合繊維
を紡糸するのに必要な口金は、図3に示すような特開平
1−14321号公報に示される装置が好適な一例とし
て使用できる。
【0018】本発明の複合繊維を製糸するにあたって
は、紡糸および延伸工程を連続して行なう方法、未延伸
糸として一旦巻き取った後延伸する方法または高速製糸
法等の何れのプロセスにも適用することができる。ま
た、必要に応じて仮撚や、空気交絡等の糸加工を施して
も良い。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、実施例中において用いられる特性等の測
定法は以下の通りである。
【0020】(a)固有粘度〔η〕 25℃オルソクロロフェノール溶液中でオストワルド粘
度計により測定した値である。
【0021】(b)断面複合状態 カチオン染料(0.1wt%)で染色した後、厚さ5ミ
クロンにカットし、該染色断面より複合状態を観察し
た。
【0022】(c)引裂強力 JIS L 1096に準ずる。
【0023】(d)織物評価 高級衣料用布帛として重要な基本的特性である「張り
腰」、「ピーチタッチ」、「ふくらみ感」、「ドライ
感」、「発色性」の5種について熟練技術者10名によ
る官能評価を実施し、各々について従来の極細糸使いの
混繊糸を基準(5点)として10点満点で評価した。得
られた得点を平均し、0点以上2点未満を××、2点以
上4点未満を×、4点以上6点未満を△、6点以上8点
未満を○、8点以上10点以下を◎として、5段階で評
価した。 ◎ :特に優れている ○ :優れている △ :普通 × :劣っている ××:特に劣っている
【0024】実施例1〜4および比較例1〜5 島成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共
重合量および分子量1000のポリエチレングリコール
の共重合量をそれぞれ表1に示すように変更した固有粘
度〔η〕が0.65〜0.70の範囲にある変性ポリエ
ステルを用い、芯成分としてイソフタル酸6.1モル
%、2,2ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル}プロパンを4.0モル%共重合した、固有粘度
〔η〕0.65の変性ポリエステルを、海成分として5
−ソジウムスルホイソフタル酸の共重合量をそれぞれ
4.0、7.0モル%共重合した固有粘度〔η〕0.5
5の変性ポリエステルを用い、表1に示したポリマの組
合せで芯成分、島成分および海成分の複合比を40/4
7/13、島成分数を7とし、紡糸温度290℃、15
00m/分の速度で巻き取った。次いで延伸を行ない、
90デニール、12フィラメントのマルチフィラメント
糸を得た(海成分溶解分割後、芯成分は3.0デニー
ル、島成分は0.5デニールである)。得られた延伸糸
の特性を表1に示す。次いで該延伸糸を経糸および緯糸
に用いて平織物を得た。次いで該織物を濃度2%の苛性
ソーダ水溶液中で98〜100℃で減量処理を行ない海
成分を溶解除去し、次いで弛緩状態で200℃、5分間
の乾熱処理を行なった。次いで分散染料を用いて染色を
行なった後、仕上加工を行なった。表1に織物の風合特
性を示す。
【0025】比較例1では、島成分ポリマの5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸成分の共重合量が少ないためア
ルカリ減量によって島成分の繊維表面に形成される微細
凹凸が少なく、このためドライ感が不足していた。また
比較例2では、島成分ポリマと海成分ポリマとのアルカ
リ減量比が大きすぎるために、海成分が優先的に減量さ
れてしまうため島成分がほとんど減量されず、従って島
成分の繊維表面に十分な凹凸が形成されないためドライ
感が不足していた。
【0026】比較例3では、島成分ポリマと海成分ポリ
マとのアルカリ減量比が小さすぎるために、芯成分と島
成分の分割が完全に行なわれないためピーチタッチ感が
不足しているとともに、海成分の減量と同時に島成分が
減量されてしまい、従って島成分の劣化が進行し布帛と
しての引裂強力が低下し、品位に欠けるものであった。
また比較例4では、島成分ポリマの5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸成分の共重合量が多いためにアルカリ減
量において島成分の劣化が進行しており、従って布帛と
しての引裂強力が低下し、品位に欠けるものであった。
また比較例5は、島成分に用いたポリマが5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸成分およびポリエチレングリコー
ルが共重合されていない実質的にポリエチレンテレフタ
レートであるため、アルカリ減量しても島成分の繊維表
面に微細凹凸が形成されず、このためドライ感が不足し
ていた。
【0027】一方、実施例2、3では、適度な張り腰、
ふくらみ感、ピーチタッチ感およびドライ感、更には優
れた発色性を有しており従来にない優れた特徴を有して
いた。実施例1では、島成分ポリマの5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸成分の共重合量が1.2モル%と若干
少ないため、アルカリ減量によって島成分の繊維表面に
形成される微細凹凸が若干少なく、このためドライ感が
若干不足しており、またポリエチレングリコールが共重
合されていないために発色性が若干不足していたが、適
度な張り腰、ふくらみ感、ピーチタッチ感を有してお
り、優れた特徴を有していた。また、実施例4では、適
度な張り腰、ふくらみ感、ピーチタッチ感、ドライ感お
よび発色性を有しており従来にない優れた特徴を有して
いたが、島成分ポリマの5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸成分の共重合量が2.8モル%と若干多いため、ア
ルカリ減量によって島成分の劣化が若干進行しており、
従って布帛としての引裂強力が若干低下していた。
【0028】
【表1】 実施例5〜8 島成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を
1.5モル%、分子量1000のポリエチレングリコー
ルを1.2重量%共重合した固有粘度〔η〕0.67の
変性ポリエステルを用い、芯成分としてイソフタル酸
3.1モル%、2,2ビス{4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル}プロパンを3.0モル%、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸を1.3モル%共重合した固有
粘度〔η〕0.66の変性ポリエステルを、海成分とし
て5−ソジウムスルホイソフタル酸を7.0モル%共重
合した固有粘度〔η〕0.55の変性ポリエステルを用
い、表2に示したように複合比率および島数を変更して
実施例1と同様の方法で紡糸、延伸を行ないマルチフィ
ラメント糸を得た。得られた糸の特性を表2に示す。
尚、海成分の島成分に対するアルカリ減量比は12.8
であった。次いで実施例1と同様の方法で製織、減量加
工、感熱処理を行なった後、カチオン染料を用いて染色
し、仕上加工を行なった。表2に織物の風合特性を示
す。
【0029】実施例6および7では、適度な張り腰、ふ
くらみ感、ピーチタッチ感およびドライ感を有してお
り、更には、カチオン染料で芯成分、島成分の染色が可
能であり、これによって優れた鮮明発色性も同時に得る
ことができ、従来にない優れた特徴を有していた。実施
例5では、適度な張り・腰と優れたドライ感と鮮明発色
性を有していたが、島成分の数が3個と少なく偏平度が
5.6と大きいため、ピーチタッチ感が若干不足してお
り、また偏平面に対する曲げ剛性の低下により、ふくら
み感が若干不足していた。また実施例8では、ピーチタ
ッチ感、ドライ感、ふくらみ感を有していたが、島成分
の数が11個と多く偏平度が1.3と小さいため、柔ら
かさが強調されてしまい張り・腰が若干不足していた。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明によるポリエステル系3成分複合
繊維は、島成分に用いるポリマを金属スルホネート基を
含有するイソフタル酸成分を1.0モル%以上、3.0
モル%以下共重合したポリエルテルとし、かつ海成分が
島成分に対してアルカリ減量比が5.0以上20.0以
下である易溶解性ポリエステルとすることにより、張り
腰、ふくらみ感を有し、ピーチタッチ感とドライ感をか
ね備えた従来にない優れた風合を有する布帛を安定に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3成分系複合繊維を構成する複合繊維
の好ましい一例を示す断面図である。
【図2】図1の複合繊維から海成分を除去して得た糸の
断面図である。
【図3】本発明の3成分系複合繊維を得るために好まし
く用いられる口金装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1:芯成分Aの流入孔 2:島成分Bの流入孔 3:海成分Cの流入孔 4:ポリマ集合部 5:口金吐出孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯成分、島成分、海成分のいずれも相異な
    る3種のポリエステルからなり、島成分が芯成分を取り
    囲むように点在し、且つ海成分のなかに偏在することな
    く分散してなる3成分複合繊維において、島成分が金属
    スルホネート基を含有するイソフタル酸成分を1.0モ
    ル%以上3.0モル%以下共重合したポリエステルであ
    り、且つ海成分が島成分に対してアルカリ減量比が5.
    0以上20.0以下の易溶解性ポリエステルであること
    を特徴とするポリエステル系3成分複合繊維。
JP29017193A 1993-11-19 1993-11-19 ポリエステル系3成分複合繊維 Pending JPH07145514A (ja)

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