JPH0693530A - 高発色で風合いの良好な布帛 - Google Patents

高発色で風合いの良好な布帛

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JPH0693530A
JPH0693530A JP4238042A JP23804292A JPH0693530A JP H0693530 A JPH0693530 A JP H0693530A JP 4238042 A JP4238042 A JP 4238042A JP 23804292 A JP23804292 A JP 23804292A JP H0693530 A JPH0693530 A JP H0693530A
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fiber
component
acid
hot water
denier
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JP4238042A
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Nobuo Kurata
信夫 倉田
Masao Umezawa
正夫 梅澤
Noboru Takahashi
登 高橋
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 主たる酸成分がテレフタル酸であって1.7
〜5.5mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸
を共重合してなる単糸繊度が1.0デニール未満の共重
合ポリエステル繊維を構成糸とした可細化性複合繊維
と、カチオン可染性繊維とから構成されている布帛およ
び、該布帛を熱水処理によって細化した布帛。 【効果】(1)可細化性複合繊維とカチオン可染性繊維
で構成された布帛は、カチオン可染性繊維を何ら損傷な
く熱水で容易に減量処理することができるので、これら
双方の繊維の特長を兼ね備え、(2)また、極細共重合
ポリエステル繊維とカチオン可染性繊維で構成された布
帛は、高い発色性とドレープ性を兼ね備え、風合いの良
好なものであるので、とくに高級衣料用に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン染色可能な極
細共重合ポリエステル繊維と、アクリル繊維、ウール、
絹などのカチオン可染性繊維とから構成された発色性が
良好で風合いが改良された布帛および、熱水処理するこ
とによって、前記改良された布帛を製造できる布帛、す
なわち熱水溶解性の共重合ポリエステルと、熱水不溶解
性のカチオン染色可能な共重合ポリエステルからなる可
細化性複合繊維とカチオン可染性繊維とから構成された
布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリエステル繊維、とくにポリ
エチレンテレフタレート繊維は強度、寸法安定性など多
くの優れた特性を備えているため衣料用をはじめ種々の
用途に利用されている。さらに、これらは異形断面化や
極細繊維化により特長を付加せしめ、高級品への展開が
活発である。しかし、アクリル繊維やウール、絹の繊維
のもつ手触り感や特有の表面光沢感においては、ポリエ
チレンテレフタレートの改質、改良にはおのずと限界が
あった。このために、これら繊維の混繊または交編織に
よって、新規風合い布帛の提案が数多く散見される。
【0003】例えば特開昭63−249737号公報で
は0.2デニール以下のポリエステルマルチフィラメン
トの交織物の提案がされている。しかしこのものでは十
分な発色性がある風合いの良好なものは得られなかっ
た。すなわちポリエステル繊維の染色には120℃ほど
の高温が必要となり、アクリル繊維やウール、絹が物性
低下を生じ、粗硬なものとなる。また、ポリエステル繊
維の染色性を改良するために第3成分を共重合して改質
したものは、製糸時や高次工程での毛羽発生による工程
の通過性に難点が生じる欠点があった。特開昭64−2
6747号公報では、ポリエステル繊維と絹との混繊が
提案されているが、極細繊維の記載はなく、また、アル
カリでの減量処理のため、アクリル繊維やウールなどが
劣化し混繊では必ずしも満足のいくものは得られなかっ
た。 本発明者らは特開昭61−296120号公報で
熱水溶解性共重合ポリエステルを一成分とした複合繊維
の提案をしている。しかしながら、高発色の極細繊維と
アクリル繊維やウール、絹の混繊または交編織のもの、
減量処理による風合いを改良したものは得られなかっ
た。すなわち、ポリエステル繊維とくに極細繊維と、ア
クリル繊維やウール、絹などとの混繊または交編織した
高発色で風合いの良好な布帛の提供には限界があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな従来技術の欠点のない、ポリエステル繊維とくに極
細繊維とアクリル繊維やウール、絹などで構成された高
発色で風合いの良好な布帛および該布帛を製造できる布
帛の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、主たる
酸成分がテレフタル酸であって、1.7〜5.5mol
%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸と、主たるジオ
ール成分がエチレングリコールよりなる共重合ポリエス
テルからなる単糸繊度が1デニール未満の共重合ポリエ
ステル繊維と、カチオン可染性繊維とから構成された布
帛、および熱水に可溶な成分と、熱水に不溶な成分から
なる可細化性複合繊維と、カチオン可染性繊維とから構
成された布帛であって、該可細化性複合繊維の熱水に可
溶な成分は、主たる酸成分がテレフタル酸であって、8
〜15mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
および5〜40mol%のイソフタル酸と、主たるジオ
ール成分がエチレングリコールよりなる共重合ポリエス
テルであり、熱水に不溶な成分は、主たる酸成分がテレ
フタル酸であって、1.7〜5.5mol%の5−ナト
リウムスルホイソフタル酸と、主たるジオール成分がエ
チレングリコールよりなる共重合ポリエステルであるこ
とを特徴とする布帛の提供によって達成される。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明の布
帛とは、従来公知の織物、編物、不織布およびこれらが
組合されたものなど、公知のものが広く適用でき、特に
限定されるものではない。また、目付、密度なども特に
限定されるものではない。
【0007】本発明の請求項1記載において、かかる布
帛は単糸繊度が1デニール未満の共重合ポリエステル繊
維と、カチオン可染性繊維とから構成されたものとす
る。また、該共重合ポリエステル繊維とは、主たる酸成
分がテレフタル酸であって1.7〜5.5mol%の5
−ナトリウムスルホイソフタル酸と、主たるジオール成
分がエチレングリコールよりなるものである。該共重合
ポリエステル繊維は1デニール未満の繊維であっても、
カチオン染料に良好に染色可能となる。より好ましく
は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が3〜5mol
%の共重合した共重合ポリエステルから繊維が構成され
ることである。5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共
重合率が1.7mol%に満たない共重合では、十分な
鮮明性のある染色品が得られない。一方、共重合率が
5.5mol%を越えると繊維の強度が低下し、また高
コストとなり不利益となる。
【0008】また、該共重合ポリエステルからなる1デ
ニール未満の繊維は、本発明の効果を妨げない範囲で他
の成分を含んでいてもよい。例えば、該共重合ポリエス
テル繊維が鞘で、芯に極限粘度が該共重合ポリエステル
繊維より高いポリエステルである繊維なども本発明の繊
維として挙げられる。また該共重合ポリエステルには、
染料が繊維中により浸透し易くするため、ポリオキシア
ルキレングリコールなどの第三成分を含んでも差支えな
い。本発明の共重合ポリエステル繊維はかかる組成から
なるものであり、繊維の単糸繊度は1デニール未満とす
る。1デニール以上になると布帛の風合は粗硬となり好
ましくない。より好ましい繊度は0.8デニール以下で
ある。かかる繊度の繊維から構成されると布帛の風合は
極めて好ましいものとなる。
【0009】次に本発明のカチオン可染性繊維について
述べる。カチオン可染性繊維としては、アクリル繊維や
ウール、絹など公知の繊維が使用でき特に限定されるも
のではない。これらのカチオン可染性繊維の中で特に好
ましいものは、絹である。絹は特有の光沢と風合が良好
であるので特に好ましい。
【0010】1デニール未満の共重合ポリエステル繊維
と、カチオン可染性繊維の比率は、両者の重量割合で9
0/10〜10/90の範囲とすることが好ましい。1
デニール未満の共重合ポリエステル繊維が90重量%を
越えると、ポリエステル繊維特有の光沢と冷やかな手触
り感のものとなる。一方、10重量%未満ではイージケ
ア性が劣るものとなってしまう。
【0011】本発明の請求項1記載の布帛における構成
は特に限定されるものではなく、公知の組合せがとれ
る。たとえば、1デニール未満の共重合ポリエステル繊
維とカチオン可染性繊維が双方とも短繊維から構成され
た紡績糸で布帛を構成していても良い。また、カチオン
可染性繊維は短繊維であり、1デニール未満の共重合ポ
リエステル繊維は連続繊維からなり、両者が複合し糸を
構成し、この糸で布帛を構成していても良い。また、布
帛が織物の場合であれば、タテ糸に1デニール未満の共
重合ポリエステル繊維、ヨコ糸にカチオン可染性繊維の
糸使いにしたような交織品などが良く用いられる。双方
の繊維を引き揃えて撚糸した混繊糸やカバーリング糸と
なして編織したものなどが良く用いられる。特に好まし
い布帛は、1デニール未満の共重合ポリエステル繊維、
カチオン可染性繊維とも連続繊維からなり、かつカチオ
ン可染性繊維が絹から作られたものである。かかる布帛
は、良好な光沢と独特の表面タッチを有するので特に好
ましいのである。
【0012】次に、本発明の請求項2記載の布帛につい
てのべる。特殊な複合繊維とカチオン可染性繊維とから
構成されたことを特徴とする布帛である。かかる布帛
は、本発明の請求項1記載の布帛と同様、特に限定され
るものではない。また、カチオン可染性繊維も本発明の
請求項1記載のものと同様のものであり、カチオン可染
性繊維と可細化性複合繊維からなる布帛の構成も特に限
定されるものではなく、公知の組合せが採用できる。
【0013】次に、本発明における複合繊維について述
べる。本発明の複合繊維は、熱水に溶解する成分と熱水
に不溶な成分からなる可細化性複合繊維である。まず、
可細化性複合繊維について述べる。本発明の可細化性複
合繊維とは、一成分を溶解除去すれば、1デニール未満
の極細繊維を得る複合繊維を称する。本発明において、
溶解除去する成分としては、熱水系で溶解除去可能なも
のとする。本発明においては、一成分を溶解除去した後
の繊維は単糸繊度1デニール未満になるように調整され
た可細化性複合繊維が用いられる。細化された後の繊維
が1デニール以上であるとポリエステル繊維のもつ粗硬
感が目立つためなどの欠点が生ずるからである。より好
ましいのは細化された後の繊維が0.8デニール以下に
なるように調整された可細化性複合繊維が用いられるこ
とである。
【0014】次に可細化性複合繊維の構成成分について
述べる。本発明による可細化性複合繊維は、熱水に可溶
な共重合ポリエステルからなる熱水溶解性成分と、熱水
に不溶でカチオン染色可能な共重合ポリエステルからな
る熱水不溶解性成分で構成される。熱水に不溶な成分
は、本発明の請求項1記載の1デニール未満の共重合ポ
リエステル繊維の成分と同一である。熱水に可溶な成分
としては、主たる酸成分がテレフタル酸であって、8〜
15mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸、お
よび5〜40mol%のイソフタル酸と、主たるジオー
ル成分がエチレングリコールよりなる共重合ポリエステ
ルが使用される。また、本発明の効果を妨げない範囲
で、他の酸成分や他のジオール成分などが含まれていて
もよい。熱水に可溶な共重合ポリエステルを繊維の1成
分としたときには、常温水には何ら変形を受けることな
く、60℃以上の熱水系に溶ける特性を有するので、布
帛を通常に取扱い、また溶解しやすいので1デニール未
満の極細繊維とすることが容易である。
【0015】可細化性複合繊維の代表的なものを挙げる
と、海島型複合繊維、混合紡糸して得た複合繊維、分割
型複合繊維、一成分の溶解除去によって種々の異形断面
を形成せしめ得る複合繊維などが挙げられる。かかる可
細化性複合繊維を図をもって説明する。図1は本発明の
可細化性複合繊維の分割型複合繊維の例を示す横断面図
であり、図2は本発明の可細化性複合繊維の海島型複合
繊維の例を示す横断面図である。ここで、Aは熱水溶解
成分であり、Bは熱水不溶解成分である。熱水処理によ
り、図1の場合は3つの繊維に分割され、図2の場合は
16の島成分からなる繊維となり細化が可能となる。
【0016】次に、本発明の可細化性複合繊維の構成
は、熱水溶解性成分が5〜70重量%であって、かつ該
成分の一部が繊維表面を占めていることが好ましい。ま
た、より好ましくは5〜50重量%である。本発明の請
求項2記載の布帛、可細化性複合繊維とカチオン可染性
繊維の重量割合は90/10〜10/90の範囲とす
る。可細化性複合繊維が90重量%を越えると、熱水溶
解性成分を除去した後の1デニール未満の繊維とカチオ
ン可染繊維からなる布帛の風合は、ポリエステル繊維特
有の光沢と冷やかな手触り感のものとなる。一方、10
重量%未満ではイージケア性が劣るものとなってしま
う。
【0017】以下に本発明の布帛の製法を具体的に述べ
る。まず、可細化性複合繊維の製法から述べる。可細化
性複合繊維の熱水溶解性の共重合ポリエステルには紡糸
時の瀘圧上昇を抑制するためにエステル交換触媒として
酢酸リチウムを0.3重量%以上添加することが好まし
い。また、溶融粘度は、所望する断面形状に維持、また
は紡糸時の糸切れを抑制するために290℃での溶融粘
度を500ポイズ以上とすることが好ましい。さらに、
糸の諸加工における摩擦抵抗を軽減させるために微細無
機粒子を0.01〜0.5重量%配合することが好まし
く、より好ましくは0.03〜0.3重量%である。無
機粒子としてはとくに限定はされないが、酸化チタンが
より好適である。
【0018】一方、熱水不溶解性の共重合ポリエステル
として、主たる酸成分がテレフタル酸であって、8〜1
5mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸、およ
び5〜40mol%のイソフタル酸と、主たるジオール
成分がエチレングリコールよりなる共重合ポリエステル
である繊維を複合紡糸し、可細化性複合繊維とする。可
細化性複合繊維の製法は特に限定されるものではなく従
来公知の方法が広く適用できる。
【0019】次に、該可細化性複合繊維とカチオン可染
性繊維を布帛とする。布帛の構成繊維は、短繊維で混合
して不織布としたものや紡績糸にして編織したりしたも
の、双方の繊維を引き揃えて撚糸した混繊糸やカバーリ
ング糸となして編織したりしたもの、タテ糸に可細化性
複合繊維、ヨコ糸にカチオン可染性繊維の糸使いにした
ような交編織品などが良く用いられる。該布帛は、通常
の処理工程、すなわち糊抜き精練の工程で可細化性複合
繊維の熱水溶解性成分を溶解除去する。熱水溶解性成分
の除去には、トリポリリン酸などの軟水化剤を用いるこ
とでより安定な溶解除去が可能となる。なお糊抜きのた
めの助剤、即ち、活性剤や再付着防止剤や弱アルカリ剤
などの使用は何ら差支えない。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 熱水溶解性成分として12mol%の5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸、および25mol%のイソフタル
酸、そして酸化チタン0.05重量%,酢酸リチウム
0.7重量%を含んだ共重合ポリエステルチップ(29
0℃での溶融粘度:1500ポイズ,軟化点:130
℃)を100℃で10時間減圧乾燥したものと熱水不溶
解性成分として5mol%の5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸を含んだ共重合ポリエステルチップ(極限粘
度:0.60,軟化点:250℃)を150℃で6時間
減圧乾燥したものを、各々スクリュー押出機で溶融(2
90℃)し、ギアポンプで3分割18グループの分割型
紡糸口金に送り複合紡糸した。熱水溶解性成分は4.8
g/分の吐出量で、熱水不溶解性成分は19.2g/分
の吐出量で送り紡糸し、冷却固化後、給油して1300
m/分で巻き取った。得られた未延伸糸を90℃の熱ロ
ールおよび130℃の熱板を通過させて延伸し、50デ
ニール18フィラメントの延伸糸を得た。単糸繊度は
0.7デニールである。紡糸、延伸時の糸切れは発生し
なかった。また、断面形状は図1に示した3つの扇状を
した分割型複合繊維とした。この延伸糸と100番手の
ウールを撚糸機で200T/mの撚りをかけ混繊糸を得
た。混繊糸を筒編み機で編み地となし、98℃の精練浴
槽(NaOH:0.1%、トリポリリン酸:0.2g/
l、界面活性剤:2g/l)を通した。十分湯水洗して
乾燥した後の重量は、処理前の編み地に対し10.5%
の減量であった。製糸性、撚糸時や編み立て時、また精
練減量処理に何ら問題なく順調であった。さらにカチオ
ン染料(Estrol Scarlet G)1%ow
f、浴のpH:3、浴比:1対100、100℃、45
分の染色を行った。染色後の編み地は、毛羽発生もなく
鮮やかな赤色を呈し、ドレープ性のある手触り感の良好
なものであった。
【0021】比較例1 実施例1において、熱水不溶解性成分として、6mol
%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合した共
重合ポリエステルチップを用い、その他は実施例1と同
様にして紡糸、延伸を行った。製糸性は良好であった。
得られた延伸糸を実施例1と同様に、ウールとの混繊糸
を得て、編み地とした。撚糸時や編み立て時にかなりの
毛羽立ちと糸切れが生じた。さらに、精練減量処理およ
びカチオン染色を行った。染色後の編み地は、鮮明性と
ドレープ性は良好ではあるが、毛羽の多いものであっ
た。
【0022】比較例2 実施例1における熱水不溶解性成分として、1.5mo
l%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合した
共重合ポリエステルチップを用い、その他は実施例1と
同様で紡糸、延伸を行い、ウールとの混繊糸を得て、編
み地とした。製糸性、撚糸時や編み立て時とも良好であ
った。さらに精練減量処理およびカチオン染色を行っ
た。染色後の編み地は、毛羽もなくドレープ性はある
が、染色性が不十分で鮮明な染色品のものではなかっ
た。
【0023】比較例3 実施例1と同様に紡糸、延伸と行い、ウールとの混繊糸
を得て、編み地とした。かかる編み地を実施例1と同
様、精練浴槽で120℃、45分の染色を行った。染色
後の編み地は、鮮明性が良好であるが、ドレープ性に劣
り、ウールの物性低下があった。
【0024】比較例4 5mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重
合した共重合ポリエステルチップ(極限粘度:0.6
0,軟化点:250℃)を、150℃で6時間減圧乾燥
したものを、スクリュー押出機で溶融(290℃)し、
ギァポンプで24g/分の吐出量を、0.15mmφ−7
0ホールの口金に送り紡糸した。冷却固化後、給油して
1300m/分で巻き取った。得られた未延伸糸を90
℃の熱ロールおよび130℃の熱板を通過させて延伸
し、50デニール70フィラメントの延伸糸を得た。単
糸繊度は0.7デニールである。この延伸糸を、実施例
1に準じ紡糸、延伸を行った。製糸時に若干の毛羽発生
があった。さらにウールとの混繊糸を得て、編み地とし
た。撚糸時や編み立て時にもかなりの毛羽発生と糸切れ
が生じた。また、精練処理およびカチオン染色を行い、
染色後の編み地は発色性は良好であるが、毛玉も多く風
合いが硬く粗硬なものであった。
【0025】実施例2 実施例1と同様のポリマー使いで、50デニール18フ
ィラメントの海島型複合繊維(16島、島成分:80
%,海成分:20%)を得た。紡糸、延伸は順調であっ
た。単糸繊度は0.1デニールであった。この海島型複
合繊維と約50デニールの絹と引き揃え、200T/m
の撚りを掛け、混繊糸を得た。この混繊糸をタテ糸、ヨ
コ糸として平織物を得て、実施例1と同様の精練減量処
理、および染色を行った。染色後の平織物は毛羽の発生
もなく鮮明な発色性があり、絹のしなやかな触感とマッ
チしたドレープ性と表面感を持ったものであった。
【0026】実施例3 3成分紡糸機を用いて、実施例1の熱水溶解性成分、熱
水不溶解性成分、さらに極限粘度が0.70のポリエチ
レンテレフタレートを熱水不溶性成分の芯に入る構造と
ならしめて、50デニール18フィラメントの海島型複
合繊維(16島、島成分:80%、芯/鞘比:70/3
0、海成分:20%)を得た。紡糸、延伸は順調であっ
た。単糸繊度は0.1デニールであった。この複合繊維
を実施例2と同様に絹と混繊、織加工、精練減量処理お
よび染色を行った。絹のしなやかな触感とマッチした特
有の光沢のある鮮明色と柔らかなタッチを持ったもので
あった。
【0027】
【発明の効果】本発明の布帛は1デニール未満の極細共
重合ポリエステル繊維とアクリル繊維やウール、絹など
のすべてカチオン可染性繊維で構成された布帛であるの
で、高発色で風合いの優れた布帛が得られる。これら
は、手触り感や特有の表面光沢感を生かした新規風合い
の布帛が得られる。これらの布帛は特に高級衣料用用途
に好適である。 また、可細化性複合繊維とアクリル繊
維やウール、絹などのカチオン可染性繊維で構成された
布帛は、カチオン可染性繊維を何ら損傷なく熱水で容易
に減量処理ができるので上記の特徴がある繊維が容易に
作れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の可細化性複合繊維の分割型複合繊維
の例を示す横断面図である。
【図2】 本発明の可細化性複合繊維の海島型複合繊維
の例を示す横断面図である。
【符号の説明】
A:熱水溶解性成分 B:熱水不溶解性成分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主たる酸成分がテレフタル酸であって、
    1.7〜5.5mol%の5−ナトリウムスルホイソフ
    タル酸と、主たるジオール成分がエチレングリコールよ
    りなる共重合ポリエステルからなる単糸繊度が1デニー
    ル未満の共重合ポリエステル繊維と、カチオン可染性繊
    維とから構成された布帛。
  2. 【請求項2】熱水に可溶な成分と、熱水に不溶な成分か
    らなる可細化性複合繊維と、カチオン可染性繊維とから
    構成された布帛であって、該可細化性複合繊維の熱水に
    可溶な成分は、主たる酸成分がテレフタル酸であって、
    8〜15mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル
    酸、および5〜40mol%のイソフタル酸と、主たる
    ジオール成分がエチレングリコールよりなる共重合ポリ
    エステルであり、熱水に不溶な成分は、主たる酸成分が
    テレフタル酸であって、1.7〜5.5mol%の5−
    ナトリウムスルホイソフタル酸と、主たるジオール成分
    がエチレングリコールよりなる共重合ポリエステルであ
    ることを特徴とする布帛。
  3. 【請求項3】可細化性複合繊維とカチオン可染性繊維と
    の重量割合が90/10〜10/90の範囲にあること
    を特徴とする請求項2記載の布帛。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209500A (ja) * 2008-03-06 2009-09-17 Teijin Fibers Ltd 染色織物の製造方法および染色織物および繊維製品
JP2010222714A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Teijin Fibers Ltd 布帛および染色布帛および繊維製品
JP2019131913A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 Kbセーレン株式会社 複合繊維

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