JPH05247725A - 可細化性複合繊維 - Google Patents
可細化性複合繊維Info
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- JPH05247725A JPH05247725A JP4045426A JP4542692A JPH05247725A JP H05247725 A JPH05247725 A JP H05247725A JP 4045426 A JP4045426 A JP 4045426A JP 4542692 A JP4542692 A JP 4542692A JP H05247725 A JPH05247725 A JP H05247725A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 A成分とB成分との少なくとも2成分からな
る複合繊維であって、該複合繊維のA成分は主たる酸成
分がテレフタル酸であって、8〜15 mol%の5−ナト
リウムスルホイソフタル酸、および5〜40 mol%のイ
ソフタル酸を共重合してなる共重合ポリエステルであ
り、一方B成分は主たる酸成分がテレフタル酸あって、
1.7〜5.5 mol%の5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を共重合してなる共重合ポリエステルで構成されて
いることを特徴とする可細化性複合繊維。 【効果】 本発明の可細化性複合繊維は、高い発色性と
ドレープ性を兼ね備え、風合いの良好なシルクライクな
ものが得られ、とくに衣料用途に最適である。また、工
程通過性などにも問題なく、常圧可染の極細繊維が得ら
れ、衣料用の高級化が図れる。
る複合繊維であって、該複合繊維のA成分は主たる酸成
分がテレフタル酸であって、8〜15 mol%の5−ナト
リウムスルホイソフタル酸、および5〜40 mol%のイ
ソフタル酸を共重合してなる共重合ポリエステルであ
り、一方B成分は主たる酸成分がテレフタル酸あって、
1.7〜5.5 mol%の5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を共重合してなる共重合ポリエステルで構成されて
いることを特徴とする可細化性複合繊維。 【効果】 本発明の可細化性複合繊維は、高い発色性と
ドレープ性を兼ね備え、風合いの良好なシルクライクな
ものが得られ、とくに衣料用途に最適である。また、工
程通過性などにも問題なく、常圧可染の極細繊維が得ら
れ、衣料用の高級化が図れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合繊維に関する。更に
詳しくは、熱水可溶型共重合ポリエステルを一成分と
し、熱水除去によって良好にカチオン染色可能なポリエ
ステル繊維を得ることができ、また同様に良好な風合い
の布帛にすることができる可細化性複合繊維に関するも
のである。
詳しくは、熱水可溶型共重合ポリエステルを一成分と
し、熱水除去によって良好にカチオン染色可能なポリエ
ステル繊維を得ることができ、また同様に良好な風合い
の布帛にすることができる可細化性複合繊維に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリエステル繊維、とくにポリ
エチレンテレフタレート繊維は強度、寸法安定性など多
くの優れた特長を備えているため衣料用をはじめ種々の
用途に利用されている。さらに、これらの異形断面化や
極細繊維化でより特長を付加せしめた、高級品への展開
が活発である。しかし、染色性が低く、とくに分散染料
以外の染料には染色が困難である。この染色性を改良す
るために種々の提案がなされており、その一つとしてス
ルホン酸金属塩基を含有する酸成分をポリエステルに共
重合することによってカチオン染料での染色を可能にす
る方法が従来からよく知られている(特公昭34−10
497号公報)。
エチレンテレフタレート繊維は強度、寸法安定性など多
くの優れた特長を備えているため衣料用をはじめ種々の
用途に利用されている。さらに、これらの異形断面化や
極細繊維化でより特長を付加せしめた、高級品への展開
が活発である。しかし、染色性が低く、とくに分散染料
以外の染料には染色が困難である。この染色性を改良す
るために種々の提案がなされており、その一つとしてス
ルホン酸金属塩基を含有する酸成分をポリエステルに共
重合することによってカチオン染料での染色を可能にす
る方法が従来からよく知られている(特公昭34−10
497号公報)。
【0003】しかしながら、このものは耐アルカリ性が
劣るものであり、布帛の風合い出しとして通常よく用い
られる後加工でのアルカリ減量処理や、また一成分をア
ルカリ処理により溶解除去して、異形断面繊維や極細繊
維を得る手段が実質上採用できない欠点があった。さら
に、直接紡糸方法での極細繊維化は、製糸時の糸切れや
高次加工工程での毛羽発生があって極細化にはおのずと
限界があった。
劣るものであり、布帛の風合い出しとして通常よく用い
られる後加工でのアルカリ減量処理や、また一成分をア
ルカリ処理により溶解除去して、異形断面繊維や極細繊
維を得る手段が実質上採用できない欠点があった。さら
に、直接紡糸方法での極細繊維化は、製糸時の糸切れや
高次加工工程での毛羽発生があって極細化にはおのずと
限界があった。
【0004】一方、アルカリ溶解度差のある成分の複合
繊維を布帛形成した後、アルカリ処理によって、アルカ
リ易溶解性ポリエステルの一成分を溶解除去する方法が
数多く提案されている(特開昭54−6965号公報、
特開平1−162825号公報)。しかしながら、かか
る手段でアルカリ難溶解性ポリエステル成分として、カ
チオン可染性成分を用いた場合、アルカリ易溶解性ポリ
エステル成分を完全に溶解除去して、かつアルカリ難分
解性ポリエステル成分を何ら損傷させることなく処理で
きるほどの、アルカリ溶解度差は大きくとれず、実質上
採用できないものであった。
繊維を布帛形成した後、アルカリ処理によって、アルカ
リ易溶解性ポリエステルの一成分を溶解除去する方法が
数多く提案されている(特開昭54−6965号公報、
特開平1−162825号公報)。しかしながら、かか
る手段でアルカリ難溶解性ポリエステル成分として、カ
チオン可染性成分を用いた場合、アルカリ易溶解性ポリ
エステル成分を完全に溶解除去して、かつアルカリ難分
解性ポリエステル成分を何ら損傷させることなく処理で
きるほどの、アルカリ溶解度差は大きくとれず、実質上
採用できないものであった。
【0005】本発明者らは特開昭61−296120号
公報で熱水可溶型共重合ポリエステルを一成分とした複
合繊維の提案をしている。しかしながら、極細繊維の高
発色のものは得られなかった。ましてや常圧可染のもの
は得られなかった。また熱水減量処理による風合い出し
はできなかった。すなわち、一成分あるいは一成分の一
部を溶解除去することによって、布帛の風合い出し、異
形断面化、極細繊維化できるカチオン染色可能なポリエ
ステル繊維の製造には限界があった。
公報で熱水可溶型共重合ポリエステルを一成分とした複
合繊維の提案をしている。しかしながら、極細繊維の高
発色のものは得られなかった。ましてや常圧可染のもの
は得られなかった。また熱水減量処理による風合い出し
はできなかった。すなわち、一成分あるいは一成分の一
部を溶解除去することによって、布帛の風合い出し、異
形断面化、極細繊維化できるカチオン染色可能なポリエ
ステル繊維の製造には限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述し
たような欠点のない、容易な手段で一成分を溶解除去し
て、アルカリ処理と同等の効果が得られ、カチオン染色
可能な共重合ポリエステルからなる可細化性複合繊維を
提供することを目的とする。
たような欠点のない、容易な手段で一成分を溶解除去し
て、アルカリ処理と同等の効果が得られ、カチオン染色
可能な共重合ポリエステルからなる可細化性複合繊維を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、A成
分とB成分の少なくとも2成分からなる複合繊維であっ
て、該複合繊維のA成分は主たる酸成分がテレフタル酸
であって、8〜15 mol%の5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、および5〜40 mol%のイソフタル酸を共重
合してなる共重合ポリエステルであり、一方B成分は主
たる酸成分がテレフタル酸であって、1.7〜5.5 m
ol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合して
なる共重合ポリエステルで構成されていることを特徴と
する可細化性複合繊維によって達成できる。
分とB成分の少なくとも2成分からなる複合繊維であっ
て、該複合繊維のA成分は主たる酸成分がテレフタル酸
であって、8〜15 mol%の5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、および5〜40 mol%のイソフタル酸を共重
合してなる共重合ポリエステルであり、一方B成分は主
たる酸成分がテレフタル酸であって、1.7〜5.5 m
ol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合して
なる共重合ポリエステルで構成されていることを特徴と
する可細化性複合繊維によって達成できる。
【0008】本発明の可細化性複合繊維とは、一成分で
あるA成分を熱水で溶解除去して極細繊維を得るような
複合繊維、つまり海島型複合繊維、混合紡糸して得た複
合繊維、異成分が交互に配列した分割型複合繊維であ
り、またA成分の溶解除去によって種々の異形断面を形
成せしめ得る複合繊維、織編形成後にA成分の一部する
ことによって柔らかな風合い、嵩高性などを付与するこ
とのできる複合繊維などをいう。繊維の断面形状の観点
からみると、アルカリ処理によって所望の形状に変化さ
せ得る公知の複合繊維の形状と同じである。
あるA成分を熱水で溶解除去して極細繊維を得るような
複合繊維、つまり海島型複合繊維、混合紡糸して得た複
合繊維、異成分が交互に配列した分割型複合繊維であ
り、またA成分の溶解除去によって種々の異形断面を形
成せしめ得る複合繊維、織編形成後にA成分の一部する
ことによって柔らかな風合い、嵩高性などを付与するこ
とのできる複合繊維などをいう。繊維の断面形状の観点
からみると、アルカリ処理によって所望の形状に変化さ
せ得る公知の複合繊維の形状と同じである。
【0009】本発明のA成分は8〜15 mol%の5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、および5〜40 mol%の
イソフタル酸を共重合した共重合ポリエステルである。
この共重合ポリエステルは常温水には何ら変形を受ける
ことなく、60℃以上の熱水には薬剤の添加なく溶ける
特性をもち、かつ290℃前後の溶融紡糸で十分な耐熱
性を持つものである。かかる共重合ポリエステルは、熱
水可溶性成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸
を8〜15 mol%含み、かつ結晶性を低下せしめる成分
としてイソフタル酸を5〜40 mol%含むものである。
この両成分を共重合することによってはじめて、ポリエ
ステル溶融紡糸が可能で、かつ熱水に可溶の共重合ポリ
エステルとなる。
トリウムスルホイソフタル酸、および5〜40 mol%の
イソフタル酸を共重合した共重合ポリエステルである。
この共重合ポリエステルは常温水には何ら変形を受ける
ことなく、60℃以上の熱水には薬剤の添加なく溶ける
特性をもち、かつ290℃前後の溶融紡糸で十分な耐熱
性を持つものである。かかる共重合ポリエステルは、熱
水可溶性成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸
を8〜15 mol%含み、かつ結晶性を低下せしめる成分
としてイソフタル酸を5〜40 mol%含むものである。
この両成分を共重合することによってはじめて、ポリエ
ステル溶融紡糸が可能で、かつ熱水に可溶の共重合ポリ
エステルとなる。
【0010】なお、このA成分である共重合ポリエステ
ルには、エステル交換触媒として酢酸リチウムを0.3
重量%以上添加することが好ましい。0.3重量%未満
では、紡糸時の瀘圧上昇が大きくなる。また、この重合
度においては、290℃での溶融粘度が500ポイズ以
上であるのが好ましい。500ポイズ未満では、所望す
る断面形状に維持することが困難となったり、紡糸時の
糸切れを誘発せしめる。
ルには、エステル交換触媒として酢酸リチウムを0.3
重量%以上添加することが好ましい。0.3重量%未満
では、紡糸時の瀘圧上昇が大きくなる。また、この重合
度においては、290℃での溶融粘度が500ポイズ以
上であるのが好ましい。500ポイズ未満では、所望す
る断面形状に維持することが困難となったり、紡糸時の
糸切れを誘発せしめる。
【0011】本発明のB成分は1.7〜5.5 mol%の
5−ナトリウムスルホイソフタル酸を含んだ共重合ポリ
エステルである。B成分はカチオン染料に染色可能な成
分であって、その染着座成分として5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸を1.7〜5.5 mol%共重合したポリ
エステルである。1.7 mol%に満たない共重合量で
は、十分な鮮明性のある染色品が得られない。一方共重
合量が5.5 mol%を越えると染色性は飽和するととも
に、重合反応時の増粘作用が大きくなり繊維強度が不足
し、また薬液コストも不利となる。より好ましくは3〜
5 mol%の共重合である。5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸を共重合したポリエステル繊維は、常圧での染色
をも可能となりその用途の展開が拡いものの、製糸性と
高次工程通過性の点から、直接紡糸法では2デニール程
度が極細化の限界と見なされていた。本発明において
は、かかる共重合ポリエステルを複合繊維とすることに
より、例えば図1の3島、あるいは図2の16島などで
例示したような海島型複合繊維とすることによって、よ
り可細化が可能となる。なおB成分は、染料が繊維中に
より浸透し易くするために、ポリオキシアルキレングリ
コールなどの第三成分を含んでも差支えない。図1、図
2は本発明の可細化性複合繊維の例を示す横断面図であ
り、AはA成分、BはB成分である。なお、B成分を鞘
とした芯鞘構造の場合は、例えば極限粘度のより高いポ
リエステルを芯とし、B成分を補強ならしめることもで
きる。
5−ナトリウムスルホイソフタル酸を含んだ共重合ポリ
エステルである。B成分はカチオン染料に染色可能な成
分であって、その染着座成分として5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸を1.7〜5.5 mol%共重合したポリ
エステルである。1.7 mol%に満たない共重合量で
は、十分な鮮明性のある染色品が得られない。一方共重
合量が5.5 mol%を越えると染色性は飽和するととも
に、重合反応時の増粘作用が大きくなり繊維強度が不足
し、また薬液コストも不利となる。より好ましくは3〜
5 mol%の共重合である。5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸を共重合したポリエステル繊維は、常圧での染色
をも可能となりその用途の展開が拡いものの、製糸性と
高次工程通過性の点から、直接紡糸法では2デニール程
度が極細化の限界と見なされていた。本発明において
は、かかる共重合ポリエステルを複合繊維とすることに
より、例えば図1の3島、あるいは図2の16島などで
例示したような海島型複合繊維とすることによって、よ
り可細化が可能となる。なおB成分は、染料が繊維中に
より浸透し易くするために、ポリオキシアルキレングリ
コールなどの第三成分を含んでも差支えない。図1、図
2は本発明の可細化性複合繊維の例を示す横断面図であ
り、AはA成分、BはB成分である。なお、B成分を鞘
とした芯鞘構造の場合は、例えば極限粘度のより高いポ
リエステルを芯とし、B成分を補強ならしめることもで
きる。
【0012】こうしたA成分とB成分とからなる複合繊
維とすることによってはじめて、本発明の目的とする、
処理減量による布帛の風合い出しや、異形断面化、およ
び極細繊維化することができるカチオン染色可能なポリ
エステル繊維、即ち可細化性複合繊維とすることが可能
となる。
維とすることによってはじめて、本発明の目的とする、
処理減量による布帛の風合い出しや、異形断面化、およ
び極細繊維化することができるカチオン染色可能なポリ
エステル繊維、即ち可細化性複合繊維とすることが可能
となる。
【0013】また、本発明の可細化性複合繊維の構成
は、A成分が5〜50重量%であって、かつA成分の一
部が繊維表面を占めていることが好ましい。溶解除去す
るA成分は5〜50重量%が好適であって、50重量%
を越えると処理減量による空隙が大きくなりすぎ、実質
な布帛の形態を維持することが困難となる。一方、5重
量%未満では、紡糸時の複合断面形態の維持が困難とな
ったり、処理減量が少なく本発明の効果が十分発揮でき
なくなる。さらに、A成分の一部が繊維表面を占めてい
ることが好ましく、容易な減量処理を可能ならしめる。
は、A成分が5〜50重量%であって、かつA成分の一
部が繊維表面を占めていることが好ましい。溶解除去す
るA成分は5〜50重量%が好適であって、50重量%
を越えると処理減量による空隙が大きくなりすぎ、実質
な布帛の形態を維持することが困難となる。一方、5重
量%未満では、紡糸時の複合断面形態の維持が困難とな
ったり、処理減量が少なく本発明の効果が十分発揮でき
なくなる。さらに、A成分の一部が繊維表面を占めてい
ることが好ましく、容易な減量処理を可能ならしめる。
【0014】さらに、糸の諸加工における摩擦抵抗を軽
減させるために微細無機粒子を0.01〜0.5重量%
配合せしめることが好ましく、より好ましくは0.03
〜0.3重量%である。無機粒子としてはとくに限定は
されないが、酸化チタンがより好適である。
減させるために微細無機粒子を0.01〜0.5重量%
配合せしめることが好ましく、より好ましくは0.03
〜0.3重量%である。無機粒子としてはとくに限定は
されないが、酸化チタンがより好適である。
【0015】かくして得られた可細化性複合繊維は、織
編物として通常の処理工程、即ち糊抜き精練の工程でA
成分を溶解除去できる。A成分は、何ら助剤を使用する
ことなく熱水で溶解除去できるが、トリポリリン酸など
の軟水化剤を用いることでより安定的な溶解除去が可能
となる。なお糊抜きのための助剤、即ち、活性剤や再付
着防止剤や弱アルカリ剤などの使用は何ら差支えない。
編物として通常の処理工程、即ち糊抜き精練の工程でA
成分を溶解除去できる。A成分は、何ら助剤を使用する
ことなく熱水で溶解除去できるが、トリポリリン酸など
の軟水化剤を用いることでより安定的な溶解除去が可能
となる。なお糊抜きのための助剤、即ち、活性剤や再付
着防止剤や弱アルカリ剤などの使用は何ら差支えない。
【0016】このように、本発明の可細化性複合繊維で
構成された布帛は、通常の布帛の処理で溶解除去できる
ため、本発明の複合繊維100%使いで、高発色性のあ
るカチオン可染ポリエステルとしてシルクライクなも
の、あるいは極細繊維特有の光沢と感触をもったものに
展開できる。
構成された布帛は、通常の布帛の処理で溶解除去できる
ため、本発明の複合繊維100%使いで、高発色性のあ
るカチオン可染ポリエステルとしてシルクライクなも
の、あるいは極細繊維特有の光沢と感触をもったものに
展開できる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
る。
【0018】実施例1 12 mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸、およ
び25 mol%のイソフタル酸、そして酸化チタン0.0
5重量%,酢酸リチウム0.7重量%を含んだ共重合ポ
リエステルチップ(290℃での溶融粘度:1500ポ
イズ,軟化点:130℃)を100℃で10時間減圧乾
燥したものをA成分、5 mol%の5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸を含んだ共重合ポリエステルチップ(極限
粘度:0.60,軟化点:250℃)を150℃で6時
間減圧乾燥したものをB成分として、各々スクリュー押
出機で溶融(290℃)し、ギァポンプで3島18グル
ープの海島型紡糸口金に送り複合紡糸した。A成分を海
成分となし、5.5g/分の吐出量で、B成分は島成分
となし、22.0g/分の吐出量で送り口金孔から紡出
し、冷却固化後、給油して000m/分で巻き取った。
得られた未延伸糸を90℃の熱ロールおよび130℃の
熱板を通過させて延伸し、75デニール18フィラメン
トの延伸糸を得た。紡糸、延伸時の糸切れは発生しなか
った。また、断面形状は図1に示した3島の各島が扇状
をしたものであった。
び25 mol%のイソフタル酸、そして酸化チタン0.0
5重量%,酢酸リチウム0.7重量%を含んだ共重合ポ
リエステルチップ(290℃での溶融粘度:1500ポ
イズ,軟化点:130℃)を100℃で10時間減圧乾
燥したものをA成分、5 mol%の5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸を含んだ共重合ポリエステルチップ(極限
粘度:0.60,軟化点:250℃)を150℃で6時
間減圧乾燥したものをB成分として、各々スクリュー押
出機で溶融(290℃)し、ギァポンプで3島18グル
ープの海島型紡糸口金に送り複合紡糸した。A成分を海
成分となし、5.5g/分の吐出量で、B成分は島成分
となし、22.0g/分の吐出量で送り口金孔から紡出
し、冷却固化後、給油して000m/分で巻き取った。
得られた未延伸糸を90℃の熱ロールおよび130℃の
熱板を通過させて延伸し、75デニール18フィラメン
トの延伸糸を得た。紡糸、延伸時の糸切れは発生しなか
った。また、断面形状は図1に示した3島の各島が扇状
をしたものであった。
【0019】この延伸糸をタテ・ヨコ使いとして2/3
ツイルの織物とした。整経、製織は問題なく行なうこと
ができた。この織物を150℃の生機セットをし、98
℃の精練浴槽(NaOH:0.1%、トリポリリン酸:
0.2g/l、界面活性剤:2g/l)を通した。水洗
乾燥後の重量は、生機に対し20%の減量があり、単糸
は1.1デニールであった。さらにカチオン染料(Es
trol Scarlet G)1%owf、浴のp
H:3、浴比:1対100で、100℃45分の染色を
行った。このものは、毛羽発生もなく、鮮やかな赤色を
呈し、ドレープ性のあるシルクライクなものであった。
ツイルの織物とした。整経、製織は問題なく行なうこと
ができた。この織物を150℃の生機セットをし、98
℃の精練浴槽(NaOH:0.1%、トリポリリン酸:
0.2g/l、界面活性剤:2g/l)を通した。水洗
乾燥後の重量は、生機に対し20%の減量があり、単糸
は1.1デニールであった。さらにカチオン染料(Es
trol Scarlet G)1%owf、浴のp
H:3、浴比:1対100で、100℃45分の染色を
行った。このものは、毛羽発生もなく、鮮やかな赤色を
呈し、ドレープ性のあるシルクライクなものであった。
【0020】実施例2 実施例1においてB成分として、2 mol%の5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸を共重合した共重合ポリエステ
ルチップを用い、その他は実施例1と同様にして紡糸、
延伸、製織、高次加工を行った。製糸性、製織性も良好
であった。さらにカチオン染料(Estrol Sca
rlet G)1%owf、浴のpH3、浴比:1対1
00、125℃で45分の染色を行った。このものは、
実施例1で得たものと同等の、毛羽発生のない、鮮明性
とドレープ性のあるシルクライクなものであった。
ウムスルホイソフタル酸を共重合した共重合ポリエステ
ルチップを用い、その他は実施例1と同様にして紡糸、
延伸、製織、高次加工を行った。製糸性、製織性も良好
であった。さらにカチオン染料(Estrol Sca
rlet G)1%owf、浴のpH3、浴比:1対1
00、125℃で45分の染色を行った。このものは、
実施例1で得たものと同等の、毛羽発生のない、鮮明性
とドレープ性のあるシルクライクなものであった。
【0021】比較例1 実施例1においてB成分として、6 mol%の5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸を共重合した共重合ポリエステ
ルチップを用い、その他は実施例1と同様にして紡糸、
延伸、製織、高次加工を進めた。製糸性は良好であっ
た。しかし、製織時にかなりの糸切れが生じた。さらに
カチオン染料(Estrol Scarlet G)1
%owf、浴のpH:3、浴比1:100、100℃で
45分の染色を行った。このものは、鮮明さとドレープ
性はあるものの、毛羽の多いものであった。
ウムスルホイソフタル酸を共重合した共重合ポリエステ
ルチップを用い、その他は実施例1と同様にして紡糸、
延伸、製織、高次加工を進めた。製糸性は良好であっ
た。しかし、製織時にかなりの糸切れが生じた。さらに
カチオン染料(Estrol Scarlet G)1
%owf、浴のpH:3、浴比1:100、100℃で
45分の染色を行った。このものは、鮮明さとドレープ
性はあるものの、毛羽の多いものであった。
【0022】比較例2 実施例1においてB成分に、1.5 mol%の5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸を共重合した共重合ポリエステ
ルチップを用い、その他は実施例1と同様にして紡糸、
延伸、製織、高次加工を進めた。製糸性、製織とも良好
であった。さらにカチオン染料(Estrol Sca
rlet G)1%owf、pH3の浴、浴比1:10
0で、125℃で45分の染色を行った。しかしこのも
のは、毛羽もなくドレープ性はあるものの、鮮明なもの
ではなかった。
ウムスルホイソフタル酸を共重合した共重合ポリエステ
ルチップを用い、その他は実施例1と同様にして紡糸、
延伸、製織、高次加工を進めた。製糸性、製織とも良好
であった。さらにカチオン染料(Estrol Sca
rlet G)1%owf、pH3の浴、浴比1:10
0で、125℃で45分の染色を行った。しかしこのも
のは、毛羽もなくドレープ性はあるものの、鮮明なもの
ではなかった。
【0023】比較例3 5 mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合
した共重合ポリエステルチップ(極限粘度:0.60,
軟化点:250℃)を、150℃6時間真空乾燥したも
のを、スクリュー押出機で溶融(290℃)し、ギァポ
ンプで27.5g/分計量し、0.15mmφ−50ホ
ールの口金に送り紡糸した。冷却固化後、オイリングし
1000m/分で巻き取った。得られた未延伸糸を90
℃の熱ロールおよび130℃の熱板を通過させて延伸
し、75デニール50フィラメントの延伸糸(単糸は
1.25デニール)を得た。紡糸、延伸時に糸切れが少
々発生した。この延伸糸を、実施例1に準じ製織した。
タテ糸整経時や製織時での毛羽発生が多かったが何とか
織物を得た。さらに実施例1に準じた加工を進めた。こ
のものは、発色性は良好であるものの、風合いが硬いも
のであった。
した共重合ポリエステルチップ(極限粘度:0.60,
軟化点:250℃)を、150℃6時間真空乾燥したも
のを、スクリュー押出機で溶融(290℃)し、ギァポ
ンプで27.5g/分計量し、0.15mmφ−50ホ
ールの口金に送り紡糸した。冷却固化後、オイリングし
1000m/分で巻き取った。得られた未延伸糸を90
℃の熱ロールおよび130℃の熱板を通過させて延伸
し、75デニール50フィラメントの延伸糸(単糸は
1.25デニール)を得た。紡糸、延伸時に糸切れが少
々発生した。この延伸糸を、実施例1に準じ製織した。
タテ糸整経時や製織時での毛羽発生が多かったが何とか
織物を得た。さらに実施例1に準じた加工を進めた。こ
のものは、発色性は良好であるものの、風合いが硬いも
のであった。
【0024】実施例3 実施例1と同様のポリマー使いで、の75デニール18
フィラメントの海島型複合繊維(16島、島成分:80
%,海成分:20%)を得た。紡糸、延伸は順調であっ
た。この複合繊維を実施例1と同様の織り、高次加工、
および染色を行った。このものは単糸0.2デニールの
ものであって、毛羽の発生もなく、極細特有の光沢のあ
る鮮明色と柔らかなタッチを持ったものであった。
フィラメントの海島型複合繊維(16島、島成分:80
%,海成分:20%)を得た。紡糸、延伸は順調であっ
た。この複合繊維を実施例1と同様の織り、高次加工、
および染色を行った。このものは単糸0.2デニールの
ものであって、毛羽の発生もなく、極細特有の光沢のあ
る鮮明色と柔らかなタッチを持ったものであった。
【0025】実施例4 3成分紡糸機でもって、実施例1のA成分、B成分、さ
らに極限粘度が0.70のポリエステルをB成分の芯に
入る構造とならしめて、75デニール18フィラメント
の海島型複合繊維(16島、島成分:80%、芯/鞘
比:70/30、海成分:20%)を得た。紡糸、延伸
は順調であった。この複合繊維を実施例1と同様の織、
高次加工および染色を行った。このものは単糸0.2デ
ニールのものであって、毛羽の発生もなく、極細特有の
光沢のある鮮明色と柔らかなタッチを持ったものであっ
た。
らに極限粘度が0.70のポリエステルをB成分の芯に
入る構造とならしめて、75デニール18フィラメント
の海島型複合繊維(16島、島成分:80%、芯/鞘
比:70/30、海成分:20%)を得た。紡糸、延伸
は順調であった。この複合繊維を実施例1と同様の織、
高次加工および染色を行った。このものは単糸0.2デ
ニールのものであって、毛羽の発生もなく、極細特有の
光沢のある鮮明色と柔らかなタッチを持ったものであっ
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の可細化性複合繊維は、高い発色
性とドレープ性を兼ね備え、風合いの良好なシルクライ
クなものが得られ、とくに衣料用途に最適である。ま
た、工程通過性などにも問題なく、常圧可染の極細繊維
が得られ、衣料用の高級化が図れる。
性とドレープ性を兼ね備え、風合いの良好なシルクライ
クなものが得られ、とくに衣料用途に最適である。ま
た、工程通過性などにも問題なく、常圧可染の極細繊維
が得られ、衣料用の高級化が図れる。
【図1】本発明の可細化性複合繊維の例を示す横断面図
である。
である。
【図2】図1の他の例を示す横断面図である。
A:海成分 B:島成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 3/52 F 7306−4H D06M 101:32
Claims (3)
- 【請求項1】A成分とB成分との少なくとも2成分から
なる複合繊維であって、該複合繊維のA成分は主たる酸
成分がテレフタル酸であって、8〜15 mol%の5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、および5〜40 mol%の
イソフタル酸を共重合してなる共重合ポリエステルであ
り、一方B成分は主たる酸成分がテレフタル酸あって、
1.7〜5.5 mol%の5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を共重合してなる共重合ポリエステルで構成されて
いることを特徴とする可細化性複合繊維。 - 【請求項2】A成分が複合繊維全体の5〜50重量%で
あって、かつA成分の一部が繊維表面を占めている請求
項1記載の可細化性複合繊維。 - 【請求項3】A成分が0.01〜0.5重量%の無機粒
子を含む共重合ポリエステルである請求項1もしくは2
記載の可細化性複合繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4045426A JPH05247725A (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 可細化性複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4045426A JPH05247725A (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 可細化性複合繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05247725A true JPH05247725A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=12718960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4045426A Pending JPH05247725A (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 可細化性複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05247725A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019131913A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | Kbセーレン株式会社 | 複合繊維 |
-
1992
- 1992-03-03 JP JP4045426A patent/JPH05247725A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019131913A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | Kbセーレン株式会社 | 複合繊維 |
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