JPH09188899A - 石鹸組成物 - Google Patents

石鹸組成物

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JPH09188899A
JPH09188899A JP28701596A JP28701596A JPH09188899A JP H09188899 A JPH09188899 A JP H09188899A JP 28701596 A JP28701596 A JP 28701596A JP 28701596 A JP28701596 A JP 28701596A JP H09188899 A JPH09188899 A JP H09188899A
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soap
salt
transparency
soap composition
acid
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JP28701596A
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Inventor
Masanori Okada
正紀 岡田
Isao Shimozato
功 下里
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Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性及び透明性の経時安定性に優れ、さら
に水に対する安定性をも有する石鹸組成物及びそれを含
有する見た目が美しくかつ使用時の安定性をも有する石
鹸を提供する。 【解決手段】 石鹸組成物に、炭素数4〜12の分岐又
は環状の脂肪酸及び/又はその塩を、好ましくは、組成
物全量に対して1〜10重量%の割合で含有させる。ま
た、前記石鹸組成物を石鹸の構成成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石鹸組成物及び石鹸
に関し、詳しくは、透明性、透明性の経時安定性及び使
用時の安定性を有する石鹸組成物及びそれを含有する石
鹸に関する。
【0002】
【従来の技術】石鹸は、古来より優れた洗浄力と安全性
を有する有用な洗浄料として広く使用されているが、中
でも、透明石鹸はその見た目の美しさから洗顔料などに
広く用いられている。これらの透明石鹸は、通常の石鹸
生地中にアルコールあるいは糖を添加して、石鹸の結晶
を微細にして透明性を得たものであるが、透明性を上げ
ようとすると、含水による軟化、不透明化、吸湿による
透明度の低下などの安定性の低下の問題が生じてしまう
ため、前記安定性の問題が生じないように透明性をある
程度犠牲にした形で市場に提供されていた。吸湿等によ
る透明性の低下について安定性を損なわずに透明性を上
げる手段として、有機アミンを添加する方法、生地自体
をアシル化グルタミン酸ナトリウムに変えてしまう方法
が考え出された。しかしながら、これらの方法では透明
性、透明性の経時安定性については改善されたものの、
水による溶解はかえって増大し問題解決にはつながらな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、透明性及び透明性の経時安定性
に優れ、さらに水に対する安定性をも有する石鹸組成物
及びそれを含有する見た目が美しくかつ使用時の安定性
をも有する石鹸を提供することを課題とする。
【0004】ここで、本明細書において用いる「透明」
とは、石鹸組成物を通常の石鹸形状とした際に、実質的
に透き通って白濁の極めて少ないことを言う。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、炭素数4〜1
2の分岐又は環状の脂肪酸及び/又はその塩、とりわ
け、2−エチルヘキサン酸及び/又はその塩に、石鹸組
成物に透明性及び透明性の経時安定性、さらに水に対す
る安定性等を付与する作用を見出し、本発明を完成させ
るに至った。
【0006】すなわち本発明は、炭素数4〜12の分岐
又は環状の脂肪酸及び/又はその塩を含有することを特
徴とする石鹸組成物及びそれを含有する石鹸である。上
記本発明の石鹸組成物に用いる炭素数4〜12の分岐又
は環状の脂肪酸のうち、より好ましい脂肪酸の炭素数は
7〜12であり、更に好ましくは、9〜11である。ま
た、この様な炭素数4〜12の分岐又は環状の脂肪酸の
うち、分岐脂肪酸として具体的には、2−エチルヘキサ
ン酸、2−メチルブタン酸、イソ吉草酸、2−メチルヘ
キサン酸、t−ブチル酢酸、2,2−ジメチルブタン酸
等が挙げられる。また、環状脂肪酸として具体的には、
シクロヘプタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン
酸、シクロペンタンカルボン酸等を例示することができ
る。この様な炭素数4〜12の分岐又は環状の脂肪酸の
うち、本発明において洗浄力、安定性、透明性等の総合
評価から、好ましく用いられるのは、2−エチルヘキサ
ン酸、2−メチルヘキサン酸、シクロヘプタンカルボン
酸等であり、より好ましく用いられるのは2−エチルヘ
キサン酸である。また、これらの脂肪酸の塩であるが、
一般的に石鹸組成物が含有する塩類、例えば、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、リジン塩、アルギニン塩等が挙げら
れる。
【0007】上記本発明の石鹸組成物における炭素数4
〜12の分岐又は環状の脂肪酸及び/又はその塩の含有
量であるが、組成物全量に対して1〜10重量%程度が
好ましく、より好ましくは3〜8重量%程度、更に好ま
しくは4〜6重量%程度の含有量である。含有量が1重
量%未満では、石鹸組成物に透明性及び透明性の経時安
定性、さらに使用時における安定性を付与する作用が十
分でないことがあり、また10重量%を越える含有量に
しても、増加分に見合った効果の向上が望みにくく、洗
浄力を低下させる場合もある。
【0008】本発明の石鹸組成物は、石鹸組成物の主成
分である高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、リジ
ン塩、アルギニン塩等の塩及び適当量の炭素数4〜12
の分岐又は環状の脂肪酸及び/又はその塩を含有する以
外に、通常の石鹸組成物が含有する任意成分を含有して
もよい。また、本発明の石鹸組成物の製造方法である
が、通常の石鹸組成物と同様にして製造することが可能
である。
【0009】例えば、通常、石鹸組成物を製造する際に
原料として用いられる油脂や高級脂肪酸に炭素数4〜1
2の分岐又は環状の脂肪酸及びその他の任意成分を添加
して水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液と共に
混合する。この際、必要に応じて加熱しながら混合する
ことも可能である。この様にして得られる石鹸組成物中
には、通常の石鹸組成物の主成分である高級脂肪酸の
塩、アルカリと反応しなかった高級脂肪酸、炭素数4〜
12の分岐又は環状の脂肪酸の塩及びアルカリと反応し
なかった炭素数4〜12の分岐又は環状の脂肪酸、その
他任意成分等が含まれる。尚、上記石鹸組成物の製造方
法において、原料に炭素数4〜12の分岐又は環状の脂
肪酸と共に、あるいはその替わりに前記脂肪酸の塩を添
加することも可能である。
【0010】この様な本発明の石鹸組成物は、含有する
炭素数4〜12の分岐又は環状の脂肪酸及び/又はその
塩の作用により、透明性がよく、吸湿による透明度の低
下がないためその透明性は経時安定している。さらに、
含水による軟化、不透明化等を起こすこともないので、
石鹸とした際の使用時安定性にも問題はない。上記炭素
数4〜12の分岐又は環状の脂肪酸及び/又はその塩の
作用は、透明な石鹸組成物を得るのに好適な作用であ
り、従って、本発明は透明な石鹸組成物を得るのに好ま
しく適用される。透明な石鹸組成物の製造方法である
が、上記製造方法において、任意成分を本発明の効果を
損なわない様に適宜選択して製造すればよい。この場
合、任意成分として、糖、アルコール、有機アミン、ア
シル化グルタミン酸ナトリウム等の従来の透明化の成分
を含有してもよい。
【0011】また、本発明の石鹸組成物には、製造にあ
たって上記任意成分として顔料やワックス、パール剤な
どを配合することもあるが、この場合には顔料、ワック
ス、パール剤等の添加量によって透明性はある程度損な
われることがあるものの、従来の透明石鹸組成物に顔料
等を添加したものに比べて、艶の良い色映えのする石鹸
組成物が得られる。
【0012】さらに、本発明においては、上述の様に上
記石鹸組成物を含有する石鹸を提供する。ここで、本明
細書における「石鹸組成物」及び「石鹸」の区別である
が、石鹸は使用形態に成形されたものについて用いる概
念とし、石鹸に成形される以前の状態の組成物を全て石
鹸組成物と呼ぶものとする。
【0013】上記本発明の石鹸組成物を石鹸として成形
する際には、本発明の石鹸組成物の一種を単独で、ある
いは、色素や顔料等の添加物を調整して得られる色調の
異なる本発明の石鹸組成物の2種以上を組み合わせて、
また、本発明の石鹸組成物と従来の石鹸組成物とを組み
合わせて、通常の石鹸製造工程、例えば、ニーダー、ロ
ールがけ、ペレッティング、打錠等の工程をとる機械練
り、溶融後、枠に流し込み固化させる枠練り等によっ
て、通常の石鹸の形状に成形することが可能である。
【0014】この様にして得られる本発明の石鹸は、含
有する本発明の石鹸組成物の透明性が高いことから見た
目が美しく、さらに、使用時安定性をも有するものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の石鹸組成物は、石鹸組成物に透明
性及び透明性の経時安定性、さらに使用時における安定
性を付与する目的で、炭素数4〜12の分岐又は環状の
脂肪酸及び/又はその塩を含有させたものである。好ま
しい含有量は、上述の様に、組成物全量に対して1〜1
0重量%程度である。
【0016】本発明の石鹸組成物は、通常の石鹸組成物
を製造する際に用いられる石鹸原料に、上記炭素数4〜
12の分岐又は環状の脂肪酸及び/又はその塩を適量添
加する以外は、通常の石鹸組成物と同様の製造方法で製
造することができる。さらに、本発明の石鹸組成物は、
上記成分以外に、通常の石鹸組成物が含有する任意成分
を含有することも可能である。
【0017】上記石鹸組成物を製造する際に用いられる
石鹸原料とは、石鹸組成物の主成分である高級脂肪酸塩
を得るための原料すなわち高級脂肪酸及びアルカリであ
る。本発明の石鹸原料として用いられる高級脂肪酸とし
ては、通常、石鹸組成物の製造に用いられているもので
あれば特段の限定は受けず、例えば、ラウリン酸、パル
ミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オク
タデカン酸等が例示できる。また、本発明においては、
上記高級脂肪酸として、椰子油脂肪酸や牛脂脂肪酸等の
ように、天然に存在する高級脂肪酸の混合物をそのま
ま、あるいは水素添加等して用いてもよいし、椰子油、
オリーブ油等の油脂をアルカリとともに処理し、製造過
程で加水分解しながら得られる高級脂肪酸の混合物を用
いることも可能である。
【0018】また、上記アルカリとしては、やはり、通
常、石鹸組成物の製造に用いられているものであれば特
段の限定は受けず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、
リジン、アルギニン等を挙げることができる。尚、これ
らアルカリは、石鹸製造の際には適当な濃度の水溶液と
して用いられることが多い。
【0019】本発明の石鹸組成物に用いられる上記任意
成分としては、通常の石鹸組成物が含有する任意成分で
あれば特に制限されず、例えば、エステル(カルナウバ
ワックス、モクロウ、キャンデラワックス等)や高級ア
ルコール(セタノール、ステアリルアルコール等)など
のワックス類、BHT、BHAやトコフェロール等の抗
酸化剤、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)又はその
塩、フィチン酸等のキレート剤、ショ糖やソルビトー
ル、マルチトール、蜂蜜等の糖類、グリセリン、1,3
−ブタンジオール等の多価アルコール類、香料、色素、
顔料、パール剤、エタノール等のアルコール類、水等が
例示できる。また、アシル化グルタミン酸ナトリウムや
トリエタノールアミン等の有機アミン石鹸、硫酸又はリ
ン酸エステル系アニオン界面活性剤、非イオン界面活性
剤も本発明の効果を損なわない範囲において配合するこ
とができる。
【0020】これらの成分を用いて本発明の石鹸組成物
を製造する方法は、通常の石鹸組成物の製造方法によれ
ばよく、例えば、上記成分を仕込んで、必要に応じて加
熱しながら、よく混練りする等の方法をとればよい。
【0021】ここで、本発明が好ましく適用される透明
な石鹸組成物の製造方法として、例えば、原料として高
級脂肪酸、炭素数4〜12の分岐又は環状の脂肪酸及び
/又はその塩、アルカリ水溶液、その他本発明の効果、
特に透明性を損なわない様な任意成分、水、エタノー
ル、ショ糖、マルチトール水溶液、EDTA、BHT、
グリセリンを各適当量で処方し、ニーダーで加熱しなが
ら混練りしてできた生地をロールにかけペレッターを通
す等の製造方法が挙げられる。
【0022】また、上記透明な石鹸組成物の原料処方の
任意成分として、さらに顔料、パール剤、ワックス等の
成分を添加して上記同様に石鹸組成物を製造することも
可能であるが、その添加量によっては石鹸組成物の透明
性はある程度損なわれることがあるものの、従来の透明
石鹸組成物に顔料等を添加したものに比べて、艶の良い
色映えのする石鹸組成物が得られる。
【0023】さらに、上記本発明の石鹸組成物を石鹸と
して成形する方法であるが、本発明の石鹸組成物の一種
を単独で、例えば、ニーダー、ロールがけ、ペレッティ
ング、打錠等の機械練りや、溶融後、枠に流し込み固化
させる枠練り等の製造工程を経て、通常の石鹸の形状に
成形することも可能であるが、色素や顔料等の添加物を
調整して得られる色調の異なる本発明の石鹸組成物の2
種以上を組み合わせて、あるいは、本発明の石鹸組成物
と従来の石鹸組成物とを組み合わせて一体化成形して石
鹸としてもよい。この際、それぞれの一方を、本発明の
石鹸組成物と従来の石鹸組成物の組み合わせの場合には
好ましくは従来の石鹸組成物を、花などの有形物に加工
して、他方に埋包して石鹸とすることもできる。また、
絵などを書いたカルボキシメチルセルロース等の薄膜を
本発明の石鹸組成物で埋包して石鹸としてもよい。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。尚、以下
に用いる配合量は全て重量部である。
【0025】
【実施例1】表1に示す処方成分をニーダーで80℃に
加熱しながら混練りし、できた生地を2回ロールにかけ
ペレッターを通して、透明な石鹸組成物を作製した。ま
た、この石鹸組成物の処方成分中の2−エチルヘキサン
酸を椰子油脂肪酸に置き換えた以外は上記と全く同様に
して比較例の透明石鹸組成物を製造した。なお、比較例
の石鹸組成物は、安定性のためにある程度透明性を犠牲
にした従来の透明石鹸組成物と同等のものである。
【0026】更に、この様にして得られた石鹸組成物を
それぞれ打錠して透明石鹸を製造した。
【0027】
【表1】
【0028】
【実施例2、3】表2に示す処方成分をニーダーで80
℃に加熱しながら混練りし、できた生地を2回ロールに
かけペレッターを通して、透明な石鹸組成物を作製し
た。また、これらの石鹸組成物の処方成分中の2−エチ
ルヘキサン酸を椰子油脂肪酸に置き換えた以外は上記と
全く同様にして比較例の透明石鹸組成物を製造した。な
お、比較例の石鹸組成物は、安定性のためにある程度透
明性を犠牲にした従来の透明石鹸組成物と同等のもので
ある。
【0029】更に、この様にして得られた石鹸組成物を
それぞれ打錠して透明石鹸を製造した。また、実施例2
で得られた透明石鹸組成物を溶融し、その半分を型枠に
流し込み、その上にカルボキシメチルセルロースの薄膜
に絵を描いたものを密着させ、更にその上に残り半分を
流し込み、冷却固化させて、絵をインサートした石鹸を
作製した。
【0030】
【表2】
【0031】
【実施例4】表3に示す処方成分を用いて、実施例1と
同様にして透明な石鹸組成物を作製した。また、得られ
た石鹸組成物を打錠して透明石鹸を製造した。
【0032】
【表3】
【0033】
【実施例5〜7】表4に示す処方成分を用いて、実施例
1と同様にして透明な石鹸組成物を作製した。また、得
られた石鹸組成物をそれぞれ打錠して透明石鹸を製造し
た。
【0034】
【表4】
【0035】
【実施例8】表5に示す処方成分をニーダーで80℃に
加熱しながら混練りし、できた生地を2回ロールにかけ
ペレッターを通して、透明な石鹸組成物を作製した。ま
た、これらの石鹸組成物の処方成分中の2−エチルヘキ
サン酸をイソパルミチン酸(炭素数16)又はイソステ
アリン酸(炭素数18)に置き換えた以外は上記と全く
同様にして比較例の透明石鹸組成物を製造した。
【0036】更に、この様にして得られた石鹸組成物を
それぞれ溶融し型枠に流し込み、冷却固化させて透明石
鹸を作製した。
【0037】
【表5】
【0038】
【実施例9】表6に示す処方成分を用いて、実施例1と
同様にして象牙の様に艶の豊かな石鹸組成物を作製し
た。また、得られた石鹸組成物を打錠して石鹸を製造し
た。
【0039】
【表6】
【0040】
【参考例】 従来の石鹸組成物 表7に示す処方成分を用いて、実施例1と同様の方法
で、従来の石鹸組成物を作製した。
【0041】
【表7】
【0042】<本発明の石鹸組成物の評価>上記各実施
例及び比較例で得られた透明石鹸組成物を用いて透明
性、使用時の安定性及び透明性の経時安定性の評価を行
った。
【0043】(1)透明性の評価−1 上記実施例1及び比較例1で得られた透明石鹸組成物と
従来の石鹸組成物を用いて縞模様の石鹸を製造し、得ら
れた石鹸の縞模様の明確さを観察して透明性の評価を行
った。
【0044】実施例1で得られた透明石鹸組成物の50
重量部と上記参考例で得られた従来の石鹸組成物49重
量部とチタンマイカ1重量部をペレットが崩れない様に
よく混合、打錠して縞模様の石鹸を製造した。
【0045】また、実施例1で得られた透明石鹸組成物
の替わりに比較例1で得られた透明石鹸組成物を用いた
以外は、上記と同様にして比較例1の透明石鹸組成物と
従来の石鹸組成物の組み合わせによる縞模様の石鹸を製
造した。得られた2種類の縞模様石鹸の縞模様の明確さ
を専門パネラー5名が下記判定基準により評価した。結
果を表8に示す。
【0046】(判定基準) ++ : 非常に縞が鮮明 + : 縞が鮮明 ± : 縞がやや不鮮明 − : 縞が不鮮明
【0047】
【表8】
【0048】この結果より、実施例1と参考例の石鹸組
成物の組合せで得られた縞石鹸は、原料に2−エチルヘ
キサン酸を配合しなかった比較例1の透明石鹸組成物と
参考例の石鹸組成物の組合せで得られた縞石鹸に比して
縞がより鮮明に見えることがわかり、従って、本発明の
石鹸組成物は透明性が高いと言える。
【0049】(2)透明性の評価−2 上記実施例5〜8及び比較例3、4で得られた透明石鹸
について、一対一比較を繰り返して行い、透明性の順位
付けを行ったところ、透明性の良い順に、実施例8>実
施例5>実施例7>実施例6>比較例3>比較例4とな
った。
【0050】この結果より、上記各実施例で得られた透
明石鹸は何れも、配合脂肪酸が分岐であっても炭素数が
本発明の範囲を超えて大きいイソパルミチン酸やイソス
テアリン酸である比較例3、4の透明石鹸に比べて、透
明性に優れることがわかる。また、上記各実施例で得ら
れた透明石鹸のなかでも、実施例8の2−エチルヘキサ
ン酸を用いて製造された透明石鹸は、特に透明性に優れ
ることがわかる。
【0051】(3)透明性及び水に対する安定性の比較
評価 実施例1の石鹸組成物から得られた透明石鹸と比較例1
の石鹸組成物から得られた透明石鹸、実施例2の石鹸組
成物から得られた透明石鹸と比較例2の石鹸組成物から
得られた透明石鹸、及び実施例3の石鹸組成物から得ら
れた透明石鹸と比較例2の石鹸組成物から得られた透明
石鹸の組合せで、透明性について専門パネラー5名に比
較評価してもらった。また、同時に各透明石鹸の片面を
水に12時間浸漬させた後に、面の変化を観察すること
で水に対する安定性を比較評価してもらった。尚、比較
例1及び2の石鹸組成物から得られた透明石鹸はいずれ
も、安定性のためにある程度透明性を犠牲にした従来の
透明石鹸であった。
【0052】結果を実施例1の石鹸組成物から得られた
透明石鹸と比較例1の石鹸組成物から得られた透明石鹸
の比較については表9に、実施例2の石鹸組成物から得
られた透明石鹸と比較例2の石鹸組成物から得られた透
明石鹸の比較については表10に、実施例3の石鹸組成
物から得られた透明石鹸と比較例2の石鹸組成物から得
られた透明石鹸の比較については表11に示す。
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
【表11】
【0056】この結果から明らかなように、実施例で得
られた石鹸組成物からなる透明石鹸は、炭素数4〜12
の分岐又は環状の脂肪酸及び/又はその塩を含有しない
石鹸組成物からなる透明石鹸に比べ、透明性に優れ、か
つ、水に対する安定性は同等であり、従って、本発明の
石鹸は透明性が高い上、水に対する安定性は、透明性よ
りも安定性を重視した従来の透明石鹸と同程度に維持さ
れていると言える。
【0057】(4)透明性の経時安定性評価−1 上記実施例1の石鹸組成物から得られた透明石鹸につい
てビニールフィルムで包装した形で、それぞれ、5℃、
20℃、40℃の温度条件下で3カ月間放置して、各温
度条件下での透明石鹸の透明性の変化を観察した。
【0058】結果は、どの温度条件下で3カ月間放置さ
れた透明石鹸についても透明性の変化は観察されず、製
造直後の高い透明性を維持していることがわかり、従っ
て、本発明の石鹸組成物は透明性の経時安定性に優れる
と言える。
【0059】(5)透明性の経時安定性評価−2 上記実施例5〜8及び比較例3、4で得られた透明石鹸
をそのままのかたちで、40℃の恒温室に入れ放置し
た。恒温槽に入れてから1ヶ月後と3ヶ月後に各透明石
鹸について、透明性の経時変化の様子を観察し次の基準
で評価した。結果を表12に示す。
【0060】(評価基準) ◎ : 透明性に変化なし ○ : やや濁りを認める △ : 濁りを認める × : 著しく濁っている
【0061】
【表12】
【0062】この結果より、上記各実施例で得られた透
明石鹸は何れも、配合脂肪酸が分岐であっても炭素数が
本発明の範囲を超えて大きいイソパルミチン酸やイソス
テアリン酸である比較例3、4の透明石鹸に比べて、透
明性の経時安定性に優れることがわかる。また、上記各
実施例で得られた透明石鹸のなかでも、実施例8の2−
エチルヘキサン酸を用いて製造された透明石鹸は、特に
透明性の経時安定性に優れると言える。
【0063】
【発明の効果】本発明の石鹸組成物は、透明性及び透明
性の経時安定性に優れ、さらに、水による軟化、不透明
化等の問題がない。また、顔料、パール剤、ワックス等
が配合された本発明の石鹸組成物においては、艶や色映
えが良い。さらに、前記石鹸組成物を含有する本発明の
石鹸は、石鹸組成物の有する透明感等により見た目が美
しく、かつ使用時における安定性をも有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数4〜12の分岐又は環状の脂肪酸
    及び/又はその塩を含有することを特徴とする石鹸組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記脂肪酸が2−エチルヘキサン酸であ
    る請求項1記載の石鹸組成物。
  3. 【請求項3】 前記脂肪酸及び/又はその塩の含有量が
    組成物全量に対して1〜10重量%である請求項1又は
    2記載の石鹸組成物。
  4. 【請求項4】 透明であることを特徴とする請求項1〜
    3の何れか1項に記載の石鹸組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載の石鹸
    組成物を含有する石鹸。
JP28701596A 1995-11-06 1996-10-29 石鹸組成物 Pending JPH09188899A (ja)

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JP28701596A JPH09188899A (ja) 1995-11-06 1996-10-29 石鹸組成物

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Application Number Priority Date Filing Date Title
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