JP2565010B2 - 中空内外層複合繊維 - Google Patents

中空内外層複合繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空内外層複合繊維に
関し、詳しくは内層部の外周形状が直線度の高い辺部と
シャープな頂点部を有する多角形状である軽量感とドラ
イ感を有する布帛を得るための中空内外層複合繊維に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリエステルやナイロンなど軽
量化を目的として中空断面糸が提案されている。例えば
特開昭62−215032号公報には中空率が40%以
上、90%以下の繊維について提案されているが中空率
が高すぎる場合には製糸工程、高次加工工程中に繊維の
断面形状が変形したり、破れる欠点がある。
【0003】また、単なる中空繊維では布帛にした後の
触感が通常の繊維と同様にぬめり感の強いものであり、
ドライ感を付与することはできない。中空複合繊維につ
いては例えば特開昭52−88620号公報には非相溶
性の2成分のポリマを交互に放射状に配置して中空繊維
とし、分割することによって細い繊維を得る方法が提案
されている。
【0004】また内層部を異形断面繊維とすることにつ
いては、特開昭51−92312号公報には内層部が四
角形状の断面を有し、外層部の成分(以下、外層成分と
いう)が内層部の成分(以下、内層成分という)とは非
相溶性のポリマで全体としてはほぼ円形の繊維が提案さ
れているが、ここで提案されている繊維は中実繊維であ
り、外層成分を剥離あるいは溶出することによって辺の
直線性が高く、曲率半径の小さい多角形状を有する繊維
を得ることによってドライ感を付与することはできるが
中実繊維であるために軽量感のある繊維にはならなかっ
た。
【0005】従って、従来技術では軽量感を十分に付与
し、同時にドライ感を付与することはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術やそれらの組合せでは達成できなかった、軽量
感とドライ感を同時に付与するための中空内外層複合繊
維であり、外層部を溶出することによって溶出後の辺部
の直線性が高く、かつ内層部の頂点部分の曲率半径が極
めて小さい繊維を得るための中空内外層複合繊維を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、中空部
を有する内外層複合繊維であって、内層部は中空部を形
成し、内層部の外周形状が三角以上、六角以下の多角形
で、中空部の形状は内層部の外周形状と同一画数で近
似してなり、内層部の成分の溶解速度に対する外層部の
成分の溶解速度比が3以上である中空内外層複合繊維と
することによって達成できる。
【0008】以下図を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の複合繊維の断面形状を説明するための繊
維の横断面図であり、1は外層部、2は内層部、3は中
空部、4は頂点部、5は辺部からなる中空内外層複合繊
維である。
【0009】本発明の複合繊維は軽量感とドライ感を同
時に付与するために、複合繊維の内層部の外周形状は三
角以上六角以下であり、前記内層部のほぼ中央に中空部
を有している複合繊維である。更に詳しくは本発明の複
合繊維は例えば図1に示すとおり内層部の辺部の直線性
が高く、かつ曲率半径の小さな鋭い頂点を有して、かつ
多角形状である中空部を有している内外層複合繊維であ
る。
【0010】本発明の複合繊維は外層部を溶出して多角
形状の中空の繊維とすることによって軽量感とドライ感
を付与できる有用な繊維となる。それ故、内層部の外周
形状、および中空部の形状が布帛にした後の布帛の風合
いに多大な影響を与えるので本発明の内外層複合状態に
おける内層部の形状が特に重要である。
【0011】本発明の複合繊維は内外層からなっている
が、内層部は中空部を形成していることが必要である。
中空部を有していることによって軽量感が向上し、同時
に光沢がマイルドになって高級感のある光沢を得ること
が可能である。中空部の位置は内層部の中央近傍が好ま
しく、内層部からはみ出し、中空部の一部が外層部にか
かっている場合には、外層部を溶出したときに内層部が
連続しない状態になるので好ましくない。中空部の形状
は均一な光沢を得るため内層部の外周形状と同一画数で
内層部の外周形状に近似している。中空率は内層部の断
面積と中空部の面積の合計に対する中空部の面積の比を
百分率で表す。中空率は15%以上が好ましく、21%
以上が特に好ましい。中空率が15%以下の場合には軽
量感が不十分であることは勿論マイルドな光沢も不十分
である。
【0012】内層部の外周形状は三角以上、六角以下で
あることが必要である。外周形状が七角以上では本発明
の目的の1つであるドライ感が不足してしまう。好まし
くは三角形以上五角形以下である。また、ドライ感を十
分に発揮するためには内層部の頂点部が鋭く、辺部の直
線性が高いことが好ましい。
【0013】それでは内層部の外周形状における頂点部
の鋭さと辺部の直線性について図で詳細に説明する。本
発明の複合繊維の横断面における内層部の頂点部4の曲
率半径rは2D0.5 以下であることが好ましい。例えば
複合繊維の繊度が4デニールであり、内層部の断面積の
比が0.50の場合には、内層部の繊度は2デニールと
なり、そのときの曲率半径rは2.8μmとなる。頂点
の曲率半径rが2D0.5 を越えるなだらかな頂点部によ
って構成される断面形状では外層部を溶出した後の布帛
の風合いがドライタッチやしゃり感などが不十分となっ
てしまう。特に好ましい曲率半径rはD0.5 以下であ
り、更に好ましくは(D/2)0.5 以下である。
【0014】また本発明においては、内層部の隣合う頂
点間の辺部の形状が重要である。図1で具体的に詳しく
説明する。内層部の辺部の形状を規定するために図1に
示すように、実際の断面形状の各辺部5にそれぞれ基準
線Lを引く。基準線Lは周形状が三角の場合は3本、四
角は4本、五角は5本となる。この図1では四角形の例
を示す。
【0015】ここにおいて基準線Lは、Lによって形成
される実際の断面形状の各辺部5における凹凸により囲
まれている領域の面積を最小とするように引く。この
時、外周形状の各辺部上の点のうち基準線Lと最も離れ
た点をTとしたとき、TとLとの距離をtとする。一
方、Tが存在する辺部に対応する基準線Lの長さをとs
としたときに、その辺部の変動率を下記式により定め
る。 辺部の変動率(%)=(t/s) ×100 上記変動率は10%以下であると辺部の直線性が高くな
り好ましい。変動率は光沢感や表面タッチと密接な関係
があり、変動率が10%を越える辺部を有する断面形状
では、きらきらとした独特の光沢の発現が不十分とな
る。変動率としては、8%以下であることが特に好まし
く、更に好ましくは5%以下である。
【0016】一方、外層成分の溶解速度に対する内層成
分の溶解速度比は3以上あることが必要である。本発明
の複合繊維の外層部を溶出しシャープな外周形状を有す
る繊維を得るためには、外層成分の溶剤に対する溶解速
度が高いことが必要であり、内層成分の溶解速度に対す
る外層成分の溶解速度の比が3未満では内層成分の一
部、特に内層成分の頂点部分も溶解してしまうためにシ
ャープな形状の繊維を得ることができなくなる。溶解速
度比は6以上が好ましく、30以上が特に好ましい。
【0017】上記のような溶解速度を有するポリマとし
て、内層成分としては例えばポリエチレンテレフタレー
ト、その共重合体、ナイロン6、その共重合体、ナイロ
ン66、その共重合体等が挙げられるがこれに限定され
ない。一方、外層成分としては例えば5−ソジウムスル
ホイソフタレートを共重合したポリエチレンテレフタレ
ートが好ましく使用できる。好ましい5−ソジウムスル
ホイソフタレートの共重合率は1.5モル%以上であ
り、2.2モル%以上、更に好ましくは4.5モル%以
上である。しかしながら6モル%以上共重合すると製
糸、染色工程など特に高温で処理する工程で膠着を発生
するので好ましくない。
【0018】また、外層成分であるポリマ中には二酸化
チタンを0.05重量%含有していることが好ましい。
二酸化チタンが0.05重量%未満では繊維表面の摩擦
が大きくなり、工程通過性が不良となるばかりでなく、
外層成分を溶出した後の表面状態が平坦であるために各
繊維に対する視角によって光沢が変化する現象が顕在化
するので好ましくない。この光沢変化は本発明の繊維の
辺部の直線性の高い多角形状繊維特有の現象である。特
に好ましい二酸化チタンの含有量は0.2重量%以上で
ある。しかし、二酸化チタンの添加量が多すぎると工程
通過中のガイドを摩耗する欠点が顕在化するので0.8
重量%以下が好ましい。
【0019】外層部の外周形状は特に限定されないが、
次の理由から円断面形状に近いほど好ましい。つまりこ
の繊維を使用して布帛にした後、外層成分を溶出して多
角形繊維として活用する場合において、円断面では内層
成分の頂点の方向がランダムになって好ましいドライ感
を付与できること、および繊維間の空隙が増加して軽量
感が付与できることなどの特徴があることから外層部の
外周形状は円断面に近いことが好ましい。繊維の内接円
lと外接円Lとの比L/lが1.2以下が好ましい。特
に好ましくは1.1以下である。
【0020】本発明の複合繊維の沸騰水収縮率は大きい
ことが好ましい。本発明の複合繊維を布帛にして外層部
を溶出した場合には繊維間に多くの空隙が発生するので
溶出前の布帛の繊維密度は高い方が織り目ズレの発生が
ないので好ましい。繊維密度を高くするには高い密度で
製編織するか、あるいは高い収縮率の繊維を使用して製
編織後に密度を高くする方法があるが、製編織で密度を
高くする方法では限界があるので沸騰水収縮率を8%以
上と高くすることが好ましい。特に好ましい収縮率は1
2%以上である。
【0021】本発明の複合繊維から外層部を溶出して内
層部のみにする場合には内層部の強度も重要になる。布
帛強度など十分な強度を保持するためには、内層成分の
[η]は0.6以上であることが好ましく、特に好まし
くは0.7以上である。
【0022】また、同様に鮮明性を向上する意味から内
層成分のポリマとして5−ソジウムスルホイソフタレー
トを2.5モル%以下共重合ポリエチレンテレフタレー
トを使用することも有効な方法である。勿論この場合も
内層成分の溶解速度に対して外層成分の溶解速度の比が
3以上であることが必要である。
【0023】本発明の複合繊維は中空内外層複合繊維で
あるが、中空部を除く全繊維断面積に対する内層部の断
面積の比は0.40以上、0.85以下であることが好
ましい。内層部の断面積の比が0.40未満の場合には
布帛にした後、外層部を溶出した時の布帛の構造がルー
ズになり、織り目が移動するいわゆる織目ズレが起こり
易い。一方、内層部の断面積の比が0.85を越す場合
の場合には内層部の直線性を維持しつつ繊維全体の外周
形状を円に近い形状とすることが困難になり、特に三
角、四角形状の場合には布帛の中で最密充填に近い構造
をとってしまうために、ドライ感が減少すること、更に
軽量感も減少してしまう欠点を有している。特に好まし
い断面積の比は0.45以上、0.7以下である。更に
好ましくは0.45以上0.6以下である。
【0024】本発明の中空内外層複合繊維は例えば次の
方法によって製造できる。すなわち、前記した2種のポ
リマをそれぞれ別々に溶融、計量し、例えば図3に示す
複合口金装置で複合し、図4に示すような3分割以上、
6分割以下のスリットを有する口金孔から内外層複合流
を吐出する。図3は本発明で好ましく用いられる複合口
金装置の要部縦断面図である。図4は本発明に使用され
る口金孔の形状の例を示す口金の下面図である。図3、
4において、6は上部導入板、7は下部導入板、8は口
金、9はスリットである。内層成分のポリマAが上部導
入板6から導入され、外層成分のポリマBが下部導入板
7から導入され、口金8で内外層の複合流となりスリッ
ト9からなる口金孔から吐出される。
【0025】このような口金孔から複合流を吐出するこ
とによって、溶融粘度の低い外層成分のポリマの流速が
大きいために、吐出直後には各スリットから吐出された
ポリマ流は互いに口金孔の中心に向かって曲がり、衝
突、接着を起こすために内層部の外周形状は直線度の高
い辺部と、曲率半径が小さい頂点部が形成されて多角形
状となり、かつ中空部を形成するのである。
【0026】さて、このようにして吐出された複合繊維
は、その溶融粘度と口金孔の形状の作用により、図4の
(b)の口金孔を有する口金を用いた場合は図2の
(b)の断面形状を有する複合繊維に、また図4の
(d)の口金孔を有する口金を用いた場合は図2の
(d)に示すような内層部が多角中空形状の複合繊維と
なる。
【0027】このようにして得られた複合繊維をその後
の適当な工程で薬剤処理により、外層部を溶出し、内層
部を残留せしめることにより多角中空形状の繊維を得る
のである。このとき外層成分として芳香族あるいは脂肪
族ジカルボン酸やジオ―ルなどの第3成分を共重合した
変性ポリエステルとした場合には、水酸化ナトリウム熱
水溶液などのアルカリ熱水溶液が好ましく用いられる
が、要は、実質的に内層成分に対して外層成分を明らか
に優先的に溶出除去できる薬剤であればいずれでもよ
い。もちろん水に対する溶解速度に差のあるポリマを選
べば水を溶剤として使用できる。またこの処理をする工
程はいずれの工程でも構わないが生産の安定性から考え
て製織編後とすることが好ましい。
【0028】このようにして得られた本発明の複合繊維
は、延伸糸そのままで使用することは勿論、延伸に次い
で仮撚加工をはじめ各種の糸加工を施すことができる。
特に潜在的に収縮率差を有する2種以上の糸条を混繊に
代表される潜在異収縮加工、繊維長さ方向に太さ斑を有
する太細加工、仮撚加工、他の繊維と混繊する加工等が
有効に適用できる。
【0029】本発明の複合繊維から得られる繊維を使用
した織物、編物はいずれも優れた軽量感、ドライ感、張
り・腰、高級感のある光沢を付与することができる。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めた。
【0031】A.風合特性(しゃり感、張り腰、光沢
感、不透明感) 各項目とも、試料を基準試料との一対比較による官能試
験を実施し、4段階評価した。そしてそれらを総合評価
して「極めてすぐれている」は◎、「すぐれている」は
○、「普通」は△、「劣っている」は×で表わした。な
お、基準試料には通常定番品種として用いられている試
料原糸と同一繊度、同一フィラメント数のY断面ポリエ
ステルフィラメント糸を試料と同様の製織、加工を施し
たものを用い、これを「劣っている」とした。 B.固有粘度 オルトクロロフェノール10mlに対して試料0.1g
を溶解して温度25℃でオストワルド粘度計を使用して
測定した。 C.中空率 厚さ5μm以下の染色した繊維断面の切片をつくり写真
で観察し、内層部の断面積と中空部の断面積を測定して
内層部の断面積と中空部の断面積の和に対する中空部の
断面積の百分率で表す。
【0032】実施例1 内層成分のポリマとして固有粘度[η]が0.78のポ
リエチレンテレフタレ―トを、外層成分ポリマとして固
有粘度[η]が0.46で、5−ソジュ―ムスルホイソ
フタル酸4.8モル%共重合し、二酸化チタンを0.3
重量%を配合した変性ポリエステルを用い、通常の複合
紡糸機により紡糸温度292℃で図4の(b)に示す4
分割スリットの口金孔から、表1に示す内層部の断面積
の比で吐出し、1250m/minの速度で巻取った。
この時のポリマの3重量%水酸化ナトリウム98℃熱水
溶液に対する溶解速度の比は約35倍であった。メルト
インデクサ―により紡糸温度と同温度で測定された内層
成分のポリマ、外層成分のポリマの各々の溶融粘度は4
800poise、2200poiseであり、粘度の
比は2.2倍であった。未延伸糸を通常のホットロ―ル
―熱板延伸機により2.5倍で延伸して、150デニ―
ル36フィラメントの中空内外層複合繊維を得た。この
中空内外層複合繊維の特性は表1に示すとおりであっ
た。この複合繊維を、甘撚し、経糸、及び緯糸にして使
用して製織し、水酸化ナトリウム3重量%水溶液を使用
して98℃の条件で外層部を溶出した結果、得られた織
物は軽量感に優れ、ドライ感に富み、張り・腰があり、
高級感のある光沢を有した織物であった。
【0033】実施例2 外層成分のポリマの5−ソジウムスルホイソフタル酸の
共重合率を2.2モル%とし、溶解速度比を6に変更し
た以外実施例1と同様にテストした。得られた中空内外
層複合繊維および外層部溶出後の布帛特性を表1に示し
た。実施例2の布帛は実施例1で得られた布帛とほぼ同
様の優れた風合いを有していた。
【0034】比較実施例1 外層成分のポリマの5−ソジウムスルホイソフタル酸の
共重合率を1.5モル%に変更して溶解速度比を2に変
更した以外実施例1と同様に実験を行った。得られた布
帛の各特性は表1に記載したとおりである。溶出後の外
周形状はほぼ円形に近いものであり、軽量感、ドライ感
とも乏しいものであった。
【0035】実施例3 口金孔を図4の(d)に示す6分割スリットに変更した
以外実施例1と同様に実施した。中空内外層複合繊維、
外層成分を溶出した後の布帛特性を表1に示した。布帛
の風合いは軽量感、ドライ感とも良好であったが実施例
1より若干劣っていた。
【0036】比較実施例2 最終吐出孔を8分割スリットに変更して実施例1と同様
に行った。中空内外層複合繊維の特性、溶出した後の布
帛特性は表1、表2に示した。軽量感は感じられたがド
ライ感はほとんどなかった。
【0037】実施例4 外層成分の溶融粘度を1500ポイズpoise、内層
成分の溶融粘度を3300ポイズに変更した以外実施例
1と同様にテストを行った。中空内外層複合繊維、溶出
した後の布帛特性を表1、表2に示した。溶融粘度が低
下したためか中空率が18%と低かった。布帛の風合い
は良好であったが軽量感は実施例1より若干劣ってい
た。
【0038】実施例5 外層成分の溶融粘度を1000ポイズ、内層成分の溶融
粘度を2200ポイズに変更した以外は実施例1と同様
にテストを行った。溶融粘度を大幅に低下したためか中
空率は11%と低かった。軽量感は認められたが、実施
例1に比較して向上効果は小さいものであった。
【0039】実施例6 内層部の断面積の比を0.75に変更した以外は実施例
1と同様にテストを行った。複合繊維の外周形状が四角
形に近いためか、最密充填に近い状態に繊維が並び、ド
ライ感や軽量感の向上効果はやや小さかった。更に織目
のズレがわずかながら認められた。
【0040】比較実施例3 内層部の断面積の比を0.90に変更した以外は実施例
1と同様にテストを行った。内層部の外周形状はほぼ円
形に近く、従って頂点の存在も明確ではなかった。布帛
の風合いは若干の軽量感が認められるだけでドライ感は
ほとんど認められなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明は中空内外層複合繊維であって外
層部を溶出することによって、直線度の高い辺部と曲率
半径の小さいシャープな頂点を有する繊維となるため
に、本発明の繊維から溶出した後に得られる布帛は軽量
感、ドライ感、張り・腰に優れており、かつ高級感のあ
る光沢を兼ね備えた清涼感素材である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合繊維の断面形状を説明するため
の繊維の横断面図である。
【図2】 本発明の複合繊維の断面形状の例を示す繊維
の横断面図である。
【図3】 本発明で好ましく用いられる複合口金装置の
要部縦断面図である。
【図4】 本発明に使用される口金孔の形状の例を示す
口金の下面図である。
【符号の説明】
1:外層部 2:層部 3:中空部 4:頂点部 5:辺部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部を有する内外層複合繊維であっ
    て、内層部は中空部を形成し、内層部の外周形状が三角
    以上、六角以下の多角形状で、中空部の形状は内層部の
    外周形状と同一画数で近似してなり、内層部の成分の溶
    解速度に対する外層部の成分の溶解速度比が3以上であ
    る中空内外層複合繊維。
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