JPH09193339A - 印刷ユニット交換台車の搬送方法及びそれに用いる搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グラビア印刷機において印刷終了後の切り替
え作業を簡単に行えるようにする。 【解決手段】 印刷ユニット交換台車１０を印刷機室Ｐ
内の印刷機脇と準備室Ａとの間で搬送する作業におい
て、印刷機室Ｐの入口に設置された移載装置３０のとこ
ろから各印刷ユニットＵの横を走る状態で敷設された２
本のレール１の軌道上を移動する搬送装置２０により、
準備後の交換台車１０を印刷ユニットＵ間の隙間横の所
定位置に１台ずつ準備室Ａより遠い方から順に運搬し、
また使用後の交換台車１０を１台ずつ準備室より近い方
から順に回収していくようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の印刷ユニッ
トを有するグラビア印刷機に関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】従来、グラビア印刷機
では、各印刷ユニットにおいて品目切り替えごとに交換
する部分（主に版胴、ドクター、アプリケーター、ポン
プ、インキタンク等）を台車（通常トロリー、キャリッ
ジ等と呼ばれる）に組み込んでカセット化し、準備作業
を外段取りにて行うシステムが利用されている。そし
て、これらの印刷ユニット交換台車は、印刷機の操作側
（マンサイド）からウェブ方向に直角に印刷ユニットの
フレーム部分を通過させるように移動してセットされる
場合と、操作側から一旦ユニット間に入り、さらにウェ
ブ方向と平行に移動させてセットされる場合とがある。

【０００３】上記の如き交換台車を用いた外段取り準備
作業は、印刷機脇で行われる場合もあるが、一般には準
備室まで人手で運ばれてからまとめて行われる場合が多
い。いずれにしてもこれらの運搬は、交換台車が非常に
重いために重労働となっており、切り替え作業を長引か
せる原因となっていた。

【０００４】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、グラビア
印刷機において印刷終了後の切り替え作業を簡単に行え
るようにした印刷ユニット交換台車の搬送方法を提供
し、併せてそれに用いる搬送装置を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の印刷ユニット交換台車の搬送方法は、グラ
ビア印刷機の印刷ユニット交換台車を印刷機室内の印刷
機脇と準備室との間で搬送する作業において、印刷機室
の入口に設置された前記交換台車の移載装置のところか
ら各印刷ユニットの横を走る状態で敷設された２本のレ
ールの軌道上を移動する搬送装置により、準備後の前記
交換台車を印刷ユニット間の隙間横の所定位置に１台ず
つ準備室より遠い方から順に運搬し、また使用後の前記
交換台車を１台ずつ準備室より近い方から順に回収して
いくようにしたことを特徴とするものである。

【０００６】そして、上記の搬送方法に用いる搬送装置
は、２本のレールの軌道上を移動する搬送装置であっ
て、印刷ユニット交換台車を中に囲い込むためのコの字
型のフレームと、当該フレームの両サイドに取り付けら
れた車輪と、当該フレームのコの字の両先端で内向きと
上向きとに回動するアームとを備え、前記フレームの上
を移載装置のフォークが通過できるように前記フレーム
の高さが前記交換台車の車輪の高さより低くなっている
ことを特徴としている。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。

【０００８】図１はスライドドアＤで分離された印刷機
室Ｐと準備室Ａを示した概略平面図である。印刷機室Ｐ
には複数の印刷ユニットＵを備えたグラビア印刷機が設
置されており、使用するインキが溶剤性であるためこの
印刷機室Ｐは防爆エリアになっている。

【０００９】図２は印刷ユニット交換台車の搬送状態を
示す斜視図である。印刷ユニット交換台車１０は方向自
在の車輪１１を４ヶ所に有しており、押すことにより任
意の方向に移動可能なようになっている。そして印刷ユ
ニット交換台車１０は、それを中に囲い込むためのコの
字型のフレーム２１を主要部分とする搬送装置２０によ
り搬送される。この搬送装置２０はそのフレーム２１の
両サイドにそれぞれ２つの車輪２２が付けられており、
これにより２本のレール１の軌道上を移動するようにな
っている。また、フレーム２１のコの字の両先端には、
交換台車１０を保持する内向き位置と開放した上向き位
置との間で回動するアーム２３が取り付けられている。
このアーム２３の保持位置に対応して交換台車１０には
当て板１２が設けられている。上記構成の搬送装置２０
は車輪１１付きの交換台車１０を押す形で搬送するの
で、出力の小さな動力（モーター２４）のみで搬送が可
能であり、したがって装置全体を小型化できる。そし
て、搬送装置２０は防爆エリアである印刷機室Ｐ内を移
動するため防爆仕様となっており、電気は上方の吊りレ
ール２をスライドする給電ケーブル３から供給される。

【００１０】印刷機室Ｐの入口には印刷ユニット交換台
車１０の移載装置３０が設置されている。この移載装置
３０は両方向出しのスライドフォーク機構で、準備済み
の交換台車１０を準備室Ａから搬送装置２０に、また印
刷終了後の交換台車１０を搬送装置２０から準備室Ａへ
移載する。交換台車１０を移載装置３０のフォークで移
載する場合、交換台車１０の本体にはフォークを通すス
ペースがないので、交換台車１０の底と床の間にフォー
クを通す必要があり、また搬送装置２０のフレーム２１
上を移載装置３０のフォークが通過して交換台車１０の
下の部分をすくい上げることになるため、搬送装置２０
は移載装置３０のフォークと干渉しないような高さ（交
換台車１０の車輪１１の高さ以下）にしてコンパクト化
を図ってある。

【００１１】準備室Ａにて準備を終えた印刷ユニット交
換台車１０を印刷ユニットＵ間の隙間横に準備する手順
は次のようである。まず、準備室Ａから運ばれてきた交
換台車１０を印刷機室Ｐの入口で移載装置３０によって
搬送装置２０に移載する。ここでの移載とはコの字型の
フレーム２１の中に交換台車１０を置くことを意味す
る。移載後は印刷ユニットＵ横の準備位置まで交換台車
１０を搬送装置２０で運搬する。準備位置まで到達した
ら搬送装置２０を停止し、停止後に交換台車１０をホー
ルドしているアーム２３を垂直にはね上げることによ
り、交換台車１０のホールドを解除する。アーム２３が
垂直にはね上がったら、図３に示すように搬送装置２０
は交換台車１０を残して移載装置３０の方へ（同図矢印
方向へ）戻る。以上の手順を搬送装置２０のホームポジ
ション（移載装置横）に対して奥、すなわち準備室Ａか
ら遠い方の印刷ユニットＵから順々に交換台車１０の必
要台数分繰り返す。

【００１２】印刷終了後に印刷ユニットＵ横に置かれた
使用済みの印刷ユニット交換台車１０を準備室Ａに回収
する手順は次のようである。まず、アーム２３が垂直に
はね上がった状態で搬送装置２０が、印刷ユニットＵ横
のレール１上の所定位置に置かれた交換台車１０のとこ
ろまで移動する。次いで、交換台車１０が搬送装置２０
のフレーム２１内に完全に取り込まれたらアーム２３を
閉じて交換台車１０をホールドする。ホールドしたら移
載装置３０に向かって交換台車１０を抱えた状態で搬送
装置２０が移動する。そして、搬送装置２０が移載装置
３０の横に到着したら、移載装置３０によって交換台車
１０は準備室Ａ内の別の搬送装置へと移載される。一
方、搬送装置２０は残りの使用済み交換台車１０のホー
ムポジションから見て手前、すなわち準備室Ａに近い方
の交換台車１０から順番に回収していく。

【００１３】また、本実施形態では、印刷ユニット交換
台車１０を印刷ユニットＵ内に引き込むに際して精度良
く引き込むことができるようにするため、図４に示すよ
うに交換台車１０の引込み用のガイドレール４に工夫を
施している。すなわち、ガイドレール４の入口部分Ｉの
平面形状を図示のようなＹ字型とし、交換台車１０が所
定位置に対して多少のずれをもって停止しても、交換台
車１０の車輪１１がガイドレール４の軌道に入りやすく
なるようにした。また、図５にも示すようにＹ字型の入
口部分Ｉに緩やかな下りの傾斜を付けることによって、
交換台車１０の引込み時に図６に示す如く車輪１１の向
きが容易に修正されるようにした。

【００１４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る印刷ユニット交換台車の搬送方法によれば、重量
のある交換台車をレールの軌道上を移動する搬送装置に
よって順次運搬すれば済むことから、印刷終了後の切り
替え作業を簡単に行うことができる。

【００１５】また、本発明の搬送装置は、車輪付きの交
換台車を押す形で搬送するので、出力の小さな動力で搬
送が可能であるため装置全体を小型化できる。また、主
要部分であるコの字型フレームの上を移載装置のフォー
クが通過できるようにしたことにより装置のコンパクト
化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】スライドドアで分離された印刷機室と準備室を
示した概略平面図である。

【図２】印刷ユニット交換台車の搬送状態を示す斜視図
である。

【図３】搬送装置が印刷ユニット交換台車を残して後退
する様子を示す要部の斜視図である。

【図４】印刷ユニット交換台車とそれを印刷ユニット内
に引き込むガイドレールを示す斜視図である。

【図５】ガイドレールの入口部分を示す断面図である。

【図６】印刷ユニット交換台車の車輪がガイドレールに
より案内される様子を示す説明図である。

【符号の説明】

Ｐ 印刷機室 Ａ 準備室 １ レール ２ 吊りレール ３ 給電ケーブル ４ ガイドレール １０ 印刷ユニット交換台車 １１ 車輪 １２ 当て板 ２０ 搬送装置 ２１ フレーム ２２ 車輪 ２３ アーム ２４ モーター ３０ 移載装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 グラビア印刷機の印刷ユニット交換台車
   を印刷機室内の印刷機脇と準備室との間で搬送する作業
   において、印刷機室の入口に設置された前記交換台車の
   移載装置のところから各印刷ユニットの横を走る状態で
   敷設された２本のレールの軌道上を移動する搬送装置に
   より、準備後の前記交換台車を印刷ユニット間の隙間横
   の所定位置に１台ずつ準備室より遠い方から順に運搬
   し、また使用後の前記交換台車を１台ずつ準備室より近
   い方から順に回収していくようにしたことを特徴とする
   印刷ユニット交換台車の搬送方法。
2. 【請求項２】 ２本のレールの軌道上を移動する搬送装
   置であって、印刷ユニット交換台車を中に囲い込むため
   のコの字型のフレームと、当該フレームの両サイドに取
   り付けられた車輪と、当該フレームのコの字の両先端で
   内向きと上向きとに回動するアームとを備え、前記フレ
   ームの上を移載装置のフォークが通過できるように前記
   フレームの高さが前記交換台車の車輪の高さより低くな
   っていることを特徴とする搬送装置。