JPH073533A - ポリエステル3成分複合繊維 - Google Patents

ポリエステル3成分複合繊維

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JPH073533A
JPH073533A JP14026993A JP14026993A JPH073533A JP H073533 A JPH073533 A JP H073533A JP 14026993 A JP14026993 A JP 14026993A JP 14026993 A JP14026993 A JP 14026993A JP H073533 A JPH073533 A JP H073533A
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island
sea
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island component
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JP14026993A
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Masayuki Sato
正幸 佐藤
Yoshihiro Konno
吉宏 近野
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリ熱水溶液等による芯成分Aと島成分
Bの分割性に優れ、布帛とした際に、極細糸の特徴であ
るドライ感のあるピーチタッチな風合、張り・腰および
ふくらみ感をかね備えた新規な風合を有する布帛を得る
ことができるポリエステル3成分複合繊維を提供する。 【構成】芯成分A、島成分B、海成分Cのいずれも相異
なる3種のポリエステルからなり、島成分Bが芯成分A
を取り囲むように点在し、且つ海成分Cのなかに偏在す
ることなく分散してなる3成分複合繊維において、海成
分Cの複合比率が5%以上30%未満であり、分割性指
数(S)が0.60以上2.00未満であることを特徴
とするポリエステル3成分複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料用ポリエステル3
成分複合繊維に関する。更に詳しくは、アルカリ熱水溶
液等によって分割する際の分割性に優れ、且つ布帛とし
た際に、張り・腰があるとともに、ドライ感のあるピー
チタッチな風合を兼ね備えた衣料用ポリエステル3成分
複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料用布帛は、ニーズの多様化、
高級化の要求が高まっており、種々の検討がなされてい
る。その一つとして、3成分複合紡糸技術による検討が
なされている。例えば、特開平1−14321号公報で
は、高収縮な芯成分、低収縮な島成分、易アルカリ減量
性の海成分からなるポリエステル3成分複合繊維によっ
て、柔軟さと張り・腰をかね備えた新規な風合が得られ
ることが開示されている。該公報は、芯成分と島成分の
乾熱収縮率差、および海成分のアルカリ減量比などが規
定されているが、アルカリ熱水溶液等による芯成分と島
成分の分割性は十分でなく、布帛とした際に、極細糸の
特徴であるドライ感のあるピーチタッチな風合を得るこ
とができない。また、特開平2−26912号公報も、
高収縮な芯成分、低収縮な島成分、易アルカリ減量性の
海成分からなる3成分複合繊維に関するものであり、嵩
高でソフトな風合と張り・腰をかね備えた新規な風合が
得られることが開示されている。しかしながら、該公報
では、芯成分と島成分の分割性は十分であるが、張り・
腰は不十分で、かつふかついた風合となり、高級感に欠
けるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル3成分複合繊維において、アルカリ熱水溶液等
による芯成分Aと島成分Bの分割性に優れ、且つ布帛と
した際に、張り・腰とドライ感のあるピーチタッチな風
合をかね備えた新規な風合を有する布帛を得ることがで
きるポリエステル3成分複合繊維を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記したような本発明の
目的は、芯成分A、島成分B、海成分Cのいずれも相異
なる3種のポリエステルからなり、島成分Bが芯成分A
を取り囲むように点在し、且つ海成分Cのなかに偏在す
ることなく分散してなる3成分複合繊維において、海成
分Cの複合比率が5%以上30%未満であり、下記式に
示す分割性指数(S)が0.60以上2.00未満であ
ることを特徴とするポリエステル3成分複合繊維によっ
て達成できる。 S=B×d1/2 /(C×n) 但し、B:島成分複合比率(%) C:海成分複合比率(%) d:単糸繊度(d) n:島成分個数(個)
【0005】図1は本発明のポリエステル3成分複合繊
維の一例を示す複合断面図である。Aは芯成分Aであ
り、Bは島成分Bであり、Cは海成分Cである。個々の
島成分Bは海成分C中に偏在することなく存在している
ことが必要である。すなわち、個々の島成分Bは海成分
Cにより分離されていると共に、芯成分Aとも海成分C
により分離されていることが好ましい。芯成分Aと個々
の島成分B、および個々の島成分B同志が海成分Cによ
り分離されていないと、海成分Cを溶解除去しても、芯
成分Aと個々の島成分Bおよび個々の島成分B同志を分
離することができず、目的とするドライ感のあるピーチ
タッチな風合を十分に得ることができない。
【0006】本発明のポリエステル3成分複合繊維は、
海成分Cの複合比率が5%以上30%未満であることが
必要である。海成分の複合比率が5%未満であると、複
合繊維中の個々の島成分Bの間隔および島成分Bと芯成
分Aとの間隔が狭くなり、アルカリ熱水溶液等による海
成分Cの溶解除去によって芯成分Aと島成分Bの分割を
行なっても、分割性が悪いために十分に分割することが
できず、目的とするドライ感のあるピーチタッチな風合
を十分に得ることができない。逆に、海成分の複合比率
が30%以上となると、個々の島成分Bの間隔および島
成分Bと芯成分Aとの間隔が広くなるため、分割性は良
好となり、ピーチタッチな風合を得ることはできるが、
減量率が高くなりすぎて、張り・腰がなく、ふかついた
風合となり、品位の低下を招く。
【0007】本発明のポリエステル3成分複合繊維は、
下記式で示される分割性指数(S)が、0.60以上
2.00未満であることが必要である。 S=B×d1/2 /(C×n) 但し、B:島成分複合比率(%) C:海成分複合比率(%) d:単糸繊度(d) n:島成分個数(個) 該分割性指数(S)は、隣り合う島成分Bに挟まれた海
成分Cに対する島成分Bの比を意味する値であり、該分
割性指数(S)の値が大きいと島成分比が大きくなり、
即ち隣り合う島成分に挟まれた海成分の比が小さくなり
分割性が低下し、逆に該分割性指数(S)の値が小さい
と海成分の比が大きくなり分割性が良好となる。
【0008】本発明のポリエステル3成分複合繊維は、
分割性指数(S)が0.60未満であると、アルカリ熱
水溶液等による海成分Cの溶解除去による芯成分Aと島
成分Bの分割性が良好であり、ピーチタッチな風合を得
ることはできるが、張り・腰がなく、ふかついた風合と
なり、品位の低下を招く。一方、該分割性指数(S)
が、2.00以上となると、分割性が悪いために芯成分
Aと島成分Bとを完全に分割することができず、目的と
するドライ感のあるピーチタッチな風合を十分に得るこ
とができない。該分割性指数(S)の好ましい範囲は
0.65以上1.80未満である。
【0009】本発明のポリエステル3成分複合繊維は、
該繊維を用いて布帛とした後、例えばアルカリ熱水溶液
で海成分Cを溶解除去し、芯成分Aと島成分Bとに分離
することによって独特の風合を得るものである。本発明
のポリエステル3成分複合繊維は、風合面、特に張り・
腰の点で複合繊維を構成する芯成分Aの繊度は、1.0
デニール以上5.0デニール以下であることが好まし
い。芯成分Aの繊度が1.0デニール未満であると、布
帛に十分な張り・腰を付与することができず、逆に5.
0デニールを越えると硬い風合となる。
【0010】また、ピーチタッチな風合という点で、複
合繊維を構成する島成分Bの繊度は、0.1デニール以
上0.6デニール以下が好ましい。島成分Bの繊度が
0.1デニール未満ではピーチタッチな風合が得られる
ものの、布帛の柔軟さが強調され過ぎて好ましくなく、
逆に0.6デニールを越えるとピーチタッチな風合を得
ることができず、粗硬な風合となり、好ましくない。島
成分Bの複合繊維における存在個数は、風合面より4個
以上20個以下であることが好ましく、より好ましくは
5個以上15個以下である。島成分Bの個数が3個以下
の場合、太繊度の芯成分Aの効果が強調されすぎ硬い風
合となり、島成分Bの個数が21個以上の場合、極細繊
度の島成分Bの効果が強調されすぎ柔らか過ぎる風合と
なり好ましくない。また、島成分Bの形状については、
特に限定しないが円形、楕円形、偏平形が好ましく、特
に偏平形が好ましい。島成分Bの形状を偏平形とするこ
とにより、独特のドライ感のある表面タッチを表現する
ことが可能となる。島成分Bの形状を偏平形とする場合
には、その偏平度を1.5以上5.0以下とすることが
好ましい。偏平度が1.5未満であると偏平化による独
特の表面タッチを得るには不十分であり、逆に偏平度が
5.0を越えると、島成分の厚みが薄くなることによ
り、偏平面に対する曲げ剛性が低下し、ふくらみ感が低
下すると共に、極細糸によるピーチタッチな風合を得に
くくなる傾向がある。なお、本発明でいう偏平度とは、
図1に示した複合断面において、繊維円周方向の島成分
の最大長さL1と繊維半径方向の島成分の最大長さL2
との比L1/L2である。
【0011】本発明の複合繊維は、得られる布帛の風
合、品位の点で相異なる3種のポリマで形成されている
ことが必要であり、相異なる3種のポリマは、製糸、製
編織する際に複合成分間で剥離を生じないように相溶性
が良好なポリマを組み合わせることが必要である。製編
織する際に、複合成分間で剥離を生じると、毛羽、たる
み、糸切れが発生しやすく工程通過性、製品品位の点で
問題が生じる。芯成分Aを構成するポリマの好ましい例
としては、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ジ
フェニルジカンボン酸、ナフタリンジカルボン酸等の二
塩基酸類、オキシ安息香酸の如きオキシ酸類、およびジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等のグリコール類、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、2,2ビス{4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル}プロパンなどのうちから1種または
2種以上のものを共重合したポリエステルが挙げられ
る。本発明で用いる芯成分Aとしては、島成分Bによる
ピーチタッチ効果を増大し、且つ布帛とした場合にふく
らみ感を付与するという点から、島成分Bより乾熱収縮
率で5%以上高収縮であることが好ましい。なお、本発
明において、乾熱収縮率の測定は以下の方法で行なう。
複合繊維の脱海前の糸長L0 を測定し、次いで100℃
以下の処理温度で海成分の除去処理(脱海)した後、2
00℃乾熱処理を15分行なう。次いで芯成分と島成分
とを分離し糸長を測定し、芯成分の糸長をLH 、島成分
の糸長をLL とする。乾熱収縮率は次式により求める。 芯成分の乾熱収縮率(%)=(L0 −LH )/L0 ×1
00 島成分の乾熱収縮率(%)=(L0 −LL )/L0 ×1
00
【0012】島成分Bとしては、芯成分Aとの収縮率差
により、布帛とした場合にふくらみ感を付与するという
点から、乾熱収縮率が15%以下であることが好まし
い。島成分Bの乾熱収縮率が15%を越えると、芯成分
Aとの収縮率差を大きくすることが困難となり、ふくら
み感が低下することがあり好ましくない。また、芯成分
Aとの収縮率差を大きく保つためには芯成分Aを非常に
高収縮とする必要があり、布帛とした際に芯成分Aの収
縮によって風合が硬くなることがあり好ましくない。島
成分Bを構成するポリマの好ましい例としては、実質的
にポリエチレンテレフタレート単独重合体でよく、風合
を改善するために共重合体或いは添加物を加えたもので
も良い。
【0013】海成分Cとしては、芯成分Aと島成分Bを
容易に分割できることが好ましく、そのためには芯成分
Aおよび島成分Bに対して、アルカリ減量比が30以上
高いポリマ、或いは熱湯水に対して溶解性があるポリマ
であることが好ましい。なお、アルカリ減量比は以下の
方法で測定する。本発明のポリマA、BおよびポリマC
からなる同一デニールの円形断面の各フィラメントを3
%苛性ソーダ水溶液に浴比1:125、温度98〜10
0℃で処理し、減量率が70%に到達するまでの所要時
間TA 、TB 、TC を測定し、ポリマCのポリマAおよ
びBに対するアルカリ減量比を次式により求めた。 ポリマCのポリマAに対するアルカリ減量比=TA /T
C ポリマCのポリマBに対するアルカリ減量比=TB /T
C また減量率はアルカリ処理前の重量をW0 、アルカリ処
理後の重量をW1 として、次式により求めた。 減量率(%)=(W0 −W1 )/W0 ×100
【0014】複合繊維を形成するポリマA、B、Cに
は、本発明の効果を阻害しない範囲で艶消剤、抗酸化
剤、蛍光増白剤、難燃剤、紫外線吸収剤などの添加剤を
含有させることもできる。
【0015】本発明のポリエステル3成分複合繊維を紡
糸するのに必要な紡糸パックは、特開昭57−4793
8号公報の第3図や特開昭57−82526号公報の第
2図に示される複合紡糸に用いられる従来の装置が好適
な一例として使用できる。また本発明のポリエステル3
成分複合繊維を紡糸するのに必要な口金は、図3に示す
ような特開平1−14321号公報に示される装置が好
適な一例として使用できる。
【0016】本発明によるポリエステル3成分複合繊維
を製糸するにあたっては、紡糸および延伸工程を連続し
て行なう方法、未延伸糸として一旦巻き取った後延伸す
る方法または高速製糸法等の何れのプロセスも適用する
ことができる。また、必要に応じて仮撚や、空気交絡等
の糸加工を施しても良い。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、実施例中において用いられる特性等の測
定法は以下の通りである。
【0018】(a)断面複合状態 カチオン染料(0.1wt%)で染色した後、厚さ5ミ
クロンにカットし、該染色断面より複合状態を観察し
た。
【0019】(b)風合評価 高級衣料用布帛として重要な基本的風合である「張り・
腰」、「ピーチタッチな風合」、「ふくらみ感」の3種
について熟練技術者10名による官能評価を実施し、各
々について従来の二者混繊糸使いの布帛を基準(5点)
として10点満点で評価した。得られた得点を平均し、
0点以上2点未満を××、2点以上4点未満を×、4点
以上6点未満を△、6点以上8点未満を○、8点以上1
0点以下を◎として、5段階で評価した。 ◎ :特に優れている ○ :優れている △ :普通 × :劣っている ××:特に劣っている。
【0020】
【0021】実施例1、2および比較例1、2 島成分Bとして固有粘度〔η〕0.66のポリエチレン
テレフタレートを、芯成分Aとしてイソフタル酸7.1
モル%、2,2ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル}プロパンを4.0モル%共重合した固有粘度
〔η〕0.67の変性ポリエステルを、海成分Cとして
5−ソジウムスルホイソフタル酸7.0モル%共重合し
た固有粘度〔η〕0.58の変性ポリエステル用い、島
成分数を5として、芯成分A、島成分Bおよび海成分C
の複合比率を表1のように変更して、紡糸温度290 ℃、
1500m/分の速度で巻き取った。次いで延伸を行ない、マ
ルチフィラメント糸を得た。
【0022】得られたマルチフィラメント糸は、海成分
Cを溶解除去した後、芯成分および島成分はそれぞれ
2.5デニールおよび0.3デニールであった。得られ
た糸の特性を表1に示す。また該マルチフィラメント糸
を用いて緯糸打込みを行ない平織物を得た。該織物を濃
度2%の苛性ソーダ水溶液中で98〜100℃で30分
間減量処理を行ない海成分Cを溶解除去し、次いで弛緩
状態で200℃、5分間の乾熱処理を行ない、染色を行
なった後、仕上加工を行なった。表1に織物の風合特性
を示す。
【0023】実施例1および2は、芯成分Aと島成分B
の分割性が良好で、芯成分Aと島成分Bとの収縮率差に
よるふくらみ感、適度な張り腰、および島成分の偏平化
によりドライ感のあるピーチタッチな風合を有してお
り、従来にない優れた特徴を有していた。比較例1は、
分割性指数Sが高く、芯成分Aと島成分Bの分割性が不
十分である。そのため芯成分Aと島成分Bとの収縮率差
によるふくらみ感を十分発現させることができないとと
もに、ピーチタッチな風合を得ることができず、高級感
に欠けるものであった。また、比較例2は、分割性指数
Sが小さいため、芯成分Aと島成分Bの分割性は良好だ
が、布帛がふかつき、張り・腰が低下し、また目ずれ等
も発生しやすく、高級感に欠けるものであった。
【0024】
【表1】 実施例3、4および比較例3 芯成分A、島成分Bおよび海成分Cの複合比率を表2の
ように変更した以外は、実施例1と同様の方法で紡糸、
延伸を行ないマルチフィラメント糸を得た。得られたマ
ルチフィラメント糸は、海成分Cを溶解除去した後、芯
成分および島成分はそれぞれ3.0デニールおよび0.
6デニールであった。得られた糸の特性を表2に示す。
また、実施例1と同様に該マルチフィラメント糸で平織
物を作製し、仕上加工を行い、織物の風合特性を表2に
示す。
【0025】実施例3は、芯成分Aと島成分Bの分割性
が若干低くなっており、そのため芯成分Aと島成分Bと
の収縮率差によるふくらみ感が若干不足ぎみであった
が、適度な張り・腰、および島成分の偏平化によりドラ
イ感のあるピーチタッチな風合を有していた。また、実
施例4は、芯成分Aと島成分Bの分割性が良好であり、
芯成分Aと島成分Bとの収縮率差によるふくらみ感、適
度な張り・腰、および島成分の偏平化によりドライ感の
あるピーチタッチな風合を有しており、従来にない優れ
た特徴を有していた。
【0026】一方、比較例3は海成分Cの複合比率が高
く、芯成分Aと島成分Bの分割は良好でピーチタッチな
風合が得られるが、布帛がふかつき、張り・腰が不足
し、また目ずれ等も発生しやすく、高級感に欠けるもの
であった。
【0027】
【表2】 実施例5および比較例4 島成分数を15として、芯成分A、島成分Bおよび海成
分Cの複合比率を表3のように変更した以外は、実施例
1と同様の方法で紡糸、延伸を行ないマルチフィラメン
ト糸を得た。得られたマルチフィラメント糸は、海成分
Cを溶解除去した後、芯成分は3.4〜3.7デニー
ル、島成分は0.2デニールであった。得られた糸の特
性を表3に示す。また、実施例1と同様に該マルチフィ
ラメント糸で平織物を作製し、仕上加工を行い、織物の
風合特性を表3に示す。
【0028】実施例5は、芯成分Aと島成分Bの分割性
が良好であり、芯成分Aと島成分Bとの収縮率差による
ふくらみ感、適度な張り・腰、および島成分の偏平化に
よりドライ感のあるピーチタッチな風合を有しており、
従来にない優れた特徴を有していた。一方、比較例4は
海成分複合比率が小さいため、海成分Cの溶解除去が不
十分で、芯成分Aと島成分Bの分割性が低く、一部では
島成分同志が分割されないまま存在しており、そのため
ピーチタッチな風合を得ることができず、また同時に芯
成分Aと島成分Bの収縮率差によるふくらみ感も不足し
ており、高級感に欠けるものであった。
【0029】
【表3】 実施例6〜8 島成分数を7として、芯成分A、島成分Bおよび海成分
Cの複合比率を表4のように変更した以外は、実施例1
と同様の方法で紡糸、延伸を行ないマルチフィラメント
糸を得た。得られたマルチフィラメント糸は、海成分C
を溶解除去した後、芯成分は3.0デニール、島成分は
0.3デニールであった。得られた糸の特性を表4に示
す。また、実施例1と同様に該マルチフィラメント糸で
平織物を作製し、仕上加工を行ない、織物の風合特性を
表4に示す。
【0030】実施例6および7は、芯成分Aと島成分B
の分割性が良好であり、芯成分Aと島成分Bとの収縮率
差によるふくらみ感、適度な張り・腰、および島成分の
偏平化によりドライ感のあるピーチタッチな風合を有し
ており、従来にない優れた特徴を有していた。実施例8
は、芯成分Aと島成分Bが完全に分割し、良好なピーチ
タッチ風合およびふくらみ感が得られるが、布帛に若干
ではあるがふかつきが見られた。
【0031】
【表4】 実施例9および10 芯成分Aとしてイソフタル酸を3モル%および12モル
%共重合した固有粘度〔η〕0.67の変性ポリエステ
ルを用いた以外は、実施例4と同様の方法で紡糸、延伸
を行ないマルチフィラメント糸を得た。得られたマルチ
フィラメント糸は、海成分Cを溶解除去した後、芯成分
および島成分はそれぞれ3.0デニールおよび0.6デ
ニールであった。得られた糸の特性を表5に示す。ま
た、実施例1と同様に該マルチフィラメント糸で平織物
を作製し、仕上加工を行ない、織物の風合特性を表5に
示す。
【0032】実施例9は、芯成分Aと島成分Bの分割性
が良好であり、芯成分Aと島成分Bとの収縮率差による
ふくらみ感、および島成分の偏平化によりドライ感のあ
るピーチタッチな風合を有していたが、芯成分A、島成
分Bともに乾熱収縮率が高いため、布帛加工工程中での
収縮により、やや硬い風合であった。実施例10では、
適度な張り・腰を有していたが、島成分Bの乾熱収縮率
が高く、芯成分Aと島成分Bとの乾熱収縮率差が小さく
なり、芯成分Aと島成分Bとの収縮率差によるふくらみ
感、およびピーチタッチ感が若干不足していた。
【0033】
【表5】 実施例11〜13 島成分数を3、4および15に変更して、実施例1と同
様の方法で紡糸、延伸を行ないマルチフィラメント糸を
得た。得られたマルチフィラメント糸は、海成分Cを溶
解除去した後、芯成分および島成分はそれぞれ3.0デ
ニールおよび0.2デニールであった。得られた糸の特
性を表6に示す。また、実施例1と同様に該マルチフィ
ラメント糸で平織物を作製し、仕上加工を行ない、織物
の風合特性を表6に示す。
【0034】実施例12は、芯成分Aと島成分Bの分割
性が良好であり、芯成分Aと島成分Bとの収縮率差によ
るふくらみ感、適度な張り・腰、および島成分の偏平化
によりドライ感のあるピーチタッチな風合を有してお
り、従来にない優れた特徴を有していた。実施例11
は、適度な張り・腰は有していたが、島成分Bの数が少
なく、且つ偏平度が大きいため、ピーチタッチな風合が
若干不足しており、また偏平面に対する曲げ剛性が低下
することにより、ふくらみ感が若干不足していた。ま
た、実施例13は、芯成分Aと島成分Bの分割性が良好
であり、芯成分Aと島成分Bとの収縮率差によるふくら
み感、適度な張り・腰、およびピーチタッチな風合を有
していたが、島成分の偏平度が小さいために偏平化によ
るドライ感は不足していた。
【0035】
【表6】
【0036】
【発明の効果】本発明によるポリエステル3成分複合繊
維は、海成分Cの複合比率および分割性指数(S)が特
定化されているため、アルカリ熱水溶液等による芯成分
Aと島成分Bの分割性に優れている。また布帛とした際
に、張り・腰とドライ感のあるピーチタッチな風合をか
ね備えた新規な風合を有する布帛を得ることができるポ
リエステル3成分複合繊維を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3成分複合繊維の一例を示す断面図
【図2】図1の複合繊維から海成分Cを除去して得た糸
の断面図
【図3】本発明の3成分複合繊維を得るために好ましく
用いられる口金装置の縦断面図
【符号の説明】
1:芯成分Aの流入孔 2:島成分Bの流入孔 3:海成分Cの流入孔 4:ポリマ集合部 5:口金吐出孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯成分A、島成分B、海成分Cのいずれも
    相異なる3種のポリエステルからなり、島成分Bが芯成
    分Aを取り囲むように点在し、且つ海成分Cのなかに偏
    在することなく分散してなる3成分複合繊維において、
    海成分Cの複合比率が5%以上30%未満であり、下記
    式に示す分割性指数(S)が0.60以上2.00未満
    であることを特徴とするポリエステル3成分複合繊維。 S=B×d1/2 /(C×n) 但し、B:島成分複合比率(%) C:海成分複合比率(%) d:単糸繊度(d) n:島成分個数(個)
JP14026993A 1993-06-11 1993-06-11 ポリエステル3成分複合繊維 Pending JPH073533A (ja)

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JP14026993A JPH073533A (ja) 1993-06-11 1993-06-11 ポリエステル3成分複合繊維

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