JPH09174750A - 防曇性フィルム - Google Patents
防曇性フィルムInfo
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- JPH09174750A JPH09174750A JP8284093A JP28409396A JPH09174750A JP H09174750 A JPH09174750 A JP H09174750A JP 8284093 A JP8284093 A JP 8284093A JP 28409396 A JP28409396 A JP 28409396A JP H09174750 A JPH09174750 A JP H09174750A
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Abstract
と。 【解決手段】 親水性樹脂からなるフィルム層(A
層)、無機物コロイドからなるフィルム層(B層)およ
び熱可塑性樹脂基材フィルム層(C層)よりなる多層フ
ィルムであって、C層の片面または両面に、A層とB層
を有し、かつA層が最表層に配されてなる防曇性フィル
ム。
Description
性に優れた防曇性フィルムに関するものである。
覆する透明性材料として樹脂材料、無機ガラス等が用い
られている。しかしながら、透明性材料の表面温度がそ
の環境の露点以下となる場合、結露を生じ表面が曇る現
象が生じる。表面が曇ると、材料の透明性が失われ、太
陽光の透過率が低下して作物の生育が遅れるなどの悪影
響があり、また、付着した水滴が作物上に落下して病気
が発生するなどの問題があった。また、ハウス、トンネ
ル内で作業する人に対しても衣服が濡れてしまうといっ
た不快感を与えていた。この対策として樹脂材料の場合
には、あらかじめ樹脂中に界面活性剤を添加しておき、
そのブリードによって防曇性を発揮させる方法が一般に
用いられている。また、防曇性被膜をフィルム上にコー
ティングして防曇性を付与する方法も試みられている。
添加する方法では、フィルムの表面へブリードした界面
活性剤が、付着水によって洗い流されれば、添加した界
面活性剤が有効に利用されず、結果として防曇性の持続
性において問題がある。特に、夏期などには、フィルム
が高温下に暴露されるので、フィルム中の界面活性剤の
ブリードが促進されるため、約2年以上効果を持続させ
るのには問題がある。また、従来試みられている防曇性
被膜をフィルム上にコーティングする方法では、塗膜と
基材フィルムが剥がれやすいため、使用中に防曇性が失
われたり、コーティング後のフィルムをハウスに展張す
る際に塗膜が傷つきやすく、傷による白化により透明性
が低下し、太陽光の透過率が減少したり、被膜が剥離し
て防曇性が低下したりする問題がある。本発明は、長期
間の防曇性を有することにより、農業用ハウスやトンネ
ルの被覆用フィルムとして好適に用いられる防曇性フィ
ルムを提供しようとするものである。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至っ
た。すなわち、本発明は、親水性樹脂からなるフィルム
層(A層)、無機物コロイドからなるフィルム層(B
層)および熱可塑性樹脂基材フィルム層(C層)よりな
る多層フィルムであって、C層の片面または両面に、A
層とB層を有し、かつA層が最表層に配されてなる防曇
性フィルムを提供するものである。
本発明で用いる無機物コロイドとは、分散媒中で、コロ
イド状に分散しうる無機化合物である。かかる分散媒と
しては、例えば、水、メチルアルコール、イソプロピル
アルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、エチレングリコール、キシレンなどが挙げられ、
水、アルコール等の極性分散媒が好ましく、環境問題、
設備等の点で、水が特に好ましい。
酸化物コロイド、水酸化物コロイド、炭酸塩コロイド、
硫酸塩コロイドなどが挙げられるが、得られる防曇性フ
ィルムの透明性を保持するために可視光線の波長より微
細な粒子径分布をもつものが好ましい。金属コロイドと
しては、金、パラジウム、白金、銀、イオウなどが例示
され、酸化物コロイド、水酸化物コロイド、炭酸塩コロ
イド、硫酸塩コロイドとしては、珪素、アルミニウム、
亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、
ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケル、スズなどの金
属の酸化物コロイド、水酸化物コロイド、炭酸塩コロイ
ド、硫酸塩コロイドが例示される。特に、アルミニウ
ム、珪素の酸化物コロイドまたは水酸化物コロイドがよ
り好ましく用いられる。コロイドの大きさとしては通
常、5〜200nmのものが用いられる。無機物コロイ
ドは、例えば、Gypsum & Lime(No.211,P46(1987)) に記
載の方法により製造することができる。
層(B層)の厚みは、防曇性、透明性などの観点から重
量厚みが0.01〜10g/m2 であることが好まし
い。無機コロイド分散液をコーティングにより形成する
場合は、乾燥後の重量厚みが0.01〜10g/m2 と
なるように、コーティング液量を調節すればよい。B層
の厚みが薄すぎると、A層との接着強度が不十分であ
り、厚すぎると得られる防曇性フィルムの透明性が悪化
する。重量厚みは、0.02〜2g/m2 がより好まし
く、0.05〜0.5g/m 2 が更に好ましい。
範囲で他の成分例えば、以下に示すような各種界面活性
剤、有機系電解質、各種バインダーなどを含むことがで
きる。界面活性剤とは、特には限定されないが、例えば
カプリル酸ナトリウム、カプリル酸カリウム、デカン酸
ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナト
リウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸テトラメチ
ルアンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ベヘン酸カ
リウムなどの炭素数6以上24以下のアルキル鎖を有す
るカルボン酸の金属塩またはアンモニウム塩、オクチル
スルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸アンモニウムなどの炭素数6以上2
4以下のアルキル鎖を有するスルホン酸の金属塩または
アンモニウム塩、炭素数6以上24以下のアルキル鎖を
有するリン酸エステルの金属塩またはアンモニウム塩、
炭素数6以上24以下のアルキル鎖を有するホウ酸エス
テルの金属塩またはアンモニウム塩、パーフルオロデカ
ン酸ナトリウム、パーフルオロオクチルスルホン酸ナト
リウムなどのフッ素系アニオン性界面活性剤、ポリジメ
チルシロキサン基とカルボン酸金属塩などに陰イオン性
基を有するシリコン系アニオン性界面活性剤などがあげ
られ、特に、炭素数6以上10以下のアルキル鎖を有す
るカルボン酸のアルカリ金属塩が好ましい。界面活性剤
の配合量は、分散媒100重量部に対し、通常、0.0
01〜1重量部の範囲であり、0.005〜0.5重量
部が好ましく、0.01〜0.2重量部が良好な塗布性
を発現させる上でより好ましい。
する有機化合物のうちで界面活性剤でないものであり、
例えば、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、ベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ブチルスルホン酸カリウム、フ
ェニルホスフィン酸ナトリウム、ジエチルリン酸ナトリ
ウムなどが挙げられ、特に、ベンゼンスルホン酸誘導体
が好ましい。有機系電解質の配合量は、分散媒100重
量部に対し、通常、0.0001〜0.1重量部の範囲
であり、0.0001〜0.01重量部が好ましく、
0.001〜0.005重量部がより好ましい。上記無
機コロイド分散液には、コーティング性を改良する目的
で、各種粘土鉱物、特に分散媒中で層状に膨潤しチキソ
トロピー性を発揮する無機層状化合物類を添加すること
も可能である。
よい熱可塑性樹脂などが用いられる。かかる熱可塑性樹
脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
系樹脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化
ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、不
飽和ポリエステル系樹脂等が挙げられが、特にアクリル
系樹脂が好適である。
は、分子中に親水性の強い極性基を有するものであれば
特に限定はされない。親水性樹脂の極性基分率は、25
〜70%であるものが好ましく用いられる。親水性樹脂
としては、例えば、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、
メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、多糖類および変性
多糖類などが挙げられるが、特に水溶性である多糖類や
ポリビニルアルコールが好ましく使用される。ここで極
性基とは、水素結合性基および/又はイオン性基のこと
であり、極性基の割合は、樹脂の単位重量当りの水素結
合性基および/又はイオン性基(これらの基を2種以上
有する場合には、それらの合計)の重量百分率が、25
%〜70%程度、好ましくは、30%〜50%程度であ
る。ここで、水素結合性基とは、炭素以外の原子(ヘテ
ロ原子)に直接結合した水素を少なくとも1個有する基
をいう。この水素結合性基としては、例えば、水酸基、
アミノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン基、
リン酸基等が挙げられる。一方、イオン性基とは、水中
において水分子の水和が可能な程度に局在化した正また
は負の少なくとも一方の電荷を有する基をいう。このよ
うなイオン性基としては、カルボキシレート基、スルホ
ン酸イオン基、燐酸イオン基、アンモニウム基、ホスホ
ニウム基等が挙げられる。水素結合性基またはイオン性
基としては、上記した中でも、水酸基、アミノ基、カル
ボキシル基、スルホン酸基、カルボキシレート基、スル
ホン酸イオン基、アンモニウム基等が更に好ましい。こ
れらの水素結合性基ないしイオン性基の含有量は、例え
ば、核磁気共鳴(NMR)の手法( 1H−NMR、13C
−NMR等)によって、好適に測定することができる。
極性基を有する限り特に制限されないが、その好ましい
ものとして、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール
分率が41モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共
重合体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミロー
ス、アミロペクチン、プルラン、カードラン、ザンタ
ン、キチン、キトサン、セルロース等の多糖類;ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリベンゼンス
ルホン酸、ポリベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエ
チレンイミン、ポリアリルアミン、そのアンモニウム
塩、ポリビニルチオール、ポリグリセリン等が挙げられ
る。本発明においては、上記した親水性樹脂として、ポ
リビニルアルコール、および/又は多糖類(ないしその
誘導体)を用いることが更に好ましい。なお、理想的な
ポリビニルアルコール〔−(CH2 CHOH)n−〕の
場合、上記した水素結合性基たるOH基の重量百分率
は、(17/44)×100=約39%となる。本発明
に用いられるポリビニルアルコールは、ビニルアルコー
ルのモノマー単位を主成分として有するポリマーであ
る。このような「ポリビニルアルコール」としては、例
えば、酢酸ビニル重合体の酢酸エステル部分を加水分解
ないしエステル交換(けん化)して得られるポリマー
(正確にはビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体と
なったもの)や、トリフルオロ酢酸ビニル重合体、ギ酸
ビニル重合体、ピバリン酸ビニル重合体、t−ブチルビ
ニルエーテル重合体、トリメチルシリルビニルエーテル
重合体等をけん化して得られるポリマーが挙げられる
(「ポリビニルアルコール」の詳細については、例え
ば、ポバール会編、「PVAの世界」、1992年、
(株)高分子刊行会;長野ら、「ポバール」、1981
年、(株)高分子刊行会を参照することができる)。ポ
リビニルアルコールにおける「けん化」の程度は、モル
百分率で50%以上が好ましく、更には70%以上のも
のが好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合
度は、100以上10000以下(更には、250以上
3000以下)が好ましい。平均重合度が小さい場合は
耐久性、耐水性が低下する傾向が見られ、ケン化度が低
い場合には耐水性および防曇性能が低下する傾向が見ら
れる。また、ポリビニルアルコールは単独で用いてもよ
いし、2種類以上を混合して用いてもよい。またポリビ
ニルアルコール誘導体も使用でき、水酸基以外の官能基
として例えば、アミノ基、チオール基、カルボキシル
基、スルホン基、リン酸基、カルボキシレート基、スル
ホン酸イオン基、燐酸イオン基、アンモニウム基、ホス
ホニウム基、シリル基、シロキサン基、アルキル基、ア
リル基、フルオロアルキル基、アルコシキ基、カルボニ
ル基、ハロゲン基、等を一部有していてもよい。
曇性フィルムの防曇性、耐傷性の観点から、重量厚みで
0.01g/m2 以上が好ましく、ブロッキング性の観
点から、10g/m2 以下が好ましい。重量厚みが、
0.02〜2g/m2 がより好ましく、0.05〜0.
5g/m 2 がさらに好ましい。また、親水性樹脂水溶液
等をコーティングして形成する場合には、乾燥後の重量
厚みが0.01〜10g/m2 となるように、コーティ
ング液量を調節すればよい。
なわない範囲で防腐剤、界面活性剤等を含むことができ
る。本発明において、A層の厚み(d1)、に対するB層
の厚み(d2)の比(d2 /d1)は、通常、0.1〜10
の範囲である。d2 /d1 が小さすぎると、A層とB層
との接着強度が不十分であり、またA層の耐ブロッキン
グ性が不十分である。d2 /d1 が、大きすぎると、得
られる防曇性フィルムの透明性や耐傷性が不十分であ
る。d2 /d1 は、0.3〜5が好ましく、0.5〜3
がさらに好ましい。
塑性樹脂をフィルム状に成形加工したものが用いられ
る。ここでいう熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン
系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−メチルメタクリ
レート共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レートなどのポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂などが
好ましく用いられる。上記ポリオレフィン系樹脂として
は、α−オレフィンの単独重合体、α−オレフィンを主
成分とする異種単量体との共重合体であり、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エ
チレン−ヘキセン共重合体などのエチレン−α−オレフ
ィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリ
レート共重合体、アイオノマー樹脂などを挙げることが
できる。これらポリオレフィン系樹脂の中では、密度が
0.935g/cm3 以下の低密度ポリエチレンやエチ
レン−α−オレフィン共重合体、および酢酸ビニル含有
量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が
透明性や柔軟性に優れ、かつ安価なフィルムが得られる
点で特に好ましい。
候性を付与するために種々の無機化合物を含有させても
よい。例えば、一般式(1) Li+ (Al3+)2 (OH- ) 6 ・(An-)1/n ・mH2 O (1) (式中、An-は、n価陰イオンを示し、mは、式:0
≦ m ≦ 3の条件を満たす。)で示される無機化合
物を含有させることができる。かかる無機化合物(1)
は、例えば特開平5−179052号公報に記載の方法
で合成することができる。上記一般式(1)において、
An-で示されるn価のアニオンとしては特に限定されな
いが、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、NO3 - ClO
4 - SO4 2- 、CO3 2- 、SiO3 2- 、HPO4 2- 、H
BO4 4- 、PO4 3- 、Fe(CN)4 3- 、Fe(CN)
4 4- 、CH3 COO- 、C6 H4 (OH)COO- 、
(COO)2 2 - テレフタル酸イオン、p−ヒドロキシ安
息香酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン等のアニオ
ンが挙げられる。
ことができる無機化合物としては、例えば、珪酸化合
物、アルミノ珪酸化合物、アルミン酸化合物、ハイドロ
タルサイト類等が挙げられる。珪酸化合物としては、例
えば、酸化珪素、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、
珪酸アルミニウム、珪酸チタンなど、アルミノ珪酸化合
物としては、例えば、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミ
ノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウムなど、アルミ
ン酸化合物としては、例えば、アルミナ、アルミン酸ナ
トリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム
などが挙げられる。。また、ハイドロタルサイト類とし
ては、下記一般式(2) M2+ 1-X AlX (OH- )2 (An'- )X/n ・m' H2
O (式中、M2+はマグネシウム、カルシウムおよび亜鉛よ
りなる群から選ばれた2価金属イオンを示し、An'- は
n’価のアニオンを示し、xおよびm' は次の条件、0
<x<0.5、0≦m' ≦2を満足する。)で示される
化合物であり、具体的には、天然ハイドロタルサイトM
g0.75Al0. 25(OH)2(CO3)0.125 ・0.5 H2 O
や、合成ハイドロタルサイトMg0.69Al0.31(OH)
2(CO3)0.15・0.54H2 Oなどが挙げられる。上記無機
化合物の中でも、透明性の観点から、無機化合物(1)
およびハイドロタルサイト類が好ましい。
候性、透明性などの観点から、熱可塑性樹脂100重量
部に対して通常、0.03〜25重量部、好ましくは1
〜15重量部である。無機化合物の平均粒子径は通常、
5μm以下、好ましくは0.05〜2μmである。また
フィルムに対する分散性を向上させるため無機化合物を
高級脂肪酸、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等による表面
処理を施した後、使用してもよい。
に、C層にヒンダードアミン系化合物や紫外線吸収剤を
含有させてもよい。かかるヒンダードアミン系化合物
は、4−位に置換基を有する2,2,6,6−テトラア
ルキルピペリジン誘導体であり、その4−位の置換基と
しては、例えばカルボン酸残基、アルコキシ基、アルキ
ルアミノ基等が挙げられる。またN−位にはアルキル基
が置換していてもよい。これらヒンダードアミン系化合
物の含有量は熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.
02〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
また、これらのヒンダードアミン系化合物は単独で用い
てもよいし、2種類以上を併用することもできる。
紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベ
ンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外
線吸収剤等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤の含有
量は熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜5
重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。またこ
れらの紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、2種類以
上を併用することもできる。
できる。かかる防曇剤には室温で固体状のものと液体状
のものがある。固体状の防曇剤としては非イオン性界面
活性剤、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビ
タンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネートなど
のソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、グリセリン
モノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセ
リンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、
トリグリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸
エステル系界面活性剤、ポリエチレングリコールモノパ
ルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート
等のポリエチレングリコール系界面活性剤、アルキルフ
ェノールのアルキレンオキシド付加物、ソルビタン/グ
リセリン縮合物と有機酸とのエステル等が挙げられる。
室温で液体状の防曇剤としては、例えば、グリセリンモ
ノオレエート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセ
リンセスキオレエート、テトラグリセリンモノオレエー
ト、ヘキサグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリ
ンペンタオレエート、テトラグリセリントリオレエー
ト、テトラグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリ
ンモノラウレート等のグリセリン系脂肪酸エステルが、
また、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエ
ート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン系脂肪
酸エステルが挙げられる。これら液体状の防曇剤は、フ
ィルム保管時などに防曇剤がフィルム表面にブリードア
ウトしてフィルムの製造初期の透明性が損なわれるとい
う現象を回避することができる。固体状および液体状の
防曇剤の含有量は、通常、熱可塑性樹脂100重量部に
対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜3
重量部である。
防霧剤を含有させることができる。かかる防霧剤として
は、パーフルオロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアル
キル基等を有するフッ素化合物(特にフッ素系界面活性
剤)、アルキルシロキサン基を有するシリコン系化合物
(特にシリコン系界面活性剤)等が挙げられる。フッ素
系界面活性剤の具体例としてはユニダインDS−40
3、DS−406、DS−401(いずれもダイキン工
業製)が挙げられる。防霧剤の含有量は、通常、熱可塑
性樹脂100重量部に対して、0.001〜1重量部、
好ましくは0.01〜0.3重量部である。
に使用されている各種安定剤(例えばニッケル化合物等
の光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等)、界面活性
剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、難燃剤等の添加剤を添加
することができる(「ポリマー添加剤の分離・分析技術
および別冊」(田中ら、日本科学情報(株)出版、19
87年)、「プラスチックおよびゴム用添加剤実用便
覧」(後藤ら、(株)化学工業出版、1970年)参
照)。また、各添加剤は単独で用いてもよいし、2種類
以上を併用することもできる。
に成形してC層を得る方法としては、通常の成形方法、
例えば、インフレーション成形、Tダイ成形などが挙げ
られる。ここで用いる熱可塑性樹脂は1種又は数種の樹
脂をブレンドして用いてもよく、またフィルムは単層で
も多層でもよい。多層の場合は、目的に応じていろいろ
な組合せで成形して用いることができる。熱可塑性樹脂
フィルムの厚みは、力学的強度や透明性、柔軟性など目
的に応じて適宜選択できるが、通常10〜400μm、
好ましくは、30〜300μmである。
低い場合が多いため、B層を直接C層に積層する場合に
は、C層の積層される面を表面処理し、表面張力を高め
ておくことが好ましい。B層をコーティングによって積
層する場合には、無機物コロイド分散液とC層のコーテ
ィング面とのぬれ性をよくし、はじきによる欠陥を無く
すため、表面張力が36dyne/cm以上であることが好ま
しい。表面張力の上限は特には制限されないが通常、6
0dyne/cm程度である。
理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理、UV処理、
EB(電子線照射)処理など、一般的に行なわれている
方法ならばいずれでもよく、処理後のC層の表面張力が
通常、36〜60dyne/cm、好ましくは40〜50dyne
/cmとなる条件で実施するのが好ましい。一般に表面処
理の効果は時間が経つとともに低下するので、表面処理
後はできるだけ速やかにコーティングにより積層するこ
とが望ましい。従って、処理部とコーティング部はイン
ラインで連続であることが好ましい。
法以外に、ぬれ性をよくする目的で、C層表面に予め各
種アンカーコート剤をコーティングした後、B層をコー
ティング等によって積層してもよい。
ついて述べる。本発明の防曇性フィルムの製造法は、各
層をC層に積層させることができる方法であればよく、
例えば、従来から用いられているラミネート法、コーテ
ィング等の方法が挙げられる(参考文献:「コーティン
グ方式」原崎勇次著、1979年、槇書店発行)。
媒中に分散させた分散液、または親水性樹脂を溶媒に溶
解した親水性樹脂溶液を塗布後、乾燥して分散媒または
溶媒を除去し、層を形成させる方法である。コーティン
グには、例えば、グラビア方式、ディッピング方式、ス
プレー方式などのコーティング方式が挙げられる。コー
ティングする場合には、製造効率の観点から、チューブ
状のフィルム基材を用いて、これにコートすることが好
ましい。無機物コロイドの分散液に用いられる分散媒と
しては、前述したものが挙げられる。親水性樹脂を溶解
する溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブ
チルアルコールなどおよびこれらの混合液が挙げられ、
環境問題、設備等の点で、水が特に好ましい。B層をコ
ーティングにより形成する場合には、無機物コロイド分
散液中の無機物コロイドの濃度、および塗布する分散液
の単位面積当たりの量を調節することにより、所定の乾
燥重量厚みとすることができる。分散液の量はコーティ
ングする面積に応じて適宜設定されるが、少なくとも、
均一にコーティングできる量が必要である。
グ性(例えば、分散液のはじき、ムラ等)を改良する目
的で、各種粘土系鉱物、特に、分散媒中で層状に膨潤し
チキソトロピー性を発揮する無機層状化合物類を添加す
ることも可能である。粘土系鉱物としては、シリカの4
面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心
金属にした8面体層を有する2層構造よりなるタイプ
と、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした8
面体層を両側から挟んだ3層構造よりなるタイプに分類
される。前者としてはカオリナイト族、アンチゴライト
族等を挙げることができ、後者としては層間カチオンの
数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイ
カ族等を挙げることができる。具体的には、カオリナイ
ト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチ
ゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリ
ロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナ
トリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タル
ク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑
泥石等をあげることができるが、特にその水分散液がチ
キソトロピックな粘性をもつことを特徴とするスメクタ
イト族、バーミキュライト族が好ましい。無機層状化合
物類の添加量は、通常、分散媒100重量部に対して、
0.005〜3重量部、0.01〜0.5重量部が好ま
しく、0.01〜0.2重量部がより好ましい。
は、親水性樹脂溶液中の親水性樹脂の濃度、および塗布
する親水性樹脂溶液の単位面積当たりの量を調節するこ
とにより、所定の乾燥重量厚みとすることができる。親
水性樹脂溶液の量はコーティングする面積に応じて適宜
設定されるが、少なくとも、均一にコーティングできる
量が必要である。親水性樹脂溶液中には、コーティング
性を改良させるために、界面活性剤を添加してもよい。
また、A層の強度を高めたり、ブロッキングを防止する
目的でシリカなどの無機化合物を添加してもよい。
の形成を促進することが好ましい。乾燥が十分でない状
態で巻き取り等により製造した防曇性フィルムを重ねる
と、A層どうしが接着して、使用時に防曇性フィルムど
うしを剥がす際に、A層がB層から剥離し好ましくな
い。
は、C層の片面または両面に、A層とB層を有し、A層
が、最表層であればよく、各層の間に他の層(例えば、
アンカーコート層、接着層等)が存在していてもよく、
例えば、図1に示すような各種構成となるように層を組
合わせることができる。
外張りとして使用する場合、ハウス内への光を効率よく
取り込むために、透明性がよい方が好ましい。透明性の
尺度としては、一般に、フィルムの全光線透過率および
ヘイズ値(拡散光率)が、用いられ、全光線透過率が高
く、ヘイズ値が小さい方がフィルムの透明性がよい。従
って、本発明の防曇性フィルムを農業用ハウスの外張り
として使用する場合は、全光線透過率が80%以上、好
ましくは、90%以上、また、ヘイズ値は40%以下、
好ましくは、25%以下のものを使用することが好まし
い。
樹脂基材フィルム層(C層)の片面または両面に、親水
性樹脂からなるフィルム層(A層)と無機物コロイドか
らなるフィルム層(B層)を有し、かつA層を最表層に
配することにより、基材であるC層と各層の接着が、吸
水による膨潤などの影響を受けることなく長期に安定し
たものとなる。最表層にA層を形成することにより、吸
水ぬれによる優れた初期防曇性と、摩擦に強い耐傷性を
付与することができる。また、B層が下地になってアン
カー効果を発揮するため、A層の剥離を抑えることがで
き、耐久性が向上する。たとえ、A層が付着水とともに
一部が流去することがあっても、下地に残ったB層の極
性と粗面効果によるぬれ性により防曇性を損うことはな
い。また、本発明の防曇性フィルムは、優れた耐熱防曇
性をも発揮する。C層にコロナ処理してから無機コロイ
ド分散液を塗布すれば、C層の表面張力が高いため、分
散液のコーティング性が良好となり、ムラなく均一に塗
布することが容易となる。また、乾燥後の塗布膜の接着
強度も高くなる。本発明の防曇性フィルムは、例えば、
農業用ハウスの外張りとして用いた時、A層を農業用ハ
ウスの内側となるように展張することにより、多湿条件
下でもフィルム内面が水滴で曇ったり、水滴がボタ落ち
して作物を痛めることがない。また、流滴が速やかであ
るためフィルムの乾燥が速く湿度が低くなり、作物の病
気の発生を抑えることができる。さらに、本発明の防曇
性フィルムに防霧剤が添加されれば、霧の発生を抑える
ことができる。これにより、ハウス内への太陽光の透過
が霧に妨げられることがなく、また、作物への水滴の付
着を防ぎ、病気の発生を抑えることができる。さらに、
本発明において、C層に無機化合物を含有させた場合、
無機化合物がハウス内の熱を吸収して外へ逃さず、後述
する保温性指数65%以上が達成されており、保温性に
おいても優れている。本発明の防曇性フィルムは、農業
用以外にも包装フィルムや窓貼りフィルムなどの用途に
も有効に用いることができる。
れに限定されるものではない。なお、実施例中の試験法
は以下の通りである。 〔塗布性試験〕:マイクログラビア方式(90メッシュ
のマイクログラビアロールを使用)の塗工機を用いて、
ライン速度20m/min.の時の、各液のぬれ性を評価し
た。 ○:全くはじくことなく液がムラなく塗れる。 △:少しはじきがあり、ところどころに「抜け」ができ
る。 ×:完全にはじいてしまい、液がフィルムに付着しな
い。 〔防曇性試験〕:フィルムを縦34×横5cmのアクリ
ル製の枠に両面テープで貼り付け、試験面を下にして、
温度一定の環境試験室内に置いた恒温水槽の上に水平面
に対して15度の傾斜をつけて設置した。この時の、
(環境試験室/恒温水槽)の温度条件は、20℃/40
℃とした。そして1ヶ月後のフィルム面の水滴のようす
を観察し、以下の基準で判定した。 ○:フィルム面が均一に濡れている。 △:部分的に水滴が付着しているところがある。 ×:全体に水滴が付着し、白く曇っている。 〔耐傷性試験〕:コーティング面を上にしたフィルム
に、接触面積10cm2 の金属ロールと布を巻いた治具
を乗せ、540gの荷重をかけておき、フィルム側を前
後10回往復させて摩擦した後のコーティング膜の傷を
観察した。 ○:全く傷つかない。 △:少しスジ状の傷がつく程度。 ×:摩擦部分が全面傷つき白化している。 〔塗膜接着性試験〕:コーティング面にセロテープ(セ
キスイ製、幅1.8mm)をハンドローラーで貼りつ
け、オートグラフ(島津AGS100、ロードセル5k
g)を用いて300mm/min.の速度で90度の方向に剥
離して強度を求めた。 〔保温性試験〕:赤外分光光度計(パーキンエルマー社
製 1640型FTIR)を用いて、赤外吸収率を求
め、保温性の尺度とした。赤外吸収率は、以下に示す輻
射線吸収エネルギーの定義およびその測定方法によって
求めた、すなわち、27℃でのフィルムの輻射線吸収エ
ネルギーを測定し、その時の黒体輻射の吸収エネルギー
を100%として、その比率を求めた。絶対温度300
°Kにおける試料の吸収率をAλ・T とすると試料の輻
射線吸収エネルギーEλ・T は、波長2.5〜30.3
μmの範囲で次式から求められる。
射の強さ分布であり、
おいて赤外分光光度計で測定した試料の赤外吸収スペク
トルから、入射光をJ0 λ、透過光をJλとしたとき、 Aλ・T =1−Jλ/J0 λ から求められる。輻射線吸収エネルギーは、波長2.5
〜30.3μmの範囲で波長の刻みを0.02μmとし
て積分した。なおフィルムの赤外吸収スペクトルは、フ
ーリエ変換式赤外分光光度計(上述)を用いて通常の方
法によって測定した。
オーブンで3分間加熱処理した後、防曇性試験方法に従
って、1日後のフィルム表面の水滴の様子を観察し、以
下の基準で評価した。 ○:フィルム面が均一に濡れている。 △:部分的に水滴が付着しているところがある。 ×:全体に水滴が付着し、白く曇っている。
ーションフィルム(厚み50μm)。 ・無機物コロイド分散液(1):水100重量部に対
し、コロイド状アルミナ3重量部、コロイド状シリカA
0.8重量部、アニオン性界面活性剤としてカプリル酸
ナトリウム0.015重量部、有機系電解質としてp−
トルエンスルホン酸ナトリウム0.002重量部、さら
に無機層状化合物としてスメクトンSAを0.03重量
部加えたものを無機物コロイド分散液(1)とする。 ・親水性樹脂溶液(1):水100重量部に対し、クラ
レ製ポリビニルアルコール「PVA217」を1重量部
加えて、95℃に加熱して溶解したものを親水性樹脂溶
液(1)とする。 コロナ処理:シャーマン製コロナ処理機により、フィル
ム表面をコロナ処理し、表面張力を54dyne/cmとし
た。 コーティング:マイクログラビア方式(90メッシュの
マイクログラビアロールを使用)で上記基材フィルム
(1)上にまず、無機物コロイド分散液(1)を塗布液
量が約8g/m2 になるようにコーティングした。ライ
ン速度は20m/min.、ドライヤーの温度は90℃とし
た。次に、無機物コロイドのコーティング膜が形成され
た上に親水性樹脂溶液(1)を同様にしてコーティング
した。このようにして得られたフィルムを評価した結果
を表1に示す。
コロイド状アルミナ7.5重量部、コロイド状シリカA
2重量部、アニオン性界面活性剤としてカプリル酸ナト
リウム0.0375重量部、有機系電解質としてp−ト
ルエンスルホン酸ナトリウム0.005重量部、さらに
無機層状化合物としてスメクトンSAを0.075重量
部加えたものを無機コロイド分散液(2)とする。 ・親水性樹脂溶液(2):親水性樹脂溶液(1)におい
て、PVA217の代りに、PVA403を用いた以外
は親水性樹脂溶液(1)と同様にした。これを親水性樹
脂液(2)とする。実施例1において、無機コロイド分
散液(1)および親水性樹脂溶液(1)の代りに無機コ
ロイド分散液(2)および親水性樹脂溶液(2)を用い
た以外は全て実施例1と同様に行った。このようにして
得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
て、PVA217の代りに、PVA124を用いて、さ
らにフッ素系界面活性剤「DS202」を0.01重量
%加えたものを親水性樹脂溶液(3)とする。実施例1
において、親水性樹脂液(1)の代りに親水性樹脂溶液
(3)を用いた以外は全て同様に行った。このようにし
て得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
(酢酸ビニル含有量:15重量%、密度:0.94g/
cm3 、MFR:1.1g/10分)100重量部に対
して、無機化合物A16重量部、耐候性付与剤としてヒ
ンダードアミン系化合物A0.35重量部、ヒンダード
アミン系化合物B0.45重量部、酸化防止剤I 0.
1重量%、滑剤0.4重量部を加え、バンバリーミキサ
ーを用いて130℃、5分間混練後、造粒機により造粒
し、組成物ペレットを得た。これを樹脂組成物(1)と
する。次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名
エバテートD2011 住友化学工業 製)100重量
部に対して、ヒンダードアミン系化合物A0.8重量
部、紫外線吸収剤U0.1重量部、酸化防止剤I 0.
1重量部を加え、樹脂組成物(1)と同様にペレットを
得た。これを樹脂組成物(2)とする。樹脂組成物
(1)を中間層に、樹脂組成物(2)を両外層としてイ
ンフレーションフィルム成形機によってフィルム厚み1
00μmのフィルム(中間層60μm、両外層20μ
m)を作製した。これを基材フィルム(2)とする。実
施例1において、基材フィルム(1)の代りに基材フィ
ルム(2)を用いた以外は全て実施例1と同様に行っ
た。このようにして得られたフィルムを評価した結果を
表1に示す。
(1)に、無機化合物Aに代えて無機化合物Bを16重
量部配合した以外は実施例4と同様に行った。これを基
材フィルム(3)とする。実施例1において、基材フィ
ルム(1)の代りに基材フィルム(3)を用いた以外は
全て同様に行った。このようにして得られたフィルムを
評価した結果を表1に示す。
(1)に、無機化合物として無機化合物A2.0重量
部、無機化合物Cを10重量部配合した以外は実施例4
と同様に行った。これを基材フィルム(4)とする。実
施例1において、基材フィルム(1)の代りに基材フィ
ルム(4)を用いた以外は全て同様に行った。このよう
にして得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
ロイド液と親水性樹脂液をコーティングする順序を逆に
した以外は全て同様に行った。このようにして得られた
フィルムを評価した結果を表1に示す。
脂液をコーティングしなかった以外は全て同様に行っ
た。このようにして得られたフィルムを評価した結果を
表1に示す。
(1)の無機化合物Aに代えて無機化合物Dを16重量
部配合した以外は、実施例4と同様にした。これを基材
フィルム(5)とした。実施例1において、基材フィル
ム(1)の代わりに基材フィルム(5)を、親水性樹脂
溶液(1)の代わりに親水性樹脂溶液(2)を用いた以
外は、同様にした。このようにして得られたフィルムを
評価した結果を表1に示す。
て、コロイド状アルミナ9重量部、コロイド状シリカB
2.4重量部、アニオン性界面活性剤としてカプリル酸
ナトリウム0.015重量部、有機系電解質としてp−
トルエンスルホン酸ナトリウム0.002重量部、粘土
系鉱物としてスメクトンSAを0.09重量部加えたも
のを無機コロイド分散液(3)とする。実施例4におい
て無機コロイド分散液(1)に代えて無機コロイド分散
液(3)を、親水性樹脂溶液(1)に代えて親水性樹脂
溶液(2)を用いた以外は、実施例4と同様に行った。
このようにして得られたフィルムを評価した結果を表1
に示す。
(1)の無機化合物Aを12重量部配合したものを樹脂
組成物(3)とする。次に樹脂組成物(2)において用
いる樹脂を低密度ポリエチレン(商品名 スミカセンF
208−0 住友化学工業製)に代えたものを樹脂組成
物(4)とする。樹脂組成物(3)を中間層に、樹脂組
成物(4)を内層に、樹脂組成物(2)を外層にして、
インフレーション成形機により、フィルム厚み100μ
mのインフレーションフィルム(3種3層フィルム、中
間層厚み:65μm、内層厚み:17.5μm、外層厚
み:17.5μm)を作製した。これを基材フィルム
(6)とした。実施例8において、基材フィルム(2)
の代わりに基材フィルム(6)を用いた以外は、全て同
様に行った(コーティングは、樹脂組成物(2)の層上
に行った)。このようにして得られたフィルムを評価し
た結果を表1に示す。
コロイド分散液をコーティングする時のマイクログラビ
アロールを150メッシュとし、塗布液量が約3g/m
2 になるようにコーティングした以外は全て同様に行っ
た。このようにして得られたフィルムを評価した結果を
表1に示す。
コロイド分散液をコーティングする時のマイクログラビ
アロールを30メッシュとし、塗布液量が約15g/m
2になるようにコーティングした以外は全て同様に行っ
た。このようにして得られたフィルムを評価した結果を
表1に示す。
樹脂溶液をコーティングする時のマイクログラビアロー
ルを150メッシュとし、塗布液量が約3g/m2 にな
るようにコーティングした以外は全て同様に行った。こ
のようにして得られたフィルムを評価した結果を表1に
示す。
樹脂溶液をコーティングする時のマイクログラビアロー
ルを30メッシュとし、塗布液量が約15g/m2 にな
るようにコーティングした以外は全て同様に行った。こ
のようにして得られたフィルムを評価した結果を表1に
示す。
リカおよび界面活性剤、有機系電解質、無機層状化合
物、滑剤、無機化合物、ヒンダードアミン系化合物、紫
外線吸収剤、酸化防止剤については下記のものを用い
た。 ・コロイド状アルミナ:日産化学工業(株)製「アルミ
ナゾル520」(分散媒:水、アルミナ粒子含量:20
重量%) ・コロイド状シリカA:日産化学工業(株)製「スノー
テックス20」(分散媒:水、シリカ粒子含量:20重
量%) ・コロイド状シリカB:日産化学工業(株)製「スノー
テックスXS」(分散媒:水、シリカ粒子含量:20重
量%) ・p−トルエンスルホン酸ナトリウム:ナカライテスク
(株)製試薬 ・カプリル酸ナトリウム:東京化成(株)製試薬 ・スメクトンSA:クニミネ工業(株)製合成スメクタ
イト ・PVA217:クラレ製 ケン化度88%、重合度1
700 ・PVA403:クラレ製 ケン化度80%、重合度3
00 ・PVA124:クラレ製 ケン化度98.5%、重合
度2400 ・フッ素系界面活性剤:ダイキン工業 製「DS−20
2」 ・無機化合物A:水沢化学工業製 「ミズカラック」 ・無機化合物B:協和科学製 「アルカマイザー」(合
成ハイドロタルサイト) ・無機化合物C:キンセイマテック製「スノーマークS
P−3」 ・無機化合物D:富士化学工業(株)製「フジレインL
S」 ・ヒンダードアミン系化合物A:チバガイギー製「チヌ
ビン622−LD」 ・ヒンダードアミン系化合物B:チバガイギー製 「キ
マソーブ944−LD」 ・酸化防止剤I:チバガイギー製 「イルガノックス1
010」 ・紫外線吸収剤U:住友化学工業製 「スミソーブ13
0」
図である。
層等)
Claims (16)
- 【請求項1】親水性樹脂からなるフィルム層(A層)、
無機物コロイドからなるフィルム層(B層)および熱可
塑性樹脂基材フィルム層(C層)よりなる多層フィルム
であって、C層の片面または両面に、A層とB層を有
し、かつA層が最表層に配されてなる防曇性フィルム。 - 【請求項2】B層が、無機物コロイド分散液をコーティ
ング、乾燥して得られる層である請求項1記載の防曇性
フィルム。 - 【請求項3】B層の乾燥重量厚みが0.01〜10g/
m2 である請求項2記載の防曇性フィルム。 - 【請求項4】無機物コロイドが、珪素、アルミニウム、
亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、
ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケルおよびスズから
選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物コロイドまたは
水酸化物コロイドである請求項1〜3のいずれか1項に
記載の防曇性フィルム。 - 【請求項5】金属が、珪素およびアルミニウムである請
求項4記載の防曇性フィルム。 - 【請求項6】親水性樹脂の極性基分率が25〜70%で
ある請求項1〜5のいずれか1項に記載の防曇性フィル
ム。 - 【請求項7】A層が、極性基分率が25〜70%である
親水性樹脂を主成分とする溶液を、コーティング、乾燥
して得られるものである請求項1〜6のいずれか1項に
記載の防曇性フィルム。 - 【請求項8】A層の乾燥重量厚みが、0.01〜10g
/m2 である請求項7記載の防曇性フィルム。 - 【請求項9】親水性樹脂が、ポリビニルアルコールであ
る請求項1〜8のいずれか1項に記載の防曇性フィル
ム。 - 【請求項10】A層の厚み(d1)、に対するB層の厚み
(d2)の比(d2 /d1)が、0.1〜10である請求項
1〜9のいずれか1項に記載の防曇性フィルム。 - 【請求項11】C層の少なくとも片面を表面処理し、そ
の表面張力が36dyne/cm以上である請求項1〜10の
いずれか1項に記載の防曇性フィルム。 - 【請求項12】C層が、熱可塑性樹脂100重量部に対
し、無機化合物を0.03〜25重量部含有するもので
ある請求項1〜11のいずれか1項に記載の防曇性フィ
ルム。 - 【請求項13】無機化合物が、一般式(1) Li+ (Al3+)2 (OH- )6 ・(An-)1/n ・mH2 O (1) (式中、An-は、n価陰イオンを示し、mは、式:0
≦ m ≦ 3の条件を満たす。)で示される化合物で
ある請求項12記載の防曇性フィルム。 - 【請求項14】無機化合物が、ハイドロタルサイト類化
合物である請求項12記載の防曇性フィルム。 - 【請求項15】C層が、熱可塑性樹脂100重量部に対
し、ヒンダードアミン系化合物を0.02〜5重量部含
有するものである請求項1〜14のいずれか1項に記載
の防曇性フィルム。 - 【請求項16】C層が、熱可塑性樹脂100重量部に対
し、紫外線吸収剤0.01〜5重量部含有するものであ
る請求項1〜15のいずれか1項に記載の防曇性フィル
ム。
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