JPH09176661A - 軽油の高品質化処理法 - Google Patents
軽油の高品質化処理法Info
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- JPH09176661A JPH09176661A JP35160795A JP35160795A JPH09176661A JP H09176661 A JPH09176661 A JP H09176661A JP 35160795 A JP35160795 A JP 35160795A JP 35160795 A JP35160795 A JP 35160795A JP H09176661 A JPH09176661 A JP H09176661A
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Abstract
く、色相に優れ、しかも硫黄含量の低い高品質な軽油留
分に転化する方法を提供する。 【解決手段】 本発明方法は、3〜8MPaの水素分
圧、220〜380℃の反応温度、1.0〜5.0hr
-1の液空間速度及び100〜400L/Lの水素/オイ
ル比の反応条件下で無機酸化物からなる担体に周期律表
6族金属および8族金属を担持させた脱硫触媒と沸点範
囲160〜340℃の軽油留分とを接触反応させて軽油
留分を水素化脱硫する脱硫工程(12、16)と、白金
等の金属を含んでなる水素化触媒、又はニッケル及びタ
ングステンを含んでなる水素化触媒の存在下で3〜8M
Paの水素分圧、200〜360℃の反応温度、1.0
〜5.0hr-1の液空間速度、100〜400L/Lの
水素/オイル比の反応条件で前記水素化脱硫工程を得た
軽油留分を水素化処理する水素化処理工程(14、1
8)とを備えている。
Description
軽油の高品質化処理法に関し、更に詳しくは軽油留分に
相当する沸点範囲を有する留分でありながら、低いセタ
ン価、濃い色相、難脱硫性硫黄分の高い含量等の制約か
ら、従来、用途が限定されていた分解系軽油の高品質化
処理方法に関するものである。
れているディーゼル燃料は、従来、原油の常圧蒸留によ
り得られる特定の沸点範囲の直留軽油留分に水素化処理
等を施して得た軽油留分をブレンドすることにより製造
されている。ところで、ディーゼル燃料の需要は近年著
しく増大しているにもかかわらず、ディーゼル燃料の主
基材になる軽油直留留分は、原油単位量当たり限られた
量しか含まれていないために供給量が限られ、その結
果、需要の増大に見合って、ディーゼル燃料を充分に供
給することが難しくなる傾向にある。
沸点範囲の分解系軽油は、最近の白油化傾向に伴い、直
留軽油留分とは逆に余剰傾向にある。そこで、分解系軽
油は、軽油直留留分の不足を補う新たなブレンド基材源
として注目されている。ところで、分解系軽油には、セ
タン価が低く、芳香族成分の比率が高く、しかも独特の
着色を呈して色相が悪いと言った品質上の問題がある。
また、分解系軽油に含まれている硫黄分は、難脱硫性の
化合物(例えば4,6−ジメチルジベンゾチオフェン
等)が多く、深度脱硫を施して硫黄含有量を低減するこ
とが困難である。これらの問題点を解決して分解系軽油
を高品質化し、商品軽油として、又は軽油のブレンド基
材として利用する試みが成されているが、以下に説明す
るような理由から実用化されるには到っていない。
水素化して有効利用する方法が、特開昭63−2919
85号公報に開示されている。しかし、分解系軽油を単
独で商品軽油とするためには、色相及びセタン価を向上
させることが必要であるが、前掲公報による方法では、
コストが嵩み、経済的に引き合わない。すなわち、この
方法によりセタン価を向上させるためには水素化反応の
温度を高くする必要があるが、温度を高くすると、色相
が著しく劣化して、ブレンド基材として不適当になる。
また、水素化反応の温度を高くする代わりに水素化反応
の圧力(水素分圧)を高くすると、反応装置の耐圧強度
を上げる必要が生じて設備費及び運転費が嵩み、ブレン
ド基材の価格が上昇し、コスト的に非常に不利になる。
留分にブレンドし、脱硫処理と水素化処理からなる二段
処理を行って高品質化し、分解系軽油を有効利用する方
法が、特願平6−339184号公報に開示されてい
る。しかし、分解系軽油を直留軽油留分にブレンドした
原料油中には難脱硫性硫黄化合物が多く含まれるため
に、深度脱硫する際、反応温度を高くする必要がある。
反応温度を高くすると、生成油が著しく着色する。ま
た、白金、ロジウム、ルテニウム系の水素化能が高い触
媒を使用して水素化処理を行うと、触媒が硫黄被毒され
活性を喪失し易いために、実用上必要な触媒寿命を確保
できないと言う問題がある。
方法では、分解系軽油を高品質化処理し、ディーゼル燃
料のブレンド基材として、また商品軽油として活用する
ことが難しい。そこで、本発明は、従来技術の有する上
記問題点を克服して、原料軽油を高品質化処理し、セタ
ン価が高く、色相に優れ、しかも硫黄含量の低い高品質
な軽油留分に転化する方法を提供することを目的として
いる。
的を達成するために検討を重ねた結果、接触反応装置等
で製造される分解系留出油を特定の蒸留条件下で蒸留
し、得た特定沸点範囲の分解系軽油留分を特定の反応条
件下で脱硫し、得た水素化脱硫生成物を特定の反応条件
下で更に水素化処理を行うことによって得られる軽油留
分が、セタン価及び色相に優れ、硫黄含有量の少ないと
言う優れた性状を有することを見い出し、本発明を完成
するに至った。
軽油の高品質化処理方法は、3〜8MPaの範囲の水素
分圧、220〜380℃の範囲の反応温度、1.0〜
5.0hr-1の範囲の液空間速度及び100〜400L
/Lの範囲の水素/オイル比の反応条件下で無機酸化物
からなる担体に周期律表6族金属および8族金属を担持
させた脱硫触媒と沸点範囲160〜340℃の軽油留分
とを接触反応させて軽油留分を水素化脱硫する脱硫工程
と、白金、ロジウム、ルテニウムから選ばれた少なくと
も1種類以上の金属を含んでなる水素化触媒、又はニッ
ケル及びタングステンを含んでなる水素化触媒の存在下
で3〜8MPaの範囲の水素分圧、200〜360℃の
範囲の反応温度、1.0〜5.0hr-1の範囲の液空間
速度、100〜400L/Lの範囲の水素/オイル比の
反応条件で前記水素化脱硫工程を得た軽油留分を水素化
処理する水素化処理工程とを備えていることを特徴とし
ている。
点範囲が160〜340℃、好ましくは160〜330
℃、さらに好ましくは160〜320℃の軽油留分であ
る。本発明方法では、例えば接触分解軽油、熱分解軽
油、直留軽油、水素化処理軽油及び脱硫処理軽油を単独
で原料油としても良く、それらを混合して原料油として
も良い。
軽油留分の沸点範囲の上限が340℃より高いと、難脱
硫性の硫黄化合物、例えば4,6−ジメチルジベンゾチ
オフェン等の量が著しく増加し、こうした原料軽油留分
を深度脱硫するために、反応温度を高くする必要が生
じ、生成油の色相が悪化する。逆に、沸点範囲の上限が
320℃未満であると、生成油のセタン価が著しく低下
するので、原料油として好ましくない。
味から、水素化脱硫工程に導入する軽油留分は、その硫
黄含有量が少ない方が好ましく、1質量%以下が好適で
ある。予め、原料軽油留分を蒸留操作によって特定範囲
の沸点を持つ留分、すなわち、沸点範囲160〜340
℃、好ましくは160〜330℃、さらに好ましくは1
60〜320℃の留分として分留することにより、軽油
留分中の硫黄分を1質量%以下にすることができる。
去を主な目的として脱硫触媒により水素化脱硫処理す
る。脱硫工程の反応条件は、水素分圧が3〜8MPa、
好ましくは4〜7MPaであり、温度が220〜380
℃、好ましくは250〜350℃であり、液空間速度が
1.0〜5.0hr-1、好ましくは1.0〜3.0hr
-1であり、水素/オイル比が100〜400L/L、好
ましくは200〜300L/Lである。
と、触媒の脱硫活性が低下すると共に生成油の色相も悪
化し、逆に8MPaを超えると、設備の耐圧を高くすた
めに設備費と運転費が嵩み、不経済になる。反応温度が
220℃未満であると、触媒の脱硫活性が低く、380
℃を超えると、脱硫活性が飽和するために温度を上げて
も脱硫効果が向上しないばかりでなく、生成油の色相が
悪化し、しかも設備費と運転費が嵩む。液空間速度が
5.0hr-1を超えると、触媒と原料油の接触時間が短
くなり過ぎ、脱硫反応が十分に行われないために生成油
の残留硫黄分が多くなり、1.0hr-1未満では必要以
上に接触時間が長くなり過ぎ、処理効率が低下する。水
素/オイル比が100L/L未満であると、十分に脱硫
反応が進まず、逆に400L/Lを超えると、過剰の水
素を消費することになるので、処理コストが増大し不経
済である。
担体として、種々のものが使用できる。例えば、担体と
して、シリカ、アルミナ、ボリア、マグネシア、チタニ
ア、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−
ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリ
カ−チタニア、シリカ−ボリア、アルミナ−ジルコニ
ア、アルミナ−チタニア、アルミナ−ボリア、アルミナ
−クロミア、チタニア−ジルコニア、シリカ−アルミナ
−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−ア
ルミナ−マグネシア、シリカ−マグネシア−ジルコニア
などの無機酸化物、またはこれらの1種以上の混合物が
挙げられる。これらの無機酸化物のうち、好ましいもの
としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ−ボ
リア、アルミナ−ジルコニアが挙げられ、特に好ましい
ものとしては、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ
−チタニア、アルミア−ボリア、アルミナ−ジルコニア
が挙げられ、特に好ましくはγ−アルミナが挙げられ
る。これらの無機酸化物は、1種類を単独で用いてもよ
いし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
は、担体に担持させる6族金属は、触媒基準かつ酸化物
換算で10〜25質量%の範囲の含有量で含まれるモリ
ブデン、又は触媒基準かつ酸化物換算で0.1〜5質量
%の範囲の含有量で含まれるタングステンのいずれかで
ある。モリブデンの含有量が10質量%より少ないと、
活性点として働くモリブデンの絶対量が少ないために、
脱硫活性が発現せず、逆に担持させるモリブデンの含有
量が25質量%より多過ぎると、金属の凝集が起こり活
性点の数が減少し、その結果、脱硫活性が却って低下す
る。タングステンの含有量が0.1質量%より少ない
と、難脱硫性物質の核水素化活性が発現せず、逆に5質
量%より多いと、担持するタングステンの量が多すぎ、
金属の凝集が起こり、その結果、脱硫活性が却って低下
する。
媒で担体に担持させる8族金属は、触媒基準かつ酸化物
換算で1〜10質量%の範囲の含有量の範囲で含まれる
コバルト及びニッケルの少なくとも一方である。8族金
属の含有量が、1質量%より少ないと充分な脱硫活性が
得られず、また10質量%を超えると、脱硫活性が飽和
し、それ以上の添加効果が見い出せなくなる。更に、必
要に応じて、6族金属及び8族金属からなる活性金属に
加えて、リン、ホウ素、亜鉛、ジルコニア等を含ませる
ことができる。
あることが好ましい。平均細孔径が大きすぎると、細孔
内への硫黄化合物の拡散性は良いものの、触媒の有効表
面積が小さくなるので、脱硫活性が低下する。
油留分は、更に水素化処理工程で水素化処理される。水
素化処理工程の反応条件は、圧力(水素分圧)が3〜8
MPaの範囲、好ましくは4〜7MPaの範囲、反応温
度が200〜360℃の範囲、好ましくは250〜35
0℃の範囲、液空間速度が1.0〜5.0hr-1の範
囲、好ましくは1.0〜3.0hr-1の範囲、水素/オ
イル比が100〜400L/Lの範囲、好ましくは20
0〜300L/Lの範囲にある。
と、水素化反応が十分に行われないのみならず、セタン
価の向上が見られず、色相も悪化し、逆に8MPaを超
えると、設備の耐圧を高くすために設備費と運転費が嵩
み、不経済になる。反応温度が200℃未満であると、
触媒の水素化活性が低く、360℃を超えると、水素化
活性が飽和するために温度を上げても水素化処理効果が
向上しないばかりでなく、生成油の色相が却って悪化
し、しかも設備費と運転費が嵩む。液空間速度が5.0
hr-1を超えると、触媒と原料油の接触時間が短くなり
すぎ、水素化反応が十分に行われず、1.0hr-1未満
では必要以上に接触時間が長くなりすぎ、処理効率が低
下する。水素/オイル比が100L/L未満であると、
十分な水素化反応が得られず、逆に400を超えると、
過剰の水素を消費することになるので処理コストが増大
し不経済である。
担体として種々のものが使用できる例えば、担体とし
て、シリカ、アルミナ、ボリア、マグネシア、チタニ
ア、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−
ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリ
カ−チタニア、シリカ−ボリア、アルミナ−ジルコニ
ア、アルミナ−チタニア、アルミナ−ボリア、アルミナ
−クロミア、チタニア−ジルコニア、シリカ−アルミナ
−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−ア
ルミナ−マグネシア、シリカ−マグネシア−ジルコニア
などの無機酸化物、またはこれらの2種以上の混合物が
挙げられる。これらの無機酸化物のうち、好ましいもの
としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ−ボ
リア、アルミナ−ジルコニアが挙げられ、特に好ましい
ものとしては、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ
−チタニア、アルミア−ボリア、アルミナ−ジルコニア
が挙げられ、特に好ましくはγ−アルミナが挙げられ
る。これらの無機酸化物は、1種類単独で用いてもよい
し、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
有させる水素化活性金属は、白金、ロジウム、ルテニウ
ム等が使用でき、それらの1種以上を併用しても差し支
えない。これらの水素化活性金属の含有量は0.1から
3質量%とするのが良い。0.1質量%未満とすると、
水素化活性が充分でなく、逆に3質量%を超えると、担
持量を増やしても水素化活性の向上が期待できない。ま
た、上記の活性金属に代えてニッケル及びタングステン
を使用することもできる。この場合のニッケルの含有量
は1〜10質量%とし、タングステン含有量は0.1〜
5質量%とするのが良い。必要に応じて、これらの活性
金属に加えて、リン、ホウ素、亜鉛、ジルコニア等を含
ませることができる。
高品質化処理法は、特定の沸点範囲の軽油、例えば分解
系軽油留分を特定の条件で水素化脱硫した後、特定の条
件でさらに水素化処理することにより、高いセタン価と
良好なカラーを有し、しかも残留硫黄分の低い軽油留分
として高品質化する方法である。尚、水素化脱硫工程と
水素化処理工程との間には、既知の硫化水素除去装置を
設けて水素化脱硫工程で生じた硫化水素を除去すること
が好ましい。また、本発明方法は、高圧流通式反応器に
固定床式触媒を形成した通常の反応装置を使用し、かつ
比較的マイルドな反応条件で軽油留分を処理できる。よ
って、本発明方法によれば、例えば余剰の分解系軽油を
ディーゼル燃料等の軽油留分に経済的に転化することが
できる。
を参照して、本発明方法の実施の形態を具体的かつ詳細
に説明する。図1は、本発明方法を実施する反応装置の
一例の構成を示す模式図である。図1に示す反応装置1
0は、高圧流通式反応装置であって、水素化脱硫工程を
実施する反応器12と、水素化処理工程を実施する反応
器14とが直列に接続されている。反応器12には、無
機酸化物からなる担体に周期律表6族金属および8族金
属を担持させた水素化脱硫触媒の固定床式触媒層16が
形成され、一方、反応器14には、白金、ロジウム、ル
テニウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属を含
んでなる水素化触媒、又はニッケル及びタングステンを
含んでなる水素化処理触媒の固定床式触媒層18が形成
されている。反応器12と14との間に、反応器12か
ら流出した水素化脱硫生成物の内、硫化水素を取り除く
ための既知の硫化水素除去装置20が設けられている。
また、反応器14の下流には、反応器14の下部から流
出した生成物を生成油とガスに分離するための気液分離
槽22が設けてある。
なる原料油と水素含有ガスとの混合流体は、加熱炉及び
熱交換器等(図示せず)により反応温度まで加熱され
て、反応器12の上部から反応器12に導入される。軽
油留分は、反応器12内で、3〜8MPaの範囲の水素
分圧、220〜380℃の範囲の反応温度、1.0〜
5.0hr-1の範囲の液空間速度及び100〜400L
/Lの範囲の水素/オイル比の反応条件下で固定床式触
媒層16の水素化脱硫触媒に接触して水素化脱硫され
る。
応じて更に水素含有ガスが注入され、また反応温度にま
で加熱又は冷却されて反応器14の上部から反応器14
に導入される。軽油留分は、反応器14内で、3〜8M
Paの範囲の水素分圧、200〜360℃の範囲の反応
温度、1.0〜5.0hr-1の範囲の液空間速度、10
0〜400L/Lの範囲の水素/オイル比の反応条件で
固定床式触媒層18の水素化処理触媒に接触して水素化
処理される。反応器14の下部から流出した生成物は、
気液分離槽20で生成油とガスとに気液分離される。通
常、反応器12と反応器14との間に圧縮機を設ける必
要がないように、水素化処理工程は、水素化脱硫工程の
運転圧力より多少低い運転圧力で運転される。尚、図1
は本発明方法を適用する高圧流通式反応装置の構成を示
す模式図であって、加熱炉、熱交換器等の本発明方法と
直接関連しない機器は省略されている。
以下に示す性状の沸点範囲160〜320℃の分解系軽
油を原料にして、図1に示す高圧流通式反応装置10と
同じ構成の実験装置によって本発明に係る水素化脱硫処
理工程及び水素化処理工程を実施した。
W/Al2 O3 触媒(CoO:MoO3 :WO3 =5:
25:3.8(質量%))を、及び水素化処理触媒とし
てPt/Al2 O3 触媒(Pt=1質量%)をそれぞれ
図1の高圧流通式反応装置10の反応器12及び反応器
14に充填して、固定床式触媒層16及び固定床式触媒
層18を形成し、それぞれ触媒に下記の前処理条件で前
処理を施した。尚、この時に使用したCo−Mo−W/
Al2 O3 触媒の平均細孔径は82Åであった。
含有ガスとの混合流体を反応器12の上部より反応器1
2に導入して、以下の条件で水素化脱硫工程を実施し
た。更に、水素化脱硫工程を経た軽油留分とガスの混合
流体を更に反応器14の上部から反応器14に導入し、
以下の条件で水素化処理工程を実施し、生成油とガスの
混合流体を反応器12の下部より流出させ、気液分離器
20で生成油を分離した。
水素化処理工程を経た生成油の組成及び性状は、それぞ
れ表1及び表2に示す通りである。表2では、カラー
は、セイボルト色で表示されている。表2において、硫
黄分が低く、セタン価の数値が高く、カラーの数値が大
きいほど、ディーゼル燃料のブレンド基材として好まし
いと評価できる。
0〜330℃の分解系軽油を原料としたこと以外は、実
施例1と同じ条件で水素化脱硫工程及び水素化処理工程
を実施した。水素化脱硫工程を経た生成油及び水素化処
理工程を経た生成油の組成及び性状は、それぞれ表1及
び表2に示す通りである。尚、以下の実施例3から実施
例12及び比較例1から比較例4の水素化脱硫工程を経
た生成油及び水素化処理工程を経た生成油の組成及び性
状は、実施例2と同様に、それぞれ表1及び表2に示さ
れる。
0〜340℃の分解系軽油を原料としたこと以外は、実
施例1と同じ条件で水素化脱硫工程及び水素化処理工程
を実施した。
て250℃としたこと以外は、実施例1と同じ分解系軽
油に実施例1と同じ条件で水素化脱硫工程及び水素化処
理工程を実施した。実施例5 水素化脱硫工程の圧力(水素分圧)及び水素/オイル比
を実施例1の5MPa及び200L/Lに代えてそれぞ
れ6MPa及び100L/Lとしたこと以外は、実施例
1と同じ分解系軽油に実施例1と同じ条件で水素化脱硫
工程及び水素化処理工程を実施した。実施例6 水素化脱硫工程の反応温度及び液空間速度を実施例1の
300℃及び1.5hr-1に代えてそれぞれ350℃及
び4.0hr-1としたこと以外は、実施例1と同じ分解
系軽油に実施例1と同じ条件で水素化脱硫工程及び水素
化処理工程を実施した。
a(即ち、実施例1と同じ圧力)に代えて6MPaとし
たこと以外は、実施例2と同じ分解系軽油に実施例2と
同じ条件(即ち、実施例1と同じ条件)で水素化脱硫工
程及び水素化処理工程を実施した。
a(即ち、実施例1と同じ圧力)に代えて7MPaとし
たこと以外は、実施例3と同じ分解系軽油に実施例3と
同じ条件(即ち、実施例1と同じ条件)で水素化脱硫工
程及び水素化処理工程を実施した。
−W/Al2 O3 (CoO:MoO3 :WO3 =5:2
5:3.8(質量%))に代えてCo−Mo/Al2 O
3 (CoO:MoO3 =5:20(質量%))としたこ
と以外は、実施例1と同じ分解系軽油に実施例1と同じ
条件で水素化脱硫工程及び水素化処理工程を実施した。
−W/Al2 O3 (CoO:MoO3 :WO3 =5:2
5:3.8(質量%))(即ち、実施例1と同じ触媒)
に代えてCo−Mo/Al2 O3 (CoO:MoO3 =
5:20(質量%))としたこと以外は、実施例2と同
じ分解系軽油に実施例2と同じ条件(即ち、実施例1と
同じ条件)で水素化脱硫工程及び水素化処理工程を実施
した。
−W/Al2 O3 (CoO:MoO3 :WO3 =5:2
5:3.8(質量%))(即ち、実施例1と同じ触媒)
に代えてCo−Mo/Al2 O3 (CoO:MoO3 =
5:20(質量%))としたこと以外は、実施例3と同
じ分解系軽油に実施例3と同じ条件(即ち、実施例1と
同じ条件)で水素化脱硫工程及び水素化処理工程を実施
した。
2 O3 (Pt=1質量%)に代えてNi−W/Al2 O
3 (NiO:WO3 =5:20(質量%))とし、水素
化処理工程の反応温度を実施例1の300℃に代えて3
60℃としたこと以外は、実施例1と同じ分解系軽油に
実施例1と同じ条件で水素化脱硫工程及び水素化処理工
程を実施した。
aに代えて3MPaとしたこと以外は、実施例1と同じ
分解系軽油に実施例1と同じ条件で水素化脱硫工程及び
水素化処理工程を実施した。
0〜360℃の分解系軽油を原料とし、水素化脱硫処理
に使用した触媒を実施例1のCo−Mo−W/Al2 O
3 (CoO:MoO3 :WO3 =5:25:3.8(質
量%))に代えてCo−Mo/Al2 O3 (CoO:M
oO3 =3:15(質量%))としたこと以外は実施例
1と同様の方法で行った。
解系軽油を原料とし、水素化脱硫工程で使用した触媒を
実施例1のCo−Mo−W/Al2 O3 (CoO:Mo
O3 :WO3 =5:25:3.8(質量%))に代えて
Co−Mo/Al2 O3 (CoO:MoO3 =3:15
(質量%))にしたこと以外は、実施例1と同じ条件
で、水素化脱硫工程及び水素化処理工程を実施した。
を原料とし、水素化脱硫処理に使用した触媒を実施例1
のCo−Mo−W/Al2 O3 (CoO:MoO3 :W
O3 =5:25:3.8(質量%))に代えてCo−M
o/Al2 O3(CoO:MoO3 =3:15(質量
%))とし、水素化脱硫処理の反応温度を実施例1の3
00℃に代えて390℃としたこと以外は、実施例1と
同じ条件で水素化脱硫工程及び水素化処理工程を実施し
た。
系軽油を原料としたこと以外は、実施例1と同じ条件で
水素化脱硫工程及び水素化処理工程を実施した。
条件の下で所定の分解系軽油を処理した実施例1から実
施例13は、残留硫黄分が0.4質量%以下で、セタン
価が高く、カラーが優れている軽油留分に分解系軽油を
転化することができる。
360℃で本発明で規定している沸点範囲160〜34
0℃の上限より上限が高い比較例1は、本発明方法で規
定する沸点範囲内の原料油を処理した実施例1〜13に
比べて、セタン価及びカラーが遙に劣り、また比較例1
の芳香族化合物の含量は実施例1〜13に比べて遙に多
い。また、沸点範囲が140〜360℃で本発明で規定
している沸点範囲の下限より下限が低い比較例2は、実
施例1〜13に比べて、セタン価及びカラーが遙に劣
る。また、水素化脱硫工程の反応温度が390℃で本発
明で規定する反応温度の範囲を超えている比較例3は、
本発明方法で規定する水素化脱硫工程の反応温度の範囲
220〜380で処理した実施例1〜13に比べて、特
にカラーが著しく劣っている。更に、沸点範囲が160
〜360℃で本発明で規定している沸点範囲の上限より
上限が高い比較例4は、実施例1〜13に比べて、カラ
ーが著しく劣り、また比較例1の芳香族化合物の含量は
実施例1〜13に比べて遙に多い。
によれば、特別な分離装置や反応器を必要とせず、通常
の反応装置を用いて、比較的マイルドな処理条件で特定
の沸点範囲の軽油を特定の条件で処理することにより、
セタン価が高く、色相に優れ、しかも硫黄含有量の少な
い高品質な軽油留分を得ることができる。これにより、
余剰の分解系軽油を活用して、不足するディーゼル燃料
を経済的に製造することができる。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 3〜8MPaの範囲の水素分圧、220
〜380℃の範囲の反応温度、1.0〜5.0hr-1の
範囲の液空間速度及び100〜400L/Lの範囲の水
素/オイル比の反応条件下で無機酸化物からなる担体に
周期律表6族金属および8族金属を担持させた脱硫触媒
と沸点範囲160〜340℃の軽油留分とを接触反応さ
せて軽油留分を水素化脱硫する脱硫工程と、 白金、ロジウム、ルテニウムから選ばれた少なくとも1
種類以上の金属を含んでなる水素化触媒、又はニッケル
及びタングステンを含んでなる水素化触媒の存在下で3
〜8MPaの範囲の水素分圧、200〜360℃の範囲
の反応温度、1.0〜5.0hr-1の範囲の液空間速
度、100〜400L/Lの範囲の水素/オイル比の反
応条件で前記水素化脱硫工程を得た軽油留分を水素化処
理する水素化処理工程とを備えていることを特徴とする
軽油の高品質化処理法。 - 【請求項2】 前記軽油留分が、接触分解軽油、熱分解
軽油、直留軽油、水素化処理軽油及び脱硫処理軽油のう
ちの少なくとも1種類以上からなり、かつ軽油留分の硫
黄含有量が1質量%以下であることを特徴とする請求項
1記載の軽油の高品質化処理法。 - 【請求項3】 前記脱硫工程において、前記周期律表6
族金属が、触媒基準かつ酸化物換算で10〜25質量%
の範囲の含有量で含まれるモリブデン、又は触媒基準か
つ酸化物換算で0.1〜5質量%の範囲の含有量で含ま
れるタングステンのいずれかであり、かつ前記周期律表
8族金属が、触媒基準かつ酸化物換算で1〜10質量%
の範囲の含有量で含まれるコバルト及びニッケルの少な
くとも一方である、脱硫触媒を用いることを特徴とする
請求項1又は2に記載の軽油の高品質化処理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35160795A JP3634041B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 軽油の高品質化処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35160795A JP3634041B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 軽油の高品質化処理法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09176661A true JPH09176661A (ja) | 1997-07-08 |
JP3634041B2 JP3634041B2 (ja) | 2005-03-30 |
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ID=18418419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35160795A Expired - Fee Related JP3634041B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 軽油の高品質化処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3634041B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003531274A (ja) * | 2000-04-20 | 2003-10-21 | エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー | 低硫黄留出物の製造 |
JP4543348B2 (ja) * | 1998-05-07 | 2010-09-15 | イエフペ | ケイ素および場合によってはホウ素を含む第viii族の貴金属をベースとする触媒、並びに炭化水素仕込原料の水素化処理におけるその使用法 |
JP4759138B2 (ja) * | 1998-08-18 | 2011-08-31 | エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー | 安定性に優れたフィッシャー−トロプシュ・ディーゼル燃料の製造方法 |
JP2012514072A (ja) * | 2008-12-24 | 2012-06-21 | エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー | ディーゼルバイオ原料および重質油の共処理 |
-
1995
- 1995-12-26 JP JP35160795A patent/JP3634041B2/ja not_active Expired - Fee Related
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