JP3877243B2 - 蛍光フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光剤を含有する層を少なくとも1層有する蛍光フィルム、および該フィルムからなる農業用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、施設園芸におけるハウス、トンネル、カーテン等に用いられる農業用フィルムとしては、ポリ塩化ビニルフィルムや、ポリオレフィン系樹脂フィルムであるポリエチレンフィルムまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等が主として使用されている。
農業用フィルムに求められる主な性能には、耐候性、流滴性(ハウス、トンネル等の内部が高湿度化のため、農業用フィルムの内面が結露による微小水滴に覆われてしまい、透明性を悪化させる現象を防除する性能)、防霧性(ハウス、トンネル内部が高湿度下の状態で外気が冷えたとき、ハウス内部に霧が発生する現象を防ぐ機能)、保温性、透光性(透明性)などがある。
【0003】
さらに近年では、光の波長分布やその強度を人為的に変換する(以下、光質変換という)技術が、光合成増大による作物の増収をもたらしたり、色素形成調節による作物の花色変化や外観改良を可能とし、さらには害虫防除・菌体成長抑制などの病害防除などに効果をあげはじめている。とりわけ、太陽光を光源とした場合の光質変換技術としては、紫外線吸収剤を用い特定の紫外線領域を遮断する技術(特開昭52−43637、特開昭52−98125、特開昭53−75039、特開昭53−27539、特開昭53−98242号公報など)、蛍光剤を用い短波長光を長波長光に変換する技術(特公昭46−24376、特開昭50−88147号公報など)がそれぞれ古くから知られている。近年特に蛍光剤の蛍光発光量子収率向上などにともない、後者の研究が新たに進展してきた。特開昭58−71821、特開昭62―209172、特開昭62−148571、特開平4−131023、特開平6−40817、特開平6−41524号公報等には、可視光を長波長光に変換することで光合成の増強が可能となる方法が記載されており、また特開平3―198721、特開平3―72818、特開平4―141025、特開平6―46684、特開平6―46685、特開平6―36685号公報等には、紫外線領域の波長を有する光を長波長光に変換する方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の蛍光剤を含有するフィルムを屋外暴露条件下で使用した場合、該フィルムは退色しやすいため、実用条件下での長期にわたる光質変換性能の保持という点では改良の余地がある。さらに、施設園芸用途に蛍光剤を含有するフィルムを使用した場合、通常、施設内は多湿となるため、特に冬場のような施設内部と外部の温度差が大きい条件下では、施設に展帳したフィルムの施設内部に面する表面が水滴で覆われ、本来の蛍光効率が達成されないという問題があった。本発明の目的は、光質変換が可能な多層フィルムであって、農業用途等の使用環境下でも、耐久性(透光性および光質変換の持続性)に優れ、かつ多湿条件下でも蛍光効率の低下が少ない施設園芸用のハウス、トンネルおよびカーテンなどに好適に用いられる農業用フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有機系蛍光剤を含有するガラス転移温度65℃以上の樹脂層(A層)、無機コロイド粒子層(B層)、および基材樹脂層(C層)からなる多層フィルムであって、前記基材樹脂層(C層)を形成する基材樹脂がポリオレフィン系樹脂であり、該多層フィルムはC層の少なくとも同じ面側にA層とB層を有し、かつ少なくとも該面側の最表層はB層である蛍光フィルム、および該蛍光フィルムからなる農業用フィルムに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる蛍光剤としては、ピオラントロン系、イソピオラントロン系、ペリレン系、チオキサンテン系、クマリン系、アントラキノン系、ベンゾピラン系、ナフタルイミド系またはナフタル酸系、ベンゾピテリジン系、ピラジン系、シアノピラジン系、スチルベン系、ジアミノジフェニル系、イミダゾール系、イミダゾロン系、トリアゾール系、チアゾール系、オキサゾール系、カルボスチリル系、ナフタールイミド系、ピラゾリン系、ジヒドロピリジン系等があげられる。例えば、可視光を吸収し長波長光に変換する蛍光剤としては、特開昭62−209172、特開昭62−148571、特開平4−131023、特開平6−40817、特開平6−41524号公報等に記載されている構造の化合物などが、また、紫外線を吸収し長波長光に変換する蛍光剤としては、特開平3−198721、特開平3−72818、特開平4−141025、特開平6−46684、特開平6−46685号公報等に記載されている構造の化合物などが挙げられる。より具体的には、ルモゲン(ペリレン系)、ローダミン(キサンテン系)、アクリジン(キサンテン系)、ルミノール(アントラキノン系)、スミプラスト(アントラキノン系)等の商品名で知られる蛍光剤が挙げられ、ペリレン系やアントラキノン系が好適である。
【0007】
A層中の蛍光剤の含有量は、所望の蛍光効率により適宜選択すればよいが、 後述するガラス転移温度50℃以上の樹脂を100重量部としたとき、0.005〜10重量部、好ましくは0.02〜5重量部である。
【0008】
本発明に用いられるガラス転移温度50℃以上の樹脂とは、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂などが例示でき、中でもアクリル系樹脂が得られる蛍光フィルムの耐久性および蛍光効率の観点から好ましい。
アクリル系樹脂は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシルなどから選ばれる1種または数種を重合して得られるものである。また、これらのアクリル系樹脂は単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
長期にわたる光質変換の持続性という観点から、使用する樹脂のガラス転移温度は80℃以上がより好ましい。
【0009】
A層の作製方法としては、蛍光剤と上述したガラス転移温度50℃以上の樹脂を混合して得られた樹脂組成物を押出法、キャスト法等による通常の方法で製膜する方法や、蛍光剤とガラス転移温度50℃以上の樹脂を含有する液を、後述するC層等にコーティングする方法等が例示できる。
長期にわたる光質変換の持続性と蛍光効率の観点から、後者の方法がより好ましい。本発明において、A層の厚みは、得られる蛍光フィルムの蛍光効率および可撓性の観点から、0.1〜20μmが好ましい。
【0010】
本発明で用いられる無機コロイド粒子とは、分散媒中でコロイド状に分散しうる粒子状の無機化合物のことである。無機コロイド粒子としては、金属コロイド粒子、酸化物コロイド粒子、水酸化物コロイド粒子、炭酸塩コロイド粒子、硫酸塩コロイド粒子などが挙げられる。金属コロイド粒子としては、金、パラジウム、白金、銀、イオウなどのコロイド粒子が例示され、酸化物コロイド粒子、水酸化物コロイド粒子、炭酸塩コロイド粒子、硫酸塩コロイド粒子としては、それぞれ、珪素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケル、セリウム、スズなどの金属の酸化物コロイド粒子、水酸化物コロイド粒子、炭酸塩コロイド粒子、硫酸塩コロイド粒子が例示される。これら酸化物コロイド粒子、水酸化物コロイド粒子、炭酸塩コロイド粒子、硫酸塩コロイド粒子のうち、酸化物コロイド粒子または水酸化物コロイド粒子が好ましく、アルミニウムおよび/または珪素の酸化物コロイド粒子または水酸化物コロイド粒子がより好ましい。得られる蛍光フィルムの透明性の観点から、可視光線の波長より微細な粒子径分布を持つコロイド粒子がより好ましく、5〜200nmの範囲の粒子系をもつコロイド粒子がより好ましい。このような無機コロイド粒子は、例えば、Gypsum&Lime(No.211、P46(1987))に記載の方法により製造することができる。
【0011】
本発明において、B層は、通常、A層やC層等にコーティングするコーティング法により作製される。コーティングする場合、上記無機コロイド粒子の分散液を、コーティング液として用いればよい。コーティング液に用いる分散媒は、例えば、水、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、キシレンなどが挙げられ、水、アルコールなどの極性溶媒が好ましく、環境問題や設備の点で水が特に好ましい。B層の厚みは、多湿条件下での蛍光効率と透明性などの観点から、乾燥重量厚みが0.01〜10g/m2であることが好ましい。
【0012】
また、B層には、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、界面活性剤、有機系電解質、バインダーなどを含むことができる。界面活性剤としては、例えば、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸カリウム、デカン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸テトラメチルアンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ベヘン酸カリウムなどの炭素数6以上24以下のアルキル鎖を有するカルボン酸の金属塩、オクチルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの炭素数6以上24以下のアルキル鎖を有するスルホン酸の金属塩、炭素数6以上24以下のアルキル鎖を有するリン酸エステル、炭素数6以上24以下のアルキル鎖を有するホウ酸エステル、パーフルオロデカン酸ナトリウム、パーフルオロオクチルスルホン酸ナトリウムなどのフッ素系アニオン性界面活性剤、アルキルシロキサン基を有するシリコン系界面活性剤などがあげられる。上記界面活性剤の中でも、炭素数6以上24以下のアルキル鎖を有するカルボン酸の金属塩が好ましく、アルカリ金属塩またはアルミニウム塩がより好ましい。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、通常、無機コロイド粒子100重量部に対して、0.5重量部以下であり、0.1重量部以下が好ましい。また、配合量が少なすぎると、所望の効果が小さすぎる場合があるので、通常、0.001重量部以上であり、塗布性の観点から0.01重量部以上が好ましい。
【0013】
有機系電解質としては、例えば、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルスルホン酸カリウム、フェニルスルホン酸ナトリウム、ジエチルリン酸ナトリウムなどが挙げられ、特にベンゼンスルホン酸誘導体の金属塩が好ましい。有機系電解質の配合量は、無機コロイド粒子100重量部に対し、通常、0.1重量部以下であり、0.05重量部以下が好ましい。また、配合量が少なすぎると、所望の効果が小さすぎる場合があるので、通常、0.0001重量部以上であり、0.001重量部以上が好ましい。
【0014】
バインダーとしては、上述した分散媒と親和性のよい熱可塑性樹脂などが例示できる。かかる熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が挙げられるが、特にアクリル系樹脂が好適である。
【0015】
本発明の基材樹脂層(C層)を形成する基材樹脂としては、通常、熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、塩素系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂などが例示できる。より具体的には、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等のα−オレフィンの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂などα−オレフィンを主成分とするα−オレフィンとα−オレフィン以外の単量体との共重合体をあげることができる。また、塩素系樹脂としてはポリ塩化ビニル、塩化ビニル−メチルメタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどが、ポリエステル系樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが、アクリル系樹脂としては前述と同様なものが、フッ素系樹脂としてはポリテトラフルオロエチレンなどが例示できる。これら熱可塑性樹脂のなかでも、廃棄焼却時に塩酸等の有害ガスの発生が少なく、容易に完全燃焼可能であることから、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体などが、透明性や柔軟性に優れ、かつ安価なフィルムが得られるという観点から、より好ましい。これら樹脂は1種でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0016】
本発明のC層を形成する基材樹脂中には、保温性や耐候性を付与するために、2種以上の金属と水酸基および水酸基以外のアニオン根からなる、複合水酸化物塩を含有させてもよい。
かかる複合水酸化物塩としては、例えば、アルカリ土類金属、遷移金属、ZnおよびSiからなる群のなかから選ばれた少なくとも1種の元素と、LiおよびAlを含有し、かつ水酸基を有するような化合物(以下、化合物(I)と称する場合もある)やハイドロタルサイト系化合物等が例示できる。
【0017】
化合物(I)において、アルカリ土類金属の中では、マグネシウム、カルシウムが好ましい。また、遷移金属の中では2価または3価の、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンが好ましく、中でも鉄がより好ましい。
AlとLiの組成比(Al/Li)はモル比で、通常、1.5/1〜2.5/1であり、好ましくは1.8/1〜2.5/1である。また、アルカリ土類金属、遷移金属、ZnおよびSiからなる群のなかから選ばれた(各)元素のモル比(a)は、Li元素1モルに対して、通常0<a<1.5であり、好ましくは0.1≦a≦1.4、さらに好ましくは0.2≦a≦1.2である。水酸基以外のアニオン根としては特に限定されないが、例えば、ポリケイ酸イオン(例えば、ピロケイ酸イオン、シクロケイ酸イオン、イソケイ酸イオン、フィロケイ酸イオン、ラクトケイ酸イオン等が例示できる)、炭酸イオン、ハロゲンイオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、アルミン酸イオン、ケイ酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン等の無機酸イオン、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)6 4-等のアニオン性遷移金属錯体、酢酸イオン、安息香酸イオン、ギ酸イオン、テレフタル酸イオン、アルキルスルホン酸イオン等の有機酸イオンなどが挙げられる。これら化合物の中でも、複合水酸化物塩の入手しやすさの観点から、炭酸イオン、ハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、ケイ酸イオン、ポリリン酸イオン、ポリケイ酸イオン、過塩素酸イオンが好ましく、炭酸イオン、ポリリン酸イオン、ポリケイ酸イオンがより好ましい。
上記複合水酸化物塩の具体例としては、例えば、化合物(I)としては、マグネシウム、アルミニウムおよびリチウムを含有し、Al/Li/Mgモル比=約2.3/1/0.28、アニオン根として炭酸イオンを有する化合物や、Si、アルミニウムおよびリチウムを含有し、Al/Li/Siモル比=約2/1/1.2、アニオン根に炭酸イオン及び、ポリケイ酸イオンを有する化合物等が挙げられる。商品名としてはフジレインLS(富士化学工業製)やLMA(富士化学工業製)等が挙げられる。
ハイドロタルサイト系化合物の具体例としては、特開平8−217912に記載の化合物が例示できる。
なお、これら複合水酸化物塩は結晶水を含有していてもよい。
【0018】
複合水酸化物塩の平均粒子径は、通常、5μm以下、好ましくは0.05〜3μm、更に好ましくは0.1〜1μmである。また、BET法により測定した比表面積は、通常、1〜30m2/gであり、2〜10m2/gが好ましい。また、本発明の蛍光フィルムを、より透明性が要求される用途に使用する場合は、該複合水酸化物塩の屈折率が、C層に使用される樹脂の屈折率に近いことが好ましい。屈折率は、使用される樹脂によって異なるが、例えば、ポリオレフィン系樹脂を使用した場合、JIS K 0062記載の方法にて測定した該複合水酸化物塩の屈折率は1.470〜1.550、好ましくは、1.480〜1.540、特に好ましくは、1.490〜1.530である。
複合水酸化物塩の配合量は、通常、C層を形成する基材樹脂中、60重量%以下である。得られる蛍光フィルムの透明性および強度の観点から、複合水酸化物塩の配合量は、好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。また、配合量が少なすぎると、所望の効果が小さすぎる場合があるので、通常、0.03重量%以上である。
【0019】
複合水酸化物塩は、成形加工時の発泡を防ぐ目的で、予め焼成処理が施されていてもよい。焼成処理の方法は、例えば、不活性ガス雰囲気下、800℃以上の温度で処理する方法が挙げられる。
また、複合水酸化物塩には、ポリオレフィン系樹脂組成物中あるいはフィルム中での分散性を向上させるため、分散剤で表面処理を施してもよい。分散剤としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩、ナトリウム塩等の金属石鹸、各種リン酸エステル、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、各種ワックス等が例示できる。表面処理の方法は、上記分散剤が複合水酸化物塩の表面に均一に付着する方法であればよく、例えば複合水酸化物塩を適当な溶媒中でスラリー状にし、該スラリーと上記分散剤を混合し、攪拌する方法が挙げられる。
【0020】
本発明において、光安定性を改良するために、A、B、C層の少なくとも1層にヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤等の各種光安定剤を含有させてもよい。ヒンダードアミン系光安定剤とは、4−位に置換基を有する2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導体であり、その4−位の置換基としては、例えばカルボン酸残基、アルコキシ基、アルキルアミノ基等が挙げられる。またN−位にはアルキル基が置換してもよく、分子量は250以上のものが好ましい。また、特開昭63−286448号公報記載の物も使用できる。具体的には、商品名TINUVIN492、TINUVIN494(チバガイギー製)等を例示することができる。
ヒンダードアミン系光安定剤の配合量は、蛍光剤フィルム中、通常、5重量%以下、好ましくは2重量%以下である。配合量が少なすぎると、光安定効果が小さすぎる場合があるので、通常、0.01重量%以上であり、好ましくは0.1重量%以上である。また、これらヒンダードアミン系光安定剤は単独で用いても2種類以上を併用してもかまわない。
【0021】
紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤の配合量は、蛍光フィルム中、通常、5重量%以下であり、1重量%以下が好ましい。また、配合量が少なすぎると、紫外線吸収効果が小さすぎる場合があるので、通常、0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上である。これらの紫外線吸収剤は単独で用いても良いし、2種類以上を併用することもできる。
また、紫外線吸収剤からなる層をコ−ティングにより形成させてもよい。この場合用いられる紫外線吸収剤としては、酸化チタンや酸化セリウムなどの無機化合物、分子量が10万以上のベンゾフェノン系高分子紫外線吸収剤などが挙げられる。B層が本発明の蛍光フィルムの少なくと片面の最表層である限り、紫外線吸収剤からなる層は、A、B、C層のどの層にも積層させることができる。紫外線吸収剤からなる層の厚みは、紫外線吸収効果により適宜選択することができるが、透明性などの観点から、乾燥重量厚みが10g/m2以下が好ましい。また、十分な紫外線吸収効果を発現するためには、乾燥重量厚みが0.01g/m2以上であることが好ましい。
【0022】
また、防曇性を付与する目的で、A、B、C層、特にC層に防曇剤を含有させてもよい。かかる防曇剤には、室温で固体状のものと液体状のものがある。固体状の防曇剤としては非イオン性界面活性剤、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネートなどのソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、トリグリセリンモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレートなどのポリエチレングリコール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、ソルビタン/グリセリン縮合物と有機酸とのエステル等が挙げられる。
室温で液体状の防曇剤としては、例えば、グリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンセスキオレエート、テトラグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノオレエート、テトラグリセリントリオレエート、テトラグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノラウレート等のソルビタン系脂肪酸エステルが挙げられる。フィルム保管時などに防曇剤がフィルム表面にブリードアウトするのを抑制する効果とフィルムの透明性の観点から、固体状の防曇剤と液体状の防曇剤を併用することが好ましい。このような防曇剤の含有量は、通常、樹脂100重量部に対して、10重量部以下であり、3重量部以下が好ましい。配合量が少なすぎると、防曇効果が小さすぎる場合があるので、通常、0.01重量部以上であり、好ましくは0.1重量部以上である。
【0023】
また、防霧性を付与する目的で、A、B、C層、特にC層に防霧剤を含有させることができる。かかる防霧剤としては、パーフルオロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアルキル基等を有するフッ素化合物(特にフッ素系界面活性剤)、アルキルシロキサン基を有するシリコン系化合物(特にシリコン系界面活性剤)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤の具体例としては、ユニダインDS−403、DS−406、DS−401(いずれもダイキン工業製)があげられる。
防霧剤の含有量は、例えばC層に含有させる場合、通常、基材樹脂100重量部に対して、1重量部以下であり、経済性の観点から0.3重量部以下が好ましい。配合量が少ないと、防霧効果が小さすぎる場合があるので、通常、0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上である。
【0024】
A、B、C層には、必要に応じて、上記以外の一般に使用されている各種安定剤(例えば酸化防止剤等)、帯電防止剤、滑剤、顔料、難燃剤等の添加剤を添加することができる。また、各添加剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用することもできる。
【0025】
本発明のC層の作製方法としては、通常の成形方法、例えば、押出Tダイフィルム成形法、インフレーションフィルム成形法等が挙げられる。C層は単層であっても、2層以上からなる多層であってもよい。多層の場合、各層を目的に応じていろいろな組み合わせで用いることができる。
C層の厚みは、力学的強度や透明性、柔軟性など目的に応じて適宜選択できるが通常、10〜400μm、好ましくは10〜300μmである。
【0026】
次に本発明の蛍光フィルムの製造法について述べる。本発明の蛍光フィルムの製造法は、上述した各層を積層させることができる方法であればよく、例えば従来から用いられているラミネート法、コーティング法等の方法が挙げられる。
【0027】
一般に樹脂フィルムの表面張力は低い場合が多いため、 積層される層を表面処理し、表面張力を高めておくことが好ましい。A層やB層をC層にコーティングによって積層する場合には、積層される層とコーティング液とのぬれ性をよくし、はじきによる欠陥を無くすため、C層の表面張力が36dyne/cm以上であることが好ましい。表面張力の上限は特には制限されないが、通常、60dyne/cm程度である。表面処理をする方法としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理、UV処理、EB(電子線照射)処理など、一般的に行われている方法ならばいずれでもよく、処理後の表面張力が通常、36〜60dyne/cm、好ましくは40〜50dyne/cmとなる条件で実施するのが好ましい。一般に表面処理の効果は時間が経つとともに低下するので、表面処理後はできるだけ速やかにコーティング等により積層することが好ましい。従って、処理部と、例えばコーティング部はインラインで連続であることが好ましい。また、表面処理をして表面張力を高める方法以外に、ぬれ性をよくする目的で、積層される層、例えば、C層の表面に予め各種アンカーコート剤をコーティングしておいてもよい。
【0028】
上述した、コーティングには、例えば、グラビア方式、ディッピング方式、スプレー方式などが挙げられる。製造効率の観点から、C層をチューブ状のフィルムとし、これにコーティングするのが望ましい。A層をコーティングにより形成する場合には、例えば蛍光剤とガラス転移温度50℃以上の樹脂を含有するコーティング液中の蛍光剤および該樹脂の濃度、塗布するコーティング液の単位面積当たりの量を調節することにより、所望の厚みとすることができる。
【0029】
B層をコーティングにより形成する場合には、無機コロイド粒子の分散液であるコーティング液中の無機コロイド粒子の濃度、および塗布するコーティング液の単位面積当たりの量を調節することにより、所望の乾燥重量厚みとすることができる。
【0030】
また、無機コロイド粒子の分散液のコーティング性(例えば、分散液のはじき、ムラ等)を改良する目的で、各種粘土系鉱物、特に、分散液中で層状に膨潤し、チキソトロピー性を発揮する無機層状化合物類を分散液に添加することも可能である。粘土系鉱物としてはシリカの4面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした8面体層を有する2層構造よりなるタイプと、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした8面体層を両側から挟んだ3層構造よりなるタイプに分類される。前者としてはカオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者としては層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができるが、特にその水分散液がチキソトロピックな粘性をもつことを特徴とするスメクタイト族、バーミキュライト族が好ましい。
【0031】
無機層状化合物類の添加量は、通常、分散媒100重量部に対して、0.5重量部以下であり、0.2重量部以下が好ましい。配合量が少ないと、所望の効果が小さすぎる場合があるので、通常、0.005重量部以上が好ましく、0.01重量部以上がより好ましい。コーティング後は、速やかに乾燥し、各層の形成を促進することが好ましい。乾燥が十分でない状態で巻き取り等により製造した蛍光フィルムを重ねると、フィルムどうしが接着して、使用時に蛍光フィルムどうしを剥がす際に、各層が剥離したりするため好ましくない。
【0032】
本発明の蛍光フィルムの層構成としては、C層の少なくとも同じ片面に、A層およびB層を有し、B層が少なくとも該片面の最表層であればよく、各層の間に他の層(例えばアンカーコート層、接着層等)が存在していてもよい。例えば、A、B、C各層は図1に示すような構成となるように層を組み合わせることができ、さらに、A、B、C層の各層の間には、上述したような他の層が存在してもよい。
【0033】
本発明の蛍光フィルムは、施設園芸用等の農業用フィルムとして好適に使用することができる。具体的には、施設園芸用のハウスまたはトンネルの外張りフィルム、内張りカーテン、マルチングフィルムとして用いることができる。外張りフィルムとして用いる場合、最表層であるB層が施設の内側に面するようにハウスまたはトンネルに展帳すればよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明の蛍光フィルムは、光質変換が可能であり、農業用途等の使用環境下でも、耐久性(透光性および光質変換持続性)に優れ、かつ多湿条件下でも蛍光効率の低下が少ない。
また、本発明の蛍光フィルムは、施設園芸用のハウス、トンネル、カーテンおよびマルチングフィルムなどの農業用フィルムに使用すると、作物の増収などをもたらす。
例えば、ハウスの外張りフィルムに用いたとき、B層を農業用ハウスの内側になるように展張することにより、多湿条件下でもフィルム内面が水面で曇ったり、水滴がボタ落ちして作物を傷めることがない。また、流滴が速やかであるためフィルムの乾燥が速く、湿度が低くなり、作物の病気の発生を抑えることができる。さらに、多湿条件下でもフィルム内面に曇りが生じないため、照射エネルギーのロスが少なくなり、励起された蛍光強度の低下が避けられる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の試験法は以下のとおりである。
(蛍光耐久性試験)
耐候性試験機:サンシャインウェザーメーター((株)スガ試験機製)を用い、ブラックパネル温度83℃の条件で、300時間の暴露試験を行った。暴露試験前後で試験フィルムの蛍光色の変化を以下の基準で目視判定した。
○:ほとんど変化なし。
△:退色がやや認められる。
×:退色が明らか。
(多湿条件下での蛍光強度試験)
フィルムを縦34×横5cmのアクリル製の枠に両面テープで貼り付け、試験面を下にして、温度一定の環境試験室内に置いた恒温水槽の上に水平面に対して15度の傾斜をつけて設置した。この時の、(環境試験室/恒温水槽)の温度条件は、20℃/40℃とした。そして1日後の試験面の蛍光の強さと水滴の様子を目視観察し、以下の基準で判定した。
○:フィルム面が均一に濡れており、蛍光の強さも試験前とほとんど変化なし。△:部分的に水滴が付着しているところがあり、蛍光の強さがやや弱くなる。
×:全体に水滴が付着し白く曇り、蛍光がかなり弱くなる。
【0036】
(実施例1)
・基材層(1):低密度ポリエチレンのインフレーションフィルム(厚み50μm)
・蛍光剤とガラス転移温度50℃以上の樹脂溶解液の作製:酢酸エチル100重量部に対して、蛍光剤として商品名 ルモゲンF Red300(ペリレン系蛍光剤 BASF製)0.13重量部、ガラス転移温度50℃以上の樹脂として、アクリル樹脂(商品名ダイヤナールレジンBR−80 ガラス転移温度105℃三菱レーヨン製)10重量部を攪拌条件下で混合した。これを溶解液(A)とした。
・無機コロイド粒子分散液(1)の調整:水100重量部に対し、コロイド状アルミナ(商品名 アルミナゾル520 日産化学製)3重量部、コロイド状シリカ(商品名スノーテックス20 日産化学製)0.8重量部加えた。これを無機コロイド分散液(1)とした。
・コロナ処理:シャーマン製コロナ処理機により、基材層(1)の表面をコロナ処理し、表面張力を54dyne/cmとした。
・蛍光フィルムの作製:コロナ処理を行った基材フィルム(1)に、溶解液(A)を#16のバーコーターを用いて塗布、乾燥を行い、蛍光剤とアクリル樹脂のコーティング膜の乾燥厚みが約3μmであるフィルムを得た。次に蛍光剤とアクリル樹脂のコーティング膜が形成された上に、無機コロイド粒子分散液(1)を同様にしてコーティングした。このようにして得られたフィルムを評価した。その結果を第1表に示す。
【0037】
(実施例2)
蛍光剤として商品名ルモゲンF Orange240を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得、評価した。その結果を第1表に示す。
【0038】
(実施例3)
蛍光剤として商品名ルモゲンF Yellow083を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得、評価した。その結果を第1表に示す。
【0039】
(実施例4)
ガラス転移温度50℃以上の樹脂として、ガラス転移温度105℃のアクリル樹脂(商品名ダイヤナールレジンBR−85 三菱レーヨン製)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得、評価した。その結果を第1表に示す。
【0040】
(実施例5)
ガラス転移温度50℃以上の樹脂として、ガラス転移温度65℃のアクリル樹脂(商品名ダイヤナールレジンBR−90 三菱レーヨン製)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得、評価した。その結果を第1表に示す。
【0041】
(実施例6)
ガラス転移温度50℃以上の樹脂として、ガラス転移温度80℃のアクリル樹脂(商品名ダイヤナールレジンBR−95 三菱レーヨン製)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得、評価した。その結果を第1表に示す。
【0042】
(実施例7)
・基材層(2)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバテートH2020 酢酸ビニル含有量15重量% 住友化学工業製)に、ヒンダードアミン系化合物A(商品名チヌビン622−LD チバガイギー製)0.6重量%、ハイドロタルサイト類化合物(商品名DHT−4A 協和化学工業製)8.0重量%、紫外線吸収剤(商品名スミソーブ130 住友化学工業製)0.1重量%、酸化防止剤(商品名イルガノックス1010 チバガイギー製)0.1重量%、防曇剤としてモノグリセリンステアレート1.4重量%、ジグリセリンステアレート0.6重量%、滑剤としてステアリン酸アミド0.2重量%を加え、バンバリーミキサーを用いて130℃、5分間混練後、造粒機により造粒し、組成物ペレットを得た。これを樹脂組成物▲1▼とする。
次に低密度ポリエチレン(商品名スミカセンF−208−O 住友化学工業製)に、ヒンダードアミン系化合物A(商品名チヌビン622−LD チバガイギー製)0.6重量%、ハイドロタルサイト類化合物(商品名DHT−4A 協和化学工業製)8.0重量%、紫外線吸収剤(商品名スミソーブ130 住友化学工業製)0.1重量%、酸化防止剤(商品名イルガノックス1010 チバガイギー製)0.1重量%、モノグリセリンステアレート1.4重量%、ジグリセリンステアレート0.6重量%、ステアリン酸アミド0.2重量%を加え、樹脂組成物▲1▼と同様にしてペレットを得た。これを樹脂組成物▲2▼とする。
樹脂組成物▲1▼を中間層に、樹脂組成物▲2▼を両外層としてインフレーションフィルム成形機によってフィルム厚み100μmのフィルム(中間層60μm、両外層20μm)を作製した。これを基材層(2)とする。
・無機コロイド粒子分散液(2)の調整:水100重量部に対し、コロイド状アルミナ(商品名 アルミナゾル520 日産化学製)3重量部、コロイド状シリカ(商品名スノーテックス20 日産化学製)0.8重量部、界面活性剤としてカプリル酸ナトリウム0.015重量部、有機系電解質としてp−トルエンスルホン酸ナトリウム0.002重量部、さらに無機層状化合物として合成スメクタイト(商品名 スメクトンSA クニミネ工業製)0.03重量部加えた。これを無機コロイド分散液(2)とした。
・蛍光フィルムの作製:基材フィルム(2)に溶解液(A)と分散液(2)を実施例1と同様にコーティングしフィルムを得、評価した。その結果を第1表に示す。
【0043】
(実施例8)
ガラス転移温度50℃以上の樹脂として、アクリル樹脂(商品名ダイヤナールレジンBR−85 ガラス転移温度105℃ 三菱レーヨン製)を用いた以外は実施例7と同様にしてフィルムを得た。結果を第1表に示す。
【0044】
(実施例9)
実施例7で、溶解液(A)と分散液(2)をコーティングした基材フィルム(2)の面と反対側の面に、さらに、BASF製コーティング用紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物 商品名 UVA−935LD)を、#8のバーコーターでコーティングし、乾燥を行い、紫外線吸収剤のコーティング層の乾燥後の厚みが約3μmのフィルムを得、評価した。結果を第1表に示す。
【0045】
(比較例1)
ガラス転移温度35℃のアクリル樹脂(商品名ダイヤナールレジンBR−79 三菱レーヨン製)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得、評価した。結果を第1表に示した。
【0046】
(比較例2)
蛍光剤として商品名ルモゲンF Orange240を用いた以外は比較例1と同様にしてフィルムを得、評価した。結果を第1表に示した。
【0047】
(比較例3)
蛍光剤として商品名ルモゲンF Yellow083を用いた以外は比較例1と同様にしてフィルムを得、評価した。結果を第1表に示した。
【0048】
(比較例4)
分散液(B)をコーティングしなかった以外は実施例1と同様にしてフィルムを得、評価した。結果を第1表に示した。
【0049】
【表1】
Figure 0003877243

【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の蛍光フィルムの構成の概念図である。
(符号の説明)
A:蛍光剤とガラス転移温度50℃以上の樹脂層
B:無機コロイド粒子層
C:基材層

Claims (15)

  1. 有機系蛍光剤を含有するガラス転移温度65℃以上の樹脂層(A層)、無機コロイド粒子層(B層)、および基材樹脂層(C層)からなる多層フィルムであって、前記基材樹脂層(C層)を形成する基材樹脂がポリオレフィン系樹脂であり、該多層フィルムはC層の少なくとも同じ面側にA層とB層を有し、かつ少なくとも該面側の最表層はB層である蛍光フィルム。
  2. A層が有機系蛍光剤を含有するガラス転移温度80℃以上の樹脂層である請求項1記載の蛍光フィルム。
  3. A層の厚みが0.1〜20μmである請求項1または2に記載の蛍光フィルム。
  4. B層の乾燥重量厚みが0.01〜10g/m2である請求項1に記載の蛍光フィルム。
  5. 無機コロイド粒子が、酸化物コロイド粒子または水酸化物コロイド粒子である請求項1に記載の蛍光フィルム。
  6. 酸化物コロイド粒子または水酸化物コロイド粒子が、珪素、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、ニッケル、セリウムおよびスズから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物コロイド粒子または水酸化物コロイド粒子である請求項5に記載の蛍光フィルム。
  7. 金属が、珪素および/またはアルミニウムである請求項6に記載の蛍光フィルム。
  8. 少なくともC層の片面の表面張力が36dyne/cm以上である請求項1に記載の蛍光フィルム。
  9. C層が、基材樹脂100重量部に対し、複合水酸化物塩を0.03〜25重量部含有する請求項1に記載の蛍光フィルム。
  10. 複合水酸化物塩が一般式(1)
    Li+Al3+ 2(OH)- 6(An-1/n・mH2O (1)
    (式中、An-はn価陰イオンを示し、mは0≦m≦3である)
    で示される化合物である請求項9に記載の蛍光フィルム。
  11. 複合水酸化物塩がハイドロタルサイト類化合物である請求項9に記載の蛍光フィルム。
  12. A、B、C層の少なくとも一層が、さらに光安定剤を含有する層である請求項1〜11のいずれか1項に記載の蛍光フィルム。
  13. 光安定剤がヒンダードアミン系化合物である請求項12に記載の蛍光フィルム。
  14. A、B、C層の少なくとも一層が、さらに紫外線吸収剤を含有するものである請求項1〜13のいずれか1項に記載の蛍光フィルム。
  15. 農業用フィルムである請求項1〜14のいずれか1項に記載の蛍光フィルム。
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