JP3675277B2 - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関するものである。更に詳しくは、低温下における強度・耐衝撃・伸び、および、保温性に優れ、且つ、フイルム同士が重なった際に付着し合うことが少なく、屋外暴露後の初期及び、長期の防曇性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有用植物を効率よく栽培するために、ハウス内又は、トンネル内で促進栽培することが盛んに行われている。このハウス又は、トンネルを被覆する資材として耐候性、透明性及び、保温性等が優れている理由で塩化ビニル系樹脂フィルムが多用されている。
【0003】
しかしながら、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは、樹脂軟化剤として、可塑剤が配合されており、この可塑剤は、感温性が大きく、特に寒冷地区での展張使用される際の伸びが悪く破れ易い。また、展張後も風、雪、雹、アラレ等の外力がフィルムに加わった際に破れ易いという問題点があった。
このため、寒冷地区における伸び、耐衝撃性等の物性を改善する方法として、下記のような農業用の塩化ビニル系樹脂フィルム中の可塑剤の量を増加、あるいは、耐寒性可塑剤の配合等、可塑剤配合に関する方法が提案されている。
【0004】
塩化ビニル系樹脂フィルム中の可塑剤量を増加させる方法は、低温強度に対して、向上効果があることが知られているが、この方法では、夏場等の高温時にフィルムが、べたついたり、たるむことが知られている。そこで、可塑剤の量をあまり増量することなく、低温時の物性を向上させるために耐寒性の可塑剤を配合する方法が提案されている(特開昭58−49742号公報等)。しかしながら、この方法では、一般に塩化ビニル系樹脂との相溶性が悪く、ブリードしたり耐熱性に劣る欠点がある。又、耐候性が劣る(褐変等)欠点がある。
【0005】
又、従来より、保温性を強化する目的やべたつき防止の為に塩化ビニル系樹脂フィルムに無機質粒子を添加する方法が知られている。しかしながら、従来知られている農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに無機質粒子を添加すると、強度等の物性が低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、かかる状況にあって、低温時の物性(伸び、強度、耐衝撃性)の低下の著しく少ない農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを目的とした。
又、保温性に優れ、巻き上げ、巻き下げ作業が容易に行え、展張初期及び、長期の防曇性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
しかして、本発明の要旨とするところは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、塩素化ポリエチレン0.5〜20重量部、可塑剤30〜60重量部が配合されてなる塩化ビニル系樹脂組成物に、無機質粒子を配合されている農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
1.塩化ビニル系樹脂
本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合体をいう。
塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物としては、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等が挙げられる。これら塩化ビニル系樹脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によって製造されたものであってもよい。
【0009】
又、本発明においては、上記塩化ビニル樹脂として、平均重合度が1000以上2500以下、好ましくは1100以上2000以下のものを用いるが、異なる平均重合度のものを用いて2種混合してもよい。
この混合方法としては、フィルム製膜加工時に2種類の樹脂を混合する方法が一般的であるが、塩化ビニル樹脂の重合時に重合条件コントロールによって、見掛け上2種類の平均重合度の異なる樹脂が混合されたことになる方法であってもよい。
【0010】
上記基体となる塩化ビニル系樹脂フィルムには、柔軟性を付与するために、この樹脂100重量部に対して、30〜60重量部、好ましくは、40〜55重量部配合される。30重量部未満では、低温時での柔軟性に乏しいため、充分な低温物性が得られない。また、60重量部を越えると、常温下での取り扱い性(べたつき性等)が悪化したり、製膜加工時の作業性が低下するので好ましくない。
【0011】
使用しうる可塑剤としては、例えば、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸誘導体;トリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネート等のイタコン酸誘導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘導体;グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘導体;その他、エポキシ化大油、エポキシ樹脂系可塑剤等が挙げられる。
また、樹脂フィルムに柔軟性を付与するために、上述の可塑剤に限られるものでなく、例えば熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル等を使用することもできる。
【0012】
2.塩素化ポリエチレン
本発明の塩素化ポリエチレンとは、原料となるポリエチレンは、エチレンの単独重合、もしくは、エチレンと30重量%以下(好ましくは、20重量%以下)の炭素数が12個以下(好ましくは、3〜9個)のα−オレフィンを共重合することによって得られるものが好ましい。
【0013】
α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。原料となるポリオレフィンとしては、特にエチレンを単独重合したものが好ましい。
本発明に使用される塩素化ポリエチレンは、ポリエチレンの粉末または粒子を水性懸濁液中で塩素化するか、あるいは有機溶剤中に溶解したポリエチレンを塩素化する方法が採用される。
【0014】
上記塩素化ポリエチレンの塩化ビニル系樹脂への配合量は、0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部がよい。0.5より少ないと初期物性及び耐候後物性が向上されることなく、多すぎると、フィルムが白濁し、好ましくない。
上記範囲内でも特に1.0〜7重量部が好適である。
この塩素化ポリエチレンの塩素含有量は、15〜50重量%の範囲でなければならない。15重量%より少ないと塩化ビニル系樹脂との相溶性に劣り、フィルムが白濁し好ましくなく、50重量%より多い範囲では、低温での物性が向上することがないために好ましくない。
上記範囲内でも特に30〜45重量%が好適である。
【0015】
塩素化ポリエチレンのメルトインデックスは、0.5〜150g/10分の範囲でなければならない。0.5g/10分より小さいと塩化ビニル系樹脂との相溶性が劣りフィルムが白濁し、150g/10分より大きい範囲では、物性が添加量に比例して向上することがなく、好ましくない。
上記範囲内でも特に1.0〜130g/10分が好適である。
塩素化ポリエチレンの結晶化度は、0〜30%でなければならない。30%より高い範囲では、塩化ビニル系樹脂との相溶性が悪く、フィルム表面にブリードするために好ましくない。
上記範囲内でも特に20%以下が好適である。
【0016】
3.無機質粒子
本発明の無機質粒子としては、例えば下記式(I)〜(V)のいずれかで表される化合物および、酸化珪素(シリカ)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、マグネシウム珪酸塩(タルク)、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
(I):M2+ (1-X)Al3+ X(OH-)2・(A1 n-)x/n・mH2O
(式中、M2+は2価の金属イオン、An-はn価の陰イオンをそれぞれあらわし、x、mおよびnは、0<x<0.5、0≦m≦2、1≦n≦3なる条件をそれぞれ満たす。)
(II):Li+(Al3+)2(OH-)6・(A2 n-)1/n・mH2O
(式中、An-はn価の陰イオンをそれぞれあらわし、mおよびnは、0≦m≦3、1≦n≦3なる条件をそれぞれ満たす。)
(III):[(Li+ (1-X)M2+ X)(Al3+)2(OH-)6]2(SiyO(2y+1) 2-)(1+x)・mH2O
(式中、M2+は2価の金属イオンをあらわし、m、xおよびyは、0≦m<5、0≦x<1、2≦y≦4なる条件をそれぞれ満たす。)
(IV):[(Li+ (1-X)M2+ X)(Al3+)2(OH-)6]2(A3 n-)2(1+x)/n・mH2O
(式中、M2+は2価の金属イオン、An-はn価の陰イオンをそれぞれあらわし、m、xおよびnは、、0≦m<5、0.01≦x<1、1≦n≦3なる条件をそれぞれ満たす。)
(V):mAl2O3・(n/p)M2/pO・X・kH2O
(式中、Xは炭酸根、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属をそれぞれあらわし、pは金属Mの価数であり、m、nおよびkは、0.3≦m≦1、0.3≦n≦2、0.5≦k≦4なる条件をそれぞれ満たす。)
これらの無機質粒子は1種でも2種以上添加することができ、その配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.1〜15重量部の範囲、特に、0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
【0017】
勿論、前記塩化ビニル系樹脂には、上記可塑剤、無機質粒子の他に、必要に応じて、成形用の合成樹脂に通常配合される公知の樹脂添加剤、例えば、防曇剤、防霧剤、滑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、有機リン酸金属塩、無機物、抗酸化剤、安定化助剤、帯電防止剤、防黴剤、防藻剤及び着色剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0018】
その他に、エポキシ系可塑剤、有機リン酸エステル等があげられる。エポキシ系可塑剤としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等の植物油のエポキシ化されたものとエポキシ樹脂がある。
これらエポキシ系可塑剤の添加量は、樹脂100重量部に対し0.01〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部である。また、有機リン酸エステル系の可塑剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、1〜10重量部の範囲内、特に、2〜8重量部が適当である。
【0019】
防曇剤としては、非イオン系界面活性剤が好適であり、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のエーテル型のもの、多価アルコールとの脂肪酸の部分エステル化物のエステル型のもの、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシルエチレンエーテル等のエーテルエステル型のものがあげられる。
以下に、好適な非イオン系界面活性剤を例示する。
【0020】
(イ)ソルビタン、ソルビトール、マンニタン、マンニトール、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコールと、炭素数12〜22個の脂肪酸との部分エステル
(ロ)アルキレンオキサイドがエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドで、その付加モル数が1〜20モル、多価アルコールがソルビタン、ソルビトール、マンニタン、マンニトール、グリセリン、ジグリセリンで、脂肪酸の炭素数が12〜22個であるポリオキシリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステル
(ハ)(イ)と(ロ)の混合物。
【0021】
これらの混合物は、多価アルコールのモノエステル、ジエステル、トリエステルの混合物として得られる。一般的には、ジエステル成分の含有割合の高い組成のエステル混合物が好適である。
非イオン系界面活性剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.5〜5重量部の範囲内から選ぶものとする。特に、1.0〜3.0重量部が適当である。
【0022】
防霧剤としては、フッ素系界面活性剤があげられる。具体的には、通常の界面活性剤の疎水基のCに結合したHのかわりにその一部または全部をFで置換した界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤である。
フッ素系界面活性剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部当たり0.01重量部以上、0.5重量部以下で充分であり、配合量の好適範囲は、0.02〜0.2重量部である。
【0023】
本発明に係わる塩化ビニル系樹脂フイルム組成物には、特定の粘着防止剤を配合すると更に好ましい。
特に、融点140〜146℃のメチレンビスステアロアミドと、融点156〜160℃のエチレンビスラウリルアミド、融点116〜120℃のN,N’−ジオレイルアジプアミド、融点143〜144℃のN,N’−ジステアリルアジプアミドから選ばれる少なくとも1種以上、特にメチレンビスステアロアミドと他の3種のいずれか1種以上との混合物を配合すると良い。
【0024】
配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.05〜2重量部の範囲とすることが好ましい。合計量がこの範囲より少ないときは、巻き上げ、巻き下げ作業性が充分に優れたものとならず、また、多いときは、フイルム化した後に添加された物が噴き出したり、防曇性を阻害するという問題がおこり、好ましくない。上記範囲のうち0.05〜1.0重量部の範囲が特に好ましい。更に、好ましくは、0.1〜1.0重量部の範囲である。
【0025】
滑剤ないし熱安定剤としては、一般的に農業用フィルムに使用される、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、エステル系滑剤、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、有機ホスファイト化合物の如きキレーター、フェノール類、β−ジケトン化合物等があげられる。βジケトン化合物としては、ジベンゾイルメタン、メトキシベンゾイル・ベンゾイルメタン、クロルベンゾイル・ベンゾイルメタン、パルミチルベンゾイルメタン等が好適である。
これら、滑剤、熱安定剤の配合量は、0.01〜2.0重量部の範囲、特に、0.04〜1.0重量部が好ましい。
【0026】
紫外線吸収剤としては、農業用塩化ビニルフィルムに通常配合されるものであればよく、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系、ハイドロキノン系、シアノアクリレート系等各種の紫外線吸収剤があげられる。例えば、特公昭62−38143号公報第7欄第27行〜第9欄第34行目、特公昭62−53543号公報第7欄第13〜36行目に記載された紫外線吸収剤であり、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい。具体的には、以下のようなものがあげられる。
【0027】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ステアリルオキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエチルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−シクロヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリアゾールブチルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリアゾール、2−(2’−アセトキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等。
【0028】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤である、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロルベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等。
【0029】
紫外線吸収剤は、単独又は、2種以上を組み合わせて使用することができる。その配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部当たり、0.01〜3.0重量部の範囲、特に、0.02〜2.0重量部が好ましい。
光安定剤としては、農業用フイルムに通常配合される種々の化合物を使用することができ、例えば、ヒンダードアミン系化合物があげられ、具体的には、特開平6−155680号公報第5〜19頁等に記載の化合物である。これら光安定剤は一種類、または二種類以上組み合わせて使用してもよい。その配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部当たり、0.05〜5.0重量部の範囲、特に、0.1〜2重量部が好ましい。
【0030】
有機リン酸金属塩としては、亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウム、コバルト又はストロンチウムと各種有機リン酸との塩を使用する。具体的には、特開平2−30529号公報第9頁第9行〜第11頁最終行目に記載のある有機リン酸金属塩があげられる。これら有機リン酸金属塩は一種類、または二種類以上組み合わせて使用してもよい。その配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部当たり、0.05〜5.0重量部の範囲、特に、0.1〜2重量部が好ましい。
【0031】
抗酸化剤として使用可能な化合物としては、フェノール系及び硫黄系抗酸化剤が使用でき、具体的には、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール−2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート等をあげることができる。これらの酸化防止剤は、単独又は、2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0032】
安定化助剤として使用可能な化合物としては、トリフェニルホスファイト、ジオクチルフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジフェニルインデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルアシッドフォスファイト等をあげることができる。これらの安定化助剤は、単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】
帯電防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリグリコールエーテル、p−スチレンスルホン酸ナトリウム等があげられる。
防黴剤、防藻剤としては、一般的に農業用塩化ビニルフィルムに配合される種々の化合物を使用することができる。例えば、有機窒素系化合物があげられ、具体的には、イミダゾール誘導体、アニリド誘導体、尿素誘導体、アンモニウム誘導体、トリアジン誘導体、フタルイミド誘導体等がある。
着色剤として使用可能なものとしては、例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、パーマネントレッド、キナクリドン、カーボンブラック等をあげることができる。これらの着色剤も、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】
以上の各種樹脂添加物はフィルムの性質を悪化させない範囲、通常は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、5重量部以下の範囲で選ぶことができる。
塩化ビニル系樹脂に樹脂添加物を配合するには、各々必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーその他の従来から知られている配合機、混合機を使用すればよい。
【0035】
このようにして得られた樹脂組成物をフィルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押出成形法(T−ダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー成形法、溶液流延法等の従来から知られている方法によればよい。
フィルムの厚さは、0.03〜0.3mmの範囲、好ましくは、0.05〜0.2mmの範囲とするのが好ましい。0.03mmより薄いと、フイルムの強度が不足し破れが発生しやすく、0.3mmよりも厚いと、切断、接着等の作業に悪影響を与える。本発明の農業用樹脂フイルムは、基体フイルム表面の少なくとも片面に格子状、縞状、微細な凹凸模様(シボ模様)をつけてもよい。
【0036】
更に耐久性および、防塵性を向上させるために、本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの片面上に、アクリル系樹脂被膜を形成することが好ましい。
使用するアクリル系樹脂としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート5〜40重量%、分子内に1個もしくは2個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カルボン酸0〜20重量%及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体とを共重合して得られる重合体が好ましい。
【0037】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシペンチルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等があげられる。
【0038】
これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物は、得られるアクリル系樹脂が有機溶媒に溶け易く、アクリル系樹脂と基体塩化ビニル系樹脂フイルムとの密着性を向上し、更には、フイルム表面にしみ出してくる可塑剤の移行性を抑制する作用に大きく寄与する成分である。
このヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのアクリル系樹脂中で占める割合が、5重量%より少ない場合は、有機溶媒との溶解性、基体フイルムとの密着性及び耐久性向上効果を充分に発揮し得ず、他方、40重量%より多い場合には、コスト高となりコスト上昇に較べて得られる効果は大きくないので好ましくない。
【0039】
分子内に1個もしくは2個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アコニット酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等があげられる。これら化合物を、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと併用すると、アクリル樹脂と基体フイルムとの密着性及び耐久性が向上する。これらの使用量は、0.5〜20重量%が好ましい。これ以上であると、フィルムが水分で潤れているときにフイルム同志が付着し合う性質(湿潤時のブロッキング性)が強化されるので、好ましくない。
【0040】
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びα,β−不飽和カルボン酸と共重合可能な他のビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は、これとアルケニルベンゼンとの混合物があげられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸−n−プロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸デシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸−n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロピルエステル、メタクリル酸−n−ブチルエステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸デシルエステル等があげられ、一般には、アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が1〜20個のメタクリル酸のアルキルエステルが使用される。
【0041】
本発明で用いられるアルケニルベンゼンとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等があげられる。
このようなアルケニルベンゼンと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの混合物からなる単量体を用いる場合には、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の使用量によっても異なるが、通常(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用割合を10重量%以上とするのがよい。
【0042】
特に、本発明のアクリル系樹脂は上記のような(メタ)アクリル酸アルキルエステル、これとアルケニルベンゼンの混合物からなる単量体を、40〜60重量%含有するものが好ましい。
かかるアクリル系樹脂を、基体塩化ビニル系樹脂フイルムに表面処理するときに、フイルムとの密着性等を改善する目的で、アクリル系樹脂と相溶性のある他樹脂を混合することが可能である。他樹脂としては、フッ化ビニリデン系樹脂、パーフルオロアルキル基を側鎖にもつアクリル樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、シリコン樹脂等がとくに効果的である。
【0043】
アクリル系樹脂を重合するには、各単量体を所定量組合せて有機溶媒とともに重合缶に仕込み、重合開始剤、必要に応じて分子量調節剤を加えて、攪拌しつつ加熱すればよい。
【0044】
塩化ビニル系樹脂フィルムの片面に形成するアクリル系樹脂の被膜は、アクリル系樹脂を前述の有機溶媒に溶解して塗布するのがよい。
塩化ビニル系樹脂フィルム表面上に、前記アクリル系樹脂の被膜を形成するには、アクリル系樹脂を有機溶媒に溶解し、スプレイコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ディップコート法等のほか、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等のそれ自体公知の各種塗布方法によって塗布し、乾燥するのがよい。利用できる乾燥方法は、例えば熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法などである。乾燥温度は、前記有機溶媒を飛散させる温度、すなわち、アクリル系樹脂を溶解している有機溶媒の沸点以上とするのがよい。乾燥時間は、短い方がよい。従って、有機溶媒の沸点以上の温度で、できるだけ短時間に乾燥するのがよい。
【0045】
基体フィルムの表面に形成するアクリル系樹脂被膜の厚さは、基体フィルムの厚さにもよるが、0.5〜10μmの範囲から選ぶ。10μmより厚いときは、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に差があるために、被膜が基体フィルムから剥離する等の現象がおこり易く、また、被膜に亀裂が入って基体フィルムの強度を低下させるという現象がおこり、好ましくない。0.5μmより薄いときは、基体フィルムの耐久性および、防塵性を向上させる効果を発揮しないので、好ましくない。被膜の厚さは、上記範囲内で、基体フィルムの厚さに比例させるのがよい。
【0046】
本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを、実際に使用するにあたっては、被膜が片面のみに形成されているときは、この被膜の設けられた側をハウス又はトンネルの外側となるようにして展張するのがよい。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜4
(1)塩化ビニル系樹脂フィルムの製造
ポリ塩化ビニル(重合度=1300) 100重量部
ジ−2−エチルヘキシルフタレート 45重量部
トリクレジルホスフェート 5重量部
エポキシ樹脂(商品名「EP−828」) 1.5重量部
Ba−Zn系液状安定剤 1重量部
ステアリン酸バリウム 0.2重量部
ステアリン酸亜鉛 0.4重量部
ソルビタンモノパルミテート 1.5重量部
βジケトン化合物(ジベンゾイルメタン) 0.1重量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.04重量部
(商品名「TINUVIN−P」)
【0048】
フッ素系界面活性剤(商品名「ユニダインDS−401」) 0.2重量部
以上あげた樹脂原料、樹脂添加物を秤量し、更にこれに、第1表に示す組成、第2表に示す重量部の塩素化ポリエチレン及び、、無機質粒子、第2表に示した種類及び量の粘着防止剤を配合した。これらをスーパーミキサーで10分間撹拌混合したのち、165℃に加温したロール上で混練し、L型カレンダー装置によって、厚さ0.10mmの透明な塩化ビニル系樹脂フィルムを製造した。
【0049】
(2)被膜の形成
重合缶に、イソプロピルアルコール150重量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部、アクリル酸10重量部、メチルメタクリレート40重量部及びエチルメタクリレート30重量部を加え、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部加えて、窒素ガス気流下、80℃で10時間重合反応を行なった。
得られた共重合体溶液に、イソプロピルアルコールを加えて、固形分を20重量%に調節して、被覆用樹脂とした。
上記(1)で製造した基体フィルムの片面に、上記被覆用樹脂をグラビアコート法によって塗布したのち、150℃に温度調節した温風乾燥炉内に10秒間滞留させ、溶媒を飛散させ、厚さ約2μmの被膜を形成した。
【0050】
フィルムの評価
以下の方法においてフィルムの性能を評価し、その結果を第3表に示す。
(3)初期外観
実施例、比較例で作成したフィルムの外観を、肉眼での観察及び日立製作所(株)製EPS−2U型により直進光線透過率(波長555nm)を測定した。
この評価基準は、次のとおりである。
(3−1)目視外観
◎…表面光沢にむらがなく、かつ荒れ、しわのないもの。
△…表面光沢にむらがあり、又は荒れ、しわのないもの。
×…表面光沢にむらがあり、かつ荒れ、しわのあるもの。
(3−2)直進光線透過率
◎…透過率が、85%以上のもの。
○…透過率が、65%〜84%のもの。
△…透過率が、45%〜64%のもの。
×…透過率が、45%未満のもの。
【0051】
(4)常温物性
引張り特性:実施例、比較例で得られたフィルムをJIS K6732に準拠し、23℃の室内において、破断伸びを測定した。
【0052】
(5)低温物性
衝撃強度:フィルムを10cm×10cmのサンプルを9枚用意し、JIS B−7503に規定されたダイヤルゲージで
サンプルの中心部の厚みを測定する。上記サンプルを−15℃の室内において、東洋精機(株)製パンクチャーにより測定した。
尚、衝撃度は、下記の式によって表す。
衝撃強度=測定値(衝撃値)/測定厚み×公称厚み
【0053】
(6)噴き出し性
温度40℃、相対湿度80%の恒温恒湿器に、7ヶ月間放置したフイルム表面の状況を肉眼で観察した。この評価基準は、次のとおりである。
◎・・・ほぼ完全にフイルムが透明。
○・・・少し白し粉状の噴き出しがあるが、ほぼ透明。
○×・・白い粉状の噴き出しがあり、透明性が少し阻害される。
△・・・白い粉状の噴き出しがあり、フイルムが梨地状で透明性が劣る。
×・・・白い粉状の噴き出しが著しく、不透明である。
【0054】
(7)べたつき性
幅30cm、長さ150cmに切断したフイルムを、名古屋市の水道水に7日間浸し、これを、直径2cm、幅35cmの亜鉛メッキをした鉄製のパイプに巻き付け、55℃のオーブン内で4週間放置し、乾燥させた。このフイルムを鉄パイプから巻き戻した時の剥がれ易さを下記の基準で評価した。
◎・・・スムースに剥がれ、抵抗がない。
○・・・剥がし始めに、少し抵抗がある。
△・・・剥がすのに抵抗がある。
×・・・容易に剥がれず、大きな力がいる。
【0055】
(8)防曇性
フイルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置したパイプハウス(間口3m奥行き10m、棟高1.5m)に被覆し、平成10年10月〜平成11年10月までの1年間展張試験を行った。展張したフイルムについて、以下の方法により、展張初期の防曇性(展張1時間後)および、長期の防曇性を評価した。
(8−1)展張初期防曇性
◎・・・水滴が筋状に均一に濡れ、透明である。
○・・・水滴が筋状に流れ始め、かなり透明である。
○×・・水滴が成長し、白く光っている部分がなく、全体に透明感がある。
△・・・細かい水滴が付着しているが、一部分に透明感がある。
×・・・細かい水滴が全面に付着し、白く光って見える。
(8−2)展張長期防曇性
◎・・・一面に均一に濡れ、水膜が完全に透明。
○・・・ほぼ均一に濡れ、水膜がほぼ透明。
○×・・水滴が付着した、一部分が不透明。
△・・・水滴が多く付着し、不透明な部分が多い。
×・・・全面に細かい水滴が付着し、不透明。
【0056】
(9)保温性
フイルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置した露地トンネル(間口2m、奥行き2m)に被覆し、トンネル内部中央部で、夜間のトンネル内部温度を測定した。測定期間は、平成11年 3月上旬から10日間である。
午後6時から翌日の午前6時までの間の温度を1時間毎に測定し、この間の温度を平均して一日の平均値とし、更に10日間の平均温度として示した。
この数値が大きいほどフイルムの保温力が高いことを意味する。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】
(1)本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、無機質粒子を配合しても低温下における物性に優れており、展張時による破れ、展張後の外力(風、雪、雹、アラレ等)による破れに対する抵抗性に優れている。
(2)本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、保温性、べたつき性、展張初期及び、長期の防曇性に優れることから、ハウス(温室)用、トンネル用等の被覆用のほか、ハウスのサイド、天窓、戸口、妻部等の部分にも使用することができ、農業用被覆材としての利用価値は極めて大きい。
Claims (5)
- 塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、塩素化ポリエチレン0.5〜20重量部、可塑剤30〜60重量部、無機質粒子0.1〜15重量部を含有してなることを特徴とする農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
- 該塩素化ポリエチレンが塩素含有量15〜50重量%、メルトインデックス0.5〜150g/10分、結晶化度0〜30%であることを特徴とする請求項1項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
- 該無機質粒子が下記式(I)〜(V)で表される化合物、酸化珪素(シリカ)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、マグネシウム珪酸塩(タルク)、炭酸マグネシウム、及び酸化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種を配合されてなる請求項1ないし請求項2項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
(I):M2+ (1-X)Al3+ X(OH-)2・(A1 n-)x/n・mH2O
(式中、M2+は2価の金属イオン、An-はn価の陰イオンをそれぞれあらわし、x、mおよびnは、0<x<0.5、0≦m≦2、1≦n≦3なる条件をそれぞれ満たす。)
(II):Li+(Al3+)2(OH-)6・(A2 n-)1/n・mH2O
(式中、An-はn価の陰イオンをそれぞれあらわし、mおよびnは、0≦m≦3、1≦n≦3なる条件をそれぞれ満たす。)
(III):[(Li+ (1-X)M2+ X)(Al3+)2(OH-)6]2(SiyO(2y+1) 2-)(1+x)・mH2O
(式中、M2+は2価の金属イオンをあらわし、m、xおよびyは、0≦m<5、0≦x<1、2≦y≦4なる条件をそれぞれ満たす。)
(IV):[(Li+ (1-X)M2+ X)(Al3+)2(OH-)6]2(A3 n-)2(1+x)/n・mH2O
(式中、M2+は2価の金属イオン、An-はn価の陰イオンをそれぞれあらわし、m、xおよびnは、、0≦m<5、0.01≦x<1、1≦n≦3なる条件をそれぞれ満たす。)
(V):mAl2O3・(n/p)M2/pO・X・kH2O
(式中、Xは炭酸根、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属をそれぞれあらわし、pは金属Mの価数であり、m、nおよびkは、0.3≦m≦1、0.3≦n≦2、0.5≦k≦4なる条件をそれぞれ満たす。) - 塩化ビニル系樹脂が、エチレンビスラウリルアミド、N,N’−ジオレイルアジプアミド、N,N’−ジステアリルアジプアミドの少なくとも一種を配合されてなる請求項1ないし請求項3のいずれかの項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
- 塩化ビニル系樹脂フィルムの片面又は両面に、アクリル系樹脂被膜が形成されてなる請求項1ないし請求項4のいずれかの項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
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